特許第5969013号(P5969013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969013モバイル通信システム、インフラストラクチャ機器、基地局及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969013
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】モバイル通信システム、インフラストラクチャ機器、基地局及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20160728BHJP
   H04W 4/00 20090101ALI20160728BHJP
   H04W 88/10 20090101ALI20160728BHJP
【FI】
   H04W48/16 133
   H04W4/00 110
   H04W88/10
【請求項の数】40
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-513241(P2014-513241)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公表番号】特表2014-524162(P2014-524162A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】GB2012051060
(87)【国際公開番号】WO2012164248
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】1109004.0
(32)【優先日】2011年5月27日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513018028
【氏名又は名称】エスシーエー アイピーエルエー ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】ビール マーティン ワーウィック
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ アラン
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/101994(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0192295(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0070984(US,A1)
【文献】 特表2006−522518(JP,A)
【文献】 IPWireless Inc.,Backwards compatible support for reduced bandwidth MTC LTE Ues, 3GPP TSG-RAN WG1♯67 R1-114268,2011年11月14日,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_67/Docs/R1-114268.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のモバイル通信デバイスと、モバイル通信ネットワークと、を備える、モバイル通信システムであって、当該モバイル通信ネットワークは、当該モバイル通信デバイスへ及び/又は当該モバイル通信デバイスからデータパケットを通信するように構成され、当該モバイル通信ネットワークは、
無線アクセスインタフェースを介して前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための1つ以上の基地局を含む無線ネットワーク部分と、
前記無線ネットワーク部分の前記基地局へ前記データパケットを通信し又は前記基地局から前記データパケットを受信するための1つ以上のインフラストラクチャ機器を含むコアネットワーク部分と、
を含み、
前記コアネットワーク部分及び前記無線ネットワーク部分は、
相対的に高い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合されるブロードバンドネットワークを提供し、及び
相対的に低い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合される専用メッセージングネットワークを同時に提供する、
ように構成され、
前記モバイル通信デバイス、前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの少なくとも1つは、所定の基準に従って、前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを介して前記モバイル通信デバイスから又は前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットの各々を通信すべきかを判定するように構成され、
前記モバイル通信デバイス、前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの少なくとも1つは、
通信のための前記データパケットをパースして、前記所定の基準に従って、前記データパケットがシグナリングデータについてのものであるか又はユーザデータについてのものであるかを判定し、
前記データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、前記専用メッセージングネットワークを用いて当該データパケットを通信し、前記データパケットがユーザデータについてのものである場合、前記ブロードバンドネットワークを介して前記データパケットを通信する、
ように構成される、
モバイル通信システム。
【請求項2】
前記所定の基準は、前記データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記モバイル通信デバイスは、プロセッサを備え、当該プロセッサは、当該プロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラム間のインタフェースを提供するアプリケーションプログラマ用のインタフェースを提供するように構成され、識別機能は、当該アプリケーションプログラマ用のインタフェースから前記アプリケーションプログラムの各々の前記アプリケーションタイプの標識を受信し、及び、当該アプリケーションタイプに基づいて、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される、請求項に記載の通信システム。
【請求項4】
前記モバイル通信デバイス、前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの少なくとも1つは、識別機能及びデータストアを含み、当該識別機能は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共に当該データストアに予め記憶される1つ以上の所定のドメイン名と前記データパケットのドメイン名とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される、請求項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記モバイル通信デバイス、前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの少なくとも1つは、識別機能及びデータストアを含み、当該識別機能は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共に当該データストアに予め記憶される1つ以上の所定のソケット又はポート番号と前記データパケットのソケット又はポート番号とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される、請求項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの1つは、
シグナリングタイプのデータの需要量をモニタリングし、及び、
シグナリングタイプのデータの前記需要が所定の量を超える結果、前記専用メッセージングネットワークを確立する、
ように構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記基地局又は前記インフラストラクチャ機器のうちの1つは、
シグナリングデータについての前記データパケットを通信するアプリケーションプログラムの数又はシグナリングタイプのアプリケーションについてのデータパケットを通信しているモバイル通信デバイスの数のうちの少なくとも1つを計数し、及びシグナリングアプリケーションプログラムの前記数又はモバイル通信デバイスの前記数が対応する所定の閾値と比較された場合における比較の結果、前記専用メッセージングネットワークを開始する、
ように構成される、請求項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記専用メッセージングネットワークは、前記無線ネットワーク部分の帯域幅の低減された帯域幅のバージョンから形成され、前記ブロードバンドネットワークは、前記無線ネットワーク部分のより大きな部分から形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
モバイル通信ネットワークへ及び/又はモバイル通信ネットワークからデータパケットを通信するためのモバイル通信デバイスであって、当該モバイル通信ネットワークは、無線アクセスインタフェースを介して前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための1つ以上の基地局を備える無線ネットワーク部分と、当該無線ネットワーク部分の前記基地局へ又は当該無線ネットワーク部分の前記基地局から前記データパケットを受信するための1つ以上のインフラストラクチャコンポーネントを備えるコアネットワーク部分と、を含み、
前記モバイル通信デバイスは、
ブロードバンドネットワーク又は専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットの各々を通信すべきかを判定する、
ように構成され、
前記ブロードバンドネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって提供され、及び相対的に高い帯域幅で前記データパケットを通信するように適合され、前記専用メッセージングネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって前記ブロードバンドネットワークと同時に提供され、及び相対的に低い帯域幅で前記データパケットを通信するように適合され、
