(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の犠牲ポリマーが、ポリプロピレンカーボネートと、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーとから選択される、請求項1に記載の方法。
第1の表面が基材の表面を含み、活性表面が半導体チップの表面を含み、第1の金属バンプがはんだを含み、第2の金属バンプが銅を含む、請求項1または2に記載の方法。
犠牲ポリマーが、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーをさらに含有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の犠牲ポリマー組成物。
ノルボルナンカーボネートポリマーが、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、およびエキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノールから選択される1以上のモノマーから誘導される、請求項12に記載の犠牲ポリマー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0007]本明細書で用いる場合、“1つの(a)”、“1つの(an)”および“その”という冠詞は、明示的かつ明白に1つの指示対象に限定されていない限り、複数の指示対象を包含する。
【0009】
[0008]本明細書で用いる場合、“熱塩基発生剤”という用語および同様の用語、例えば、“熱活性化塩基発生剤”および“熱開始剤”は、有効温度への加熱後に1以上の塩基を発生する材料を意味する。
【0010】
[0009]本明細書で用いる場合、“基”または“基(複数)”という用語は、化合物および/または代表的な化学構造/化学式に関して用いられる場合、1以上の原子の配列を意味する。
【0011】
[0010]本明細書で用いる場合、ポリマーの分子量の値、例えば、重量平均分子量(M
w)および数平均分子量(M
n)は、ポリスチレン標準液を校正に用いてゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する。
【0012】
[0011]本明細書で用いる場合、多分散性指数(PDI)の値は、ポリマーの重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(M
n)の比(すなわち、M
w/M
n)を表す。
【0013】
[0012]本明細書で用いる場合、特記しない限り、ポリマーのガラス転移温度(T
g)の値は、米国材料試験協会(ASTM)の試験方法番号D3418に従って、示差走査熱量測定法により決定する。
【0014】
[0013]特記しない限り、本明細書中で開示する範囲または比はすべて、それに含まれるありとあらゆる副次的範囲(subrange)または副次的比(subratio)を包含すると理解すべきである。例えば、“1〜10”という規定された範囲または比は、最小値1と最大値10の間(これらの値を含む)のありとあらゆる副次的範囲を包含する;すなわち、1以上の最小値で始まり10以下の最大値で終わるすべての副次的範囲または副次的比、例えば、限定するものではないが、1〜6.1、3.5〜7.8、および5.5〜10を包含すると考えるべきである。
【0015】
[0014]操作例においてを除き、または特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いられる構成成分、反応条件などの分量を表す数はすべて、そのような値の決定に付随する不確実性を考慮に入れるために、すべての場合において“約”という用語により修飾されていると理解すべきである。
【0016】
[0015]本明細書で用いる場合、“ヒドロカルビル”という用語および同様の用語、例えば“ヒドロカルビル基”は、炭素および所望により水素を含有する基のラジカルを意味し、非限定的例は、アルキル、シクロアルキル、ポリシクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アルケニル、シクロアルケニル、ポリシクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニルおよびポリシクロアルキニルである。本明細書で用いる“ハロヒドロカルビル”という用語は、炭素に共有結合している水素の少なくとも1つがハロゲンにより置き換えられているヒドロカルビル基を意味する。本明細書で用いる“ペルハロカルビル”という用語は、そのような水素のすべてがハロゲンにより置き換えられているヒドロカルビル基を意味する。これに加えて、本明細書で用いる“ヘテロヒドロカルビル”という用語は、少なくとも1つの炭素原子が、酸素、窒素、ケイ素および/または硫黄などのヘテロ原子で置き換えられているヒドロカルビル基を意味する。
【0017】
[0016]本明細書で用いる場合、“アルキル”という用語は、線状または分枝状の非環式または環式で、C
1〜C
25の炭素鎖長を有する飽和炭化水素基を意味する。適したアルキル基の非限定的例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イソカニル(isocanyl)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。本明細書で用いる場合、“ヘテロシクロアルキル”という用語は、環式環の炭素の1以上が酸素、窒素、ケイ素および/または硫黄などのヘテロ原子で置き換えられているシクロアルキル基を意味する。代表的ヘテロシクロアルキル基としては、限定されるものではないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホルニル、およびピペリジニルが挙げられる。
【0018】
[0017]本明細書で用いる場合、“アルキレン”という用語は、C
2〜C
25の炭素鎖長を有する上記のような二価のアルキル基を意味する。
【0019】
[0018]本明細書で用いる場合、“アリール”という用語は、制限なく、フェニル、ビフェニル、ベンジル、キシリル、ナフタレニル、アントラセニルなどを包含する芳香族基を意味する。本明細書で用いる場合、“ヘテロアリール”という用語は、1または複数の芳香環の炭素の1以上が、酸素、窒素、ケイ素および/または硫黄などのヘテロ原子で置き換えられているアリール基を意味する。代表的ヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、フラニル、ピラニル、およびピリジニルが挙げられる。
【0020】
[0019]“アルカリール”および“アラルキル”という用語は、本明細書中では互換的に用いられ、少なくとも1つのアリール基、例えばフェニルで置換されていて、C
1〜C
25のアルキル炭素鎖長を有する線状または分枝状の非環式アルキル基を意味する。さらに、上記非環式アルキル基はハロアルキルまたはペルハロアルキル基であることができることは、理解されるであろう。
【0021】
[0020]本明細書で用いる場合、“アルケニル”という用語は、1以上の二重結合を有し、C
2〜C
25のアルケニル炭素鎖長を有する、線状または分枝状の非環式または環式炭化水素基を意味する。アルケニル基の非限定的例としては、とりわけ、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、およびイソセニル(isocenyl)などが挙げられる。
【0022】
[0021]本明細書で用いる場合、“アルキニル”という用語は、1以上の炭素−炭素三重結合を有し、C
2〜C
25のアルキニル炭素鎖長を有する、線状または分枝状の非環式または環式炭化水素基を意味する。代表的アルキニル基としては、限定されるものではないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、ペンチニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、イソシニルなどが挙げられる。
【0023】
[0022]本明細書で用いる場合、線状または分枝状アルキルなどの“線状または分枝状”の基という記述は、メチレン基、線状C
2−C
25アルキル基のような線状である基、および分枝状C
3−C
25アルキル基のような適切に枝分かれしている基を包含すると理解されるであろう。
【0024】
[0023]本発明の態様を特色づける特徴を、本開示の一部を形成する特許請求の範囲で綿密に指摘する。そのような態様のこれらおよび他の特徴、それらの操作上の利点および用途は、本明細書中の以下のそのような態様の説明から、より十分に理解されるであろう。
【0025】
[0024]本発明に従った態様は、犠牲ポリマー組成物であって、とりわけ、前記犠牲ポリマー、熱活性化塩基発生剤部分および溶媒を包含するものを提供する。犠牲ポリマーに関し、これらのポリマーは、市販のポリアルキレンカーボネート(例えば、マサチューセッツ州ウォルサムのNovomer,Inc.からのポリエチレンカーボネートおよびポリプロピレンカーボネート、ならびに、デラウェア州New CastleのEmpower Materials,Inc.からのポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリシクロヘキシレンカーボネート、およびポリブチレンカーボネート/ポリシクロヘキシレンカーボネートブレンド)と、以下に示す式A〜G、A1〜F1およびD1a〜F1aのいずれかに従った多環式2,3−ジオールモノマーから誘導されるポリマーとの両方を包含する。
【0027】
[0025]式A、BおよびCにより表される各モノマーに関し、nは、独立して、0、1または2であり、R
1、R
2、R
3およびR
4のそれぞれは、独立して、水素か、または1〜25の炭素原子を制限なく含有するヒドロカルビル基から選択され、R
5およびR
6のそれぞれは、独立して−(CH
2)
p−OH[式中、pは、0、1、2または3である]から選択され、そして、XおよびX’のそれぞれは、独立して、−CH
2−、−CH
2−CH
2−および−O−から選択され、これに関し、X’は、存在する場合、Xの配向と同じまたは反対に配向している。本発明に従ったいくつかの態様では、R
5およびR
6の少なくとも1つに関し、pは1、2または3である。本発明のいくつかの態様において、R
5のpとR
6のpの合計は、1または3のいずれかである。
【0028】
[0026]式A、BおよびCに示すように、各X基は、頁から外へ上向きに伸長しているものとして表されている。式Aに関し、R
5およびR
6はそれぞれ、同様に頁から外へ上向きに伸長しているものとして表されており、それら自体は互いに対してシス−であり、X基に対してエキソ−である。したがって、式Aを、多環式シス−エキソ2,3−ジオールモノマーとよぶ。式Bにおいて、R
5およびR
6はそれぞれ、頁の中へ下向きに伸長しているものとして表されており、それら自体は互いに対してシス−であり、X基に対してエンド−である。したがって、式Bを、多環式シス−エンド2,3−ジオールモノマーとよぶ。式Cに関しては、R
5は頁の外へ上向きに伸長しているものとして表され、X基に対してエキソ−であり、R
6は頁の中へ下向きに伸長しているものとして表され、したがってX基に対してエンド−である;これに加えて、R
5およびR
6は、互いに対してトランス−である。したがって、式Cを、多環式エンド/エキソ2,3−ジオールモノマーまたは多環式トランス2,3−ジオールモノマーとよぶ。
【0029】
