【文献】
Plant Molecular Biology,1992年,Vol. 20,p. 113-122
【文献】
SHURVINTON C E,JOURNAL OF BACTERIOLOGY,1991年 9月,V173 N17,P5558-5563
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
植物細胞が、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、キャノーラ、イネ、コムギ、アルファルファ、インゲン、ラッカセイ、タバコ、ヒマワリ、オオムギ、トウヂサ属の各種植物(beet)、ブロッコリ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナス、ニラネギ、レタス、メロン、エンバク、タマネギ、エンドウ、コショウ、ラッカセイ、ジャガイモ、カボチャ、ハツカダイコン、サトウモロコシ、ホウレンソウ、カボチャ(squash)、テンサイ、トマトおよびスイカよりなる群から選択される植物からのものである、請求項8記載の細胞。
ダイズ、トウモロコシ、ワタ、キャノーラ、イネ、コムギ、アルファルファ、インゲン、ラッカセイ、タバコ、ヒマワリ、オオムギ、トウヂサ属の各種植物(beet)、ブロッコリ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナス、ニラネギ、レタス、メロン、エンバク、タマネギ、エンドウ、コショウ、ラッカセイ、ジャガイモ、カボチャ、ハツカダイコン、サトウモロコシ、ホウレンソウ、カボチャ(squash)、テンサイ、トマトおよびスイカよりなる群から選択される、請求項12記載のトランスジェニック植物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明と一緒に用いる形質転換エンハンサー配列は、右側ボーダー(RB)配列のようなT-DNAボーダー領域または配列に近接して、すなわちベクター配列のようなフランキング配列とボーダー配列との間に位置し得る。形質転換エンハンサー配列は、ノパリンまたはオクトピン・プラスミドのようなアグロバクテリウム・ツメファシエンスのTiプラスミドからのもの、またはアグロバクテリウム・リゾゲネスのRiプラスミドからのものとすることができる。ある種の形態において、細菌−媒介形質転換は、アグロバクテリウム−媒介形質転換、リゾビウム−媒介形質転換、ならびにシノリゾビウム(Sinorhizobium)−、メソリゾビウム(Mesorhizobium)−またはブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)−媒介形質転換から選択される技術を利用することができる。ある種の形態において、形質転換エンハンサー配列は、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:17または配列番号:18を含むことができる。さらなる形態において、T-DNAボーダー領域は、約2または約4ないし約18コピーの形質転換エンハンサー配列を含む、1ないし約18コピーの形質転換エンハンサー配列を含むことができる。
【0014】
本発明に係る植物細胞は、いずれの植物細胞ともし得る。ある種の形態において、植物細胞は、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、キャノーラ、イネ、コムギ、アルファルファ、インゲン、ラッカセイ、タバコ、ヒマワリ、オオムギ、トウヂサ属の各種植物(beet)、ブロッコリ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナス、ニラネギ、レタス、メロン、エンバク、タマネギ、エンドウ、コショウ、ラッカセイ、ジャガイモ、カボチャ、ハツカダイコン、サトウモロコシ、ホウレンソウ、カボチャ(squash)、テンサイ、トマトおよびスイカよりなる群から選択される植物からのものである。特定の形態において、植物細胞はトウモロコシ細胞またはダイズ細胞である。
【0015】
もう1の態様において、本発明は、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:13、および配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9または配列番号:13のいずれかに相補的な配列、ならびにそれらの組合せよりなる群から選択される配列の2またはそれを超えるコピーを含む形質転換エンハンサー配列に作動可能に連結した、TiまたはRiプラスミドのT-DNAボーダー配列を含む組換えDNA構築物を提供する。特定の形態において、本発明は、配列番号:14、配列番号:15または配列番号:16を含む組換えDNA構築物を提供する。
【0016】
かかる構築物においては、エンハンサー配列は配列の少なくとも約4コピーを含むことができる。ボーダー配列は右側ボーダー(RB)または左側ボーダー(LB)配列とすることができる。ある種の形態において、構築物は配列番号:10および/または配列番号:11を含むことができる。RB配列はノパリンTiプラスミド、あるいはアグロピン、マンノピン、スクシマノピン(succimanopine)、ククモピンまたはオクトピンTiまたはRiプラスミドからのものとすることができ、配列番号:12を含むことができる。
【0017】
