(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969056
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】レガシーモードにおいて動作するギガビット媒体独立インターフェースのための低電力アイドルシグナリング
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20160728BHJP
H04L 29/00 20060101ALI20160728BHJP
H04L 29/06 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
H04L12/28 200M
H04L13/00 T
H04L13/00 305C
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-560209(P2014-560209)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2015-513859(P2015-513859A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】CN2012071930
(87)【国際公開番号】WO2013131231
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ホンチュン
【審査官】
浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0204827(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/001753(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26− 1/32
H04L 12/00−12/955
13/02−13/18
29/00−29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに結合されているイーサネットデバイスの電力消費を減少させる方法において、
前記イーサネットデバイスは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤと物理(PHY)レイヤとの間に結合されているギガビット媒体独立インターフェース(GMII)を有し、
前記方法は、
第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に低電力アイドル(LPI)モードに入ることと、
第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際に前記LPIモードに入ることとを含み、
前記第2の送信レートは前記第1の送信レートよりも低い方法。
【請求項2】
前記GMIIが動作する送信レートを決定することと、
前記決定された送信レートに応答して、前記MACレイヤから前記PHYレイヤへの送信のための、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号のいずれかを、選択的に発生させることとをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
1ギガビット/秒送信モードにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号が発生され、100メガビット/秒送信モードまたは10メガビット/秒送信モードのいずれかにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号が発生される請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記決定された送信レートに応答して、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号が発生されたか否かを識別することをさらに含む請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記第1の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に少なくとも1バイトを送信することになり、前記第2の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に1ニブルを送信することになる請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1の送信レートは1ギガビット/秒であり、前記第2の送信レートは10メガビット/秒または100メガビット/秒である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記LPIモードは、IEEE802.3az標準規格に準拠している請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記標準のLPI信号はTX_DATA=8’b0000_0001を含み、前記修正されたLPI信号はTX_DATA=8’b0001_0001を含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記修正されたLPI信号は、K28.5とD5.2とのカンマシーケンスの組み合わせを含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記修正されたLPI信号は、K28.5とD28.4とのカンマシーケンスの組み合わせを含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
媒体アクセス制御(MAC)レイヤと物理(PHY)レイヤとの間に結合されているギガビット媒体独立インターフェース(GMII)を有するイーサネットトランシーバにおいて、
前記イーサネットトランシーバは、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、コンピュータ実行可能な命令をその中に記憶しているメモリとを具備し、