[0027]上記のようなポリノルボルナンジオールカーボネートの態様のいくつかは、式A、BおよびCのそれぞれから選択されるか、それらの式のうち任意の1または2つから選択される、多環式2,3−ジオールから誘導される反復単位を包含することができる。
【0030】
[0028]そのようなポリノルボルナンジオールカーボネートの態様が、式A、BおよびCにより表されるかそれらから選択される2つの多環式2,3−ジオールモノマーから誘導される反復単位を包含する場合、そのような態様は、任意の1つのモルパーセントが1である場合に他の1つのモルパーセントが99であるようなモルパーセント比を包含することが、理解されるであろう。例えば、そのような反復単位のモルバーセント比としては、限定されるものではないが、1対99、10対90、30対70、または、そのような反復単位のモルパーセントの合計が100モルパーセントであるという条件で、それに含まれる他の副次的比が挙げられる。
【0031】
[0029]本発明のポリノルボルナンジオールカーボネートの態様のいくつかは、式A、式Bおよび式Cのそれぞれにより表されるかそれらから選択されるモノマーを包含する。そのような態様は、任意の1つのモルパーセントが1である場合に他の1つのモルパーセントが98であるようなモルパーセント比を包含することが、理解されるであろう。例えば、そのようなモルバーセント比としては、限定されるものではないが、1対1対98、10対10対80、および33.33対33.33対33.33、または、モルパーセントの合計が100モルパーセントであるという条件で、それに含まれる他の副次的比が挙げられる。
【0032】
[0030]したがって、本発明に従ったポリノルボルナンジオールカーボネートの態様は、式A、BおよびCにより表される上記モノマーの任意の1、2または3つの反復単位を包含することができることが、理解されるであろう。さらに、R
5およびR
6は、独立して−(CH
2)
p−OH[式中、pは、0、1、2または3である]から選択することができることが、理解されるであろう。本発明のいくつかの態様において、R
5のpとR
6のpの合計は1または3のいずれかである。
【0033】
[0031]さらに、本発明の上記ポリノルボルナンジオールカーボネートの態様のいずれかに関し、それに包含される任意の1以上の反復単位のR
1〜R
4の少なくとも1つは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキルから独立して選択される基であり、R
1〜R
4の残りのものは、存在する場合、そのような非水素基から選択されず、それぞれ水素であることは、理解されるであろう。R
1〜R
4のそれぞれを選択することができるアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキル基の例としては、限定されるものではないが、本明細書中で先に列挙したクラスおよび例が挙げられ、これらは、所望により、1以上のさらなる置換基、例えば、限定されるものではないが、以下のものを包含することができる:ハロヒドロカルビル置換基、例えば、限定されるものではないが、C
1−C
25線状または分枝状ペルフルオロアルキル基、例えば、限定されるものではないが、−CF
3;カルボン酸エステル、例えば、限定されるものではないが、−COOR’[式中、R’はヒドロカルビル基である];およびエーテル基、例えば、限定されるものではないが、−OR’’[式中、R’’はヒドロカルビル基である]。
【0034】
[0032]さらに、本発明に従ったいくつかのポリノルボルナンジオールカーボネートの態様において、反復単位は、式A、BおよびC[式中、nは0であり;Xはメチレンであり、R
1〜R
4のうち3つはそれぞれ水素であり;そして、R
1〜R
4のうち1つは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアラルキル基から独立して選択され、かつ、Xに対しエキソに配向している]により表されるモノマーから誘導されることは、理解されるであろう。例示の目的のために、そのようなモノマーを以下の式A1、B1およびC1により表すことができる。
【0036】
[0033]これに加えて、本発明に従ったいくつかのポリノルボルナンジオールカーボネートの態様は、以下から誘導される反復単位を包含する:(a)式A、A1、B、B1、Cおよび/またはC1の1以上により表される多環式2,3−ジオールモノマー;ならびに(b)式A、A1、B、B1、Cおよび/またはC1により表される多環式2,3−ジオールモノマー以外の1以上の他のジオールモノマー。そのような他のジオールモノマーとしては、本明細書中でさらに記載するように、限定されるものではないが、以下が挙げられる:(i)式D、E、FおよびGの少なくとも1つにより表される多環式ジオールモノマー;(ii)式I〜XIIの少なくとも1つにより表される環式ジオールモノマー;(iii)式XIIa〜XIIcの少なくとも1つにより表される多環式ジオールモノマー;(iv)他の所望によるジオールモノマー、例えば、2以上のヒドロキシル基を有するヒドロカルビル;ならびにそれらの組み合わせ。
【0037】
[0034]本発明に従ったポリノルボルナンジオールカーボネートの態様は、上記および以下で開示する式A〜G、A1〜F1およびD1a〜F1aにより表される多環式2,3−ジオールモノマー(a)の1以上から誘導される少なくとも1つの反復単位を包含する。これに加えて、当該ポリノルボルナンジオールカーボネートは、以下に開示する式I〜XIIcにより表されるもののような他のジオール(b)を1以上包含することができる。当該ポリカーボネートの反復単位のいずれか1つは、1〜99モルパーセント、または5〜95モルパーセント、または10〜90モルパーセントの量で存在することができる。各場合のモルパーセントは、反復単位のモルパーセントの合計が100モルパーセントであるという条件で、多環式2,3−ジオールモノマー(a)および他のジオール(b)から誘導される反復単位の全モルに基づいている。
【0038】
[0035]そのような他のジオール(b)は、得られるポリカーボネートポリマーの物理的性質を改変する目的に用いることができる。例えば、当該の他のジオール(b)は、得られるポリカーボネートポリマーに弱い連結をもたらすことができ、これにより、ポリカーボネートポリマーは、適した酸または塩基の存在下でより解重合を起こしやすくなる。あるいは、または弱い連結をもたらすことに加え、当該の他のジオール(b)は、得られるポリカーボネートポリマーのT
gおよび/または溶解性を改変することができる。
【0039】
[0036]本発明のいくつかのポリマーの態様は、以下の式D、EおよびFにより表される多環式ジオールモノマーから誘導される反復単位を包含する。
【0041】
[0037] 式D、EおよびFにより表される他の多環式ジオールモノマーのそれぞれに関し、独立して:mは、0、1または2であり;ZおよびZ’は、それぞれ独立して、−CH
2−、−CH
2−CH
2−および−O−から選択され;Z
*は−CH−であり;R
7、R
8、R
9およびR
10は、各場合において独立して、水素およびヒドロカルビル基から選択され;R
11およびR
12は、各場合において独立して、−(CH
2)
p−OH[式中、R
11およびR
12のpは、各場合において独立して、0、1、2または3から選択される]から選択され;そして、各Z’は、存在する場合、それぞれZまたはZ
*の配向と同じまたは反対に配向している。
【0042】
[0038]式D、EおよびFに関し、各Z基およびZ
*基は、頁から外へ上向きに伸長しているものとして表されている。式Dに関し、Z’は、存在する場合、各mに関し独立して、Zの配向に対し同じまたは反対である配向を有する。式EおよびFに関し、各Z’は、存在する場合、各mに関し独立して、Z
*の配向に対し同じまたは反対である配向を有する。
【0043】
[0039]R
7〜R
10をそれぞれ独立して選択することができるヒドロカルビル基としては、限定されるものではないが、本明細書中で先に列挙したクラスおよび例が挙げられる。式D〜Fのそれぞれに関し、本発明の態様において、R
7〜R
10の少なくとも1つは、独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキル基から選択される基であり、そのような非水素基から選択されないその他のR
7〜R
10基(1以上)は、存在する場合、それぞれ水素である。R
7〜R
10のそれぞれを選択することができるアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキル基の例としては、限定されるものではないが、本明細書中でR
1〜R
4に関連して先に列挙したクラスおよび例が挙げられる。
【0044】
[0040]さらなる態様において、式D〜Fのそれぞれに関し:mは、0であり;R
7〜R
10のうち3つは、それぞれ水素であり;R
7〜R
10のうち1つは、独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびアラルキルから選択され、ZまたはZ
*に対しエキソに配向している。例示の目的のために、m=0、Zが−CH
2−であり、R
7、R
8、およびR
9がそれぞれ水素であり、R
10が非水素エキソ基であり、R
11およびR
12がそれぞれ、式Dについては−CH
2OHで式EおよびFについては−OHである場合、式D〜Fは、以下の式D1、E1およびF1により表すことができる。他の例示の目的のために、m=0、Zが−CH
2−であり、R
8、R
9、およびR
10がそれぞれ水素であり、R
7が非水素エキソ基であり、R
11およびR
12がそれぞれ、式Dについては−CH
2OHで式EおよびFについては−OHである場合、式D〜Fは、以下の式D1a、E1aおよびF1aにより表すことができる。特記しない限り、本明細書中に示す式はすべて、そのエナンチオマーおよびジアステレオマー類似体を包含することは、理解されるであろう。
【0046】
[0041]式D、D1およびD1aは、各−(CH
2)
p−OHまたは−CH
2−OH基が多環式構造の同じ炭素に共有結合しているスピロジオールモノマーを表すことに、留意すべきである。
【0047】
[0042]本発明に従ったいくつかの他のポリマーの態様は、以下の式Gにより表される多環式ジオールモノマーから誘導される反復単位を包含する。
【0049】
[0043]式Gにより表される多環式ジオールに関し、Z、R
11およびR
12はそれぞれ、本明細書中で式D〜Fに関し先に記載した通りである。
【0050】
[0044]本発明に従ったさらに他の態様は、以下の式I〜XIIにより表される環式および非環式ジオールモノマーから形成されるポリマーも包含することができる。
【0053】
[0045]式XおよびXIに関し、R
13は、独立して、C
1−C
6アルキル、例えば、限定されるものではないが、メチル、エチルおよびC
3−C
6線状アルキルまたはC
3−C
6分枝状アルキルから選択される。
【0054】
[0046]本発明のさらなるポリマーの態様は、式XIIa、XIIbおよびXIIcにより表される多環式モノマーから誘導される反復単位を包含する。
【0056】
[0047]本発明に従った態様に有用なさらに他のポリオールモノマーとしては、限定されるものではないが、2以上のヒドロキシル基、例えば、限定されるものではないが、2、3または4つのヒドロキシル基を有するヒドロカルビルが挙げられる。そのような他のジオールモノマーの例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:メチル、エチル、C
3−C
