(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969128
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】UEが別の無線ネットワークから過剰な無線ネットワークへハンドオーバーされることを遅らせるための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/06 20090101AFI20160804BHJP
H04W 36/22 20090101ALI20160804BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20160804BHJP
【FI】
H04W48/06
H04W36/22
H04W88/06
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-525967(P2015-525967)
(86)(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公表番号】特表2015-528658(P2015-528658A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】IB2013056069
(87)【国際公開番号】WO2014024073
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年3月30日
(31)【優先権主張番号】61/679,893
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/721,322
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ケ−チ
【審査官】
齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/092071(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/086528(WO,A2)
【文献】
国際公開第2011/109027(WO,A1)
【文献】
特表2014−502819(JP,A)
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,"Handling of congestion for e1xCSFB"[online],3GPP TSG-RAN WG2♯68 R2-096712,2009年11月13日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_68/Docs/R2-096712.zip
【文献】
Motorola, Hitachi, Huawei, KDDI, Kyocera Corporation, NEC, QUALCOMM Incorporated, Samsung, ZTE,"Congestion Control for Enhanced 1xCS Fallback"[online],3GPP TSG-RAN WG2♯69 R2-101298,2010年 2月26日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_69/Docs/R2-101298.zip
【文献】
Alcatel-Lucent,"Transfer of carrier information between UTRAN and E-UTRAN"[online],3GPP TSG-RAN WG3#68 R3-101631,2010年 5月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_68/Docs/R3-101631.zip
【文献】
NTT DOCOMO, Inc.,"Mobility Load Balancing using redirection function"[online],3GPP TSG-RAN WG3#66bis R3-100051,2010年 1月22日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_66bis/Docs/R3-100051.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次無線アクセス技術(RAT)の1次ノード、及び前記1次RAT及び2次RATを介して通信可能なユーザ機器(UE)と、通信可能な前記2次RATのノードが実施する方法であって:
前記ノードのネットワークインターフェースユニットにおいて、前記1次RATが過剰状態にあることを表示する前記1次ノードからのメッセージを受信するステップであって、複数の前記UEのうちの1つのUEから、前記1次RATが過剰状態にあるというアップリンクメッセージを受信することを含む、受信するステップ;
