特許第5969068号(P5969068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969068ワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969068
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】ワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20160728BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20160728BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20160728BHJP
【FI】
   H04W28/06
   H04W28/14
   H04W84/12
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-29815(P2015-29815)
(22)【出願日】2015年2月18日
(62)【分割の表示】特願2014-528370(P2014-528370)の分割
【原出願日】2011年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-122797(P2015-122797A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】13/219,797
(32)【優先日】2011年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エス.・チョ
(72)【発明者】
【氏名】シーウェイ・ジャオ
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−087135(JP,A)
【文献】 特開2009−077037(JP,A)
【文献】 特開2005−174150(JP,A)
【文献】 特表2007−532195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために第1のトランシーバが使用するための方法であって、前記第1のトランシーバは、第1の受信バッファを備え、前記方法は、
前記ワイヤレスリンクを介して前記アクセスポイントトランシーバから第1のデータフレームを受信することと、
前記受信バッファ中に前記第1のデータフレームを格納することと、
前記受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定することと、
フレーム肯定応答を生成することと、ここで前記フレーム肯定応答は、前記第1のトランシーバによって前記第1のデータフレームの受信を肯定応答し、前記フレーム肯定応答は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第1のしきい値未満であるとの前記決定に基づいて、前記第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに備える、
前記アクセスポイントトランシーバに前記フレーム肯定応答を送信することと
を備え、前記アクセスポイントトランシーバは、前記省電力モードの開始の前記インジケーションに基づいて前記フレーム肯定応答を受信した後に前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しない、
方法。
【請求項2】
省電力モードの開始のインジケーションを有する前記フレーム肯定応答を送信した後、前記第1のトランシーバをアクティブな電力モードに維持することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを処理することと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えると決定することと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第2のしきい値を超えるとの前記決定に基づいて前記第1のトランシーバが前記省電力モードの終了のインジケーションを生成することと、
前記アクセスポイントトランシーバに前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを送信することと
をさらに備え、前記アクセスポイントトランシーバは、前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを受信した後に前記第1のトランシーバに前記次のデータフレームを送信する、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のしきい値は、少なくとも1つのデータフレームを格納する前記受信バッファに対応する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量は、前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを前記処理することに基づいて前記第2のしきい値を超えて増加する、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
アクセスポイントトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために構成されたトランシーバであって、
第1の受信バッファと、
前記ワイヤレスリンクを介して前記アクセスポイントトランシーバから第1のデータフレームを受信し、
前記受信バッファ中に前記第1のデータフレームを格納し、
前記受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定し、
フレーム肯定応答を生成し、ここで前記フレーム肯定応答は、第1のトランシーバによって前記第1のデータフレームの受信を肯定応答し、前記フレーム肯定応答は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第1のしきい値未満であるとの前記決定に基づいて、前記第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに備える、
前記アクセスポイントトランシーバに前記フレーム肯定応答を送信する、
ように構成された前記第1の受信バッファに結合された制御論理と、を備え、ここで、前記フレーム肯定応答は、前記アクセスポイントトランシーバに、前記フレーム肯定応答を受信した後に前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信させないように構成される、
トランシーバ。
【請求項7】
前記制御論理は、省電力モードの開始のインジケーションを有する前記フレーム肯定応答を送信した後、前記第1のトランシーバをアクティブな電力モードに維持するようにさらに構成される、請求項6に記載のトランシーバ。
【請求項8】
前記制御論理は、
前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを処理し、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えると決定し、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第2のしきい値を超えるとの前記決定に基づいて前記第1のトランシーバが前記省電力モードの終了のインジケーションを生成し、
前記アクセスポイントトランシーバに前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを送信する
ようにさらに構成され、ここで、前記省電力モードの終了の前記インジケーションは、前記アクセスポイントトランシーバに、前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信させるように構成される、
請求項6に記載のトランシーバ。
【請求項9】
前記第2のしきい値は、少なくとも1つのデータフレームを格納する前記受信バッファに対応する、請求項8に記載のトランシーバ。
【請求項10】
前記受信バッファ中の前記第1のデータを処理することは、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量を前記第2のしきい値を超えて増加する、請求項8に記載のトランシーバ。
【請求項11】
アクセスポイントトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために構成されたトランシーバであって、
第1の受信バッファと、
前記ワイヤレスリンクを介して前記アクセスポイントトランシーバから第1のデータフレームを受信するための手段と、
前記受信バッファ中に前記第1のデータフレームを格納するための手段と、
前記受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定するための手段と、
フレーム肯定応答を生成するための手段と、ここで前記フレーム肯定応答は、前記第1のトランシーバによって前記第1のデータフレームの受信を肯定応答し、前記フレーム肯定応答は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第1のしきい値未満であるとの前記決定に基づいて、前記第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに備える、
前記アクセスポイントトランシーバに前記フレーム肯定応答を送信するための手段と
を備え、ここで、前記フレーム肯定応答は、前記アクセスポイントトランシーバに、前記フレーム肯定応答を受信した後に前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しないように構成される、
トランシーバ。
【請求項12】
省電力モードの開始のインジケーションを有する前記フレーム肯定応答を送信した後、前記第1のトランシーバをアクティブな電力モードに維持するための手段をさらに備える、請求項11に記載のトランシーバ。
【請求項13】
前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを処理するための手段と、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えると決定するための手段と、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第2のしきい値を超えるとの前記決定に基づいて前記第1のトランシーバが前記省電力モードの終了のインジケーションを生成するための手段と、
前記アクセスポイントトランシーバに前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを送信するための手段と
をさらに備え、ここで、前記省電力モードの終了の前記インジケーションは、前記アクセスポイントトランシーバに、前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信させるように構成される、
請求項11に記載のトランシーバ。
【請求項14】
前記第2のしきい値は、少なくとも1つのデータフレームを格納する前記受信バッファに対応する、請求項13に記載のトランシーバ。
【請求項15】
前記受信バッファ中の前記第1のデータを処理するための手段は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量を前記第2のしきい値を超えて増加する、請求項13に記載のトランシーバ。
【請求項16】
アクセスポイントトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために構成され、第1の受信バッファを有するトランシーバを動作するための非一時的なプロセッサ読取可能な記憶媒体であって、前記プロセッサ読取可能な記憶媒体はその上に命令を記録し、前記命令は、
