(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の樹脂層及び前記第1の樹脂層上に設けられた導体層を有する配線体と、前記配線体の一方の主面上に設けられ、前記第1の樹脂層と直接接触する第1の基材と、を備える基材付き配線体を準備する第1の工程と、
前記配線体の他方の主面を支持体に貼り付ける第2の工程と、
前記配線体から前記第1の基材を剥離する第3の工程と、を備え、
下記(1)式を満たす導体層付き構造体の製造方法。
0.01N/cm≦N1≦1N/cm・・・(1)
但し、上記(1)式において、N1は前記第1の樹脂層と前記第1の基材との剥離強度である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態に係る基材付き構造体を示す透視斜視図、
図2は本発明の一実施の形態に係る基材付き構造体を示す透視平面図、
図3は、
図2のIII-III線に沿った基材付き構造体の断面図である。なお、
図2においては、基材付き構造体の構造を理解し易くするため、第2の導体層8を実線にて表示し、第1の導体層6を破線にて表示した。
【0024】
本実施形態の導体層付き構造体1(
図6(c)参照)は、カバーガラス3上に第1及び第2の導体層6,8(後述)を有する配線体41が接着層10を介して設けられた構造体である。このような導体層付き構造体1は、特に限定しないが、たとえば、静電容量方式等のタッチパネルやタッチパッド等のタッチ入力装置に組み込まれて用いられる。本実施形態における「導体層付き構造体1」が本発明における「導体層付き構造体」の一例に相当する。
【0025】
本実施形態の導体層付き構造体1は、基材付き構造体2を用いて製造される。以下に、基材付き構造体2について、詳細に説明する。なお、導体層付き構造体の製造方法については、後に詳細に説明する。
【0026】
基材付き構造体2は、
図1〜
図3に示すように、カバーガラス3と、基材付き配線体4と、接着層10と、を備えている。本実施形態における「基材付き構造体2」が本発明における「基材付き構造体」の一例に相当する。
【0027】
カバーガラス3は、
図1に示すように、配線体41等を外部から保護する保護層である。このようなカバーガラス3は、特に限定しないが、たとえば、ソーダライムガラスやホウケイ酸ガラス等により構成することができる。
【0028】
なお、配線体41等を外部から保護する保護層として、カバーガラス3に代えてポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の透明樹脂を用いてもよい。本実施形態における「カバーガラス3」が本発明における「支持体」の一例に相当する。
【0029】
基材付き配線体4は、
図3に示すように、接着層10を介してカバーガラス3の主面31上に形成されており、当該カバーガラス3により支持されている。この基材付き配線体4は、配線体41と、支持基材42と、を備えており、配線体41は、第1の樹脂層5と、第1の導体層6と、第2の樹脂層7と、第2の導体層8と、第3の樹脂層9と、を有している。
【0030】
なお、本実施形態では、第2の導体層8は、第1の導体層6と同様の構成を有している。したがって、本明細書において、以下の説明では、第2の導体層8の構成うち、第1の導体層6と同様の点は詳細な説明を省略し、異なる点については都度説明する。本実施形態における「基材付き配線体4」が本発明における「基材付き配線体」の一例に相当し、本実施形態における「配線体41」が本発明における「配線体」の一例に相当する。
【0031】
第1の樹脂層5を構成する材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0032】
この第1の樹脂層5は、
図3に示すように、略一定の厚さで設けられた平坦部51と、当該平坦部51上に形成された支持部52と、から構成されている。支持部52は、平坦部51と第1の導体層6の間に形成されており、平坦部51から離れる方向(
図3中上側方向)に向かって突出するように形成されている。
【0033】
この第1の樹脂層5は、支持部52の上面(
図3中上側の面)において、第1の導体層6と接している。この支持部52は、短手方向断面視において、平坦部51から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた2つの側面を有している。なお、ここでいう短手方向断面視とは、支持部52と接する第1の網目状電極層61を構成する第1の導体線62(後述)の短手方向に沿った断面を示す。本実施形態における「第1の樹脂層5」が本発明における「第1の樹脂層」の一例に相当する。
【0034】
第1の導体層6は、
図2に示すように、第1の網目状電極層61と、引き出し配線66と、を有している。第1の網目状電極層61は、
図2に示すように、Y方向にそれぞれ延在する複数(本実施形態では、三つ)のタッチ入力装置の検出電極であり、第1の樹脂層5の支持部52上に積層され、+Z方向に向かって突出するように形成されている(
図3参照)。本実施形態における「第1の導体層6」が本発明における「導体層」の一例に相当する。
【0035】
なお、第2の導体層8の第2の網目状電極層81は、平面視において第1の網目状電極層61と重なるように配置された、X方向にそれぞれ延在する複数(本実施形態では、四つ)のタッチ入力装置の検出電極である。
【0036】