前記命令は、実行されるときに、前記トランシーバに、
第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に低電力アイドル(LPI)モードに入らせ、
第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際に前記LPIモードに入らせ、
前記第2の送信レートは前記第1の送信レートよりも低いイーサネットトランシーバ。
【請求項12】
前記命令はさらに、前記トランシーバに、
前記GMIIが動作する送信レートを決定させ、
前記第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号を発生させ、
前記第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号を発生させる請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項13】
1ギガビット/秒送信モードにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号が発生され、100メガビット/秒送信モードまたは10メガビット/秒送信モードのいずれかにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号が発生される請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項14】
前記命令はさらに、前記トランシーバに、
前記GMIIの送信レートを決定させ、
前記決定された送信レートに応答して、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号が発生されたか否かを識別させる請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項15】
前記第1の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に少なくとも1バイトを送信することになり、前記第2の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に1ニブルを送信することになる請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項16】
前記第1の送信レートは1ギガビット/秒であり、前記第2の送信レートは10メガビット/秒または100メガビット/秒である請求項15記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項17】
前記LPIモードは、IEEE802.3az標準規格に準拠している請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項18】
前記標準のLPI信号はTX_DATA=8’b0000_0001を含み、前記修正されたLPI信号はTX_DATA=8’b0001_0001を含む請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項19】
前記修正されたLPI信号は、K28.5とD5.2とのカンマシーケンスの組み合わせを含む請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【請求項20】
前記標準のLPI信号は、K28.5とD28.4とのカンマシーケンスの組み合わせを含む請求項11記載のイーサネットトランシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、一般的に電子通信に関連し、特にイーサネット(登録商標)通信システムに関連する。
【0002】
コンピュータおよび/または他のネットワークデバイスがローカルエリアネットワーク(LAN)を形成するのを可能にする技術の中で、イーサネットは支配的なネットワーキング技術になっており、IEEE802.3ファミリーの標準規格において標準化されている。イーサネット標準規格は経時的に進化したので、イーサネットプロトコルの異なる変形が現在存在しており、より広い帯域幅、改善された媒体アクセス制御、異なる物理媒体チャネル、および/または、他の機能性をサポートしている。例えば、IEEE802.3が現在、10メガビット/秒、100メガビット/秒、1ギガビット/秒から、10ギガビット/秒、および、より高くまでの範囲さえのスピード(または送信レート)をカバーする変形を有していて、同軸ケーブル、光ファイバ、および、シールドされていない/シールドされているツイストペア線のような物理チャネルを規定する変形を有している。
【0003】
イーサネットデバイスに関係する1つの関心事は、電力消費である。イーサネット通信の、同時で双方向(例えば、全二重)の性質によって、イーサネットデバイスおよび/またはネットワークにおいて用いられているトランシーバは、非常に高いスピード(例えば、1ギガビット/秒または10ギガビット/秒)で動作しているとき、著しい電力を消費する。したがって、関係するデータリンクを通して送信されるデータがほとんどない、またはない場合、トランシーバは低電力モードに入って電力消費を減少させるように命令されるかもしれない。例えば、IEEE802.3az標準規格において説明されているエネルギー効率の良いイーサネット(EEE)は低電力アイドル(LPI)信号を用いる。LPI信号は、送信されることになるデータがないとき、このようなトランシーバの送信機部分を「スリープ」モードに入れる。LPI信号をアサートすることは、スリープモードの間、送信機部分をディセーブルするかもしれないが、トランシーバの受信機部分は典型的に動作可能なままであり、これにより、送信機部分がスリープモードにあっても、トランシーバがデータを受信するのを可能にする。LPI信号をデアサートすることによって(または、「通常のアイドル」信号を提供することによって)、トランシーバの送信機部分を「起動」し、これにより、トランシーバがデータ送信を再開するのを可能にすることによって、スリープモードは終了する。