前記ワイヤレスリンクを介して前記アクセスポイントトランシーバから第1のデータフレームを受信するためのコードと、
前記受信バッファ中に前記第1のデータフレームを格納するためのコードと、
前記受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定するためのコードと、
フレーム肯定応答を生成するためのコードと、ここで前記フレーム肯定応答は、前記第1のトランシーバによって前記第1のデータフレームの受信を肯定応答し、前記フレーム肯定応答は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第1のしきい値未満であるとの前記決定に基づいて、前記第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに備える、
前記アクセスポイントトランシーバに前記フレーム肯定応答を送信するためのコードと
を備え、前記フレーム肯定応答は、前記アクセスポイントトランシーバに、前記フレーム肯定応答を受信した後に前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しないように構成される、
非一時的なプロセッサ読取可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記命令はさらに、省電力モードの開始のインジケーションを有する前記フレーム肯定応答を送信した後、前記第1のトランシーバをアクティブな電力モードに維持するためのコードをさらに備える、請求項16に記載の記憶媒体。
【請求項18】
前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを処理するためのコードと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えると決定するためのコードと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第2のしきい値を超えるとの前記決定に基づいて前記第1のトランシーバが前記省電力モードの終了のインジケーションを生成するためのコードと、
前記アクセスポイントトランシーバに前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを送信するためのコードと
をさらに備え、前記省電力モードの終了の前記インジケーションは、前記アクセスポイントトランシーバに、前記第1のトランシーバに前記次のデータフレームを送信させるように構成される、
請求項16に記載の記憶媒体。
【請求項19】
前記第2のしきい値は、少なくとも1つのデータフレームを格納する前記受信バッファに対応する、請求項18に記載の記憶媒体。
【請求項20】
前記受信バッファ中の前記第1のデータを処理するためのコードは、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量を前記第2のしきい値を超えて増加する、請求項18に記載の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ワイヤレス通信に関し、特に、ワイヤレスデバイス間のワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信は、ラップトップ、携帯電話、および他のワイヤレス通信デバイス(「ワイヤレスデバイス」)などにおける過剰なアプリケーションのために使用されている。従来、ワイヤレスリンクの最大スループットレートがワイヤレス通信の速度における最も制限するファクタであることは、共通のことである。しかしながら、(例えば、デバイスにおいて比較的制限された処理および/またはインタフェース性能を含む)ワイヤレス通信能力のますます広範囲なインプリメンテーションおよびワイヤレス通信データレートにおける改良とともに、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低い最大限可能なデータスループットレートをネイティブにサポートする可能性がある。これは、潜在的に問題につながる可能性がある。
【0003】
1つの例として、いくつかのシチュエーション(例えば、処理能力および/またはモバイルデバイスのワイヤレスアダプタインタフェースおよびWLANリンクの品質に依存して)802.11(WLAN)ネットワークにおけるモバイルデバイスは、パケットがWLANリンクを通じて送信されるのと同じ程度の高いレートでパケットを処理できない。任意の緩和する要因がない状態において、これは、パケットロス、大規模な再試行の試み、およびレート低下につながる。それは、同様に、電力浪費を引き起こし、ネットワーク性能を下げうる。
【0004】
図1は、例えば、実装に依存して、2つの異なる受信機でこれがどのように起こるのかについての2つの例を説明する。示されるように、パケットは、最初にバッファされるが、結局、一旦バッファが一杯になると、パケットは、ドロップしうる。
【0005】
1つの単純なソリューションは、制限しているデバイスのサポートされる最も高いデータレートにワイヤレスリンクのPHYレートを制限することである。これは、不必要なパケットロスを回避するが、所与のパケットは、ワイヤレスリンクの最大PHYレートが使用した場合よりも送信および受信するためにより長い時間掛かることになり、結果として、より大きな電力消費およびより小さなネットワークスループットにつながる。従って、この分野における改良は、望ましいだろう。
【発明の概要】
【0006】
開示の実施形態は、2つのワイヤレスデバイス間のワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために示される。より具体的には、開示の実施形態は、ワイヤレスにリンクした2つのワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つのデータスループットレートが、ワイヤレスリンク自体の最大限可能なデータスループットレートより低くなるシチュエーションに向けられる。
【0007】
従って、開示の実施形態は、(例えば、アクセスポイントワイヤレスデバイスにおいて使用するために構成される)アクセスポイントトランシーバと、(例えば、第1のワイヤレスデバイスにおいて使用するために構成される)第1のトランシーバとの間のワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するための方法および方法を実施するように構成されるシステムを含む。いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクは、IEEE 802.11ワイヤレスリンクであり、アクセスポイントトランシーバおよび第1のトランシーバは、IEEE802.11を使用可能なデバイスに備えられうる。ワイヤレスリンクの代替のタイプがさらに考慮される。
【0008】
アクセスポイントトランシーバは、ワイヤレス信信号を送受信するためのアンテナとワイヤレスリンクのためのパラメータ情報を記憶するためのメモリとを含みうる。アクセスポイントトランシーバは、アンテナおよびメモリに接続される(プロセッサおよびプロセッサによって実行可能なプログラム命令を備えるメモリ媒体を含みうる)制御論理をさらに含みうる。
【0009】
第1のトランシーバは、ワイヤレス信号を送受信するためのアンテナを含みうる。第1のトランシーバは、受信バッファをさらに含みうる。第1の受信バッファは、第1のトランシーバが処理するためにワイヤレスリンクを通じて(例えば、アンテナを介して)第1のトランシーバによって受信された情報を格納しうる。第1のトランシーバは、例えば、ワイヤレスリンクを介して受信したデータを処理するために、アンテナおよび/または受信バッファに接続される(プロセッサおよびプロセッサによって実行可能なプログラム命令を備えるメモリ媒体を含みうる)制御論理をさらに含みうる。第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクの最大データスループットレートより低い第1のデータスループットレートを有しうる。いくつかの実施形態では、第1のデータスループットレートは、第1のトランシーバのワイヤレリンクインタフェースおよび/または第1のトランシーバの処理能力のうちの1つまたは複数のデータスループット能力のためにワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低くなりうる。
【0010】
実施形態の第1のセットにおいて、ワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するための第1の方法をインプリメントするシステムは、アクセスポイントトランシーバ、またはアクセスポイントトランシーバがインプリメントされるアクセスポイントワイヤレスデバイスを含みうる。いくつかの実施形態では、アクセスポイントトランシーバの制御論理は、方法をインプリメントするように構成されうる。
【0011】
第1のデータスループットレートおよび第1の受信バッファのサイズのインジケーションは、受信され格納されることがある。第1のデータスループットレートおよび第1の受信バッファのサイズのインジケーションは、第1のトランシーバによって決定され、アクセスポイントトランシーバのアンテナを介してトランシーバから受信されうる。
【0012】
第1のトランシーバへの送信のための第1のデータパケットの第1のサイズが決定されうる。第1のデータパケットの第1のサイズを決定することは、第1のデータスループットレートおよび/または第1の受信バッファのサイズのうちの1つまたは複数に基づきうる。1つの実施形態では、第1のデータパケットの第1のサイズは、第1の受信バッファのサイズに基づき、第1の受信バッファのサイズより小さくなりうる。
【0013】
第1のサイズの第1のデータパケットは、第1の受信機に送信されうる。第1のデータパケットは、アクセスポイントトランシーバのアンテナを介して送信されうる。第1のサイズの第1のデータパケットは、第1のデータスループットレートより高いデータレート(例えば、シグナリングまたはPHYレート)で第1の受信機に送信されうる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のサイズのパケットが第1のトランシーバに送信されるべき第1の頻度が決定されうる。第1の送信頻度は、第1のデータスループットレートに基づいて決定されうる。したがって、第1のサイズの複数のデータパケットは、第1の送信頻度で第1のトランシーバに送信されうる。複数の第1のサイズのデータパケットを送信することは、第1のデータスループットレートより高いデータレート(例えばシグナリングまたはPHYレート)で実行されうる。いくつかの実施形態では、第1のデータスループットレートより高いデータレートでの第1の送信頻度で複数の第1のサイズのデータパケットを送信することは、第1のデータスループットレートであるまたは第1のデータスループット未満である有効データスループットレートで第1のトランシーバにデータを提供しうる。言い換えると、たとえ送信することが第1のデータスループットレートより高いデータレートで生じたとしても、第1のデータスループットレートより高いデータレートでの第1の送信頻度で複数の第1のサイズのパケットを送信することは、第1の受信バッファのオーバーフローを引き起こしえない。
【0015】
