特許第5968930号(P5968930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968930
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】画像形成装置及びイベント通知システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160728BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160728BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160728BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   G06F3/12 320
   G06F3/12 334
   G06F3/12 335
   G06F3/12 359
   G06F3/12 388
   B41J29/38 Z
   G03G21/00 396
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-29094(P2014-29094)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-153337(P2015-153337A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年1月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】浅野 武彦
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−142412(JP,A)
【文献】 特開2010−114881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを経由して複数の情報処理装置とサーバーとに結合されており、制御部と、画像データを保存するハードディスクである記憶部と、フラッシュメモリーである補助記憶部とを備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、該画像形成装置にイベントが発生すると、予め登録を行った情報処理装置に前記イベントを通知するイベント通知送信処理部を有し、
前記補助記憶部は、(A)予め登録を行なった前記情報処理装置から受信する前記情報処理装置の宛先アドレスが設定されているイベント通知登録データを保存するイベント通知登録データ保存エリアと、(B)該画像形成装置で発生した前記イベントを前記情報処理装置に通知するために、該画像形成装置が作成するイベント通知データを保存するイベント通知データ保存エリアとを有し、
該画像形成装置は、前記情報処理装置から前記イベント通知登録データを受信すると、前記イベント通知登録データ保存エリアに保存し、
前記制御部がイベントの発生を検出すると、前記イベント通知送信処理部を起動し、イベント通知送信処理を開始させ、
前記イベント通知送信処理部は、
(1)発生したイベントの前記イベント通知データを作成し、前記イベント通知データ保存エリアに保存し、
(2)前記イベント通知登録データ保存エリアから前記イベント通知登録データを取り出し、前記イベント通知登録データに設定されているイベントを通知する情報処理装置の前記宛先アドレスを取り出し、
(3)取り出した前記イベント通知登録データから前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の台数を算出し、
(4)前記イベント通知データ保存エリアから新たに発生したイベントの前記イベント通知データを取り出し、
(5)算出した前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるか否かを判定し、
(6)前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるときに前記イベント通知データを、取り出した前記宛先アドレスの前記情報処理装置に直接送信し、前記イベント通知送信処理を終了し、
(7)前記情報処理装置の前記台数が前記イベント通知数の上限値以下でないときに、取り出した前記宛先アドレスを設定したイベント通知データを前記サーバーに送信し、前記サーバーを経由して前記イベント通知データを前記宛先アドレスの情報処理装置に送信し、前記イベント通知送信処理を終了することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ネットワークを経由して結合された、画像形成装置、複数の情報処理装置、及びサーバーを有するイベント通知システムであって、
前記情報処理装置は、該情報処理装置の宛先アドレスを設定したイベント通知登録データを、予め前記ネットワークを経由して前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置から送信されるイベント通知データを、前記ネットワークを経由して受信し、
前記画像形成装置は、制御部と、画像データを保存するハードディスクである記憶部と、フラッシュメモリーである補助記憶部とを備え、
前記制御部は、該画像形成装置にイベントが発生すると、予め登録を行った情報処理装置に前記イベントを通知するイベント通知送信処理部を有し、