第1の網目状電極層61は、導電性粉末とバインダ樹脂とから構成されている。第1の網目状電極層61では、バインダ樹脂中に導電性粉末が略均一に分散して存在しており、この導電性粉末同士が相互に接触することで、当該第1の網目状電極層61に導電性が付与されている。
【0037】
このような第1の網目状電極層61を構成する導電性粉末としては、銀、銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウムなどの金属や、グラファイト等を挙げることができる。なお、導電性粉末の他に、上述の金属の塩である金属塩を用いてもよい。
【0038】
第1の網目状電極層61を構成するバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を例示することができる。なお、第1の網目状電極層61を構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
【0039】
本実施形態の第1の網目状電極層61は、
図2に示すように、導電性を有する複数の第1の導体線62a,62bを交差させて構成されており、その全体として、四角形状とされた複数の網目が繰り返し配列された形状を有している。本実施形態における「第1の導体線62a,62b」が本発明における「導体線」の一例に相当する。なお、以下の説明では、必要に応じて「第1の導体線62a」及び「第1の導体線62b」を「第1の導体線62」と総称する。
【0040】
本実施形態の第1の導体線62の外形は、
図3に示すように、接触面63と、頂面64と、2つの側面65,65と、から構成されている。接触面63は、第1の樹脂層5と接触している面である。本実施形態の第1の網目状電極層61は、第1の樹脂層5に支持されるものであるが、この場合、接触面63は、頂面64に対して第1の樹脂層5側に位置する面となる。また、接触面63は、短手方向断面において、微細な凹凸からなる凹凸状の面となっている。
【0041】
一方、頂面64は、接触面63に対向する反対側の面であり、略平坦な面とされている。この頂面64は、第1の樹脂層5の下方の面(
図3中下側の面)と実質的に平行な面とされている。
【0042】
側面65,65は、短手方向断面視において、第1の樹脂層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた面である。また、本実施形態では、側面65,65は、短手方向断面視において、接触する第1の樹脂層5の支持部52と連続的になっている。
【0043】
本実施形態における第1の網目状電極層61の接触面63の面粗さは、当該第1の網目状電極層61と第1の樹脂層5とを強固に固定する観点から、頂面64の面粗さに対して相対的に粗いことが好ましい。具体的には、接触面63の面粗さRaが0.1〜3.0μm程度であるのに対し、頂面64の面粗さRaは0.001〜1.0μm程度となっていることが好ましく、当該頂面64の面粗さRaが0.001〜0.3μmであることがさらにより好ましい。なお、このような面粗さは、JIS法(JIS B0601(2013年3月21日改正))により測定することができる。
【0044】
本実施形態における「接触面63」が本発明における「第1の面」の一例に相当し、本実施形態における「頂面64」が本発明における「第2の面」の一例に相当し、本実施形態における「側面65,65」が本発明における「側面」の一例に相当する。
【0045】
図2に戻り、本実施形態の第1の網目状電極層61では、以下のように第1の導体線62を配設する。すなわち、第1の導体線62aは、X方向に対して+45°に傾斜した方向(以下、単に「第1の方向」との称する。)に沿って直線状に延在しており、当該複数の第1の導体線62aは、この第1の方向に対して実質的に直交する方向(以下、単に「第2の方向」とも称する。)に等ピッチP
1で並べられている。
【0046】
これに対し、第1の導体線62bは、第2の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第1の導体線62bは、第1の方向に等ピッチP
2で並べられている。そして、これら第1の導体線62a,62bが相互に直交することで、四角形状(菱型状)の網目が繰り返し配列された第1の網目状電極層61が形成されている。本明細書において、ピッチとは中心間距離のことを示す。
【0047】
なお、第1の網目状電極層61の構成は、特に上述に限定されない。たとえば、本実施形態では、第1の導体線62aのピッチP
1と第1の導体線62bのピッチP
2とを実質的に同一としているが(P
1=P
2)、特にこれに限定されず、第1の導体線62aのピッチP
1と第1の導体線62bのピッチP
2とを異ならせてもよい(P
1≠P
2)。
【0048】
また、本実施形態では、第1の導体線62aの延在方向である第1の方向は、X方向に対して+45°に傾斜した方向とされ、第1の導体線62bの延在方向である第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直交する方向とされているが、第1及び第2の方向の延在方向(すなわち、X軸に対する第1の方向の角度やX軸に対する第2の方向の角度)は、任意とすることができる。
【0049】