もう1の態様において、本発明は、本明細書に提供する構築物で形質転換した細胞を提供する。細胞は、アグロバクテリウム細胞およびリゾビウム細胞を含む、植物または細菌細胞とし得る。1の形態において、植物細胞は、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、キャノーラ、イネ、コムギ、アルファルファ、インゲン、ラッカセイ、タバコおよびヒマワリよりなる群から選択される植物からのものである。本発明は、本発明の構築物で形質転換したトランスジェニック植物も提供する。特定の形態において、トランスジェニック植物は、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、キャノーラ、イネ、コムギ、アルファルファ、インゲン、ラッカセイ、タバコおよびヒマワリよりなる群から選択することができる。
【0018】
下記は当業者が本発明を実施することを支援するために提供する本発明の詳細な説明である。当業者は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した形態に修飾および変更を作成することができる。
【0019】
本発明は、植物細胞のアグロバクテリウム−媒介形質転換の効率を改善するための方法および組成物を提供する。ダイズの強病原性株であるアグロバクテリウム・リゾゲネスK599の20kbのT-DNA領域のシークエンシングは、アグロバクテリウム・リゾゲネスK599中のpRiプラスミドがアグロバクテリウム・リゾゲネスNCPBB2659株と同一であるという認識につながった。したがって、K599の強病原性は、RB付近に存在するTSS配列の数と関係している可能性がある。したがって、複数のオーバードライブおよびTSSリピートの重複をノパリンRB(例えば、pTiT37からの)を含むバイナリーベクターで試験して形質転換効率を改善した。4コピーで存在するpTiA6からのオクトピンTiプラスミドの30bpオーバードライブ(ShurvintonおよびReam,1991)、および18コピーで存在するアグロバクテリウム・リゾゲネスNCPBB2659 TSSの8bpコア配列を用いてT-DNA移行効率を高めた。
【0020】
変化する数のオーバードライブまたはTSS配列を含む構築物の使用を比較する形質転換実験は、これらの配列のさらなる「積み重なった」コピーの存在が、形質転換頻度を改善することによって形質転換効率ならびに得られるトランスジェニック事象の質を改善することを示した。例えば、単一のコピーの挿入を含み、ベクター骨格配列(例えば、oriV)も欠く事象の比率は増加した。増加した形質転換頻度および質の事象は、さらなる商業的開発のための事象を選択するのに要求される資源の量を減少することによって形質転換法の全体的な効率を改善する。
【0021】
したがって、本発明は、受精能力のあるトランスジェニック植物を得るための、および植物細胞もしくは組織の形質転換および形質転換した細胞もしくは組織の受精能力のあるトランスジェニック植物への再生の改善された方法を提供する。本発明に従って形質転換法を開始するために、植物細胞または組織に挿入することが望まれる遺伝子コンポーネントを最初に選択する。遺伝子コンポーネントには、本発明による方法を用いて植物細胞または組織に導入すべきいずれの核酸も含まれ得る。遺伝子コンポーネントは、非−植物DNA、植物DNAまたは合成DNAを含むことができる。
【0022】
本発明のある種の形態において、遺伝子コンポーネントは、(a)植物細胞中で機能してRNA配列の生成を引き起こすプロモーター、(b)望ましいタンパク質またはポリペプチドをコードするRNA配列の生成を引き起こす構造DNA配列、および(c)植物細胞中で機能してRNA配列の3'末端のポリアデニル化を引き起こす3'非−翻訳DNA配列のような遺伝子コンポーネントを含む、組換え、二本鎖プラスミドまたはベクター分子のようなDNA組成物に取り込まれる。ベクターは、形質転換を促進し、望ましい遺伝子(または複数の遺伝子)の発現を調節する遺伝子コンポーネントも含むことができる。
【0023】
典型的に、遺伝子コンポーネントは、1の形態においてタンパク質に翻訳され得るmRNAを発現するように方向付けする。二本鎖形態で存在する植物構造コーディング配列(遺伝子、cDNA、合成DNAまたは他のDNA)の発現には、RNAポリメラーゼによるDNAの1の鎖からのメッセンジャーRNA(mRNA)の転写およびその後のmRNA一次転写物の核内でのプロセシングが含まれる。このプロセシングには、mRNAの3'末端のポリアデニル化を含む3'非翻訳領域が含まれる。
【0024】
望ましい遺伝子コンポーネントを含み、植物を形質転換するために用い得るプラスミドまたはベクターを調製する一般的な方法およびこれらのベクターを作製する方法は、当該技術分野において知られている。典型的に、ベクターは、限定されるものではないが、プロモーター、リーダー、イントロンおよびターミネーター配列のような調節要素を含む多数の遺伝子コンポーネントからなる。調節要素は、それが制御する配列または遺伝子(または複数の遺伝子)に対する要素の近接に依存してシス−またはトランス−調節要素とも呼ばれる。プロモーター領域はRNAポリメラーゼに信号を発してDNAと会合させ、鋳型としてDNA鎖の1を用いてmRNAへの転写を開始させて対応するRNAの相補鎖を生成する塩基の配列を含む。
【0025】
