特許第5969152号(P5969152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SDKの特許一覧

<>
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000002
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000003
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000004
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000005
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000006
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000007
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000008
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000009
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000010
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000011
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000012
  • 特許5969152-測定用ソケット 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5969152
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】測定用ソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 33/76 20060101AFI20160804BHJP
   G01R 31/26 20140101ALI20160804BHJP
【FI】
   H01R33/76 Z
   G01R31/26 J
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-23973(P2016-23973)
(22)【出願日】2016年2月10日
【審査請求日】2016年3月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】312014155
【氏名又は名称】株式会社SDK
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100180976
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】三森 周治
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 栄彦
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−300303(JP,A)
【文献】 特開2005−61948(JP,A)
【文献】 特開2004−327298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 33/76
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル基板に電子部品およびコネクタが接続された電子モジュールを測定対象とする測定用ソケットであって、
前記電子モジュールを載置する凹部を有するベースと、
前記電子部品を基準壁に押し当てるための押圧部と、
を備え、
前記電子モジュールが載置された前記ベースにカバーが被せられることで、前記カバーに設けられたガイド部と前記コネクタとの嵌合が行われ、次に、前記カバーが閉じていく動作と連動して前記押圧部により前記電子部品が前記基準壁に押し当てられ、その後、前記カバーが前記ベースに固定される、ことを特徴とする測定用ソケット。
【請求項2】
前記凹部は、前記電子部品を載置する第1凹部分と、前記フレキシブル基板を載置する第2凹部分とを有し、
前記ベースに前記カバーが被せられることで、前記フレキシブル基板が前記第2凹部分に嵌め込まれ、その後、前記ガイドと前記コネクタとの嵌合が行われる、請求項1記載の測定用ソケット。
【請求項3】
前記カバーと、
前記ベースに対して前記カバーを回動させるためのヒンジ部と、をさらに備えた、請求項1または2に記載の測定用ソケット。
【請求項4】
前記カバーは、前記カバーの閉じる動作と連動して前記押圧部を前記電子部品の方向へ移動させるカムを有する、請求項3記載の測定用ソケット。
【請求項5】
前記カバーを閉じた状態で前記ベースに固定する第1ラッチと、
前記カバーを閉じる際に第1ラッチによる固定よりも手前で前記押圧部を動作させるための第2ラッチと、
をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【請求項6】
前記押圧部は前記カバーに設けられた、請求項3〜5のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【請求項7】
前記押圧部および前記基準壁は前記カバーに設けられた、請求項3〜5のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【請求項8】
前記押圧部は、前記電子部品を前記基準壁の互いに直交する2面の隅に向けて押圧する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【請求項9】
前記押圧部は、前記電子部品を前記基準壁の1面に向けて押圧する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【請求項10】