前記ノードの処理ユニットを用いて、前記UEが前記1次RATと通信することを試みないように、UEメッセージを生成するステップ;及び
前記ノードの前記ネットワークインターフェースユニットを介して、前記UEへ前記メッセージを送るステップを含む、方法。
【請求項2】
前記送るステップは、前記1次RATが前記過剰状態にあり、かつ各々のUEは前記1次RATにスイッチバックしないことを表示するブロードキャストメッセージを前記UEに送るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送るステップは、各々のUEが前記1次RATにスイッチバックしないように、前記ブロードキャストメッセージが各々のUEの中の他のRATネイバーリストファンクションに影響を及ぼすステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークインターフェースユニットが、所定の時間において複数の前記UEのうちのいずれかから、前記1次RATが過剰であるというアップリンクメッセージを受信しなかった後に、前記ノードの前記ネットワークインターフェースユニットからの前記ブロードキャストメッセージのうちの前記1次RATが前記過剰状態にあるという表示を送ることを止めるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
1次無線アクセス技術(RAT)の1次ノード、及び前記1次RAT及び2次RATを介して通信可能なユーザ機器(UE)と、通信可能な前記2次RATのノードであって:
前記1次RATが過剰状態にあることを表示する前記1次ノードからのメッセージを受信する前記ノードのネットワークインターフェースユニットであって、複数の前記UEのうちの1つのUEから、前記1次RATが過剰状態にあるというアップリンクメッセージを受信する、ネットワークインターフェースユニット;及び
前記UEが前記1次RATと通信することを試みないように、UEメッセージを生成する前記ノードの処理ユニットであって、前記ノードの前記ネットワークインターフェースユニットが前記UEへ前記メッセージを送る、処理ユニットを備える、ノード。
【請求項6】
前記1次RATが前記過剰状態にあり、かつ各々のUEが前記1次RATにスイッチバックしないことを表示するブロードキャストメッセージが、前記ネットワークインターフェースユニットから前記UEに対して送られることを含む、請求項5に記載のノード。
【請求項7】
前記ブロードキャストメッセージは、各々のUEが前記1次RATにスイッチバックしないように、各々のUEの中の他のRATネイバーリストファンクションに影響を及ぼす、請求項6に記載のノード。
【請求項8】
前記ネットワークインターフェースユニットは、所定の時間において複数の前記UEのうちのいずれかから、前記1次RATが過剰であるという前記アップリンクメッセージを受信しなかった後に、前記ノードの前記ネットワークインターフェースユニットからの前記ブロードキャストメッセージのうちの前記1次RATが前記過剰状態にあるという表示を送ることを止める、請求項6に記載のノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年8月6日に出願された米国仮特許出願番号61,679,893の仮特許出願ではない出願であり、かつそれからの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、UEが別の無線ネットワークから過剰な無線ネットワークへハンドオーバーされることを遅らせることに関する。(本明細書の中において使用されるように、「本発明」又は「発明」に言及する場合、それは例示的な実施形態に関するものであり、かつ必ずしも添付の特許請求の範囲によって包含される全ての実施形態に関するものではない。)より具体的には、本発明は、過剰な無線ネットワークのノードがその過剰状態に関するメッセージを他の無線ネットワークの中のノードに対して送ることによって、UEが無線ネットワークから過剰な無線ネットワークへハンドオーバーされることを遅らせることに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、本発明の様々な側面に関係し得る技術の様々な側面を読者に紹介するためのものである。以下の議論は、本発明をよりよく理解するための情報を提供するためのものである。したがって、以下の議論の陳述はその観点から読まれるべきであり、先行技術の理解のために読まれるべきではないことが理解されるべきである。
【0004】