また、第1の網目状電極層61の網目の形状は、幾何学模様であってもよい。すなわち、網目の形状が、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形でもよいし、長方形、正方形、ひし形、平行四辺形、台形等の四角形でもよい。また、網目の形状が、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形や、円、楕円、星型等でもよい。
【0050】
このように、第1の網目状電極層61として、種々の図形単位を繰り返して得られる幾何学模様を、網目の形状として用いることができる。また、本実施形態では、第1の導体線62は、直線状とされているが、特にこれに限定されず、たとえば、曲線状、馬蹄状、ジグザグ線状等にしてもよい。
【0051】
第1の導体線62の幅W
1(
図3参照)としては、100nm〜100μmが好ましく、500nm〜10μm以下であることさらに好ましく、500nm〜5μm以下であることがより好ましい。
【0052】
引き出し配線66は、
図2に示すように、第1の網目状電極層61に対応して設けられており、本実施形態では、3つの第1の網目状電極層61に対して3つの引き出し配線66が形成されている。この引き出し配線66は、引出部67を介して第1の網目状電極層61における図中の−Y方向側から引き出されている。この引き出し配線66は、上述した第1の網目状電極層61と同様の材料によって一体的に形成されている。
【0053】
この「一体的に」とは、部材同士が分離しておらず、且つ、同一材料(同一粒径の導電性粒子、バインダ樹脂等)により一体の構造体として形成されていることを意味する。なお、第1の網目状電極層61の外縁において、引き出し配線66が設けられる位置は特に限定されない。また、本実施形態では、引き出し配線66は引出部67を介して第1の網目状電極層61と接続されているが、特にこれに限定されず、引き出し配線66と第1の網目状電極層61を直接接続してもよい。
【0054】
第2の樹脂層7は、
図3に示すように、第1の導体層6を覆うように第1の樹脂層5上に形成されている。また、第2の樹脂層7上には、第2の導体層8が形成されている。結果として、第2の樹脂層7は、第1の導体層6と第2の導体層8との間に介在し、これらの絶縁を確保する機能を有している。
【0055】
この第2の樹脂層7は、
図3に示すように、第1の導体層6を覆う主部71と、当該主部71上に形成された支持部72と、から構成されている。支持部72は、主部71と第2の導体層8の間に形成されており、第1の樹脂層5から離れる方向(
図3中上側方向)に向かって突出するように形成されている。なお、第2の樹脂層7を構成する材料は、第1の樹脂層5を構成する材料と同様の材料を例示することができる。
【0056】
第3の樹脂層9は、
図3に示すように、第2の導体層8を覆うように第2の樹脂層7上に形成されている。この第3の樹脂層9は、第2の導体層8を外部から保護する保護層としての機能を有している。また、第3の樹脂層9により第2の導体層8を覆うことで、配線体41表面での光の散乱等の発生が抑制され、当該配線体41の視認性の低下をさらに抑制することができる。なお、第3の樹脂層9を構成する材料は、第1の樹脂層5を構成する材料と同様の材料を例示することができる。本実施形態における「第3の樹脂層9」が本発明における「第2の樹脂層」の一例に相当する。
【0057】
支持基材42は、フィルム状の部材であり、配線体41の主面411を覆うように形成されている。この支持基材42は、配線体41の主面411と直接接触しており、当該主面411を外部から保護する機能を有している。
【0058】
ここで、タッチ入力装置は、導体層付き構造体1が組み込まれて構成されている。本実施形態では、基材付き構造体2において、配線体41の主面411を保護する支持基材42を必要に応じて当該配線体41から剥離させ、得られた導体層付き構造体1を当該タッチ入力装置の製造に用いる。このように、本実施形態では、配線体41の主面411を覆う支持基材42を設けることで、配線体41の主面411が傷付き、当該配線体41の視認性が低下するのを抑制している。
【0059】
支持基材42を構成する材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリフロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等に種々の添加剤やフィラーを加えたしたものを例示することができる。なお、支持基材42は、上述のように、タッチ入力装置に組み込む際に剥離されるものであり、当該タッチ入力装置の視認性には影響を与えない。したがって、支持基材42は、配線体41の主面411を保護することができれば、その材料は特に上述に限定されず、より安価な材料を用いてもよい。本実施形態における「支持基材42」が本発明における「第1の基材」の一例に相当する。
【0060】
本実施形態では、配線体41の視認性の低下の抑制及び配線体41の欠損防止の観点から、下記(
8)式が成立している。
0.01N/cm≦N
1≦1N/cm・・・(
8)
但し、上記(
8)式において、N
1は第1の樹脂層5と支持基材42との剥離強度である。なお、本明細書における剥離強度は、JIS法(JIS Z0237)により測定することができる。
【0061】
N
1が上記(
8)式の下限値以未満であると、配線体41の製造過程において、第1の樹脂層5と支持基材42とが意図せず剥離してしまうおそれがある。一方、N
1が上記(
