(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画成手段は、前記開閉手段を前記採取口に取り付けた状態で当該採取口内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が前記案内路とされるとともに、当該筒状部材の外周面と前記採取口の内周面との間が前記排出路とされることを特徴とする請求項2記載の透析液取出装置。
前記筒状部材には、前記案内路と排出路とを連通するための連通部が形成されるとともに、当該連通部は、前記案内路から排出路に流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせ得ることを特徴とする請求項3記載の透析液取出装置。
前記透析液取出手段は、前記採取口の外周を覆う円筒状の外周壁部を有するとともに、前記開閉手段は、当該外周壁部の外周面又は突端面との間でシールするシール手段を具備したことを特徴とする請求項5記載の透析液取出装置。
前記採取口の内部が前記案内路とされるとともに、当該採取口の外周面と前記外周壁部の内周面との間が前記排出路とされたことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の透析液取出装置。
前記透析液取出手段は、前記採取口に前記開閉手段が取り付けられた状態のとき、前記案内路及び排出路の液体の流れを許容するとともに、前記採取口が開状態のとき、当該採取口を閉止する閉止手段を具備したことを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の透析液取出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の透析液取出装置においては、キャップ(開閉手段)から洗浄水又は消毒液を流通させるための流路を延設しなければ、洗浄水や消毒液を採取口内部に至らせることが困難であるという問題があった。すなわち、単に採取口の外周面に対してシールするキャップを採用したとしても、採取口内部に単一の閉空間が形成されるのみであるため、透析液導入ラインを流れる液体が当該採取口の内部まで流通することはほとんどなく、流通させるためには、キャップから延設された別個の流路が必要とされるのである。別個の流路を延設させる場合は、その流路の取り回しが新たに必要となる他、保守管理が煩わしいという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開閉手段から別個の流路を延設させることなく、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる透析液取出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、液体の流路に接続されて当該液体を流通させ得る導入口及び導出口が形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口が形成された透析液取出手段と、該透析液取出手段の採取口に対して脱着可能とされ、当該採取口を開閉し得る開閉手段とを具備した透析液取出装置において、前記開閉手段が前記採取口に取り付けられた状態で、前記導入口から導入された液体を前記採取口内に案内する案内路と、該案内路で案内された液体を前記導出口側へ排出させる排出路とが形成されるとともに、前記透析液取出手段は、前記導入口から導入された液体のうち、前記案内路に向かって流れる液体の圧力を前記導出口に向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段を具備し
、且つ、前記圧力差形成手段は、前記導入口から前記導出口に向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのオリフィス又はベンチュリー形状から成ることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の透析液取出装置において、前記開閉手段は、前記採取口の外周面との間でシールするシール手段と、前記採取口に取り付けられた状態で当該採取口の内部を画成し、前記案内路及び前記排出路を形成する画成手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の透析液取出装置において、前記画成手段は、前記開閉手段を前記採取口に取り付けた状態で当該採取口内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が前記案内路とされるとともに、当該筒状部材の外周面と前記採取口の内周面との間が前記排出路とされることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の透析液取出装置において、前記筒状部材には、前記案内路と排出路とを連通するための連通部が形成されるとともに、当該連通部は、前記案内路から排出路に流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせ得ることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の透析液取出装置において、前記採取口は、前記開閉手段が取り付けられた状態で、前記案内路と前記排出路とを画成することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の透析液取出装置において、前記透析液取出手段は、前記採取口の外周を覆う円筒状の外周壁部を有するとともに、前記開閉手段は、当該外周壁部の外周面又は突端面との間でシールするシール手段を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の透析液取出装置において、前記採取口の内部が前記案内路とされるとともに、当該採取口の外周面と前記外周壁部の内周面との間が前記排出路とされたことを特徴とする。
【0019】
請求項
8記載の発明は、請求項1〜
7の何れか1つに記載の透析液取出装置において、前記透析液取出手段は、前記採取口からの液体の流出を許容するとともに当該採取口からの液体の流入を遮断する逆止弁を具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項
9記載の発明は、請求項1〜
7の何れか1つに記載の透析液取出装置において、前記透析液取出手段は、前記採取口に前記開閉手段が取り付けられた状態のとき、前記案内路及び排出路の液体の流れを許容するとともに、前記採取口が開状態のとき、当該採取口を閉止する閉止手段を具備したことを特徴とする。
【0022】
請求項
10記載の発明は、請求項1〜
9の何れか1つに記載の透析液取出装置を具備したことを特徴とする血液浄化装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、開閉手段が採取口に取り付けられた状態で、導入口から導入された液体を採取口内に案内する案内路と、該案内路で案内された液体を導出口側へ排出させる排出路とが形成されるので、案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、開閉手段から別個の流路を延設させることなく、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。