高度な無線アクセス技術(RAT)が導入されたことによって、多くの移動体通信事業者は、消費者の要求を満たすための新しい技術に基づいてシステムを展開することに集中しているが、未だ種々の理由において従来のシステムを維持することが必要である。種々のRATsは種々の無線技術に基づき得るため、事業者によって展開される2つのRATは、下位互換性がないかもしれない。この理由において、RAT間のメカニズムは、事業者のネットワークの範囲内で種々のRATの間でスイッチングするマルチRATサポートされたUEを、ネットワークが制御することを可能にするように展開された。RAT間のメカニズムはまた、複数のRATがネットワークの中で検出される場合に、どのRATにキャンプオンされるべきかをUEが決定することを補助するための必須要件を提供する。
【0005】
ネットワークの中でサポートされる複数のRATを有する事業者は、通常、RATのうちの1つを主要なRATとして設定する。UEがアイドル状態にある一方で、UEは、通常、主要なRATを検索し、かつ可能ならば主要なRATにキャンプオンするように事業者によって構成される。
【0006】
UEは、時々、種々の理由のために主要なRATにキャンプオンしない。例えば、UEは、2次RATサービスのみが提供される領域の中に配置され、かつ両方のRATからのサービスが提供される領域の中へただ移動する。別の可能性は、ユーザがネットワークにアクセスしようとする場合、1次RATから適切なチャネル強度を得ることができないので、UEがネットワーク(すなわち、専用チャネル)にアクセスするために2次RATへ行ったということである。UEがどのようにして2次RATにキャンプオンするはめになったかということに関わらず、UEがアイドル状態にあるか又はさらにUEが専用の割り当てられたチャネルを有する場合、UEを1次RATに戻すためのRAT間のインターワーキング(IWK)メカニズムが存在する。LTE及びeHRPD IWKを実施例として使用しながら、2つのHRPD(2次RATとして)メカニズムは、UEがLTE(1次RATとして)をキャンプオンするためのRATとして再設定することを可能にする。2つのメカニズムは、ネットワークからの最小限の制御を有するMMSS(マルチモードシステムセレクション)に基づくか、又はネットワークがUEのRATセレクション挙動のより良い制御を有することを可能にする他のRATネイバーリストメソッドに基づくかのいずれかである。UEがeHRPD専用チャネルにアクセスするために、eANがまた、UEをLTEシステムにハンドオーバーするリダイレクションメカニズムを使用できる。
【0007】
既存のRAT間のメカニズムは、1次RAT(例えば、LTE)が2次RAT(例えば、HRPDのような従来システム)と比較して、より大きなキャパシティー(例えば、より多くのUEがネットワークに付随することを可能にする)を有するという仮定の下に、通常の状態において良く機能する。1次RATの過剰が生じる場合、既存のRAT間のメカニズムはまた、1次RATの過剰な状況に対処するために、2次RATへUEをリダイレクトすることができる。
【0008】
その後、RAT間の機能は両方のやり方で働く。1次RATの過剰な状況のためにUEが2次RATへリダイレクトされる場合、2次RATのRAT間のIWK機能はまた開始し、かつシステムがこれらのUEに対するシステムのデフォルトキャンプとして構成される1次RATなので、UEを1次RATへ戻すようにリダイレクトすることを試みる。2次RATは1次RATの負荷状態に対する知識を全く有していないので、UEは、2つのRATの間でピンポンし、かつネットワークの効率を著しく低減し得る。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、1次RATの1次ノード並びに1次及び2次RATを介して通信可能なUEと通信可能な2次RATのノードに関する。ノードは、1次RATが過剰状態であることを表示する1次ノードからのメッセージを受信するノードのネットワークインターフェースユニットを備える。ノードは、1次RATと通信することを試みないようにUEに対してUEメッセージを生成するノードの処理ユニットを備え、ノードのネットワークインターフェースユニットは、UEに対してメッセージを送る。
【0010】
本発明は、1次RATの1次ノード並びに1次及び2次RATを介して通信可能なUEと通信可能な2次RATのノードが実施する方法に関する。方法は、1次RATが過剰状態であることを表示する1次ノードからのメッセージをノードのネットワークインターフェースユニットにおいて受信するステップを含む。1次RATと通信することを試みないように、UEに対してノードの処理ユニットを用いてUEメッセージを生成するステップが存在する。ノードのネットワークインターフェースユニットを介してUEにメッセージを送るステップが存在する。
【0011】
付随する図面において、本発明の好適な実施形態、及び本発明を実施する好適な方法が示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態1に基づく実施例を示す。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態2に基づく実施例を示す。