前記モバイル通信デバイスは、前記モバイル通信ネットワークへの通信についての前記データパケットをパースして、当該データパケットがシグナリングデータを含むのか又はユーザデータを含むのかを所定の基準に従って判定し、当該データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、当該データパケットを前記専用メッセージングネットワークを用いて通信し、当該データパケットがユーザデータについてのものである場合、当該データパケットを前記ブロードバンドネットワークを介して通信するように動作可能である、
モバイル通信デバイス。
【請求項10】
前記所定の基準は、前記データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含む、請求項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項11】
前記モバイル通信デバイスは、プロセッサを備え、当該プロセッサは、当該プロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラム間のインタフェースを提供するアプリケーションプログラマ用のインタフェースを提供するように構成され、識別機能は、当該アプリケーションプログラマ用のインタフェースから前記アプリケーションプログラムの各々の前記アプリケーションタイプの標識を受信し、及び、当該アプリケーションタイプに基づいて、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される、請求項10に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項12】
前記モバイル通信デバイスは、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のドメイン名と前記データパケットのドメイン名とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される識別機能を含む、請求項10に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項13】
前記モバイル通信デバイスは、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のソケット又はポート番号と前記データパケットのソケット又はポート番号とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される識別機能を含む、請求項10に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項14】
前記モバイル通信デバイスは、
前記データパケットのうちの1つ以上がシグナリングデータについてのものであるという標識を前記モバイル通信ネットワークへ通信する、
ように構成される、請求項9〜13のいずれか1項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項15】
前記モバイル通信デバイスは、
シグナリングデータについての前記データパケットを通信するためのアプリケーションプログラムの数を計数し、及びシグナリングデータについてのデータパケットを通信するアプリケーションプログラムの前記数に基づいて前記標識を通信する、
ように構成される、請求項14に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項16】
前記専用メッセージングネットワークは、前記無線ネットワーク部分の帯域幅の低減された帯域幅のバージョンから形成され、前記ブロードバンドネットワークは、前記無線ネットワーク部分のより大きな部分から形成される、請求項9〜15のいずれか1項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項17】
モバイル通信ネットワークを形成するための基地局であって、当該モバイル通信ネットワークは、無線アクセスインタフェースを介してモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し又はモバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための当該基地局を備える無線ネットワーク部分と、前記基地局へ前記データパケットを通信し又は前記基地局から前記データパケットを受信するための1つ以上のインフラストラクチャコンポーネントを備えるコアネットワーク部分と、を含み、
前記基地局は、
所定の基準に従って、ブロードバンドネットワーク又は専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットの各々を前記モバイル通信ネットワークへ通信すべきかを判定する、
ように構成され、
前記ブロードバンドネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって提供され、及び相対的に高い帯域幅で前記データパケットを通信するように構成され、前記専用メッセージングネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって前記ブロードバンドネットワークと同時に提供され、及び相対的に低い帯域幅で前記データパケットを通信するように適合され、
前記基地局は、前記モバイル通信ネットワークへの通信についての前記データパケットをパースして、当該データパケットがシグナリングデータを含むのか又はユーザデータを含むのかを前記所定の基準に従って判定し、当該データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、当該データパケットを前記専用メッセージングネットワークを用いて通信し、当該データパケットがユーザデータについてのものである場合、当該データパケットを前記ブロードバンドネットワークを介して通信するように動作可能である、
基地局。
【請求項18】
前記所定の基準は、前記データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記基地局は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のドメイン名と前記データパケットのドメイン名とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される、請求項18に記載の基地局。
【請求項20】
前記基地局は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のソケット又はポート番号と前記データパケットのソケット又はポート番号とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される識別機能を含む、請求項18に記載の基地局。
【請求項21】
前記基地局は、
シグナリングタイプのデータの需要量をモニタリングし、及び、
シグナリングタイプのデータの前記需要が所定の量を超える結果、前記専用メッセージングネットワークを確立する、
ように構成される、請求項17〜20のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項22】
前記基地局のうちの1つは、
シグナリングデータについての前記データパケットを通信するアプリケーションプログラムの数又はシグナリングタイプのアプリケーションについてのデータパケットを通信しているモバイル通信デバイスの数のうちの少なくとも1つを計数し、及びシグナリングアプリケーションプログラムの前記数又はモバイル通信デバイスの前記数が対応する所定の閾値と比較された場合における比較の結果、前記専用メッセージングネットワークを開始する、
ように構成される、請求項21に記載の基地局。
【請求項23】
前記専用メッセージングネットワークは、前記無線ネットワーク部分の帯域幅の低減された帯域幅のバージョンから形成され、前記ブロードバンドネットワークは、前記無線ネットワーク部分のより大きな部分から形成される、請求項17から22のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項24】
モバイル通信ネットワークを形成するためのインフラストラクチャ機器であって、当該モバイル通信ネットワークは、無線アクセスインタフェースを介してモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し又はモバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための1つ以上の基地局を備える無線ネットワーク部分と、前記1つ以上の基地局へ前記データパケットを通信し又は前記1つ以上の基地局から前記データパケットを受信するための前記インフラストラクチャ機器を備えるコアネットワーク部分と、を含み、前記インフラストラクチャ機器は、
ブロードバンドネットワーク又は専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットの各々を前記1つ以上の基地局を介して前記モバイル通信デバイスへ通信すべきかを所定の基準に従って判定する、
ように構成され、
前記ブロードバンドネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって提供され、及び相対的に高い帯域幅で前記データパケットを通信するように適合され、前記専用メッセージングネットワークは、前記モバイル通信ネットワークによって前記ブロードバンドネットワークと同時に提供され、及び相対的に低い帯域幅で前記データパケットを通信するように適合され、
前記インフラストラクチャ機器は、前記モバイル通信デバイスへの通信についての前記データパケットをパースして、当該データパケットがシグナリングデータについてのものであるのか又はユーザデータについてのものであるかを前記所定の基準に従って判定し、当該データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、当該データパケットを前記専用メッセージングネットワークを用いて通信し、当該データパケットがユーザデータについてのものである場合、当該データパケットを前記ブロードバンドネットワークを介して通信するように動作可能である、
インフラストラクチャ機器。
【請求項25】