前記補助記憶部は、(A)予め登録を行なった前記情報処理装置から受信する前記情報処理装置の宛先アドレスが設定されているイベント通知登録データを保存するイベント通知登録データ保存エリアと、(B)該画像形成装置で発生した前記イベントを前記情報処理装置に通知するために、該画像形成装置が作成するイベント通知データを保存するイベント通知データ保存エリアとを有し、
該画像形成装置は、前記情報処理装置から前記イベント通知登録データを受信すると、前記イベント通知登録データ保存エリアに保存し、
前記制御部がイベントの発生を検出すると、前記イベント通知送信処理部を起動し、イベント通知送信処理を開始させ、
前記イベント通知送信処理部は、
(1)発生したイベントの前記イベント通知データを作成し、前記イベント通知データ保存エリアに保存し、
(2)前記イベント通知登録データ保存エリアから前記イベント通知登録データを取り出し、前記イベント通知登録データに設定されているイベントを通知する情報処理装置の前記宛先アドレスを取り出し、
(3)取り出した前記イベント通知登録データから前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の台数を算出
(4)前記イベント通知データ保存エリアから新たに発生したイベントの前記イベント通知データを取り出し、
(5)算出した前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるか否かを判定
(6)前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるときに前記イベント通知データを、取り出した前記宛先アドレスの前記情報処理装置に直接送信し、前記イベント通知送信処理を終了し、
(7)前記情報処理装置の前記台数が前記イベント通知数の上限値以下でないときに、取り出した前記宛先アドレスを設定したイベント通知データを前記サーバーに送信し、前記サーバーを経由して前記イベント通知データを前記宛先アドレスの情報処理装置に送信し、前記イベント通知送信処理を終了することを特徴とするイベント通知システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、パソコン、スマートフォン、携帯電話、またはタブレット端末であることを特徴とする請求項に記載のイベント通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置のイベントを通知する画像形成装置及びイベント通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、又は複合機(Multifunction Peripheral)である画像形成装置は、ジョブの開始、ジョブの中止、ジョブの終了、用紙切れ、トナー切れ、または紙詰まりなどの状態の変化(以下、「イベント」という)が発生すると、ネットワークのイベント通知システム(WS−Evanting)によりPC(パソコン)にイベントを通知することができる。このWS−Evantingのイベント通知システム(以下、「イベント通知システム」という)は、予め登録を行ったPCだけにイベントを画像形成装置から通知するシステムである。例えば、特許文献1で開示されたネットワークにおけるイベント通知システムでは、ホスト(PC)と複数のデバイス(画像形成装置)とがネットワークで結合され、ホストからデバイスに対する要求に応じて登録されたイベントの種類及び通知先アドレスに基づいて、デバイスで発生したイベントをホストに通知することができる。また、デバイスに対する処理要求の直後にデバイスでイベントが発生してもこれをホストへ通知できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−156809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなイベント通知システムでは、画像形成装置のメモリ容量などの性能により画像形成装置が一度に通知するイベント数(以下、「イベント通知数」という)に上限が設けられているので、このイベント通知数の上限を超えるイベントをPCに通知することができない。このため、イベント通知システムのサーバーを経由してイベントを通知することで、デバイスのイベント通知数の上限を超えるイベントを通知することができるが、常にサーバーを経由するとサーバーの負荷が上がるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる画像形成装置及びイベント通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、ネットワークを経由して複数の情報処理装置とサーバーとに結合されており、制御部と、画像データを保存するハードディスクである記憶部と、フラッシュメモリーである補助記憶部とを備えた画像形成装置であって、前記制御部は、該画像形成装置にイベントが発生すると、予め登録を行った情報処理装置に前記イベントを通知するイベント通知送信処理部を有し、前記補助記憶部は、(A)予め登録を行なった前記情報処理装置から受信する前記情報処理装置の宛先アドレスが設定されているイベント通知登録データを保存するイベント通知登録データ保存エリアと、(B)該画像形成装置で発生した前記イベントを前