【
図4】
図4は、本発明のノードのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
今度は図面を参照すると、類似の参照番号がいくつかの図面を通して類似又は同一の部分を参照しており、かつより具体的に、それらのうちの
図3及び
図4を参照すると、1次RAT20の1次ノード16並びに1次及び2次RAT22を介して通信可能なUEと通信可能な2次RAT22のノード10が、示されている。ノード10は、1次RAT20が過剰状態であることを表示する1次ノード16からのメッセージを受信するノード10のネットワークインターフェースユニット12を備える。ノード10は、1次RAT20と通信することを試みないように、UEに対してUEメッセージを生成するノード10の処理ユニット14を備え、ノード10のネットワークインターフェースユニット12は、UEに対してメッセージを送る。
【0014】
ブロードキャストメッセージがネットワークインターフェースユニット12からUEに対して送られ、それは、1次RAT20が過剰状態にあり、かつ各々のUEは1次RAT20にスイッチバックしないことを表示している。ネットワークインターフェースユニット12は、任意の複数のUEのうちの任意の1つのUEから、1次RAT20が過剰状態にあるというアップリンクメッセージを受信する。ブロードキャストメッセージは、各々のUEが1次RAT20にスイッチバックしないように、各々のUEの中の他のRATネイバーリストファンクションに影響を及ぼす。ネットワークインターフェースユニット12は、ネットワークインターフェースユニット12が所定の時間において任意のUEのいずれかから1次RAT20が過剰であるというアップリンクメッセージを受信しなかった後に、1次RATが過剰状態にあることを表示するノード10のネットワークインターフェースユニット12からのブロードキャストメッセージを送ることを止める。
【0015】
ネットワークインターフェースユニット12は、1次及び2次RATs22と通信可能なデュアルインターフェース24から、1次RAT20が過剰状態にあることを受信する。ノード10のネットワークインターフェースユニット12は、1次RAT20の過剰状態が終了した場合、デュアルインターフェース24から過剰が終了したという表示を受信し、かつノード10の処理ユニット14は、1次RAT20が過剰状態にあるというブロードキャストメッセージをUEに対して送ることを止める。
【0016】
本発明は、1次RAT20の1次ノード16並びに1次及び2次RAT20、22を介して通信可能なUEと通信可能な2次RAT22のノード10を実施する方法に関する。方法は、1次RAT20が過剰状態であることを表示する1次ノード16からのメッセージを、ノード10のネットワークインターフェースユニット12において受信するステップを含む。UEが1次RAT20と通信することを試みないように、ノード10の処理ユニット14を用いてUEメッセージを生成するステップが存在する。ノード10のネットワークインターフェースユニット12を介して、UEにメッセージを送るステップが存在する。
【0017】
送るステップは、1次RAT20が過剰状態にあり、かつ各々のUEは1次RAT20にスイッチバックしないことを表示するブロードキャストメッセージをUEに送るステップを含む。受信するステップは、任意の複数のUEのうちの任意の1つのUEから、1次RAT20が過剰状態にあるというアップリンクメッセージを受信するステップを含む。送るステップは、ブロードキャストメッセージが、各々のUEが1次RAT20にスイッチバックしないように各々のUEの中の他のRATネイバーリストファンクションに影響を及ぼすステップを含む。ネットワークインターフェースユニット12が所定の時間において任意の複数のUEのうちのいずれかから1次RAT20が過剰であるというアップリンクメッセージを受信しなかった後に、1次RATが過剰状態にあることを表示するノード10のネットワークインターフェースユニット12からのブロードキャストメッセージを送ることを止めるステップが存在する。
【0018】
受信するステップは、1次及び2次RATs22と通信可能なデュアルインターフェース24から、1次RAT20が過剰状態にあることを受信することを含む。ノード10のネットワークインターフェースユニット12が、1次RAT20の過剰状態が終了した場合、デュアルインターフェースから過剰が終了したという表示を受信し、かつノード10の処理ユニット14が、1次RAT20が過剰状態にあるというブロードキャストメッセージをUEに対して送ることを止めるステップが存在する。
【0019】
本発明の作動において、1次RAT20が過剰状態にあり、かつUEを2次RAT22にリダイレクトするように強いられる場合、2次RAT22は1次RAT20の過剰状態について情報を与えられる必要がある。この情報を用いて、2次RAT22は、UEを過剰な1次RAT20に戻すために生じるピンポン効果を低減し又は避けるための適切なアクションを取ることができる。