前記所定の基準は、前記データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含む、請求項24に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項26】
前記インフラストラクチャ機器は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のドメイン名と前記データパケットのドメイン名とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される識別機能を含む、請求項25に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項27】
前記インフラストラクチャ機器は、前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のソケット又はポート番号と前記データパケットのソケット又はポート番号とを比較することによって、前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを判定するように構成される識別機能を含む、請求項25に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項28】
前記インフラストラクチャ機器は、
シグナリングタイプのデータの需要量をモニタリングし、及び、
シグナリングタイプのデータの前記需要が所定の量を超える結果、前記専用メッセージングネットワークを確立する、
ように構成される、請求項24〜27のいずれか1項に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項29】
前記インフラストラクチャ機器は、
シグナリングデータについての前記データパケットを通信するアプリケーションプログラムの数又はシグナリングタイプのアプリケーションについてのデータパケットを通信しているモバイル通信デバイスの数のうちの少なくとも1つを計数し、及びシグナリングアプリケーションプログラムの前記数又はモバイル通信デバイスの前記数が対応する所定の閾値と比較された場合における比較の結果、前記専用メッセージングネットワークを開始する、
ように構成される、請求項28に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項30】
前記専用メッセージングネットワークは、前記無線ネットワーク部分の帯域幅の低減された帯域幅のバージョンから形成され、前記ブロードバンドネットワークは、前記無線ネットワーク部分のより大きな部分から形成される、請求項24〜29のいずれか1項に記載のインフラストラクチャ機器。
【請求項31】
モバイル通信ネットワークからモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し及び/又はモバイル通信デバイスからデータパケットを受信する方法であって、当該モバイル通信ネットワークは、無線アクセスインタフェースを介して前記データパケットを当該モバイル通信デバイスへ通信し又は当該モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための1つ以上の基地局を備える無線ネットワーク部分と、当該無線ネットワーク部分の当該基地局へ前記データパケットを通信し又は当該基地局から前記データパケットを受信する1つ以上のインフラストラクチャコンポーネントを備えるコアネットワーク部分と、を含み、前記方法は、
相対的に高い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合されるブロードバンドネットワークを提供することと、
相対的に低い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合される専用メッセージングネットワークを同時に提供することと、
前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信するために前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットの各々を通信すべきかを所定の基準に従って判定することと、を含み、
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
モバイル端末への通信についての前記データパケット又は前記モバイル端末から受信される前記データパケットをパースして、当該データパケットがシグナリングデータについてのものであるのか又はユーザデータについてのものであるのかを前記所定の基準に従って判定し、当該データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、当該データパケットを前記専用メッセージングネットワークを用いて通信し、当該データパケットがユーザデータについてのものである場合、当該データパケットを前記ブロードバンドネットワークを介して通信すること、
を含む、方法。
【請求項32】
前記所定の基準は、前記データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
プロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラムについてのインタフェースを提供するアプリケーションプログラマ用のインタフェースを提供するように構成される当該プロセッサを前記モバイル通信デバイスに提供することと、
識別機能を提供することと、
前記アプリケーションプログラマ用のインタフェースから前記アプリケーションプログラムの各々の前記アプリケーションタイプの標識を前記識別機能において受信することと、
前記データパケットが前記専用メッセージングネットワークを介した通信についてのものであるのか又は前記ブロードバンドネットワークを介した通信についてのものであるのかを前記アプリケーションタイプに基づいて前記識別機能を用いて判定することと、
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のドメイン名と前記データパケットのドメイン名とを比較すること、
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
前記ドメイン名がシグナリングデータに関連付けられているのか又はユーザデータに関連付けられているのかの標識と共にデータストアに予め記憶される1つ以上の所定のソケット又はポート番号と前記データパケットのソケット又はポート番号とを比較すること、
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
シグナリングタイプのデータの需要量をモニタリングすることと、
シグナリングタイプのデータの前記需要が所定の量を超える結果、前記専用メッセージングネットワークを確立することと、
を含む、請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットを通信すべきかを前記判定することは、
シグナリングデータについての前記データパケットを通信するためのアプリケーションの数又はシグナリングタイプのアプリケーションについてのデータパケットを通信しているモバイル通信デバイスの数のうちの少なくとも1つを計数することと、
シグナリングアプリケーションの前記数又はモバイル端末の前記数が対応する閾値と比較された場合における比較の結果、前記専用メッセージングネットワークを開始することと、
を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記専用メッセージングネットワークは、前記無線ネットワーク部分の帯域幅の低減された帯域幅バージョンから形成され、前記ブロードバンドネットワークは、前記無線ネットワーク部分のより大きな部分から形成される、請求項31〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
コンピュータにロードされる場合、請求項31〜38のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータ実行可能な命令を提供する、コンピュータプログラム。
【請求項40】
モバイル通信ネットワークからモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し及び/又はモバイル通信デバイスからデータパケットを受信するための装置であって、当該モバイル通信ネットワークは、無線アクセスインタフェースを介して前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するための1つ以上の基地局を備える無線ネットワーク部分と、当該無線ネットワーク部分の当該基地局へ前記データパケットを通信し又は当該無線ネットワーク部分の前記基地局から前記データパケットを受信するための1つ以上のインフラストラクチャ機器を備えるコアネットワーク部分と、を含み、前記装置は、
相対的に高い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合されるブロードバンドネットワークを提供するための手段と、
相対的に低い帯域幅で前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信し又は前記モバイル通信デバイスから前記データパケットを受信するように適合される専用メッセージングネットワークを同時に提供するための手段と、
前記モバイル通信デバイスから又は前記モバイル通信デバイスへ前記データパケットを通信するために前記ブロードバンドネットワーク又は前記専用メッセージングネットワークのいずれを用いて前記データパケットの各々を通信すべきかを所定の基準に従って判定するための手段と、
通信についての前記データパケットをパースして、当該データパケットがシグナリングデータを含むのか又はユーザデータを含むのかを前記所定の基準に従って判定する手段と、を備え、