25線状もしくは分枝状アルキレンジオール、例えば、1,2−エチレンジオール、1,3−プロピレンジオールおよび1,2−プロピレンジオール;ならびに、ポリアルキレングリコール、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−およびより高級なエチレングリコール、ジ−、トリ−、テトラ−およびより高級なプロピレングリコール、ならびに、ポリテトラヒドロフラン。2より多くのヒドロキシル基を有する所望によるポリオールモノマーは、典型的には少量で、例えば、限定されるものではないが、ヒドロキシル官能性モノマーの全モルパーセントに基づき10モルパーセント未満、または5モルパーセント未満の量で存在する。2より多くのヒドロキシル基を有するポリオールモノマーの例としては、限定されるものではないが、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびジ−トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0057】
[0048]上記のように、本発明に従ったいくつかの態様は、上記化学式のいずれかにより表されるポリオールモノマーから誘導されていない市販のアルキレンカーボネートポリマー(ポリアルキレンカーボネートともよぶ)を包含する。むしろ、そのような市販のアルキレンカーボネートポリマーは、以下に示す式Mにより表される:
【0059】
[0049]これに関し、各R
aは、独立して、水素であるか、あるいは、C
1〜C
30脂肪族;窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄からなる群より独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有するC
1〜C
30ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに、窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を有する3〜7員複素環式、からなる群より選択される置換されていてもよい基であり;そして、R
b、R
cおよびR
dのそれぞれは、独立して、水素であるか、あるいは、C
1〜C
12脂肪族;窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄からなる群より独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有するC
1〜C
12ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに、窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄からなる群より独立して選択される1〜3のヘテロ原子を有する3〜7員複素環式、からなる群より選択される置換されていてもよい基であり;これに関し、(R
aおよびR
c)、(R
cおよびR
d)および(R
aおよびR
c)のいずれかは、介在する原子と一緒になって、1以上のヘテロ原子を所望により含有することができる1以上の置換されていてもよい環を形成することができる。
【0060】
[0050]非限定的で例示することのみを目的として、上記のさまざまな多環式2,3−ジオールモノマーを調製するための当分野で認められている方法を明示するために、合成スキーム1〜7を提供する。例えば、式Aにより表される多環式シス−エキソ−2,3−ジオールモノマーであって、nが0であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素であり、Xが−CH
2−であり、R
5およびR
6がそれぞれ−CH
2OHであるものは、以下の合成スキーム1に従って調製することができる。
【0062】
[0051]合成スキーム1に関し、エンド−2,3−ノルボルネンジカルボン酸無水物(エンド−ナド酸無水物ともよぶ)(1a)を140〜210℃の温度に十分な時間、例えば融解後15分〜24時間暴露した後、再結晶化を繰り返し、例えば、酢酸エチルまたはトルエンから2回以上再結晶化して、5−ノルボルネン−シス−エキソ−2,3−ジカルボン酸無水物(エキソ−ナド酸無水物ともよぶ)(1b)を形成する。水素ガス(H
2)、多孔質炭素上に担持させたパラジウム触媒(Pd/C)、および酢酸エチル(EtOAc)の存在下でエキソ−ナド酸無水物(1b)を水素化すると、エキソ−2,3−ノルボルナンジカルボン酸無水物(1c)が形成する。水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)およびエチルエーテル(Et
2O)の存在下でエキソ−2,3−ノルボルナンジカルボン酸無水物(1c)を還元すると、シス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール(A2)が形成する。
【0063】
[0052]式Bにより表される多環式シス−エンド2,3−ジオールモノマーであって、nが0であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素であり、Xが−CH
2−であり、R
5およびR
6がそれぞれ−CH
2OHであるものは、以下の合成スキーム2に従って調製することができる。
【0065】
[0053]合成スキーム2に関し、5−ノルボルネン−シス−エンド−2,3−ジカルボン酸無水物(エンド−ナド酸無水物ともよぶ)(1a)を、水素ガス(H
2)、多孔質炭素上に担持させたパラジウム触媒(Pd/C)、および酢酸エチル(EtOAc)の存在下で水素化すると、エンド−2,3−ノルボルナンジカルボン酸無水物(2a)が形成する。水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)およびエチルエーテル(Et
2O)の存在下でエンド−2,3−ノルボルナンジカルボン酸無水物(2a)を還元すると、シス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール(B2)が形成する。
【0066】
[0054]式Cにより表される多環式トランス−エンド−エキソ−2,3−ジオールモノマーであって、nが0であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素であり、Xが−CH
2−であり、R
5およびR
6がそれぞれ−CH
2OHであるものは、非限定的な例示のために提供される以下の合成スキーム3に従って調製することができる。
【0068】
[0055]合成スキーム3に関連して、シクロペンタジエン(3a)およびフマル酸ジエチル(3b)を、低温、例えば0℃においてディールス−アルダー反応により一緒に反応させて、トランス−エンド−エキソ−2,3−ノルボルネンビス(エチルカルボキシレート)(3c)を形成する。水素ガス(H
2)、多孔質炭素上のパラジウム触媒(Pd/C)、および酢酸エチル(EtOAc)の存在下でトランス−エンド−エキソ−2,3−ノルボルネンビス(エチルカルボキシレート)(3c)を水素化すると、トランス−エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンビス(エチルカルボキシレート)(3d)が形成する。水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)およびエチルエーテル(Et
2O)の存在下でトランス−エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンビス(エチルカルボキシレート)(3d)を還元すると、トランス−エキソ−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール(C2)が形成する。
【0069】
[0056]式Aにより表される多環式シス−エキソ−2,3−ジオールモノマーであって、nが0であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素であり、Xが−CH
2−であり、R
5が−OHであり、R
6が−CH
2OHであるものは、非限定的な例示のために提供される以下の合成スキーム4に従って調製することができる。
【0071】
[0057]合成スキーム4に関連して、ヘキサヒドロ−4H−5,8−メタノベンゾ[d]−エキソ−[1,3]ジオキサン(4a)を、無水酢酸(Ac
2O)および触媒量の硫酸(H
2SO
4)の存在下で、シス−エキソ−(3−アセトキシノルボルン−2−イル)メチルアセテート(4b)およびシス−エキソ−((3−アセトキシノルボルン−2−イル)メトキシ)メチルアセテート(4c)に転化する。中間体(4a)および(4b)を、水および触媒量の水酸化ナトリウム(NaOH)の存在下で、シス−エキソ−3−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン−2−イル(A3)に転化する。
【0072】
[0058]式Bにより表される多環式シス−エンド−2,3−ジオールモノマーであって、nが0であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素であり、Xが−CH
2−であり、R
5が−OHであり、R
6が−CH
2OHであるものは、非限定的な例示のために提供される以下の合成スキーム5に従って調製することができる。
【0074】
[0059]合成スキーム5に関連して、ヘキサヒドロ−4H−5,8−メタノベンゾ[d]−エンド−[1,3]ジオキサン(5a)を、無水酢酸(Ac
2O)および触媒量の硫酸(H
2SO
4)の存在下で、シス−エンド−(3−アセトキシノルボルン−2−イル)メチルアセテート(5b)およびシス−エンド−((3−アセトキシノルボルン−2−イル)メトキシ)メチルアセテート(5c)に転化する。中間体(5a)および(5b)を、水および触媒量の水酸化ナトリウム(NaOH)の存在下で、シス−エンド−3−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン−2−イル(B3)に転化する。
【0075】
[0060]式D、E、FおよびGにより表される所望による多環式ジオールは、当分野で認められている方法により調製することができる。非限定的な例示のために、式Fにより表される所望による多環式ジオールであって、mが0であり、R
7〜R
10がそれぞれ水素であり、Zが−CH
2−であり、R
11が−OHであり、R
12が−CH
2OHであるものは、以下の合成スキーム6に従って合成することができる。
【0077】
[0061]合成スキーム6に関連して、2,3−ノルボルネン(6a)を、ギ酸(HCOOH)、硫酸(H
2SO
4)およびホルムアルデヒド(H
2CO)の存在下で(2−(ホルミルオキシ)ノルボルン−7−イル)−エキソ−メチルホルメート(6b)に転化する。その後、中間体(6b)を、水酸化ナトリウム(NaOH)およびメタノール(MeOH)の存在下で7−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン−2−エキソ−オール(F1)に転化する。
【0078】
[0062]本発明に従ったアルキレンカーボネートポリマーの態様も、当分野で認められている方法により調製することができる。例えば、本発明の態様に従ったアルキレンカーボネートポリマーは、1以上の多環式2,3−ジオールモノマーをハロゲン化カルボニル、X
2C=O[式中、各Xは、独立してハロ基から選択される]と反応させるハロゲン化カルボニル経路により調製することができる。ハロゲン化カルボニルの例としては、限定されるものではないが、各Xがクロロ(Cl)であるホスゲンが挙げられる。あるいは、1以上の多環式2,3−ジオールモノマーをN,N−カルボニルジイミダゾールと反応させるカルボニルジイミダゾール経路を用いることができる。