【0004】
典型的に、レガシーデバイスとの、および/または、より古いイーサネット標準規格との下位互換性を提供するために、より新しいイーサネット変形はより遅いスピードで動作することが要求されている。より遅いスピードで動作しているとき、送られているデータをトランシーバが反復することは一般的である。例えば、1ギガビット/秒スピードの能力があるトランシーバは、100メガビット/秒モードにおいて動作しているとき、データの送信を単に10回反復するかもしれないし、10メガビット/秒モードにおいて動作しているとき、データの送信を単に100回反復するかもしれない。しかしながら、イーサネット標準規格の多くの変形は、EEE(例えば、IEEE802.3az)標準規格が実現される前に発展していたので、高いスピード(例えば、1ギガビット/秒の能力がある)トランシーバに対してスリープモードをトリガするように設計されているLPI信号は、このようなトランシーバがより遅いスピード(例えば、100メガビット/秒)で動作しているとき、適切に動かないかもしれない。同様に、例えば、いくつかのチャネルを組み合わせてより広い帯域幅を生じさせること、および/または、専用の8ビット/10ビット並直列変換器/直並列変換器(8B/10B並直列変換回路)を使用してデータを送信することを含む、他の何らかの適用可能な理由により、このようなトランシーバがデータ反復および/または組み合わせ技術を実行するとき、LPI信号は適切に働かないかもしれない。
【0005】
したがって、レガシーモード(例えば、より遅いスピード)で動作する高いスピードのイーサネットトランシーバのためのLPIシグナリングを可能にする必要性がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本実施形態は例として図示されており、付随する図面の図によって限定されることは意図されていない。
【
図1】
図1は、本実施形態が実現されるかもしれない通信システムのブロックダイヤグラムである。
【
図2】
図2は、
図1のネットワークデバイスを表すオープンシステム相互接続(OSI)モデルのブロックダイヤグラムである。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態にしたがった
図1のネットワークデバイスの機能的なブロックダイヤグラムである。
【
図4】
図4は、
図3のネットワークデバイスのいくつかの実施形態に対する例示的なLPI検出動作を示すフローチャートである。 同一の参照番号は、描かれている図を通して対応する部分を指している。
【0007】
レガシーモードにおいて動作しているイーサネットトランシーバのための低電力アイドル(LPI)シグナリングを可能にする方法および装置が開示されており、方法および装置は、高いスピードのトランシーバがより遅いスピードモードで動作しているときでさえ、高いスピードのトランシーバがエネルギー効率の良いイーサネット(EEE)の機能性を保持することを可能にする。いくつかの実施形態において、イーサネットデバイスの媒体独立インターフェース(MII)が第1の送信レートで動作しているとき、イーサネットデバイスは標準のLPI信号を受信した際にLPIモードに入り、第2のより遅い送信レートでMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際にLPIモードに入る。
【0008】
本開示の完全な理解を提供するために、特定のコンポーネント、回路、およびプロセスの例として、多数の特定の詳細を以下の記述において説明している。また、本実施形態の完全な理解を提供するために、以下の記述において説明の目的で、特定の術語を説明している。しかしながら、これらの特定の詳細が本実施形態を実施するために要求されないかもしれないことは、当業者にとって明らかであろう。本開示を不明確にするのを防ぐために、他の例において、よく知られている回路およびデバイスはブロックダイヤグラム形態で示している。ここで使用されている「結合されている」という用語は、直接的に接続されていること、あるいは、1つ以上の介入しているコンポーネントまたは1つ以上の介入している回路を通して接続されていることを意味する。ここで説明されている、さまざまなバスを介して提供される信号のうちのいずれかは、他の信号と時分割多重化されてもよく、1つ以上の共通のバスを介して提供されてもよい。付加的に、回路エレメント間またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスとして、または、単一の信号ラインとして示されているかもしれない。バスのそれぞれは代替的に単一の信号ラインとしてもよく、単一の信号ラインのそれぞれは代替的にバスであってもよく、単一のラインまたはバスは、コンポーネント間の通信のための無数の物理的または論理的メカニズムのうちの任意の1つ以上を表しているかもしれない。本実施形態は、ここで説明する特定の例に限定して解釈されるものではなく、むしろその範囲内に、添付された特許請求の範囲によって規定されたすべての実施形態を含むものである。
【0009】
図1は、本実施形態が実現されるかもしれない例示的な通信システム100のブロックダイヤグラムである。確立されたデータリンク120によって互いに結合されている2つのネットワークデバイス110(a)および110(b)を含むように、通信システム100は示されている。ネットワークデバイス110(a)および110(b)は、データリンク120を通してデータを交換する。ネットワークデバイス110(a)および110(b)は、任意の適切なネットワーク可能なデバイスであってもよく、任意の適切なネットワーク可能なデバイスは、例えば、コンピュータ、スイッチ、ルータ、ハブ、ゲートウェイ、アクセスポイント、または、これに類するものを含んでいる。また、本実施形態にしたがうと、ネットワークデバイス110(a)および110(b)は、ワイヤードまたはワイヤレスネットワークのいずれかに接続する能力がある任意の電子デバイスを含んでいてもよく、任意の電子デバイスは例えば、移動体電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、セットトップ・ボックス、または、ゲームコンソール等を含んでいる。