代替として、いくつかの実施形態では、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量が推定されうる。第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を推定することは、第1のデータスループットレート、第1の受信バッファのサイズ、第1のデータパケットの第1のサイズ、およびデータパケットの送信から今までの経過時間に基づきうる。第1のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズが決定されうる。第2のデータパケットの第2のサイズは、第1の受信バッファにおけるメモリの推定された利用可能な量に基づいて決定されうる。第2のサイズの第2のデータパケットは、第1のデータスループットレートより高いデータレート(例えば、シグナリングレートまたはPHYレート)で第1のトランシーバに送信されうる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクは、第2のトランシーバに拡張されうる。それは、第2のトランシーバへのワイヤレスリンクの拡張に基づいて、(送信の実際のシグナリングレートが第1のデータスループットレートよりまだ高いことがありうるが)ワイヤレスリンクを通じた第1のトランシーバへの(有効)データスループットが第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定されうる。この場合、アクセスポイントトランシーバは、例えば、ワイヤレスリンクを通じた第1のトランシーバへのデータスループットが第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定することに応じて、第1のデータスループットレートまたは第1の受信バッファのサイズに基づいて第1のトランシーバに送信するためのデータパケットのサイズを決定しえない。
【0017】
代替として、いくつかの実施形態では、アクセスポイントトランシーバは、第2のデバイスのためのトラフィックフロー制御を実行しうる。例えば、(第2の受信バッファを含みうる)第2のトランシーバは、ワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低い第2のデータスループットレートを有しうる。第2のデータスループットレートおよび第2の受信バッファのサイズのインジケーションは、受信され格納されうる。第2のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズが決定されうる。第2のデータパケットの第2のサイズを決定することは、第2のデータスループットレートおよび/または第2の受信バッファのサイズのうちの1つまたは複数に基づきうる。第2のサイズの第2のデータパケットは、第2のデータスループットレートより高いデータレートで第2のトランシーバに送信されうる。
【0018】
実施形態の第2のセットでは、ワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するための第2の方法をインプリメントするシステムは、第1のトランシーバがインプリメントされる第1のワイヤレスデバイスまたは第1のトランシーバを含みうる。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバの制御論理(例えば、プロセッサによって実行可能なプログラム命令を含むプロセッサおよびメモリ媒体)は、方法をインプリメントするように構成されうる。
【0019】
第1のデータフレームは、ワイヤレスリンクを介して受信されうる。第1のデータフレームは、受信バッファに格納されうる。受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、モニタされ、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であることが決定されうる。
【0020】
フレーム肯定応答が生成されうる。フレーム肯定応答は、第1のトランシーバによって第1のデータフレームの受信を肯定応答しうる。フレーム肯定応答は、第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに含みうる。第1のトランシーバによる省電力モードの開始のインジケーションは、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値より少ないという決定に基づいてフレーム肯定応答中に含まれうる。いくつかの実施形態では、たとえ第1のトランシーバがフレーム肯定応答において第1のトランシーバによる省電力モードの開始のインジケーションを含んでいても、第1のトランシーバは、実際に省電力モードを入りえない。
【0021】
フレーム肯定応答は、アクセスポイントトランシーバに送信されうる。アクセスポイントトランシーバは、省電力モードの開始のインジケーションに基づいてフレーム肯定応答を受信した後に第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しえない。
【0022】
受信バッファ中に格納された第1のデータフレームは、(例えば、省電力モードに入る代わりに)処理されうる。受信バッファ中の第1のデータフレームを処理することに基づいて、受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、第2のしきい値を超えて増加しうる。受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値より多いと(例えば、受信バッファ中の利用可能なメモリの量のモニタに基づいて)決定されうる。
【0023】
第1のトランシーバによって省電力モードの終了のインジケーションが生成されうる。第1のトランシーバによる省電力モードの終了のインジケーションは、アクセスポイントトランシーバに送信されうる。第1のトランシーバによって省電力モードの終了のインジケーションを生成し送信することは、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値より多いという決定に基づきうる。第1のトランシーバによって省電力モード終了のインジケーションを受信した後(および例えば、第1のトランシーバによる省電力モードの終了のインジケーションを受信することに基づいて)、アクセスポイントトランシーバは、第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
実施形態の以下の詳細な説明が以下の図面とともに読まれる場合、本願発明のより良い理解が得ることができる。
図1】先行技術システムにおける受信デバイスの制限による潜在的なパケットロスを説明する図である。
図2】1つの実施形態に従って、ワイヤレスデバイス間の例示的なワイヤレスリンクを説明する。
図3A】1つの実施形態に従う例示的なワイヤレスデバイスのブロック図である。
図3B】1つの実施形態に従う例示的なワイヤレスデバイスのブロック図である。
図4A】1つの実施形態に従う異なるワイヤレスリンクPHYレートでの送受信タイミングおよびエネルギー使用を説明するブロック図である。
図4B】1つの実施形態に従う異なるワイヤレスリンクPHYレートでの送受信タイミングおよびエネルギー使用を説明するブロック図である。
図5A】ワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
図5B】ワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
図6A】ワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
図6B】ワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【0025】
発明が様々な修正および代替形式の影響を受けやすいが、それらの特定の実施形態は、図面および本願中の詳細に記述の例示の目的で示される。しかしながら、図面および本願に記述される詳細な説明が特定の開示された形式に発明を限定することを目的としないどころか、目的は、すべての修正、および添付された請求項によって定義されるような本願発明の精神および範囲内に含まれる均等物および代替物をカバーするためのものであることを理解するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
用語
以下は、本出願に使用される用語の用語解説である。
【0027】
メモリ媒体 − メモリデバイスまたは記憶デバイスの様々なタイプの内の任意のもの。用語「メモリ」および「メモリ媒体」は、例えばCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、テープデバイスなどのインストール媒体;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどのようなコンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリ;またはフラッシュメモリ、ハードウェアレジスタ、磁気媒体(例えば、ハードドライブ)または光学式記憶装置のような不揮発性メモリ;を含むように意図される。メモリ媒体は、その上なおメモリの他のタイプまたはこれらの組み合わせを含みうる。用語「メモリ媒体」は、2つまたはそれ以上のメモリ媒体を含みうる。
【0028】
コンピュータシステム − パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、またはタブレットコンピュータシステムを含む、モバイルまたはステイショナリーコンピューティンググシステムあるいはモバイルまたはステイショナリーコンピューティングシステム、携帯情報端末(PDA)、マルチメディアデバイス、または他のデバイスあるいはデバイスの組み合わせの様々なタイプの内の任意のもの。一般に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(またはデバイスの組合せ)を包含するように広く定義されることができる。
【0029】
ワイヤレスリンク − (「ワイヤレスデバイス」と称されうる)2つのデバイス間を接続するワイヤレス通信。ワイヤレスリンクは、さまざまなバージョンのIEE802.11(WLAN)、ブルートゥース、ワイブリー(Wibree)、ワイヤレスUSB、ジグビー(ZigBee(登録商標))、または任意のネットワークプロトコルのうちの任意のものを介して、他のものとの間で確立されうる。
【0030】
アクセスポイントデバイス − 本明細書で使用されるように、アクセスポイントデバイスは、別のデバイスがアクセスポイントデバイスと(例えばワイヤレスおよび/またはワイヤードの)通信接続を確立することを可能にするデバイスとみなされる。いくつかの通信プロトコルに従って、アクセスポイントデバイスは、アクセスポイントデバイスであるように明確に構成されることを要求される一方、他の通信プロトコルがアクセスポイントデバイスとして機能するプロトコルにしたがって構成される任意のデバイスを許容しうる。
【0031】
図2
開示の実施形態は、ワイヤレスデバイス間のワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善することに関する。図2は、この開示の実施形態をインプリメントするように構成される、ワイヤレスデバイス202、204および206間のワイヤレスリンクを含む例示のシステム200を説明する。ワイヤレスリンクは、様々なワイヤレス通信技術のうち任意のものに従ってワイヤレスデバイス202、204、206間のワイヤレス通信を可能にしうる。1つの例示的なインプリメンテーションでは、ワイヤレスリンクは、IEEE 802.11(WLAN)ネットワークの一部として確立されうる。例えば、ワイヤレスデバイス202は、ルータとして示され、ゲートウェイタイプデバイス(つまり、アクセスポイントトランシーバ)として機能しうる。したがって、そのような実施形態では、携帯電話204またはラップトップコンピュータ206(あるいはこれらの両方)のような通信範囲内のWLANを可能にするワイヤレスデバイスは、WLANネットワークに参加するためにルータ202とWLANワイヤレスリンクを確立しうる。
【0032】
