【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、固定部材に対してのアクセスが容易であるような、および、取付を早くかつ容易に行い得るような、改良されたルーフフックを提供することである。
【0006】
上記目的は、請求項1における各特徴点によって得られる。
【0007】
本発明における有利な様々な構成は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明によれば、少なくとも2つの構成部材からモジュール的に製造されるルーフフックが提供される。それぞれの構成部材上に一体的に形成された固定表面どうしは、圧力嵌めによって連結され、とりわけ、マウントに対して連結部材によって連結される。公知の調節可能なルーフフックとは異なり、本発明によるルーフフックは、個々に容易にアクセス可能とされた連結部材を介して調節可能であり、パンタイルに対して適切に適合することができる。これにより、ルーフ上に太陽電池設置モジュールを極めて容易に取り付けることができる。よって、本発明によれば、一様な第1構成部材を備えた可変的なタイプのルーフ取付システムを具現することができる。
【0009】
1つの重要な利点は、本発明によるルーフフックが、ルーフ表面に対してあるいは第1固定部分に対して実質的に垂直に調節可能であることである。これにより、斜め調節可能である場合のように、パンタイル上においてルーフフックに隣接する位置が、影響を受けることがない。
【0010】
本発明の他の重要な利点は、鉛直方向においてルーフ表面に対してのマウントの位置を調節可能とすることを意図した固定部分が、ルーフ表面に対して平行ではないことである。したがって、調節方向に対して垂直ではないことである。そのような固定部分は、マウントの方向に対して、斜めに傾斜している。よって、固定部分に対して容易にアクセスすることができる。このことは、取付を極めて容易なものとする。
【0011】
本発明によるルーフフックは、X方向およびY方向に延在し特にネジといったような連結部材のための穴を有しルーフ上にルーフフックを固定するための第1固定部分を具備している。ルーフフックは、さらに、第1固定部分に対して垂直に延在するとともに第1固定部分からZ方向に延在する第2固定部分と、この第2固定部分に対して固定されるとともに、太陽電池設置モジュールを固定するための、あるいは、太陽電池設置モジュール用の固定形状部材を固定するための、フック形状のマウントと、を具備し、マウントが、Z方向において第2固定部分上において調節可能とされ、第2固定部分上にマウントを固定するための固定部分が設けられ、この固定部分が、Z方向において斜めに作用する。
【0012】
本発明の一実施形態においては、太陽電池設置モジュールのためのマウントが、第2固定部分に対してほぼ平行に配置された移行脚を備えていることが有利である。移行脚は、U字形状のフック部分に対して連結される。このフック部分は、第1固定部分がなす平面に対して平行に延在する支持脚と、Z方向に延在して支持脚に対して連結された底部脚と、から構成される。底部脚は、移行脚と平行に延在している。底部脚は、第1固定部分がなす平面に対して平行に延在する固定脚において終端している。
【0013】
パンタイルは、U字形フック部分内に収容され、固定脚上に固定される。固定脚は、Z方向に延在する取付脚において終端している。取付脚は、太陽電池設置モジュールを取り付けることを意図したものである、あるいは、太陽電池設置モジュール用の固定形状部材を取り付けることを意図したものである。
【0014】
有利には、取付脚には、調節のために使用することを意図したスロットが設けられる。スロットは、太陽電池設置モジュールを固定するためのあるいは固定形状部材を固定するための固定ネジを受領することができる。固定ネジは、スロット内においてその位置を調節することができる。スロットを穴として構成することにより、許容誤差を容易に均衡化することができる。スロットとして取付穴を設けることに代えて、丸穴を設けることができる。
【0015】
本発明の他の有利な構成においては、取付脚が、その固定表面において、太陽電池設置モジュールに対してあるいは太陽電池設置モジュール用の固定形状部材に対して対向し、その固定表面が、特にリブといったような係合部材を有し、係合部材が、X方向において少なくとも部分的に延在している、あるいは、固定表面の一端から他端までにわたって連続的に延在している。係合部材は、太陽電池設置モジュール上のあるいは太陽電池設置モジュール用の固定形状部材上の対応する係合部材に対して係合することができ、これにより、固定を行うことができる。