また、透析液取出手段は、導入口から導入された液体のうち、案内路に向かって流れる液体の圧力を導出口に向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段を具備したので、当該圧力差形成手段で生じた圧力差によって、案内路及び排出路に対してより確実に洗浄水又は消毒液を流通させることができる。
さらに、圧力差形成手段は、導入口から導出口に向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのオリフィス又はベンチュリー形状から成るので、導入口から導出口に向かって流れる液体の圧力を導入口から採取口に向かって流れる液体の圧力に対して相対的に小さくすることができ、当該案内路及び排出路に対して確実な洗浄水又は消毒液の流通を図ることができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、開閉手段は、採取口の外周面との間でシールするシール手段と、採取口に取り付けられた状態で当該採取口の内部を画成し、案内路及び排出路を形成する画成手段とを具備したので、開閉手段に画成手段を具備させて当該画成手段にて案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、画成手段は、開閉手段を採取口に取り付けた状態で当該採取口内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路とされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口の内周面との間が排出路とされるので、簡単な構成で採取口内において洗浄水又は消毒液を良好に流通させることができ、当該採取口内部の洗浄及び消毒をより確実に行わせることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、筒状部材には、案内路と排出路とを連通するための連通部が形成されるとともに、当該連通部は、案内路から排出路に流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせ得るので、採取口の内周面をより一層確実に洗浄又は消毒することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、採取口は、開閉手段が取り付けられた状態で、案内路と排出路とを画成するので、開閉手段に画成手段を具備させることなく案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。さらに、採取口が液体を採取させる機能に加えて案内路と排出路とを画成する機能を兼ね備えるため、別個の画成手段等を不要として構成を簡略化させることができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、透析液取出手段は、採取口の外周を覆う円筒状の外周壁部を有するとともに、開閉手段は、当該外周壁部の外周面又は突端面との間でシールするシール手段を具備したので、開閉手段を採取口に取り付けた状態で、案内路と排出路との画成をより確実に行わせることができるとともに、洗浄水又は消毒液の流通をより良好に行わせることができる。
【0029】
請求項7の発明によれば、採取口の内部が案内路とされるとともに、当該採取口の外周面と外周壁部の内周面との間が排出路とされたので、案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液をより円滑且つ良好に流通させることができる。
【0034】
請求項
8の発明によれば、透析液取出手段は、採取口からの液体の流出を許容するとともに当該採取口からの液体の流入を遮断する逆止弁を具備したので、例えばシリンジや補液ライン等を採取口に接続した際、当該シリンジ内の液体や補液ライン等の先端に接続された流路内の液体が採取口から流入してしまうのを回避することができる。
【0035】
請求項
9の発明によれば、透析液取出手段は、採取口に開閉手段が取り付けられた状態のとき、案内路及び排出路の液体の流れを許容するとともに、採取口が開状態のとき、当該採取口を閉止する閉止手段を具備したので、開閉手段が採取口に取り付けられていない状態でも、当該採取口から液体が外部に漏れ出てしまうのを回避することができる。
【0037】
請求項
10の発明によれば、案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、開閉手段から別個の流路を延設させることなく、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる血液浄化装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態
及び参考例について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態
及び参考例に係る透析液取出装置は、血液浄化治療(血液透析治療)で使用される血液浄化装置に配設され、透析液を採取可能とされたものである。適用される血液浄化装置は、
図1に示すように、ダイアライザ1(血液浄化器)に動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3が接続された血液回路と、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2を有した透析装置本体Bとから主に構成されている。
【0040】
ダイアライザ1は、血液を浄化するためのもので、血液回路を構成する動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3とそれぞれ接続されるとともに、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されており、動脈側穿刺針aから採取された患者の血液を血液回路にて体外循環させ、ダイアライザ1にて血液浄化及び除水した後、静脈側穿刺針bから患者に戻すようになっている。なお、図中符号5、6は、エアトラップチャンバを示している。
【0041】
また、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2には、所定濃度に調製された透析液をダイアライザ1に供給し、当該ダイアライザ1から排出させる複式ポンプ7が接続されている。さらに、透析装置本体B内には、バイパスラインや電磁弁が任意位置に複数配設されており、複式ポンプ7をバイパスさせるバイパスラインには、除水ポンプ8が接続されている。
【0042】
そして、透析装置本体B内の配管を消毒又は洗浄するには、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端をダイアライザ1から取り外し、例えばカプラ等により当該先端同士を互いに接続して配管を短絡させた後、透析装置本体Bの外部(例えば透析液供給装置等)から消毒液(熱湯や消毒薬液)又は洗浄水(清浄水)を導入して当該透析装置本体Bにおける配管内の液体(透析液等)と置換することにより行われる。なお、例えば透析液排出ラインL2から流路を分岐させ、その先端を消毒液等が収容されたタンクに挿入させることにより、当該タンク内から消毒液等を配管内に導入して置換させるようにしてもよい。