もちろん、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスLAN(WLAN)を含む、より大きなネットワークを形成するための任意の数の適切なデバイスをネットワークはさらに含んでいてもよく、および/または、ネットワークはインターネットに接続されていてもよいので、ネットワークデバイス110(a)および110(b)ならびにデータリンク120は、ネットワークのほんの例示的なコンポーネントに過ぎない。データリンク120は、例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、および/または、シールドされていない/シールドされているツイストペア線を含む、任意の適切な物理媒体チャネルであってもよい。
【0010】
IEEE802.3ファミリーの標準規格において説明されているように、ネットワークデバイス110(a)〜110(b)は、イーサネット技術を使用して互いに通信する。さらに特に、ここで説明されている例示的な実施形態では、ネットワークデバイス110(a)〜110(b)は、(簡潔にするために
図1に示されていない)イーサネット準拠トランシーバをそれぞれ装備していて、イーサネット準拠トランシーバは、少なくとも1ギガビット/秒のスピードでデータパケットを送受信する能力があり、より遅いスピード、例えば、100メガビット/秒または10メガビット/秒で動作するための下位互換性がある。ここでの議論のために、「より遅いスピード」および「レガシーモード」という用語は、1ギガビット/秒よりも低い送信レートについて言及していて、これは100メガビット/秒または10メガビット/秒を含んでいる一方で、「高いスピード」および「より高いスピード」という用語は、1ギガビット/秒と等しいまたはより高い送信レートについて言及している。さらに、何らかのデータを送信していないとき、ネットワークデバイス110(a)〜110(b)は、それらのトランシーバの電力消費を減少させる能力があり、したがって、IEEE802.3az標準規格(EEE)に準拠している。
【0011】
本実施形態にしたがうと、イーサネットデバイスの媒体アクセス制御(MAC)レイヤと物理(PHY)レイヤとの間に結合されているギガビット媒体独立インターフェース(GMII)を有するイーサネットデバイスは、GMIIが第1の送信レートで動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に(IEEE802.3azによって規定されているような)低電力アイドル(LPI)モードに入り、第1の送信レートよりも
遅い第2の送信レートでGMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際にLPIモードに入る。以下でより詳細に説明するように、おおよそ1ギガビット/秒の高いスピードから、おおよそ100メガビット/秒またはより低い、より遅いスピードに送信レートを減少させることに典型的に関係する動作をデコードすることで、LPI信号が歪むのを防ぐことによって、より遅いスピードで動作しているとき、修正されたLPI信号はイーサネットデバイスがLPIモードに入るのを可能にする。いくつかの実施形態において、イーサネットデバイスは、GMIIが動作している送信レートを決定してもよく、それに応答して、MACレイヤからPHYレイヤに提供されることになる標準のLPI信号または修正されたLPI信号のいずれかを選択的に発生させてもよい。さらに、イーサネットデバイスは決定された送信レートに応答して、LPI信号が標準のLPI信号または修正された信号か否かを決定してもよい。この方法で、レガシーモードにおいて動作するイーサネットトランシーバのためのLPIシグナリングを本実施形態は可能にする。
【0012】
図2は、
図1のネットワークデバイス110(a)および110(b)をそれぞれ表すオープンシステム相互接続(OSI)モデル200(a)〜200(b)のブロックダイヤグラムである。
図1におけるように、ネットワークデバイス110(a)〜110(b)は、確立されたデータリンク(または物理チャネル)120によって互いに結合されている。
図2において図示するように、OSIモデル200は、7つの論理レイヤ、(1)アプリケーションレイヤ221、(2)プレゼンテーションレイヤ222、(3)セッションレイヤ223、(4)トランスポートレイヤ224、(5)ネットワークレイヤ225、(6)データリンクレイヤ226、および、(7)物理レイヤ227に分割される。ここでの議論のために、OSIモデル200はネットワークデバイス110(a)および110(b)を表すのに使用しているが、本実施形態にしたがって構成されているイーサネットデバイスを表すのに、他の適切なモデルを使用してもよいことに留意すべきである。
【0013】
OSIレイヤは、階層において高くなればなるほどエンドユーザの近くになり、OSIレイヤは、階層において低くなればなるほど物理チャネルの近くになる。例えば、OSIモデル階層の一番上は、(簡潔にするために
図2に示されていない)エンドユーザのソフトウェアアプリケーションと直接対話するアプリケーションレイヤ221である。反対に、OSIモデル階層の一番下は、イーサネットデータ送信のためのツイストペア線のような物理通信媒体とネットワークデバイスとの間の関係を規定する物理レイヤ227である。
【0014】
さらに特に、ネットワークデバイス110と物理チャネル120との間の対話のために、ピンレイアウトおよび信号電圧のような詳細を含む電気的仕様ならびに物理的仕様を、物理(PHY)レイヤ227は提供する。ネットワークデバイス110(a)と110(b)との間のデータ送信のための、アドレッシングおよびチャネルアクセス制御メカニズムのような、機能の詳細および/または手順の詳細を、データリンクレイヤ226は提供する。(階層に関して)一番上の論理リンク制御(LLC)レイヤ、および、一番下の媒体アクセス制御(MAC)レイヤの、2つのサブレイヤをデータリンクレイヤ226は有している。以下の議論において、データリンクレイヤ226は、簡潔にするためにここでは時にはMACレイヤとして言及している。
