特許第5969065号(P5969065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969065利用情報提供装置、利用情報提供方法、利用情報提供システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969065
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】利用情報提供装置、利用情報提供方法、利用情報提供システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160728BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20160728BHJP
【FI】
   G06Q30/02 300
   G06Q50/12
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-10531(P2015-10531)
(22)【出願日】2015年1月22日
(65)【公開番号】特開2016-134143(P2016-134143A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2015年1月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 友佳
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−174824(JP,A)
【文献】 特開2003−187164(JP,A)
【文献】 特開2003−016372(JP,A)
【文献】 特開2003−132283(JP,A)
【文献】 CLOと日本の決済サービス,[online],2013年 9月,pp.1-2,[検索日 2015.10.20],URL,https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/publicity/n_letter/2013/nl201309.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/02
G06Q 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加盟店における店舗運営のための操作を受け付ける加盟店端末とネットワークを介して相互に通信可能な利用情報提供装置であって、
前記加盟店端末が店舗運営のための前記操作を受け付けることに応じて送信する、少なくともクレジットカードの識別情報と加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを受信する受信手段と、
受信した前記クレジットカード照会データに応じて、利用情報データベースから前記クレジットカードの会員の利用情報を取得する取得手段と、
前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意しているか否か、および前記加盟店における付加サービスの提供を希望しているか否かに基づいて前記利用情報の提供可否を判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記利用情報の提供が可能と判定された場合、前記加盟店端末に対して前記利用情報を提供する提供手段とを備え、
前記判定手段は、前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意している場合であっても、前記加盟店における付加サービスの提供を希望していない場合には、前記利用情報の提供を不可と判定することを特徴とする利用情報提供装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記クレジットカード照会データから、前記クレジットカードの会員の前記加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報をさらに取得し、
前記提供手段は、前記加盟店端末に対して、前記加盟店における利用情報と、前記加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報とを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用情報提供装置。
【請求項3】
前記提供手段は、前記加盟店端末に対して、前記加盟店における利用情報と、前記加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報とを対比して提供する
ことを特徴とする請求項2に記載の利用情報提供装置。
【請求項4】
前記加盟店と、前記加盟店とは異なる関連する加盟店とは、同じ業種であること
を特徴とする請求項2または3に記載の利用情報提供装置。
【請求項5】
前記加盟店と、前記加盟店とは異なる関連する加盟店とは、地理的に近隣であること
を特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の利用情報提供装置。
【請求項6】
前記操作は、チェックイン、予約または与信照会のための操作であること
を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の利用情報提供装置。
【請求項7】
前記加盟店端末は、クレジットカードの信用照会端末であり、
前記クレジットカード照会データは、与信照会ための操作を受け付けることに応じて前記信用照会端末から送信される与信照会データであること
を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の利用情報提供装置。
【請求項8】
加盟店において所定の操作を受け付ける端末と、利用情報提供装置とがネットワークを介して相互に通信可能に構成される利用情報提供システムであって、
前記利用情報提供装置は、
