(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記CHEXによって冷却された第1の室から第2の室の中に冷気を導くように構成され、前記第1の室は前記制御装置により0℃未満の温度に維持され、前記第2の室は前記制御装置により0℃を超えた温度に維持される、請求項1に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
現代の室温磁気冷蔵(MR)システムは、冷却を実行するために能動式磁気再生器(AMR)サイクルを利用することがある。AMRサイクルの初期の実装形態は、米国特許第4,332,135号に見出すことができ、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。AMRサイクルは、
図1a〜1dに概略的に示されたように4つの段階を有する。
図1a〜1dにおけるMRシステムは、磁気熱量材料(MCM)190の多孔性ベッドおよび伝熱流体を含み、伝熱流体がMCMベッド190を通って流れる際に伝熱流体はMCMと熱を交換する。
図1a〜1dでは、ベッドの左側は低温側である一方で、高温側は右側である。代替実施形態では、高温側と低温側は逆でもよい。流体流れの時期および方向(高温−低温、または低温−高温)は、磁場の印加および除去で調整されてもよい。磁場は、永久磁石、電磁石、または超電導磁石のいずれによって提供されてもよい。
【0003】
図1aのAMRサイクルの説明用の例では、サイクルの第1段階「磁化」が起こる。MCMベッド190内の流体が停滞している間、磁場192はMCMベッド190に加えられ、MCMベッド190を加熱させる。
図1aに示された磁化段階では、示された4つの弁がすべて閉じられて、流体がMCMベッド190を通って流れるのを防止する。4つの弁は、低温吸入弁182、低温排出弁184、高温排出弁186、および高温吸入弁188を含む。
図1bでは、サイクルの第2段階「低温−高温流れ」が起こる。MCMベッド190を超える磁場192は維持され、温度T
Ci(低温吸入温度)の流体は低温側からMCMベッド190を通って高温側にポンプ供給される。低温吸入弁182および高温排出弁186は、MCMベッド190を通る流体の動きを促進するためにこの段階中は開いている。低温排出弁184および高温吸入弁188は、この段階中は閉じている。流体はMCMベッド190の各部分から熱を除去し、流体がMCMベッド190の隣の部分に移動するにつれてMCMベッド190を冷却し流体を加熱し、このプロセスはより高温で続けられる。流体は最終的に温度T
Ho(高温排出温度)に達すると、流体は高温排出弁186を通ってMCMベッド190から出る。通常、この流体は高温側熱交換器(HHEX)194を通って循環され、流体はその熱を周囲環境に排出する。
図1cでは、第3段階「消磁化」が起こる。流体流れは、低温吸入弁182および高温排出弁186が閉じ、磁場192が除去されたときに終了する。また低温排出弁184および高温吸入弁188もこの段階中は閉じている。これによりMCMベッド190をより冷却させる。
図1dでは、サイクルの最終段階「高温−低温流れ」が起こる。ここでは温度T
Hi(高温吸入温度)の流体は、引き続き磁場192がない状態で高温側からMCMベッド190を通って低温側にポンプ供給される。この段階では、低温排出弁184および高温吸入弁188は開いているが、低温吸入弁182および高温排出弁186は閉じている。流体はMCMベッド190の各部分に熱を加え、流体がMCMベッド190の隣の部分に移動するにつれてMCMベッド190を加熱し流体を冷却し、このプロセスはより低温で続けられる。流体は最終的に温度T
Co(低温排出温度)に達し、温度T
Coはサイクルにおいて流体が達した最低温度である。通常、このより低温の流体は低温側熱交換器(CHEX)196を通って循環され、そこで低温流体が冷蔵システムから熱を捕捉することにより、このシステムはその低温を維持できる。
【0004】
AMRサイクルの主な利点は、K.L. Engelbrecht、G.F Nellis、S.A Klein、およびC. B. Zimmによる「Recent Developments in Room Temperature Active Magnetic Regenerative Refrigeration」HVAC&R Research, 13 (2007) pp.525−542(以下「Engelbrechtら」と言う)に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。その利点は、(熱が排出された温度から熱が吸収された温度を減じた)範囲が、磁場を加えたときに(断熱温度変化Delta−T
ad)磁気熱量材料の温度変化の絶対値よりはるかに大きいことが可能であることである。
【0005】