図2においては、簡潔にするために示されていないが、MACレイヤ226とPHYレイヤ227との間の情報交換を促進するために、インターフェースが2つのレイヤ間に存在している。議論のために、このインターフェースは媒体独立インターフェース(MII)としてここでは言及されている。しかしながら、送信レートおよび他のインプリメンテーションの詳細に依存して、例えば、アタッチメントユニットインターフェース(AUI)、MII、減少されたMII、ギガビットMII(GMII)、減少されたGMII、シリアルGMII(SGMII)、クワッドSGMII(QSGMII)、および/または、10GMIIを含む、現在利用可能な異なる変形、または、将来発展する変形を、MIIは含んでいてもよいことに留意すべきである。
【0015】
ネットワークデバイス110(a)および110(b)が、同じMACデバイス226を使用して、異なるタイプの物理チャネル120(またはPHYデバイス227)とインターフェースするのをMIIは可能にする。MIIは、MIIバスを通して、MACデバイス226を異なるタイプのPHYデバイスに接続する。(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMIIにより)1ギガビット/秒のスピードで動作しているとき、125MHzクロックでのクロックサイクル毎に、MIIバスはデータを8ビット(または1バイト)で転送する。しかしながら、MIIの仕様によれば、100メガビット/秒のスピードで動作しているとき、25MHzクロックでのクロックサイクル毎に、MIIバスはデータを4ビット(または1ニブル)で転送するだけであり、または、10メガビット/秒のスピードで動作しているとき、2.5MHzクロックでのクロックサイクル毎に、MIIバスはデータを4ビットで転送するだけである。したがって、下位互換性を可能にするために、1ギガビット/秒またはより高いスピードで動作する能力があるMIIは、レガシーモード(例えば、100メガビット/秒または10メガビット/秒)で動作しているとき、ニブルを2倍にしてバイトにする。
【0016】
データ送信のための通常の動作の間、ニブルからバイトへ2倍にするプロセスはよく機能する。しかしながら、より高いスピードのMII(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMII)が、より遅い送信レートのために、ニブルを組み合わせてまたは2倍にして、バイト(例えば、100メガビット/秒または10メガビット/秒)を形成するとき、PHYデバイスを「スリープ」モードに入れるように意図されているLPI信号は歪むかもしれず、したがって、LPIシグナリングを失敗させるかもしれない。さらに特に、IEEE802.3az標準規格(EEE)に準じて、(MIIを介した)MACレイヤとPHYレイヤとの間のLPI信号は{送信イネーブルTX_EN=“偽”(例えば、ロジック“0”)、送信エラーTX_ER=“真”(例えば、ロジック“1”)、および送信データTX_DATA=1}として規定されるかもしれない。したがって、MACデバイスがより遅いスピード(例えば、100メガビット/秒)で動作している状況、これは、MACデバイスがクロックサイクル毎に1ニブル(4ビット)を送信するだけであることを意味しているが、においては、LPIシグナリングのための送信データTX_DATAは4’b0001である。同様な理由により、MACデバイスがより高いスピード(例えば、1ギガビット/秒)で動作している状況、これは、MACデバイスがクロックサイクル毎に1バイト(8ビット)を送信することを意味しているが、においては、LPIシグナリングのための送信データTX_DATAは8’b0000_0001である。しかしながら、MACデバイスがより遅いスピード(例えば、100メガビット/秒)で動作しているとき、および、対応するLPI信号がより高いスピードのMII(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMII)を通してPHYデバイスに送信されるとき、ニブルからバイトへの2倍化のために、送信データTX_DATAは8’b0001_0001になり、これは、LPIスリープモードに入るインジケータとして、PHYデバイスによって認識することができない(例えば、その理由は、TX_DATA8’b0000_0001に応答して、PHYデバイスはLPIモードを典型的に検出するからである)。
【0017】
本実施形態にしたがうと、MACレイヤ226とPHYレイヤ227との間に結合されているより高いスピードのMII(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMII)を有するネットワークデバイス110は、GMIIが第1の送信レート(例えば、1ギガビット/秒)で動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に(IEEE802.3azによって規定されているような)低電力アイドル(LPI)モードに入り、第2のより遅い送信レート(例えば、100メガビット/秒または10メガビット/秒)でGMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際にLPIモードに入る。さらに特に、いくつかの実施形態にしたがうと、ネットワークデバイス110(または対応するPHYデバイス)のPHYレイヤ227は、より高いスピード(例えば、1ギガビット/秒またはより高い)でGMIIが動作しているとき、標準のLPI信号(TX_EN=1‘b0;TX_EN=1’b1;TX_DATA=8‘b0000_0001)を受信した際に、LPIモードに入り、より低いスピード(例えば、100メガビット/秒または10メガビット/秒)でGMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号(TX_EN=1’b0;TX_EN=1‘b1;TX_DATA=8’b0001_0001)を受信した際に、LPIモードに入る。