【0020】
1つのRAT(例えば、1次過剰RAT)から別のRAT(例えば、2次RAT22)へ過剰情報を伝達する2つの可能なやり方が存在する:すなわち、
‐ UEがアシストするRATシステムの過剰表示:すなわち、
1. 1次RAT20システムが過剰である場合、かつUEを異なるRAT(2次)システムにリダイレクトすることが決定された場合、UEに2次RAT22システムへリダイレクトするように指示する1次RAT20のダウンリンクメッセージは、1次RAT20のネットワーク過剰表示を含む。このネットワーク過剰情報は、ダウンリンクメッセージの中の明示的な「ネットワーク過剰」表示であり得、又は黙示的な情報であり得る。LTEを例として使用して、UEを種々のLTE周波数へリダイレクトするいくつかの試みが失敗した後に、対応するダウンリンクメッセージ(例えば、解放メッセージ又は拒否メッセージ又は他の適切なダウンリンクメッセージのいずれか)は、2次RAT22の優先度を最も高い優先度(既存の機能)として記した。最も高い優先度を有する2次RAT22を1次RAT20(例えば、LTE)と比較することは、UEによってネットワーク過剰とみなされ得る。
2. UEは、RATの再選択/リダイレクトをもたらす1次RAT20からの適切なダウンリンクメッセージのために、2次RAT22へ再選択/リダイレクトする。
3. 2次RAT22システムを首尾よく取得した後に、UEは、1次RAT20が過剰であることを表示する情報を含む2次RAT22のアップリンクメッセージを送る。UEは、2次RAT22へスイッチングする前に得られた明示的又は黙示的な過剰情報に基づいて、アップリンクメッセージの1次RAT20過剰表示を設定する。UEは、1次RAT20からスイッチングオーバーした後に、この種の表示を搬送するために使用される一番最初のアップリンクメッセージ(2次RAT22へ送られるメッセージ)の中の1次RAT20過剰表示を含むのみである。2次RAT22の中にある間、同じメッセージが任意の理由で再び送られる場合、UEは、このアップリンクメッセージの引き続いての発生の中に、1次RAT20過剰表示をもはや含まない。
4. (2次RAT22システムの)RANが1次RAT20システムが過剰であることを表示するアップリンクメッセージを受信する場合、RANは、UEに対して1次RAT20システムへスイッチ(例えば、ハンドオーバー)しないように情報を与えるためのアクションを取る。以下に示すように、この機能を行う種々のやり方が存在する:すなわち、
RANは、1次RAT20システムの過剰をブロードキャストするブロードキャストメッセージを使用することができる。この過剰表示がブロードキャストメッセージの中に設定されている限り、UEは、RAT20へスイッチバックすることを試みない(例えば、MMSS又は任意の「他のRAT間のメカニズム」を使用する)。
ブロードキャストメッセージの中のブロードキャスト1次RAT20システム過剰情報に加えて、他のRATネイバーリスト機能が実施される場合、RANはまた、1次RAT20過剰期間に、この機能を適切に停止し又は修正することができる(例えば、チャネルの優先度を変えるなど)。
5. 2次RAT22システムのRANは、それが1次RAT20システム過剰インジケータ設定を有する任意のUEからアップリンクメッセージを受信し続ける限り、1次RAT20システム過剰情報をブロードキャストし続ける。
6. UEは、2次RAT22が「1次RAT過剰」表示をブロードキャストする限り、両方のRATシステムが、1次RAT20へ(例えば、実施されるRATシステム選択機能に基づいてスイッチング要件が満たされる場合であっても)スイッチバック(例えば、ハンドオーバー又はリダイレクト)することを試みないことをサポートする。
7. 2次RAT22システムのRANは、最後のUEが過剰情報を含んで以来、RANがx分の間1次RANシステムの過剰を表示する任意のUEを受信しない場合、1次RAT20システム過剰情報をブロードキャストすることを停止する。
8. RAT間のメカニズムは、2次RAT22システムのRANが1次RAT20システム過剰情報をブロードキャストすることを停止した後に、UE及びRANサイドの両方における通常の機能を再開する。
‐ ネットワークに基づくRATシステム過剰表示:すなわち、
1. 1次RAT20システムの無線リソースマネージメント(RRM)機能(又はネットワーク過剰状態を管理する任意のネットワークエンティティー)は、2次RAT22システムのRRM機能に、1次RAT20システムが過剰であることを報告する。この情報は、両方のシステムに接続されているインターフェースを介して、1次RAT20システムから2次RAT22システムへパスされ得る。