記情報処理装置に通知するために、該画像形成装置が作成するイベント通知データを保存するイベント通知データ保存エリアとを有し、該画像形成装置は、前記情報処理装置から前記イベント通知登録データを受信すると、前記イベント通知登録データ保存エリアに保存し、前記制御部がイベントの発生を検出すると、前記イベント通知送信処理部を起動し、イベント通知送信処理を開始させ、前記イベント通知送信処理部は、(1)発生したイベントの前記イベント通知データを作成し、前記イベント通知データ保存エリアに保存し、(2)前記イベント通知登録データ保存エリアから前記イベント通知登録データを取り出し、前記イベント通知登録データに設定されているイベントを通知する情報処理装置の前記宛先アドレスを取り出し、(3)取り出した前記イベント通知登録データから前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の台数を算出し、(4)前記イベント通知データ保存エリアから新たに発生したイベントの前記イベント通知データを取り出し、(5)算出した前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるか否かを判定し、(6)前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるときに前記イベント通知データを、取り出した前記宛先アドレスの前記情報処理装置に直接送信し、前記イベント通知送信処理を終了し、(7)前記情報処理装置の前記台数が前記イベント通知数の上限値以下でないときに、取り出した前記宛先アドレスを設定したイベント通知データを前記サーバーに送信し、前記サーバーを経由して前記イベント通知データを前記宛先アドレスの情報処理装置に送信し、前記イベント通知送信処理を終了することを特徴としている。
本発明のイベント通知システムは、ネットワークを経由して結合された、画像形成装置、複数の情報処理装置、及びサーバーを有するイベント通知システムであって、前記情報処理装置は、該情報処理装置の宛先アドレスを設定したイベント通知登録データを、予め前記ネットワークを経由して前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置から送信されるイベント通知データを、前記ネットワークを経由して受信し、前記画像形成装置は、制御部と、画像データを保存するハードディスクである記憶部と、フラッシュメモリーである補助記憶部とを備え、前記制御部は、該画像形成装置にイベントが発生すると、予め登録を行った情報処理装置に前記イベントを通知するイベント通知送信処理部を有し、前記補助記憶部は、(A)予め登録を行なった前記情報処理装置から受信する前記情報処理装置の宛先アドレスが設定されているイベント通知登録データを保存するイベント通知登録データ保存エリアと、(B)該画像形成装置で発生した前記イベントを前記情報処理装置に通知するために、該画像形成装置が作成するイベント通知データを保存するイベント通知データ保存エリアとを有し、該画像形成装置は、前記情報処理装置から前記イベント通知登録データを受信すると、前記イベント通知登録データ保存エリアに保存し、前記制御部がイベントの発生を検出すると、前記イベント通知送信処理部を起動し、イベント通知送信処理を開始させ、前記イベント通知送信処理部は、(1)発生したイベントの前記イベント通知データを作成し、前記イベント通知データ保存エリアに保存し、(2)前記イベント通知登録データ保存エリアから前記イベント通知登録データを取り出し、前記イベント通知登録データに設定されているイベントを通知する情報処理装置の前記宛先アドレスを取り出し、(3)取り出した前記イベント通知登録データから前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の台数を算出(4)前記イベント通知データ保存エリアから新たに発生したイベントの前記イベント通知データを取り出し、(5)算出した前記イベント通知データを送信する前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるか否かを判定(6)前記情報処理装置の前記台数がイベント通知数の上限値以下であるときに前記イベント通知データを、取り出した前記宛先アドレスの前記情報処理装置に直接送信し、前記イベント通知送信処理を終了し、(7)前記情報処理装置の前記台数が前記イベント通知数の上限値以下でないときに、取り出した前記宛先アドレスを設定したイベント通知データを前記サーバーに送信し、前記サーバーを経由して前記イベント通知データを前記宛先アドレスの情報処理装置に送信し、前記イベント通知送信処理を終了することを特徴としている。
また、本発明のイベント通知システムは、前記情報処理装置は、パソコン、スマートフォン、携帯電話、またはタブレット端末であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置及びイベント通知システムは、イベントの通知をサポートするサーバーの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るイベント通知システムの構成を示す図である。