AMRサイクルの4つの段階の実行を完了するのにかかる時間はサイクル時間と呼ばれ、その逆はサイクル周波数として公知である。MRシステムの「温度範囲」はT
Hi−T
Ciと定義され、これは吸入流体温度の差である。AMRサイクルは蒸気圧縮サイクルに類似しており、そこで気体圧縮(気体を加熱させる)は磁化の役割を果たし、気体の自由膨張(気体温度を下降させる)は消磁化の役割を果たす。蒸気圧縮サイクルにおいて、伝熱流体はCHEXおよびHHEX内の相を変化させて伝熱に役立つ。AMRサイクルのCHEXおよびHHEX内でこのような相変化が起こる必要はないが、水などの単相の伝熱係数が高い流体が使用されてもよい。
図1a〜1dは単一のベッドのMRシステムの作動を示すが、代替実施形態では、それぞれが同じAMRサイクルを受ける複数のベッドが、冷却力を増加させる、システムの大きさを低減させる、あるいはAMRサイクルの実装を改良するために、単一システム内に組み合わされてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
改良されたデフロスタなどの適用例に使用するための例示的磁気冷蔵システムが本明細書に説明されている。冷蔵システムでは、熱を周辺環境から除去する、または吸収する冷却要素は、上を氷で覆われることが多い可能性がある。これは、周辺環境が冷却要素上に凍結する水蒸気を含むときに起こることがあり、それによってその効率を下げ、環境を冷却するためにより多くのエネルギーを必要とする。結果として、デフロスト方法を使用して冷却要素上に堆積したあらゆる氷を溶かし、冷却要素の効率を回復させてもよい。デフロストシステムの例示的実施形態は、熱が高温側熱交換器(HHEX)から低温側熱交換器(CHEX)に伝達されるように、HHEXからCHEXに伝熱流体(HTF)の一方向流(UDF)ができるために、システム内の弁の周期的切替えを中断することを含んでもよい。
【0014】
例示的実施形態では、AMRサイクルを実装するための一方法は、ホイール組立体内に磁気熱量材料の扇形状のベッドを配置し、扇形状の磁石を使用してホイールの扇形状部に磁場を加えることである。磁気熱量材料のベッドは流体流れのために多孔性である。例示的実施形態では、1組の弁およびポンプは、流れがベッドを通っていずれの方向にも送られることができるように設置される。代替実施形態では、他の配置が使用されてもよい。AMR作動については、ホイールが回転されるか、または磁気が回転されることのいずれかにより、ベッド上で磁場を変化させ、流れはベッドを通って方向付けられ、流れ方向はホイールまたは磁石の位置と同調して弁によって切り替えられる。
【0015】
説明用の例では、
図2はAMR作動を示し、この場合MCM材料のベッドは、磁場を通って回転されるホイール組立体内に配置される。ホイール230は、3つのホイールセグメント205からなる。各ホイールセグメント205は、MCMの2つのベッドを含み、2つのベッドの低温端は、ホイールセグメントの中心で互いに面する。ホイールセグメント分割部210は、隣接したホイールセグメント205を分離し、2つの隣接したベッドの高温端も分離する。
【0016】
流体は、ポンプ240によりホイールセグメント205内に含まれたMCMベッドを通って運ばれる。固定された弁ディスク200および215は、流体がホイールセグメント205内に含まれたMCMベッドを通ってポンプ供給されるとき、および流体がホイールセグメント205内に含まれたMCMベッドを通ってポンプ供給される方向を制御するために使用される。また固定された弁ディスク200および215は、高温側熱交換器(HHEX)225および低温側熱交換器(CHEX)220を通過する流体を制御するためにも使用される。またポンプ240は、流体をHHEX225およびCHEX220ならびに固定された弁ディスク220および215を通って駆動させる。最後に、ホイール230は、ホイールセグメント205内に含まれたMCMベッドを加熱するために、磁石235によってもたらされた磁場を通って回転されることが可能である。
【0017】
別の説明用の例では、
図3は、磁石がMCMベッドの代わりに回転されることを除いて
図2と同様のAMRの作動を明示する。
図3は固定位置にあるMCMベッド300を示す。磁石305はMCMベッド300の上で回転して、AMRサイクルの段階に依存してMCMベッドを加熱または冷却する。MCMベッド300を通る流体流れは、回転弁310によって制御される。
図4は、弁および熱交換器がどのように
図3のような装置内の様々なMCMベッドと相互連結され得るかを明示する。
【0018】
磁気冷蔵庫への主なワーク投入は、AMRサイクル中に受ける磁力に対する磁石またはMCMベッドの動きである。上に論じられた回転する磁気冷蔵庫については、主なワーク投入は、ホイールまたは磁石を回転させるために利用される。追加のワーク投入は、流体流れを駆動させるために利用される。
【0019】