【0079】
[0063]典型的には、上記ジオールモノマーから調製されるポリマーの態様は、1以上の多環式2,3−ジオールモノマーを、炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキル、炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール、および/またはアルキル−アリールカーボネートと反応させる、カーボネート経路により重合される。本発明に従った態様の非限定的な例示のために、ポリカーボネートポリマーを、以下の合成スキーム7に従って調製することができる。
【0081】
[0064]合成スキーム7に関連して、シス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノールモノマー(A2)を、炭酸ナトリウムの存在下で炭酸ジフェニル(7a)と反応させ、これによりポリ(シス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメチルカーボネート)(7b)を形成する。式中、yは反復単位の数である。シス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノールモノマー(A2)は、式Aに従った多環式2,3−ジオールモノマー[式中、nは0であり、R
1〜R
4はそれぞれ水素であり、Xは−CH
2−であり、R
5およびR
6はそれぞれ−CH
2OHである]である。
【0082】
[0065]本発明に従ったポリカーボネートポリマーの態様に関し、該ポリカーボネートは、式A、BまたはCの1つから誘導される単一タイプの反復単位を含有するホモポリマーなどのホモポリマーか、ランダムコポリマーか、ブロックコポリマーか、または交互コポリマーから選択することができる。これらのコポリマーは、本明細書中では代替的にランダムポリマー、ブロックポリマーおよび交互ポリマーとよぶ。本発明に従ったランダム、ブロックおよび交互ポリカーボネートコポリマーの態様は、式A、BまたはCの少なくとも1つから誘導される2以上のタイプの反復単位を包含することができる。
【0083】
[0066]本発明に従ったいくつかの態様に関し、ポリカーボネートは、広範囲の分子量を有することができる。例えば、そのようなポリマーは、2000〜250000、または8000〜150000、または9000〜80000の重量平均分子量(M
w)の値;および、1.0より大きく4.0以下、例えば、制限なく、1.1〜4.0、または1.2〜2.0、または1.3〜1.8の多分散性指数(PDI)の値(M
w/M
n)を、有することができる。
【0084】
[0067]本発明に従ったいくつかの態様に関し、ポリカーボネートは、広範囲のガラス転移温度(T
g)の値、例えば、限定されるものではないが、−50℃〜200℃、または25℃〜180℃、または60℃〜175℃のTg値を有することができる。
【0085】
[0068]本発明に従ったいくつかの態様に関し、ポリカーボネートを、ポリマーが分解する温度に関し特徴付けることができる。この温度は、分解温度とよぶこともできる。いくつかの態様では、ポリカーボネートの分解温度を、50パーセントの重量損失が観察される温度である半分解温度(half-decomposition temperature)(T
d50)に関し定量化することができる。半分解温度は、典型的には熱重量分析(TGA)により決定される。半分解温度は、ポリマー単独について、および、添加剤、例えば、活性化後の熱活性化塩基発生剤の存在下でのポリマーについて、決定することができる。
【0086】
[0069]本発明に従った態様は、以下を包含する犠牲ポリマー組成物も提供する:本明細書中で上記した1以上のタイプのカーボネート反復単位を有する単一タイプのポリカーボネート、および熱活性化塩基発生剤。本発明に従った犠牲ポリマー組成物の態様は、単一タイプのポリカーボネートか、または2以上のタイプのポリカーボネートのブレンドもしくは混合物を、包含することもできる。
【0087】
[0070]犠牲ポリマー組成物が単一のポリカーボネートを包含する本発明の態様に関し、そのようなポリマーは、上記ポリアルキレンカーボネートのいずれかを包含することができ、または、上記および以下に記載する多環式2,3−ジオールモノマーから誘導することができる。そのようなポリマー組成物の態様が2以上のタイプのポリマーを包含する場合、そのようなポリマーのそれぞれは、2以上の異なるポリアルキレンカーボネートか、異なる多環式2,3−ジオールモノマーから誘導される2以上のポリマーであることができる。したがって、本発明に従った犠牲ポリマー組成物の態様は、式AおよびBの一方または両方により表される多環式2,3−ジオールモノマーから誘導される反復単位を有する第1のポリカーボネートのみ;または、そのような第1のポリカーボネートと、式Cにより表される多環式2,3−ジオールモノマーから誘導される反復単位を有する第2のポリカーボネートとの組み合わせを、包含することができる。これに加えて、そのような犠牲ポリマーの態様は、1以上の上記市販のポリアルキレンカーボネートを包含することができる。
【0088】
[0071]本発明に従った犠牲組成物の態様に用いられる熱活性化塩基発生剤は、有効温度への加熱により塩基を発生する。これに関し、発生した塩基は、犠牲ポリマーの解重合を引き起こす。本明細書で用いる場合、“解重合”という用語は、犠牲ポリマーが、解重合前のポリマーの分子量より少ない分子量をそれぞれ有するより小さな単位に少なくとも部分的に分解されることを意味することは、理解されるであろう。そのような解重合された単位としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:ポリマーの誘導原料であるモノマー;ポリカーボネートオリゴマー;ヒドロキシル末端多環式カーボネートオリゴマー;多環式カーボネート;多環式エーテル;環状カーボネート、COおよび/またはCO
2。
【0089】
[0072]非限定的な例示のために、nが0であり、Xが−CH
2−であり、R
1〜R
4がそれぞれ水素である式Aにより表される多環式2,3−ジオールから誘導されるポリカーボネートまたはポリカーボネートセグメントを解重合することによる、多環式環中に少なくとも1つのカーボネート連結を含有する多環式カーボネートおよび/または多環式環中に少なくとも1つのエーテル連結を含有する多環式エーテルの形成、ならびに、市販のポリプロピレンカーボネートの解重合を、以下のスキーム8aおよび8bにより表す。
【0092】
[0073]スキーム8aおよび8bに示した多環式カーボネートおよび/または多環式エーテルを、同時または続いて高温を施用することにより気化させる。本発明のいくつかの態様に関し、解重合により作り出される部分、例えば多環式カーボネートおよび/または多環式エーテルは、本明細書中でさらに詳細に記載するように、オーバーコート層を透過する。
【0093】
[0074]本発明のいくつかの態様に関し、ポリカーボネートポリマーは、多環式ジオールモノマーDから誘導される1以上のモノマー単位を包含することができる。高温で活性化した塩基の存在下でそのようなポリカーボネートポリマーを少なくとも部分的に解重合すると、それぞれ以下の式D−DU1およびD−DU2により表される1以上の多環式カーボネートおよび/または多環式エーテル解重合単位の形成をもたらすことができる。
【0095】
[0075]いくつかの態様に関し、式D−DU1およびD−DU2のそれぞれについて、少なくとも1つのpは、少なくとも1である。式D−DU1およびD−DU2により表される気化した解重合単位は、本明細書中でさらに詳細に記載するように、オーバーコート層を透過することができる。
【0096】
[0076]以下に記載する熱活性化塩基発生剤(TABG)は、本発明のポリマー組成物の態様に包含される。そのようなTABGとしては、限定されるものではないが、式1、2または3のいずれかにより表されるカチオンを包含する塩基が挙げられる:
【0098】
[0077]式中、各R
1は、独立して、水素、メチルもしくはエチル基、線状、分枝状もしくは環状C
3−C
12アルキル基;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する線状、分枝状または環状C
3−C
12ヘテロアルキル基;C
6−C
10アリール基;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有するC
5−C
10ヘテロアリール基、から選択されるか;あるいは、2つのR
1基が、任意の介在する原子と一緒になって、先に定義したような1以上の環状アルキルまたはヘテロアルキル基を形成し、これに関し、式1の場合、少なくとも1つのR
1は水素である。代表的なテトラ−アルキル塩基としては、とりわけ、テトラ−エチルアミン(Et
4N
+)およびテトラ−ブチルアミン(Bu
4N
+)が挙げられる。前者は、Aldrich Specialty Chemicalsからカタログ番号205583で、およびFlukaからカタログ番号96607で、酢酸塩として入手可能である。後者も、AldrichまたはFlukaのいずれかから、それぞれカタログ番号335991および86835として入手可能である。実施例でわかるように、King Industriesから入手可能な所有権のあるアミジン塩CXC−1761も、TABGとして評価した。
【0099】
[0078]本発明に従った熱活性化塩基発生剤は、一般にカルボキシレートアニオンを有する塩である。そのような塩は、有効活性化温度に加熱したときに遊離塩基を放出し、その後、該遊離塩基が、スキーム8bに示す解重合を引き起こすのに十分な塩基性度を有することを、特徴とする。ここで以下の表A(2008年11月、オンタリオ州オタワ、Carleton Universityの“Development of tetraphenylborate−based Photobase generators and sacrificial Polycarbonates for radiation curing and Photoresist applications” という表題のXun Sunの論文から)を参照すると、放出された遊離塩基1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD)の塩基性度は、アセトニトリル中で測定したpK
aとして表されていて、少なくとも24.34であり、両方ともポリプロピレンカーボネートの分解温度(T
d)の著しい低下を示している。対照的に、第三級アミン(TEA)およびフェニルヒドラジン(PhNHNH
2)は、pK
aが12.33以下で、T
dにおいてわずかな低下しか示さなかった。このように、このPPCの分解温度の低下は、塩基性度および特定のTABGの有効性の尺度であり、潜在的なTABGを選別するのに採用することができる。
【0101】
[0079]上記pK
a値に基づき、本発明に従った態様に有用な熱的に発生した塩基は、以下の構造の1以上を包含する。
【0103】
[0080]本発明のTABGの態様のカルボキシレートアニオンとして有用なカルボキシレートの代表的構造を、それらの酸の形で以下に示す:
【0105】
[0081]続いて、代表的なTABGの構造を以下のように示すことができる:
【0107】
