【実施例】
【0054】
全ての反応は、オーブンで乾燥したガラス製品を使用して行い、特に明記しない限り、窒素の陽圧下で実施した。NMRスペクトルは、JEOL製JNM−CS400(400MHz)スペクトロメーターで記録した。高分解能質量分析は、Scripps Research Institute Mass Spectrometry LaboratoryにおいてAgilent製マススペクトロメーターによってESI−TOFを用いて得た。LC/MS分析は、Shimadzu製LC/MS2010シリーズLCシステムによってKromasil 100 5ミクロンC18カラム(50×2.1mmID)を使用して行った。シリカゲル精製は、Teledyne Isco製のCombiFlash R
fシステムによってRediSep R
fプレパックカラムを使用して行った。分取HPLC精製は、Shimadzu製SCL−10AシステムによってLuna5ミクロンC18カラム(100×30mmID)又はYMC10ミクロンC18カラム(150×20mmID)のいずれかを使用して行った。溶媒として使用した全ての試薬は標準的な供給メーカーから入手したものをそのまま使用した。マイクロ流体実験は、Syrris製AFRICA(R)合成装置を使用して行った。
【0055】
A)以下は5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンの合成の概要である
【0056】
【化9】
スキーム3.方法A(ワンポットバッチ法)又は方法B(自動連続フロー)のいずれかによる5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンの合成
14
【0057】
B)以下はケタール保護チオアミドの合成の概要である
【0058】
【化10】
スキーム4.ケタール保護チオアミド部分構造(ビルディングブロック)の合成
【0059】
C)ケタール保護チオアミドの合成の実験手順(特性データを含む)
【0060】
実施例1
【0061】
【化11】
【0062】
アセトアセトアミド(5.05g、50.0mmol、1当量)とネオペンチルグリコール(11.0g、110mmol、2.2当量)を減圧乾燥した固体混合物に無水CH
2Cl
2(200mL)を添加し、次にクロロトリメチルシラン(28.0mL、220mmol、4.4当量)を添加した。得られた澄明な溶液を2日間加熱還流した。得られた混濁反応液を0℃に冷却し、NaHCO
3飽和水溶液を分割して添加することにより気を付けてクエンチし、得られた2相混合物を分離した。その後、有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下濃縮乾固した。得られた澄明な油状物をCH
2Cl
2を用いてプレパックシリカゲルカラム(120g)にロードし、CH
2Cl
2:MeOH(85mL/分、100%CH
2Cl
2を5分間、その後20分かけて20%MeOHへと勾配)を用いてクロマトグラフィーを行った。生成物溶離液を濃縮した後、ケタール保護アミド(8.35g、89%)を澄明な油状物として単離した。この油状物は時間の経過と共にゆっくりと白色結晶になった。
1H NMRは文献に報告されているスペクトルと一致した
15。
【0063】
実施例2
【0064】
【化12】
【0065】
ケタール保護アミド(5.81g、31.1mmol、1当量)の無水THF溶液を調製し、0℃に冷却した。次にローソン試薬(6.91g、17.1mmol、0.55当量)を添加し、得られた黄色懸濁液を室温まで自然に昇温させ、その間、合計2時間撹拌した。得られた黄色溶液を減圧下濃縮し、その後EtOAcに再溶解させた。その後、有機相をNaHCO
3飽和水溶液で洗浄し、続いて塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下濃縮乾固した。粗物質をシリカゲルに吸着させ、プレパック型のシリカゲルカラム(120g)にロードし、ヘキサン:EtOAc(85mL/分、60分かけて0%EtOAc→30%EtOAc)を用いてクロマトグラフィーを行った。生成物溶離液を濃縮した後に得られた白色固体は依然としてさらに精製を要するものであった。よって、クロマトグラフィー後の物質をトルエン(50mL)で処理し、−20℃まで冷却し、得られた白色沈殿物を回収してケタール保護チオアミド(2.70g、43%)を白色結晶として得た。Mp 111〜113℃。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)8.25(s,1H),7.85(s,1H),3.63(d,J=11.0Hz,2H),3.44(d,J=11.0Hz,2H),3.16(s,2H),1.46(s,3H),1.06(s,3H),0.84(s,3H).
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ(ppm)205.0,98.2,54.0,30.1,23.1,22.4,18.8.HRMS(ESI):m/z C
9H
18NO
2S(M+H)
+に対する計算値:204.1053,(M+H)
+の実測値:204.1050
【0066】
D)5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンのワンポットバッチ法による合成(方法A)の基本実験手順及び特性データ
【0067】
【化13】
スキーム5.5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンのワンポット合成
【0068】
基本手順:DMF600μL中でケタール保護チオアミド(50mg、0.246mmol、1当量)とα−ブロモケトン(0.246mmol)の反応液を調製し、バイアルに密封して5分間150℃に加熱した。冷却後、アルデヒド(0.295mmol、1.2当量)と尿素(0.295mmol、1.2当量)を添加し、さらに10分間反応液を200℃に加熱した。冷却したら、粗反応液をシリカゲルに吸着させ、プレパックシリカゲルカラム(12g)にロードし、ヘキサン:EtOAc(30mL/分、20分かけて10%EtOAc→100%EtOAc)を用いてクロマトグラフィーを行った。その後、全ての化合物に対して逆相分取HPLCによる精製工程をさらに行った後、抗HIV活性についてスクリーニングを行った。
【0069】
実施例3
【0070】
【化14】
【0071】
表題化合物を白色固体(43mg、43%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.27(d,J=1.8Hz,1H),8.41(d,J=2.3Hz,1H),8.23(s,1H),8.08(m,2H),7.88(m,3H),7.78(dd,J=8.2,2.8Hz,1H),7.47(d,J=8.2Hz,1H),5.71(d,J=3.2Hz,1H),2.34(s,3H)
【0072】
実施例4
【0073】
【化15】
【0074】
表題化合物を黄色固体(35mg、35%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.27(d,J=1.4Hz,1H),8.27(dd,J=4.6,1.8Hz,1H),8.19(s,1H),8.05(m,2H),7.89(m,1H),7.85(m,2H),7.78(dd,J=7.6,2.1Hz,1H),7.36(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),5.99(d,J=3.2Hz,1H),2.38(s,3H)
【0075】
実施例5
【0076】
【化16】
【0077】
表題化合物を黄色固体(26mg、23%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.32(d,J=1.8Hz,1H),8.34(s,1H),8.16(s,1H),8.05−8.01(m,3H),7.93−7.89(m,2H),7.83(m,2H),7.75(ddd,J=8.5,7.0,1.5Hz,1H),7.59(ddd,J=8.3,6.9,1.4Hz,1H),6.17(d,J=2.3Hz,1H),2.45(s,3H)
【0078】
実施例6
【0079】
【化17】
【0080】
表題化合物を橙色固体(19mg、18%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.19(d,J=1.8Hz,1H),8.32(d,J=8.2Hz,1H),8.17(s,1H),8.10−8.07(m,2H),7.98(d,J=7.3Hz,1H),7.91−7.85(m,4H),7.74(ddd,J=8.5,7.0,1.5Hz,1H),7.58−7.54(m,2H),5.78(d,J=2.8Hz,1H),2.38(s,3H)