2. 2次RAT22システムが1次RAT20システムから過剰情報を受信した後に、2次システムRANは、上述の「UEがアシストする」方法のステップ4を実行する。唯一の違いは、UEから過剰情報を取得する代わりに、過剰表示が両方のシステムに接続されているインターフェースを介して1次RAT20システムから来ることである。
3. 2次RAT22システムのRANは、それが1次RAT20システムから過剰表示を受信し続け、又は2次RAT22システムが、「過剰が終了した」表示を1次RAT20システムから受信しない限り(すなわち、1次RAT20システムは、この情報を2次RAT22システムに継続的にパスする代わりに、過剰表示を一度だけ送る)、1次RAT20システム過剰表示をブロードキャストし続ける。
4. UEは、2次RAT22が「1次RAT過剰」表示をブロードキャストする限り、両方のRATシステムが、1次RAT20へ(例えば、実施されるRATシステム選択機能に基づいてスイッチング要件が満たされる場合であっても)スイッチバック(例えば、ハンドオーバー又はリダイレクト)することを試みないことをサポートする。
5. 1次RAT20システム過剰状態が減少する場合、1次RAT20システムは、「過剰が終了した」表示を2次RAT22システムに送る。この「過剰が終了した」表示を受信するや否や、2次RAT22システムのRANは、1次RAT20システム過剰表示をブロードキャストすることを止める。
6. RAT間のメカニズムは、2次RAT22システムのRANが1次RAT20システム過剰情報をブロードキャストすることを停止した後に、UE及びRANサイドの両方における通常の機能を再開する。
【0021】
上述された方法が、種々のRATシステムを識別するために「1次」及び「2次」を使用するとしても、システムはまた、「2次」システムが「ターゲット」システムとして識別される、「ソース」及び「ターゲット」システムとしてみなされ得る。
【0022】
上述された方法が、種々のRATシステムを識別するために「1次」及び「2次」を使用するとしても、システムはまた、「2次」システムが「ターゲット」システムとして識別される、「ソース」及び「ターゲット」システムとしてみなされ得る。「ソース」及び「ターゲット」が使用される場合、本発明は、UEが過剰な「ソース」システムへスイッチバックすることを妨げる方法としてみなされ得る。
【0023】
上で提供された本発明のコンセプトは、任意のRATシステムから別のRATシステムへ適用可能である。説明目的で、EUTRAN及びeHRPD IWKが、例示目的のために使用され、ここで、EUTRANは1次RAT20システムとして識別され、かつeHRPDは2次RAT22システムとして識別される。
EUTRAN過剰;UEがアシストする方法:すなわち、
‐ EUTRANが過剰である場合、それはUEをEUTEAN周波数から拒否又は解放し始め(例えば、RRC接続拒否又はRRC接続解放)、かつEUTRAN周波数のうちのいくつかの優先度を下げる。全ての利用可能なEUTRAN周波数が過剰である場合、EUTRANは、UEのうちのいくつかを拒否又は解放し始め、かつメッセージの中でUEにeHRPDシステムをリダイレクト/再選択するように情報提供する。
eNBは、メッセージがUEをHRPD(好適な)へリダイレクトするために使用される場合、「EUTRAN過剰」を含み;又は
解放/拒否メッセージは、cdma周波数を最も高い優先度とする。
この状況の下で、UEは、「EUTRAN過剰」インジケータを設定する。
‐ UEがeHRPDへ移動する場合、UEは、「EUTRAN過剰」表示を含む、HRPDシグナリングメッセージ(例えば、接続リクエストメッセージ又は経路アップデートメッセージ)を送る。UEは、EUTRANからeHRPDへスイッチングした直後に一度、「EUTRAN過剰」表示を含むのみである。例えば、接続リクエストメッセージが「EUTRAN過剰」表示を搬送するために使用される場合、UEは、EUTRANからeHRPDへスイッチした後にUEが送る最初の接続リクエストメッセージの中にこの表示を含むのみである。UEは、それがeHRPDシステムの中に滞在している限り、任意のそれに続く接続リクエストメッセージの中にこの表示を含まない。
‐ eHRPDeANは、「EUTRAN過剰」表示設定を有するアップリンクメッセージを受信する。その後、eANは、「EUTRAN過剰」表示設定を有するブロードキャストメッセージ(例えば、クイック構成メッセージ)を記した。eANがまた他のRATネイバーリストメッセージをブロードキャストする場合、eANは、EUTRANへ戻るアイドル状態のハンドオーバーを実行するために、UEがメッセージの中に含まれる情報を使用しないように、メッセージをブロードキャストすることを止めるか、又はメッセージのコンテンツ調整をするかのいずれかを行うことが可能である。eANはまた、過剰タイマーを初期化しかつ開始する。過剰タイマーは、x分の期間(xの長さは事業者によって定義される)として定義される。タイマーは、eANがタイマーが満了する前に「EUTRAN過剰」表示を有する少なくとも1つのUEを受信した場合、リセットされる。