構築物は、細菌細胞に複製機能および抗生物質選択を提供するプラスミドDNAセグメントも含むことができ、例えばori322のようなエスシェリキア・コリ(Escherichia coli)の複製開始点、oriVまたはoriRiのような広域宿主複製開始点、およびスペクチノマイシンまたはストレプトマイシンに対する抵抗性を付与するTn7アミノグリコシドアデニルトランスフェラーゼ(aaaA)をコードするSpec/Strp、ゲンタマイシン(Gm、Gent)選択可能なマーカー遺伝子のような選択可能なマーカーのコード領域も含み得る。植物形質転換については、宿主細菌株は発現ユニットの移行機能を有するプラスミドを運搬しているアグロバクテリウム・ツメファシエンスABI、C58、LBA4404、EHA101またはEHA105となる場合がある。植物形質転換の当業者に知られている他の細菌株は本発明で機能することができ、それにはアグロバクテリウム・リゾゲネス、シノリゾビウム種、メソリゾビウム種、ブラディリゾビウム種およびリゾビウム種株が含まれる。
【0026】
植物細胞中で有効な多数のプロモーターは、文献に記載されている。かかるプロモーターには、限定されるものではないが、アグロバクテリウム・ツメファシエンスの癌腫誘導プラスミド上に運搬されているノパリンシンターゼ(NOS)およびオクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター;カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sおよび35Sプロモーターおよびゴマノハグサ科植物モザイクウイルス(FMV)35Sプロモーター;強化CaMV35Sプロモーター(e35S);およびリブロース二リン酸カルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO、非常に豊富な植物ポリペプチド)からの光誘導性プロモーターが含まれる。これらのプロモーターはすべて、植物中で発現する種々の型のDNA構築物を構築するために使用されている。プロモーターハイブリッドも構築して、転写活性を高め、または望ましい転写活性、誘導性、および組織もしく発生特異性を結合することもできる。
【0027】
したがって、植物中で機能するプロモーターは、時間的に調節される、空間的に調節される、および/または空間的−時間的に調節される、記載したような誘導性、ウイルス、合成、構造性とすることができる。組織−強化される、組織−特異的または発生的に調節される他のプロモーターも当該技術分野で知られており、本発明の実施に有用性を有すると想像される。有用なプロモーターは、植物および植物DNAウイルスのような種々の供給源から得ることができる。選択したプロモーターは十分な発現を引き起こして、関心のある遺伝子の有効な量の産生を生じることができるものとするのが好ましい。
【0028】
望ましい場合は、本発明のDNA構築物(すなわち、キメラ/組換え植物遺伝子)に使用するプロモーターを修飾してそれらの制御特徴に影響することができる。プロモーターは、オペレーター領域との連結、ランダムまたは制御された突然変異導入ほかによって誘導化することができる。さらに、プロモーターを改変して複数の「エンハンサー配列」を含ませて遺伝子発現を上昇することを支援することができる。
【0029】
本発明のDNA構築物によって生成されるmRNAは、5'非−翻訳リーダー配列を含むこともできる。この配列は遺伝子を発現するために選択したプロモーターから誘導することができ、mRNAの翻訳を増大するように特異的に修飾することができる。5'非−翻訳領域は、ウイルスRNA、好適な真核生物遺伝子、または合成遺伝子配列からも得ることができる。かかる「エンハンサー」配列は、得られるmRNAの翻訳効率を増大または変化させるのに望ましい場合もあり、通常は翻訳エンハンサーとして知られている。遺伝子の発現を高め、または転写または翻訳に影響するように作用する他の遺伝子コンポーネントも、遺伝子コンポーネントとして想定される。キメラ構築物の3'非−翻訳領域には、好ましくは転写ターミネーターまたは同等の機能を有するエレメント、および植物中で機能してRNAの3'末端をポリアデニル化するポリアデニル化シグナルが含まれる。好適な3'領域の例は、(1)ノパリンシンターゼ(nos)遺伝子のようなアグロバクテリウムの癌腫誘導(Ti)プラスミド遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む3'転写、非−翻訳領域、および(2)ダイズ貯蔵タンパク質遺伝子およびリブロース-1,5-二リン酸カルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO)遺伝子のような植物遺伝子である。好ましい3'領域の例はエンドウからのssRUBISCO E9遺伝子からのものである。
【0030】
典型的には、ポリアデニル化部位の数百塩基対下流に位置するDNA配列が転写を終止するように作用する。本明細書中において、これらのDNA配列は転写終止領域という。該領域は、転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)の有効なポリアデニル化に必要であり、3'非−翻訳領域として知られている。RNAポリメラーゼはポリアデニル化が起こる部位を通してコーディングDNA配列を転写する。
【0031】
多数の形質転換系において、形質転換ベクターは選択可能な、スクリーニング可能なまたは評点付け可能なマーカー遺伝子を含むことが好ましい。これらの遺伝子コンポーネントは、本明細書中において、機能的遺伝子コンポーネントともいう。それらは、形質転換された植物の同定に機能するよう作用する産物または望ましい有用性の産物を生成するからである。
【0032】