[0082]本発明に従った組成物の態様に有用なTABGの量は、解重合反応を触媒するのに有効な量の塩基を発生する任意の量であり、したがって、そのような量を有効量とよぶことができる。いくつかの態様に関し、そのような量は、ポリマーの重量に基づき数値を含めて0.1〜25pphrであり;他の態様では、数値を含めて0.5〜15pphr、さらに他の態様では数値を含めて1〜12pphrである。本発明のいくつかの態様では、TABGの混合物を、当該混合物の有効量が上記範囲を含む場合、採用することが有利である可能性があることは、理解されるであろう。さらに、本発明に従ったいくつかのポリマー組成物の態様は、TABGと有効量のギ酸の混合物を包含する。
【0108】
[0083]本発明に従ったいくつかの態様に関し、犠牲ポリマー組成物はさらに、1以上の溶媒を包含することができる。溶媒は、例えば、犠牲ポリマー組成物の全重量に基づき、10〜99重量パーセント、または40〜90重量パーセント、または50重量パーセント〜80重量パーセントの量で、存在することができる。犠牲ポリマー組成物に包含させることができる溶媒の例としては、限定されるものではないが、アセトニトリル、アセトフェノン、α−アンゲリカラクトン、アニソール、γ−ブチロラクトン、n−酢酸ブチル、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、デカヒドロナフタレン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、メシチレン、2−メトキシエチルエーテル、1−メチル−2−ピロリジノン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフルフリルエーテル、γ−オクタノラクトン、炭酸プロピレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0109】
[0084]本発明のポリカーボネートの態様に関し本明細書中で先に検討したように、本発明に従った犠牲ポリマー組成物の態様は、該組成物が分解または解重合する温度に関連して特徴づけることができ、この温度を、犠牲ポリマー組成物の分解温度とよぶことができる。犠牲ポリマー組成物の分解温度は、本明細書中で先に記載したようにT
d50分解温度に関連して定量化することができる。
【0110】
[0085]さらに本発明の態様に従って、本発明の上記犠牲ポリマー組成物の態様を利用する有用なミクロ電子工学的または光電子工学的なデバイスまたは構造体の形成方法も提供する。
【0111】
[0086]最初に、そのようなデバイスの形成に関し、本発明に従った当該デバイスの形成の態様のいくつかは、第1および第2の基材を提供することを包含する。これに関し、各基材は、複数の第1および第2の金属バンプまたは接触構造体を包含する表面を、それぞれ有する。第1および第2の基材のそれぞれが、チップスタックを形成するための半導体チップまたはダイなどのミクロ電子工学的デバイスであることができ、または、当該基材の一方が半導体チップで、他方の基材が“フリップチップ”組立体を形成するのに採用されるようなものであることは、理解されるであろう。さらに、本発明の上記犠牲ポリマー組成物の態様は基材の一方または両方に施用され、当該基材は、当該組成物の粘着特性により互いに位置決めされ保持されることは、理解されるであろう。これに関し、上記複数の金属バンプまたは構造体のそれぞれは、適切に位置合わせされていて、当該犠牲ポリマー組成物の粘着性によりそのような位置合わせで保持されており、これにより、続いて電気的結合をもたらすことができる。さらに、前記第1または第2の複数の金属バンプの少なくとも1つははんだを包含し、その結果、基材およびポリマー組成物を有効温度に加熱することにより、はんだがリフローして上記電気的結合をもたらす一方、ポリマー組成物によりフラックス性がもたらされて、そのような電気的はんだ結合が可能になるか強化されることは、理解されるであろう。さらに、基材およびポリマー組成物は、電気的結合を完了させ、該ポリマー組成物中に包含されるアルキレンカーボネートポリマーの分解を可能にするのに十分な時間にわたり、上記有効温度で保持されることは、理解されるであろう。上記複数の第1および第2の金属バンプまたは構造体に関し上記特性表示は非限定的であり、本発明のいくつかの態様は、複数の第1および第2の金属接点(または接触領域)を有し、そのような複数のものの少なくとも1つがはんだまたは他の結合性材料を包含すると特徴付けることができることに、留意すべきである。
【0112】
[0087]上記方法に関し、ポリマー組成物の態様の施用は、任意の適した手段により遂行することができる。例えば、印刷、例えば、限定されるものではないが、インクジェット印刷に似ているジェット印刷、またはスクリーン印刷;ディスペンシング(dispensing)、例えば、限定されるものではないが、スポットもしくはラインディスペンシング、噴霧コーティング、ドクターブレーディングまたはスピンコーティング。
【0113】
[0088]上記有効温度に関し、そのような温度は、少なくとも採用した特定のTABGの相関的要素として変動する。これに加えて、当該温度は、それが包含されているポリマー組成物の使用および形成される構造体の相関的要素であることができる。例えば、“フリップチップ”構造体が作製される場合、上記有効温度は一般に、はんだ、または電気的結合のために選択される他の結合性材料のリフロー温度と一致する。三次元構造が作製されるので、上記有効温度は、オーバーコート層の分解温度より低い温度である。さらに、有効温度はまた、選択したポリカーボネートの態様の解重合温度および解重合生成物が除去される温度の相関的要素である。したがって、本発明に従ったいくつかの形成の態様は、塩基発生剤を活性化する第1の有効温度と、解重合生成物の除去を促進する第2の有効温度を包含することができる。さらに、そのような構造体またはデバイスの形成方法に用いられるポリマー組成物の量と同様に、有効温度への加熱を維持する時間も、形成する構造の相関的要素として変動することができ、三次元構造は典型的に、“フリップチップ”タイプの構造と比べ、より長い時間にわたり有効温度にある必要がある。本発明に従った態様に関し、上記三次元の空間および電気的に結合している基材間の区域は両方とも、実質的に犠牲ポリマー組成物の残留物を含まないと有利である。
【0114】
[0089]以下に提供する実施例で、本発明に従ったポリマー組成物の態様が有効な粘着付与剤およびフラックスであることがわかるが、そのような態様は、第1の基材を第2の基材に仮結合するために採用することもできる。そのような結合は、第1の基材、第2の基材、および第1の基材と第2の基材の間に介在する仮結合層を包含する多層を形成する。仮結合層は、あるいは仮接着層ともよばれ、上記ポリマー組成物の態様から形成される。さらに、そのような多層構造は、化学的機械的研磨またはシリコン貫通ビア(TSV)の作製などのプロセスのための基材表面を提供するのに有用であることは、理解されるであろう。TABGが活性化すると、犠牲ポリマーは少なくとも部分的に解重合し、基材が互いから剥離または分離することが可能になる。
【0115】
[0090]さらに、本発明に従ったポリマー組成物の態様は、仮または永続的な結合のいずれかが有用なさらに他の施用に、または前記施用と併せて、用いることができる。そのような施用としては、限定されるものではないが、ミクロ電子工学分野での施用、例えば、限定されるものではないが、フリップチップ構造体、マイクロプロセッサチップ、通信チップ、および光電子工学チップ;ならびに、マイクロ流体;センサー;および分析デバイスの分野での施用、例えば、限定されるものではないが、微小クロマトグラフィーデバイスが挙げられる。
【0116】
[0091]以下の実施例は、例示を目的とするものであり、形はどうあれ本発明に従った態様の範囲を限定するものではない。ポリマー主鎖中に組み込まれる反復単位の比は、モル重量パーセントで与えられていることに留意されたい。
【実施例】
【0117】
[0092]本発明の態様に従ったポリノルボルナンジオールカーボネートを、以下の実施例1〜5に記載した合成手順に従って調製した。実施例1〜3の方法で形成したカーボネートの性質を、以下の表1aおよび1bにまとめる。これらの表中、T
g値は、10℃/分の加熱速度での示差走査熱量測定法により決定されており;T
d5、T
d50およびT
d95の値は、10℃/分の加熱速度での熱重量分析により決定されており、これは、重量に基づきポリマーの5パーセント、50パーセントおよび95パーセントが分解した温度を示し;鎖末端フェニル基(末端Ph)のパーセントモル値は、装入された炭酸ジフェニル原料の初期量に基づく、重合中に除去されなかったフェノールの理論量を示し;モルパーセントは、
1H NMR分析により決定されており、特定のシス−エキソ−またはシス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノールモノマーから誘導されるポリマー中のモノマー単位のパーセントを示し、残りは、他のモノマーから誘導されるコポリマー中のモノマー単位のパーセントに相当し:41% シス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール(実施例1);59% 1,3−シクロヘキサンジオール(実施例2);および、59% 1,3−シクロヘキサンジオール(実施例3);溶解度は、プロセス溶媒に標的樹脂含有量(RC、20重量%)のポリマーを溶解しようと試みることにより決定しており、表示“A”はアニソールをさし、表示“G”はγ−ブチロラクトンをさす。
ポリカーボネートポリマーの例
実施例1
[0093]以下のものを、適した大きさで、適切な装備、例えば、熱電対、加熱マントル、機械的攪拌機、窒素掃引機(nitrogen sweep)、および真空ポンプなどを有する多頸フラスコに加えた:22.5グラムのシス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール(144ミリモル(millimoleまたはmmole));15.0グラムのシス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール(96ミリモル);51.3グラムの炭酸ジフェニル(240ミリモル);および12ミリグラム(mg)の水素化リチウム(1.5ミリモル)。フラスコの内容物を、その内容物が液体に転化するのに足る時間にわたり窒素掃引下で120℃に加熱し、該温度で保持した。その後、フラスコの内容物を、120℃で2時間にわたり、絶え間なく攪拌しつつ窒素掃引下で保持した。その後、フラスコの内容物を、絶え間なく攪拌しつつ120℃で1時間にわたり約10kPaの減圧に付した。その後、フラスコ内の圧力をさらに0.5kPa未満まで低下させ、内容物を、120℃で1.5時間にわたり継続的攪拌に付した後、180℃で1.5時間保持した。
【0118】
[0094]フラスコの内容物を冷却し、適量、例えば800mLのテトラヒドロフランに溶解し、濾過した。その後、濾過した溶液を、メタノールと蒸留水を9対1の体積比で包含する適切な量、例えば8リットルの液体に加え、該液体から沈殿させた。沈殿したポリマーを、メタノールと蒸留水を9対1の体積比で包含する適切な量、例えば4リットルの洗浄液で洗浄した後、乾燥した。約30.7グラムのポリカーボネートコポリマーを約70パーセントの収率で得た。該ポリカーボネートコポリマーは、41000の重量平均分子量(M
w)および1.70の多分散性指数(PDI)を有することが、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)により決定された。
実施例2
[0095]本発明の態様に従ったポリカーボネートコポリマーを、実施例1に記載した手順に従って、以下から調製した:20.5グラムの1,3−シクロヘキサンジオール(176ミリモル);15.5グラムのシス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール(99ミリモル);56.6グラムの炭酸ジフェニル(264ミリモル);および13.2mgの水素化リチウム(1.7ミリモル)。約28.1グラムのポリカーボネートコポリマーを約69パーセントの収率で得た。該ポリカーボネートコポリマーは、47000のM