‐ UEが「EUTRAN過剰」を表示するeANブロードキャストメッセージを受信した場合、UEは、PRL/MMSS機能(又は任意の他のシステム再選択機能)を使用してEUTRANへスイッチバックすることが一時的にできない。他のRANネイバーリストメッセージがeANによってブロードキャストされる場合、UEは、メッセージの中で提供されるガイドラインに従って、EUTRANへスイッチバックすべきか否かを判定する。
‐ スイッチングがLTE過剰状況のためにトリガされたのでなければ、UEがLTEからeHRPDへスイッチすることは、アップリンクメッセージ(例えば、接続リクエストメッセージ)の中の「EUTRAN過剰」表示を設定しない。
‐ eANは、過剰タイマーが満了しない場合、ブロードキャストメッセージの中に「EUTRAN過剰」を記し続ける。過剰タイマーが満了した場合、eANは、オーバーヘッドメッセージの中の「EUTRAN過剰」表示をブロードキャストすることを止める。他のRATネイバーリストメッセージがサポートされる場合、そのメッセージは通常のパラメータを用いて送信される。
‐ UEが、eANが「EUTRAN過剰」表示を除去したことを検出した場合、UEは、通常の作動を開始し、かつ適切な時にEUTRAN再選択を実行することができる。
EUTRAN過剰;ネットワークに基づく表示方法:すなわち
‐ EUTRANが過剰である場合、それはUEをEUTEAN周波数から拒否又は解放し始め(例えば、RRC接続拒否又はRRC接続解放)、かつEUTRAN周波数のうちのいくつかの優先度を下げる。全ての利用可能なEUTRAN周波数が過剰である場合、EUTRANは、UEのうちのいくつかを拒絶又は解放し始める。同一場所に配置されるネットワーク(LTE/CDMA)又は接続されたRAT間のネットワークに対して、「EUTRAN過剰」表示は、LTE RRM構成要素からcdma RRM構成要素へパスされる。使用されるインターフェースは、プロプライエタリインターフェースであり得、又は標準的に定義されたインターフェースであり得る。
‐ 「EUTRAN過剰」表示をLTEネットワークから受信するや否や、eHRPDeANは、「EUTRAN過剰」表示を有するブロードキャストメッセージ(例えば、クイック構成メッセージ)を記した。eANがまた他のRATネイバーリストメッセージをブロードキャストする場合、eANは、EUTRANへ戻るアイドル状態のハンドオーバーを実行するために、UEがメッセージの中に含まれる情報を使用しないように、メッセージをブロードキャストすることを止めるか、又はメッセージのコンテンツ調整をするかのいずれかである。
‐ UEが「EUTRAN過剰」を表示するeANブロードキャストメッセージを受信した場合、UEは、PRL/MMSS機能(又は任意の他のシステム再選択機能)を使用して一時的にEUTRANへスイッチバックすることができない。他のRANネイバーリストメッセージがeANによってブロードキャストされる場合、UEは、メッセージの中で提供されるガイドラインに従って、EUTRANへスイッチバックすべきか否かを判定する。
‐ LTEネットワーク過剰状態が減少する場合、LTEネットワークは「LTE非過剰」表示をHRPDネットワークへパスする。この表示を受信するや否や、オーバーヘッドメッセージの中の「EUTRAN過剰」表示をブロードキャストすることを止める。他のRATネイバーリストメッセージがサポートされる場合、そのメッセージは通常のパラメータを用いて送信される。
‐ UEが、eANが「EUTRAN過剰」表示を除去したことを検出した場合、UEは、通常の作動を開始し、かつ適切な時にEUTRAN再選択を実行することができる。
例示的な実施形態1:
1. LTE RRMは、「EUTRAN過剰」表示をeHRPD PRMへ送る。
2. eHRPDeANは、オーバーヘッドメッセージ(例えば、クイック構成)の中の「EUTRAN過剰」表示をブロードキャストする。他のRANネイバーリストメッセージがまた、サポートされる場合、eANはメッセージを送ることを停止するためのアクション(又はメッセージに対する他のトリートメント)を取る。
3. UEがeANから「EUTRAN過剰」表示を検出する場合、UEは、eHRPDシステムの中にあるままであり、かつLTE再選択メカニズム(例えば、MMSS又は他の方法に基づくLTE再選択)を実行しない。
4. LTE RRMは、「EUTRAN非過剰」表示をeHRPD PRMへ送る。
5. eHRPDeANは、オーバーヘッドメッセージの中の「EUTRAN過剰」表示をブロードキャストすることを止める。他のRANネイバーリストメッセージがまた、サポートされる場合、eANは他のRATネイバーリストメッセージ通常作動を再開する。
6. UEは、eANから「EUTRAN非過剰」表示が存在しないことを検出する。UEは、通常作動を再開し、かつスイッチング要件が満たされる場合、LTEへ再選択及びスイッチする。
例示的な実施形態2:
1. eNBは、eHRPDへのリダイレクションを有するRRC接続解放メッセージを送り、かつ「EUTRAN過剰」表示を含む。
2. eNBダウンリンクメッセージを受信するや否や、UEは、eHRPDシステムへスイッチする。その後、UEは、接続リクエストメッセージを送り、かつeANに対する「EUTRAN過剰」表示を含む。LTEからeHRPDシステムへスイッチしたUEは、eANに送られる最初の接続リクエストメッセージの中に「EUTRAN過剰」表示を含むのみである。UEがeHRPDシステムの中に残っている限り、それは後続の接続リクエストメッセージの中の表示を含まない。
3. 「EUTRAN過剰」表示を有する、最初のUEのアップリンクメッセージ(例えば、接続リクエストメッセージ)を受信するや否や、eANはRRMをアップデートし、かつ「EUTRAN過剰」表示を有するブロードキャストオーバーヘッドメッセージを送り始める。eAN(又はRRM)は、LTEオーバーヘッドタイマーを初期化しかつ開始する。
4. UEは、「EUTRAN過剰」を有するオーバーヘッドメッセージを受信すると、LTEシステムの再選択機能を一時的に無効化し、かつLTEシステムへスイッチすることを試みない。
5. eANは、任意のそれ以上のUEが「EUTRAN過剰」表示を有する接続リクエストメッセージを送ったことを検出せず、かつLTE過剰タイマーが満了する。eANは、オーバーヘッドメッセージの中に「EUTRAN過剰」表示を含むことを止める。
6. UEは、eANから「EUTRAN非過剰」表示が存在しないことを検出する。UEは、通常作動を再開し、かつスイッチング要件が満たされる場合、LTEへ再選択及びスイッチする。
例示的な実施形態3:
1. eNBは、eHRPDへのリダイレクションを有するRRC接続解放メッセージを送り、かつ「EUTRAN過剰」表示を含む。
2. eNBダウンリンクメッセージを受信するや否や、UEは、eHRPDシステムへスイッチする。その後、UEは、接続リクエストメッセージを送り、かつeANに対する「EUTRAN過剰」表示を含む。LTEからeHRPDシステムへスイッチしたUEは、eANに送られる最初の接続リクエストメッセージの中に「EUTRAN過剰」表示を含むのみである。UEがeHRPDシステムの中に残っている限り、それは後続の接続リクエストメッセージの中の表示を含まない。
3. 「EUTRAN過剰」表示を有する、最初のUEのアップリンクメッセージ(例えば、接続リクエストメッセージ)を受信するや否や、eANはRRMをアップデートし、かつ「EUTRAN過剰」表示を有するブロードキャストオーバーヘッドメッセージを送り始める。eAN(又はRRM)は、LTEオーバーヘッドタイマーを初期化しかつ開始する。eANは、HRPDチャネルを取得することができる限り、UEがLTEへスイッチすることができないように、他のRATネイバーリストメッセージをブロードキャストすることを止めるか、他のRATネイバーリストメッセージの中のパラメータを修正するかのいずれかである。
4. UEは、「EUTRAN過剰」を有するオーバーヘッドメッセージを受信すると、LTEシステムの再選択機能を一時的に無効化し、かつLTEシステムへスイッチすることを試みない。
5. eANは、任意のそれ以上のUEsが「EUTRAN過剰」表示を有する接続リクエストメッセージを送ったことを検出せず、かつLTE過剰タイマーが満了する。eANは、オーバーヘッドメッセージの中に「EUTRAN過剰」表示を含むことを止める。eANはまた、他のRATネイバーリストメッセージをブロードキャストすること、及び他のRATネイバーリストメッセージに対して通常のパラメータを使用することを再開する。
6. UEは、eANから「EUTRAN非過剰」表示が存在しないことを検出する。UEは、通常作動を再開し、かつスイッチング要件が満たされる場合、LTEへ再選択及びスイッチする。
【0024】
本発明は、好適な(又は一次/ソース)ネットワークが過剰である場合、バックアップ(又は2次/ターゲット)ネットワークから好適な(又は1次/ソース)ネットワークへUEがスイッチングバックすることを妨げるメカニズムを提供する。メカニズムは、好適なネットワークにおける過剰状況のために2つのシステムの間でUEがピンポンすることを妨げる。
略語
eAN: 強化されたアクセスネットワーク
HRPD: 高レートパケットデータ
LTE: ロングタームエボリューション
UE: ユーザ機器
E‐UTRAN:進化したUMTSテレストリアル無線アクセス
RAT: 無線アクセス技術
RRM: 無線リソースマネージメント
【0025】
説明する目的で前述の実施形態の中において本発明が詳細に説明されてきたが、そのような詳細は説明目的だけのためであり、以下の特許請求の範囲によって定義されることを除いて、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、当業者によって様々な変形例が作られ得ることは理解されるべきである。