当該データパケットがシグナリングデータについてのものである場合、当該データパケットを前記専用メッセージングネットワークを用いて通信し、当該データパケットがユーザデータについてのものである場合、当該データパケットを前記ブロードバンドネットワークを介して通信するように動作可能である、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル通信デバイスへ及び/又はモバイル通信デバイスからデータパケットを通信するためのモバイル通信システム、インフラストラクチャ機器、基地局、モバイル通信デバイス、及びデータパケットを通信するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信システムは、過去約10年にわたってGSMシステム(Global Systems for Mobiles)から3Gシステムへ発展してきており、今や回路交換通信だけでなくパケットデータ通信も含む。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、今や、ロングタームエボルーション(LTE)と呼ばれる第4世代のモバイル通信システムの開発を開始している。LTEにおいては、より早期のモバイル通信ネットワークアーキテクチャのコンポーネントの結合と、ダウンリンク上では直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)及びアップリンク上ではシングルキャリア周波数分割多元接続に基づく無線アクセスインタフェースとに基づいて、コアネットワーク部分がより簡略化されたアーキテクチャを形成するように発展させられている。コアネットワークコンポーネントは、強化されたパケット通信システムに従って、データパケットを通信するように構成される。
【0003】
3GPPにより定義されるUMTS及びロングタームエボリューション(LTE)アーキテクチャに基づくシステムなどの第3世代及び第4世代のモバイル通信システムは、以前の世代のモバイル通信システムによって提供される単純な音声及びメッセージングサービスよりも洗練されたサービスをサポートすることが可能である。
【0004】
例えば、LTEシステムによって提供される改善された無線インタフェース及び強化されたデータレートによって、ユーザは、以前は固定回線のデータ接続を介してのみ利用可能であったモバイルビデオストリーミング及びモバイルビデオ会議といった高データレートのアプリケーションを楽しむことが可能である。それ故に、第3世代及び第4世代のモバイル通信ネットワークは、典型的に、進化したデータ変調技法を無線インタフェース上で採用し、これは、より複雑な且つ高価な無線送受信器の実装を必要とし得る。ただし、全ての通信が例えばLTEシステムについての全帯域幅のケイパビリティを必要とする性質を有するわけではない。従って、幾つかのタイプのデータを、モバイル通信システムの全帯域幅のケイパビリティを用いずに、より効率的に通信する技法を導入することがより適当となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、1つ以上のモバイル通信デバイスと、モバイル通信デバイスへ及び/又はモバイル通信デバイスからデータパケットを通信するためのモバイル通信ネットワークと、を備えるモバイル通信システムが提供される。モバイル通信ネットワークは、無線ネットワーク部分と、コアネットワーク部分と、を含む。無線ネットワーク部分は、無線アクセスインタフェースを介してモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し又はモバイル通信デバイスからデータパケットを受信するための1つ以上の基地局を備え、コアネットワーク部分は、当該無線ネットワーク部分の当該基地局へデータパケットを通信し又は当該基地局からデータパケットを受信するための1つ以上のインフラストラクチャコンポーネントを備える。コアネットワーク部分及び無線ネットワーク部分は、相対的に高い帯域幅でモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し又はモバイル通信デバイスからデータパケットを受信するように適合されるブロードバンドパケットネットワークを提供し、及び相対的に低い帯域幅でモバイル通信デバイスへデータパケットを通信し又はモバイル通信デバイスからデータパケットを受信するように適合される専用メッセージングネットワークを同時に提供するように構成され、モバイル通信デバイス、基地局又はインフラストラクチャ機器のうちの1つ以上は、データパケットの各々をブロードバンドパケットネットワークを介して通信すべきか又は専用メッセージングネットワークを介して通信すべきかを所定の基準に従って判定するように構成される。それ故に、データパケットは、ブロードバンドパケットネットワーク又は専用メッセージングネットワークのいずれかを用いてモバイル通信デバイスへ通信され又はモバイル通信デバイスから受信される。一例において、ブロードバンドパケットネットワークは、モバイル通信ネットワークの全帯域幅のケイパビリティから提供され、専用メッセージングネットワークは、当該モバイル通信ネットワークの低減された帯域幅によって提供され得る。
【0006】
一例において、モバイル通信デバイス及び基地局のうちの一方又は双方は、通信についてのデータパケットをパースして(parse)、当該データパケットがシグナリングデータを含むのか又はユーザデータを含むのかを所定の基準に従って判定し、当該データパケットがシグナリングデータを含む場合、専用メッセージングネットワークを用いて当該データパケットを通信し、当該データパケットがユーザデータを含む場合、ブロードバンドネットワークを介して当該データパケットを通信するように構成される。所定の基準は、データパケットのプロトコルタイプ、アプリケーションタイプ、ドメイン名、ソケット又はポート番号のうちの1つ以上を含み得る。
【0007】
専用メッセージングネットワークは、より大きなデータ通信よりも短いデータグラムをより効率的に通信するように構成される。専用メッセージングネットワークは、ブロードバンドパケットネットワークよりも、短いデータグラムを通信するようにより良好に構成される。それ故に、専用メッセージングネットワーク又はブロードバンドネットワークのいずれかをデータパケットの内容に応じて選択することによって、利用可能な通信リソース、インフラストラクチャ機器及びモバイル通信デバイスのより効率的な使用が提供される。例えば、データパケットがシグナリングデータを通信している場合、このデータの量及び発生頻度はかなり低いため、シグナリングデータは、専用メッセージングネットワークを介してより効率的に通信され得る。
【0008】
スマートフォン及びポータブルコンピュータといったモバイル通信デバイスは、データ要求メッセージ、キープアライブメッセージ、及びポーリングタイプメッセージといった多くのアプリケーションレベルのシグナリングメッセージをモバイル通信ネットワーク上で送信する。これらのシグナリングタイプのメッセージは、スマートフォン又はポータブルコンピュータ上で実行されている、ある機械的な(machine-like)アプリケーションに関する。本願発明者らは、これらのメッセージ及びデータグラムが専用メッセージングネットワーク(DMN:dedicated messaging network)によってより効率的に通信され得ることを認識した。DMNは、相対的に小さいメッセージを従来のブロードバンド無線通信ネットワークと比較してより効率的に通信するように適合されるものとして特徴付けられ得る。例えば、DMNは、例えば、従来の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channels)のサイズを場合により低減することによって、サブフレームごとにより多くのPDCCHをサポートし得る。別の例において、DMNは、より大きい量のランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)リソースをサポートするように適合され得る。これは、DMNに恒久的に接続されていないが、コネクションレスな手法で通信するモバイルデバイスにとって有益であり得る。一例において、DMNは、ホストキャリアの帯域幅内又はブロードバンドパケットネットワーク内に存在するバーチャルキャリアであってもよい。従って、ブロードバンドパケットネットワークは、LTEネットワークであり得るモバイル通信ネットワークから、例えば、当該LTEネットワークの実質的に全帯域幅のケイパビリティを用いて形成され得る。一方、DMNは、利用可能な総帯域幅よりも小さい、LTEネットワークの低減された帯域幅から形成され得る。
【0009】
それ故に、ブロードバンドパケットネットワークは、より大きい量のデータを高速で通信することに適している。ブロードバンドパケットネットワークは、例えば、UMTS又はLTEネットワークによってサポートされるような高速パケットアクセス(High Speed Packet Access)通信ネットワークとし得る。DMNと対照的に、ブロードバンドパケットネットワークは、ユーザデータリソースの量と比較して制限された量の利用可能なシグナリングリソースを有し得る。そのため、ブロードバンドパケットネットワークは、スマートフォンアプリケーションからのアプリケーションシグナリングメッセージによって過負荷となり得る。また、結果として、ブロードバンドパケットネットワークの制御情報を搬送するために割り当てられているネットワークリソースの全てが、ユーザデータ部分が完全に割り当てられる前に、用いられる可能性がある。
【0010】
一例において、モバイル通信デバイスにおける別個のアプリケーションは、アプリケーションプログラムのタイプに応じてDMN又はブロードバンドパケットネットワークのいずれかに接続される。
【0011】
一つの例示的な実施形態において、基地局又はインフラストラクチャ機器のうちの1つは、シグナリングタイプのデータの需要量をモニタリングし、及びシグナリングタイプのデータの需要が所定の量を超える結果、専用メッセージングネットワークを確立するように構成される。そのため、データパケットは、シグナリングタイプのパケットの需要が所定のレベルに到達するまでのみ、ブロードバンドパケットネットワークを介して通信され得る。別の例において、モバイル通信デバイスは、これらが1つ以上のアプリケーションプログラムからシグナリングタイプのメッセージを通信しているという標識を提供し、モバイル通信ネットワークは、当該標識の数が所定の閾値に到達したら、専用メッセージングネットワークを確立し得る。この理由は、ネットワーク内にシグナリングタイプのアプリケーションが殆ど存在しない場合、これらのモバイル通信デバイスを特にサポートするためにDMNをセットアップすることは非効率的となり得るためである。この非効率性が生じ得る理由は、DMNについて確保される固定されたリソースがシグナリングタイプのメッセージによって充分に利用されないことがあり得るためである。より大きい量のシグナリングタイプのトラフィックが存在する場合、シグナリングタイプのトラフィックをサポートするように構成されるDMNを有することの利点は、DMNとブロードバンドパケットネットワークとの間でリソースを分割することの非柔軟性に関連付けられる不利益に勝り得る。この場合においては、これらのアプリケーションをDMN上でサポートすることがより好適であり得る。
【0012】