磁場の変更に同調してベッドを通る流れの周期的な逆転は、AMRサイクルの熱ポンプ供給能力を可能にするものである。磁場が存在するベッドの低温側から高温側への流れは、熱をHHEXに駆動させる一方で、磁場が存在しないベッドの高温側から低温側への流れは、熱をCHEXから取り除く。例えば
図1a〜1d、5a、および5bを参照されたい。AMRサイクルの実際の効果は、ワークを消費し熱をCHEXからHHEXに駆動させることである。
【0020】
図5aおよび5bは、AMRサイクルの例示的実施形態を示す。実装置では、伝熱流体(HTF)は、装置の機能部品を連結する配管を通って流れている間、少量の熱を吸収するまたは失う。
図5a〜8bの例示的実施形態では、配管は、配管内の吸収されたまたは失われた少量の熱が流体の温度を著しく変えないように、充分に良好に絶縁されている。加えて、弁は良好に絶縁され低摩擦を有し、その結果、弁を通過する流体は著しい温度変化をしない。またMCMの温度は、ほぼ常磁性から強磁性転移であり、この場合、MCMは磁場が加えられると加熱し、磁場が取り除かれると冷却することも、
図5a〜8bで想定される。またMCMを反強磁性転移に近い温度で使用することも可能であり、この場合、AMRサイクルは同様の手法で作動するが、MCMは磁場が加えられると冷却し、磁場が取り除かれると加熱する。
【0021】
図5aでは、ポンプ1は、伝熱流体(HTF)を高温排出温度T
hoで高温側熱交換器(HHEX)2を通って駆動させ、そこでHTFは熱を環境に放出し高温吸入温度T
hiに冷却する。HTFは高温吸入弁3に入る。高温吸入弁3はHTFを、磁石9の外側の位置11に隣接して消磁化状態である磁気熱量材料(MCM)4の多孔性ベッドの高温端に向ける。HTFは、HTFがMCMベッド4を通って流れると低温排出温度T
coに冷却され、低温排出弁5に向けられる。低温排出弁5は、HTFを低温側熱交換器(CHEX)6を通して方向付け、そこでHTFは熱を負荷から吸収して低温吸入温度T
ciに加熱する。流体は低温吸入弁7に入り、磁化状態で磁石9の内側にあるMCM8の多孔性ベッドの低温端に向けられる。MCMベッド8は位置30に隣接して磁化状態であり、位置30は現在磁石9によって占拠されている。HTFは、HTFがMCMベッド8を通って流れると温度T
hoに加熱され、高温排出弁10に向けられて流体サイクルを完了する。一定期間T
b後、磁石9はMCMベッド8および位置30から取り除かれ、MCMベッド4を超えて位置11に動かされ、弁10、3、5、および7は切り替えられ、
図5bに示された状況をもたらす。再度ポンプ1は伝熱流体(HTF)を温度T
hoでHHEX2を通して駆動させ、そこでHTFは熱を環境に放出し温度T
hiに冷却する。HTFは高温吸入弁3に入る。高温吸入弁3はHTFを、磁石9の外側の位置30に隣接して消磁化状態であるMCMベッド8の高温端に向ける。HTFは、HTFがMCMベッド8を通って流れると温度T
coに冷却され、低温排出弁5に向けられる。低温排出弁5は、HTFをCHEX6を通して方向付け、そこでHTFは熱を負荷から吸収して温度T
ciに加熱する。HTFは低温吸入弁7に入り、磁化状態で磁石9の内側にあるMCMベッド4の低温端に向けられる。磁石9は現在位置11を占拠している。HTFは、HTFがMCMベッド4を通って流れると温度T
hoに加熱され、高温排出弁10に向けられ、流体サイクルを完了する。一定期間T
b後、磁石9は再度位置11およびMCMベッド4から取り除かれ、位置30およびMCMベッド8に戻され、弁10、3、5、および7は切り替えられ、再度
図5aに示された状況をもたらす。
【0022】
図5aおよび5bに示された2つの流れ期間は、弁の切替えおよびMCMベッド8からMCMベッド4に動きMCMベッド8に再度戻る磁石9の動きと共に、1つのAMRサイクルを構成する。例示的実施形態では、MCMおよび時間T
bの条件が課せられる。MCMの条件は、MCMが低温端で著しい磁気熱量効果を温度T
coで有し、MCMがベッドの高温端で著しい磁気熱量効果を温度T
hoで有するように、MCMベッド4および8が構築されてもよく、ベッド内のMCMの中間層は著しい磁気熱量効果を中間温度で有してもよいことである。流れ時間T
bの条件は、MCMベッド4またはMCMベッド8を時間T
bで通過するHTFの総熱容量が、いずれのベッドにおいてもMCMの熱容量より実質的に少ないように充分に短いことである。例えばその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、S. Jacobs、J. Auringer、A. Boeder、J. Chell、L. Komorowski、J. Leonard、S. Russek、C. Zimmにより「The performance of a large−scale rotary magnetic refrigerator」International Journal of Refrigerationに記載された磁気冷蔵庫については、ISSN 0140−7007, http://dx.doi.org/10.1016/j.ijrefrig.2013.09.025で2013年9月22日にオンラインで入手可能であり、したがってT