【0016】
本発明の一実施形態においては、第2固定部分が、その固定表面において、マウントに対向しており、固定表面に対して平行に延在する移行脚が、その固定表面において、第2固定部分に対して対向し、第2固定部分が、特にリブといったような係合部材を備え、係合部材が、X方向において少なくとも部分的に延在している、あるいは、固定表面の一端から他端までにわたって連続的に延在している。これにより、固定部分による摩擦ロックおよび干渉結合を介しての第2固定部分上におけるマウントの固定を、行うことができる。
【0017】
本発明の1つの実施可能な態様においては、第2固定部分が、X方向に延在するスロットを備え、このスロットが、固定部分において、特にネジといったような連結部材によって貫通され得るものとされ、これにより、マウントを、水平方向において調節可能としている。
【0018】
マウントの鉛直方向の調節可能性が、すなわち、Z方向において第2固定部分に対して平行な方向の調節可能性が、移行脚の係止表面内のスロットによって、得られる。移行脚のうちの、固定表面とは反対側の係止表面と、第2固定部分のうちの、固定表面とは反対側の係止表面とは、Z方向に対して斜めに配置さ
れている。よって、第2固定部分上にマウントを固定するための固定部分あるいは連結部材は、第1固定部分に対して平行ではなく、したがってY方向に延在するわけではなく、Z方向に対して角度αで傾斜している。
【0019】
固定部分の連結部材の、Y方向およびZ方向に対して斜めに作用する長手方向中央軸線は、第1固定表面および第2固定表面によって開口した空間内において、第1固定部分に対して、角度(α)でもって延在し、角度(α)が、0<α<60°とされ、とりわけ10<α<40°とされ、好ましくは15<α<20°とされる。よって、連結部材に対して、容易にアクセスすることができ、これにより、ルーフフックの取付を極めて容易なものとすることができる。
【0020】
したがって、本発明によるルーフフックは、一方においては、Z方向に対して調節可能であって、これにより、パンタイルに対しての許容誤差を均衡化することができ、また、様々なタイプのパンタイルに対して使用することができ、他方においては、Y方向において垂直に設けられた従来的な固定部分が設けられることがなく、固定部分は、マウントの方向において傾斜しており、これにより、はるかに容易にアクセスすることができる。
【0021】
ルーフフックは、有利には、ダイキャスト法によって製造される。この方法は、特に従来的な押し出し法と比較して、ずっと大きな安定性を可能とし得るとともに、熱処理に起因する負傷リスクを軽減することができる。
【0022】
マウントを、アルミニウムキャスティングによって一体部材として形成することにより、移行脚と支持脚との間の、支持脚と底部脚との間の、底部脚と固定脚との間の、および、固定脚と取付脚との間の、曲がり移行領域を形成することができる。
【0023】
特に、負荷耐性を有したルーフフックが、少なくとも1つの補強リブを設けることによって、得られる。とりわけ、補強リブは、移行脚の領域に配置され、第2固定部分がなす平面を超えてY方向に延在する。特に、補強リブは、移行脚の係止表面のエッジ領域に配置される。
【0024】
本発明の一実施形態においては、少なくとも1つの補強リブが設けられ、好ましくは2つの補強リブが設けられ、補強リブは、移行脚の係止表面のエッジ領域の少なくとも一部上に延在している。これにより、第2固定部分と移行脚と支持脚との間の各移行領域が補強される。ルーフフックの安定的な構成の結果として、ルーフタイルが取り外され、ルーフタイルの破損が回避される。これにより、負荷の印加時に発生しかねないZ方向における弛みの発生を防止することができる。
【0025】
移行脚の係止表面のエッジ領域に沿って延在する補強リブの高さおよび/または幅を第1固定部分の方向においてすなわちZ方向において増大させるという点において、第2固定部分からマウントへの移行領域を、さらに安定化することができる。
【0026】
ルーフフックの安定性をさらに増大させ得るよう、1つのとりわけ2つの補強リブを、第1固定部分に設けることができる。そのような補強リブは、XY平面に沿ってZ方向に延在しており、移行脚の方向において延在している。
【0027】
本発明につき、添付図面を参照しつつ、例示としての実施形態に関して詳細に説明する。