【0081】
実施例7
【0082】
【化18】
【0083】
表題化合物を黄色固体(24mg、26%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.03(d,J=1.8Hz,1H),8.46(m,1H),8.14(s,1H),8.06−8.04(m,2H),7.85−7.83(m,2H),7.70−7.65(m,2H),7.35(d,J=7.8Hz,1H),7.19(m,1H),5.56(d,J=3.2Hz,1H),2.29(s,3H)
【0084】
実施例8
【0085】
【化19】
【0086】
表題化合物を白色固体(40mg、43%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.22(d,J=1.8Hz,1H),8.59(d,J=2.3Hz,1H),8.42(dd,J=4.6,1.4Hz,1H),8.22(s,1H),8.09−8.07(m,2H),7.90−7.85(m,3H),7.72(m,1H),7.34(dd,J=7.8,4.6Hz,1H),5.67(d,J=3.2Hz,1H),2.36(s,3H)
【0087】
実施例9
【0088】
【化20】
【0089】
表題化合物を黄色固体(31mg、34%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.22(d,J=1.8Hz,1H),8.49(d,J=5.5Hz,1H),8.23(s,1H),8.09−8.06(m,2H),7.92−7.86(m,3H),7.33(dd,J=4.6,1.4Hz,2H),5.64(d,J=3.7Hz,1H),2.33(s,3H)
【0090】
実施例10
【0091】
【化21】
【0092】
表題化合物を褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)10.78(s,1H),9.16(d,J=1.8Hz,1H),8.18(s,1H),8.11−8.08(m,2H),7.87−7.85(m,2H),7.68(m,1H),7.40(d,J=7.8Hz,1H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),7.00(ddd,J=8.0,7.0,1.0Hz,1H),6.90(m,1H),6.23(d,J=2.3Hz,1H),5.74(d,J=3.2Hz,1H),2.39(s,3H)
【0093】
実施例11
【0094】
【化22】
【0095】
表題化合物を黄色固体(31mg、30%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.21(d,J=1.4Hz,1H),8.15(s,1H),8.05−8.03(m,2H),7.92(m,1H),7.86−7.84(m,2H),7.44(d,J=8.2Hz,1H),7.40(d,J=7.8Hz,1H),7.08(ddd,J=8.2,7.1,1.1Hz,1H),6.94(ddd,J=7.8,6.9,0.9Hz,1H),6.27(s,1H),5.89(d,J=3.7Hz,1H),3.91(s,3H),2.39(s,3H)
【0096】
実施例12
【0097】
【化23】
【0098】
表題化合物を黄色固体(37mg、35%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.30(d,J=1.8Hz,1H),8.27(s,1H),8.17−8.15(m,2H),8.04(m,1H),7.91−7.89(m,2H),7.81(d,J=7.8Hz,1H),7.76(d,J=7.8Hz,1H),7.31−7.23(m,3H),6.00(d,J=3.7Hz,1H),2.31(s,3H)
【0099】
実施例13
【0100】
【化24】
【0101】
表題化合物を黄色固体(39mg、35%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.26(d,J=1.4Hz,1H),8.23(s,1H),8.11−8.08(m,2H),7.97(m,1H),7.88−7.85(m,2H),7.66(d,J=3.2Hz,1H),7.54(d,J=3.2Hz,1H),5.94(d,J=3.7Hz,1H),2.26(s,3H)
【0102】
実施例14
【0103】
【化25】
【0104】
表題化合物を橙色固体(18mg、19%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.31(d,J=1.8Hz,1H),8.29(s,1H),8.16−8.14(m,2H),7.99(m,1H),7.92−7.90(m,2H),7.47(d,J=1.4Hz,1H),6.94(m,1H),6.52(s,1H),5.91(d,J=3.7Hz,1H),2.30(s,3H)
【0105】
実施例15
【0106】
【化26】
【0107】
表題化合物を褐色固体(38mg、37%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.29(d,J=1.4Hz,1H),8.81(d,J=4.6Hz,1H),8.59(d,J=7.8Hz,1H),8.10(s,1H),8.02(dd,J=8.2,0.9Hz,1H),7.95(m,1H),7.81−7.69(m,6H),7.44(d,J=4.6Hz,1H),6.51(d,J=3.2Hz,1H),2.44(s,3H)
【0108】
実施例16
【0109】
【化27】
【0110】
表題化合物を褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.14(s,1H),8.15(s,1H),8.02(d,J=8.2Hz,2H),7.57(d,J=8.2Hz,2H),7.71(s,1H),7.02(s,1H),6.73(s,1H),5.78(s,1H),3.80(s,3H),2.44(s,3H)
【0111】
実施例17
【0112】
【化28】
【0113】
表題化合物を褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.25(s,1H),8.15(s,1H),7.98−7.84(m,5H),7.54(m,2H),7.21−7.10(m,2H),6.08(s,1H),4.00(s,3H),2.36(s,3H)
【0114】
実施例18
【0115】
【化29】
【0116】
表題化合物を黄色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)11.42(s,1H),9.14(s,1H),8.22(s,1H),8.11(d,J=8.2Hz,2H),7.88(d,J=8.2Hz,2H),7.67(s,1H),7.41(dd,J=9.6,2.8Hz,1H),7.22(s,1H),6.31(d,J=9.6Hz,1H),5.33(d,J=2.8Hz,1H),2.34(s,3H)
【0117】
実施例19
【0118】
【化30】
【0119】
表題化合物を黄色固体(62mg、65%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.24(d,J=1.8Hz,1H),8.22(m,2H),8.09−8.06(m,2H),7.93−7.85(m,4H),7.13(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),5.70(d,J=3.2Hz,1H),2.34(s,3H)
【0120】
実施例20
【0121】
【化31】
【0122】
表題化合物を黄色固体(51mg、53%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.27(s,1H),8.46(m,2H),8.24(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,2H),7.92(s,1H),7.88(d,J=8.2Hz,2H),7.60(d,J=9.6Hz,1H),5.76(d,J=2.8Hz,1H),2.36(s,3H
【0123】
実施例21
【0124】
【化32】
【0125】