8)式の上限値超であると、配線体41から支持基材42を剥離させる際に、過度に大きい力を付与する必要があるため、当該配線体41が欠損するおそれがある。なお、N
1については、第1の樹脂層5と支持基材42との剥離性を向上する観点から、0.2N/cm以下であることがより好ましい(0.01N/cm≦N
1≦0.2N/cm)。
【0062】
本実施形態の支持基材42では、上記(
8)式を達成するため、その主面(少なくとも、配線体41の主面411に面する側の主面)が平滑となるような表面処理が施されている。このような支持基材42の主面としては、具体的には、その面粗さRaが0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。上記支持基材42の面粗さは、当該支持基材42を構成する材料に含まれる添加剤やフィラーを除去したり、当該フィラーの寸法(フィラー径)を小さくすることで得ることができる。
【0063】
また、特に上述に限定されず、たとえば、当該支持基材42の主面にコーティング層を形成するコーティング処理を行う表面処理によって上記(
8)式を達成してもよい。コーティング層を構成する材料としては、シリコーン系材料、フッ素系材料、黒鉛系材料、セラミック系材料、アルミニウム系材料等を例示することができる。このようなコーティング層の厚さとしては、1μm以下であることが好ましい。支持基材42の主面にコーティング層を形成する方法としては、上述の材料を含むコーティング液を当該支持基材42の主面に塗布した後、乾燥、硬化等をする方法を例示することができる。
【0064】
なお、支持基材42の表面処理の方法としては、上記(
8)式を達成することができれば、上述した方法に限定されず、公知の方法を採用することができる。
【0065】
接着層10は、
図3に示すように、配線体41(具体的には、主面412)をカバーガラス3に貼り合わせるために用いられる。この接着層10としては、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等の公知の接着剤を用いることができる。
【0066】
本実施形態の基材付き構造体2では、接着層10は、カバーガラス3と第3の樹脂層9との間に介在している。すなわち、第1の樹脂層5に対して第2の樹脂層7がカバーガラス3に接近する側に位置するように配線体41が配置されている。これにより、第1及び第2の網目状電極層61,82を構成する第1及び第2の導体線62,82の外形のうち比較的平坦な面がカバーガラス3側を向くように配置されるので、当該カバーガラス3側から入射する入射光の散乱等の発生を抑制することができる。本実施形態における「接着層10」が本発明における「接着層」の一例に相当する。
【0067】
次に、本実施形態における導体層付き構造体1の製造方法について説明する。
図4(a)〜
図4(f)、
図5(a)〜
図5(e)、及び
図6(a)〜
図6(c)は本発明の一実施の形態に係る導体層付き構造体の製造方法を示す断面図である。
【0068】
まず、
図4(a)に示すように、第1の導体層6の形状に対応する形状の凹部111が形成された凹版11を準備する。凹版11を構成する材料としては、ニッケル、シリコン、二酸化珪素などガラス類、有機シリカ類、グラッシーカーボン、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を例示することができる。
【0069】
凹部111のうち第1の網目状電極層61に対応する部分の深さは、100nm〜100μmであることが好ましく、500nm〜10μmであることがさらに好ましく、500nm〜5μmであることがさらにより好ましく、その幅は、100nm〜100μmが好ましく、500nm〜10μm以下であることさらに好ましく、500nm〜5μm以下であることがより好ましい。
【0070】
一方、凹部111のうち引き出し配線66に対応する部分の深さは、第1の網目状電極層61と同じか深い方が好ましく、100nm〜500μmであることが好ましく、500nm〜100μmであることがさらに好ましく、500nm〜30μmであることがさらにより好ましく、その幅は、第1の網目状電極層61よりも広い方が好ましく、1μm〜500μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましく、1μm〜30μmであることがさらにより好ましい。本実施形態において凹部111の断面形状は、底部に向かうにつれて幅狭となるテーパー形状が形成されている。
【0071】
なお、凹部111の表面には、離型性をするために、黒鉛系材料、シリコーン系材料、フッ素系材料、セラミック系材料、アルミニウム系材料等からなる離型層(不図示)を予め形成することが好ましい。
【0072】
上記の凹版11の凹部111に対し、導電性材料12を充填する。このような導電性材料12としては、導電性粉末若しくは金属塩、バインダ樹脂、水若しくは溶剤及び各種の添加剤を混合して構成される導電性ペーストや導電性インクを例示することができる。上記の導電性粉末としては、銀や銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウム等の金属や、グラファイト等を例示することができる。金属塩としては、上記金属の塩を挙げることができる。導電性材料12に含まれる導電性粒子としては、形成する導体パターンの幅に応じて、例えば、0.5μm以上2μm以下の直径φ(0.5μm≦φ≦2μm)を有する導電性粒子を用いることができる。なお、形成する導体パターンの幅の半分以下の平均直径φを有する導電性粒子を用いることが好ましい。