【0043】
ここで、透析液導入ラインL1には、
第1の参考例に係る透析液取出装置が接続されている。本
参考例に係る透析液取出装置は、
図2〜5に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口9a及び導出口9bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口9cが形成された透析液取出手段9と、該透析液取出手段9の採取口9cに対して脱着可能とされ、当該採取口9cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0044】
より具体的には、透析液取出手段9は、その導入口9a及び導出口9bのそれぞれに透析液導入ラインL1が接続され、内部に透析液を流通可能とされたもので、その流路(導入口9aから導出口9bに向かって透析液が流れる流路)は、分岐部Pで略90度折れ曲がってL字状に延設されているとともに、採取口9cは、導入口9aに対して略同一直線上に位置するよう形成されている。なお、本
参考例においては、採取口9cが形成された部位は、導入口9a及び導出口9bが形成された部位とは別部材とされ、それらがシール部材eを介して連結された構成とされているが、一体部品であってもよい。
【0045】
さらに、採取口9cは、キャップ10(開閉手段)を取り外した状態でシリンジS(
図5参照)又は接続ライン(先端が血液回路の所定部位に接続された補液ライン)等の接続手段が接続されるもので、外周面に雄ネジ部9caが形成されている。かかる雄ネジ部9caは、キャップ10の雌ネジ部10a或いは接続ラインの基端に形成されたロックリング等と噛み合うよう形成されており、当該キャップ10又はロックリングを螺合させて固定可能とされている。
【0046】
開閉手段としてのキャップ10は、シリンジSの先端部Sa或いは接続ラインの基端を接続可能な所謂サンプルポートと称されるもので、
図3に示すように、採取口9cの外周面との間でシールするOリング等から成るシール手段11と、採取口9cに取り付けられた状態で当該採取口9cの内部を画成し、導入口9aから導入された液体(透析液や消毒液等)を採取口9c内に案内する案内路αと、該案内路αで案内された液体を導出口9b側へ排出させる排出路βとを形成する画成手段12とを具備している。
【0047】
より具体的には、画成手段12は、キャップ10を採取口9cに取り付けた状態で当該採取口9c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口9cの内周面9cbとの間が排出路βとされる。画成手段12を構成する円筒状部材には、
図3、4に示すように、内外を貫通して案内路αと排出路βとを連通するための一対の連通部12aが形成されており、案内路αに導かれた液体が当該連通部12aを介して排出路β側に流出可能とされている。
【0048】
なお、本
参考例においては、画成手段12が円筒状部材で構成されているが、案内路αと排出路βとを画成し得る筒状の部材であれば他の形状のものであってもよい。さらに、本
参考例においては、連通部12aが画成手段12を構成する筒状部材の所定位置に形成された孔とされているが、案内路αと排出路βとを連通させ得るものであれば、切欠き等であってもよい。
【0049】
一方、透析液取出手段9には、排出路βと分岐部Pより導出口9b側の流路とを連結させるための連結路γが形成されている。これにより、導入口9aから分岐部Pを介して採取口9cに向かって流れた液体は、案内路α、排出路β及び連結路γを通って排出口9bから排出され、導入口9aから分岐部Pを介して導出口9bに向かって流れる液体と合流して当該導出口9bから流出し得るようになっている。
【0050】
ここで、本
参考例に係る透析液取出手段9は、導入口9aから導入された液体のうち、案内路αに向かって流れる液体の圧力を導出口9bに向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段13を具備している。かかる圧力差形成手段13は、透析液取出手段9の分岐部P近傍に配設され、導入口9aから採取口9cに向かって流れる液体の流通路13aを有して成るとともに、当該流通路13aは、流路の径が採取口9c側(
図2中右側)に向かって次第に小さくなるテーパ面とされている。これにより、導入口9aから採取口9cに向かって流れる液体の圧力を導入口9aから排出口9bに向かって流れる液体の圧力に対して相対的に大きくすることができる。
【0051】
上記第1の
参考例によれば、キャップ10は、採取口9cの外周面との間でシールするシール手段11と、採取口9cに取り付けられた状態で当該採取口9cの内部を画成し、導入口9aから導入された液体を採取口9c内に案内する案内路αと、該案内路αで案内された液体を導出口9b側へ排出させる排出路βとを形成する画成手段12とを具備したので、案内路α及び排出路βを介して採取口9c内部で洗浄水又は消毒液を流通させることができ、キャップ10から別個の流路を延設させることなく、採取口9c内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。
【0052】
また、画成手段12は、キャップ10を採取口9cに取り付けた状態で当該採取口9c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口9cの内周面9cbとの間が排出路βとされるので、簡単な構成で採取口9c内において洗浄水又は消毒液を良好に流通させることができ、当該採取口9c内部(特に内周面9cb)の洗浄及び消毒をより確実に行わせることができる。
【0053】
さらに、透析液取出手段9は、導入口9aから導入された液体のうち、案内路α(すなわち採取口9c)に向かって流れる液体の圧力を導出口9bに向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段13を具備したので、当該圧力差形成手段13で生じた圧力差によって、案内路α及び排出路βに対してより確実に洗浄水又は消毒液を流通させることができる。
【0054】
特に、本
参考例によれば、圧力差形成手段13は、導入口9aから採取口9cに向かって流れる液体の流通路を有して成るとともに、当該流通路は、流路の径が採取口9c側に向かって次第に小さくなるテーパ面とされたので、案内路αと排出路βとの間に圧力差を設けることができ、当該案内路α及び排出路βに対して確実な洗浄水又は消毒液の流通を図ることができる。
【0055】
またさらに、透析液取出手段9における導入口9a及び採取口9cは、略同一直線上に形成されて成るので、導入口9aから導入された液体が採取口9cに向かってそのまま流れることとなり、より確実且つ良好に案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口9c内部の洗浄及び消毒を一層確実に行わせることができる。
【0056】
次に、本発明の
第1の実施形態に係る透析液取出装置について説明する。