表題化合物を橙色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.30(s,1H),9.07(s,1H),8.20(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,2H),8.03(d,J=7.8Hz,2H),7.88−7.80(m,5H),6.02(d,J=2.3Hz,1H),2.34(s,3H)
【0126】
実施例22
【0127】
【化33】
【0128】
表題化合物を黄褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)11.02(s,1H),8.66(s,1H),8.22(d,J=8.7Hz,2H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.57(s,1H),7.30(s,1H),5.78(d,J=1.4Hz,1H),2.06(s,3H)。2つのN−Hは観察されず。
【0129】
実施例23
【0130】
【化34】
【0131】
表題化合物を黄褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.31(s,1H),9.23(s,1H),8.24(s,1H),8.22(d,J=2.3Hz,1H),8.07(d,J=8.7Hz,2H),8.01(s,1H),7.82(d,J=8.7Hz,2H),7.43(m,1H),7.38(d,J=7.8,1H),7.32(m,1H),7.10(dd,J=7.3,1.4,1H),5.83(d,J=2.3Hz,1H),2.38(s,3H)
【0132】
実施例24
【0133】
【化35】
【0134】
表題化合物を黄色固体(42mg、42%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.30(d,J=1.8Hz,1H),8.35(d,J=5.0Hz,1H),8.26(s,1H),8.10−8.07(m,2H),7.97(m,1H),7.90−7.87(m,2H),7.45(d,J=1.4Hz,1H),7.36(dd,J=5.0,1.4Hz,1H),5.70(d,J=3.7Hz,1H),2.34(s,3H)
【0135】
実施例25
【0136】
【化36】
【0137】
表題化合物を白色固体(48mg、48%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.17(d,J=1.8Hz,1H),8.21(s,1H),8.12(d,J=2.3Hz,1H),8.11−8.08(m,2H),7.90−7.87(m,2H),7.77(m,1H),7.64(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),6.77(d,J=8.2Hz,1H),5.58(d,J=2.8Hz,1H),3.77(s,3H),2.36(s,3H)
【0138】
実施例26
【0139】
【化37】
【0140】
表題化合物を黄色固体(47mg、47%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.21(d,J=1.8Hz,1H),8.21(s,1H),8.17(s,1H),8.15(d,J=2.8Hz,1H),8.11−8.08(m,2H),7.89−7.85(m,3H),7.28(m,1H),5.67(d,J=3.2Hz,1H),3.76(s,3H),2.35(s,3H)
【0141】
実施例27
【0142】
【化38】
【0143】
表題化合物を黄色固体(24mg、24%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.12(d,J=1.4Hz,1H),8.15(s,1H),8.05−8.02(m,3H),7.88−7.86(m,2H),7.55(m,1H),7.51(dd,J=7.3,1.8Hz,1H),6.89(dd,J=7.3,4.6Hz,1H),5.79(d,J=3.2Hz,1H),3.94(s,3H),2.39(s,3H)
【0144】
実施例28
【0145】
【化39】
【0146】
表題化合物を黄褐色固体(37mg、37%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.10(d,J=1.4Hz,1H),8.19(s,1H),8.12−8.10(m,2H),7.89−7.87(m,2H),7.64(s,1H),7.60(dd,J=7.3,7.3Hz,1H),6.94(d,J=6.9Hz,1H),6.63(d,J=7.8Hz,1H),5.51(d,J=3.2Hz,1H),3.73(s,3H),2.30(s,3H)
【0147】
実施例29
【0148】
【化40】
【0149】
表題化合物を褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.26(d,J=1.4Hz,1H),8.19(s,1H),8.09(s,1H),8.05(d,J=8.2Hz,2H),7.90−7.85(m,4H),7.29(m,1H),5.85(d,J=3.2Hz,1H),2.35(s,3H)
【0150】
実施例30
【0151】
【化41】
【0152】
表題化合物を黄褐色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.31(s,1H),8.53(s,1H),8.35(d,J=5.0Hz,1H),8.21(s,1H),8.04(d,J=8.2Hz,2H),7.89−7.87(m,3H),7.40(m,1H),5.94(d,J=2.8Hz,1H),2.35(s,3H)
【0153】
実施例31
【0154】
【化42】
【0155】
表題化合物を黄色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.26(d,J=1.4Hz,1H),8.54(s,2H),8.23(s,1H),8.09−8.07(m,2H),7.88−7.86(m,2H),7.82(m,1H),5.68(d,J=2.8Hz,1H),3.83(s,3H),2.34(s,3H)
【0156】
実施例32
【0157】
【化43】
【0158】
表題化合物を黄色固体(直接精製、収率%データなし)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ(ppm)9.16(s,1H),8.18(s,1H),8.12(s,1H),8.05(d,J=8.2Hz,2H),7.88(d,J=8.7Hz,2H),7.54(m,1H),5.72(d,J=2.8Hz,1H),3.96(s,3H),3.81(s,3H),2.34(s,3H)
【0159】
E)5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンの連続フロー合成(方法B)の基本実験手順
【0160】
【化44】
スキーム6.5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンの連続フロー合成
【0161】
全ての反応は窒素陽圧下、DMF中で行った。150℃に加熱した250μL容ガラス製反応器内でケタール保護チオアミド流(32.5μL/分、0.75M、DMF、1当量)とα−ブロモケトン溶液流(32.5μL/分、0.75M、DMF、1当量)を混合した(3.75分)。チップから出たら、この混合流(65.0μL/分)を、200℃に加熱した1000μL容ガラス製反応器内のアルデヒドと尿素の単一流(32.5μL/分、0.9M、DMF、1.2当量)に導入した(10分)。その後、反応流を背圧レギュレータに通過させてから回収した(1250μL)。これらの反応は背圧6.0barのもとで行った。
【0162】
【化45】
スキーム7.連続フロー合成の例
【0163】
F)調製した他の5−(チアゾール−2−イル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンの表
【0164】
【化46】
【0165】
【化47】
【0166】
【化48】
【0167】
【化49】
【0168】
G)抗ウイルスアッセイでのジヒドロピリミジンの評価
MAGI−CCR5細胞におけるウイルス複製阻害に基づいてジヒドロピリミジンの抗ウイルス活性を示した。MAGI−CCR5細胞はHeLa−CD4−LTR−β−ガラクトシダーゼ細胞由来である。CD4とCCR5を高度に発現し、かつ、HIV−1 Tatトランス活性化の際にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を発現させるHIV−1 LTRプロモータのコピーを1つ含むように上記細胞を遺伝子操作した。アッセイを行う前の日に上記細胞を1ウェル当たり1.0×10