MIIが動作しているスピードにかかわらず、標準のLPI信号および修正されたLPI信号の両方を認識する能力により、PHYレイヤ227(またはPHYデバイス)がLPIスリープモードに入る、および/または、出るように、MIIを通して命令することにMACレイヤ226(またはMACデバイス)は成功するかもしれない。この方法で、100メガビット/秒または10メガビット/秒のようなレガシーモードにおいて動作している高いスピードのイーサネットトランシーバのためのLPIシグナリングを、本実施形態は可能にするかもしれない。さらに、1つの実施形態において、差異を補正するための10ビットカンマシーケンスK28.5とD5.2との組み合わせ(例えば、連結)として、修正されたLPI信号は表されてもよい。および別の実施形態において、差異を保つための10ビットカンマシーケンスK28.5とD28.4との組み合わせ(例えば、連結)として、修正されたLPI信号は表されてもよい。もちろん、ここで説明している実施形態のために、修正されたLPI信号を表すために使用している10ビットカンマシーケンスの特定の組み合わせは、単に例示的なものに過ぎず、実際の実施形態のために、修正してもよく、または、そうでなければ、変更してもよい。ここで使用されているように、GMIIは、SGMIIおよび/またはQSGMIIであってもよい。
【0018】
修正されたLPI信号(TX_EN=1‘b0;TX_EN=1’b1;TX_DATA=8‘b0001_0001)は単に例示的なものに過ぎず、同様の結果を達成するために、管理データ入力/出力(MDIO)バスを通して、PHYレイヤ227(または対応するPHYデバイス)の関係する制御およびステータスのレジスタをリコンフィギャリングすることによって、これらの割り当てられたシンボルを変更または修正してもよいことに留意すべきである。さらに、注目すべきは、上述した技術および実施形態が、現在の高いスピードのMII標準規格との互換性があることである。その理由は、修正されていない従来の高いスピードのMII(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMII)が、修正されたLPI信号を(例えば、従来の高いスピードのMIIの内部状態機械に悪影響を及ぼさない)通常のアイドル信号として認識するであろうからである。
【0019】
図3は、
図1および2のネットワークデバイス110(a)および110(b)の1つの実施形態であるネットワークデバイス310の機能的なブロックダイヤグラムである。ネットワークデバイス310は、プロセッサ320、メモリ330、および、
図2の物理チャネル120に結合されているイーサネットトランシーバ回路340を含む。メモリ330は、例えば、EEPROM(登録商標)またはフラッシュメモリを含んでいる、任意の適切なメモリエレメントまたはデバイスであってもよい。プロセッサ320は、例えば、メモリ330中に記憶されている1つ以上のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行する能力がある任意の適切なプロセッサであってもよい。
図3においては、簡潔にするために示されていないが、頻繁に使用される命令および/またはデータを記憶するよく知られているキャッシュメモリも、ネットワークデバイス310は含んでいてもよい。
【0020】
ネットワークデバイス310は、PHYレイヤデバイス(またはPHYデバイス)360、および、MACレイヤデバイス(またはMACデバイス)350も含む。MACデバイス350およびPHYデバイス360は、媒体独立インターフェース(MII)370を介して互いに結合されている。イーサネットトランシーバ340は、
図3においてはPHYデバイス360中に含まれているように図示されているが、他の実施形態において、トランシーバ340は独立型のデバイスであってもよく、または、一体化されている回路であってもよい。
【0021】
簡潔にするために、OSIの7つのレイヤモデルにおけるMACレイヤおよびPHYレイヤだけが、
図3において示されており、2つのレイヤは、2つのデバイスとして図示されている。したがって、MACデバイス350は、MACレイヤ(例えば、
図2のレイヤ226)の機能を実現する任意のデバイスまたは集積回路であってもよく、MACデバイス350はそしてまた、独立型のデバイスであってもよく、または、ネットワークデバイス310に一体化されていてもよい。同様に、PHYデバイス360は、PHYレイヤ(例えば、
図2のレイヤ227)の機能を実現する任意のデバイスまたは集積回路であってもよく、PHYデバイス360はそしてまた、独立型のデバイスであってもよく、または、ネットワークデバイス310に一体化されていてもよい。もちろん、上述したように、MACレイヤおよびPHYレイヤは論理的に2つのコンポーネントに分割されることに留意すべきであり、2つのレイヤが物理的に分離されること、または、2つの別々のデバイスまたは回路上で実現されることは必要でないかもしれないことに留意すべきである。
【0022】
通常のデータ送信動作の間、ネットワークデバイス310上のエンドユーザソフトウェアアプリケーションはネットワークを通して(例えば、インターネットに)データを送信し、プロセッサ320は(OSIレイヤの一番上から)MACデバイス350を通してPHYデバイス360にデータを送信する。その後、PHYデバイス360はトランシーバ340を通してデータを物理チャネル120上に送信する。
【0023】
PHYデバイス360がLPIモードに入るのが望ましいとプロセッサ320が決定したとき、例えば、送信すべきデータが長期間の間ないとき、プロセッサ320は、MACデバイス350を通してLPI信号をPHYデバイス360に送る。MII370はより高いスピードのMII(例えば、GMII、SGMII、および/または、QSGMII)であると仮定して、その後、MII370がどのスピードモードで動作しているかに依存して、LPI信号は、標準のLPI信号(TX_DATA=8’b0000_0001)になるかもしれないし、または、修正されたLPI信号(TX_DATA=8’b0001_0001)になるかもしれない。本実施形態にしたがうと、標準のLPI信号または修正されたLPI信号のいずれかを受信した際に、PHYデバイス360はLPIスリープモードに入る。さらに特に、より高いスピード(例えば、1ギガビット/秒)でMII370が動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に、PHYデバイス360はLPIスリープモードに入り、より遅いスピード(例えば、100メガビット/秒)でMII370が動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際に、PHYデバイス360はLPIスリープモードに入る。この方法で、本実施形態は、レガシーモードにおいて動作するイーサネットトランシーバのためのLPIシグナリングを可能にする。