本実施形態に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図6に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口14a及び導出口14bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口14cが形成された透析液取出手段14と、該透析液取出手段14の採取口14cに対して脱着可能とされ、当該採取口14cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0057】
採取口14cには、その外周面にキャップ10の雌ネジ部10aと螺合可能な雄ネジ部14caが形成されるとともに、画成手段12は、キャップ10を採取口14cに取り付けた状態で当該採取口14c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口14cの内周面14cbとの間が排出路βとされる。なお、第1の
参考例と同様の構成部品には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0058】
透析液取出手段14における分岐部P近傍の採取口14c側には、案内部材15が配設されている。この案内部材15には、案内路αに向かって延びる流路15aが形成されており、かかる流路15aにより、導入口14aから導入された液体が案内路α内に導かれるようになっている。なお、流路15aは、第1の
参考例の如く、その径が採取口14c側に向かって次第に小さくなるテーパ面とするようにしてもよい。
【0059】
ここで、本実施形態においては、導入口14aから導出口14bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのオリフィス14dから成る圧力差形成手段が形成されている。かかるオリフィス14dは、分岐部Pから導出口14bに向かう流路の一部であって連結路γとの合流部より上流側(すなわち分岐部P側)に形成されており、当該オリフィス14dにより、導入口14aから導入された液体のうち、案内路αに向かって流れる液体の圧力が導出口14bに向かって流れる液体の圧力より相対的に大きくなるよう構成されている。
【0060】
しかるに、本実施形態においては、導入口14a及び導出口14bは、略同一直線上に形成されて成るとともに、その導入口14a及び導出口14bにて構成される流路に対して略90度の位置に採取口14cが形成されているが、第1の
参考例の如く、透析液取出手段14における導入口14a及び採取口14cを略同一直線上に形成するようにしてもよい。また、案内部材15の流路15aの先端が画成手段12の先端に当接するよう設定してもよい。
【0061】
本実施形態によれば、圧力差形成手段は、導入口14aから導出口14bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのオリフィス14dから成るので、案内路αと排出路βとの間に圧力差を設けることができ、案内路α及び排出路βに対して確実な洗浄水又は消毒液の流通を図ることができる。
【0062】
次に、本発明の
第2の実施形態に係る透析液取出装置について説明する。
本実施形態に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図7に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口16a及び導出口16bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口16cが形成された透析液取出手段16と、該透析液取出手段16の採取口16cに対して脱着可能とされ、当該採取口16cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0063】
採取口16cには、その外周面にキャップ10の雌ネジ部10aと螺合可能な雄ネジ部16caが形成されるとともに、画成手段12は、キャップ10を採取口16cに取り付けた状態で当該採取口16c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口16cの内周面16cbとの間が排出路βとされる。なお、第1の
参考例と同様の構成部品には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0064】
透析液取出手段16における分岐部P近傍の採取口16c側には、案内部材17が配設されている。この案内部材17には、案内路αに向かって延びる流路17aが形成されており、かかる流路17aにより、導入口16aから導入された液体が案内路α内に導かれるようになっている。なお、流路17aは、第1の
参考例の如く、その径が採取口16c側に向かって次第に小さくなるテーパ面とするようにしてもよい。
【0065】
ここで、本実施形態においては、導入口16aから導出口16bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのベンチュリー形状16dから成る圧力差形成手段が形成されている。かかるベンチュリー形状16dは、分岐部Pから導出口16bに向かう流路の一部であって連結路γとの合流部に形成されており、当該ベンチュリー形状16dにより、導入口16aから導入された液体のうち、案内路αに向かって流れる液体の圧力が導出口16bに向かって流れる液体の圧力より相対的に大きくなるよう構成されている。
【0066】
本実施形態によれば、圧力差形成手段は、導入口16aから導出口16bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させるためのベンチュリー形状16dから成るので、導入口16aから導出口16bに向かって流れる液体の圧力を導入口16aから採取口16cに向かって流れる液体の圧力に対して相対的に小さくすることができ、案内路α及び排出路βに対して確実な洗浄水又は消毒液の流通を図ることができる。
【0067】
次に、
第2の参考例に係る透析液取出装置について説明する。
本
参考例に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図8に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口18a及び導出口18bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口18cが形成された透析液取出手段18と、該透析液取出手段18の採取口18cに対して脱着可能とされ、当該採取口18cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0068】
採取口18cには、その外周面にキャップ10の雌ネジ部10aと螺合可能な雄ネジ部18caが形成されるとともに、画成手段12は、キャップ10を採取口18cに取り付けた状態で当該採取口18c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口18cの内周面18cbとの間が排出路βとされる。なお、第1の
参考例と同様の構成部品には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0069】
ここで、本