【0073】
導電性材料12に含まれるバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。
【0074】
導電性材料12に含まれる溶剤としては、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、1−デカノール、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラデカン等を例示することができる。
【0075】
導電性材料12を凹版11の凹部111に充填する方法としては、例えばディスペンス法、インクジェット法、スクリーン印刷法を挙げることができる。もしくはスリットコート法、バーコート法、ブレードコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法での塗工の後に凹部111以外に塗工された導電性材料をふき取るもしくは掻き取る、吸い取る、貼り取る、洗い流す、吹き飛ばす方法を挙げることができる。導電性材料の組成等、凹版の形状等に応じて適宜使い分けることができる。
【0076】
次いで、
図4(b)に示すように、凹版11の凹部111に充填された導電性材料12を加熱することにより第1の導体層6を形成する。導電性材料12の加熱条件は、導電性材料の組成等に応じて適宜設定することができる。この加熱処理により、導電性材料12が体積収縮し、当該導電性材料12の表面121に僅かに凹凸形状が形成される。この際、導電性材料12の上面を除く外面は、凹部111に沿った形状に成形される。
【0077】
なお、導電性材料12の処理方法は加熱に限定されない。赤外線、紫外線、レーザー光等のエネルギー線を照射しても良いし、乾燥のみでもよい。また、これらの2種以上の処理方法を組合せても良い。表面121の凹凸形状により、第1の導体層6と第1の樹脂層5との接触面積が増大し、当該第1の導体層6をより強固に第1の樹脂層5に固定することができる。
【0078】
次いで、
図4(c)に示すように、第1の導体層6が形成された凹版11(
図4(b)に示す状態の凹版11)上に樹脂材料13を塗布する。このような樹脂材料13としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。樹脂材料13を凹版11上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法、キャスト法等を例示することができる。
【0079】
次いで、
図4(d)に示すように、樹脂材料13が凹版11の凹部111に入り込むよう支持基材42を凹版11上に配置して、当該支持基材42を凹版11に押し付け、樹脂材料13を硬化させる。樹脂材料13を硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。これにより、第1の樹脂層5が形成される。
【0080】
因みに、第1の樹脂層5の形成方法は特に上記に限定されない。例えば、第1の樹脂層5を形成するための樹脂材料13が支持基材42上に略均一に塗布されたものを用意して、当該樹脂材料13が凹版11の凹部111に入り込むように当該支持基材42を凹版11に押し付けた状態で樹脂材料13を硬化させることにより第1の樹脂層5を形成してもよい。
【0081】
次いで、
図4(e)に示すように、支持基材42、第1の樹脂層5、及び第1の導体層6を凹版11から離型させる。
【0082】
次いで、
図4(f)に示すように、第2の樹脂層7を構成する樹脂材料14を、第1の樹脂層5上に塗布する。このような樹脂材料18としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0083】
なお、第2の樹脂層7を構成する材料の粘度は、塗布時の十分な流動性を確保する観点から、1mPa・s〜10,000mPa・sであることが好ましい。また、硬化後の樹脂の貯蔵弾性率は、第1の導体層6や第2の導体層8の耐久性の観点から、10
6Pa以上、10
9Pa以下であることが好ましい。樹脂材料14を第1の樹脂層5上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法、キャスト法等を例示することができる。以上により、第1の中間体15が得られる。
【0084】
次いで、
図5(a)に示すように、第2の導体層8の形状に対応する形状の凹部161が形成された凹版16を準備する。凹版16を構成する材料としては、凹版11を構成する材料と同様の材料を例示することができる。また、凹版16に形成された凹部161の形状は、第2の導体層8に対応するものであるが、この第2の導体層8は第1の導体層6と同様の構成を有しているので、凹部161の深さや幅は、上述の凹部111と同様の値を有する。
【0085】
なお、凹部111と同様、凹部161の表面には、離型性を向上するために、黒鉛系材料、シリコーン系材料、フッ素系材料、セラミック系材料、アルミニウム系材料等からなる離型層(不図示)を予め形成することが好ましい。
【0086】
上記の凹版16の凹部161に対し、導電性材料17を充填する。このような導電性材料17としては、導電性材料12と同様の材料を例示することができる。また、導電性材料17を凹版16の凹部161に充填する方法としては、導電性材料12を凹版11の凹部111に充填する方法と同様の方法を用いることができる。