bは0.2秒未満であるべきである。
【0023】
T
hiとT
ciの所望の温度差がMCMおよび装置設計の実行能力の範囲内であるときは、MCMベッド4および8における磁気熱量効果および再生の作動により、T
coがT
ciより小さくなりT
hoがT
hiより大きくなることが可能になり、CHEX6内の冷却負荷Q
cを吸収し、HHEX2内の加熱負荷Q
hを拒絶することが可能になる。T
hi−T
ciの温度差は、Engelbrechtらに説明されたように、通常Delta−T
adより数倍大きい。Delta−T
adは、磁場が加えられるときの磁気熱量材料の温度変化の絶対値である。
【0024】
流れの周期的な逆転は中断されているが、その代わりに流れはベッドを通って単一方向(一方向流れ、UDF)に維持される場合、ベッドのAMRサイクル作動は終了し、高温流体はHHEX2からCHEX6に高温流から低温流を被るベッドを通って伝達され、低温流体はCHEX6からHHEX2に低温流から高温流を被るベッドを通って伝達される。これは、
図5aおよび5bに明示された熱の伝達の反対である。
図5aおよび5bでは、熱はCHEX6からHHEX2に伝達され、HHEX2はCHEX6の周囲の環境を冷却する。一方、流れの周期的な逆転は中断されている(UDFモード)場合、熱はHHEX2からCHEX6に伝達される。これは冷凍庫または冷蔵庫の適用においてCHEX6から氷をデフロストするなどの適用に有益である場合がある。このUDFモードでは、周期的な弁の切替えを中断することによりHTFの流れの逆転が終了し、AMRサイクルに比べてUDFモードをもたらすために必要とされるワークを低減させる。
【0025】
図6は、UDFモードの作動の例示的実施形態を示す。示された構成要素は、
図5aおよび5bにおけるAMRサイクルの例示的実施形態に使用された構成要素と同じであるが、
図5aおよび5bに示された弁の周期的切替えは中断されており、その代わりに弁は固定位置に残されている。ポンプ1は伝熱流体(HTF)を高温側熱交換器(HHEX)2を通って高温吸入弁3の中に駆動させる。この実施形態では、HTFは、
図5aおよび5bに示されたように熱を排出する代わりにHHEX2内の熱を吸収する。示された固定位置に残された高温吸入弁3は、HTFを位置11に隣接して消磁化状態の磁石9の外側にあるMCMベッド4の端部に向ける。HTFはMCMベッド4を通って流れ、低温排出弁5に向けられる。示された固定位置に残された低温排出弁5は、CHEX6を通るHTFを方向付ける。この実施形態では、HTF流体は、
図5aおよび5bに示されたように熱を吸収する代わりにCHEX6内の熱を排出する。この排出された熱は、UDFモードのデフロストの可能性をもたらす。流体は示された固定位置に残された低温吸入弁7に入り、磁石がMCMベッド8の外側の位置30を占拠するので、磁化状態で磁石9の内側にあるMCMベッド8の端部に向けられる。HTFはMCMベッド8を通って流れ、示された固定位置に残された高温排出弁10に向けられて、流体サイクルを終了する。AMRサイクルとの違いは、流れが
図5aおよび5bを参照に論じられたように、時間T
b内に周期的に逆転されないことである。上に論じられた最大時間T
bより数倍長い、短い過渡期の後、AMRサイクルをもつ再生行為の可能性は終了し、MCMベッド4の端部間のあらゆる温度差は低下し、MCMベッド8の端部間のあらゆる温度差も低下する。例えばその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、S. Jacobs、J. Auringer、A. Boeder、J. Chell、L. Komorowski、J. Leonard、S. Russek、C. Zimmにより「The performance of a large−scale rotary magnetic refrigerator」International Journal of Refrigerationに記載された磁気冷蔵庫については、ISSN 0140−7007, http://dx.doi.org/10.1016/j.ijrefrig.2013.09.025で2013年9月22日にオンラインで入手可能であり、短い過渡期は約2秒であってもよい。
図6では、MCMベッド4の吸入ラインおよび排出ラインにおけるHTFは同じ温度T
hiを有するので、MCMベッド4を横切る温度差はない。またMCMベッド8の吸入ラインおよび排出ラインにおけるHTFは同じ温度T