前記端末が前記所定の操作を受け付けることに応じて送信する、少なくともクレジットカードの識別情報と加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを受信する受信手段と、
受信した前記クレジットカード照会データに応じて、利用情報データベースから前記クレジットカードの会員の利用情報を取得する取得手段と、
前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意しているか否か、および前記加盟店における付加サービスの提供を希望しているか否かに基づいて前記利用情報の提供可否を判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記利用情報の提供が可能と判定された場合、前記端末に対して前記利用情報を提供する提供手段とを備え、
前記判定手段は、前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意している場合であっても、前記加盟店における付加サービスの提供を希望していない場合には、前記利用情報の提供を不可と判定することを特徴とする利用情報提供システム。
【請求項9】
前記端末は、前記加盟店における店舗運営のための操作を受け付ける加盟店端末、または与信照会のための操作を受け付ける、クレジットカードの信用照会端末であって、
前記加盟店端末は、
クレジットカードの識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記クレジットカードの識別情報と、加盟店を一意に識別する加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを生成する生成手段と、
前記クレジットカード照会データを利用情報提供装置に送信する送信手段と、
前記利用情報提供装置から受信した前記クレジットカードの会員の利用情報を表示する表示制御手段とを備え、
前記クレジットカードの信用照会端末は、
クレジットカードの識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記クレジットカードの識別情報と、加盟店を一意に識別する加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを生成する生成手段と、
前記クレジットカード照会データを利用情報提供装置に送信する送信手段と、
前記利用情報提供装置から受信した前記クレジットカードの会員の利用情報を売上伝票に印刷する印刷制御手段とを備える
ことを特徴とする請求項8に記載の利用情報提供システム。
【請求項10】
加盟店における店舗運営のための操作を受け付ける加盟店端末とネットワークを介して相互に通信を行う利用情報提供装置における利用情報提供方法であって、
前記加盟店端末が店舗運営のための前記操作を受け付けることに応じて送信する、少なくともクレジットカードの識別情報と加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを受信する受信ステップと、
受信した前記クレジットカード照会データに応じて、利用情報データベースから前記クレジットカードの会員の利用情報を取得する取得ステップと、
前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意しているか否か、および前記加盟店における付加サービスの提供を希望しているか否かに基づいて前記利用情報の提供可否を判定する判定ステップであって、前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意している場合であっても、前記加盟店における付加サービスの提供を希望していない場合には、前記利用情報の提供を不可と判定する、判定ステップと、
前記加盟店端末が店舗運営のための前記操作を受け付けている場合に、前記判定ステップにおいて前記利用情報の提供が可能と判定されたとき、前記加盟店端末に対して前記利用情報を提供する提供ステップとを備える
ことを特徴とする利用情報提供方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の利用情報提供装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードによる決済履歴などの利用情報を、クレジットカードの加盟店に対して好適に提供することが可能な利用情報提供装置、利用情報提供方法、利用情報提供システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顧客の購買履歴に応じて、顧客ごとに適切な商品またはサービスを提案し、自店舗へのローヤリティを高めることにより、自店舗の商品またはサービスの拡販を図るマーケティング手法が知られている。このようなマーケティング手法を実現するために、例えば特許文献1に提案される顧客管理システムが知られている。
【0003】
特許文献1に提案される顧客管理システムによれば、店舗における店員が、顧客から提示されるクレジットカードのカード番号をPOS端末に入力することにより、当該顧客の購買履歴へのアクセスを実現している。店舗における店員は、顧客から提示されるクレジットカード番号に基づいて当該顧客の購買履歴を呼び出し、顧客の購買履歴などを踏まえて、顧客に対する接客サービスを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−326208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に提案される顧客管理システムによれば、店舗自らがサーバ、データベースなどの必要なシステムを整備する必要がある。このため、特許文献1に提案される顧客システムを導入するためには、店舗自らが多額のコストをかけてシステム構築を行わなければならないという課題があった。
【0006】