【0087】
次いで、
図5(b)に示すように、凹版16の凹部161に充填された導電性材料17を加熱することにより第2の導体層8を形成する。導電性材料17の加熱条件は、導電性材料の組成等に応じて適宜設定することができる。この加熱処理により、導電性材料17が体積収縮し、当該導電性材料17の表面171に僅かに凹凸形状が形成される。この際、導電性材料17の上面を除く外面は、凹部161に沿った形状に成形される。
【0088】
表面171の凹凸形状により、第2の導体層8と第2の樹脂層7との接触面積が増大し、当該第2の導体層8をより強固に第2の樹脂層7に固定することができる。なお、導電性材料12の場合と同様、導電性材料17の処理方法は加熱に限定されない。
【0089】
次いで、
図5(c)に示すように、樹脂材料14が凹版16の凹部161に入り込むよう第1の中間体15を凹版16上に配置して、当該第1の中間体15を凹版16に押し付け、樹脂材料14を硬化させる。第1の中間体15を凹版16に押し付ける際の加圧力は、0.001MPa〜100MPaであることが好ましく、0.01MPa〜10MPaであることがより好ましい。なお、当該加圧は加圧ローラー等を用いて行うことができる。これにより、第2の樹脂層7が形成されると共に、当該第2の樹脂層7を介して第1の導体層6と第2の導体層8とが相互に接着され固定される。
【0090】
なお、樹脂材料14を硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。
【0091】
そして、
図5(d)に示すように、第1の中間体15及び第2の導体層8を凹版16から離型させる。
【0092】
次いで、
図5(e)に示すように、第3の樹脂層9を構成する樹脂材料18を、第2の樹脂層7上に塗布する。このような樹脂材料18としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0093】
なお、第3の樹脂層9を構成する材料の粘度は、塗布時の十分な流動性を確保する観点から、1mPa・s〜10,000mPa・sであることが好ましい。また、硬化後の樹脂の貯蔵弾性率は、第2の導体層8の耐久性の観点から、10
6Pa以上、10
9Pa以下であることが好ましい。樹脂材料18を第2の樹脂層7上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法、キャスト法等を例示することができる。
【0094】
そして、樹脂材料18を硬化させて、第3の樹脂層9を形成する。樹脂材料18を硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。以上により、基材付き配線体4が得られる(第1の工程)。
【0095】
次いで、
図6(a)に示すように、接着層10を構成する接着材料19を、カバーガラス3上に塗布する。このような接着材料19としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を例示することができる。接着材料19をカバーガラス3上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法、キャスト法等を例示することができる。なお、上述とは異なり、接着材料19を基材付き配線体4(具体的には、主面412)上に塗布してもよい。
【0096】
次いで、
図6(b)に示すように、基材付き配線体4を接着材料19が介した状態でカバーガラス3に押し付け(第2の工程)、当該接着材料19を硬化させる。接着材料19を硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。接着材料19が硬化すると、接着層10が形成される。以上により、接着層10を介して配線体41の主面412上にカバーガラス3が設けられ、基材付き構造体2が得られる。
【0097】
そして、
図6(c)に示すように、基材付き構造体2において支持基材42を剥がして配線体41(具体的には、主面411)を露出させることで(第3の工程)、導体層付き構造体1を得ることができる。このように、本実施形態では、配線体41の主面411を保護する支持基材42を設けることで、導体層付き構造体1の製造過程において当該配線体41が傷付き、配線体41の視認性が低下するのを抑制することができる。また、支持基材42により当該配線体41を支持することで、配線体41の運搬が容易となるので、導体層付き構造体1の生産効率の向上を図ることができる。
【0098】
本実施形態における導体層付き構造体1の製造方法、基材付き配線体4、及び基材付き構造体2は、以下の効果を奏する。
【0099】
本実施形態では、配線体41の主面411を保護する支持基材42を設けることで、製造過程において配線体41が傷付き、当該配線体41の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態では、支持基材42により当該配線体41を支持することで、配線体41の運搬が容易となるので、導体層付き構造体1の生産効率の向上を図ることができる。
【0101】
また、本実施形態では、基材付き配線体4をカバーガラス3に支持させた後、配線体41から支持基材42を剥離するので、基材付き配線体4をカバーガラス3に支持させない状態で支持基材42を剥離させて、配線体41が破損するのを予防することができる。