【0024】
いくつかの実施形態において、プロセッサ320は、トランシーバ340から受信したデータを監視して、データ送信レートに応答して、標準のLPI信号または修正されたLPI信号を発生させるか否かを決定するように構成されていてもよい。これらの実施形態において、1ギガビット/秒またはより高い、より高いスピードでMII370が動作しているとき、プロセッサ320は標準のLPI信号を発生させ、100メガビット/秒または10メガビット/秒の、より低いスピードでMII370が動作しているとき、プロセッサ320は修正されたLPI信号を発生させる。
【0025】
とりわけ、MII370は、MACデバイス350とPHYデバイス360との間の二方向通信を提供する能力があるインターフェースである。したがって、上述の技術に関する議論は、LPI信号をPHYデバイス360に送信するMACデバイス350に焦点が合わされているが、同様に、これらの技術は反対の方向に等しく適用してもよい。例えば、標準のLPI信号(例えば、データ有効RX_DV=1’b0;受信エラーRX_ER=1’b1;受信データRX_DATA=8’b0000_0001)、または、修正されたLPI信号(例えば、RX_DV=1’b0;RX_ER=1’b1;RX_DATA=8’b0001_0001)のいずれかを受信した際に、MACデバイス350はLPIスリープモードに入ってもよい。
【0026】
付加または代替として、プロセッサ320は最初に、MII370が動作している送信レートを検出してもよい。1ギガビット/秒またはそれより高い送信レートでMII370が動作している場合、PHYデバイス360がLPIスリープモードに入るように、プロセッサ320はその後、標準のLPI信号を送信してもよい。100メガビット/秒またはそれより低い送信レートでMII370が動作している場合、PHYデバイス360がLPIスリープモードに入るように、プロセッサ320はその後、修正されたLPI信号を送信してもよい。しかしながら、MII370が動作している送信レートの検出は、本実施形態を実現するのに必要でないかもしれないということに留意すべきである。
【0027】
図4は、
図3のネットワークデバイスの実施形態に対する、例示的なLPI検出動作を示すフローチャートである。最初に、
図3および
図4の両方を参照すると、第1のスピード(例えば、1ギガビット/秒)でMII370が動作しているとき、ネットワークデバイス310は、標準のLPI信号が送られるか否かを決定して、標準のLPI信号を受信した際に、LPIモードに入る(410)。決定は、プロセッサ320またはPHYデバイス360のいずれによって実行されてもよい。さらに、ネットワークデバイス310は、第2のより遅いスピード(例えば、100メガビット/秒)でMII370が動作しているとき、修正されたLPI信号が送られるか否かを決定して、修正されたLPI信号を受信した際に、LPIモードに入る(420)。決定は、プロセッサ320またはPHYデバイス360のいずれによって実行されてもよい。この方法で、プロセッサ320は、PHYデバイス370またはMACデバイス360のいずれか、あるいは両方に命令して、何らかのLPI信号が検出された場合、LPIスリープモードに入れる(430)。
【0028】
ここで開示した実施形態は、簡潔にするためだけに、より遅いスピードで動作している高いスピードのイーサネットトランシーバに関して説明したものであることに留意すべきである。より遅いスピードで動作することは、高いスピードのイーサネットトランシーバがレガシーモードで動作する唯一のシナリオとして解釈すべきではなく、同様に、データ反復および/または組み合わせ技術を伴う他の何らかのシナリオにも、本実施形態は等しく適用可能であることに留意すべきである。例えば、いくつかのチャネルを組み合わせてより広い帯域幅を生成させることを、および/または、専用の8B/10B並直列変換回路を使用してデータを送信することを、これらのシナリオは含んでいてもよい。同様に、ニブルからバイトに2倍化する上述の技術は、データ反復および/または組み合わせ技術を伴う動作のほんの一例に過ぎない。本実施形態は、ニブルを組み合わせておよび/またはニブルを2倍化して、バイトにする任意の動作を含むデータ反復および/または組み合わせを伴う他の何らかの適切な技術に適用可能である。
【0029】
先述の明細書中で、本実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、添付された特許請求の範囲において明らかにした開示のより広い精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更がここでなされてもよいことは明らかであろう。本明細書および図面は、したがって、限定的な意味よりもむしろ実例的な意味において考えるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[
1] ネットワークに結合されているイーサネットデバイスの電力消費を減少させる方法において、
前記イーサネットデバイスは、媒体アクセス制御(MAC)レイヤと物理(PHY)レイヤとの間に結合されているギガビット媒体独立インターフェース(GMII)を有し、
前記方法は、
第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に低電力アイドル(LPI)モードに入ることと、