選択デバイスとして作用するDNAは、再生可能な植物組織中で機能して他の毒性化合物に対する抵抗性を植物組織に付与する化合物を生成する。選択可能な、スクリーニング可能な、または評点付け可能なマーカーとして使用する関心のある遺伝子には、限定されるものではないが、β-グルクロニダーゼ(gus)、緑色蛍光タンパク質(gfp)、ルシフェラーゼ(lux)、カナマイシンのような抗生物質(Dekeyerら,1989)、グリフォセート(Della-Cioppaら,1987)のような、CP4 EPSPS(米国特許第5,627,061号;米国特許第5,633,435号;米国特許第6,040,497号;米国特許第5,094,945号;WO 04/074443;WO 04/009761);グルフォシネート(米国特許第5,646,024号、米国特許第5,561,236号、米国特許第5,276,268号;米国特許第5,637, 489号;米国特許第5,273,894号);2,4-D(WO 05/107437)およびジカンバのような、DMO(米国特許第7,022,896号)のような除草剤に対する耐性を許容する遺伝子が含まれる。他の選択方法も実施することができ、それには限定されるものではないが、ホスフィノトリシン、ビアラフォスおよび陽性選択機構(Joersboら, 1998)に対する耐性が含まれ、いまだ本発明の範囲に入るであろう。種々の選択可能/スクリーニング可能/評点付け可能なマーカーおよびそれらをコードする遺伝子の例はMikiおよびMcHugh(2004)に開示されている。
【0033】
本発明は、特定の望ましい特性を付与するのに十分なように発現される1またはそれを超える核酸(関心のある構造遺伝子)と一緒に、記載したような選択可能またはスクリーニング可能なマーカーおよび関連する調節要素を含むいずれか好適な植物形質転換プラスミドまたはベクターと一緒に使用することができる。本発明によって想定される関心のある好適な構造遺伝子の例には、限定されるものではないが、昆虫または害虫耐性の遺伝子、除草剤耐性の遺伝子、収量、栄養向上、環境もしくはストレス耐性、または植物生理学、成長、発達、形態または植物産物(または複数の産物)における望ましい変化の遺伝子、が含まれる。
【0034】
あるいは、DNAコーディング配列は、例えばアンチセンス−およびコサプレッション−媒介機構(例えば、Birdら,1991を参照されたい)を含む二本鎖RNA媒介機構を介して、内因性遺伝子の発現の標的化した阻害を引き起こす非−翻訳可能なRNA分子をコードすることによってこれらの表現型に影響することができる。RNAは、望ましい内因性mRNA生成物を切断するように設計された触媒性RNA分子(すなわち、リボザイム)とすることもできる(例えば、GibsonおよびShillitoe,1997を参照されたい)。より詳細には、植物細胞における遺伝子発現のアンチセンス調節の記載については米国特許第5,107,065号を参照され、dsRNAの転写による植物における遺伝子抑制の記載については米国特許第6,506,559号、米国特許出願公開2002/0168707 A1、および米国特許出願09/423,143(WO 98/53083を参照されたい)、09/127,735(WO 99/53050を参照されたい)および09/084,942(WO 99/61631を参照されたい)を参照されたい(すべて、出典明示して本明細書の一部とみなす)。
【0035】
他の内因性遺伝子のサイレンシングを生じて表現型を生じる配列(例えば、miRNAを含むRNAi技術)の使用も想定される。例えば、RNAiを用いて評点付け可能な表現型を生じる1またはそれを超える遺伝子をサイレンスさせ得る。1の形態は、配列の逆方向反復塩基配列を転写するDNAカセットをアセンブルして、少なくとも約19-21bp長のおよびサイレンシングに標的化する1またはそれを超える遺伝子の部分に対応する二本鎖RNA(dsRNA)を生成することである。したがって、関心のある表現型または形態の変化を発現するタンパク質またはmRNAを生成するいずれかの遺伝子は、本発明の実施に有用である。
【0036】
本発明によって包含される方法によって導入し得る核酸の例には、例えば、他の種からの配列または遺伝子である外来性DNA配列、または同一種起源のものでなくまたは同一種に存在しないが、古典的な再生または育種技術よりも遺伝子工学的方法によって受容細胞に取り込まれる遺伝子または配列が含まれる。しかしながら、外来性なる用語は形質転換する細胞に正常には存在しない遺伝子、形質転換DNAセグメントに見出される形態、構造ほかで存在しない遺伝子、または正常に存在するが異なる発現が望まれる遺伝子をいうことも意図される。したがって、「外来性」遺伝子またはDNAなる用語は、細胞により小さい遺伝子がすでに存在し得るか否かにかかわらず、受容細胞に導入するいずれの遺伝子またはDNAセグメントをいう。外来性DNAに含まれるDNAの型は、植物細胞中にすでに存在するDNA、他の植物からのDNA、異なる生物からのDNA、または遺伝子のアンチセンスメッセージを含むDNA配列または遺伝子もしくは配列の合成もしくは修飾バージョンをコードするDNA配列のような外部的に生成したDNAを含み得る。
【0037】
この開示に鑑みれば、膨大な他の可能な選択可能なまたはスクリーニング可能なマーカー遺伝子、調節要素および関心のある他の配列が当業者に明らかであろう。したがって、前記に論じたことは、網羅的というよりも例示的であることを意図している。
【0038】