【0102】
また、本実施形態では、カバーガラス3上に接着材料19を塗布した後、当該接着材料19を介してカバーガラス3を基材付き配線体4に押し付けている。これにより、比較的脆弱な配線体41上で接着材料19の塗布作業を行うことで、当該配線体41の主面411を傷付け、配線体41の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記(
8)式が成立していることで、配線体41の製造過程において、第1の樹脂層5と支持基材42とが意図せず剥離してしまうのを抑制すると共に、配線体41から支持基材42を剥離させる際に、過度に大きい力を付与して当該配線体41が欠損するのを防止することができる。
【0104】
さらに、本実施形態では、接触面63の面粗さが、頂面64の面粗さに対して相対的に粗いことで、第1の網目状電極層61と第1の樹脂層5とを強固に固定することができる。
【0105】
さらに、本実施形態の基材付き構造体2では、接着層10は、カバーガラス3と第3の樹脂層9との間に介在している。すなわち、第1の樹脂層5に対して第2の樹脂層7がカバーガラス3に接近する側に位置するように配線体41が配置されている。これにより、第1及び第2の網目状電極層61,82を構成する第1及び第2の導体線62,82の外形のうち比較的平坦な面がカバーガラス3側を向くように配置されるので、当該カバーガラス3側から入射する入射光の散乱等の発生を抑制することができる。
【0106】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0107】
たとえば、本実施形態では、支持基材42に対して表面処理を行うことで、上記(8)式を達成したが、特にこれに限定されず、当該支持基材42と直接接触する配線体41の主面411(すなわち、第1の樹脂層5の下側の面)に対して表面処理を行うことで、上記(
8)式を達成してもよい。あるいは、第1の樹脂層5を構成する材料に各種離型剤等を含有させることで、上記(
8)式を達成してもよい。
【0108】
また、
図7に示すように、基材付き配線体4Bは、支持基材42が位置する主面411と反対側の面である主面412上に保護基材43を備えていてもよい。
図7は本発明の一実施の形態に係る基材付き配線体の変形例を示す断面図である。
【0109】
保護基材43は、フィルム状の部材であり、配線体41の主面412と直接接触し、当該主面412を外部から保護する機能を有している。
【0110】
このような保護基材43を構成する材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリフロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等を例示することができる。本実施形態における「保護基材43」が本発明における「第2の基材」の一例に相当する。
【0111】
また、本実施形態では、配線体41の視認性の低下の抑制及び配線体41の欠損の防止の観点から、下記(
9)式が成立していることが好ましい。
0.01N/cm≦N
2≦1N/cm・・・(
9)
但し、上記(
9)式において、N
2は第2の樹脂層7と保護基材43との剥離強度である。
【0112】
N
2が上記(
9)式の下限値以未満であると、配線体41の製造過程において、第2の樹脂層7と保護基材43とが意図せず剥離してしまうおそれがある。一方、N
2が上記(
9)式の上限値超であると、配線体41から保護基材43を剥離させる際に、過度に大きい力を付与する必要があるため、当該配線体41を欠損させるおそれがある。なお、N
2については、第2の樹脂層7と保護基材43との剥離性を向上する観点から、0.2N/cm以下であることがより好ましい(0.01N/cm≦N
2≦0.2N/cm)。
【0113】
また、基材付き配線体4Bにおいて、下記(
10)式が成立していることがより好ましい。
N
2<N
1・・・(
10)
但し、上記(
10)式において、N
1は第1の樹脂層5と支持基材42との剥離強度であり、N
2は第2の樹脂層7と保護基材43との剥離強度である。
【0114】
導体層付き構造体1を製造する過程では、配線体41から支持基材42を剥離させる前に、配線体41から保護基材43を剥離させる。この場合、上記(
10)式が成立していることで、保護基材43を剥離しようとする際に、支持基材42が意図せず剥離してしまうのを抑制することができる。
【0115】
支持基材42の主面及び保護基材43の主面に対して、当該主面が平滑とされる表面処理が行われている場合、支持基材42に含まれる添加剤の含有量と、保護基材43を構成する材料に含まれる添加剤の含有量とを調整することで、上記(
10)式を達成してもよい。あるいは、支持基材42を構成する材料に含まれるフィラーの寸法を、保護基材43を構成する材料に含まれるフィラーの寸法に対して大きくすることで、上記(
10)式を達成してもよい。
【0116】
一方、支持基材42の主面及び保護基材43の主面に対して、コーティング層を形成するコーティング処理が行われている場合、当該支持基材42を構成する材料を、保護基材43を構成する材料に対して離型性に富んだ材料を選定することで、上記(
10)式を達成してもよい。
【0117】
なお、本例において、下記(
11)
式が成立していることが好ましい。
H
2>H