ciを有するので、MCMベッド8を横切る温度差もない。しかし代替実施形態では、MCMベッド4および8内の温度は完全に低下しなくてもよい。完全な低下が起こらないこのような状況において、MCMベッド4の吸入ラインおよび排出ラインにおけるHTFは、同じ温度に達しなくてもよい。同様にMCMベッド8の吸入ラインおよび排出ラインにおけるHTFは、同じ温度に達しなくてもよい。HHEX2およびCHEX6が異なる温度T
hおよびT
cそれぞれにおいて大きい蓄熱体に連結される場合、HHEX2からCHEX6への熱の流れは大きくなる(但しT
hおよびT
cは、それぞれHHEX2の高い相対温度およびCHEX6の低い相対温度を表す)。m
dotが流体質量流量、C
fが流体熱容量、T
cがCHEX6の温度、T
hがHHEX2の温度である場合、UDFモード中に伝達される熱(Q
udf)はほぼ以下の通りである。
【数1】
【0026】
このUDFモードの熱伝導率は、正常冷却モードにおいてAMR冷蔵庫によって運ばれるより大きい。例えばその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、S. Russek、J. Auringer、A. Boeder、J. Chell、S. Jacobs、C. Zimmにより2010年8月23〜28日にthe Proceedings of Fourth IIF−IIR International Conference on Magnetic Refrigeration at Room Temperature, Baotou, Chinaから出版された「The performance of a rotary magnet magnetic refrigerator with layered beds」(以下「Russekら」と言う)に報告されたように、AMR冷却力は14ケルビン(K)で毎分8リットル(LPM)の流体流速で380ワットであった。方程式1より同じ範囲および流速におけるUDFの熱伝導率は7800ワットである。
【0027】
冷蔵の多くの実際の適用では、HHEXからCHEXに熱を伝達する代わりに、CHEXからHHEXへの熱の伝達を一部の時間中断することが有益である可能性がある。例えば食品貯蔵冷蔵庫内のCHEXは、通常水の氷点である0℃未満で作動してもよく、この場合霜はCHEX上に堆積し、最終的にその作動を妨げる。この問題に対する1つの解決策は、堆積した霜を溶かすためにCHEXが0℃を超えて加熱される間、デフロストサイクルを実行することである。家庭用冷蔵庫のための従来のデフロストサイクルは、冷蔵サイクルの作動を中断し、CHEXを電気的に加熱する。この手法の不利益は、Xジュールのエネルギーを使用して堆積した氷を溶かす場合、少なくともXジュールの電気エネルギーを供給しなければならないことである。より効率的な代替手段は、消費される電力が流体をポンプ供給するために使用されるはずであるので、UDFモードを使用してHHEXからCHEXに熱を伝達することである。前の段落で論じたRussekらの例の場合、8LPMでの流体路内の圧力降下は380キロパスカル(kPa)であり、流れを駆動させるために消費される電力は、ポンプ効率を40%とすると130ワットであった。CHEXに供給された熱が7800ワットの上述のUDF熱伝導率は、流れを駆動させるために使用されるワーク投入より60倍大きい。
【0028】
一部の冷蔵庫では、ファンは、正常な冷蔵サイクル中にCHEXから冷蔵された室に熱を伝達する支援をするために、CHEXの上に空気を吹き込む。換言すると、CHEXがその環境から熱を冷却または吸収するとき、プロセスをより効率的にまたは均一にさせるためにファンを使用してもよい。このような場合、UDFデフロストサイクル中にファンの作動は、デフロストモード中に冷蔵された室に伝達される熱量を最小にするために中断されてもよい一方で、依然としてCHEXの上に堆積した氷を溶かすためにCHEX自体に伝達する熱は多いという利点を活かす。
【0029】
デフロストモードの時期は、複数の方法を使用して制御されてもよい。従来の冷蔵庫は、冷蔵された空間温度を維持するために1日に複数回スイッチをオンオフさせることが多い。冷蔵庫がオンされる時間の比率は、冷蔵庫のデューティサイクルと呼ばれる。デフロストモードを制御する1つの方法は、デューティサイクル時間の固定比率に対して冷蔵庫をデフロストモードに周期的に切り替えることであるはずであり、これはタイミング機構で達成されてもよい。例えばデフロストモードは1日に1回実行されてもよく、デフロストのための時間の固定比率はその日の磁気冷蔵システムの総作動時間の3〜10%であることが可能である。別の手法は、
図6の配置を使用して、測定された温度を使用してAMRとデフロストモードとの間を切り替えることであろう。CHEX6から出るHTFの温度T
ciおよびCHEX6の周囲の冷蔵された空間の温度T
rは、監視されるはずである。T
r−T
ciの差が第1の閾値に達すると、冷蔵された空間からCHEX6に入る熱を遮断する過度の氷の存在を示し、デフロストモードはオンされる。温度T