植物形質転換ベクターまたは構築物を構築した後、イン・ビトロ(in vitro)で調製したDNA組成物のような核酸分子は一般的にエスシェリキア・コリ(Escherichia coli)のような好適な宿主に導入し、アグロバクテリウムまたはリゾビウムのような他の好適な宿主に接合し、またはコンピーテントなアグロバクテリウムまたはリゾビウムに直接的に形質転換する。これらの技術は当業者によく知られており、ダイズ、ワタおよびコムギを包含する多数の植物系について記載されている(例えば、米国特許第5,569,834号および5,159,135号ならびにWO 97/48814を参照されたい)。当業者であれば、アグロバクテリウム−媒介形質転換法の有用性を認識するであろう。菌株には、限定されるものではないが、アグロバクテリウム・ツメファシエンスC58株の非病原化誘導体、DNAの植物細胞へのトランスファーを媒介するために用いるノパリン株;LBA4404のようなオクトピン株;または、例えばEHA101、EHA105またはTiもしくはRiプラスミドを含むリゾビウム・レグミノサルム(R. leguminosarum)USDA2370のようなアグロピン株が含まれ得る。植物形質転換のためのこれらの菌株の使用は報告されており、その方法は当業者に知られている。
【0039】
形質転換すべき植物組織は、典型的には、少なくとも1の外来オーバードライブまたはTSS配列、トランスファーすべき関心のある配列、およびトランスファーすべきDNAを規定するようにaction(無冠詞))する少なくとも1のRB配列を含む組換え構築物を含むアグロバクテリウムまたはリゾビウムで注射および同時培養し、ついで、適当な条件下で選択した。ある種の形態において、ボーダー配列は「植物駆動ボーダー様の配列(または複数の配列)」とし得る。係る配列を同定および使用する方法はRommensら, 2005;Rommens,2004a;Rommensら,2004b。
【0040】
本発明は、いずれかの形質転換な細胞または組織と一緒に使用することができる。当業者であれば、形質転換可能な植物組織は、一般的に、そのゲノムに挿入された外来性DNAを有し得、適当な培養条件下で分化した植物を形成し得る組織をいう。かかる組織には、限定されるものではないが、細胞懸濁液、カルス組織、胚軸組織、子葉、胚、分裂組織、根および葉が含まれ得る。例えば、形質転換可能な組織には、葯、花粒粉、花序および葉組織からのカルスまたは胚様体が含まれ得る。他の組織も本発明の実施において有用性を有すると予想され、特定の植物種についての特定の外植片の望ましいものは当業者に知られているか、または日常的なスクリーニングおよび試験実験によって決定することができ、それによって種々の外植片が形質転換法で使用され、トランスジェニック植物を作成するのにより首尾よいものを同定することによって決定し得る。
【0041】
アグロバクテリウムまたはリゾビウムの使用によって双子葉植物を形質転換し、トランスジェニック植物を得る方法は、ワタ、ダイズ、アブラナ科植物およびラッカセイを含む多くの作物について公開されている。アグロバクテリウム−またはリゾビウム−ベースの方法による単子葉植物の首尾よい形質転換も報告されている。形質転換および植物再生は、少なくともアスパラガス、オオムギ、トウモロコシ、エンバク、イネ、サトウキビ、ヒロハノウシノケグサおよびコムギにおいて達成され、報告されている。ワタ形質転換に関連して特に有用となり得る技術は、米国特許第5,846,797号、第5,159,135号、第5,004,863号および第6,624,344号に開示されている。詳細なアブラナ科植物を形質転換する技術は、例えば米国特許第5,750,871号に開示されている。ダイズを形質転換する技術は、例えばZhangら(1999)および米国特許第6,384,301号に開示されており;トウモロコシを形質転換する技術は例えば米国特許第5,981,840号、第7,060,876号、第5,591,616号、WO 95/06722号および米国特許出願公開2004/244075に開示されている。
【0042】
1の形態において、選択剤を含まないアグロバクテリウムまたはリゾビウム増殖を阻害する抗生物質を含有する培地(delay medium)でインキュベートした後に、外植片は、限定するものではないが、植物細胞選択剤を含有するカルス誘導培地を含む選択増殖培地で培養する。典型的な剤を記載し、限定されるものではないが、G418、パロモマイシン、カナマイシンのような抗生物質、グリフォセート、ジカンバおよびグルフォシネートのような他の化学物質が含まれる。選択培地を生存する植物組織培養物は、その後に、形質転換小植物の生成に好適な再生培地に移す。再生は幾つかの工程にわたって行うことができる。当業者であれば、植物の形質転換および再生用に各植物系統について行いおよび最適化し得る膨大な型の培地および移行要件を知っている。
【0043】
生成した形質転換体をその後に分析して、形質転換ベクターに含まれる関心のある特定の核酸の存在または不存在を決定する。分子分析には、限定されるものではないが、サザンブロットまたはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)分析が含まれ得る。これらおよび他のよく知られた方法を実施して、開示した方法によって作製した形質転換植物の安定性、ならびに、インサートのコピー数およびT-DNAを挟むベクター骨格配列の存在を確認することができる。これらの方法は当業者によく知られており、報告されている(例えば、Sambrookら,1989を参照されたい)。
【0044】