1・・・(
11)
但し、上記(
11)式において、H
1は支持基材42の高さであり、H
2は保護基材43の高さである。
【0118】
このように、上記(
11)式を成立させ、支持基材42の高さを保護基材43の高さに対して比較的小さくする(支持基材42を比較的薄くする)ことで、基材付き配線体4Bをカバーガラス3に貼り付ける際に柔軟性が向上し、気泡の巻き込みなどが抑制できて生産性が向上する。特に支持体が湾曲しているような場合、上述の効果がより顕著となる。なお、支持基材42の高さとしては、具体的には25μm以上75μm以下であることが好ましい(25μm≦H
1≦75μm)。
【0119】
一方、保護基材43の高さを支持基材42の高さに対して比較的大きくする(保護基材43を比較的厚くする)ことで、基材付き配線体4Bの搬送時の剛性が高まり、しわ、折れ曲がり、打痕などの発生が抑制できて生産性が向上する。なお、保護基材43の高さとしては、具体的には50μm以上150μm以下であることが好ましい(50μm≦H
2≦150μm)。
【0120】
このような基材付き配線体4Bは、
図8(a)〜
図8(e)に示すように、以下のとおり製造する。
図8(a)〜
図8(e)は本発明の一実施の形態に係る導体層付き構造体の製造方法の変形例を示す断面図である。
【0121】
すなわち、上述の第3の樹脂層9を構成する樹脂材料18を塗布した後(
図5(e)参照)、保護基材43を当該樹脂材料18が介した状態で保護基材43を押し付け、樹脂材料18を硬化させる。これにより、
図8(a)に示すように、基材付き配線体4Bが得られる。もしくは、樹脂材料18を硬化させて、第3の樹脂層9を形成した後(
図5(e)参照)、粘着材の付与された保護基材43をラミネートする。
【0122】
基材付き配線体4Bを用いて基材付き構造体2を製造する場合は、接着層10を構成する接着材料19を、カバーガラス3上に塗布した後(
図8(b)参照)、保護基材43を配線体41から剥離して主面412を露出させ(
図8(c)参照)、配線体41及び支持基材42を接着材料19が介した状態でカバーガラス3に押し付け、当該接着材料19を硬化させる(
図8(d))。以上により、基材付き構造体2が得られる。
【0123】
そして、上述と同様、支持基材42を配線体41から剥離して主面411を露出させることで、導体層付き構造体1を得ることができる(
図8(e))。本例では、配線体41の主面411は支持基材42により保護し、主面412は保護基材43により保護することで、導体層付き構造体1の製造過程において、配線体41が傷付き視認性が低下するのをさらに抑制することができる。
【0124】
また、たとえば、本実施形態では、カバーガラス3を支持体として用いて導体層付き構造体1(基材付き構造体2)を構成しているが、特にこれに限定されず、タッチ入力装置を構成する画像表示装置が液晶ディスプレイの場合においては、偏向板やカラーフィルタを支持体としてもよい。また、タッチ入力装置がハードコート層、帯電防止層、防眩層、防汚層、反射防止層、高誘電体層、又は、電磁波遮蔽層を有する場合においては、これらを支持体としてもよい。
【0125】
なお、タッチ入力装置の画像表示装置としては、液晶ディスプレイ(液晶パネル)に代えて、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)パネル、陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)パネル等の種々の画像表示パネルを用いてもよい。
【0126】
また、本実施形態の基材付き構造体2は、配線体41とカバーガラス3とを接着する接着層10を備えているが、これを省略し、配線体41の第3の樹脂層9を接着層として構成してもよい。本例の第3の樹脂層9が本発明における「第2の樹脂層」及び「接着層」の一例に相当する。
【0127】
また、本実施形態の配線体41は、2つの導体層6,8を備えているが、特にこれに限定されず、第1の導体層6のみを備える構成としてもよい。この場合、第1の導体層6を覆う第2の樹脂層7が本発明における「第2の樹脂層」の一例に相当する。
【0128】
また、上述の例の場合においても、配線体41とカバーガラス3とを接着する接着層を第2の樹脂層7により構成してもよい。この場合、本例の第2の樹脂層7が本発明における「第2の樹脂層」及び「接着層」の一例に相当する。
【0129】
また、上述の実施形態では、基材付き配線体はタッチ入力装置に用いられるとして説明したが、基材付き配線体の用途は特にこれに限定されない。たとえば、配線体に通電して抵抗加熱等で発熱させることにより当該配線体をヒータとして用いてもよい。また、配線体の導体部の一部を接地することにより当該配線体を電磁遮蔽シールドとして用いてもよい。また、配線体をアンテナとして用いてもよい。この場合、配線体を実装する実装対象が本発明の「支持体」の一例に相当し、これらを備えるヒータ、電磁遮蔽シールド、及びアンテナが本発明における「基材付き構造体」の一例に相当する。
【解決手段】導体層付き構造体1の製造方法は、第1の樹脂層5及び第1の樹脂層上に設けられた第1の導体層6を有する配線体41と、配線体の主面411上に設けられ、第1の樹脂層と直接接触する支持基材42と、を備える基材付き配線体4を準備する工程と、配線体の主面412上にカバーガラス3を設ける工程と、配線体から支持基材を剥離する工程と、を備え、下記(1)式を満たす。