他の想定される実施形態では、ワイヤレスリンクは、様々な他のワイヤレス通信プロトコルのうちの任意のものに従って確立されうる。インプリメンすることができる開示の実施形態を使用して例示の可能なワイヤレス技術は、限定されないが、セルラネットワーク、ブルートゥース、ジグビー、ワイヤレスUSB、RFID、狭域通信(DSRC)、または他の適切なワイヤレス技術を含む。
【0033】
更に、説明される実施形態が特にルータ202と携帯電話204との間のリンク、およびルータ202とラップトップ206との間のリンクを示す一方、様々な実施形態において、ワイヤレスリンクは、限定ではないが、携帯電話(スマートフォンを含む);タブレット、ネットブック、ノートブック、ラップトップ、および/またはデスクトップコンピュータ;携帯情報端末;(ポータブルまたはステイショナリ―)マルチメディアプレイヤー;ルータ、ハブ、および/または他のゲートウェイタイプのデバイス;および/またはワイヤレス通信を使用することができる他のモバイルデバイス/コンピューティングシステムを含む、種々様々な適切なワイヤレスデバイスのうちの任意のものの間にありうることに注意すべきである。特に、いくつかの実施形態における、ワイヤレスリンクが(ルータ202のような)ゲートウェイタイプデバイスを通じて確立される一方、他の実施形態は、(例えば、携帯電話204とラップトップコンピュータ206との間の直接的なワイヤレスリンクが確立される)任意の他のワイヤレスリンクと直接ワイヤレスに通信しうることが想定されることに注意するべきである。
【0034】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクを介する通信は、様々な可能なデータレート(「ワイヤレスリンクデータスループットレート」)で実行されうる。例えば、WLANワイヤレスリンクでは、リンク中の各プロトコルデバイスのどのバージョンをサポートするか、どれだけ多くのアンテナが(例えば、他入力多出力のために)利用されるか、チャネル条件、チャネル帯域幅などに依存する最大限サポートされるデータレートまで、様々な異なる物理(PHY)レイヤデータレートで実行されるワイヤレスシグナリングを可能にしうる。
【0035】
ワイヤレスリンクデータスループットレートと独立して、ワイヤレスリンクによって通信に関して接続されるワイヤレスデバイスの各々は、あるレート(「ワイヤレスデバイスデータスループットレート」)でワイヤレスリンクを介して受信されたデータを利用することが可能になりうる。このワイヤレスデバイスデータスループットレートは、1つまたは複数のファクタによって制限されうる。例えば、いくつかのワイヤレスデバイス(例えば、比較的限定されたまたは基本機能を実行するデバイス)は、相対的に最小限のネイティブな処理能力を有しうる。別の例として、いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンクインタフェース(例えば、ワイヤレスアダプタインタフェース)は、制限するファクタでありうる。USB、SDIO、または別のインタフェースを介してワイヤレスデバイスにインタフェースするワイヤレスアダプタを利用するワイヤレスデバイスは、そのインタフェースのデータスループットレートによって制限されるかもしれない。他の制限がさらに起こり得る。
【0036】
別のワイヤレスデバイスにワイヤレスにリンクされるワイヤレスデバイスのワイヤレスデバイスデータスループットレートがワイヤレスリンクデータスループットレートより低い場合、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスリンクを介して受信したデータを処理することが遅れる可能性がある。これは、潜在的に大規模なデータロスを生じ、ロストしたデータを再送信すること試みる、および/または低減したワイヤレスリンクデータスループットレートをもたらす可能性がある。これは、順々に、(例えば、ネットワークタイプワイヤレスリンク中の)ネットワーク性能を低下させ、重大な電力消費を引き起こす場合がある。
【0037】
従って、開示の実施形態は、ワイヤレスデバイスのうちの少なくとも1つがワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低いデータスループットレートを有するワイヤレスデバイス間のワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善するための方法の実施形態を対象とする。方法は、制限されるワイヤレスリンクのための受信フロー制御を提供し、それによって、提供されなければ起こりかねない大規模なデータロスおよび再試行なしにワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートが使用される。
【0038】
図3A−3B
図3Aおよび3Bは、開示の様々な実施形態に従って別のワイヤレスデバイスとのワイヤレスリンクを確立することができるワイヤレスデバイスの様々な構成要素を説明する、単純化されたブロック図である。
【0039】
図3Aは、プロセッサ302を含むワイヤレスデバイス300と、メモリ304とを説明する。メモリ304は、本願明細書に開示される方法の1つまたは複数の態様を実行する、および/または他のデバイス機能を実行するプロセッサ302によって実行可能なプログラム命令を格納しうる。ワイヤレスデバイス300は、様々な実施形態に従って、デバイスの様々なタイプのうちの任意のものであり、様々な機能性のうちの任意のものをインプリメントしうる。例えば、ワイヤレスデバイス300は、(図1に示される携帯電話204のような)携帯電話またはスマートフォン、(図2に示されるラップトップ206のような)ラップトップまたは他のコンピュータ、または一般にワイヤレスに通信するために使用される他のタイプのデバイスでありうる。
【0040】
ワイヤレスデバイス300は、さらにワイヤレスアダプタ306を含みうる。ワイヤレスデバイス300は、ワイヤレスリンクを形成するためにワイヤレスアダプタ306を利用しうる。いくつかの実施形態に従って、ワイヤレスアダプタ306は、ワイヤレスデバイス300の内部に収容され(つまり、ワイヤレスデバイスのケース内に収容され)、内部システムバスに接続されるか、そうでなければ、プロセッサ302に通信可能に接続されうる。代替として、ワイヤレスアダプタ306は、外部インタフェース(例えば、USB、SDIO、または他の任意の外部インタフェース)を介してワイヤレスデバイス300に接続されうる。
【0041】
ワイヤレスアダプタ306は、1つまたは複数のワイヤレスプロトコルをインプリメントしうる。1つの例では、ワイヤレスアダプタ306は、WLANアダプタでありうる。他の実施形態では、ワイヤレスアダプタ306は、他のワイヤレス通信プロトコルをインプリメントしうる。ワイヤレスアダプタ306は、他の可能な構成要素の間で、(例えば、受信された信号がワイヤレスデバイス300によって処理することができるまで受信信号をバッファする)受信バッファ308および(例えば、信号をワイヤレスに送信および/または受信する)アンテナ310を含む、ワイヤレスプロトコルをインプリメントするように構成する回路を含みうる。実施形態は、ワイヤレスアダプタ306が(例えば、MIMOのためのおよび/または複数のワイヤレスプロトコルをインプリメントするための)複数のアンテナを含むことがさらに想定されうる。
【0042】
図3Bは、制御論理352、メモリ354、およびアンテナ356を含むワイヤレスデバイス350を説明する。ワイヤレスデバイス350は、様々な実施形態に従って、様々なタイプのデバイスのうちの任意のものであり、様々なタイプの機能性のうちの任意のものをインプリメントしうる。例えば、ワイヤレスデバイス350は、(図2に示されるルータ202のような)ルータ、ハブ、ゲートウェイ、または一般にワイヤレスに通信するために使用される任意のタイプのデバイスでありうる。
【0043】
いくつかの実施形態に従って、ワイヤレスデバイス350は、1つまたは複数のワイヤレスプロトコルをインプリメントするアクセスポイントトランシーバの機能を果たしうる。1つの例として、ワイヤレスデバイス350は、WLANルータでありうる。他の実施形態では、ワイヤレスデバイス350は、異なるタイプのデバイスでありうる。制御論理352は、(例えば、プロセッサのためのプログラム命令のソースおよび/またはバッファとしての)メモリ354および(例えば、ワイヤレスに信号を送信および/または受信する)アンテナ356と組み合せて、ワイヤレスプロトコルをインプリメントしうる。ワイヤレスデバイス300中のワイヤレスアダプタ306に類似して、ワイヤレスデバイス350は、いくつかの実施形態において、(例えば、MIMOのためのおよび/または複数のワイヤレスプロトコルをインプリメントするための)複数のアンテナを含みうる。
【0044】
この開示に照らして当業者によって理解されることになるように、ワイヤレスデバイス300および350は、例えば、他のデバイス機能性をインプリメントするために、望まれるような様々な他の構成要素のうちの任意のものをさらに含みうる。そのような構成要素は、開示の詳細を不明瞭することを避けるために示されない。
【0045】
さらに、示されるこれらの構成要素が本願明細書に開示される方法の示された構成要素が様々な方法の原理に従って、様々な方法のうちの任意のものにインプリメントされることが明白になることになる。例えば、様々な実施形態に従って、ワイヤレスデバイス350中の制御論理352は、アナログ論理、デジタル論理、(CPU、DSP、マイクロコントローラなどのような)プロセッサおよびメモリ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または以上の任意の組み合わせのような様々なタイプの論理のうちの任意のものを使用してインプリメントされうる。実施形態は、ワイヤレスデバイスがプロセッサ302およびメモリ304に加えて、またはそれらの代わりに他のタイプの制御論理を利用することも同様に想定されうる。
【0046】
図4A−4B
図4A−4Bは、異なるワイヤレスリンクデータレート(つまりPHYレートまたはシグナリングレート)で(例えば、図2に示されるワイヤレスデバイス202、204、または206のうちの任意の)ワイヤレスデバイスの送信および受信タイミングおよびエネルギー利用を説明する。説明される例は、1つの実施形態に従ってWLANインプリメンテーションにおいて行われうる。図4A−4Bは、送信されているデータの等しい量および時間経過の等しい量を説明するように意図されうる。
【0047】
図4Aは、図4Bと比較してより低いワイヤレスリンクデータレートを説明する。両方のケースにおいて、ワイヤレスデバイスは、(最大送信電力が使用される時間の間に)フレームを送信しうる。これに続いて、ワイヤレスデバイスは、フレーム肯定応答を受信すると予測する間、アクティブサーチ状態に入りうる。サーチ状態の間、受信機は、部分的に電力供給されうる。一旦、受信機がフレーム肯定応答をアクティブに受信し始めれば、受信機は、完全に電力供給されうる。フレーム肯定応答が受信された後、ワイヤレスデバイスは、データを送信する許可に再び対処する前に、ある時間期間(例えば、ランダムバックオフ(RBO))の間待機しうる。この時間の間、受信機は、送信が着信する場合に備えて部分的に電力供給されうる(例えば、RXサーチ自動利得制御(AGC)がオンされうる)。
【0048】
示されるように、図4Aのより低いデータレートでは、アクティブ送信時間期間は、図4Bのより高いデータレートよりも長くなりうる。従って、ワイヤレスデバイスによって使用されるエネルギーは、同じデータ量を送信するためにより多くなりうる。更に、WLANインプリメンテーションにおけるさらに微妙なポイントは、より低いPHYレートでの送信電力が典型的に、より高いPHYレートでの送信電力より高くなりうる。これは、最も高いPHYレートでのエラーベクトル振幅(EVM:error vector magnitude)条件がより低い送信電力を要求することに対応する、より低いPHYレートよりもより厳格であるためでありうる。したがって、より低いデータレートで、所与のデータ量を送信するためにより高いデータレートより長い時間掛かるだけではなく、単位時間あたりに使用される電力もより多くなりうる。