また、一部のクレジットカード事業者は、所定期間における(例えば、月次)店舗ごとのクレジットカードの売上データを、店舗に対して提供するサービスを展開している。しかしながら、クレジットカードの売上データから、顧客ごとの利用情報を参照できるようにするためには、店舗自らがデータの加工を行わなければならず、非常に使い勝手が悪いものであった。
【0007】
そのため、システム整備やデータ加工を自ら行うことができない店舗等では、店員が来店中の顧客の利用情報をタイムリーに呼び出すことが難しく、顧客の利用情報に応じて付加サービス(おもてなし)を提供できないという課題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
加盟店における店舗運営のための操作を受け付ける加盟店端末とネットワークを介して相互に通信可能な利用情報提供装置であって、前記加盟店端末が店舗運営のための前記操作を受け付けることに応じて送信する、少なくともクレジットカードの識別情報と加盟店識別情報とを含むクレジットカード照会データを受信する受信手段と、受信した前記クレジットカード照会データに応じて、利用情報データベースから前記クレジットカードの会員の利用情報を取得する取得手段と、前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意しているか否か、および前記加盟店における付加サービスの提供を希望しているか否かに基づいて前記利用情報の提供可否を判定する判定手段と、前記判定手段によって前記利用情報の提供が可能と判定された場合、前記加盟店端末に対して前記利用情報を提供する提供手段とを備え、前記判定手段は、前記クレジットカードの会員が、前記利用情報の提供に同意している場合であっても、前記加盟店における付加サービスの提供を希望していない場合には、前記利用情報の提供を不可と判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明によれば、クレジットカード加盟店が自ら大規模なシステム構築を行うことなく、簡易な構成により、加盟店の店舗における店員の接客を支援することができる、利用情報提供装置等を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における利用情報提供システムのシステム構成図である。
図2図2(A)は実施形態におけるコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2(B)は実施形態におけるスマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3(A)は実施形態における会員情報DBに記憶される内容を示す図である。図3(B)は実施形態における利用情報DBに記憶される内容を示す図である。図3(C)は実施形態における加盟店テーブルの内容を示す図である。図3(D)は実施形態における加盟店業種テーブルの内容を示す図である。
図4】実施形態における利用情報提供システムの機能ブロック図である。
図5】実施形態における加盟店端末の処理内容を示すフローチャートである。
図6】実施形態におけるサーバの処理内容を示すフローチャートである。
図7図7(A)は実施形態における会員端末の表示画面例を示す図である。図7(B)は実施形態における会員端末の表示画面例を示す図である。
図8】実施形態における加盟店端末の表示画面例を示す図である。
図9】実施形態2におけるサーバの処理内容を示すフローチャートである。
図10】実施形態2における売上伝票例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、実施形態で説明されている構成要素の組み合わせのすべてが、課題を解決するための手段に必須のものとは限らない。
【0012】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における利用情報提供装置を含む、利用情報提供システム1のシステム構成図である。利用情報提供システム1は、サーバ100、加盟店端末210、信用照会端末(Credit Authorization Terminal、以下「CAT端末」と記す)220、会員端末310、スマートフォンとを含んで構成される。サーバ100と、加盟店端末210と、CAT端末220と、会員端末310と、スマートフォン320とは、ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続されている。
【0013】
サーバ100は、例えばコンピュータ装置によって実現され、後述の会員情報データベース(データベースは以下「DB」と記す)120と、利用情報DB130と、加盟店DB140とを備える。
【0014】
加盟店端末210は、例えばPC、タブレットなどのコンピュータ装置によって実現される。種々の実施形態においては、加盟店端末210は加盟店の店舗に設置され、加盟店における店員によって店舗運営のために操作される。例えば、ホテルの従業員は、顧客から提示を受けたクレジットカードを加盟店端末210のカードリーダに読み取らせることにより、チェックイン操作を行うことができる。あるいはまた、飲食店の店員は、顧客から受け付けた予約を加盟店端末210上で管理することができる。なお、本明細書において、加盟店とは、クレジットカードサービスに加盟している商業施設などのことを示す。
【0015】
CAT端末220は、例えばPC、タブレットなどのコンピュータ装置によって実現される。種々の実施形態においては、CAT端末220は加盟店の店舗に設置され、加盟店における店員によって与信照会のために操作される端末である。例えば、加盟店の店員は、顧客から提示を受けたクレジットカードをCAT端末220のカードリーダに読み取らせることにより、一般的にオーソリ処理(Authorization)と呼ばれる与信照会操作を行うことができる。なお、CAT端末220は、加盟店における店員によって店舗運営のために操作される端末であるから、本実施形態においては、特に断りのない限り、加盟店端末210という用語はCAT端末220を含むものとして説明する。
【0016】