参考例においては、キャップ10の採取口18cに対する取り付けに応じて動作し、導入口18aから導出口18bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させ得る連動部材19から成る圧力差形成手段が形成されている。かかる連動部材19は、分岐部P内において摺動自在とされるとともに、スプリング20により常時採取口18c側に付勢されている。また、連動部材19には、案内路αに向かって延びる流路19aが形成されており、かかる流路19aにより、導入口18aから導入された液体が案内路α内に導かれるようになっている。なお、流路18aは、第1の
参考例の如く、その径が採取口18c側に向かって次第に小さくなるテーパ面とするようにしてもよい。
【0070】
しかるに、キャップ10を採取口18cに取り付けると、当該キャップ10の画成手段12が連動部材19を押圧するので、当該連動部材19がスプリング20による付勢力に抗して摺動し、分岐部Pから導出口18bに向かう流路の一部を塞ぐこととなる(
図8参照)。これにより、連動部材19にて塞がれた部位がオリフィスとして作用することとなり、導入口18aから導出口18bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させることとなる。
【0071】
一方、
図9に示すように、キャップ10を取り外し、例えばシリンジSの先端部Saを採取口18cに接続させた状態(採取口18cが開状態とされて何れも接続されない状態も同様)においては、連動部材19がスプリング20による付勢力で採取口18c側に位置することとなり、分岐部Pから導出口18bに向かう流路を塞がず、オリフィスの作用が生じないよう構成されている。
【0072】
本
参考例によれば、圧力差形成手段は、キャップ10の採取口18cに対する取り付けに応じて動作し、導入口18aから導出口18bに向かう液体の流れを絞って圧力を低下させ得る連動部材19から成るので、キャップ10が採取口18cに取り付けられたときに限り、導入口18aから導出口18bに向かう液体の圧力を導入口18aから採取口18cに向かって流れる液体の圧力に対して相対的に小さくして案内路α及び排出路βに対する洗浄液又は消毒液の流通を良好に行わせることができる。
【0073】
上記第1
、2の実施形態
及び第1、2の参考例においては、画成手段12は、キャップ10を採取口に取り付けた状態で当該採取口内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口の内周面との間が排出路βとされるものであり、その筒状部材には、
図4に示すように、案内路αと排出路βとを連通するための連通部12aが形成されているが、これに代えて、
図10に示すように、一対の連通部12’aが筒状部材の断面に対して互いにオフセットするものとし、案内路αから排出路βに流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせ得る画成手段12’としてもよい。
【0074】
このように、画成手段12’を構成する筒状部材には、案内路αと排出路βとを連通するための連通部12’aが形成されるとともに、当該連通部12’aは、案内路αから排出路βに流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせるようにすれば、採取口の内周面をより一層確実に洗浄又は消毒することができる。なお、連通部12’aが筒状部材の断面に対してオフセットしたものの他、案内路αから排出路βに向かってスパイラル状に形成された孔又は切欠きすることにより、案内路αから排出路βに流れる液体に対して渦又は乱流を生じさせるよう構成してもよい。
【0075】
次に、
第3の参考例に係る透析液取出装置について説明する。
本
参考例に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図11に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口21a及び導出口21bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口21cが形成された透析液取出手段21と、該透析液取出手段21の採取口21cに対して脱着可能とされ、当該採取口21cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0076】
採取口21cには、その外周面にキャップ10の雌ネジ部10aと螺合可能な雄ネジ部21caが形成されるとともに、画成手段12は、キャップ10を採取口21cに取り付けた状態で当該採取口21c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口21cの内周面21cbとの間が排出路βとされる。なお、第1の
参考例と同様の構成部品には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0077】
ここで、本
参考例に係る透析液取出手段21は、採取口21cからの液体の流出を許容するとともに当該採取口21cからの液体の流入を遮断する逆止弁Gと、該逆止弁Gを内部に収容するとともに、キャップ10の採取口21cに対する取り付けに応じて分岐部P近傍で摺動し得る摺動部材22と、該摺動部材22を常時採取口21c側に付勢するスプリング23とを有して構成されている。
【0078】
摺動部材22は、第1の
参考例の如く、その径が採取口21c側に向かって次第に小さくなるテーパ面とされた流路22aと、該流路22aと連通して形成されるとともに逆止弁Gを収容した収容空間22bと、該収容空間22bと案内路αとを連通させ得る流路22cとが形成されており、これら流路22a、収容空間22b及び流路22cにより、導入口21aから導入された液体が案内路α内に導かれるようになっている。
【0079】
また、本
参考例に係る透析液取出手段21には、
図12に示すように、採取口21cにシリンジS(又は接続ライン等の接続手段も同様)が接続された状態で、案内路αの液体の流れを許容するとともに、採取口21cと透析液取出手段21の内部の流路とを遮断するシール部材24が配設されている。すなわち、採取口21cからキャップ10が取り外され、例えばシリンジSや接続手段等が接続された状態においては、スプリング23による付勢力で摺動部材22が採取口21c側に押し付けられ、その摺動部材22の片部22caとシール部材24とが密着して閉止するようになっている。
【0080】
しかるに、逆止弁Gにより、流路22aから流路22cに向かう液体の流れを許容するとともに、流路22cから流路22aに向かう液体の流れを規制するので、シリンジSや補液ライン等を採取口21cに接続した際、シリンジS等による液体の採取を良好に維持するとともに、当該シリンジS内の液体や補液ライン等の先端に接続された流路(血液回路等)内の液体が採取口21cから流入してしまうのを回避することができる。
【0081】
次に、
第4の参考例に係る透析液取出装置について説明する。
本