【0049】
図4A−4Bの説明される実施形態は、WLANインプリメンテーションに向けられる一方、同様の(および/または、他の)関心が他のタイプのワイヤレスリンクのために存在しうることに注意するべきである。一般的に言えば、より低い信号レートは、等しいデータ量を送信するためにより長くかかると予測される結果、典型的により高い電力消費をもたらす。特に、バッテリ寿命がプレミアムであるモバイルデバイスにおいて、省電力の重要性を誇張するのは困難である。
【0050】
電力消費に関連する関心に加えて、より低いシグナリングレートで所与のデータ量を送信するために要求されるより多くの時間が、例えば、(WLANのような)ネットワークシステムにおいて、ネットワーク性能全体を低減することを直接的にもたらすことは注目する価値がある。言いかえれば、より低いデータレートを利用することを強いるので、ワイヤレスデバイスがネットワークを通じてデータを送受信することにより多くの時間を費やす場合、必然的に、通信するためにネットワーク中の他のワイヤレスデバイスに対して利用可能な時間をより少なくしうる。
【0051】
従って、可能な場合、より高い信号レートで送信することが一般に望ましい。しかしながら、図2に関して以上で注意されるように、時々、受信デバイスは、ワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレート(例えば信号速度)より低いデータスループットレートを有する。任意の緩和ファクタがない状態において、ワイヤレスデバイスデータスループットレートより高いワイヤレスリンクデータスループットレートで送信することは、ワイヤレスデバイスの受信バッファのオーバーフローをもたらしうる。受信バッファのオーバーフローは、次々に、ワイヤレスリンクを通じて送信されたデータがロストすることになる。そのロストデータは、時々、繰り返し再送信されうる。したがって、電力浪費およびネットワーク性能は、まだ低下したままでありうる。更に、より高いワイヤレスリンクデータスループットレートの繰り返されるデータロスの結果として、使用される通信プロトコルは、より低いワイヤレスリンクデータスループットレートが使用されることを要求し、結果として、以上で注意したように、さらに電力消費および低下したネットワーク性能をもたらす。
【0052】
例えば、再度例示のWLANインプリメンテーションにおいて、1つの可能なソリューションは、プロトコルの新しいバージョンのフロー制御のためのメカニズムを含むことである。例えば、ブロック肯定応答フレーム中のフィールドは、フレームを受信するワイヤレスデバイスが、フレームを送信しているワイヤレスデバイスに(例えば、MACプロトコルデータユニット(MPDU)において)どれだけ多くの受信バッファフレームが利用可能なままかを通知することを可能にするように定義されることができる。しかしながら、このメカニズムは、理想的になりえない。例えば、このメカニズムは、受信ワイヤレスデバイスと送信ワイヤレスデバイスとの両方で新しいハードウェアサポートを要求するだろう。追加として、それは、後方互換性がなくなり、より古いデバイスは、このメカニズムの利点を受けることができなくなるだろう。更に、メカニズムは、受信デバイスと送信デバイスとの両方に追加の複雑性を導入することになるだろう。例えば、受信デバイスがその利用可能なバッファサイズをモニタ/追跡する必要があるだけでなく、送信デバイスは、受信デバイスの残りの利用可能なバッファの通知に基づいてその送信クエリを直ちに調節する必要があるだろう。この方法を超えるいくつかの利点を有する、制御トラフィックフローのための2つの代替のメカニズムが図5−6の方法として以下に提供される。
【0053】
図5−6
図5−6は、(例えば、第1のワイヤレスデバイスにおいて使用するための)第1のトランシーバと、(例えば、アクセスポイントワイヤレスデバイスにおいて使用するための)アクセスポイントトランシーバとの間のワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善するための方法の実施形態を説明するフローチャートである。いくつかの実施形態に従って、ワイヤレスリンクは、IEEE 802.11(WLAN)ワイヤレスインクであり、第1のトランシーバおよびアクセスポイントトランシーバは、IEEE 802.11を使用可能なトランシーバでありうる。第1のワイヤレスデバイスは、いくつかの実施形態中のモバイルデバイスでありうる;代替として、第1のワイヤレスデバイスは、ステイショナリでありうる。
【0054】
方法の実施形態は、第1のワイヤレスデバイスまたはアクセスポイントワイヤレスデバイスのいずれかによってインプリメントされうる。例えば、図5A−5Bの方法は、典型的にアクセスポイントワイヤレスデバイスによってインプリメントされうる一方、図6A−6Bの方法は、典型的に第1ワイヤレスデバイスによってインプリメントされうる。いくつかの実施形態では、方法をインプリメントする第1のワイヤレスデバイスおよびアクセスポイントワイヤレスデバイスは、この開示の図2−3のシステムのうちの任意のものに従ってインプリメントされうる。
【0055】
方法は、たとえワイヤレスデバイスのうちの1つ(例えば、第1のワイヤレスデバイス)がワイヤレスリンクの最大データスループットレートより低いデータスループットレート(例えば、デバイスによって制限される最大データスループットレート)を有していたとしても、制限されたワイヤレスデバイスをオーバーロードすることも、パケットロスや大規模な再送信の試みを生じることもなく、ワイヤレスデバイスが最大限サポートされるデータスループットレートを使用するワイヤレスリンクを介して通信することを可能にしうる。方法は、それによって、ワイヤレスリンクのより低いデータスループットレートを使用することまたはこの方法を使用しないワイヤレスリンクの最大限サポートされるデータスループットレートを使用することと比較してワイヤレスリンクのチャネル効率が改善されることにつながりうる。
【0056】
図5−6の方法は、必要に応じて、(例えば、図5−6の方法の特徴のいくつかまたはすべてを含む)組み合わせを使用しうる。
【0057】
図5−6に関して以下に記述されるステップは、ある順序で示される一方、様々な実施形態に従って、1つまたは複数のステップは、省略され、繰り返され、または示されたのと異なる順序で実行されうることに注意するべきである。望まれるように、1つまたは複数の追加のステップは、さらにまたは代替として追加されうる。
【0058】
以上で注意したように、図5A−5Bは、第1のトランシーバとアクセスポイントトランシーバとの間のワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善するための方法を説明する。図5A−5Bの方法では、アクセスポイントトランシーバは、第1のトランシーバの性能に関する特定情報に基づいて第1のトランシーバへの送信のフローを制御しうる。特に、アクセスポイントトランシーバは、どれくらいの頻度でおよび/またはどれくらいの量のデータで第1のトランシーバに送信するかを決定するために第1のトランシーバの受信バッファのサイズおよび第1のトランシーバのデバイスベースデータスループットレートの知識を使用しうる。送信フローを制御することによって、(例えば、ワイヤレスリンクを通じて送信されるデータがロストするポイントに対して)第1のトランシーバ受信バッファの過飽和が回避されうる。したがって、データは、第1のトランシーバのデータスループットレートによって制限されているワイヤレスリンクにわたるシグナリングレートのないワイヤレスリンクを通じて第1のトランシーバに送信されうる。
【0059】
第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクを介して信号をワイヤレスに送受信することのためのアンテナを含みうる。第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクを介して受信したデータを処理するための(および潜在的に他の機能を実行するための)プロセッサおよびメモリを含みうる。第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクのデータスループットレートより低い第1のデータスループットレートを有しうる。第1のデバイスが第1のデータスループットレートまたはそれより低いレートでのみ(例えば、他の可能な制限の間での、プロセッサまたはインタフェース制限に起因して)データを処理することができるので、第1のデータスループットレートは、ワイヤレスリンクデータスループットレートより低くなりうる。代替として、第1のデバイスは、(例えば、他の機能をさらに実行することに起因して、または様々な理由のうちの任意のもののために)必ずしも第1のデータスループットレートに制限されないが、第1のデータスループットレートで現在動作している。
【0060】
第1のトランシーバは、第1の受信バッファを有しうる。第1のトランシーバは、第1のトランシーバによって処理するために、第1の受信バッファ中にワイヤレスリンクによって受信された(例えば、アクセスポイントトランシーバからの)データを格納しうる。いくつかの実施形態に従って、一旦データが第1のトランシーバによって処理されたならば、データは、第1の受信バッファから削除されうる。
【0061】
アクセスポイントトランシーバは、信号をワイヤレスに送受信するためのアンテナを含みうる。アクセスポイントトランシーバは、ワイヤレスリンクのためにパラメータ情報および潜在的に他の情報を格納するためのメモリを含みうる。更に、アクセスポイントトランシーバは、アンテナおよびメモリに接続された制御論理を含みうる。制御論理は、方法をインプリメントするように構成されうる。方法は、以下のように実行されうる。
【0062】
ステップ502で、第1のデータスループットレートおよび第1のトランシーバの第1の受信バッファのサイズのインジケーションが受信され、格納されうる。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバは、第1の受信バッファのサイズおよび/または第1のデータスループットレートを決定しうる。それに応じて、第1のトランシーバは、第1のデータスループットおよび第1の受信バッファのサイズのインジケーションをアクセスポイント受信機に送信することがある。
【0063】
代替として、実施形態は、アクセスポイントトランシーバが別の方法で、第1のデータスループットレートおよび第1の受信バッファのサイズのインジケーションを受信しうることが考慮される。例えば、アクセスポイントトランシーバは、第1のワイヤレスデバイスのデバイスのタイプ/モデルに基づいてワイヤレスデバイスを受信バッファサイズおよびデータスループットレートと関連付けるデータベースにクエリすることができる。データベースは、他の可能なオプションに共通して、(例えば、アクセスポイントトランシーバによって)ローカルに格納/維持される、または(例えば、アクセスポイントトランシーバが通信するようにアクセスする別のデバイスによって)遠隔に格納/維持されうる。
【0064】
ステップ504で、第1のトランシーバへの送信のための第1のデータパケットの第1のサイズが決定されうる。第1のデータパケットの第1のサイズは、第1のデータスループットレートおよび/または受信バッファのサイズに基づいて決定されうる。いくつかの実施形態では、第1のデータパケットの第1のサイズは、第1の受信バッファのサイズにのみ基づきうる;例えば、第1のデータパケットの第1のサイズは、第1の受信バッファより小さくなりうる。いくつかの実施形態では、第1のデータパケットの第1のサイズは、整数値のパケットが第1の受信バッファにフィットするように決定されるが、他の実施形態では、これは、考慮されえない。
【0065】