wおよび1.75のPDIを有することが、GPCにより決定された。
実施例3
[0096]本発明の態様に従ったポリカーボネートコポリマーを、実施例1に記載した手順に従って、以下から調製した:19.2グラムの1,3−シクロヘキサンジオール(165ミリモル);14.5グラムのシス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール(93ミリモル);53グラムの炭酸ジフェニル(248ミリモル);および10.1mgの水素化リチウム(1.3ミリモル)。約28.7グラムのポリカーボネートコポリマーを約76パーセントの収率で得た。該ポリカーボネートコポリマーは、38000のM
wおよび1.61のPDIを有することが、GPCにより決定された。
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
実施例4
[0097]攪拌子を備えた適切な大きさの反応容器に、10.0g(43mmol)の5−エキソ−フェニル−シス−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノールおよび9.2g(43mmol)の炭酸ジフェニルおよび1.3mg(0.16mmol)の水素化リチウムを入れた。凝縮アーム(condensing arm)を組み立て、反応容器に取り付け、該容器および凝縮器を排気し、窒素で再充填し、これを3回行った。該反応フラスコを、120℃の油浴温度において攪拌しつつ窒素下で2時間にわたり加熱した。窒素源を除去し、反応物を120℃で75Torrの部分真空に1時間にわたり付し、放置して室温まで冷却した。沈殿中に、塩化メチレンとテトラヒドロフランの混合物中のポリマー溶液を、純粋なメタノールに滴下して加えた。濾過および動的真空オーブンでの乾燥後、9.1gの白色ポリマーが得られた。ポリマーの性質を以下にまとめる:M
w=49k、PDI=2.0、T
g=115℃、T
d50=284℃。
実施例5
[0098]実施例4と同様の設定および取り扱い手順を用い、本実験に用いたモノマーは、5.0g(22mmol)の5−エキソ−フェニル−シス−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノールおよび4.6g(22mmol)の炭酸ジフェニルである。用いた水素化リチウム触媒は0.9mg(0.11mmol)である。沈殿中に、塩化メチレンとテトラヒドロフランの混合物中のポリマー溶液を、純粋なメタノールに滴下して加えた。濾過および動的真空オーブンでの乾燥後、4.7gの白色ポリマーが得られた。ポリマーの性質を以下にまとめる:M
w=38k、PDI=2.1、T
g=111℃、T
d50=314℃。
【0122】
【化24】
【0123】
[0099]ケトプロフェン塩の光化学的脱炭酸メカニズムは、DBUまたはDBNのプロトン化カチオンを有する光塩基発生剤で知られている(Journal of Photopolymer Science and Technology 2010,23(1),135−136およびJournal of Photopolymer Science and Technology 2009,22(5),663−666参照)。光化学的脱炭酸による塩基(例えばアミン)の発生における概念は20年以上にわたって確立されてきたが(Journal of Photopolymer Science and Technology 1990,3(3),419−422および米国特許公報第5545509号参照)、同様に、当分野では、一部の分子が自発的な熱的脱炭酸を経ないことが知られている(Journal of Photopolymer Science and Technology 2006,19(6),683−684およびJournal of Photopolymer Science and Technology 1999,12(2),315−316参照)。式1の構造体1および2の観察は、紫外線の非存在下でPT−393を加熱したときに化学的イオン化により確認されており、同様の熱的脱炭酸プロセスも起こることを示唆している。二酸化炭素がカルボキシレート基から形成するときに水素がカチオンから引き抜かれ、こうしてリフロー中にその場で塩基1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD、2)が放出される。
【0124】
[0100]塩基2は加熱によってのみPT−393から発生するため、室温でのPT−393のポリマー配合物は、少なくとも1カ月にわたり安定である。それは遊離酸または遊離塩基を含有せず、非腐食性の配合物である。リフローにより発生する強塩基は、金属表面から酸化物または汚染物を除去することにより、はんだフラックスとして働く。該強塩基はまた、はんだ成分の固定(fixturing)に最初に用いられている組成物のポリカーボネート部分の鎖の分断および開放を、塩基触媒作用により開始する(スキーム8b)。ポリマーから発生する環状種は揮発性であり、>230℃の典型的なリフロー条件下でキャリヤー溶媒と一緒に気化する。典型的なキャリヤー溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、アニソールおよびシクロペンタノンは、210℃未満の沸点を有する。PT−393は、5%重量損失温度(T
d5)が229℃でありTGAにおいて潜在的添加剤の特徴を示し、リフロー下で完全に除去されると予想される。
実施例6:PT−393の調製
[0101]2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン、8.00g、31.5mmol)を、室温で磁気攪拌しつつTHF(100mL)に溶解した。1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD、4.38g、31.5mmol)を乾燥粉末として透明なTHF溶液に徐々に加えた−この添加中の温度上昇は、この時点での希釈レベルでは最小限である。該不均質混合物を室温で12時間にわたり激しく攪拌し、この時間中に濁りは徐々に減少した。反応混合物を、ガラスフリット上のCelite(登録商標)濾過助剤に通して濾過し、濾液を回転蒸発により粘性オイルに濃縮した。ジエチルエーテル(15mL)を該オイル状材料に加え、30分間撹拌して、未反応のケトプロフェンおよびTBDを除去した。上層をパスツールピペットを用いて取り出し、エーテル洗浄を2回繰り返した。最後の洗浄からの上澄みを、室温において密閉バイアル中で一晩保持した。mg規模の白色結晶が形成する。該白色結晶は粗製混合物と同様の1H NMRを示す。これを、後続するバルク結晶化のための種として収集した。洗浄したバルク材料にTHF(30mL)を加え、均質になるまでかき混ぜた。ジエチルエーテルを、THF溶液に、終点まで滴下して加えた。終点では、エーテルを1滴追加すると、かき混ぜた後であっても濁った溶液がもたらされる。数個の種結晶を、終点において透明なTHF/エーテル混合物に加えた。室温で4時間後、小さな白色結晶の層が底面のガラス表面上に形成した。該混合物を冷蔵庫で18時間保持した。白色結晶質材料をガラスフリット上での濾過により収集し、2×5mLのジエチルエーテルで洗浄した。白色固体をオイルポンプ真空下(≦0.1Torr)で少なくとも12時間乾燥して微量の残留溶媒を除去し、8.5g(69%)の白色固体を得た。これは、
1H NMRにより望ましい生成物PT−393と確認されている。
実施例7:エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジカルボキシレート無水物の合成
[0102]エキソ−,エキソ−2,3−ノルボルネンジカルボキシレート無水物(94.4%、634.23g、3.87mol)を約210gの分量に分割し、それぞれを音波処理および熱により1.5〜1.7Lの酢酸エチルに溶解した。各分割分を19LのParr反応器に加えた後、3×400mLの酢酸エチルですすいだ。用いた酢酸エチルの合計は5.9Lであった。Parr反応器は、該無水物の再結晶化を防ぐために30℃に予熱しておいた。5%のPd/C(50%湿潤、21.48g)を加えた。反応器を密封した後、窒素で3回加圧した。その後、これを水素で3回加圧およびフラッシした。最後に、反応器を108psi水素に加圧し、230rpmで攪拌した。19分後、混合物を17〜105psiで再び入れた。4分後、反応は100psi水素で安定化した。混合物をそのまま100〜86psiおよび26〜31℃で一晩攪拌した。NMR分析により、オレフィンがもう残存していないことが示された。4リットルのジクロロメタンを反応混合物に加えた。反応器を空にした後、3×2000mL分量のジクロロメタンですすいだ。反応混合物およびすすぎ液をCeliteに通して濾過して、Pd/Cを含まない透明な濾液を得た。該濾液を20〜70℃で回転蒸発させると、639gの硬質固体が生じた(収率99.5%)。GC分析により、99.6%の全異性体純度で98.7%のエキソ異性体および0.9%のエンド異性体が示された。
【0125】
【化25】
【0126】
実施例8:エキソ−,エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノールの合成
[0103]水素化アルミニウムリチウムのペレット(192.7g、5.08mol)を、機械的攪拌機、添加漏斗、窒素用入口を備える凝縮器、およびサーモウェルを取り付けた12L四つ口フラスコ中の4000mLの無水エーテルに加えた。混合物を一晩攪拌した。エキソ−,エキソ−2,3−ノルボルナンジカルボキシレート無水物(330.3g)を850mLのDrySolve THFに溶解し、LAHスラリーに滴下して加えた。添加速度は、穏やかな還流が維持されるように調整した(35℃以下)。添加が終了したら、添加漏斗に、1000mLのDrySolve THF中の303.3gのエキソ−,エキソ−2,3−ノルボルナンジカルボキシレート無水物を再び入れた。新たな溶液は、穏やかな還流が維持されるように滴下して加えた(40.1℃)。加えたエキソ−,エキソ−2,3−ノルボルネンジカルボキシレート無水物は合計633.6g(3.81mol)であった。添加時間は11時間であった。GC分析により95%の転化率が示され、未反応出発材料は検出されなかった。混合物を室温で一晩攪拌した。GC分析により95.9%の転化率が示された。該反応混合物を−12.4℃に冷却した後、835mLの水を滴下して加えた。80mLの水を加えた後、発熱量が低下したので、残りの水は迅速に加えた。添加は、−12.4℃〜+12.4℃の温度で2時間20分後に完了した。1.25LのMTBE(メチル−tert−ブチルエーテル)を加えた。その後、1.05Lの10%水性H
2SO
4を加えて凝固させ、リチウムおよびアルミニウム塩を分離した。エーテル−THF−MTBE相をデカントし、2×1Lのブラインで洗浄して、キャリーオーバーされた固体を除去し、pHを7にした。エーテル溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、回転蒸発させると、355.4(収率60%)のオイルが得られた。GC分析により、97.0%のジメタノール(保持時間8.490分)および6.16分の保持時間に2.3%の未知の成分が示された。
【0127】