参考例に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図13〜15に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口25a及び導出口25bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口25cが形成された透析液取出手段25と、該透析液取出手段25の採取口25cに対して脱着可能とされ、当該採取口25cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10とを具備したものである。
【0082】
採取口25cには、その外周面にキャップ10の雌ネジ部10aと螺合可能な雄ネジ部25caが形成されるとともに、画成手段12は、キャップ10を採取口25cに取り付けた状態で当該採取口25c内で延設される筒状部材から成り、当該筒状部材の内部が案内路αとされるとともに、当該筒状部材の外周面と採取口25cの内周面25cbとの間が排出路βとされる。なお、第1の
参考例と同様の構成部品には、同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0083】
ここで、本
参考例に係る透析液取出手段25は、採取口25cにキャップ10が取り付けられた状態のとき、案内路α及び排出路βの液体の流れを許容するとともに、採取口25cが開状態のとき、当該採取口25cを閉止する閉止手段を有して構成されている。具体的には、本
参考例に係る閉止手段は、分岐部P近傍で摺動し得るとともに内部にシール部材28を有した摺動部材26と、該摺動部材26内で摺動し得るとともに所定部位に連通孔27a、27bが形成された連動部材27と、摺動部材26を常時採取口25c側に付勢するスプリング29と、連動部材27を常時採取口25c側に付勢するスプリング30と、シール部材31とを有して構成されている。
【0084】
また、摺動部材26及び連動部材27の内部には、液体を流通させ得る流路がそれぞれ形成されており、採取口25cにキャップ10を取り付けた状態又はシリンジS若しくは接続ライン等の接続手段が接続された状態においては、
図13、14に示すように、それら流路が連通孔27a、27bを介して連結されるようになっている。なお、シール部材28、31には、シール部28a、31aが形成されており、シール部28aが連動部材27の端部と当接することにより、シール部材28によるシールを図ることができるとともに、シール部31aが摺動部材26の端面と当接することにより、シール部材31によるシールを図ることができるよう構成されている。
【0085】
例えば、採取口25cにキャップ10が取り付けられた状態では、
図13に示すように、キャップ10の画成手段12が連動部材27を押圧するよう構成されており、押圧された連動部材27がスプリング30の付勢力に抗して移動する。そして、図示しないストッパ機構等によってスプリング30の圧縮限界に至ると、連動部材27の移動力が摺動部材26に伝達され、連動部材27と共に摺動部材26も同方向へ移動することとなる。これにより、連動部材27に形成された連通孔27a、27bが開口した状態とされ、且つ、シール部材28、31によるシールがなされないので、導入口25aから採取口25cに向かって流れる液体は、摺動部材26及び連動部材27の内部の流路を通過した後、画成手段12における案内路αに至り、連通部12aを介して排出路βを流れて導出口25b側へ排出される。
【0086】
一方、採取口25cにシリンジSが取り付けられた状態(接続ライン等の接続手段が接続された状態も同様)では、
図14に示すように、シリンジSの先端部Saが連動部材27を押圧するよう構成されており、押圧された連動部材27がスプリング30の付勢力に抗して移動する。このとき、連動部材27は、図示しないストッパ機構等によるスプリング30の圧縮限界まで至らないので、摺動部材26は同方向へ移動することなく、シール部材31のシール部31aが当該摺動部材26の端面と当接してシールするようになっている。これにより、連動部材27に形成された連通孔27a、27bが開口した状態とされ、且つ、シール部材31によるシールがなされつつシール部材28によるシールがなされないので、導入口25aから採取口25cに向かって流れる液体は、摺動部材26及び連動部材27の内部の流路を通過した後、シリンジSに向かって流れることとなる。
【0087】
さらに、採取口25cにキャップ10やシリンジS等が取り付けられない状態、すなわち開状態のときは、
図15に示すように、連動部材27に対する押圧力が付与されないので、摺動部材26及び連動部材27がスプリング29、30の付勢力によって採取口25c側に位置することとなり、シール部材28、31によるシールが図られる。これにより、採取口25cが開状態のとき、閉止手段によって当該採取口25cを閉止することができる。
【0088】
本
参考例によれば、透析液取出手段25は、採取口25cにキャップ10が取り付けられた状態のとき、案内路α及び排出路βの液体の流れを許容するとともに、採取口25cが開状態のとき、当該採取口25cを閉止する閉止手段を具備したので、キャップ10が採取口25cに取り付けられていない状態でも、当該採取口25cから液体が外部に漏れ出てしまうのを回避することができる。
【0089】
次に、
第5の参考例に係る透析液取出装置について説明する。
本
参考例に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図16〜19に示すように、透析液取出手段9と、該透析液取出手段9の採取口9cに対して脱着可能とされ、当該採取口9cを開閉し得る開閉手段としてのキャップ10’と、該キャップ10’の閉状態を保持し得る保持手段32とを具備したものである。なお、本
参考例で適用される透析液取出手段9は、第1の
参考例と同一の構成とされるものであるため、詳細な説明を省略する。
【0090】
保持手段32は、
図16に示すように、シャフト部材33と、スプリング34と、シャフト部材35とを有して構成されており、当該シャフト部材33を中心に回転自在とされている。また、シャフト部材33の基端には、バネ受け33aが形成されており、当該バネ受け33aと透析液取出手段9との間には、スプリング34が介装されている。これにより、保持手段32は、スプリング34の付勢力により常時、同図中左方向に付勢されている。
【0091】
キャップ10’は、シャフト部材35の先端に支持されるとともに、当該シャフト部材35を中心に回転自在とされている。すなわち、キャップ10’は、シャフト部材33を中心として回動可能とされるとともに、シャフト部材35を中心として回転可能とされているのである。また、キャップ10’には、採取口9cの外周面との間でシールするための第1の
参考例と同様のシール手段11が取り付けられている一方、第1の
参考例の如き雌ネジ部(採取口9cの雄ネジ部9caと螺合するネジ部)は形成されていない。
【0092】
しかして、キャップ10’が採取口9cを覆った状態(
図16参照)においては、スプリング34の付勢力によってキャップ10’が採取口9cに押圧され、閉状態が保持されるようになっている。また、スプリング34の付勢力に抗して保持手段32をキャップ10’と共に移動(同図中右方向への移動)させると、
図17に示すように、キャップ10’が採取口9cから離間した状態とされ、更にそのキャップ10’をシャフト部材33を中心として回動させれば、
図18に示すように、採取口9cを開放させた状態とすることができる。これにより、採取口9cにシリンジSや接続ライン等の接続手段を接続することができる。なお、