ステップ506で、第1のサイズの第1のデータパケットは、第1のトランシーバに送信されうる。第1のサイズの第1のデータパケットは、第1のデータスループットレートより大きいシグナリングレート(ワイヤレスリンクのデータスループットレート)で第1のトランシーバに送信されうる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1のサイズのパケットが第1のトランシーバに送信されるべき第1の送信頻度がさらに決定されうる。この場合、複数の第1のサイズのデータパケットが第1の送信頻度で第1のトランシーバに送信されうる。第1の送信頻度は、ワイヤレスリンクのワイヤレスリンクデータスループットレート(例えば、シグナリングレートまたはPHYレート)に(少なくとも一部分)基づきうる。
【0067】
第1のサイズのパケットが第1のトランシーバに送信されるべき頻度は、第1のデータスループットレートに基づいて決定されうる。データパケットの第1のサイズおよび決定された頻度は、第1の受信バッファをオーバーフローすることを回避するように構成されうる。いくつかの実施形態において、データパケットの第1のサイズおよび決定された頻度は、より正確に、第1のデータスループットレートで実質的に第1のトランシーバにデータを供給するように構成されうる。言いかえれば、アクセスポイントトランシーバは、第1のデータスループットレートより高いシグナリングレートでデータパケットを送信するが、第1のトランシーバに第1のデータスループットレートとマッチするのに十分な頻度で(可能な頻度より少ない頻度で)データパケットを送信しうる。
【0068】
図5Bは、図5Aの方法のオプションの拡張を説明する。例えば、第1のトランシーバに第1のサイズのパケットを送信する第1の頻度を単に決定する代替として、アクセスポイントトランシーバは、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を推定するためにそれに利用可能な情報、およびそのような推定についてのベース送信情報(例えば、パケットのサイズおよび/または送信のタイミング)を利用しうる。図5Aの方法と同様に、方法は、アクセスポイントトランシーバの制御論理によってインプリメントされうる。方法は、以下のように実行されうる。
【0069】
ステップ508で、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量が推定されうる。第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量は、第1のデータスループットレート、第1の受信バッファのサイズ、第1のデータパケットの第1のサイズ、および第1のデータパケットの送信から今までの経過時間に基づいて推定されうる。例えば、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量は、以下の式に従って推定されうる:
EST=BUFF−(PACK−(THRU*TIME))
ここで、ESTは、推定されたメモリの利用可能な量であり、BUFFは、第1の受信バッファのサイズであり、PACKは、第1のデータパケットの第1のサイズであり、THRUは、第1のデータスループットレートであり、TIMEは、第1のデータパケットの送信から今までの経過時間である。この式が例示のために意図され、これに限定されないことに注意するべきである;第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を推定する他の方法がさらに想定されうる。
【0070】
ステップ510で、第1のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズが決定されうる。第2のデータパケットの第2のサイズは、第1の受信バッファ中の推定されたメモリの利用可能な量に基づいて決定されうる。第2のデータパケットの第2のサイズは、例えば、第1のトランシーバへの第2のサイズの第2のパケットの送信が第1の受信バッファをオーバーフローしないために、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量より少なくなりうる。第2のサイズが第1のサイズと同じであることがさらに可能であるが、第2のサイズは、第1のサイズと異なりうる。
【0071】
代替または追加として、いくつかの実施形態では、第1のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの送信のタイミングを決定するために、アクセスポイントトランシーバは、第1の受信バッファ中の推定されたメモリの利用可能な量をさらに使用しうる。例えば、第1の受信バッファ中の推定されたメモリの利用可能な量が非常に小さいので、第1の受信バッファ中の利用可能な量のメモリに完全にバッファされるために十分に小さいパケットを構築することが相対的に非効率である場合、アクセスポイントトランシーバは、第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を再評価することおよび第2のデータパケットの第2のサイズを決定する前に、(例えば、第1のデータスループットレートの知識と第1の受信バッファ中の推定されたメモリの利用可能な量とに基づいて)所定の時間または動的な量の時間待機しうる。
【0072】
ステップ512で、第2のサイズの第2のデータパケットは、第1のトランシーバに送信されうる。第1のサイズの第1のデータパケットと同様に、第2のサイズの第2のデータパケットは、第1のデータスループットレートより高いシグナリングレート(ワイヤレスリンクのデータスループットレート)で送信されうる。
【0073】
いくつかの実施形態では、アクセスポイントトランシーバは、第1のトランシーバとのワイヤレスリンクがアクティブであるのに加えて、(例えば、別のワイヤレスデバイスにおける)ワイヤレスリンクを第2のトランシーバへ拡張することができうる。例えば、WLANインプリメンテーションでは、アクセスポイントワイヤレスデバイスは、ワイヤレスネットワークを形成するために複数のワイヤレスデバイスとワイヤレスリンクを形成するように構成されうる。
【0074】
第2のトランシーバがワイヤレスリンクのデータスループットレートよりさらに低い第2のデータスループットレートおよび第2の受信バッファを有する場合、アクセスポイントトランシーバは、第2のトランシーバに関して、第1のトランシーバに関して記述されるような、方法の1つまたは複数の態様を実行するように構成されうる。
【0075】
例えば、この場合において、アクセスポイントトランシーバは、第2のデータスループットレートおよび第2の受信バッファのサイズのインジケーションを受信し格納するように構成されうる。第2のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズは、第2のデータスループットレートおよび/または第2の受信バッファのうちの1つまたは複数に基づいて決定されうる。第2のサイズの第2のデータパケットは、第2のデータスループットレートより高いデータレートで第2のトランシーバに送信されうる。
【0076】
方法の他の態様が第2のトランシーバに関してさらに実行されうる。代替として、いくつかの実施形態では、第2のトランシーバへのワイヤレスリンクの拡張は、第1のデータスループットレートも第2のデータスループットレートも超えそうにないポイントに対して第1および第2のトランシーバの各々へのワイヤレスリンクを通じて効率的にデータスループットを低減しうる。この場合において、第1および第2トランシーバの各々へのワイヤレスリンクを通じてのシグナリングレートは、第1および第2のデータスループットレートより高いままであるが、送信は、アクセスポイントトランシーバと第1のトランシーバとの間、およびアクセスポイントトランシーバと第2のトランシーバとの間で時々交互に行うので、第1の受信バッファも第2の受信バッファもオーバーフローを経験しえない。
【0077】
アクセスポイントトランシーバは、この場合、ワイヤレスリンクを通じての第1のトランシーバへのデータスループットが(例えば、第2のトランシーバへのワイヤレスリンクの拡張に基づいて)第1のデータスループットを超えそうにないと決定しうるこれに応じて、アクセスポイントトランシーバは、第1のデータスループットレートまたは第1の受信バッファのサイズに基づいて第1のトランシーバに対する送信のためのデータパケットのサイズを決定しえない。言い換えれば、アクセスポイントトランシーバは、第1のワイヤレスデバイスのためのフロー制御をする必要がもはやないと決定する場合、第1のデバイスのためのフロー制御をもはや実行しえない。
【0078】
したがって、図5A−5Bの方法に従って、アクセスポイントトランシーバは、受信バッファオーバーフローを経験することも、パケットロスを生じることも、そして送信再試行に対応することもなく、第1のトランシーバが第1のトランシーバのデータスループットより高いシグナリングレートでデータパケットを受信するような方法で、アクセスポイントトランシーバから第1のトランシーバへの送信のフローを制御しうる。
【0079】
方法の1つの利点は、方法がアクセスポイントトランシーバによってインプリメントされることがあるので、古いデバイスでさえの第1のトランシーバとしてインプリメントされ、利点を取得することが可能でありうる。実施形態に応じて、(例えば、第1のトランシーバの受信バッファサイズおよび第1のデータスループットレートのインジケーションを決定し送信するように構成するために)そのようなより古い第1のトランシーバは、ドライバー更新を要求するまたは要求しえない。これは、より古いデバイスが(例えば、より古いプロセッサまたはワイヤレスリンクインタフェースに起因して)データスループットに対してデバイスベースの制限を有している場合に特に有用でありうる。
【0080】
以上で記述される、図5A−5Bに類似して、図6A−6Bは、第1のトランシーバとアクセスポイントトランシーバとの間のワイヤレスリンク中のチャネル効率を改善する方法を説明する。図5A−5Bの方法とは対照的に、図6A−6Bの方法は、第1のトランシーバによって実行され、アクセスポイントトランシーバから受信される送信信号に関して受信フローを実行するために省電力モードをレバレッジすることによって動作しうる。
【0081】
ステップ602で、ワイヤレスリンクを介して(例えば、第1のトランシーバのアンテナを介して)受信されうる。第1のデータフレームは、アクセスポイントトランシーバから受信されうる。
【0082】
ステップ604で、第1のデータフレームは、受信バッファに格納されうる。
【0083】
ステップ606で、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定しうる。受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、受信バッファ中に格納されている第1のデータフレームの結果として第1のしきい値未満に減少しうる。第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクを介して受信するデータと同じほどの速さでワイヤレスリンクを介して受信したデータを処理できないので、受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、第1しきい値未満に減少しうる。例えば、第1のトランシーバのデータスループットレートは、例えば、プロセッサ制限、ワイヤレスリンクインタフェース制限、および/または第1の受信機の他の制限のために、ワイヤレスリンクのデータスループットレート(例えば、シグナリングレート)より低くなりうる。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1のしきい値は、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1しきい値未満に減少する場合に受信バッファ中の実質的に利用可能なメモリが全くないとなるように構成されうる。代替として、例えば、(ステップ608および610に対して後で続くように記述される)フレーム肯定応答がアクセスポイントによって受信される前に任意の後の受信データのために十分なバッファを残すために、受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1しきい値未満に減少する場合に、受信バッファ中の利用可能なメモリのある少量または適度な量が残ることになるように構成されうる。第1のしきい値に対する様々な他の値のうちの任意の値が考慮される。