ciが水の氷点を超える第2の閾値に達すると、ほとんどの氷がCHEX6から溶けたことを示し、デフロストモードはオフされる。第1の閾値は7℃であってもよく、第2の閾値は3℃であってもよい。
【0030】
UDFモードが有益であり得る別の例は、屋外の温度に大きいばらつきがある際に冷却している建物内である。建物は電気機器などの大きい内部発熱源を有することがあり、したがって常に屋外に熱を運ぶ必要がある。屋外の温度が所望の内部の建物の温度(設定点)より高いとき、AMR冷却を使用して建物の内部の1つまたは複数のHEXから流体流れを介して建物の外部の1つまたは複数のHEXに熱を運ぶことができる。しかし屋外の温度が設定点より実質的に下がると(これは夜または冬期に起こる可能性がある)、AMRサイクルを使用しなくてもよい。UDFモードは、内部のHEXから流体流れにより外部のHEXに熱を運ぶために、ワーク投入を大幅に低減する望ましい方法である。AMRサイクルに対して伝熱流体内に相変化は起こらないので、同じ熱交換器および流体ループを正常な冷却およびUDFモードのどちらにも使用してもよい。正常な冷却モードに起こる相変化は、屋外の温度が低いときに適切な温度では起こらないことがあるので、従来の蒸気サイクルシステムに、補助流体ループおよび単相の熱交換器が必要とされることがある。
【0031】
上述のようなUDFモードは、AMRベッド自体を通りCHEXおよびHHEXを通る一方向流れに関与する。同様の伝熱で機能するはずである代替手段は、CHEXをHHEXに連結し、ベッドを迂回する一方向流れを使用することであろう。
図7aおよび7bに示されたようなAMRベッドを迂回する直接連結は、多孔性ベッドを通る流れから降下する圧力はないはずであるので、必要とされる流れワークは低減するはずである。場合によっては、AMRベッドを迂回するための配置は、流れ回路がより複雑であるという不利益を有する可能性がある。例えばベッド4および8を通るUDF流れを使用する構成のための
図6における弁3、5、7および10は二方弁であるが、ベッド4および8を迂回する流れを使用する構成に対する
図7における弁40、45、50および55は、より複雑な三方弁である。
【0032】
図7aおよび7bでは、バイパスを備えたUDFモードおよびAMRモードが例示的実施形態に示されている。
図7aおよび7bにおける構成要素は、弁を除いて
図5aおよび5bにおけるAMRサイクルの例示的実施形態に使用された構成要素と同じである。
図7aおよび7bに示されたそれぞれの弁は、
図5aおよび5bに示された弁に対する2つの可能な流れ設定の代わりに、3つの可能な流れ設定を有する。別の実施形態では、ここには示されていないが、
図7aおよび7bの同様の態様を達成するためにそれぞれの弁が3つの可能な流れ設定をもつ代わりに、それぞれが2つの可能な流れ設定をもつ1組の複数の弁を使用してもよい。
図7aには、バイパス配置内に弁を備えるUDFモードが示されている。ポンプ1からの伝熱流体(HTF)は、高温側熱交換器HHEX2を通って流れ高温吸入弁40に入り、バイパス管35を通って低温排出弁45に向けられる。HTFは、CHEX6を通って低温吸入弁50に流れ、そこでHTFはバイパス管12を通って高温排出弁55に向けられポンプ1に向けられる。HTFは、UDFバイパスモード中にMCMベッド4および8を通って流れない。磁石9は固定位置に残されてもよく、またはMCMベッド4と8の間を往復運動することができる。AMR作動がUDFモードの代わりに所望される際は、
図7bおよび7cでは、バイパス管35および12へのHTFの流れが遮断されるように、弁40、45、50、および55は切り替わり、流れは代わりに
図5aおよび5bに示された手法と同じ手法で向けられる。
図7bおよび7cに示されたAMRモードでは、磁石9をMCMベッド4と8との間で往復運動させる。1つの磁石位置が
図7bおよび7cのそれぞれに示されており、そこで磁石は(
図7bにおけるように)位置30または(
図7cにおけるように)位置11のいずれかを占拠する。
【0033】
AMRサイクル中に使用される変動磁場は、UDFモード中には使用されない。したがってこれは時間変動磁場を中断する役に立つことがある。磁場が永久磁石に由来する場合は、時間変動磁場の中断は、磁石とベッドとの間の相対運動を中断することによって行われてもよい。磁場が電磁石に由来する場合は、時間変動磁場の中断は、磁石とベッドとの間の相対運動を中断することによって、または電磁石の励起を中断することによって行われてもよい。AMRサイクルに対する変動磁場は、磁石と磁気熱量ベッドとの間の相対運動によって生成されてもよい。高温から低温へのUDFの影響を受けたベッドはほとんど高温であることがあり、したがってかなり低い透磁率であり、低温から高温へのUDFの影響を受けたベッドはほとんど低温であり、したがって比較的高い透磁率であることがあるので、大きい温度範囲が存在するときに磁石とベッドとの間の相対運動は、変動磁力に対して動くものであり、変動磁力はエネルギー投入を必要とすることがある。したがって磁石とベッドとの間の相対運動を中断することが有利であることがある。