図2図1に示すイベント通知システムの画像形成装置とPCの機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置のイベント通知送信処理の流れを示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係るPCのイベント通知受信処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について図面を参照して説明する。本実施形態のイベント通知システムは、画像形成装置からイベントを通知するPCの台数と画像形成装置の性能により、画像形成装置からPCにイベントを直接通知できるかを判定し、直接通知できるときだけ画像形成装置からPCにイベントを直接通知する。また、直接通知できないときには、画像形成装置はイベントの通知をサポートするサーバー(以下、「イベント通知サポートサーバー」という)を経由してPCにイベントを通知することで、画像形成装置とイベント通知サポートサーバーの負荷を分散するものである。
【0010】
本実施形態のイベント通知システム10の概要について、図1を用いて説明する。図1に示すように、イベント通知システム10は、画像形成装置100、複数のPC200、イベント通知サポートサーバー300、及びネットワーク400により構成されている。
【0011】
画像形成装置100は、プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、又は複合機であり、原稿台から直接読み取った原稿の画像データまたはPC200から送信された画像データの印刷を行う。また、画像形成装置100は、イベントが発生すると、予め登録を行っているPC200にイベントを通知する。
【0012】
PC200は、画像形成装置100のプリントドライバーが搭載され、印刷出力する原稿の画像データなどを格納した印刷要求データを画像形成装置100に送信する。また、PC200は、画像形成装置100から受信したイベント通知データを保存するとともに操作表示パネルに表示する。
【0013】
イベント通知サポートサーバー300は、PCなどのコンピューターであり、画像形成装置100から送信されたイベント通知データを受信すると、イベント通知データに設定されている宛先アドレスのPC200にイベント通知データを送信する。
【0014】
ネットワーク400は、LAN(Local Area Network)等のネットワークであり、画像形成装置100、複数のPC200、及びイベント通知サポートサーバー300を接続し、各種データを送受信する。
【0015】
まず、画像形成装置100の機能構成について図2を用いて説明する。図2に示すように画像形成装置100は、制御部101、補助記憶部102、記憶部103、操作パネル104、操作パネル処理部105、原稿読取部106、画像形成部107、印刷部108、及びネットワーク通信部109を備えている。これらの各部は、バスなどにより接続されている。
【0016】
制御部101は、MPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等による制御手段を備え、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的な画像形成装置100のコントロールを行う。制御部101には、イベント通知送信処理部101aが設けられている。
イベント通知送信処理部101aは、画像形成装置100にイベントが発生すると、予め登録を行ったPC200にイベントを通知する。イベント通知送信処理部101aが実行するイベント通知送信処理の詳細については、後述する。
【0017】
補助記憶部102は、フラッシュメモリー等からなる補助記憶装置で、制御部101が実行する処理のプログラムやデータが記憶される。補助記憶部102には、イベント通知登録データ保存エリア102aとイベント通知データ保存エリア102bが設けられている。
イベント通知登録データ保存エリア102aは、イベント通知を要求したPC200から受信するPC200の宛先アドレスが設定されているイベント通知登録データを保存する。
イベント通知データ保存エリア102bは、画像形成装置100で発生したイベントをPC200に通知するために、画像形成装置100が作成するデータ(以下、「イベント通知データ」という)を保存する。
【0018】
記憶部103は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブである。記憶部103には、画像データ保存エリア103aが設けられている。
画像データ保存エリア103aは、原稿読取部106が読み取った原稿を画像形成部107により画像形成された画像データ、ネットワーク通信部109を経由してPC200から受信した画像データを保存する。
【0019】
操作パネル104は、操作メニューの表示、ユーザーの指による操作を受け付ける。また、ユーザーは操作パネル104から画像形成装置100に設定する各種情報を入力することができる。
【0020】
操作パネル処理部105は、画像形成装置100が備えている機能の操作項目を操作パネル104に表示する処理、ユーザーが行う操作に対する操作データ、及び画像形成装置100に対する設定データを操作パネル104から入力する処理を行う。
【0021】
原稿読取部106は、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行うもので、ユーザーが操作パネル104から読み取り要求を行うことにより、原稿台にセットされた原稿の読み取りを行う。