4細胞となるよう播種し、加湿したインキュベータ内に37℃、5%CO
2の状態で保持した。血球計数器とトリパンブルー色素排除法を用いて総細胞数及び生存率を目視で評価した。
【0169】
化合物を6つの濃度(3ウェル/濃度)で評価した。アッセイをセットアップする日に最終濃度の2倍(2×)の濃度の化合物希釈液を調製した。培地をデカントして上澄みを移し、ウェルに2×化合物50μLを満たした後、ウイルス希釈物50μLを添加した。同一の非感染アッセイを準備して平行細胞毒性試験を行った。培地を48時間培養した後、β−ガラクトシダーゼレポーター発現阻害に基づいて薬効を測定し、MTS染色に基づいて細胞毒性を測定した。
【0170】
MAGI−CCR5細胞におけるジヒドロピリミジン対HIV−1Ba−Lの評価
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
A=TC
50≧100.0μM、B<100.0〜50μM、及び、C<50μM
A=TI(TC
50/IC
50)≧100.0、B<100.0〜50.0、C<50.0〜10.0、及び、D<10.0
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
A=TC
50≧100.0μM、B<100.0〜50μM、及び、C<50μM
A=TI(TC
50/IC
50)≧100.0、B<100.0〜50.0、C<50.0〜10.0、及び、D<10.0
【0175】
RTの生化学アッセイに示されるように、ジヒドロピリミジン類似体はHIV−1 RT酵素活性を阻害することが示されている。
【0176】
末梢血単核球(PBMC)におけるジヒドロピリミジン対HIV−1Ba−Lの評価
フィトヘマグルチニンで刺激した末梢血単核球(PBMC)プールの培養物を播種密度5×10
4細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種した。厳しい試験(high test)による100mMを用い、各濃度につき100mLとして、化合物を1/2logずつ培地で段階希釈した(合計で9種類の濃度)。細胞をMOI=0.1でHIV株HIV−1
Ba−L及び
NL4−3に感染させた。37℃、5%CO
2雰囲気に保持した加湿したインキュベータ内でPBMCを7日間培養した。アッセイのエンドポイント(終点)で、上澄みを回収し、逆転写酵素活性を分析した。RTアッセイ用に、トリチウム標識チミジン三リン酸塩(3H−TTP、80Ci/mmol)をdH
2O/エタノール(1:1)で1mCi/mLに希釈した。ポリrA150μL(20mg/mL)にオリゴdT0.5mL(20ユニット/mL)と滅菌dH
2O5.35mLとを混合してから等分し(1.0mL)、−20℃で保存することによって、ポリrA/オリゴdT鋳型/プライマー原液を調製した。RT反応バッファには、1.0M EGTA125mL、dH
2O125mL、20%Triton X100 125mL、1.0M Tris(pH7.4)50mL、1.0M DTT50mL、及び、1.0M MgCl
240mLが含まれていた。3H−TTP1部、dH
2O4部、ポリrA/オリゴdT原液2.5部、及び、反応バッファ2.5部を混合して最終反応液を調製した。各ウェルに反応液10μLと上澄みを含むウイルス15μLとを加えた。プレートを37℃で60分間培養した。培養後、DE81フィルターマットに反応体積の斑点を付け、5%リン酸ナトリウムバッファで5分間ずつ5回又は2×SSCで洗浄した。PBMCを滅菌水で1分間ずつ2回、70%エタノールで1分間ずつ2回洗浄した後、乾燥した。標準的な液体シンチレーション法を用いて、取り込まれた放射能(1分間当たりの計数率:CPM)を定量した。
【0177】
細胞毒性はMTS染色により評価した。アッセイの終点(エンドポイント)において、可溶性テトラゾリウム系色素MTS20mL/ウェルを添加してPBMCを染色して、細胞生存率を測定し、化合物毒性を定量化した。プレートを37℃で4〜6時間培養した。培養後、490/650nmの吸光度の値を読み取って活性を評価した。
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
A=TC
50≧100.0μM、B<100.0〜50μM、及び、C<50μM
A=TI(TC
50/IC
50)≧100.0、B<100.0〜50.0、C<50.0〜10.0、及び、D<10.0
【0178】
【表4】
【0179】
【表5】
【0180】
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
A=TC
50≧100.0μM、B<100.0〜50μM、及び、C<50μM
A=TI(TC
50/IC
50)≧100.0、B<100.0〜50.0、C<50.0〜10.0、及び、D<10.0
【0181】
RTの生化学アッセイに示されるように、ジヒドロピリミジン類似体はHIV−1 RT酵素活性を阻害することが示されている。
【0182】
実施例34のエナンチオマーを作製し、逆転写酵素の生化学アッセイにおいて化合物の活性を評価するのに用いた。実験には、精製した組換えHIV
NL4−3ヘテロ二量体(p66/p51)逆転写酵素(RT)を使用した。新たに合成したDNA鎖に放射標識デオキシリボヌクレオチドを取り込んでRT活性を求めた。標準的なRT反応液には、合成ホモポリマー鋳型/プライマー[ポリ(rA)/オリゴ(dT)]、又は、HIV−1
NL4−35’−LTR領域(ヌクレオチド残基454〜652)由来のインビトロ転写ウイルスRNAとプライマー結合部位(PBS、ヌクレオチド残基636〜652)に相補的なプライマー、放射標識デオキシリボヌクレオチドdNTP、及び、RTが含まれていた。容積を40μL(50mM Tris HCl(pH7.8)、50mM KCl、5mM MgCl
2、1mM DTT、50μM dATP、50μM dCTP、50μM dGTP、50nM dTTP、1μCi[
3H]dTTP(70〜90Ci/mM)及び5nM 鋳型/プライマーを含む)として反応を行った。10nM RTを添加することにより反応を開始した。化合物のスクリーニングのため、段階希釈した試験物質を反応液に添加した後、RTを添加した。反応液を37℃で1時間培養した後、氷冷したトリクロロ酢酸(TCA)を最終濃度が10%となるまで添加してクエンチした。プレートを4℃で1時間培養して、合成したDNAを沈殿させた後、10%TCAで3回、70%エタノールで1回すすいだ。完全に乾燥したウェルにシンチレーション液25μLを添加した後、MicroBetaシンチレーションカウンタで放射能を計測する。放射能の減少は化合物の阻害力を表す。
【0183】
生化学アッセイにおけるHIV RTに対する実施例34のエナンチオマーの抗活性
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
【0184】
【表6】
【0185】
さらに、NNRTI結合ポケットのアミノ酸が野生型から変異しているウイルスに対する抗ウイルス活性の無効性に基づいて、ウイルスのDHPM耐性を示す。結合部位アミノ酸K103がアスパラギンに、Y181がシステインに変異すると、実施例11及び実施例19の抗ウイルス活性が阻害されることが分かった。残基103のアスパラギン変異及び残基181のシステイン変異はNNRTI活性を阻害することが知られている。
【0186】
PBMCにおけるジヒドロピリミジン対HIV−1Ba−L及びHIV−1 K103N、Y181Cの評価
【0187】
【表7】
【0188】
A=IC
50≦1.0μM、B>1.0〜5.0μM、C>5.0μM〜100μM、及び、D>100μM
A=TC
50≧100.0μM、B<100.0〜50μM、及び、C<50μM
A=TI(TC
50/IC
50)≧100.0、B<100.0〜50.0、C<50.0〜10.0、及び、D<10.0
【0189】
現在の標準治療法と組み合わせたジヒドロピリミジンの適合性
【0190】
一次治療レジメンで使用されるFDA認可薬2種と組み合わせてジヒドロピリミジンを試験した。ジヒドロピリミジン3種をそれぞれテノホビルと組み合わせて試験して、CEM−SSにおける細胞毒性とHIV
IIIBに対する抗ウイルス活性とへの影響を評価した。テノホビル(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤:NRTI)とエムトリシタビン(NRTI)との併用、及び、テノホビルとエファビレンツ(非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤:NNRTI)との併用は、標準治療法の参照例である。
【0191】