会員端末310は、例えばPCなどのコンピュータ装置によって実現される。種々の実施形態においては、会員端末310はクレジットカードサービスの会員によって操作される端末である。例えば、会員は、会員端末310を操作することにより、クレジットカード事業者が提供する種々のオンラインサービスに対して、ネットワーク50を介してアクセスをすることができる。同様に、会員は、スマートフォン320を操作することにより、クレジットカード事業者が提供する種々のオンラインサービスに対して、ネットワーク50を介してアクセスをすることができる。なお、スマートフォン320は、クレジットカード会員によって操作される端末であるから、本実施形態においては、特に断りのない限り、会員端末310という用語はスマートフォン320を含むものとして説明する。
【0017】
図2は、本実施形態における、コンピュータ装置およびスマートフォン320のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図2(A)は、本実施形態におけるコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図であり、本コンピュータ装置は、サーバ100と、加盟店端末210と、CAT端末220と、会員端末310とを実現する。
【0019】
図2(A)のコンピュータ装置は、CPU101、RAM102、ROM103、記憶部104、外部接続インターフェース(インターフェースは以下「I/F」と記す)105、ネットワークI/F106とを含んで構成される。さらに、各構成部はバス107を介して通信可能に接続されている。
【0020】
CPU101は演算回路からなり、コンピュータ装置を統括制御する。CPU101はROM103に記憶されたプログラムコードをRAM102に読み出し、種々の処理を実行する。ROM103は記憶領域としての機能を有し、種々のプログラムが記憶される。記憶部は例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、補助記憶領域としての機能を有し、種々のデータが記憶される。例えば、加盟店端末210の記憶部には加盟店を一意に特定する加盟店コードが記憶される。このような加盟店コードは、いわば加盟店を特定する加盟店識別情報といえる。
【0021】
外部接続I/F105は、コンピュータ装置に種々の機器を接続するためのものである。例えば、コンピュータ装置は、外部接続I/F105を介して、ディスプレイ、キーボード、マウス、カードリーダ、印刷装置、外部記憶装置等を接続することができる。
【0022】
ネットワークI/F106は、CPU101の制御に基づいてネットワーク50とコンピュータ装置とのデータの入出力を制御する。尚、ネットワークI/F106とネットワーク50との接続においては、有線による接続および無線による接続のいずれの形態であってもよい。
【0023】
図2(B)は、本実施形態におけるスマートフォン320のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0024】
図2のスマートフォン320は、プロセッサ321、タッチスクリーンディスプレイ322、通信部323、音声入出力部324、記憶部325、操作ボタン326、ネットワークI/F327とを含んで構成される。さらに、各構成部はプロセッサ321を介して通信可能に接続されている。
【0025】
プロセッサ321は演算回路からなり、スマートフォン320を統括制御する。プロセッサ321は記憶部325に記憶されたプログラムコードを読み出し、種々の処理を実行する。タッチスクリーンディスプレイ322は、サーバ100から送信される種々の情報を表示するとともに、会員によるタップなどの操作を通じて種々の入力を受け付けることができる。ここで、タップとは主にタッチスクリーンディスプレイ322に対する操作のことをいい、会員がタップすることでタッチスクリーンディスプレイ322の所定領域の選択等を行うことができる。
【0026】
通信部323は通話機能を担い、音声入出力部324から入力された音声を信号に変換し、および入力された信号を音声に変換して会員に通話機能を提供する。記憶部325は例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により構成され、補助記憶領域としての機能を有し、種々のプログラムが記憶される。操作ボタン326は、会員の操作に応じてスマートフォン320に種々の処理を実行させるためのものである。
【0027】
ネットワークI/F106は、プロセッサ321の制御に基づいてネットワーク50とスマートフォン320とのデータの入出力を制御する。尚、ネットワークI/F106とネットワーク50との接続においては、有線による接続および無線による接続のいずれの形態であってもよい。
【0028】
図3は、本実施形態における、会員情報DB120、利用情報DB130、加盟店DB140のそれぞれに記憶される内容の一例を示す図である。会員情報DB120、利用情報DB130、加盟店DB140のそれぞれは、サーバ100の記憶部104または外部接続I/F105を介して接続される外部記憶装置に記憶される。
【0029】
図3(A)は、会員情報DB120に記憶される内容の一例を示す図である。会員情報DB120は、クレジットカード番号、氏名、性別、生年月日、住所などをテーブル形式で記憶する。
【0030】
さらに、本実施形態における会員情報DB120では、個人情報提供許否フィールド122と、登録加盟店フィールド123とが、クレジットカード番号に対応付けて記憶される。個人情報提供許否フィールド122には、会員が自己の個人情報(氏名、生年月日、利用情報など)を加盟店に対して提供することを許可するか否かを示す情報が記録される。また、登録加盟店フィールド123には、会員が付加サービス(おもてなし)の提供を希望する加盟店コードが記録される。
【0031】
図3(B)は、利用情報DB130に記憶される内容の一例を示す図である。利用情報DB130は、クレジットカード番号、決済ID、利用日時、利用金額、加盟店、加盟店コードなどをテーブル形式で記憶する。
