【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、添加物の水溶液を所定量の微粒子材料中へ注入するための装置であって、該装置が、粒子材料を輸送するためのコンベアと、コンベアの上側に配置される1またはそれ以上の分配器とを備え、分配器が添加物の水溶液のための供給源に接続され、分配器がコンベアの幅の少なくとも一部にわたって延びる少なくとも1つの注出口を備える、装置を用いて達成される。分配器を添加物の溶液の連続的な供給に結び付けることにより、添加物を連続的プロセスで注入して計量できる。
【0008】
添加物の水溶液は、微粒子材料上に噴射されるのではなく、重力の影響下でのみ微粒子材料上に注がれる。特に、酸性添加物溶液を用いると、注ぐことによって、使用器具および周囲環境の腐食が噴射を用いるよりもかなり少なくなることが分かった。なお、明確にするため、“注ぐ”という用語は、噴射によらず、重力のみの使用によって溶液が注出口から出ることを示すために使用され、前記注出口は、均一に分布された
注ぎ口の列を備えることが好ましい。前記用語は、液体の途切れない流れが常に存在することを示すように意図されない。特に、溶液は、滴下によって(すなわち、断続的な流れで)或いは連続的な流れを伴って出ることができる。
【0009】
微粒子材料流の全幅(すなわち、コンベア上に位置される微粒子材料の全幅)にわたって添加物の分配を最適化するため、注出口は、微粒子材料を輸送するコンベアセクションの幅に対応する幅を有するように形成され得る(この場合、「コンベアセクション」という用語は、微粒子材料が位置されるコンベアの区域または部分を示す)。
【0010】
本発明に係る微粒子材料は塩であることが好ましい。より好ましくは、微粒子材料は塩化カリウムであり、最も好ましくは、微粒子材料は塩化ナトリウムである。
【0011】
本発明に係る添加物は、好ましくは非粘結剤であり、最も好ましくはFeMTAまたはフェロシアン化鉄である。
【0012】
注出口は、例えば、流出を最小にするために好ましくは分配器の前側から突出する均一に分布された
注ぎ口の列を備えることができる。“均一に分布された
注ぎ口”とは、注出口が
注ぎ口の列を備え、互いに隣接する
注ぎ口間の距離に50%を超えないずれ、好ましくは25%を超えないずれ、最も好ましくは10%を超えないずれがあるように前記
注ぎ口が互いに向かい合って位置されることを意味する。50%を超えるずれ、好ましくは25%を超えないずれ、および、最も好ましくは10%を超えないずれとは、互いに最も近い注出口の2つの
注ぎ口間の距離が1cmである場合に、互いに隣接する他の
注ぎ口間の距離のどこも1.5cmを超えない、好ましくは1.25cmを超えない、最も好ましくは1.1cmを超えないことを意味する。適した
注ぎ口の例は、ガター、例えばV形状の断面を有するガターである。V形状の断面を有するガターが特に好ましい。ガターは、例えば、コンベアの輸送方向に対応する方向で、例えばコンベアの方向で下向きの傾きを伴って、分配器から突出してもよい。
【0013】
水溶液の供給源が分配器の内側空間に通じることが好ましい。内側空間から
注ぎ口への溶液の流れを均一にするために、内側空間は、該内側空間の幅にわたって延び且つ内側空間の底部から距離を隔てる下縁を有する堰を備えることが好ましい。この実施形態は、添加物溶液が
注ぎ口にわたって均一に分配されるという利点を有する。
【0014】
注出口がV形状断面を有するガターの形態を成す場合には、ガターにわたる添加物溶液の均一な分配をもたらすために、前記ガターの下端(すなわち、前記ガターのオーバーフローエッジ)を同じ水平高さにすることが好ましい。言い換えると、ガターにわたる添加物溶液の最適な分配のために、僅かに窪んだ或いは僅かに円形の形状を有する注出口ではなく、真っ直ぐで水平な注出口を有することが好ましい。
【0015】
好ましくは、本発明に係る装置は、装置の前壁から下方へ傾くガターを有する。
【0016】
分配器は、例えば、非腐食性の熱可塑性材料、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどから形成することができる。
【0017】
コンベアは一般にベルトコンベアである。バルク材料を輸送するのに適した他のコンベアも望ましい場合には使用できる。
【0018】
随意的に、1またはそれ以上の分配器を吊り下げるためにCardanサスペンションが使用されてもよい。Cardanサスペンションでは、第1の回動支持体が第2の回動支持体によって支持され、その場合、2つの回動軸は直交する。このようにすると、フレームの動きにかかわらず分配器が固定されたままであり、また、微粒子材料上にわたって水溶液を絶えず均等に分配できる。
【0019】
開示された装置を使用すると、添加物の水溶液は、微粒子材料を輸送するコンベアの幅の少なくとも一部にわたって溶液を制御された流速を伴って注ぐことにより、微粒子材料へと効果的に注入され得る。そのため、本発明は、添加物の水溶液(2)を微粒子材料(3)中へ注入するための方法であって、微粒子材料を輸送するコンベア(4)の幅の少なくとも一部にわたって制御される流速を伴って溶液が注がれる、方法にも関連する。溶液は、例えば、滴下によって注がれ或いは連続流を伴って注がれ得る。分配器を介した添加物溶液の連続供給およびコンベアによる微粒子材料の連続供給により、添加物を連続的または半連続的なプロセスで加えることができる。溶液は、望ましい場合には、更なる添加物または他の成分を備えてもよい。
【0020】
好ましくは親水性の微粒子材料の輸送速度および溶液の流速は、所望の混合比を得るために調整され得る。非粘結剤を塩(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)へ注入する場合には、塩の1トン当たり約0.05〜約5リットルの非粘結溶液の混合比が特に有益である。
【0021】
本発明に係る方法は、例えば塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムを備える塩材料のバルク中へ向かう非粘結剤を計量するのに特に適する。前述したように、塩化ナトリウムに適した非粘結剤は、例えば、フェロシアン化鉄およびメソ酒石酸鉄(FeMTA)である。
【0022】
非粘結剤を注入した後、塩(好ましくは塩化カリウム、より好ましくは塩化ナトリウム)を更に輸送することができる。
【0023】
計量された添加物を微粒子材料中へ良好に混合させるために、微粒子材料を下側の高さにある次のコンベア上に堆積させることができる。必要に応じてこのステップを多数回繰り返すことができる。
【0024】
典型的な実施形態を示す添付図面を参照して本発明を更に説明する。