化合物を1/2logずつ希釈した。厳しい試験(high test)での薬剤の濃度は、DHPMでは100μM、テノホビル(TFV)では50μM、エムトリシタビン(FTC)では500nM、エファビレンツ(EFV)では100nM、スタブジンでは20μM、リバビリン(Rib)では10μMであった。薬剤Aは6段階希釈、薬剤Bは9段階希釈し、薬効に関してはプレートを3枚セットアップし、細胞毒性に関してはプレートを2枚セットアップした。プレートのセットアップは以下のように行った。
【0192】
【表8】
図1:2種類の薬剤の組合せを用いた薬剤試験のプレートマップ:灰色部分は培地のみを含む。橙色部分はCEM−SS細胞のみを含む。青色部分はHIV
IIIBに感染したCEM−SS細胞を含む。白色部分はウイルスに感染した細胞と、異なる濃度の2種類の薬剤とを含む。例えば、ウェルC2は50nM薬剤Aと0.032mM薬剤Bとを含む。
【0193】
実験において2種の薬剤を併用した場合の薬効及び細胞毒性に対する効果を評価するのにMacSynergyを使用した。MacSynergyは、Bliss独立モデルを用いて各ウェルに対して期待される効果を計算する。このモデルは、2種の薬剤が独立して作用してウイルス複製に影響を与えると想定したものである。Bliss独立は、Z=X+Y(1−X)で表される。例えば、薬剤Aがウイルス複製を60%、薬剤Bが25%阻害するとするならば、この場合、上記モデルによれば、この組み合わせは実験系においてウイルス複製を70%阻害すると予想される(0.6+0.25(1.0−0.6)=0.7)。エクセルのSurface関数を用いてデータをグラフ化する。独立したデータをX軸及びY軸(2種の薬剤の濃度)にプロットするが、X軸には薬剤Aの濃度を入れ、Y軸には薬剤Bの濃度を入れる。従属変数(生物学的効果)、すなわち期待値に対して観察された阻害%をZ軸にプロットする。3D投与量表面の体積を計算する。期待される効果より大きい場合を相乗効果と定義し、期待される効果より小さい場合を拮抗作用と定義する。組合せがどの程度相乗的又は拮抗的であるかを表2に明確に示す。
【0194】
【表9】
【0195】
非感染CEM−SS細胞においてテノホビルと組み合わせてジヒドロピリミジンを試験して、これらの化合物の併用が細胞毒性に与える影響を評価した。結果を表4に示す。
【0196】
【表10】
1=相乗効果とされる、期待される効果を上回る最大阻害%(値の説明は表1を参照)
2=拮抗作用とされる、期待される効果を下回る最大阻害%(値の説明は表1を参照)
※細胞毒性調整値
【0197】
これらの試験は、ジヒドロピリミジンは併用したテノホビルに悪影響を与えないことを示している。
【0198】
本開示の実施形態の例として以下の実施形態が挙げられる。
【0199】
実施形態1:下記式I:
【0200】
【化50】
【0201】
(式中、Bは、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリールからなる群から選択されるものであり;
Wは、O、S又はNRであり;
Yは、直接結合、O、S、NR、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルキル、C
1〜C
8アルキルNRからなる群から選択されるリンカー部分であり;
R、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
1〜C
8アルキルアリール、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、シクロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、又は、複素環からなる群から選択されるものであり;
Xは、
【0202】
【化51】
【0203】
であり;
D及びEはそれぞれ独立して、O、S、NR
9、CR又はCR
1R
2からなる群から選択されるものであり;
R
9は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
3〜C
8シクロアルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
5〜C
10アリール、C
5〜C
10複素環からなる群から選択されるものであり、ハロゲン、−OR
10、−NR
11R
12、−SR
11、−S(O)R
11、−S(O)
2R
12、又は、−S(O)
2NR
11R
12で置換されていてもよく;
R
4、R
5、R
6、R
7及びR
8はそれぞれ独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、NO
2、−OR
10、−SR
11、−S(O)R
11、−S(O)
2R
12、−S(O)
2NR
11R
12、C
1〜C
8ハロアルキル、COR
13、−C(O)OR
12、−C(O)NR
11R
12、−C(O)R
12、−NR
11R
12、−NR
11C(O)R
12、−NR
11S(O)
2R
12、−NR
11C(O)OR
12、−B(OH)
2、C
1〜C
8アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、−アルキルC(O)−OR
12、−アルキルC(O)NR
11R
12、−アルケニルC(O)OR
12、−アルケニルC(O)NR
11R
12、−アリール(CH
2)
mC(O)OR
12、−アリール(CH
2)
mC(O)NR
11R
12、−(CH
2)
mC(O)NR
11S(O)
2R
12、−アリール(CH
2)
m−C(O)NR
11S(O)
2R
12、−(CH
2)
mS(O)
2NR
11C(O)R
12、−アリール(CH
2)
mS(O)
2NR
11C(O)R
12、置換若しくは非置換複素環、又は、1〜4個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアリールから選択されるものであり、上記置換若しくは非置換複素環、又は、上記1〜4個のヘテロ原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアリールは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、CF
3、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、シアノ、アミノ、C
1〜C
8アルキルアミノ、及び、C
1〜C
8アルコキシC
1〜C
8アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいが、但しR
4、R
5、R
6、R
7及びR
8の少なくとも1つは水素ではなく;
R
10、R
11、R
12及びR
13はそれぞれ独立して、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ハロアルキル、C
1〜C
8アルキルアリール、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、シクロアルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、又は、複素環からなる群から選択されるものであり;
mは0〜6であり;
上記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又は複素環は置換されていても置換されていなくてもよい。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物及びその重水素化体。
【0204】
実施形態2:Bはアリール又は置換アリールからなる群から選択される、実施形態1に係る化合物。
【0205】
実施形態3:Bはヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される、実施形態1に係る化合物。
【0206】
実施形態4:Yは直接結合である、実施形態1〜3のいずれか1つに係る化合物。
【0207】
実施形態5:WはOである、実施形態1〜4のいずれか1つに係る化合物。
【0208】
実施形態6:Xは、
【0209】
【化52】
【0210】
であり、DはCHであり、EはSである、実施形態1〜5のいずれか1つに係る化合物。
【0211】
実施形態7:R
6は、CN、NO
2、C
1〜C
6アルキル、アリールオキシ及びハロからなる群から選択されるものであり、R
4及びR
8はそれぞれ独立して、H又はC
1〜C
6アルキルであり、R
5及びR
7はそれぞれHである、実施形態1〜6のいずれか1つに係る化合物。
【0212】