【0032】
利用情報DB130は、会員のクレジットカードによる決済履歴である、利用情報を記録するためのものであり、決済ID、利用日時、利用金額、加盟店、加盟店コードの各情報が、クレジットカード番号に対応付けて記録される。
【0033】
図3(C)は、加盟店DB140に記憶される加盟店テーブル141の内容を示す図である。加盟店テーブル141は、加盟店コードと、加盟店業種コードと、加盟店名と、所在地とを対応付けて記憶する。加盟店コードは、加盟店ごとに一意に付与されるコードであり、図3(C)の例では、加盟店コード「112022」は、加盟店「A飲食店」と対応付けて記憶される。
【0034】
図3(D)は、加盟店DB140に記憶される加盟店業種テーブル142の内容を示す図である。加盟店業種テーブル142は、加盟店業種コードと加盟店業種名とを対応付けて記憶する。加盟店業種コードは、加盟店が分類される業種ごとに付与されるコードであり、図3(D)の例では、加盟店業種コード「11」は、加盟店業種「飲食店」と対応付けられる。なお、図3(C)(D)の例では、加盟店業種コードは、加盟店コードの上位2桁に付与されるコードと同じであり、サーバ100の制御部は、加盟店コードの上位2桁から、当該加盟店の業種コードを特定することができる。
【0035】
図4は、本実施形態における利用情報提供システム1のソフトウェア機能ブロック図である。図4に示される各ソフトウェア機能は、プログラムとしてROM103または記憶部104,325に格納され、それぞれCPU101、プロセッサ321によって実行される。以下、図5を参照して利用情報提供システム1のソフトウェア機能の概略について説明する。
【0036】
加盟店端末210は、受付部211と、生成部212と、表示制御部213と、印刷制御部214とを備える。
【0037】
受付部211は、会員から提示されたクレジットカードから、カードリーダ(不図示)を介してクレジットカード番号の入力を受け付ける。本実施形態においては、例えば、ホテルの従業員は、顧客から提示を受けたクレジットカードを加盟店端末210のカードリーダに読み取らせることにより、チェックイン操作を行うことができる。また、例えば、加盟店の店員は、顧客から提示を受けたクレジットカードをCAT端末220のカードリーダに読み取らせることにより、与信照会操作を行うことができる。このようなクレジットカード番号は、いわば会員を特定するクレジットカード識別情報といえる。
【0038】
生成部212は、受付部211によって受け付けられたクレジットカード番号と、記憶部104に格納される加盟店コードとを含む、クレジットカード照会データ(以下「照会データ」と記す)を生成する。
【0039】
表示制御部213は、サーバ100から受信した利用情報を、加盟店端末210のディスプレイまたは外部接続I/F105を介して接続されるディスプレイに表示させる制御を実行する。
【0040】
印刷制御部214は、サーバ100から受信した利用情報を、加盟店端末210の印刷装置または外部接続I/F105を介して接続される印刷装置に、印刷させる制御を実行する。なお、加盟店端末210がCAT端末220である場合、印刷制御部214は、CAT端末220の印刷装置に売上伝票を印刷させる制御を実行する。
【0041】
サーバ100は、受信部108と、送信部109と、登録部111と、取得部112と、判定部113と、与信部114とを備える。これらのうち、登録部111と、取得部112と、判定部113と、与信部114とは、サーバ100における制御部110を構成する。
【0042】
受信部108は、加盟店端末210から送信される照会データを受信する他、会員端末310から送信される種々のデータを受信することができる。
【0043】
登録部111は、受信した種々のデータを、データの種類に応じて会員情報DB120、利用情報DB130、加盟店DB140に登録する。例えば、CAT端末220から与信照会データを受信した場合、登録部111は、与信が可能と判定された与信照会データに含まれる利用日時、利用金額、加盟店コードなどの情報を、利用情報DB130の対応するレコードに登録する。あるいはまた、会員が付加サービス(おもてなし)の提供を希望するため、会員端末310からの加盟店コードを受信した場合、登録部111は、当該加盟店コードを、会員情報DB120の対応するレコードに登録する。
【0044】
取得部112は、受信した照会データに応じて、利用情報DB130から利用情報を取得する。このとき、取得部112は、まず照会データに含まれるクレジットカード番号から、利用情報を取得する対象の会員のレコードを特定する。取得部112は、次いで照会データに含まれる加盟店コードと、取得した会員のレコードとを照合し、当該加盟店における利用情報を取得する。
【0045】
判定部113は、取得した利用情報の提供可否を判定する。本実施形態においては、会員情報DB120の個人情報提供許否フィールド122に記録される情報に基づいて、当該会員の利用情報を加盟店端末210に対して提供するか否かを判定する。
【0046】
なお、本実施形態における取得部112、判定部113の具体的な処理内容については、図6のフローチャートにおいて説明する。
【0047】
与信部114は、CAT端末220から与信照会データを受信することに応じて、加盟店における決済に対して与信が可能かを判定する。具体的には、例えば与信部114は、会員情報DB120の利用限度額フィールド121を参照し、当該決済と当月内における利用金額との合計額が、利用限度額内であるかを判定することにより、与信が可能かを判定する。
【0048】
送信部109は、制御部110で取得または生成された種々の情報を、送信先の端末の種類に応じたデータ形式で送信する。例えば、利用情報を加盟店端末210に送信する場合、送信部109は加盟店端末210のWebブラウザが表示可能な形式の応答データで送信する。あるいはまた、例えば与信判定結果である承認情報をCAT端末220に送信する場合、送信部109はCAT端末220が制御可能な形式の応答データ(電文データ形式など)で送信する。