[0104]ブライン相からの有機相の分離は、懸濁固体により分かりにくかった。ブライン洗浄液を反応器に再び加えて、残存する塩を流体化した。その後、反応器フラスコをMTBEですすいだ。この際、MTBEを加え、ブライン混合物と完全に混合した。相分離は起こらなかった。ブライン混合物を濾過して、リチウムおよびアルミニウム塩を除去した。これにより、ブライン相から約1000mLの有機相の透明な分離物を得た。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、回転蒸発させると、149.9gのジメタノールが得られた。GC分析により、89.6%の純度が示され、2.7%および5.3%の主要不純物がそれぞれ6.134分および7.222分の保持時間で示された。
【0128】
[0105]固体を含まないブライン溶液を、400mLおよび800mLのMTBEで抽出した。MTBE抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、回転蒸発させると、25.8の92.1%のジメタノールと、1.1%の保持時間6.144分の不純物および6.6%の7.279分の不純物が得られた。
【0129】
[0106]リチウムおよびアルミニウム塩を2LのMTBEで洗浄した。MTBE抽出物をブラインでpH 7まで洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、22.1gの93%のジメタノールまで回転蒸発させた。この試料は2.1%および15.1%の不純物をそれぞれ6.136分および7.269分に有していた。これら最後の3つの抽出物を組み合わせて計197.8gにし、355.4gの主要抽出物とは区別しておいた。
【0130】
[0107]355gの抽出物を12インチのVigreuxカラムに通して減圧蒸留した。これに関し、画分4〜7を組み合わせると、120gの生成物が純度99.0%で得られた;そして、画分8〜10を組み合わせると、157gの生成物が純度99.5%で得られた。収率は47%であった。
配合例1:GBL中のPPCの配合物
[0108]このシリーズの手順は一般に、ポリマー溶媒を、アセトンから、ポリ(プロピレンカーボネート)と混和しうる任意のより高沸点の溶媒に交換するのに適用することができる。市販のポリ(プロピレンカーボネート)(PPC、ゲル浸透クロマトグラフィー測定に基づくM
w=40k)を、アセトン中のポリマー溶液の形で得た。ガンマ−ブチロラクトン(GBL)(451g)を、アセトン中のM
w=40kの市販のポリ(プロピレンカーボネート)(500g、36重量%)に加えた。溶媒の第1画分(221g)を、54℃の減圧下(25mmHg)で回転蒸発により取り出した。溶媒の第2画分(281g)を、75℃の減圧下(29mmHg)で回転蒸発により取り出した。残存ポリマー溶液のアセトン含有率は、ガスクロマトグラフィーにより報告可能な限界(0.05重量%)未満であることが見いだされた。(アセトン含有率が報告可能な限界を上回っている場合、溶媒の添加および蒸発サイクルを、ポリマー溶液中のアセトン含有率が報告可能な限界未満になるまで繰り返す。)最終ポリマー溶液を1μmカプセルに通して濾過して、クリーンルーム環境にある粒子を含まない容器に入れた。該容器の蓋を閉め、保管するために延伸テープで密封する。樹脂含有率は、105℃のFisher Isotemp 真空オーブンを5時間用いて、測定した初期重量のポリマー溶液試料からすべての溶媒を除去することにより決定した。最終固体ポリマー重量を初期溶液重量と比較して樹脂含有率を決定し、57重量%であることが見いだされた。粘度はブルックフィールド粘度計(モデルDV I Prime)を用いて決定し、20000cPsであることが見いだされた。
配合例2:GBL中のTABGを含むPPC
[0109]一般に、配合例1に記載したように溶媒を交換した試料より粘度が低い配合物は、粘性ポリマー試料を、典型的には添加剤と一緒に入れられるキャリヤー溶媒で希釈することにより調製する。一例として、GBL(全溶液重量12.0g)中の熱活性化塩基発生剤PT−393(0.28g)を、実施例1に従って調製した試料溶液(19g、49重量%)に加えて、樹脂100部あたり3部(pphr)の熱活性化塩基発生剤を含む30重量%の配合物を得る。該配合物を12時間にわたりローラー混合し、0.2μmカプセルに通して濾過して、クリーンルーム環境にある粒子を含まない容器に入れる。該容器の蓋を閉め、延伸テープで密封する。
配合例2a:GBL中のTABGおよびギ酸を含むPPC
[0110]ギ酸(FA)を含む配合物を、配合例2と類似の方法であるがギ酸を添加して調製した。一例として、純(neat)FA(0.96g)を、配合例2からのポリマー溶液に加えた。該溶液を12時間にわたりローラー混合し、0.2μmカプセルに通して濾過して、クリーンルーム環境にある粒子を含まない容器に入れて、3pphrのPT−393および3重量%のFAを含み樹脂含有率29重量%の配合物を得た。
配合例3−31:配合されたPPCの熱重量分析
[0111]これらの実施例の配合物に関する調製手順は、配合例2の手順に類似する。このシリーズにおけるすべての実施例に関し、収集したデータを以下の表3および3aにまとめる。
【0131】
[0112]各配合物に関し、キャリヤー溶媒はGBLであり、40000(40k)または160000(160k)のいずれかの分子量を有するいずれかのNovomerポリプロピレンカーボネートを用いた。これに加えて、各配合物に採用された特定のTABGと、ポリマー100部あたりの部(pphr)でのその配合量を挙げる。
【0132】
[0113]配合が完了したら、それを4インチのシリコンウエハ上に100rpmでスピンコーティングした。その後、コーティングしたウエハを120℃で5分間ソフトベークしすると、厚さ約5μmのフィルムが生じた。得られた均一なウエハフィルムの一部をウエハから引き上げ、アルミニウム製の皿に量り入れ(3mg)、動的熱重量分析に付す。フィルム材料を10℃/分のランプ速度で25〜500℃に加熱する一方、特定パーセントの重量損失における温度を記録する。50%重量損失温度(T
d50)は154℃である。T
d50のデータを集めたものを表3にまとめる。配合されていないポリ(プロピレンカーボネート)のT
d50は252℃である。
【0133】
【表4】
【0134】
[0114]実施例18および31は、TABGを加えていない対照であった。示しているように、対照は両方とも252℃のT
d50を有していた。T
d50の著しい低下は、CXC−1761を用いたものを除くすべての配合物でみられた。よりM
wが大きい各類似体で予想されるより高いT
d50と、よりTABG配合量が多い類似体でのより低いT
d50も、みられる。しかしながら、テトラエチルアミン塩を含まない類似試料と比較したときの実施例7、9、22および24のそれぞれへの少量のEt
4N OAc・4H
2Oの添加の劇的効果は、予想していなかった。
【0135】
[0115]本発明に従ったポリマー組成物の態様は、有効温度への加熱により分解して残留物をほとんどまたはまったく残さない犠牲材料であると予想されるので、表4にまとめる以下の実施例では、さまざまな配合物の分解のパーセントを報告する。
配合例31〜53:配合されたPPCの熱分解
[0116]このシリーズの実施例に関する配合物およびウエハフィルムの調製法は、厚さ2μmのフィルムを得るためにスピン速度を3000rpmに上げる点を除き、配合例3に記載したものと同様である。初期のフィルム厚さはプロフィロメトリー(profilometry)により測定する。ウエハフィルムを、各試料をオーブン中で加熱することにより熱分解に付す。実施例番号に隣接して記載されている文字は、その実施例で用いられた加熱サイクルを示している。したがって、‘a’の場合、2分以内で230℃に加熱した後、プレートを同温度でさらに2分間保持し;‘b’の場合、240℃に加熱して10分間保持し;そして、‘c’の場合、200℃に加熱して10分間保持する。各実施例で、ウエハをオーブンから取り出し、放置して室温まで冷却した。つづいて、ウエハ上の残留物の残留物厚さを測定し、分解した材料のパーセントを、ソフトベークした試料の残留物厚さと初期フィルム厚さの比を用いて計算した。見てわかるように、すべての実施例が、初期フィルム厚さに関係なく90%を超える分解を示した。これは、採用した分解サイクルが適切であり、微調整のための実験が少ししか必要ないことを示唆している。
【0136】
【表5】
【0137】
配合例54〜78:PPC配合物のはんだフラックスの評価
[0117]熱活性化塩基発生剤を含むガンマ−ブチロラクトン中の配合物を、該配合物を、部分的に酸化した表面を有する銅基材(1.7cm×3.4cm)上に27ゲージの針で別個のスポットとして分配した点を除き、配合例2の手順に従って調製する。はんだボール(Sn(99.3)Cu(0.7);直径610μm)を銅基材上の各スポットの最上部に慎重に移した後、プレート全体をデバイス上に載せ、加熱して、示されたはんだリフローの量を決定した。本発明に従ったポリマー組成物の態様は、隣接する基材間のはんだ相互接続を可能にするための溶融を提供することを目的としているので、上記方法によるはんだリフローの量の決定により、さまざまなTABG添加剤およびそれらの配合量を評価することが可能になる。各実施例に関し、銅基材を2分間以内で230℃に加熱した後、その温度でさらに2分間保持した後、プレートを放置して室温に戻した。慎重に置かれたはんだボールを保有するプレートを移動させる間に、ポリマー組成物の各スポットは、その上に置かれたはんだボールを適所に保持していたことが観察された。したがって、そのような組成物が粘着付与剤として有用であることが示された。はんだ材料の直径をリフロー後に測定した。観察した対照と同様に、実施例68および78は、実質的にはんだ広がりを示さなかった。また、Et
4N OAc・4H
2O TABGに関し、TABG配合量が少ない実施例66および69は、より配合量が多い実施例67および70と比較して、適切なはんだ広がりを達成するためにはEt
4N OAc・4H
2Oがより高濃度のTABGを必要とすることを、示していると思われる。表5から、PT−393への添加剤としてのギ酸およびEt
4N OAc・4H
2Oの両方が、これらの試料で観察されるはんだ広がりに対し、そのような添加剤を含まない類似の試料と比較して、影響を有するにしてもわずかであることも、観察されるであろう。
【0138】
【表6】
【0139】
配合例79〜126:PPC配合物の貯蔵安定性
[0118]さまざまなTABGを含む、分子量が40Kおよび160Kの両方のPPC Novomerポリマーのアニソール中での配合物を、実施例2の方法で調製した。一例として、添加剤としてPT−393を3pphrの配合量で含むM
w=40kのポリ(プロピレンカーボネート)のガンマ−ブチロラクトン中での配合物を調製し、そのM
w(貯蔵前)をGPCにより決定する。該配合物を25℃で2週間保持し、M
w(貯蔵後)を決定する。表6中のM
w比は、M
w(貯蔵後)/M
w(貯蔵前)により決定され、0.99である。0.95〜1.05の範囲内にあるM
w比は、実験誤差内にあり、該配合物が貯蔵期間にわたり安定であることを示している。示されているように、実施例95〜102の組成物の安定性は、TABGとしてPT−393が組み込まれている組成物の場合に比べ、そのような組成物がギ酸(92および93)またはEt
4N OAc・4H
2Oの添加(80a、82a、113および116)を包含しているか否かに関わらず、著しく低かった。
【0140】
【表7】
【0141】
【表8】
【0142】
配合例127〜129:ポリノルボルナンジオールカーボネート配合物のはんだフラックスの評価