実施形態8:下記式II:
【0213】
【化53】
【0214】
(式中、Bは、以下からなる群から選択されるものであり:
置換又は非置換のピリジニルであって、置換されている場合、その置換基は、上記ピリジニル環の窒素に対してオルト位にあるハロ若しくはC
1〜C
6アルコキシ、又は、上記窒素が2位にあるならばメタ位のハロであってもよい、ピリジニル、
一置換又は非置換のキノリニルであって、置換されている場合、その置換基はヒドロキシルである、キノリニル、
一置換又は非置換のインドリルであって、置換されている場合、その置換基はC
1〜C
6アルキルである、インドリル、
非置換ベンゾチオフェニル、非置換チオフェニル、
一置換又は二置換又は非置換のフェニルであって、置換されている場合、その置換基はヒドロキシル、ハロ、CN、CF
3、C
1〜C
4アルコキシ、及び、アリールオキシからなる群から選択されるが、但し上記フェニルが二置換である場合、その置換基は互いにオルト位にある、フェニル、並びに、
非置換ビフェニル;
Yは、直接結合であるか、又は、R
5がCNの場合にはC
1〜C
6アルキルであってもよく;
R
1は、H、C
1〜C
6アルキル又はC
3〜C
8シクロアルキルであり;
R
2は、H、C
1〜C
6アルキル又はC
3〜C
8シクロアルキルであり;
R
3はHであり;
R
4及びR
8はそれぞれ独立して、H、C
1〜C
6アルキル又はC
3〜C
8シクロアルキルであり;
R
6は、CN、NO
2、アリールオキシ及びハロからなる群から選択されるものである。)で表される実施形態1に係る化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物及びその重水素化体。
【0215】
実施形態9:下記式III:
【0216】
【化54】
【0217】
(式中、R
1は、H、C
1〜C
6アルキル又はC
3〜C
8シクロアルキルであり;
R
4及びR
8はそれぞれ独立して、H、C
1〜C
6アルキル又はC
3〜C
8シクロアルキルであり;
Bは、
ヒドロキシル、ハロ、C
1〜C
6アルコキシ、及び、アリールオキシからなる群から選択される少なくとも1つで置換されているフェニル、
ハロ及びC
1〜C
6アルコキシからなる群から選択される少なくとも1つで置換されているピリジル、並びに、
C
1〜C
6アルキル基で置換されているインドリル
からなる群から選択されるものである。)で表される実施形態1に係る化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物及びその重水素化体。
【0218】
実施形態10:
【0219】
【化55】
【0220】
【化56】
【0221】
【化57】
【0222】
【化58】
【0223】
【化59】
【0224】
【化60】
【0225】
からなる群から選択される、実施形態1に係る化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物及びその重水素化体。
【0226】
実施形態12:
【0227】
【化61】
【0228】
からなる群から選択される、実施形態1に係る化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物及びその重水素化体。
【0229】
実施形態13:実施形態1〜12のいずれか1つに係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
【0230】
実施形態14:実施形態1〜12のいずれか1つに係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその溶媒和物と、他の治療剤とを含む組成物。
【0231】
実施形態15:上記治療剤は、NRTI、NNRTI、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、及び、CCR5アンタゴニストからなる群から選択される、実施形態14に係る組成物。
【0232】
実施形態16:上記治療剤はテノホビルである、実施形態14に係る組成物。
【0233】
実施形態17:必要とする対象にHIV−1複製を阻害するのに有効な量で実施形態1〜12のいずれか1つに係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその溶媒和物、又は、実施形態13〜16のいずれか1つに係る組成物を投与することよって、患者又は患畜においてHIV−1複製を阻害する方法。
【0234】
実施形態18:ウイルスRT酵素を阻害する、実施形態17に係る方法。
【0235】
実施形態19:NNRTIに耐性を有するHIV株を阻害する、実施形態17に係る方法。
【0236】
実施形態20:必要とする対象に実施形態1〜12のいずれか1つに係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその溶媒和物、又は、実施形態13〜16のいずれか1つに係る組成物を投与することよって、HIV/AIDSに感染した患者又は患畜を治療する方法。
【0237】
実施形態21:必要とする対象に、治療上有効な量で実施形態1〜12のいずれか1つに係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその溶媒和物、又は、実施形態13〜16のいずれか1つに係る組成物を投与することよって、患者又は患畜を治療したり、感染個体から非感染個体への伝染を予防したりする曝露前予防方法。
【0238】
本開示の化合物は、単一の治療剤として又は治療剤を併用して、医薬品と関連した用途で使用できる任意の従来手段によって投与できる。単独でも投与できるが、通常は、選択した投与経路や標準薬務に基づいて選択される薬学的担体とともに投与される。本化合物は、既存の標準治療法(NRTI、NNRTI、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、CCR5アンタゴニスト等(具体例としてテノホビル))など、他の治療剤と併用して投与することもできる。
【0239】
本明細書中、基剤、アジュバント、賦形剤、希釈剤等の薬学的に許容される担体は、当業者に周知のものである。典型的には、薬学的に許容される担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であり、使用条件下では副作用や毒性を示さない。薬学的に許容される担体として、ポリマーやポリマーマトリクスが挙げられる。
【0240】
投与量は、言うまでもないが、個々の薬剤の薬力学的特性、その投与方式及び経路、レシピエントの年齢、健康状態及び体重、症状の性質及び程度、併用治療の種類、治療の頻度、並びに、所望の効果など、公知の要因によって異なるものである。有効成分の1日用量は、体重1キログラム(kg)当たり約0.001〜1000ミリグラム(mg)と予想され、好ましい投与量は0.1〜約30mg/kgである。
【0241】
投与形態(投与に好適な組成物)は、典型的には1ユニット当たり約1mg〜約500mgの有効成分を含有する。これらの医薬組成物中、有効成分は、通常、組成物の総重量に対して約0.5〜95重量%の量で含まれることとなる。
【0242】
有効成分は、カプセル剤、錠剤及び散剤等の固体状投与形態、又は、エリキシル剤、シロップ剤及び懸濁剤等の液状投与形態で経口投与できる。滅菌した液状投与形態で非経口投与することもできる。パッチメカニズムや軟膏による経皮投与など、他の投与形態が可能な場合もある。
【0243】
経口投与に好適な剤形としては、(a)希釈剤(水、生理食塩水、オレンジジュース等)に化合物を有効量溶解したものなどの液剤;(b)有効成分を固体又は顆粒として所定量含むカプセル剤、サシェ剤、錠剤、薬用ドロップ剤及びトローチ剤;(c)散剤;(d)適切な液体を用いた懸濁剤;並びに、(e)好適な乳剤が挙げられる。液状剤形は、水やアルコール類(エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレンアルコール等)などの希釈剤を含んでもよく、薬学的に許容される界面活性剤、懸濁化剤又は乳化剤が添加されていてもいなくてもよい。カプセル剤形としては、例えば、界面活性剤、滑沢剤及び不活性充填剤(ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、コーンスターチ等)などを含む通常の硬質又は軟質シェルゼラチン型のものが挙げられる。錠剤剤形は、ラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微結晶セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、香料及び薬理学に適合する担体のうちの1以上を含んでもよい。薬用ドロップ剤形は、フレーバー剤(通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカント)中に有効成分を含んでもよく、さらには、トローチ剤は、不活性基材(ゼラチン及びグリセリン、又は、スクロース及びアラビアゴム等)中に有効成分を含んでもよく、乳剤及びゲル剤は、有効成分に加えて、当該分野で公知の担体を含んでもよく、口腔洗浄薬も挙げられる。