【0085】
ステップ608で、フレーム肯定応答が生成されうる。フレーム肯定応答は、第1のデータフレームの受信を肯定応答しうる。フレーム肯定応答は、さらに受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であるとの決定に基づいて、省電力モードの開始を示しうる。
【0086】
ステップ610で、フレーム肯定応答は、アクセスポイントトランシーバに送信されうる。アクセスポイントトランシーバは、省電力モードの開始のインジケーションに基づいて、フレーム肯定応答を受信した後に第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しえない。例えば、アクセスポイントトランシーバは、省電力モードの開始のインジケーションに基づいて、第1のトランシーバが現在、省電力モードであり、送信を受信することができないと決定しうる。
【0087】
第1のトランシーバは、ワイヤレスリンクが形成されることに従ってワイヤレス通信プロトコルの一部として、第1のトランシーバがワイヤレスにデータを送信も受信もせず、第1のトランシーバがデータを処理しない省電力モードに入ることが可能であることに注意するべきである。1つの例として、省電力メカニズムは、802.11プロトコルに存在する。他の省電力メカニズムがさらに知られている。方法のいくつかの実施形態において、省電力モードの開始が生じたことをフレーム肯定応答中で示しているにもかかわらず、第1のトランシーバは、実際に省電力モードに入りえないことに注意するべきである。言いかえれば、第1のトランシーバは、省電力モードの開始が生じたが、例えば、第1の受信バッファ中にスペースを空けるために、ワイヤレスリンクを介して受信したデータを処理することをアクティブにしたままでありうる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、図6Bに示されるように継続され、そのことに関して以下に記述されうる。
【0088】
ステップ612では、受信バッファ中の第1のデータフレームが処理されうる。いくつかの実施形態に従って、第1のトランシーバは、プロセッサまたは受信バッファ中の第1のデータフレームを処理するように構成される他の論理を含みうる。
【0089】
ステップ614で、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えることが決定されうる。受信バッファ中の利用可能なメモリの量は、受信バッファ中の第1のデータフレームの処理に基づいて第2のしきい値を超えて増加しうる。第2のしきい値は、様々な値のうちの任意の値を有し、様々な方法のうち任意の方法で構成されうる。1つの例として、第2のしきい値は、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が少なくとも1つの追加のデータフレームをバッファするのに十分であるように構成されうる。いくつかの実施形態では、第2のしきい値は、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超える前に、実質的に受信バッファ中のメモリのすべてが利用可能であるように決定されうる。しかしながら、いくつかの実施形態では、それは、受信データの処理におけるギャップを避けるために、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えて上昇するときに、第1のトランシーバのための受信バッファ中にある受信したデータが処理するために残っていることが望ましくなりうる。
【0090】
ステップ616で、受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えていることを決定することに基づいて、第1のトランシーバによって省電力モードの終了のインジケーションは、生成されうる。省電力モードの終了のインジケーションは、アクセスポイントトランシーバへの送信のために構成されうる。例えば、省電力モードの終了のインジケーションは、第1のトランシーバがワイヤレスリンクを介して受信データをいつでも受信できることをアクセスポイントに示すように構成されうる。
【0091】
ステップ618で、第1のトランシーバによる省電力モードの終了のインジケーションは、アクセスポイントトランシーバに送信されうる。アクセスポイントトランシーバは、第1のトランシーバによる省電力モードの終了のインジケーションを受信した後に、第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しうる。いくつかの実施形態では、次のデータフレームは、第1のトランシーバのデータスループットレートより高いデータレート(例えばシグナリングレート)でワイヤレスリンクによって第1のトランシーバに送信されうる。
【0092】
したがって、図6A−6Bの方法に従って、第1のトランシーバは、アクセスポイントトランシーバからの送信の受信フローを制御するために現行の省電力メカニズムをレバレッジしうる。その結果として、第1のトランシーバは、受信バッファオーバーフローを経験することなく第1の受信バッファのデータスループットレートより高いシグナリングレートでデータフレームを受信することができ、結果としてパケットロスおよび送信再試行に対応することが生じない。
【0093】
図6A−6Bの方法は、第1のトランシーバへのデータフローが第1のトランシーバによって制御される限りにおいて有利であり、アクセスポイントトランシーバでアップデートが必要になりえない。しかしながら、方法が第1のトランシーバ中の方法をインプリメントするためにハードウェアアップデートを要求することがあるので、レガシーデバイスは、方法の利点を取得することができえない。
【0094】
方法に対する可能な1つの関係は、省電力モード開始および終了インジケーションが過度に頻繁に交換される場合、被るオーバヘッドがワイヤレスリンクを介する通信にネガティブに影響しうる。しかしながら、受信バッファが平均フレームと比較して相対的に大きい場合、この交換は、相対的に低頻度で生じうる。
【0095】
例示的な表
以下に提供される表1は、2つのデバイスの間のワイヤレスリンクがPHYレートによって制限されていなければならないか、制限のない例示的なWLANインプリメンテーションにおける受信バッファサイズによってのみ制限される場合の、受信期間およびチャネル効率への影響を比較するものである。表1の例示的なインプリメンテーションでは、256QAM変調、80MHzチャネル、単一のチェーン通信、1500B(AMSDUはない)のMSDUサイズ、および32MPDU/MSDUの最大AMPDUサイズをサポートするデバイスを仮定する。したがって、最も高くサポートされるPHYレート(ワイヤレスリンクデータスループットレート)は、433Mbpsである。さらに、デバイスが250Mbpsのデバイスデータスループットに制限されるハードウェアであると仮定される。
【表1】
【0096】
第1のケース(PHYレートによる制限)は、ワイヤレスリンクのPHYレートが受信ワイヤレスデバイスによってサポートされるレベル(234Mbps)に落ちた状態である。他の3つのケース(AMPDUサイズを制限)は、最大限サポートされるPHYレート(433Mbps)がワイヤレスリンクのために使用されるが、(例えば、図5−6の方法のいずれかにしたがって)トラフィックフロー制御がチャネル効率を改善するために使用される状況を説明する。これらの3つのケースでは、受信バッファのサイズがチャネル効率に影響するが、示されるように、チャネル効率は、受信バッファサイズが例示のPHYレートを制限する場合より小さい場合でさえPHYレートに関して著しく改善される。
【0097】
上記の実施形態は、相当に詳細に記述したが、多数の変形および修正は、一旦上記開示が完全に評価されれば、当業者に対して明白になることになる。以下の請求項は、そのような変形および修正のすべて包含するように解釈されることが意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] アクセスポイントトランシーバと第1のトランシーバとの間のワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するための方法であって、前記第1のトランシーバは、前記ワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低い第1のデータスループットレートを有し、前記第1のトランシーバは、第1の受信バッファを備え、前記方法は、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1のデータスループットレートおよび前記第1の受信バッファのサイズのインジケーションを受信し、格納することと、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1のトランシーバへの送信のための第1のデータパケットの第1のサイズを決定することと、ここで、前記決定は、(1)前記第1のデータスループット、および/または(2)前記第1の受信バッファの前記サイズのうちの1つまたは複数に基づく、
前記アクセスポイントが、前記第1のデータスループットレートより高いデータレートで、前記第1のトランシーバに前記第1のサイズの前記第1のデータパケットを送信することと
を備える、方法。
[C2] 前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1のサイズのパケットが前記第1のデータスループットレートに基づいて前記第1のトランシーバに送信されるべき第1の送信頻度を決定することと、
前記第1の送信頻度で前記第1のトランシーバに複数の前記第1のサイズのデータパケットを送信することと
をさらに備え、前記送信することは、前記第1のデータスループットレートより高いデータレートで実行される、C1に記載の方法。
[C3] 前記アクセスポイントが、前記第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を推定することと、ここで、前記推定することは、前記第1のデータスループットレート、前記第1の受信バッファの前記サイズ、前記第1のデータパケットの前記サイズ、および前記第1のデータパケットの送信から今までの経過時間に基づく、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1の受信バッファ中の前記推定されたメモリの利用可能な量に基づいて前記第1のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズを決定することと、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1のデータスループットレートより高いデータレートで前記第1のトランシーバに前記第2のサイズの前記第2のデータパケットを送信することと
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C4] 前記第1のデータスループットレートは、前記第1のトランシーバによって決定され、
前記第1のデータスループットレートおよび前記受信バッファ中の前記サイズの前記インジケーションは、前記アクセスポイントトランシーバが、前記第1のトランシーバから受信する、
C1に記載の方法。
[C5] 前記第1のデータスループットレートは、(1)前記第1のトランシーバのワイヤレスリンク、および/または(2)前記第1のトランシーバの処理能力のうちの1つまたは複数の前記データスループットレートのために、前記ワイヤレスリンクの前記最大限可能なデータスループットレートより低い、