【0049】
次に、本実施形態における要部である利用情報提供システム1の処理内容について、フローチャートおよび表示画面例を参照して説明する。
【0050】
図5は、本実施形態における加盟店端末210の処理内容を示すフローチャートである。なお、図5に示されるフローチャートによる処理は、ROM103または記憶部104に格納されたプログラムコードがRAM102に展開され、CPU101によって実行される。
【0051】
S501において、加盟店端末210の受付部211は、クレジットカード番号の入力を受け付ける。本実施形態においては、上記の通り、ホテルなどの宿泊施設において、チェックイン時に会員によって提示されたクレジットカードから、カードリーダ(不図示)を介してクレジットカード番号の入力を受け付ける態様が例示される。あるいはまた、レストランなどの飲食店において、会員端末310からの予約受付時に、クレジットカード番号の入力を受け付ける態様であってもよい。
【0052】
S502において、生成部212は、S501で受け付けたクレジットカード番号と、記憶部104に格納される加盟店コードとを含む、照会データを生成する。別実施形態では、CAT端末220の生成部212は、S501で受け付けたクレジットカード番号と、記憶部104に格納される加盟店コードとを含む、与信照会用の与信照会データを生成する。
【0053】
S503において、ネットワークI/F106は、S502で生成した照会データをサーバ100に送信する。別実施形態では、CAT端末220のネットワークI/F106は、与信照会データをサーバ100に送信する。
【0054】
図6は、本実施形態におけるサーバ100の処理内容を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、サーバ100が照会データを受信した後の処理について具体的に説明する。なお、図6に示されるフローチャートによる処理は、ROM103または記憶部104に格納されたプログラムコードがRAM102に展開され、CPU101によって実行される。
【0055】
S601において、サーバ100の受信部108は、加盟店端末210から送信される照会データを受信する。
【0056】
S602において、取得部112は、利用情報DB130を参照し、受信した照会データに対応する利用情報を取得する。図3(B)を参照して説明すると、照会データに含まれるクレジットカード番号が「4980 1111 2222 3333」であった場合、取得部112は決済ID「201401050001」〜「201411300006」までのレコードを特定する。
【0057】
次いで、取得部112は、照会データに含まれる加盟店コードと、特定したレコードとを照合し、当該加盟店における利用情報を取得する。図3(B)を参照して説明すると、照会データに含まれる加盟店コードが「112022」であった場合、取得部112は決済ID「201401050001」「201405150003」「201409250005」で特定されるレコードの内容を取得する。本実施形態において、取得部112は、S602で取得した利用情報を、加盟店端末210の表示に適した形式に適宜加工することができる。例えば、取得部112は、特定したレコードの内容から、当該加盟店における直近1年間の利用回数、または直近1年間の利用金額などを利用情報として導出することができる。
【0058】
あるいはまた、取得部112は、S602において、当該加盟店における利用情報と、当該加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報を取得することができる。図3(C)(D)を参照して説明すると、照会データに含まれる加盟店コードが「112022」であった場合、取得部112は加盟店コードテーブル(図3(C))を参照して、加盟店業種コード「11」を特定する。同様に、照会データに含まれる加盟店コード「112022」であった場合、取得部112は加盟店コードテーブル(図3(C))を参照して、当該加盟店コードに対応する「A飲食店」の所在地が「東京都港区」であることを特定する。次いで、取得部112は、図3(B)の利用情報DB130を参照し、加盟店業種コード「11」を含み、かつ、所在地が「東京都港区」である加盟店における利用情報を有するレコードを特定する。本例では、取得部112は決済ID「201407200004」で特定されるレコードの内容を利用情報として取得することができる。
【0059】
以上説明した通り、図3に示される各データベースを上記のように構成することにより、サーバ100の取得部112は、加盟店のニーズに合わせた利用情報を利用情報DB130から取得することができる。
【0060】
さらに、クレジットカード事業者がサーバ100を構築・運用する実施形態であれば、加盟店の店舗では既存の加盟店端末210またはCAT端末220を用いて、クレジットカード事業者のサーバ100から、顧客の利用情報の提供を受けることができる。すなわち、加盟店端末210またはCAT220端末が、クレジットカード番号と加盟店コードとを含む照会データを送信可能であれば、加盟店の店舗が自らサーバ・DBを構築・運用することなく、店員の接客を支援するシステムを構築できるという効果を奏する。
【0061】
S603において、判定部113は、S602で取得した利用情報の提供可否を判定する。判定部113は、照会データに含まれるクレジットカード番号の会員が、クレジットカード事業者による個人情報の開示に同意しているか否かに基づいて利用情報の提供可否を判定する。
【0062】
ここで、図7(A)を参照して、会員による個人情報提供許否処理の内容の一例について説明する。図7(A)は、会員端末310の表示画面例を示す図である。
【0063】