図17の状態からシャフト部材35を中心としてキャップ10’を回転させると、
図19に示すように、当該キャップ10’の向きが反転することとなる。この状態にすれば、シール手段11の交換やメンテナンス等を容易に行わせることができる。
【0093】
本
参考例によれば、キャップ10’による採取口9cに対するシールを強固且つ確実に行わせることができるとともに、採取口9cを開状態としたとき、キャップ10’の紛失等を回避することができる。また、保持手段32の向き(シャフト部材33を中心とした回転位置)を検知する検知手段を設けるようにすれば、採取口9cが開状態であるのか閉状態であるのかを検出させることができる。なお、本
参考例に係る透析液取出手段は、第1の
参考例と同様のものとされているが、他の形態の如き構成のものとしてもよい。
【0094】
次に、
第6の参考例に係る透析液取出装置について説明する。
本
参考例に係る透析液取出装置は、第1の
参考例と同様、
図1で示す如き血液浄化装置の透析液導入ラインL1に接続されたもので、
図20〜24に示すように、透析液導入ラインL1(液体の流路)に接続されて当該液体(透析液)を流通させ得る導入口36a及び導出口36bが形成されるとともに、その流通させた液体を採取可能な採取口39が形成された透析液取出手段36と、該透析液取出手段36の採取口39に対して脱着可能とされ、当該採取口39を開閉し得る開閉手段としてのキャップ37とを具備したものである。
【0095】
より具体的には、透析液取出手段36は、その導入口36a及び導出口36bのそれぞれに透析液導入ラインL1が接続され、内部に透析液を流通可能とされたもので、その流路(導入口36aから導出口36bに向かって透析液が流れる流路)は、分岐部Pで略90度折れ曲がってL字状に延設されているとともに、採取口39は、導入口36aに対して略同一直線上に位置するよう形成されている。
【0096】
さらに、透析液取出手段36は、採取口39の外周を覆う円筒状の外周壁部40を有している。かかる外周壁部40は、その外周面に、キャップ37(開閉手段)のネジ部37aと螺合し得るネジ部40aが形成されているとともに、内周面に、接続手段42のネジ部42ba(
図23、24参照)と螺合し得るネジ部40bがそれぞれ形成されている。すなわち、外周壁部40に接続手段42を係止して固定させることにより、採取口39が接続手段42を介して接続ラインL3と接続可能とされているのである。
【0097】
さらに、本
参考例に係る外周壁部40は、採取口39の突端39aを覆って突出して成るものとされている。すなわち、外周壁部40の突出寸法は、採取口39の突出寸法より大きく設定されていることから、外周壁部40にて採取口39の突端39aを覆った状態とされているのである。これにより、キャップ37が採取口39から外された状態においても当該採取口39に人の指が触れてしまうのを回避させることができ、衛生管理をより確実に図ることができる。
【0098】
接続手段42は、
図23に示すように、採取口39から採取した液体を流通させるための接続ラインL3の先端部に取り付けられ、内周面42a及び外周面42bを有した円略筒状部材から成るものである。この外周面42bの先端側(採取口39との接続部位側)には、外周壁部40のネジ部40bと螺合し得るネジ部42baが一体形成されている。しかして、
図24に示すように、接続手段42の内周面42aが採取口39の外周面に嵌合しつつ当該接続手段42の外周面42bのネジ部42baが外周壁部40の内周面に形成されたネジ部40bと螺合することにより係止されて当該採取口39に接続ラインL3が接続可能とされている。
【0099】
なお、本
参考例に係る接続ラインL3は、例えば動脈側血液回路2に接続されたエアトラップチャンバ5又は静脈側血液回路3に接続されたエアトラップチャンバ6に接続され、透析液導入ラインL1中の透析液を動脈側血液回路2又は静脈側血液回路3に供給し得るものとされている。これにより、透析液を使用してプライミング、補液又は返血等を行わせることができ、或いは当該透析液をオンラインHDFやオンラインHFの治療のための置換液として利用することができる。
【0100】
このように、接続手段42の内周面42aが採取口39の外周面に嵌合しつつ当該接続手段42の外周面42bが外周壁部40の内周面に係止されて当該採取口39に接続ラインL3が接続可能とされたので、接続手段42の採取口39に対する接続面がその内周面(接続手段42の内部)となることから、その接続面に人の指が触れてしまうのを回避させることができ、衛生管理をより確実に図ることができる。
【0101】
開閉手段としてのキャップ37は、その内周面に形成されたネジ部37aを外周壁部40のネジ部40aに対して螺合させることにより当該外周壁部40に取り付け可能とされたものである。本
参考例に係るキャップ37は、
図21に示すように、外周壁部40の突端面40cとの間でシールするシール手段38を具備している。かかるシール手段38は、取付部材Dの一面に取り付けられるとともに、スプリングS1によって当該取付部材Dと共に常時外周壁部40の突端面40c側(採取口39側)に付勢されており、より確実なシールを図り得るようになっている。
【0102】
ここで、本
参考例に係る透析液取出手段36の採取口39は、キャップ37が取り付けられた状態で、導入口36aから導入された液体を採取口39内に案内する案内路αと、該案内路αで案内された液体を導出口36b側へ排出させる排出路βとを画成するよう構成されている。すなわち、キャップ37が外周壁部40に螺合して取り付けられると、シール手段38にて当該外周壁部40の突端面40cがシールされて密閉空間が形成されるとともに、その密閉空間が採取口39にて案内路αと排出路βとに画成されるのである。しかして、採取口39の内部が案内路αとされるとともに、当該採取口39の外周面と外周壁部40の内周面との間が排出路βとされることとなる。
【0103】
このように、本
参考例に係る採取口39は、接続手段42等が接続されて液体を採取させる機能を有するとともに、キャップ37が取り付けられた状態においては、案内路αと排出路βとを画成する機能を兼ね備えているのである。なお、本
参考例においては、採取口39が円筒状部材で構成されているが、案内路αと排出路βとを画成し得る筒状の部材であれば他の形状(例えば断面が矩形形状のもの等)のものであってもよい。
【0104】
一方、透析液取出手段36には、排出路βと分岐部P側の流路とを連結させるための連結路γが形成されている。これにより、導入口36aから分岐部P及び案内路αを介して採取口39先端に向かって流れた液体は、排出路β及び連結路γを通って排出口36bから排出され、導入口36aから分岐部Pを介して導出口36bに向かって流れる液体と合流して当該導出口36bから流出し得るようになっている。
【0105】
さらに、本
参考例に係る透析液取出手段36は、導入口36aから導入された液体のうち、案内路αに向かって流れる液体の圧力を導出口36bに向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段41を具備している。かかる圧力差形成手段41は、透析液取出手段36の分岐部P近傍に配設され、導入口36aから採取口39に向かって流れる液体の流通路41aを有して成るとともに、当該流通路41aは、流路の径が採取口39側(