「シグナリング(signalling)」という用語は、アプリケーションレベルシグナリング又はネットワークシグナリングを指し得る。アプリケーションレベルシグナリングの例は、電子メールアプリケーションからのポーリングメッセージ、インスタントメッセージングアプリケーションからのプレゼンスメッセージ、ゲームトラフィックに関連するショートアップデート等を含む。ネットワークシグナリングの例は、無線リソース接続(RRC:radio resource connection)シグナリング及び非アクセスストラタム(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングを含む。ショートメッセージサービス(SMS)送信などの幾つかのトラフィックは、ユーザデータに対して高い割合のネットワークシグナリングを有し、そのため、シグナリングタイプのトラフィックと見なされ得る。
【0013】
本発明のさらなる態様及び特徴は、添付の特許請求の範囲において定義され、及びインフラストラクチャエレメント、基地局、モバイル通信デバイス及び方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
ここで、本発明の例示的な実施形態は、同様の部分が同じ指定参照番号を有する添付の図面を参照しつつ説明されるであろう。図面において:
【0015】
図1】LTE標準に従った、モバイル通信ネットワークの概略ブロック図である。
図2】専用メッセージングネットワークと共に同時に存在するブロードバンドパケットネットワークの動作を図示する、図1において示されるモバイル無線ネットワークの一部の概略ブロック図である。
図3】ブロードバンドパケットネットワークと共に同時に動作する専用メッセージングネットワークを示す概略ブロック図である。
図4】様々なタイプのデータパケットを専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークを介して通信するスマートフォンなどのモバイル通信デバイスの動作の例である。
図5】識別機能を含むように本技法に従って構成されるモバイル通信デバイスの概略ブロック図である。
図6図5において示されるモバイル通信デバイスの概略ブロック図において示される識別機能のより詳細な例示的なブロック図である。
図7】本技法に従ってモバイル通信ネットワーク内で動作する基地局の概略ブロック図である。
図8】専用メッセージングネットワークを確立する例示的な処理を図示する部分シグナリング図である。
図9】アプリケーションプログラムがブロードバンドパケットネットワークを介して通信されている間に専用メッセージングネットワークを確立するための処理を図示する部分概略シグナリング図である。
図10】専用メッセージングネットワークが確立されるべきか否かを判定するために、ネットワークエレメント内の識別機能によって実行される処理を図示するフロー図である。
図11a】LTE標準に従って動作する無線アクセスインタフェース内の専用メッセージングネットワークをサポートするバーチャルキャリアの動作を図示する概略グラフ図である。
図11b】スタンドアロンキャリアの対応概略グラフ図である。
図12】バーチャルキャリア構成を用いて実装される専用メッセージングネットワークについてのチャネル構造の、対応するより詳細な例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本発明の実施形態は、3GPPロングタームエボリューション(LTE)標準に従って動作するモバイル通信ネットワークを用いる実装を参照しつつ、説明されるであろう。図1は、LTEネットワークの例示的なアーキテクチャを提供する。図1において示されるように及び従来のモバイル通信ネットワークと同様に、(UE又は端末とも呼ばれる)モバイル通信デバイス1は、当該通信デバイス1と無線又は無線アクセスインタフェースを介してデータを送信し及び受信するための基地局2へ及び基地局2からデータを通信するように構成され、当該基地局2は、LTEにおいて、エンハンストノードB(eNodeB)と呼ばれる。
【0017】
基地局又はeNodeB2は、サービングゲートウェイS−GW6に接続され、当該サービングゲートウェイS−GW6は、通信デバイス1がモバイル通信ネットワーク全体にわたりローミングするにつれてモバイル通信サービスの当該通信デバイス1へのルーティング及び管理を実行するように構成される。移動性管理及び接続性を維持するために、移動性管理エンティティ(MME:mobility management entity)8は、ホーム加入者サーバ(HSS:home subscriber server)10に記憶される加入者情報を用いて、通信デバイス1とのエンハンストパケットサービス(EPS)接続を管理する。他のコアネットワークコンポーネントは、ポリシー課金及びリソース機能(PCRF:policy charging and resource function)12と、インターネットネットワーク16及び最終的には外部サーバ20へ接続されるPDN(packet data network)ゲートウェイ(P−GW)14と、を含む。LTEアーキテクチャについてのさらなる情報は、Holma H.及びToskala A.著の“LTE for UMTS OFDM and SC-FDMA based radio access”と題される書物の25頁以下から収集され得る。
【0018】
以下の説明において、LTE/SAEの専門用語及び名称が用いられる。ただし、本技法の実施形態は、GSM/GPRSコアネットワークを有するGERAN及びUMTSといった他のモバイル通信システムに適用されることができる。
【0019】
図2は、図1において図示されるものと同じモバイル通信ネットワークからの専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドネットワークの形成を図示するために、図1において示されるモバイル通信ネットワークのうちの選択されたコンポーネントを示す図を提供する。図2において、通信チェーンは、図1において示されるように、モバイル通信デバイス1からeNodeB2、サービングゲートウェイ6、及びPDNゲートウェイ14にわたり示される。図2において、サービングゲートウェイ及びPDNゲートウェイ6、14は、モバイル無線ネットワークのコアネットワーク部分20を形成する一方、eNodeB2は、無線ネットワーク部分22を形成する。
【0020】
本技法によれば、図1及び図2において示されるモバイル通信ネットワークは、ブロードバンドパケットネットワークと、当該ブロードバンドパケットネットワークに沿って及び同時に存在する専用メッセージングネットワークと、を提供するように構成される。従って、本技法によれば、ブロードバンドパケットネットワークは、無線ネットワーク部分及びコアネットワーク部分のプロトコルによって提供される無線アクセスインタフェースの帯域幅全体を利用し得るが、専用メッセージングネットワーク26が並行して確立され得る。専用メッセージングネットワーク25は、無線ネットワーク部分の帯域幅の一部のみと、コアネットワーク部分20による幾つかの低減された機能性又は適合された処理と、を用い得る。これは、専用メッセージングネットワークがシグナリングタイプのアプリケーションの典型である少量のデータの通信について最適化されているからである。上述されたように、本技法は、例えばアプリケーションプログラムによって生成されるシグナリングタイプのデータを通信するために専用メッセージングネットワークを利用する。それ故に、専用メッセージングネットワークは、シグナリングデータに関連付けられるものなどのショートメッセージの通信について最適化されている。
【0021】
一例において、専用メッセージングネットワーク(DMN)は、モバイル通信ネットワークの無線ネットワーク部分によって提供される全帯域幅内に存在するキャリアであるバーチャルキャリアから生成され得る。従って、一例において、専用メッセージングネットワークは、本出願人による同時係属中の英国特許出願第1101970.0号、第1101981.7号、第1101966.8号、第1101983.3号、第1101853.8号、第1101982.5号、第1101980.9号、及び第1101972.6号において開示される技法を用いて形成されてもよく、これらの内容は、参照によって本明細書に包含される。専用メッセージングネットワークのこの例の簡単な概要は、以下に提供される。ただし、DMNは、小さなメッセージ又はデータグラムを通信するように適合されているものとして特徴付けられることができ、当該DMNは、ブロードバンドパケットネットワークと比較してハードウェア及び通信リソースをより効率的に用いることができ、及びより多くの量の制御シグナリングをサポートすることができる。例えば、DMNは、(おそらくPDCCHのサイズにおける低減によって)サブフレームごとにより多くのPDCCHをサポートし得る。DMNは、より多くの量のRACHリソースをサポートするように構成され得る(これは、DMNに恒久的に接続されていないが、コネクションレスな手法で通信するマシンについて有益となり得る)。ブロードバンドパケットネットワークは、大きなメッセージの高速での送信について最適化されているものとして特徴付けられる。ブロードバンドパケットネットワークは、HSPAネットワーク又は(好適には)LTEネットワークとし得る。これらのネットワークは、ユーザデータリソースの量と比較して、制限された量の利用可能なシグナリングリソースを有し得る(そのため、これらのネットワークは、スマートフォンアプリケーションからのアプリケーションシグナリングメッセージによって過負荷となり得る:ユーザデータ部分が完全に割り当てられる前に、ブロードバンドパケットネットワークの制御部分の実質的に全てが用いられる可能性がある)。
【0022】
それ故に、本技法によれば、専用メッセージングネットワーク26は、図3において示されるように、データ要求メッセージ、キープアライブメッセージ、及びポーリングタイプメッセージを通信するように構成され得る。対照的に、ブロードバンドパケットネットワーク24は、完全な電子メール、Jpeg、ビデオクリップ等といったより大きなメッセージを通信するために用いられ得る。異なるタイプのパケットデータの生成は、異なるアプリケーションによって為され得るため、一例において、専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークは、異なるアプリケーションにサービスを提供し得る。ここで、アプリケーションのうちの1つ(例えば、在庫更新アプリケーション)は、専用メッセージングネットワークを通じてルーティングされる小さなシグナリングタイプのメッセージを用いて通信し、別のアプリケーション(例えば、ビデオダウンロードアプリケーション)は、ブロードバンドネットワークを通じてより大きなパケットサイズを用いて通信する。