【0022】
画像形成部107は、ユーザーからの読み取り要求により原稿読取部106で読み取った原稿を、印刷部108で印刷可能またはFAXやメールで送信可能なデータ形式の画像データに変換する。
【0023】
印刷部108は、ユーザーから印刷要求のあった画像データの印刷を行う。
【0024】
ネットワーク通信部109は、ネットワーク400に接続するための着脱可能なLANインターフェイスを備えている。LANインターフェイスには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0025】
次に、PC200の機能構成について図2を用いて説明する。図2に示すようにPC200は、制御部201、補助記憶部202、ネットワーク通信部203、及び操作表示部204を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。
【0026】
制御部201は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU等の制御手段を備えている。また、制御部201は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラー等を含む総合的なPC200のコントロールを行う。制御部201には、プリントドライバー処理部201aとイベント通知受信処理部201bが設けられている。
プリントドライバー処理部201aは、ユーザーにより画像データなどが格納された印刷要求データを、ネットワーク通信部203を経由して画像形成装置100に送信する。
イベント通知受信処理部201bは、画像形成装置100からイベント通知データを受信するときには、イベント通知受信処理部201bのPC200の宛先アドレスを設定したイベント通知要求データを、予めネットワーク通信部203を経由して画像形成装置100に送信する。また、イベント通知受信処理部201bは、画像形成装置100から送信されるイベント通知データを、ネットワーク通信部203を経由して受信する。
【0027】
補助記憶部202は、フラッシュメモリー等からなる補助記憶装置で、制御部201が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。補助記憶部202には、画像データ保存エリア202aとイベント通知データ保存エリア202bが設けられている。
画像データ保存エリア202aは、スキャナーなどで読み込んだ画像データなどを保存する。画像データは、画像形成装置100に印刷要求するときに取り出される。
イベント通知データ保存エリア202bは、画像形成装置100から送信されたイベント通知データを保存する。イベント通知データは、操作表示部204に表示するときに取り出される。
【0028】
ネットワーク通信部203は、ネットワーク400に接続するための着脱可能なLANインターフェイスを備えている。LANインターフェイスには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0029】
操作表示部204は、操作表示パネルを備え、操作表示パネルからユーザーの操作を入力し、またユーザーの操作結果や画像形成装置100から受信するイベント通知データを表示する。
【0030】
次に、画像形成装置100の制御部101に設けられているイベント通知送信処理部101aにより実行されるイベント通知送信処理について、図3に示すフローチャートのステップ順に説明する。
【0031】
画像形成装置100からイベント通知データを受信するには、ユーザーにより予めイベント通知登録データを画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、PC200からイベント通知登録データを受信すると、補助記憶部102のイベント通知登録データ保存エリア102aに保存する。次に、画像形成装置100の制御部101がイベントの発生を検出すると、イベント通知送信処理部101aを起動し、イベント通知送信処理部101aがイベント通知送信処理を開始する。
【0032】
(ステップS101)
まず、イベント通知送信処理部101aは、発生したイベントのイベント通知データを作成し、補助記憶部102のイベント通知データ保存エリア102bに保存する。
【0033】
(ステップS102)
まず、イベント通知送信処理部101aは、補助記憶部102のイベント通知登録データ保存エリア102aからイベント通知登録データを取り出し、イベント通知登録データに設定されているイベントを通知するPC200の宛先アドレスを取り出す。
【0034】
(ステップS103)
次いで、イベント通知送信処理部101aは、ステップS102で取り出したイベント通知登録データからイベント通知データを送信するPC200の台数を算出する。
【0035】
(ステップS104)
イベント通知送信処理部101aは、補助記憶部102のイベント通知データ保存エリア102bから新たに発生したイベントのイベント通知データを取り出す。
【0036】
(ステップS105)
次いで、イベント通知送信処理部101aは、イベント通知データを送信するステップS103で算出したPC200の台数がイベント通知数の上限値以下であるかを判定する。イベント通知データを送信するPC200の台数がイベント通知数の上限値以下であるとき(ステップS105のYes)は、ステップS106に進む。イベント通知データを送信するPC200の台数がイベント通知数の上限値以下でないとき(ステップS105のNo)は、ステップS107に進む。