図20中右側)に向かって次第に小さくなるテーパ面とされている。これにより、導入口36aから採取口39に向かって流れる液体の圧力を導入口36aから排出口36bに向かって流れる液体の圧力に対して相対的に大きくすることができる。
【0106】
また、本
参考例に係る圧力差形成手段41と採取口39とは、一体部品(例えば、一体成形部品)から成るものとされている。このように、圧力差形成手段41と採取口39とが一体部品から成るものとすれば、透析液取出手段36における部品点数を削減することができ、製造コストやメンテナンスコストを低減させることができる。なお、圧力差形成手段41と採取口39とを別個形成し、それらを連結させて一体部品としてもよい。
【0107】
さらに、圧力差形成手段41におけるシール部材36cと対向した部位には、被シール部41bが形成されているとともに、圧力差形成手段41及び採取口39は、スプリングS2により、シール部材36cに対して被シール部41bが離間する方向に常時付勢されている。そして、接続手段42が採取口39に接続される際(すなわち、接続手段42の外周面42bのネジ部42baが外周壁部40の内周面に形成されたネジ部40bと螺合する過程で)、圧力差形成手段41及び採取口39がスプリングS2の付勢力に抗して移動し、シール部材36cに対して被シール部41bが当接してシールすることにより、連結路γを遮蔽し得るようになっている。
【0108】
しかして、接続手段42が採取口39に接続された状態において、排出路βを介して液体が外部に流れるのを遮断することとなる。このように、接続手段42が採取口39に接続された状態において、排出路βを介して液体が外部に流れるのを遮断するので、採取口39から接続手段42を介して液体を採取する際、排出路βから液体が外部に漏れてしまうのを確実に回避させることができ、採取した液体を接続ラインL3に対してより良好に流通させることができる。
【0109】
上記
第6の参考例によれば、採取口39は、キャップ37(開閉手段)が取り付けられた状態で、導入口36aから導入された液体を採取口39の突端39a側に案内する案内路αと、該案内路αで案内された液体を導出口36b側へ排出させる排出路βとを画成するので、案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、キャップ37から別個の流路を延設させることなく、採取口39内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。さらに、採取口39が液体を採取させる機能に加えて案内路αと排出路βとを画成する機能を兼ね備えるため、別個の画成手段等を不要として構成を簡略化させることができる。
【0110】
また、透析液取出手段36は、採取口39の外周を覆う円筒状の外周壁部40を有するとともに、キャップ37は、当該外周壁部40の突端面40cとの間でシールするシール手段38を具備したので、キャップ37を採取口39に取り付けた状態で、案内路αと排出路βとの画成をより確実に行わせることができるとともに、洗浄水又は消毒液の流通をより良好に行わせることができる。
【0111】
さらに、採取口39の内部が案内路αとされるとともに、当該採取口39の外周面と外周壁部40の内周面との間が排出路βとされたので、案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液をより円滑且つ良好に流通させることができる。またさらに、透析液取出手段36は、導入口36aから導入された液体のうち、案内路αに向かって流れる液体の圧力を導出口36bに向かって流れる液体の圧力より大きくする圧力差形成手段41を具備したので、当該圧力差形成手段41で生じた圧力差によって、案内路α及び排出路βに対してより確実に洗浄水又は消毒液を流通させることができる。
【0112】
また、圧力差形成手段41は、導入口36aから採取口39に向かって流れる液体の流通路41aを有して成るとともに、当該流通路41aは、流路の径が採取口39側に向かって次第に小さくなるテーパ面とされたので、導入口36aから案内路αに向かって流れる液体の圧力を導入口36aから排出口36bに向かって流れる液体の圧力に対して相対的に大きくすることができ、当該案内路α及び排出路βに対して確実な洗浄水又は消毒液の流通を図ることができる。
【0113】
加えて、本
参考例によれば、導入口36a及び採取口39は、略同一直線上に形成されて成るので、導入口36aから導入された液体が採取口39に向かってそのまま流れることとなり、より確実且つ良好に案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口39内部の洗浄及び消毒を一層確実に行わせることができる。
【0114】
なお、本
参考例における圧力差形成手段41に代えて、
第1の実施形態の如きオリフィス14dから成る圧力差形成手段、
第2の実施形態の如きベンチュリー形状16dから成る圧力差形成手段、又は
第2の参考例の如き連動部材19から成る圧力差形成手段としてもよい。また、
第3の参考例の如き逆止弁G或いは
第4の参考例の如き閉止手段を具備したものとしてもよい。
【0115】
本発明の上記第1
、2の実施形態
及び第1〜6の参考例によれば、案内路及び排出路を介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、開閉手段から別個の流路を延設させることなく、採取口内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる血液浄化装置(血液透析装置)を提供することができる。特に、上記第1
、2の実施形態
及び第1〜5の参考例によれば、キャップ10(開閉手段)に画成手段12を具備させて当該画成手段12にて案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口12内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。一方、上記
第6の参考例によれば、採取口39は、キャップ37(開閉手段)が取り付けられた状態で、案内路αと排出路βとを画成するので、キャップ37に画成手段を具備させることなく案内路α及び排出路βを介して洗浄水又は消毒液を流通させることができ、採取口39内部の洗浄及び消毒を確実に行わせることができる。
【0116】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、例え
ば逆止弁や閉止手段を具備しないものであってもよい。また、画成手段12は、採取口に取り付けられた状態で当該採取口の内部を画成し、導入口から導入された液体を採取口内に案内する案内路αと、該案内路αで案内された液体を導出口側へ排出させる排出路βとを形成するものであれば、他の形状のものであってもよい。
【0117】
さらに、本実施形態が適用される血液浄化装置は、何れの形態のものであってもよく、例えば、複式ポンプ7に代えてチャンバにて透析液を導入又は排出させるもの、ダイアライザ1に代えて他の形態の血液浄化器を具備したもの等としてもよい。またさらに、本実施形態においては、何れも透析装置本体の透析液導入ラインL1に配設されているが、当該透析装置本体内の他の流路に配設したものとしてもよい。