C1に記載の方法。
[C6] 前記アクセスポイントトランシーバが、第2のトランシーバに前記ワイヤレスリンクを拡張することと、ここで、前記第2のトランシーバは、前記ワイヤレスリンクの前記最大限可能なデータスループットレートより低い第2のデータスループットレートを有し、前記第2のトランシーバは、第2の受信バッファを備える、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第2のデータスループットレートおよび前記第2の受信バッファのサイズのインジケーションを受信することと、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第2のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズを決定することと、ここで、前記決定することは、(1)前記第2のデータスループットレート、および/または(2)前記第2の受信バッファの前記サイズのうちの1つまたは複数に基づいて決定される、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記第2のデータスループットレートより高いデータレートで前記第2のトランシーバに前記第2のサイズの前記第2のデータパケットを送信することと
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C7] 前記アクセスポイントトランシーバが、第2のトランシーバに前記ワイヤレスリンクを拡張することと、
前記アクセスポイントトランシーバが、前記ワイヤレスリンクを通じた前記第1のトランシーバへのデータスループットが前記第2のトランシーバへの前記ワイヤレスリンクの前記拡張に基づいて前記第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定することと
をさらに備え、前記アクセスポイントトランシーバは、前記ワイヤレスリンクを通じた前記第1のトランシーバへのデータスループットが前記第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定することに応じて、前記第1のデータスループットレートまたは前記第1の受信バッファの前記サイズに基づいて前記第1のトランシーバに送信するためのデータパケットのサイズを決定しない、
C1に記載の方法。
[C8] 前記第1のデータパケットの前記第1のサイズは、前記第1の受信バッファの前記サイズより小さい、
C1に記載の方法。
[C9] 前記第1の受信バッファは、前記第1のトランシーバによって処理するために前記ワイヤレスリンクを通じて前記第1のトランシーバによって受信された情報を格納する、
C1に記載の方法。
[C10] 前記ワイヤレスリンクは、802.11ワイヤレスリンクである、
C1に記載の方法。
[C11] 第1のトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するように構成されるアクセスポイントトランシーバであって、前記第1のトランシーバは、前記ワイヤレスリンクの最大限可能なデータスループットレートより低い第1のデータスループットレートを有し、前記第1のトランシーバは、第1の受信バッファを備え、前記アクセスポイントトランシーバは、
ワイヤレス信号を受信し送信するためのアンテナと、
前記ワイヤレスリンクのためのパラメータ情報を格納するためのメモリと、
前記アンテナおよび前記メモリに接続された制御論理と
を備え、前記制御論理は、
前記第1のデータスループットレートおよび前記第1の受信バッファのサイズのインジケーションを受信し
前記第1のデータスループットレートおよび前記メモリの前記第1の受信バッファの前記サイズを示す情報を格納し、
(1)前記第1のデータスループット、および/または(2)前記第1の受信バッファの前記サイズのうちの1つまたは複数に基づいて前記第1のトランシーバへの送信のための第1のデータパケットの第1のサイズを決定し、
前記アンテナを介して、前記第1のデータスループットレートより高いデータレートで、前記第1のトランシーバに前記第1のサイズの前記第1のデータパケットを送信する
ように構成される、アクセスポイントトランシーバ。
[C12] 前記制御論理は、
前記第1のサイズのパケットが前記第1のデータスループットレートに基づいて前記第1のトランシーバに送信されるべき第1の送信頻度を決定し、
前記アンテナを介して、前記第1の送信頻度で前記第1のトランシーバに複数の前記第1のサイズのデータパケットを送信する
ようにさらに構成され、前記送信することは、前記第1のデータスループットレートより高いレートである、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C13] 前記制御論理は、
前記第1のデータスループットレート、前記第1の受信バッファの前記サイズ、前記第1のデータパケットの前記サイズ、および前記第1のデータパケットの送信から今までの経過時間に基づいて前記第1の受信バッファ中のメモリの利用可能な量を推定し、
前記第1の受信バッファ中の前記推定されたメモリの利用可能な量に基づいて前記第1のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズを決定し、
前記アンテナを介して、前記第1のデータスループットレートより高いデータレートで前記第1のトランシーバに前記第2のサイズの前記第2のデータパケットを送信する
ようにさらに構成される、C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C14] 前記第1のデータスループットレートは、(1)前記第1のトランシーバのワイヤレスリンクインタフェース、および/または(2)前記第1のトランシーバの処理能力のうちの1つまたは複数の前記データスループットレートのために、前記ワイヤレスリンクの前記最大限可能なデータスループットレートより低い、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C15] 前記制御論理は、
第2のトランシーバに前記ワイヤレスリンクを拡張し、ここで、前記第2のトランシーバは、前記ワイヤレスリンクの前記最大限可能なデータスループットレートより低い第2のデータスループットレートを有し、前記第2のトランシーバは、第2の受信バッファを備える、
前記第2のデータスループットレートおよび前記第2の受信バッファのサイズのインジケーションを受信し、
前記メモリに前記第2のデータスループットレートおよび前記第2の受信バッファの前記サイズをインジケートする情報を格納し、
(1)前記第2のデータスループットレート、および/または(2)前記第2の受信バッファの前記サイズのうちの1つまたは複数に基づいて前記第2のトランシーバへの送信のための第2のデータパケットの第2のサイズを決定し、
前記アンテナを介して、前記第2のデータスループットレートより高いデータレートで前記第2のトランシーバに前記第2のサイズの前記第2のデータパケットを送信する
ようにさらに構成される、C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C16] 前記制御論理は、
第2のトランシーバに前記ワイヤレスリンクを拡張し、
前記ワイヤレスリンクを通じた前記第1のトランシーバへのデータスループットが前記第2のトランシーバの前記ワイヤレスリンクの前記拡張に基づいて前記第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定する
ようにさらに構成され、前記アクセスポイントトランシーバは、前記ワイヤレスリンクを通じた前記第1のトランシーバへのデータスループットが前記第1のデータスループットレートを超えそうもないと決定することに応じて、前記第1のデータスループットレートまたは前記第1の受信バッファの前記サイズに基づいて前記第1のトランシーバに送信するためのデータパケットのサイズを決定しないように構成される、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C17] 前記第1のデータパケットの前記第1のサイズは、前記第1の受信バッファの前記サイズより小さい、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C18] 前記第1の受信バッファは、前記第1のトランシーバによって処理するために前記ワイヤレスリンクを通じて前記第1のトランシーバによって受信された情報を格納する、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C19] 前記制御論理は、前記第1のトランシーバから、前記アンテナを介して、前記第1のデータスループットレートおよび前記第1の受信バッファの前記サイズの前記インジケーションを受信するように構成される、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C20] 前記ワイヤレスリンクは、802.11ワイヤレスリンクであり、前記アクセスポイントトランシーバは、802.11アクセスポイントトランシーバである、
C11に記載のアクセスポイントトランシーバ。
[C21] アクセスポイントトランシーバとのワイヤレスリンクにおけるチャネル効率を改善するために第1のトランシーバが使用するための方法であって、前記第1のトランシーバは、第1の受信バッファを備え、前記方法は、
前記ワイヤレスリンクを介して前記アクセスポイントトランシーバから第1のデータフレームを受信することと、
前記受信バッファ中に前記第1のデータフレームを格納することと、
前記受信バッファ中の利用可能なメモリの量が第1のしきい値未満であると決定することと、
フレーム肯定応答を生成することと、ここで前記フレーム肯定応答は、前記第1のトランシーバによって前記第1のデータフレームの受信を肯定応答し、前記フレーム肯定応答は、前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第1のしきい値未満であるとの前記決定に基づいて、前記第1のトランシーバによって省電力モードの開始のインジケーションをさらに備える、
前記アクセスポイントトランシーバに前記フレーム肯定応答を送信することと
を備え、前記アクセスポイントトランシーバは、前記省電力モードの開始の前記インジケーションに基づいて前記フレーム肯定応答を受信した後に前記第1のトランシーバに次のデータフレームを送信しない、
方法。
[C22] 前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを処理することと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が第2のしきい値を超えると判断することと、
前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量が前記第2のしきい値を超えるとの前記決定に基づいて前記第1のトランシーバが前記省電力モードの終了のインジケーションを生成することと、
前記アクセスポイントトランシーバに前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを送信することと
をさらに備え、前記アクセスポイントトランシーバは、前記第1のトランシーバによって前記省電力モードの終了の前記インジケーションを受信した後に前記第1のトランシーバに前記次のデータフレームを送信する、
C21に記載の方法。
[C23] 前記受信バッファ中の前記利用可能なメモリの量は、前記受信バッファ中の前記第1のデータフレームを前記処理することに基づいて前記第2のしきい値を超えて増加する、
C22に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B