第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際に前記LPIモードに入ることとを含み、
前記第2の送信レートは前記第1の送信レートよりも低い方法。
[
2] 前記GMIIが動作する送信レートを決定することと、
前記決定された送信レートに応答して、前記MACレイヤから前記PHYレイヤへの送信のための、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号のいずれかを、選択的に発生させることとをさらに含む[1]記載の方法。
[
3] 1ギガビット/秒送信モードにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号が発生され、100メガビット/秒送信モードまたは10メガビット/秒送信モードのいずれかにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号が発生される[2]記載の方法。
[
4] 前記決定された送信レートに応答して、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号が発生されたか否かを識別することをさらに含む[1]記載の方法。
[
5] 前記第1の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に少なくとも1バイトを送信することになり、前記第2の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に1ニブルを送信することになる[1]記載の方法。
[
6] 前記第1の送信レートは1ギガビット/秒であり、前記第2の送信レートは10メガビット/秒または100メガビット/秒である[5]記載の方法。
[
7] 前記LPIモードは、IEEE802.3az標準規格に準拠している[1]記載の方法。
[
8] 前記標準のLPI信号はTX_DATA=8’b0000_0001を含み、前記修正されたLPI信号はTX_DATA=8’b0001_0001を含む[1]記載の方法。
[
9] 前記修正されたLPI信号は、K28.5とD5.2とのカンマシーケンスの組み合わせを含む[1]記載の方法。
[
10] 前記修正されたLPI信号は、K28.5とD28.4とのカンマシーケンスの組み合わせを含む[1]記載の方法。
[
11] 媒体アクセス制御(MAC)レイヤと物理(PHY)レイヤとの間に結合されているギガビット媒体独立インターフェース(GMII)を有するイーサネットトランシーバにおいて、
前記イーサネットトランシーバは、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、コンピュータ実行可能な命令をその中に記憶しているメモリとを具備し、
前記命令は、実行されるときに、前記トランシーバに、
第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、標準のLPI信号を受信した際に低電力アイドル(LPI)モードに入らせ、
第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、修正されたLPI信号を受信した際に前記LPIモードに入らせ、
前記第2の送信レートは前記第1の送信レートよりも低いイーサネットトランシーバ。
[
12] 前記命令はさらに、前記トランシーバに、
前記GMIIが動作する送信レートを決定させ、
前記第1の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号を発生させ、
前記第2の送信レートで前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号を発生させる[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
13] 1ギガビット/秒送信モードにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記標準のLPI信号が発生され、100メガビット/秒送信モードまたは10メガビット/秒送信モードのいずれかにおいて前記GMIIが動作しているとき、前記修正されたLPI信号が発生される[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
14] 前記命令はさらに、前記トランシーバに、
前記GMIIの送信レートを決定させ、
前記決定された送信レートに応答して、前記標準のLPI信号または前記修正されたLPI信号が発生されたか否かを識別させる[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
15] 前記第1の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に少なくとも1バイトを送信することになり、前記第2の送信レートで動作しているとき、前記GMIIはクロックサイクル毎に1ニブルを送信することになる[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
16] 前記第1の送信レートは1ギガビット/秒であり、前記第2の送信レートは10メガビット/秒または100メガビット/秒である[15]記載のイーサネットトランシーバ。
[
17] 前記LPIモードは、IEEE802.3az標準規格に準拠している[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
18] 前記標準のLPI信号はTX_DATA=8’b0000_0001を含み、前記修正されたLPI信号はTX_DATA=8’b0001_0001を含む[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
19] 前記修正されたLPI信号は、K28.5とD5.2とのカンマシーケンスの組み合わせを含む[11]記載のイーサネットトランシーバ。
[
20] 前記標準のLPI信号は、K28.5とD28.4とのカンマシーケンスの組み合わせを含む[11]記載のイーサネットトランシーバ。