【0023】
上述されたように、例えば、スマートフォン及びポータブルコンピュータは、データ要求メッセージ、キープアライブメッセージ、及びポーリングタイプメッセージを含む多くのアプリケーションレベルのシグナリングメッセージをモバイル通信ネットワーク上で送信する。これらのシグナリングタイプのメッセージは、モバイル通信デバイス上で実行されている、ある機械的なアプリケーションに関連する。機械的なアプリケーションの例は、以下の通りである:
・電子メールクライアントは、電子メールサーバに定期的にポーリングして、更新をチェックし、電子メールサーバは、電子メールクライアントにページングして、当該サーバにおける保留中の電子メールを当該電子メールクライアントに通知し得る。これらのシグナリングページングメッセージ及びポーリングメッセージは、典型的に短い(数百ビットであり得る)。
・ソーシャルネットワーキングアプリケーションは、インターネットサーバにポーリングし、及びインターネットサーバによって「ページングされ(paged)」て、ダウンロードされ得る、ユーザのソーシャルネットワークへの更新が存在することを通知され得る。
・クラウドベースの生産性アプリケーションは、モバイル通信デバイス上の文書に更新が存在したか示す更新を、クラウド内のサーバへ送信し得る。更新が存在する場合、当該更新は、モバイル通信デバイスへ又はモバイル通信デバイスから送信され得る。
【0024】
1つの例示的なアプリケーションにおいて、スマートフォンは、ブロードバンド通信、例えば、ビデオダウンロード等を必要とし得るユーザデータと、その要件において自発的及び散発的であって小さな帯域幅を必要とし得るシグナリングタイプデータと、を含む様々なタイプのデータの通信を必要とし得る様々なアプリケーションプログラムを実行していることがあり得る。従って、図4において示されるように、本技法によれば、スマートフォンであり得るモバイル通信デバイス100は、無線ネットワーク部分22の専用メッセージングネットワーク26を介してシグナリングタイプデータを、及び無線ネットワーク部分22のブロードバンドパケットネットワーク24を介してユーザデータを、通信し得る。データパケットは、異なるアプリケーションサーバ40、42へ通信される。ただし、他の例において、これらは、実際には同じサーバであってもよく、当該パケットは、異なるタイプであるが、同じ宛先へ向けられる。専用メッセージングネットワーク26又はブロードバンドパケットネットワーク24を介してデータパケットを通信するための識別を達成するために、スマートフォン100には、図5及び図6において示される識別機能が提供される。
【0025】
図5において、図4において示されるモバイル通信デバイス100は、より詳細に示される。従来のモバイル通信デバイスと同様、モバイル通信デバイス100は、ネットワークのモバイル通信部分の無線ネットワーク部分によって提供される無線アクセスインタフェースを介して通信するための送受信器ユニット102を備える。アンテナ101は、無線アクセスインタフェースを介して信号の送信及び受信の双方を行うために用いられる。通信プロセッサ104は、送受信器ユニット102を介したデータの通信を制御する。通信プロセッサ104は、必要とされる通信のタイプに応じて、異なる無線アクセスベアラを確立する。本技法に係る異なる無線アクセスベアラは、それぞれ専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークを介する。専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークを介する通信のためのパケットは、適切な場合にはデータストア108との組み合わせにおいて、識別機能106によってそれぞれ識別される。
【0026】
プロセッサ110は、モバイル通信デバイス上で動作して、ユーザに機能を提供するアプリケーションプログラム112を実行する。アプリケーションプログラム112は、様々な種類であり及び様々な要件を有し得る。パケットが様々なネットワークを介して通信されるのは、様々な要件に応じてである。従って、プロセッサが、例えばインターネットプロトコルに従って通信されるべきデータを生成するアプリケーションプログラムを実行している間に、識別機能は、データパケットを分析し、及び当該データパケットが専用メッセージングネットワーク又はブロードバンドパケットネットワークのどちらを介すればより良好に通信されるかを判定する。従って、プロセッサ110と識別機能106との間のインタフェース114は、通信プロセッサから識別機能106へ通信されるべきプロトコルデータパケットを提供する。
【0027】
幾つかの例において、プロセッサ110上で動作するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)は、以下に説明されるような、データパケットがシグナリングのためのものであることを示す付加的な情報を提供し得る。識別機能は、データパケットと、当該データパケットがシグナリングのためのものであることの標識を識別機能に提供する任意の付加的な情報と、を受信すると、インタフェース116のうちの1つを介してデータパケットを通信プロセッサ104へ向け得る。それによって、通信プロセッサは、データパケットがブロードバンドパケットネットワークの代わりに専用メッセージングネットワークを介して通信されるべきであることの標識を提供される。反対に、識別機能は、データパケットがブロードバンドパケットネットワークを介した通信についてのものであるという標識もAPIによって提供され得る。従って、通信プロセッサは、データパケットがブロードバンドパケットネットワークを介して通信されるべきであることの指示を識別機能106からインタフェース116上で受信する。
【0028】
専用メッセージングネットワークを介して通信されるべきデータパケットと、ブロードバンドパケットネットワークによって通信されるべきデータパケットと、を識別するための種々の他の技法が提案される。これらの技法は、以下の段落において説明されるであろう。識別機能106のより詳細な例は、図6において示される。図6において、識別機能106は、分析プロセッサ120を含むように示され、当該分析プロセッサ120は、プロセッサ110からインタフェース114からデータパケットを受信する。分析プロセッサは、データパケットを当該パケットから抽出される情報に従ってパースし、及びこの情報とデータストア108に記憶される所定の情報とを比較する。例えば、以下に説明されるように、上記情報は、ドメイン名、アプリケーションタイプ、ポートソケット番号、又はプロトコルタイプを含み得る。上記情報に基づいて、分析プロセッサは、データパケットをスイッチ122へルーティングし、当該スイッチ122は、専用メッセージングネットワークを介した通信についての第1の出力124又はブロードバンドパケットネットワークを介した通信についての第2の出力126を介してデータパケットをルーティングする。
【0029】
別の例において、分析プロセッサは、宛先アドレス又はソースアドレスのいずれかによって識別される特定のアプリケーションからデータパケットを受信し、及び当該パケットの通信要件の性質を分析する。例えば、所与のソースからの所与の宛先へのパケットは、所定の期間内及び通信についてのパケットの決定された個数内で分析される。特定の宛先から特定のソースへ通信されるべき小さい数のデータパケットが必要とされる場合、分析プロセッサは、データパケットが専用メッセージングネットワークを介して通信されるべきであると判定を下し得る。従って、分析プロセッサは、データパケットを第1の出力124へルーティングする。対照的に、所定の期間内のデータパケットの数が比較的大きい場合、ブロードバンドパケットネットワークを介したルーティングがより適切であるため、分析プロセッサは、スイッチ122を用いて、データパケットを第2の出力126を介してルーティングする。
【0030】
識別のための技法
上述されたように、識別機能は、アプリケーションからのデータパケットがシグナリングタイプであるか又はブロードバンドタイプであるかを識別するように構成される。以下のリストは、この識別が為され得る幾つかの例示的な方法を説明する:
・プロトコルタイプ:例えば、アプリケーションからのパケットが特定のプロトコルのRFCに従って伝送される場合、当該パケットは、シグナリングタイプであると分類されることができる。例示的なプロトコルは、SIMPLEプロトコル(SIP=Session Initiation Protocol、SIMPLE=SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)及びOpen Mobile Alliance's Instant Messaging and Presence Serviceである。通信システムは、特定のプロトコルタイプの全てのメッセージをシグナリングタイプにマッピングし得る。
・アプリケーション:通信システムは、アプリケーションがシステム上で通信することを可能にするAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を有する。APIは、アプリケーションがシグナリングタイプのメッセージ又はブロードバンドタイプのメッセージのいずれを生成するのかを当該アプリケーションが定義することを可能にするパラメータを有し得る。
・ドメイン名:幾つかのドメイン名へ送信されるメッセージは、シグナリングタイプのメッセージを含む可能性が高い。例えば、twitter.comへ送信され及びtwitter.comから送信されるメッセージは、140文字以下の長さの小さなシグナリングタイプのメッセージである可能性が高い一方、bbc.co.ukから送信されるデータは、ウェブページ、ブロードバンドタイプの音声又はビデオコンテンツから成る可能性が高い。
・生成されるメッセージのソケット又はポート番号。多くのポート番号は、特定のアプリケーションに関連する。例えば、インターネットポート番号5190は、AOLインスタントメッセンジャーに対応し、ポート番号21は、FTPに対応する。この例において、ポート番号5190上の任意のメッセージは、シグナリングタイプとして分類され、ポート番号21を用いる任意のメッセージは、ブロードバンドタイプとして分類され得る:トラフィックタイプの知識に基づいて、UEは、シグナリングタイプのアプリケーション又はブロードバンドタイプのアプリケーションのどちらがアクティブであるのかを判定し得る。ポート番号5190をオープンすることを要求する任意のアプリケーションは、シグナリングタイプのアプリケーションとして(及び、ポート番号21をオープンするアプリケーションについてはその逆として)分類され得る。アプリケーションについての例示的なポート番号は、以下のURLにおいて列挙される:
http://kb.netgear.com/app/answers/detail/a_id/1166/~/port-numbers-for-port-forwarding
・上述されるように、デバイスからのトラフィックの特性は測定されることができ、それ故に、当該トラフィックは、シグナリングタイプ又はブロードバンドタイプのいずれかであるものとして分類されることができる。測定され得る、トラフィックの適切な特性は、以下の通りである:
−データパケットのサイズ
−データパケットの発生の頻度
−パケットの到達時間間の(統計的な)分散
・小さく、低頻度で、及び疑似ランダムなタイミングで発生するように見えるパケットは、シグナリングタイプのアプリケーションに属すると見なされ得る。
【0031】
識別機能のロケーション
アプリケーションがシグナリングタイプであるのか又はブロードバンドタイプであるのかに関する決定は、モバイル通信デバイスにおいて有利に為される。モバイル通信デバイスは、アプリケーション及び通信システムの双方へのアクセスを有する内蔵型の(self-contained)デバイスである。対照的に、ネットワーク(例、E−UTRAN)は、通信システムを形成し、この通信システムは、アプリケーションへより緩やかに接続される。ここで、当該アプリケーションは、例えば、アプリケーションサーバ上に位置し得る。決定点がネットワーク内に作られた場合、(例えば、インターネット内にある)アプリケーションサーバと通信システムとの間でシグナリングが行われる必要があり得る:このシグナリングは、実装するには煩雑となり得る。
【0032】
シグナリングタイプの通信かブロードバンドタイプの通信かの決定がモバイル通信デバイスにおいて為される場合、モバイル通信デバイスは、「シグナリングタイプ」/「ブロードバンドタイプ」の標識をネットワークへ明示的に送信するか、又は適当なQoSパラメータを有する無線ベアラを単純に選択し/要求し得る。いずれの場合においても、通信システムは、モバイル通信デバイスがシグナリングタイプのトラフィックを生成するのか又はブロードバンドタイプのトラフィックを生成するのかを判定し、及び(具体的な「シグナリングタイプ」の標識/「ブロードバンドタイプ」の標識の受信又は無線ベアラのタイプのいずれかに基づいて)必要に応じてDMNリソースをセットアップし/リリースすることができる。
【0033】
さらなる例において、識別機能は、例えば、eNodeB内などの、モバイル通信ネットワークの別のインフラストラクチャ機器内で実行され得る。図7は、本技法のさらなる例の例示的な図を提供する。図7において、eNodeB2は、送受信器ユニット202、スケジューラ204、通信プロセッサ206、並びに識別機能208及び通信インタフェース210を備えるように示される。通信インタフェース210は、サービングゲートウェイ6へのインタフェースを形成する。従って、通信インタフェース210は、LTEネットワークの従来の動作に従って、サービングゲートウェイ6からデータパケットを受信し、及びサービングゲートウェイ6へデータパケットを送信する。モバイル通信デバイスの例に関して、eNodeB2は、送受信器ユニット202と共に動作し、及びスケジューラ204及び通信プロセッサ206をさらに備え、これらは、送受信器ユニット202と共に従来の手法で動作して、無線アクセスインタフェースを形成する。ただし、上述されたように、eNodeB2は、専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークを並行して提供するように構成される。対応して、それ故に、識別機能208は、例えば上記に示されるものなどの所定の基準に従って、データストア212と共に動作して、ブロードバンドパケットネットワーク又は専用メッセージングネットワークのいずれかを用いてモバイル通信デバイスへデータパケットを通信するように構成される。それ故に、対応して、データストア212は、例えば、ドメイン名、ソケット若しくはポート番号、プロトコルタイプ若しくはアプリケーションタイプと、それらの基準に従って通信されるデータパケットがシグナリングデータパケットであるのか又はユーザデータパケットであるのかとの間の対応関係のストアを含む。それ故に、本技法によれば、識別機能は、専用メッセージングネットワーク及びブロードバンドパケットネットワークを介してデータパケットを通信するために、それぞれ第1の出力214又は第2の出力216のいずれかを介して通信プロセッサ206へデータパケットをルーティングする。
【0034】
専用メッセージングネットワークの確立
ネットワーク内にシグナリングタイプのアプリケーションが殆ど存在しない場合、これらのモバイル通信デバイスを特にサポートするために専用メッセージングネットワークをセットアップすることは非効率的となり得る。この非効率性が生じ得る理由は、専用メッセージングネットワークについて確保される固定的なリソースがシグナリングタイプのメッセージによって充分に利用されないことがあり得るためである。より大きな量のシグナリングタイプのトラフィックが存在する場合、(このシグナリングタイプのトラフィックのサポートについて充分に適合される)DMNを有することの利点は、DMNとBPNとの間でリソースを分割することの非柔軟性に関連付けられる不利益に勝り得る。この場合においては、これらのアプリケーションをDMN上でサポートすることがより好適であり得る。
【0035】
本技法の幾つかの例によれば、モバイル通信ネットワークは、セル内でアクティブであるシグナリングタイプのアプリケーションの数の総数に基づいて、DMN(例えば、ホストキャリア内のバーチャルキャリア)のインスタンスを作成するかを決定し得る。上記ネットワークは、当該ネットワークにおけるトラフィックの知識又は端末から当該ネットワークへシグナリングされる総数のいずれかに基づいて、シグナリングタイプのアプリケーションの数を判定することができる。
【0036】
上記ネットワークがシグナリングタイプのアプリケーションの数を判定する際、そのようなアプリケーションの数を数えるための種々の取り得る選択肢が存在する:
・eNodeBが、パケットのタイプ:シグナリング又はデータベアリングを判定するために、パケットに対してパケット検査を実行する(ここで、eNodeBは、パケットをパースして、送信信号内のデータの性質を判定する)。
・コアネットワークが、パケット検査を実行する。この方法は、パケットが(eNodeBが扱う)より下位の層において符号化されるため、有利となり得る。これは、パケット検査をeNodeBにおいて実行することを困難にする。コアネットワークは、DMNのインスタンスを作成する必要をeNodeBに通知するであろう。
・マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)アプリケーションサーバは、コアネットワークに、当該コアネットワークに接続される端末が生成するであろうトラフィックの性質を示す(例えば、MTCアプリケーションサーバは、上記ネットワークに、ある端末がインスタントメッセージングアプリケーション(シグナリングタイプ)からトラフィックを生成しており、別の端末が写真アップロードアプリケーション(データベアリングタイプ)からトラフィックを生成していることを示し得る)。
【0037】
端末がシグナリングタイプのアプリケーションの数を判定する際、当該端末は、この判定を以下に基づいて行い得る:
・通信プロトコルスタックレベルにおけるパケット検査、又は、
・端末上で実行されるアプリケーションからの、当該アプリケーションが生成しているトラフィックのタイプ(シグナリングタイプ又はデータベアリングタイプ)に関する標識。
【0038】
モバイルデバイスは、トラフィックのタイプをネットワークシグナリング(RRCシグナリング又はNASシグナリングのいずれか)を介してネットワークに示し得る。トラフィックタイプは、図8を参照しつつ以下において説明されるようにRRC接続セットアップ手続きの一部としてシグナリングされ、及び/又は、図9を参照しつつ以下において解説されるように新たなアプリケーションがアクティブになる際に更新され得る(ここで、アプリケーションからの早期の送信信号のうちの1つが、おそらくメッセージの別個の部分において、トラフィックタイプに関する情報を有し得る)。
【0039】
図8において、ユーザに通信サービスを提供するための、モバイル通信デバイス内のアプリケーション300は、データベアラタイプをシグナリングすることを含む無線リソース接続(RRC)セットアップ完了メッセージを通信する。対応して、eNodeB304は、ネットワーク内のシグナリングタイプのアプリケーションの数を数える。ネットワーク内のシグナリングタイプのアプリケーションの総数は、識別機能208内で判定され、及びデータストア212に記憶される閾値と比較される。シグナリングタイプのアプリケーションの総数の数がある所定の閾値を超える場合、この時点において、eNodeBには、専用メッセージングネットワークを確立する価値のある充分なトラフィックが存在するという標識が提供される。従って、専用メッセージングネットワークが確立される。
【0040】
専用メッセージングネットワークの開始のさらなる解説は、図9において示される。図9において、専用メッセージングネットワークを確立するための代替的な構成が図示される。図9において、モバイル通信デバイス302は、現在、ブロードバンドパケットネットワークを用いてあらゆるタイプのデータをeNodeB304へ通信している。従って、ブロードバンドパケットネットワーク(BPN)306は、写真、ファイルダウンロード及び他のタイプの通信を通信する。後の時点において、ブロードバンドパケットネットワーク306は、例えばシグナリング又はデータといったトラフィックタイプの標識を含むアプリケーションからのメッセージも通信している。eNodeB304は、処理ポイント308において、ネットワーク内のシグナリングタイプのアプリケーションの数を数える。ネットワーク内のシグナリングタイプのアプリケーションの数が所定の数を超える場合、識別機能208は、処理ポイント310において、専用メッセージングネットワークを開始する。eNodeB304は、シグナリングタイプのトラフィックが専用メッセージングネットワーク上で送信されるべきであることを、メッセージ312を介してモバイル通信デバイスにシグナリングする。
【0041】