以前の議論は、標準的な形質転換および再生プロトコールの単なる広い概説である。当業者であれば、特定の作物および特定のプロトコールが広い外接から幾分変化し得ることを知っている。同様にして、種々の培地を各系統に用いることができる。当業者は、適当に補充した場合に植物組織の増殖および発達を支持する種々の組織培養培地をよく知っている。これらの組織培養培地は、市販の調製物として購入するかまたは当業者によって調製および修飾された注文品として購入し得る。かかる培地の例には、限定されるものではないが、MurashigeおよびSkoog(1962);Chuら(1975);LinsmaierおよびSkoog(1965);UchimiyaおよびMurashige(1962);Gamborgら(1968);Duncanら(1985);McCownおよびLloyd(1981);Nitsch and Nitsch(1969);および、SchenkおよびHildebrandt(1972)、またはそれに応じて補充したこれら培地の誘導体が含まれる。当業者であれば、形質転換および再生に使用するための培地ならびに栄養分および成長調節剤のような培地補充物は、通常、関心のある標的作物または品種について最適化することを知っている。試薬は市販されており、多数の供給業者(例えば、Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)から購入することができる。
【0045】
「オーバードライブ」配列は、pTiA6、pTiAB3およびpTil5955を含む膨大なTiプラスミドで同定されている。オーバードライブまたはTSSに非常に類似する他の配列は、例えばSequence Analysis Software Package, Genetics Computer Group, Inc., University of Wisconsin Biotechnology Center, Madison, Wis. 53711の「BestFit」、「Gap」または「FASTA」プログラム、または「BLAST」プログラム(Altschulら, 1990)もしくは他の入手可能なDNA配列解析パッケージを用いて同定することができる。かかる配列がRB配列付近に多数コピーで存在する場合、それは、以下にそのエンハンサー活性を記載する配列に類似する形質転換向上活性についてアッセイし得る。
【0046】
本明細書中で用いる「形質転換の頻度」または「形質転換頻度」とは、外植片当たりに生成されるトランスジェニック事象のパーセントまたは外植片当たりに生成されるトランスジェニック植物のパーセントをいう。
【0047】
「ボーダー配列」、例えば右側ボーダー(RB)または左側ボーダー(LB)とは、典型的には約24bp長のトランスファーDNA(T-DNA)領域の末端を確定するダイレクトリピート核酸配列をいう。ボーダー配列は、アグロバクテリウム種のTiまたはRiプラスミドからのものとすることができ、あるいは、同様に機能する植物由来の配列とすることができる。
【0048】
「T-DNAボーダー領域」とは、RBまたはLB配列ならびに典型的には約100bp長である関連するフランキング配列をいい、自然で見出されるように、形質転換エンハンサー配列を含むことができる。
【0049】
本明細書中で用いる「形質転換効率」とは、さらなる商業的開発のための事象を選択するのに必要な資源の量を減少することによって形質転換プロセスの全体効率に影響を及ぼす形質転換頻度および質的事象における増大のようないずれかの改善をいう。
【0050】
本明細書中で用いる「形質転換エンハンサー」とは、オーバードライブおよびTSS配列をいう。
【0051】
第1の核酸配列が第2の核酸配列の機能に影響するように配列を整列する場合は、第1の核酸配列を第2の核酸配列と「作動可能に連結する」。好ましくは、2の配列は単一の隣接する核酸分子の部分である。オーバードライブまたはTSSエンハンサー配列は、RB配列のようなボーダー配列に直ぐ隣接して設置することができる。あるいは、ある種の形態において、オーバードライブまたはTSS配列は、全ての中間の範囲を含む、ボーダー配列の末端から約1、10、25、50、100、250、500、1000またはそれを超えるヌクレオチドに位置する。オーバードライブ配列は、ボーターに対していずれの方向でも設置することができる。
【0052】
当業者であれば、本発明によって提供される方法および組成物の多くの利点を理解するであろう。以下の実施例を含めて、本願の好ましい形態を実証する。本発明者らによって発見された技術を以下に説明する実施例に開示する技術が本発明の実施においてよく機能し、したがってそれを実施するための好ましい様式を構成すると考えられ得ることは当業者によって理解されるべきである。しかしながら、当業者であれば、本明細書の開示に鑑みて、開示した特定の形態に多くの変化をなし得ること、および、本発明の意図および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果をいまだ得ることができることは理解すべきである。本明細書に引用したすべての参考文献は、それが本明細書中で用いる方法、技術または組成物を補充し、説明し、背景を提供し、またはそれらを提供する範囲で、出典明示して本明細書の一部とみなす。
【実施例1】
【0053】
形質転換エンハンサー配列の合成
1)4×オーバードライブ配列の合成
4×30bpのオーバードライブ(OD)配列(5' caaacaaacatacacagcgacttattcacacaaacaaacatacacagcgacttattcacacaaacaaacatacacagcgacttattcacacaaacaaacatacacagcgacttattcaca 3';配列番号:18)、2×30bpのオーバードライブ・プライマー対5' caaacaaacatacacagcgacttattcacacaaacaaacatacacagcgacttattcaca 3' (Xd463;配列番号:1)および5' tgtgaataagtcgctgtgtatgtttgtttgtgtgaataagtcgctgtgtatgtttgtttg 3' (Xd464;配列番号:2)を合成し、混合して、Stratagene(La Jolla,CA)からの高信頼性PfuTurbo(登録商標)ポリメラーゼの存在下、20サイクルでPCR増幅した。PCR産物を1%アガロースゲル上で分画し、100−300bpの範囲のサイズに相当するゲルの部分を取り出し、精製し、Invitrogen(Carlsbad,CA)からのTOPO Xero blunt PCRベクターに連結した。繰り返しのスタッキングを配列決定によって確認した。4×30bpのオーバードライブ・インサートのみをつづくマルチコピー・オーバードライブ構築物のクローニングに利用したが、6×までのオーバードライブ配列がPCR後に観察された。