【0244】
非経口投与に好適な剤形としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、及び、対象レシピエントの血液と製剤とを等張にするための溶質を含んでいてもよい水性又は非水性の無菌等張注射液や、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤及び保存剤を含んでいてもよい水性又は非水性の無菌懸濁剤が挙げられる。上記化合物は、水、生理食塩水、デキストロース水溶液及び類似の糖溶液、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ヘキサデシルアルコール等)、グリコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(ポリ(エチレングリコール)400等)等)、グリセロールケタール類(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール等)、エーテル類、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル若しくはグリセリド、又は、アセチル化脂肪酸グリセリド等を含む無菌液又は液体混合物など、薬学的担体中の生理学的に許容される希釈剤に加えて投与してもよく、薬学的に許容される界面活性剤(セッケン、洗剤等)、懸濁化剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)又は乳化剤及び他の薬学的アジュバントを添加してもしなくてもよい。
【0245】
非経口剤形で使用できるオイルとしては、石油、動物油、植物油及び合成油が挙げられる。オイルの具体例としては、落花生油、大豆油、ごま油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリン及び鉱油が挙げられる。非経口剤形で使用するのに好適な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルは好適な脂肪酸エステルの例である。非経口剤形で使用するのに好適なセッケンとしては、脂肪酸アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩が挙げられる。好適な洗剤としては、(a)ハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウム等のカチオン性洗剤;(b)アルキル、アリール又はオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテル又はモノグリセリド硫酸塩及びスルホコハク酸塩等のアニオン性洗剤;(c)脂肪酸アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンポリプロピレン共重合体等の非イオン性洗剤;(d)アルキルβ−アミノプロピオン酸塩、2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩等の両性洗剤;並びに、(e)これらの混合物が挙げられる。
【0246】
非経口剤形は、典型的には約0.5〜約25重量%の有効成分を溶液中に含有する。これらの剤形では、好適な保存剤及び緩衝剤を使用できる。注射部位における刺激を最小限にする又は取り除くため、これらの組成物は、HLB(親水性親油性バランス)値が約12〜約17の非イオン性界面活性剤を1以上含んでいてもよい。これらの剤形における界面活性剤の量は約5〜約15重量%である。好適な界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、及び、プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成される疎水性基材とエチレンオキシドとの高分子量付加物などといったポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0247】
局所投与の剤形としては、治療する皮膚表面に直接接触することで化合物が外部から投薬される医薬品形態が挙げられる。この目的の従来の医薬品形態として、軟膏、ローション剤、ペースト剤、ゼリー剤、スプレー剤、エアロゾル剤等が挙げられる。「軟膏」とは、油質の、吸収性で水に可溶な乳液状基材(ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール等)やこれらの混合物を有する剤形(クリーム等)を包含する。これらの組成物は、従来の溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、プロピレングリコール/エタノール/水等)に溶解させてもよい。
【0248】
薬学的に許容される賦形剤も当業者に周知である。賦形剤は、具体的な化合物や、組成物を投与する具体的な方法などによって選択されるものである。従って、本開示の医薬組成物の好適な剤形は多種多様である。以下に示す方法及び賦形剤は単なる例示であり、これらに限定されない。薬学的に許容される賦形剤は、有効成分の作用を妨害せず、副作用を起こさないことが好ましい。好適な担体及び賦形剤としては、溶媒(水、アルコール、プロピレングリコール等)、固体吸収剤及び希釈剤、界面活性剤、懸濁化剤、錠剤用バインダー、滑沢剤、フレーバー剤及び着色剤が挙げられる。
【0249】
製剤は、単回投与用又は反復投与用の密閉容器(アンプル、バイアル等)に封入してもよく、注射で使用する直前に無菌液状賦形剤(例えば水)を加えるだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。要時調製注射溶液及び懸濁液は、無菌散剤、顆粒剤又は錠剤から調製できる。注射用組成物に使用する効果的な薬学的担体が必要とする条件は当業者に周知である。“Pharmaceutics and Pharmacy Practice”,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia,PA,Banker and Chalmers,Eds.,238−250(1982)及び“ASHP Handbook on Injectable Drugs”,Toissel,4th ed.,622−630(1986)を参照されたい。
【0250】
また、直腸投与に好適な剤形は、乳化基材又は水溶性基材等の各種基材と混合することで坐剤として調製してもよい。膣投与に好適な剤形は、当該分野において適切であることが知られている担体を有効成分に加えて含む膣座薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム(殺精子フォーム等)又はスプレー処方としてもよい。
【0251】
好適な薬学的担体は、当該分野の標準参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)に記載されている。
【0252】
本開示において、動物、特にヒトに投与する用量とは、適切な時間枠にわたって該動物における治療反応をもたらすのに充分な量であるのが望ましい。動物の状態、動物の体重や、治療する症状の重症度及びステージ等の各種要因によって投与量が異なることは当業者には理解されよう。
【0253】
好適な用量とは、患者又は患畜において所望の応答をもたらすことが知られている有効成分濃度となる量である。好ましい投与量とは、制御が難しい副作用を引き起こすことなく、治療する症状を最大限に阻害することとなる量である。
【0254】
また、投与サイズは、投与の経路、タイミング及び頻度や、化合物の投与に伴う可能性のある副作用及び所望の生理学的効果の有無、性質及び程度によって決定されるものである。
【0255】
本開示に係る化合物を投与するのに有用な薬学的投与形態は以下のように説明される。
【0256】
ハードシェルカプセル
標準的な2ピースハードゼラチンカプセル毎に、粉末状の有効成分100mg、ラクトース150mg、セルロース50mg及びステアリン酸マグネシウム6mgを充填して、多数の単位カプセルを調製する。
【0257】
ソフトゼラチンカプセル