クレジットカード会員は、会員端末310を操作してサーバ100にアクセスし、クレジットカード事業者が提供するオンラインサービス画面を呼び出す。そして、会員は、自己の個人情報開示許否を選択するために、個人情報開示許否選択画面710を呼び出すことができる。個人情報開示許否選択画面710には、許可ボタン711と、不許可ボタン712とが含まれ、会員端末310の入力I/F(不図示)を介して、許可ボタン711と、不許可ボタン712とのいずれかを選択することができる。会員端末310の許可ボタン711が選択されることに応じて、サーバ100の登録部111は、会員情報DB120の個人情報提供許否フィールド122に「許可」を登録する。同様に、会員端末310の不許可ボタン712が選択されることに応じて、サーバ100の登録部111は、会員情報DB120の個人情報提供許否フィールド122に「不許可」を登録する。S603において、判定部113は、上記の通りに登録された会員情報DB120のフィールドに基づいて、S602で取得した利用情報の提供許否を判定することができる。
【0064】
再び図6のフローチャートに戻り、S604において、判定部113は、クレジットカード会員が当該加盟店における付加サービス(おもてなし)を希望しているか否かに基づいて利用情報の提供可否を判定する。
【0065】
ここで、図7(B)を参照して、会員による加盟店登録処理の内容の一例について説明する。図7(B)は、会員端末310の表示画面例を示す図である。
【0066】
クレジットカード会員は、会員端末310を操作してサーバ100にアクセスし、クレジットカード事業者が提供するオンラインサービス画面を呼び出す。そして、会員は、自己の個人情報開示許否を選択するために、加盟店登録画面720を呼び出すことができる。加盟店登録画面720には、選択ボタン721,722,723が含まれ、会員端末310の入力I/F(不図示)を介して、選択ボタン721〜723のいずれかを選択することができる。会員端末310の選択ボタン721が選択されることに応じて、サーバ100の登録部111は、会員情報DB120の登録加盟店フィールド123にA飲食店に対応する加盟店コード「112022」を登録する。同様に、会員端末310の選択ボタン722が選択されることに応じて、サーバ100の登録部111は、会員情報DB120の登録加盟店フィールド123にB飲食店に対応する加盟店コード「113033」を登録する。
【0067】
再び図6のフローチャートに戻り、S604において、判定部113は、クレジットカード会員が当該加盟店における付加サービス(おもてなし)を希望しているか否かに基づいて利用情報の提供可否を判定する。図3(A)を参照して説明すると、判定部113は、S602で特定したクレジットカード番号「4980 1111 2222 3333」に対応する登録加盟店フィールド123を参照する。このとき、当該登録加盟店フィールド123には「112022」が記録されているため、判定部113はA飲食店に対する当該利用情報の提供は可能と判定する。
【0068】
S603およびS604において加盟店端末210に対して利用情報の提供が可能と判定された場合(S604:Yes)、取得部112はS602で取得した利用情報から、加盟店端末210に送信する応答データを生成する(S605)。本実施形態においては、例えば取得部112は、加盟店端末210のWebブラウザが表示可能な形式の応答データを生成することができる。一方、S603またはS604において加盟店端末210に対して利用情報の提供が不可と判定された場合(S603,S604:No)、取得部112はS602で取得した利用情報が含まれない応答データを生成する(S606)。
【0069】
S607において、送信部109は、S605またはS606で生成された応答データを加盟店端末210に送信する。
【0070】
再び図5のフローチャートに戻り、S504において、加盟店端末210のネットワークI/F106は、サーバ100の送信部109が送信した応答データを受信する。
【0071】
S505において、表示制御部213は、受信した応答データに基づいて、加盟店端末210のディスプレイまたは外部接続I/F105を介して接続されるディスプレイに、利用情報を表示させる。あるいはまた、S505において、印刷制御部214は、受信した応答データに基づいて、加盟店端末210の印刷装置または外部接続I/F105を介して接続される印刷装置に、利用情報を印刷させる。
【0072】
なお、本実施形態において、サーバ100の制御部110と、送信部109とは、本実施形態における利用情報提供装置の提供手段の機能を担う。
【0073】
ここで、図8を参照して、加盟店端末210のディスプレイに表示される、クレジットカード会員の利用情報の表示画面の一例について説明する。
【0074】
図8は本実施形態における利用情報提供画面800を示す図である。図8の利用情報提供画面800に示される通り、本実施形態における加盟店端末210の表示制御部213は、今回加盟店に来店した会員の会員情報と、利用情報とを表示させる。
【0075】
本実施形態においては、利用情報提供画面800に含まれる会員の利用情報は、今回来店した加盟店における利用情報の他、当該加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報とを対比して表示される。例えば、表示制御部213は、「佐藤 太郎」氏のA飲食店における利用情報(利用回数、利用金額)の他、同じ業種である他の飲食店における利用情報(利用回数、利用金額)を、利用情報提供画面800上に、対比して表示させることができる。
【0076】
加盟店における店員は、例えば会員のチェックイン時に、加盟店端末210のディスプレイに表示される利用情報提供画面800を参照することができる。そのため、店員は、当該店舗を頻繁に利用する得意顧客に対して付加サービス(おもてなし)を提供し、初回に来店する一見顧客に対して提供するサービスとの差別化を図るなどの、顧客の利用情報に応じたタイムリーなサービスを提供することができる。反対に、店員は、初回に来店した一見顧客であっても、地理的に近隣に存在する他の加盟店における利用情報を参考にして、自加盟店への来店を喚起するように、一見顧客に対して付加サービス(おもてなし)を提供することもできる。
【0077】