【0054】
2)18×TSS配列の合成
6×8bp TSSリピートプライマー対:
5' ctgacgaactgacgaactgacgaactgacgaactgacgaactgacgaa 3'(Xd465;配列番号:3)および5' ttcgtcagttcgtcagttcgtcagttcgtcagttcgtcagttcgtcag 3'(Xd466;配列番号:4)を合成して等しく混合し、Stratagene(La Jolla,CA)からのPfuTurbo(登録商標)ポリメラーゼの存在下、5サイクルで増幅した。100−300bpのサイズのゲルスライスを切り出し、精製し、Invitrogen(Carlsbad,CA)からのTOPO Xero blunt PCRベクターに連結した。35×までのTSSリピートを配列決定によって確認したが、18×TSSリピートのみをさらなるクローニングのために保存した。オーバードライブおよびTSSのサイズは、PCRサイクルおよび切り出したゲルの位置に依存した。
【実施例2】
【0055】
オーバードライブ、さらなるオーバードライブまたは18×TSSを有するベクターの構築
24bpのRBの正面にオーバードライブまたはTSSを位置させるために、ノパリンRBにEcoRI部位を導入した((pMON83900の)RBの上流から11bp離れて)。EcoRIで消化した対応するTOPOクローニングベクターから4×オーバードライブまたは18×TSSを切り出し、EcoRIによって開環したpMON83900に挿入して、各々、pMON83903およびpMON83909を得た。
【0056】
pMON83903およびpMON83909からの4×オーバードライブまたは18×TSSのいずれかを含む修飾RBをHindIII/SpeIで消化し、それを用いてpMON83902の1×オーバードライブRBを、4×オーバードライブまたは18×TSSエンハンサー配列を含むHindIII/SpeIフラグメントで置き換えて、各々、ダイズ形質転換用のpMON87462およびpMON83864を得た。別法として、pMON80105のRBを、pMON83903またはpMON83909からのSpeI/SalIフラグメントを挿入することによって4×オーバードライブまたは18×TSSを含むように修飾して、各々、トウモロコシ形質転換用のpMON87465およびpMON87466を得た。1×、4×および18×形質転換エンハンサー配列を有する修飾したRBを
図1および4ならびに配列番号:14−16に示す。
【0057】
1×オーバードライブ配列を含む構築物(配列番号:17)は、最初に、標準的なプロトコールに従って30bpのオーバードライブ配列を含むオリゴヌクレオチドをアセンブリングし、ついでそれをpBlueScript(登録商標)II(Stratagene Inc.,La Jolla,CA)にクローニングすることによって合成してpMON80088を得た。ついで、pMON80088からのSpeIおよびNotI(ポリメラーゼで埋めた)フラグメントをSpeIおよびSmaIで消化したpMON80105に挿入して、トウモロコシ形質転換用のpMON80121を得た。ダイズ形質転換については、1×オーバードライブRB構築物pMON83902を、pMON83898中のRBをPmeI/NdeI制限酵素部位を用いたpMON80121からの1×オーバードライブRBフラグメントで置き換えることによって作製した。
【実施例3】
【0058】
オーバードライブまたはTSS−エンハンスドRB配列でのトウモロコシの形質転換
形質転換頻度ならびに低コピー数のT-DNA挿入を含むおよびベクター骨格配列を欠失する事象(例えば、E.coli由来のoriV)の比率を改善するさらなるオーバードライブおよびTSSエンハンサー配列のスタッキングの能力を評価するために、米国特許出願公開2004/244075に実質的に記載されたように、トウモロコシ(Zea mays)細胞をoriVを含有するベクターpMON80105、pMON80121、pMON87465またはpMON87466で形質転換した。表1に示すように、スタックしたエンハンサー配列を含む構築物の使用は、形質転換頻度における統計学的に有意な増大を生じた。これらの構築物を用いて、高比率の品質のTFも得た。品質TFは、TFおよび1または2のコピーを有する事象を組合せる。また、1または2のコピーを有する事象のパーセントも増大した。
【0059】
【表1】
【実施例4】
【0060】
オーバードライブまたはTSS−エンハンスドRB配列でのダイズの形質転換
形質転換頻度ならびに低コピー数のT-DNA挿入を含むおよびベクター骨格配列を欠失する事象(例えば、E.coli由来のoriV)の比率を改善するさらなるオーバードライブおよびTSSエンハンサー配列のスタッキングの能力を評価するために、米国特許第6,384,301号に実質的に記載されたように、ダイズ(Glycine max)細胞をoriVを含有するベクターpMON83898、pMON83902、pMON87462またはpMON87464で形質転換した。スタックした4×オーバードライブおよび18×TSSエンハンサーの配列は、各々、配列番号:10および配列番号:11に見出される。対照の処理は、オーバードライブまたはTSS配列を欠く、pMON83898での形質転換からなる。表2−3に示すように、スタックした形質転換エンハンサー配列を含む構築物の使用は、形質転換頻度の増大を生じた。単一コピーおよび骨格を含まない事象の頻度も増大した(表3;5段)。また、1またはそれを超えるコピーを有する事象のパーセントも増大した。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【実施例5】