【0037】
(ステップS106)
ステップS105のYesにおいて、イベント通知送信処理部101aは、イベント通知データをステップS102で取り出した宛先アドレスのPC200に直接送信し、イベント通知送信処理を終了する。
【0038】
(ステップS107)
ステップS105のNoにおいて、イベント通知送信処理部101aは、ステップS102で取り出したPC200の宛先アドレスを設定したイベント通知データを、イベント通知サポートサーバー300に送信し、イベント通知送信処理を終了する。イベント通知サポートサーバー300は、イベント通知データを受信すると、イベント通知データを宛先アドレスのPC200に送信する。
【0039】
次に、PC200の制御部201に設けられているイベント通知受信処理部201bにより実行されるイベント通知受信処理について、図4に示すフローチャートのステップ順に説明する。
【0040】
PC200は、画像形成装置100またはイベント通知サポートサーバー300からイベント通知データをネットワーク通信部203により受信すると、制御部201がイベント通知受信処理部201bを起動し、イベント通知受信処理部201bがイベント通知受信処理を開始する。
【0041】
(ステップS201)
まず、イベント通知受信処理部201bは、受信したイベント通知データを補助記憶部202のイベント通知データ保存エリア202bに保存する。
【0042】
(ステップS202)
次いで、イベント通知受信処理部201bは、受信したイベント通知データを操作表示部204の操作表示パネルに表示し、イベント通知受信処理を終了する。
【0043】
以上のようなイベント通知システムでは、画像形成装置の性能によりイベント通知数に上限が設けられている場合に、イベントを通知するPC200の台数がイベント通知数の上限値以下であるかを判定することで、画像形成装置100からPC200にイベントを直接通知できるかを判定する。これにより、PC200にイベントを直接通知できないと判定されたときには、イベント通知サポートサーバー300を経由してPC200にイベントを通知することで、画像形成装置100とイベント通知サポートサーバー300の負荷を分散することにより、イベント通知サポートサーバー300の負荷を軽減することができる。
【0044】
なお、実施形態においては、画像形成装置100にイベント通知を要求する場合に、PC200の宛先アドレスを設定したイベント通知要求データを画像形成装置100に送信するようにしたが、イベントの種類を限定したいときには、イベント通知要求データにイベントの種類を設定することも可能である。ここで言うイベントの種類とは、例えば、ジョブの実行処理に関するイベント、ソフトエラー処理に関するイベント、及びハードエラー処理に関するイベントなどのようなイベントの分類である。画像形成装置100は、PC200からイベントの種類が設定されたイベント通知要求データを受信したときには、設定されたイベントの種類に属するイベントが発生したときだけ、イベント通知要求データをイベントの種類を指定したPC200に送信することも可能である。
また、ネットワーク400には1台の画像形成装置100が接続されている構成としたが、これに限定されず、本発明の機能を備える複数の画像形成装置100をネットワーク400に接続することも可能である。
また、PC200は、ネットワーク400に接続でき、イベント通知受信処理部201bの機能を搭載できるスマートフォン、携帯電話、またはタブレット端末などの情報処理装置とすることも可能である。
【0045】
このような本発明の画像形成装置及びイベント通知システムは、イベントの通知をサポートするサーバーの負荷を軽減することができる。
【0046】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、画像形成装置及びイベント通知システムに好適であるが、画像形成装置及びイベント通知システムに限られるものではなく、イベントを通知する装置及びシステム一般に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
10・・・・・イベント通知システム
100・・・・・画像形成装置
101・・・・・制御部
101a・・・・イベント通知送信処理部
102・・・・・補助記憶部
102a・・・・イベント通知登録データ保存エリア
102b・・・・イベント通知データ保存エリア
103・・・・・記憶部
103a・・・・画像データ保存エリア
104・・・・・操作パネル
105・・・・・操作パネル処理部
106・・・・・原稿読取部
107・・・・・画像形成部
108・・・・・印刷部
109・・・・・ネットワーク通信部
200・・・・・PC
201・・・・・制御部
201a・・・・プリントドライバー処理部
201b・・・・イベント通知受信処理部
202・・・・・補助記憶部
202a・・・・画像データ保存エリア
202b・・・・イベント通知データ保存エリア
203・・・・・ネットワーク通信部
204・・・・・操作表示部
300・・・・・イベント通知サポートサーバー
400・・・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4