図2、3および4に示された実施形態などのベッドホイールまたは磁石が回転する磁気冷蔵庫については、流れの逆転は磁石とベッドとの間の相対運動を生成する回転に結合された回転弁で行われることが可能である。これらの場合にポンプが個別の駆動機構を有する場合、AMRモードからUDFモードへの変更はホイールまたは磁石の回転を止めることによって達成されてもよく、ホイールまたは磁石の回転は磁場の変化および流れの逆転の両方を止める。UDFの高められた伝熱が達成される必要がある場合、流体流れは一方向だが維持される。
【0034】
またUDFモードは複数の段階の冷却適用に有益であることがある。一例は冷凍冷蔵組合せ装置であり、冷凍冷蔵組合せ装置は、0℃をわずかに超えて維持される生鮮食品のための1つの冷蔵室、および0℃未満に維持される冷凍食品のためのもう1つの冷凍室を有する。この電化製品の正常な冷却作動は、冷凍室を直接冷却し、冷凍室から冷気を選択的に導くことにより冷蔵室の温度を維持する、単一段階のAMRを使用して獲得できる。このような1段階の装置は、上述のUDFモードを使用してCHEXをデフロストできる。しかし
図8aおよび8bの例示的実施形態に示されたように、2つのAMR流体回路、AMR回路120およびAMR回路185、低温側熱交換器(CHEX)95、低温側熱交換器(CHEX)155、高温側熱交換器(HHEX)65、流体−流体段間熱交換器(HEX)90、ポンプ60、およびポンプ130の使用により、AMR回路120の冷蔵部上のほぼ純水の混合物の使用が可能になり、粘性不凍混合物がAMR回路185の約0℃の冷凍ループに使用されてポンプワークを低減するはずである。例えば冷蔵部120は、0℃で約2.5x10
-3kg/(m−s)の粘度を有する10%のエチレングリコールの溶液を水中に使用することができ、冷凍部185は、0℃で約5.3x10
-3kg/(m−s)の粘度を有する40%のエチレングリコールの溶液を水中に使用することができる。冷凍回路は気体−流体CHEX155を約−20℃で低温側に、また流体−流体段間HEX90を0℃よりわずかに高い暖端に有することができる。生鮮食品のAMR回路120は、生鮮食品室を冷却するために気体−流体CHEX95を約0℃でAMR回路120の低温排出に有することができ、また冷凍庫のAMR回路185から熱を捕捉するために流体−流体HEX90に連結することができる。生鮮食品のAMR回路120は、HHEX65を介して電化製品の外側の周囲空気に熱を排出する。AMRサイクルの作動中、磁石115は生鮮食品のAMR回路120の多孔性MCMベッド105(位置110の隣)と75(位置80の隣)との間を循環し、磁石175は冷凍ループのAMR回路185(
図8aおよび8bに明示されたように)の多孔性MCMベッド165(位置170の隣)と140(位置150の隣)との間を循環する。またAMRサイクルの作動中、弁125、70、85、100、135、180、145、および160は、
図8aおよび8bに示された流れを生成するために周期的に切り替わる。
【0035】
図8aおよび8bに示された例示的実施形態は、異なるUDFモードにも使用することができる。UDFモードを使用する
図8aおよび8bにおけるシステムの一例は
図9に明示されている。冷凍庫のAMR回路185のためのデフロストサイクル中、生鮮食品の段階のAMR回路120は、MCMベッド75および105内の流体流れの方向の逆転を生成するために、弁70、85、100および125を周期的に切り替えて正常に実行し続けることができ、MCMベッド105の隣の位置110とMCMベッド75の隣の位置80との間を磁石115が引き続き移動することができる。弁135、145、160および180の切替えは中断され、冷凍庫のAMR回路185内の流体流れをUDFモードに変更し、冷凍庫のAMRサイクルを短絡するので、熱は生鮮食品流体ループのAMR回路120に連結された流体−流体段間HEX90から冷凍庫のCHEX155に移動されて、生鮮食品ループのAMR回路120からの熱に加えて冷凍庫の段階のポンプ130からの流れワークを使用して霜を溶かす。MCMベッド105を磁化した生鮮食品ループのAMRの低温側に戻る流体の温度は、MCMベッド75を消磁化した生鮮食品の低温側から出る流体よりわずかに低いので、生鮮食品の段階のAMR回路120へのワーク投入はAMR回路185のデフロストモード中は非常に小さくなる。
【0036】
より大きい加熱率が冷凍庫のCHEX155または生鮮食品のCHEX95をデフロストするために所望される場合は、生鮮食品のAMR回路120もUDFモードに設置されることが可能である。AMR回路185およびAMR回路120の両方がUDFモードにあることを明示する実施形態は、
図10に示されている。UDFモードを使用する総合的利点は、従来の電熱デフロストのために使用される電力消費より、デフロスト中にはるかに低い電力消費であることであるはずである。