【0063】
さらなる形質転換エンハンサー配列
上記で使用したpTiA6のオーバードライブ配列(配列番号:17)に加えて、他のオーバードライブ配列(逆相補的配列を含む)が当該技術分野で知られており(例えば、ShurvintonおよびReam,1991)、同様にして用いることができる。これらの配列には限定されるものではないが、数ある中で、pTiAB3(GenBank M63056)からのもの(TGTGAATAAATCGCTGTGTATGTTTGTTTG;配列番号:8)およびpTi15955(GenBank AF242881)からのもの(TTGTCTAAATTTCTGTATTTGTTTGTTTG:配列番号:9)、および共通配列AAACAAACATACACAGCGACTTATTCACA (配列番号:13)およびTAARTYNCTGTRTNTGTTTGTTTG (配列番号:19,Toroら,1988)が含まれ得る。実施例1に記載したようにプライマーを合成し、ついでPCRを行って、数ある中で、pMON83902、pMON80121、pMON87462およびpMON87465に類似する組換えプラスミドの構築に使用するこれらの配列を含むDNAセグメントを作製した。作物植物は、1またはそれを超えるこれらの形質転換エンハンサー配列を含む構築物で形質転換することができ、形質転換頻度ならびに低コピー数T-DNA挿入を含むおよびベクター骨格配列を欠失する事象の比率を改善するそれらの能力について評価することができる。
【0064】
本明細書に開示および特許請求する全ての組成物および方法は、本開示に鑑みて過度な実験なしに作製および実施することができる。本発明の組成物および方法を前記の例示的な形態によって記載したが、本発明の真実の概念、意図および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した組成物、方法、および方法の工程または一連の工程に変形、変化、修飾および改変を加え得ることは当業者に明らかであろう。より詳細には、同一または同様の結果が達成される限り、化学的および生理学的の両方で関連するある種の剤を本明細書に記載した剤に置換し得ることは明らかであろう。当業者に明らかなかかる同様の置換および修飾は、添付する特許請求の範囲によって規定される発明の意図、範囲および概念の範囲内にあるとみなす。
【0065】
参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書に記載したものを補充する例示的な手順または他の詳細を提供する範囲で、出典明示して本明細書の一部とみなす。
米国特許第5,004,863号;米国特許第5,094,945号;米国特許第5,107,065号;米国特許第5,159,135号;米国特許第5,273,894号;米国特許第5,276,268号;米国特許第5,561,236号;米国特許第5,569,834号;米国特許第5,591,616号;米国特許第5,627,061号;米国特許第5,633,435号;米国特許第5,637,489号;米国特許第5,646,024号;米国特許第5,750,871号;米国特許第5,846.797,米国特許第5,981,840号;米国特許第6,040,497号;米国特許第6,506,559号;米国特許第6,624,344号;米国特許第6,384,301号;米国特許第7,022,896号;米国特許第7,060,876号;
米国特許出願番号09/084,942号;米国特許出願番号09/127,735号;米国特許出願番号09/423,143号;
米国特許出願公開2002/0168707 A1;米国特許出願公開2003/0188345;米国特許出願公開2004/0140376;米国特許出願公開2004/244075;米国特許出願公開2006/0041956
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【0066】
配列表の説明
配列番号:1 2X OD配列調製用のフォワードプライマーXd463
配列番号:2 2X OD配列調製用のリバースプライマーXd464
配列番号:3 6X TSS配列調製用のフォワードプライマー Xd465
配列番号:4 6X TSS配列調製用のリバースプライマーXd466
配列番号:5 pTiA6の24 bpコアOD
配列番号:6 8bp 1x TSS配列
配列番号:7 pTiA6の30 bp 1x OD;配列番号:17の逆方向相補体
配列番号:8 pTiAB3からの1X OD配列
配列番号:9 pTi15955からの1X OD
配列番号:10 4X 積層OD
配列番号:11 18X 積層TSS
配列番号:12 1X OD配列を含むボーダー領域
配列番号:13 部分OD配列
配列番号:14 1X ODを含むノパリンRB領域
配列番号:15 4X ODを含むノパリンRB領域
配列番号:16 18X TSSを含むノパリンRB領域
配列番号:17 1X OD;配列番号:7の逆方向相補体
配列番号:18 4X 積層OD;配列番号:10の逆方向相補体
配列番号:19 共通OD配列(Toroら, 1988)
配列番号:20 共通8 bpコアOD配列