上記ネットワークは、ネットワーク内のシグナリングタイプのアプリケーションの数を数え(当該数は、当該ネットワーク内でアクティブであるモバイル通信デバイスの数とは異なっていてもよく(例えば、1つのモバイル通信デバイスが、複数のアクティブなシグナリングタイプのアプリケーション、例えば、在庫更新アプリケーション、インスタントメッセージングアプリケーション、ソーシャルネットワーキングアプリケーション等を含み得る))、及びアプリケーションの当該数を閾値と比較し得る。シグナリングタイプのアプリケーションの数が閾値よりも大きい場合、ネットワークは、DMNのインスタンスを作成し得る。
【0042】
ネットワーク内に低いケイパビリティのMTCタイプのモバイルデバイスが存在する場合、eNodeBは既にDMNのインスタンスを作成済みであり得ることに留意されたい。ネットワークアルゴリズムは、以下を判定するために適用され得る:
・低いケイパビリティのMTCデバイスの数とシグナリングタイプのスマートフォンアプリケーションの数との合計がホストキャリア内で第2のDMNのインスタンスを作成するのに充分なほど大きいか;及び/又は、
・シグナリングタイプのスマートフォンアプリケーションをDMN上へオフロードすることが望ましいか。
【0043】
ショートメッセージサービス(SMS)タイプのメッセージを生成するアプリケーションは、専用メッセージングネットワークへ有利にマッピングされるべきアプリケーションとして識別され得る。そのようなアプリケーションのデータベアリングメッセージは、短い。SMSメッセージ伝送に関連付けられるネットワークシグナリングも、DMN上で有利にサポートされ得る。
【0044】
eNodeB内の識別機能の動作を図示する例示的な図は、図10において提供される。図10におけるフロー図によって表される識別機能の動作は、以下のように要約される:
S1:モバイル通信デバイスは、当該モバイル通信デバイス上で実行されている他のソース又はアプリケーションプログラムからのデータパケットを送信するネットワークと通信する。
S2:ネットワークエンティティ内の識別機能は、データパケットを通信しているデバイスが低いケイパビリティのMTCデバイス、即ちマシンタイプ通信デバイスであるかを判定する。代替的に、データパケットは、アプリケーションをシグナリングタイプ又はデータベアリングタイプのいずれかとして分類するために、(上述されたように)当該データパケットがシグナリングタイプのデータを含むかを判定するために分析され得る。データパケットを通信するデバイスがMTCデバイスである場合、又はデータパケットがシグナリングタイプのアプリケーションによって通信された場合、処理は、ステップS4へ進む。そうでない場合、処理は、ステップS1へ進む。
S4:データパケットがMTCモバイル通信デバイスを介して通信された場合、又はデータパケットがシグナリングタイプのアプリケーションによって通信された場合、それぞれ、シグナリングを通信するモバイル通信デバイスの総数、又はシグナリングタイプのアプリケーションの総数がインクリメントされ、それによって、これらの総数のうちの一方又は双方が増加する。
S6:シグナリングデータを通信している計数されたモバイル通信デバイスの数又は通信されているデータシグナリングパケットの数が、閾値と比較される。当該閾値は、識別機能がアクセスすることができる関連付けられたデータストアに記憶され得る。
S8:シグナリングデータを通信するモバイル通信デバイスの数が閾値を超える場合、処理は、ステップ10へ進む。代替的に、シグナリングタイプのデータパケットの数が対応する閾値を超える場合も、処理はステップS10へ進む。そうでない場合、処理はステップS12へ進み、データパケットの通信の全ては、ブロードバンドパケットネットワークによってサポートされる。
S10:閾値を超える場合、専用メッセージングネットワークは、例えば、バーチャルキャリアを用いてネットワークによって確立される。処理は、S14において終了する。
S12:閾値を超えない場合、全てのモバイル通信デバイスからのデータパケットの全ての通信は、ブロードバンドパケットネットワーク又は従来から動作するモバイル通信ネットワークによりサポートされる。
【0045】
本発明の代替的な実施形態において、DMNは、ネットワーク内に少なくとも1つの低いケイパビリティのMTCデバイスが存在する場合又はシグナリングタイプのアプリケーションの数が閾値を超える場合、セットアップされるであろう。図10において示される実施形態において、低い複雑度のMTCデバイスの数が閾値を超えない場合、それらのデバイスは、DMNが確立されるまで待機し、又はDMNをサポートする異なるキャリアを選択することを試行し得る。
【0046】
専用メッセージングネットワークのさらなる例
専用メッセージングネットワークの例は、DMNが展開されることができるホストキャリア内の幾らかの周波数リソースを用いるバーチャルキャリアを用いて生成されるものを含む。メッセージングトラフィックのサポート専用であるDMNは、バーチャルキャリア内で又はスタンドアロンキャリアを用いて動作させられることができる。DMNの構造は、バーチャルキャリアの一部として動作しようとスタンドアロンキャリア上で動作しようと、同様とすることができる。図11aは、バーチャルキャリア内のDMNの動作を示し、ここで、ホストキャリアにおける物理ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)は、バーチャルキャリアを指し示す。一方、図11bは、スタンドアロンキャリア内のDMNの動作を示す。これは、物理ブロードキャストチャネルPBCHがスタンドアロンキャリアを指し示し、及び周囲を囲むホストキャリアが存在しないことを除いて、バーチャルキャリアの場合とほぼ同一である。
【0047】
DMNは、シグナリングタイプのメッセージの通信に関する、LTEの現行のリリースの欠点に対処する。専用メッセージングネットワークは、LTE技術に基づき及び以下の点に対処し得る:
・DMNは、制御チャネルシグナリング(PDCCH、PUCCH、PHICH等)の効率を改善することによって、大量のシグナリングタイプのデータを通信するモバイル通信デバイスをサポートするように適合されることができる。
・小さなメッセージは、DMN内のPDSCH上で効率的にサポートされる。
・DMNは、遠いセルエッジにおけるモバイルデバイスがDMNネットワーク固有の技法を用いて通信することを可能にする。
・DMNは、好適には、半二重モードにおいて動作し得る。(TDDであれFDDであれ)半二重モードにおける動作は、デュプレクサのセットの必要性を除去する。デュプレクサの除去は、(スイッチがデュプレクサよりも少ないロス又は低い雑音指数を有する場合)デバイスのコストを低減し及びリンクの予算を改善することができる。
・DMNは、ブロードバンドパケットネットワーク(BPN)と比較して、別個の周波数領域において動作し得る。これは、バーチャルキャリアの場合及びスタンドアロンキャリアの場合の双方に当てはまる。バーチャルキャリアの場合において、DMNは、ホストキャリアの帯域幅内で(例えば)1.4MHzに制限される(confined)。スタンドアロンキャリアの場合、DMNは、BPNとは完全に別個の周波数のセットを占める。
・DMNは、BPNとは別個の制御領域で動作し得る。DMNが(後方互換性が理由で)ホスト制御領域及びDMN制御領域の双方をサポートする幾つかの場合がある。例えば、バーチャルキャリアが幾つかのシンボルをホスト制御領域に割り当て、及び幾つかのシンボルをバーチャルキャリア制御領域に割り当てるバーチャルキャリアの場合である。
・DMNは、BPN上で用いられるものとは異なる割り当てフォーマット(即ち、異なるPDCCH構造)を用いる。割り当てメッセージが異なり得る例示的な手法は、以下の通りである:
−DMNは、同時係属中の英国特許出願第1016986.0号において開示される会話(conversation)割り当てメッセージを用いる。当該出願の内容は、参照によって本明細書に包含される。
−DMNとBPNとは、異なる通信技術であるが、同じリファレンスシンボル及び同期信号を用いる。
【0048】
他の例示的な実施形態
上述された実施形態によれば、モバイル通信デバイスは、2つのネットワークに同時に接続することができる(ここで、DMNは、典型的に、ホストBPN内のバーチャルキャリアである)。現行のネットワークにおいて、異なるトラフィックタイプは(例えば、異なるサービスの品質を有する)異なる無線ベアラで送信されることができるが、各デバイスは、ネットワークへの単一の接続のみを有する(当該デバイスは、2つの異なるタイプのネットワークに接続されない)。現行のネットワークにおいて、モバイルデバイスは、同じネットワークへの2つの接続を有することができる。例えば、当該デバイスは、専用チャネル(例えば、音声トラフィックのサポートのためのDCH)と共有チャネル(例えば、パケット交換サービスのサポートのためのHSPAチャネル)とを介してネットワークに接続されることができる。しかしながら、これら2つの接続は、同じ基礎通信技術を介している(WCDMAは、DCH及びHSPAの場合における基礎通信技術である)。対照的に、本技法の実施形態は、2つの接続を有し、(ネットワークのうちの1つは、別のキャリアのスペクトル内のバーチャルキャリアであり得るが)その各々が異なるネットワークを介する。DMNは、以下の理由により、BPNとは異なるネットワークであると見なされる:
・DMNによって占有されるリソース空間は、BPNによって占有されるリソース空間とは別個である(DMNは、幾つかのOFDM/SC−FDMAシンボルのうちの幾つかのOFDM/SC−FDMAサブキャリアのみを占有する);及び、
・(リソース割り当て、ACK/NACK及びCQIシグナリングについての)DMN制御シグナリングは、BPNの制御シグナリングとは別個である。この制御シグナリングは、BPNをデコードする必要無しにデコードされることができる;及び、
・デバイスは、DMN上で通信することを可能とするために、DMNの帯域幅を有する送受信器のみを必要とする(これは、HSPAチャネルをデコードするためにホストキャリア帯域幅において動作するデバイスを必要とする当該HSPAチャネルなどの幾つかの他のチャネルとDMNを区別する)。
【0049】
図面を参照しつつ上述された本発明の実施形態には、添付の特許請求の範囲において表現される本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形が為され得る。ホストモバイル通信ネットワークがLTE以外の標準に従って動作するなどの他の例は、添付の特許請求の範囲内において予想される。認識されるであろうように、専用メッセージングネットワークを確立することに関与するデバイスのロケーション、又は各データパケットが通信されるべきかを判定する機能は、ネットワーク内の任意の都合の良いポイントに位置付けられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12