【0037】
流体流れを止めることによるAMR作動の中断は、HHEXからCHEXに熱を伝達するのに充分であることがある。この場合、HHEXとCHEXとの間で熱を伝達するために静電誘導が利用可能になる。しかし磁気熱量材料の多孔性ベッドを通して熱を伝達するこの静電誘導は、非常に小さいことがある。したがって熱交換器間の大量の熱を交換するために、流動流れを利用してもよい。この一実施形態はUDFを利用する。
【0038】
AMRの磁場の周期的循環が例えばホイールまたは磁石の運動を停止することによって停止されるが、ベッド内の流体流れは周期的に逆転されて継続される場合、CHEXからHHEXへの伝熱の冷蔵効果は終了し、その代わりに熱はHHEXからCHEXに流れる。逆転は充分に多いので、半周期中に各ベッドを通って流れる流体の熱容量が、ベッド充填材料の熱容量より小さくなり、流れは充分に遅いので流体とベッド充填材料との間で効率的な伝熱が可能であり、流体およびベッド充填材料はAMRの作動下で通常の条件である場合は、ベッドは従来の熱再生器として作用し(Frank W. SchmidtおよびA. John Willmott、「Thermal Energy Storage and Regeneration」、McGraw−Hill Inc.、(1981))(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、交互に熱の貯蔵と放出をする。やはりこれらの条件下でAMRの高温側から低温側に伝達される熱の量は比較的小さくなる。したがって大量の熱を伝達するために、流れが利用されるだけでなく、正常なAMR作動の逆流も中断される。この一方向の流れモードの作動により、AMR磁気冷蔵庫の正常なHHEXであるものから正常なCHEXであるものに大量の熱の伝達が可能になる。
【0039】
HHEXから磁化されたベッド(複数可)を通ってCHEXへの流れ、およびCHEXから消磁化されたベッド(複数可)を通ってHHEXへの流れに、逆転して磁気冷蔵庫を稼動することにより、CHEXを効率的にデフロストすることもできる。しかしAMR冷蔵庫に適用される際は、熱伝導率は冷蔵庫の冷却力とほぼ同じであるはずであり、これはUDFモードを介して伝達できる冷却力よりはるかに小さい。これは逆転して磁気冷蔵庫を稼動することにより往復する流れおよび再生を維持するためであるので、CHEXに加えられる加熱は以下の通りである。
【数2】
一方、UDFモードを介して加えられる熱は以下の通りである。
【数3】
通常のAMR磁気冷蔵庫は以下の通りである。
【数4】
上式で、Delta−T
adは磁場が加えられたときの磁気熱量材料の温度変化の絶対値であり、m
dotは流体質量流量であり、C
fは流体熱容量、T
cはCHEXの温度であり、T
hはHHEXの温度であり、Q
revは冷蔵庫が逆転して稼動しているときに伝達される熱であり、Q
udfはUDFモード中に伝達される熱である。
【0040】
例示的実施形態では、前述の実施形態およびモードのすべては制御装置の使用を通して達成され得る。このような制御装置は、弁をオンオフし、冷蔵システムの構造および較正に基づいて時系列で磁石またはMCMベッドを動かすように構築された電子機械装置であってもよい。制御装置の別の変形形態は、電子装置を含んでもよく、これは集積回路および/または様々な電気的に制御された弁、ポンプ、モータ、および磁石を制御するコンピューティングデバイスを含んでもよい。コンピュータ可読命令を使用して、コンピューティングデバイスは、本明細書に論じられた様々な実施形態の機能を実行するために冷蔵装置の構成要素に制御信号を提供してもよい。このような制御装置は、弁をオンオフするために電気信号を送信し、様々なポンプ、モータ、および磁石をオンし、様々なポンプ、モータ、および磁石をオフし、または様々なポンプ、モータもしくは磁石の速度もしくは設定を調節してもよい。
【0041】
例示的実施形態では、本明細書に説明されたあらゆるオペレーションは、コンピュータ可読媒体またはメモリ上に記憶されたコンピュータ可読命令の少なくとも一部として実装されることが可能である。コンピュータ可読命令を制御装置によって実行させると、コンピュータ可読命令によりコンピューティングデバイスがオペレーションを実行させることができる。
【0042】
例示的実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的のため提示されている。上記の記載は、網羅的であること、または開示されたそのままの形式に限定することが意図されてはおらず、修正形態および変形形態は、上記の教示を考慮して可能であるか、または開示された実施形態の実施から得られてもよい。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義されることが意図される。