[0119]固体シス−エキソ−2,3−ポリノルボルナンジメチルカーボネートポリマー(3.0g)をアニソールに溶解して、30重量%の樹脂含有率を有する10.0gの塩基ポリマー溶液を得る。3.0pphrの配合量で指示TABGを含む指示カーボネート配合物を、採用された溶媒がアニソールであった点を除き、配合例2の手順に従って調製した。示しているように、配合例127〜129はそれぞれはんだリフローを示しており、したがって、採用したTABGのフラックス効果を示している。はんだフラックスのデータのリストを表7にまとめる。
【0143】
【表9】
【0144】
配合例130〜131:配合されたポリノルボルナンジオールカーボネートの熱分解
[0120]配合例129および129のポリカーボネートの熱分解を評価した。このシリーズの実施例に関し、ウエハフィルムの調製および熱分解測定は、厚さ3.9μmのフィルムが生じ、分解サイクル‘a’のみを採用した点を除き、配合例31〜53について先に記載したように実施した。熱分解データを表8にまとめる。
【0145】
【表10】
【0146】
配合例132〜133:配合されたポリノルボルナンジオールカーボネートの貯蔵安定性
[0121]添加剤を含むアニソール中の配合物を、配合例127〜129の手順に従って調製する。調製後、ポリマーのM
w(貯蔵前)をGPCにより決定した。各配合物を65℃で1週間保持し、ポリマーのM
w(貯蔵後)を決定した。表9中のM
w比は、M
w(貯蔵後)/M
w(貯蔵前)により決定され、0.95であった。0.95〜1.05の範囲内にあるM
w比は、実験誤差内にあり、該配合物が貯蔵期間にわたり安定であることを示すと考えられる。
【0147】
【表11】
【0148】
[0122]表6〜9に示したデータは、LaPointe et al.への“Tunable Polymer Compositions”という表題の国際公開WO2010075232 A1号に報告されているBu
4N Oac添加剤を採用した例を包含する。そのような添加剤のBu
4Nカチオンはスキーム8bに示したように作用することができないと考えられるため、このデータは、比較の目的のためだけに提供する。
比較例
[0123]熱酸発生剤(TAG)、具体的にはDAN FABA(ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)を3.9pphrの配合量で包含するPPC(M
w=160000)の配合物を、調製した。DAN FABAは800の式量を有するので(PT−393の式量が393であるのと比較して)、この配合量は、1.7pphrの配合量のPT−393を包含するPPC配合物より約10%多い配合量である。TAG含有配合物のTGA分析は206℃のT
d50を示したが、配合例20のTABG配合物(表3に示す)は188℃のT
d50を示した。
【0149】
[0124]配合例20により示されたT
d50がTAG配合物の場合より低いと仮定すると、TABGはPPCの分解の低減においてTAGと少なくとも同じくらい有効であることが、明らかであろう。
【0150】
[0125]ここまでで、本発明に従ったポリマー組成物の態様が、本明細書中に記載した方法での使用に有用であると示されたことが、理解されるであろう。本明細書中で示すように、そのようなポリマー組成物の態様中の添加剤は、そのような添加剤が存在しないポリマー組成物の分解温度を著しく低下させ、溶融を提供してはんだリフロープロセスによる電気的接続性を強化し、そして、優れた貯蔵特性を示すことが、示されている。
【0151】
[0126]さらに、ポリアルキレンカーボネートとポリノルボルナンジオールカーボネートの両方を、適切な熱活性化塩基発生剤(TABG)を包含する場合に粘着付与剤およびフラックスの両方として有用である犠牲ポリマーを形成するために採用することができることが、理解されるであろう。さらに、そのような適切なTABGの選択は、とりわけ、上記のように2つの基材間に有効なはんだ接続を形成することを可能にするのに十分な程度のはんだ広がりを提供することができるということの相関的要素であることが、理解されるであろう。これに加えて、そのような適切なTABGは、望まれるまで、ポリマーの崩壊、解重合または分解を引き起こしてはならない。したがって、表6および9に示した結果は、顕著な室温安定性を有するいくつかの犠牲ポリマー組成物を作製することができることを示しているが、表4および8は、そのような安定なポリマー組成物が、実質的に、完全に解重合およびまたは分解される可能性を有することを示している。したがって、TABGを包含する犠牲ポリマー組成物の態様およびその犠牲ポリマーが、本明細書中に開示および記載されており、そのような犠牲ポリマーおよび組成物を、本発明に従った態様として特許請求することができることは、理解されるであろう。
【0152】
[0127]さらに、有用なミクロ電子工学的または光電子工学的なデバイスまたはその構造体を形成するのにそのような犠牲ポリマー組成物を用いる方法で、本発明の上記犠牲ポリマー組成物の態様が使用されることは、理解されるであろう。先に記載したように、本発明のそのようなデバイスの形成の態様のいくつかは、第1および第2の基材を提供することを包含する。これに関し、各基材は、複数の第1および第2の金属バンプまたは接触構造体を包含する表面を、それぞれ有する。第1および第2の基材のそれぞれが、チップスタックを形成するための半導体チップまたはダイなどのミクロ電子工学デバイスであることができ、または、当該基材の一方が半導体チップで、他方の基材が“フリップチップ”組立体を形成するのに採用されるようなものであることは、理解されるであろう。そのような基材は、そのような組成物の粘着特性により互いに位置決めされ保持される。これに関し、上記複数の金属バンプまたは構造体のそれぞれは、適切に位置合わせされていて、そのような位置合わせで保持されており、その結果、基材とポリマー組成物を有効温度に加熱することにより、電気的結合を後続させることができる。はんだはリフローして上記電気的結合をもたらし、ポリマー組成物はフラックス性をもたらして、そのような電気的はんだ結合を可能にするか強化する。これに関し、前記ポリマー組成物がさらに解重合または分解されると、前記第1および第2の基材間に実質的に残留物は残らない。
本願は以下の発明を包含する。
[項目1] ミクロ電子工学デバイスを基材に結合するための方法であって、以下を含む方法:
第1の表面を含む基材を提供し、これに関し、前記第1の表面は、複数の第1の金属バンプを含む;
活性表面を含むミクロ電子工学デバイスを提供し;そのような活性表面は、複数の第2の金属バンプを含み;これに関し、複数の第1の金属バンプおよび複数の第2の金属バンプの少なくとも1つは、はんだを含む;
はんだの上に重ねてポリマー組成物を配置し、これに関し、前記ポリマー組成物は、犠牲ポリマーおよび熱活性化塩基発生剤を含み、前記熱活性化塩基発生剤は、式1、2または3から選択されるカチオンを含む:
【化26】
[式中、各R1は、独立して、水素、メチルもしくはエチル基、線状、分枝状もしくは環状C3−C12アルキル基;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する線状、分枝状または環状C3−C12ヘテロアルキル基;C6−C10アリール基;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有するC5−C10ヘテロアリール基、から選択されるか;あるいは、2つのR1が、任意の介在する原子と一緒になって、先に定義したような1以上の環状アルキルまたはヘテロアルキル基を形成し、これに関し、式1の場合、少なくとも1つのR1は水素である];
ミクロ電子工学デバイスを、基材に、第1の複数の金属バンプのそれぞれが第2の複数の金属バンプに位置合わせされるように提供し;ここで、該ポリマー組成物はそのような位置合わせを維持する;
第1の複数の金属バンプおよび第2の複数のバンプを、ミクロ電子工学デバイスと基材が電気的および固定的に結合するように、はんだを融解するのに十分な第1の温度に加熱し;ポリマー組成物はフラックス作用を提供し;そして、
ポリマー組成物を、犠牲ポリマーの熱分解を引き起こすのに十分な第2の温度に加熱する。
[項目2] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、式2または式3により表されるカチオンを含む、項目1に記載の方法。
[項目3] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、さらにカルボキシレートアニオンを含む、項目1または2に記載の方法。
[項目4] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、式IIにより表されるカチオンを含む、項目3に記載の方法。
[項目5] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の犠牲ポリマーが、ポリプロピレンカーボネートと、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーとから選択される、項目1に記載の方法。
[項目6] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、式2または式3により表されるカチオンを含む、項目5に記載の方法。
[項目7] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、さらにカルボキシレートアニオンを含む、項目5または6に記載の方法。
[項目8] はんだの上に重ねて配置されるポリマー組成物の熱活性化塩基発生剤が、式2により表されるカチオンを含む、項目7に記載の方法。
[項目9] 第1の表面が基材の表面を含み、活性表面が半導体チップの表面を含み、第1の金属バンプがはんだを含み、第2の金属バンプが銅を含む、項目1に記載の方法。
[項目10] 熱活性化塩基発生剤が、式2により表されるカチオンを含み、犠牲ポリマーが、ポリプロピレンカーボネートと、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーとから選択される、項目9に記載の方法。
[項目11] 熱活性化塩基発生剤が式IVにより表され、犠牲ポリマーがポリプロピレンカーボネートである、項目9に記載の方法:
【化27】
[項目12] 犠牲ポリマーが、エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エンド−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エキソ−エキソ−2,3−ノルボルナンジメタノール、エキソ−5−フェニル−エンド−エンド−2,3−ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンスピロカーボネート、およびフェニルノルボルナンスピロカーボネートの1以上から誘導される反復単位を含むポリカーボネートポリマーから選択される、項目9に記載の方法。
[項目13] 以下を含む犠牲ポリマー組成物:
39000〜47000ダルトンの重量平均分子量を有するポリプロピレンカーボネートポリマー;
PT−393またはEt4N OAc・4H2O、またはそれらの混合物から選択される熱活性化塩基発生剤;および
アニソールまたはガンマブチロラクトンから選択される溶媒。
[項目14] 溶媒がガンマブチロラクトンである、項目13に記載の犠牲ポリマー組成物。
[項目15] 熱活性化塩基発生剤がPT−393である、項目14に記載の犠牲ポリマー組成物。
[項目16] 熱活性化塩基発生剤の配合量が、数値を含めてポリマー100部あたり0.5部〜ポリマー100部あたり8部である、項目15に記載の犠牲ポリマー組成物。
[項目17] さらに、3重量%の組成ギ酸を含む、項目15に記載の犠牲ポリマー組成物。