なお、本明細書において、「付加サービス(おもてなし)」とは、加盟店が顧客から支払われる代金に応じて販売または提供される商品またはサービスに加えて、追加して顧客に対して提供される商品またはサービスのことをいう。付加サービス(おもてなし)としては種々の態様が例示されるが、例えば飲食店であれば、顧客の嗜好に合わせて無料で提供される飲食物や、例えば家電量販店であれば、追加還元率を適用したポイントなどを適用することができる。
【0078】
以上説明した通り、本実施形態における利用情報提供システム1によれば、クレジットカード加盟店が自ら大規模なシステム構築を行うことなく、簡易な構成により、加盟店の店舗における店員の接客を支援することができる。
【0079】
[実施形態2]
実施形態1における利用情報提供システム1では、サーバ100からの応答データに基づいて、加盟店端末210のディスプレイを介して、今回来店した顧客の利用情報を提供する態様について説明した。本実施形態では、サーバ100からの応答データに基づいて、CAT端末220から印刷される売上伝票を介して、クレジットカード決済を行った顧客の利用情報を提供する態様について説明する。
【0080】
図9は、本実施形態におけるサーバ100の処理内容を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、サーバ100が照会データを受信した後の処理について具体的に説明する。なお、図9に示されるフローチャートによる処理は、ROM103または記憶部104に格納されたプログラムコードがRAM102に展開され、CPU101によって実行される。
【0081】
S901において、サーバ100の受信部108は、CAT端末220から送信される与信照会データを受信する。
【0082】
S902において、与信部114は、与信照会データを受信することに応じて、加盟店における決済に対して与信が可能かを判定する。具体的には、与信部114は、会員情報DB120の利用限度額フィールド121を参照し、当該決済と当月内における利用金額との合計額が、利用限度額内であるかを判定することにより、与信が可能かを判定する。与信部114は、当該決済の与信が可能と判定された場合(S902:Yes)、承認情報を出力し、S903に移行する。一方、与信部114は、当該決済の与信が不可能と判定された場合(S903:No)、非承認情報を出力し、S907に移行する。
【0083】
S903〜S905の処理は、図6のフローチャートにおけるS602〜S604の処理内容と同じため、説明を省略する。
【0084】
S904およびS905においてCAT端末220に対して利用情報の提供が可能と判定された場合(S905:Yes)、取得部112は、S902で出力された承認情報とS903で取得した利用情報とから応答データを生成する(S906)。一方、S904またはS905においてCAT端末220に対して利用情報の提供が不可と判定された場合(S904,S905:No)、取得部112は、S902で出力された非承認情報から応答データを生成する(S907)。本実施形態において、取得部112は、CAT端末220が解釈することが可能なデータ形式で、応答データを生成する(S906,S907)。
【0085】
S908において、送信部109は、S906またはS907で生成された応答データをCAT端末220に送信する。
【0086】
再び図5のフローチャートに戻り、S504において、CAT端末220のネットワークI/F106は、サーバ100の送信部109が送信した応答データを受信する。
【0087】
S505において、CAT端末220の印刷制御部214は、受信した応答データに基づいて、CAT端末220の印刷装置または外部接続I/F105を介して接続される印刷装置に、利用情報を含む売上伝票を印刷させる。
【0088】
ここで、図10を参照して、CAT端末220が利用情報を提供する態様について説明する。
【0089】
図10は本実施形態における売上伝票1000を示す図である。図10の売上伝票1000に示される通り、売上伝票1000は、加盟店における決済内容と、利用情報表示欄1001とを含んで構成される。
【0090】
本実施形態においては、売上伝票1000の利用情報表示欄1001に、今回決済を行った会員の利用情報が印刷される。利用情報表示欄1001に印刷される内容は、実施形態1と同様に、会員が決済を行った加盟店における利用情報の他、当該加盟店とは異なる関連する加盟店における利用情報も対比して印刷される。
【0091】
以上説明した通り、本実施形態においては、CAT端末220が与信照会処理を完了した時点で、売上伝票に利用情報を印刷し、店員に対して当該顧客の利用情報を提供する。店員は、売上伝票に印刷された利用情報を参照することができるので、実施形態1で例示した態様の他、種々の付加サービス(おもてなし)をタイムリーに顧客に提供することができる。例えば、付加サービス(おもてなし)の一例として、上記実施形態1のものに加えて、以下のようなものが考えられる。店舗の店員は、顧客の利用情報に応じて、当該店舗を頻繁に利用する得意顧客に対して高額のクーポン券を少量発行し、初回に来店する一見顧客に対して少額のクーポン券を複数発行するなどの、顧客の利用情報に応じたサービスを提供することができる。
【0092】
以上説明した通り、本実施形態における利用情報提供システム1は、与信照会操作に用いられるCAT端末220が、売上伝票に利用情報を印刷することにより、当該顧客の利用情報を提供する。かかる構成によれば、クレジットカード加盟店が自ら大規模なシステム構築を行うことなく、簡易な構成により、加盟店の店舗における店員の接客を支援することができる。
【0093】
[その他の実施例]
本発明は、上記各実施形態で説明した機能を実現するプログラムを、コンピュータ装置またはスマートフォンに適用し、コンピュータ装置のCPUまたはスマートフォンのプロセッサがプログラムを読出し実行することによっても実現することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10