消化可能な油(大豆油、綿実油、オリーブ油等)中に有効成分を含ませて混合物を調製し、溶かしたゼラチンにそれを容積移送式ポンプにより注入して、有効成分100mgを含有するソフトゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥する。ポリエチレングリコールとグリセリンとソルビトールとの混合物に有効成分を溶解して、水混和性の薬剤混合物を調製してもよい。
【0258】
錠剤
有効成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶セルロース275mg、デンプン11mg及びラクトース98.8mgを含む投与単位となるように、多数の錠剤を従来の手順で調製する。飲みやすさを向上させるため、エレガンス(簡潔さ)及び安定性を改善するため、又は、吸収を遅らせるために適当な水性及び非水性コーティングを施してもよい。
【0259】
即放性錠剤/カプセル剤
従来のプロセスや新規プロセスで調製される経口投与用固体投与形態である。これらの投与単位は、すぐに溶解して薬物を送達するので、水無しで経口摂取される。糖、ゼラチン、ペクチン及び甘味料等の成分を含有する液体に有効成分を混合する。これらの液体をフリーズドライ法や固体抽出法によって固体の錠剤又はカプレット剤へと固体化する。薬剤化合物を粘弾性又は熱弾性の糖やポリマー又は起泡性成分と共に打錠して、水無しで即時放出される多孔質マトリクスを調製してもよい。
【0260】
また、本開示の化合物は、点鼻薬、定量吸入器又は鼻腔用若しくは口腔用吸入器の形態で投与してもよい。薬剤は、細かい霧状の点鼻液、又は、エアロゾル状の粉末として送達される。
【0261】
本明細書中、「含む(comprising)」(及びその文法的派生形)とは、「有する(having)」又は「包含する(including)」という非排他的な意味で使用されており、「のみからなる(consisting only of)」という排他的な意味ではない。本明細書中、“a”及び“the”は、単数だけでなく複数も包含すると理解される。
【0262】
本明細書中で引用した全出版物、特許及び特許出願は、あらゆる目的のために、その個々の出版物、特許又は特許出願が具体的かつ個別に示されて参照により引用されるように参照により本明細書に引用される。矛盾がある場合は、本開示が優先される。
【0263】
本開示の上記記載によって本開示は示され、説明される。また、上記開示では好ましい実施形態のみを示し、説明したが、上述の通り、他の種々の組み合わせ、変形及び条件で使用することも可能であり、また、本明細書中で表した概念の範囲内において、上記教示及び/又は関連分野の技術や知識に応じた変更又は変形が可能であることを理解されたい。
【0264】
さらに、上述の実施形態は、発明を実施するための確認済みのベストモードを説明し、他の当業者が具体的な用途又は応用において必要な種々の変形を加えてこれらの又は他の実施形態で本開示を利用できるようにすることを意図したものである。従って、本明細書は開示した形態に発明を限定する意図はもたない。また、添付の特許請求の範囲は代替となる実施形態を含むと解されることを意図している。
【0265】
参考文献
1.Global report:UNAIDS report on the global AIDS epidemic 2010.:Joint United Nations Programme on HIV/AIDS(UNAIDS);2010 2010
【0266】
2.Interim guidance:preexposure prophylaxis for the prevention of HIV infection in men who have sex with men.MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2011;60:65−8
【0267】
3.Grosskurth H,Mosha F,Todd J,et al.Impact of improved treatment of sexually transmitted diseases on HIV infection in rural Tanzania:randomised controlled trial.Lancet 1995;346:530−6
【0268】
4.Grant RM,Lama JR,Anderson PL,et al.Preexposure chemoprophylaxis for HIV prevention in men who have sex with men.N Engl J Med 2010;363:2587−99
【0269】
5.Chasela CS,Hudgens MG,Jamieson DJ,et al.Maternal or infant antiretroviral drugs to reduce HIV−1 transmission.N Engl J Med 2010;362:2271−81
【0270】
6.Achievements in public health.Reduction in perinatal transmission of HIV infection−−United States,1985−2005.MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2006;55:592−7
【0271】
7.MacArthur RD,Novak RM,Peng G,et al.A comparison of three highly active antiretroviral treatment strategies consisting of non−nucleoside reverse transcriptase inhibitors,protease inhibitors,or both in the presence of nucleoside reverse transcriptase inhibitors as initial therapy(CPCRA 058 FIRST Study):a long−term randomised trial.Lancet 2006;368:2125−35
【0272】
8.Oversteegen L,Shah M,Rovini H.HIV combination products.Nat Rev Drug Discov 2007;6:951−2
【0273】
9.Hammer SM,Eron JJ,Jr.,Reiss P,et al.Antiretroviral treatment of adult HIV infection:2008 recommendations of the International AIDS Society−USA panel.JAMA 2008;300:555−70
【0274】
10.hompson MA,Aberg JA,Cahn P,et al.Antiretroviral treatment of adult HIV infection:2010 recommendations of the International AIDS Society−USA panel.JAMA 2010;304:321−33
【0275】
11.Johnson VA,Brun−Vezinet F,Clotet B,et al.Update of the drug resistance mutations in HIV−1:December 2010.Top HIV Med 2010;18:156−63
【0276】
12.Kim,J.;Cechetto,J.;No,Z.;Christophe,T.;Kim,T.;Taehee,N.;Nam,J.Y.;So,W.;Jo,M.;Ok,T.;Park,C.;Seo,M.J.;Sohn,J.−H.;Sommer,P.;Boese,A.S.;Han,S.−J.;Park,Y.S.;Kim,H.P.WO2010046780,2010
【0277】
13.Kharchenko,J.V.;Detistov,O.S.;Orlov,V.D.J.Comb.Chem.2009,11,216−219
【0278】
14.Pagano,N.Herath,A.,Cosford,N.D.P.J.Flow Chem.2011,1,1−4
【0279】
15.For similar reaction conditions,see:Zamir,L.O.;Nguyen,C.J.Labelled Compd.Radiopharm.1988,25,1189−1196.特性データは以下参照:Paquette,L.A.;Efremov,I.J.Am.Chem.Soc.2001,123,4492−4501