前記押圧部は、前記電子部品を押圧する際に前記電子部品の外周面と接触して導通を得る接触子を有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の測定用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の導通検査や特性測定などを行う際に用いられる測定用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IC等の電子部品の電気的な測定を行う際に用いられる測定用ソケット(以下、単に「ソケット」とも言う。)として、電子部品を一方向に押圧して位置決めするソケットが開示されている。例えば、特許文献1では、ICパッケージの表面を押圧して位置決めを行う半導体装置用ソケットが開示される。
【0003】
また、特許文献2には、ソケットカバーの電気部品を押圧する押圧動作に伴って操作され、収容部に収容された電気部品の位置決め部と反対側の隅角部にて直交する側面にそれぞれ点接触し、電気部品を位置決め部に対して片寄せする片寄せ手段を備えた電気部品用ソケットが開示される。
【0004】
また、特許文献3には、ソケット本体に、電気部品が押圧部材で押圧される前に、載置部の周縁部の一部に設けられた固定ガイド部に当接される電気部品の側面と反対側の側面を固定ガイド部の方向に押し、電気部品を固定ガイド部に当接させて所定の載置位置に位置決めする手段を備えた電気部品用ソケットが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−023164号公報
【特許文献2】特開2005−061948号公報
【特許文献3】特開2004−296155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フレキシブル基板に電子部品が接続された電子モジュールの状態で測定を行うソケットにおいては、ソケット内での電子部品の正確な位置決めが難しいという問題が生じる。つまり、電子モジュールをソケットに載置してカバーを閉じてフレキシブル基板を押さえると、フレキシブル基板の弾性力によって電子部品が引っ張られ、電子部品を正確に位置決めできない可能性がある。また、フレキシブル基板に対する電子部品やコネクタの搭載位置ずれもあることから、電子部品を単に押圧して位置決めしただけでは、フレキシブル基板やコネクタとの関係において電子部品を正確な位置に合わせることが困難となる。
【0007】
本発明は、フレキシブル基板に電子部品が接続された電子モジュールを正確に位置決めして確実な導通を得ることができる測定用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、フレキシブル基板に電子部品およびコネクタが接続された電子モジュールを測定対象とする測定用ソケットであって、電子モジュールを載置する凹部を有するベースと、電子部品を基準壁に押し当てるための押圧部と、を備え、電子モジュールが載置されたベースにカバーが被せられることで、カバーに設けられたガイド部とコネクタとの嵌合が行われ、次に、カバーが閉じていく動作と連動して押圧部により電子部品が基準壁に押し当てられ、その後、カバーがベースに固定される、ことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、フレキシブル基板に電子部品およびコネクタが接続された電子モジュールをベースに載置し、カバーを被せ、閉めて固定するまでの間において、ガイド部とコネクタとの嵌合が行われた後、カバーの動作と連動して押圧部によって電子部品が基準壁に押し当てられることで位置決めが行われる。これにより、コネクタを介した電子部品との確実な導通と、電子部品の正確な位置決めとを行うことができる。
【0010】
本発明の測定用ソケットにおいて、凹部は、電子部品を載置する第1凹部分と、フレキシブル基板を載置する第2凹部分とを有し、ベースにカバーが被せられることで、フレキシブル基板が第2凹部分に嵌め込まれ、その後、ガイドとコネクタとの嵌合が行われるようになっていてもよい。これにより、ベースにカバーが被せられる際にフレキシブル基板が第2凹部分に嵌め込まれることから、フレキシブル基板を固定した状態で電子部品の位置決めを行うことができる。
【0011】
本発明の測定用ソケットは、カバーと、ベースに対してカバーを回動させるためのヒンジ部をさらに備えていてもよい。また、カバーは、カバーの閉じる動作と連動して押圧部を電子部品の方向へ移動させるカムを有していてもよい。これにより、カバーを閉じる動作によってカムを介して押圧部を駆動し、電子部品の位置決めを行うことができる。
【0012】
本発明の測定用ソケットにおいて、カバーを閉じた状態でベースに固定する第1ラッチと、カバーを閉じる際に第1ラッチによる固定よりも手前で押圧部を動作させるための第2ラッチと、をさらに備えていてもよい。これにより、カバーを閉じる動作において2つのラッチの動作タイミングによって、電子部品の位置決めを行った後にカバーを固定できるようになる。
【0013】
本発明の測定用ソケットにおいて、押圧部はカバーに設けられていてもよい。また、押圧部および基準壁はカバーに設けられていてもよい。これにより、カバーを閉じて固定する直前にカバー側の押圧部によって電子部品の位置決めが行われる。したがって、カバーが回動して電子部品に対して斜めに被せられても、正確な位置決めを行うことができる。
【0014】
本発明の測定用ソケットにおいて、押圧部は、電子部品を基準壁における互いに直交する2面の隅に向けて押圧するようになっていてもよい。また、押圧部は、電子部品を基準壁の1面に向けて押圧するようになっていてもよい。また、押圧部は、電子部品を押圧する際に電子部品の外周面と接触して導通を得る接触子を有していてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フレキシブル基板に電子部品が接続された電子モジュールを正確に位置決めできる測定用ソケットを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る測定用ソケットを開いた状態を例示する斜視図である。
図2】ベース側の拡大図である。
図3】カバー側の拡大図である。
図4】第1実施形態に係る測定用ソケットを閉じた状態を例示する斜視図である。
図5】押圧部の動作を例示する斜視図である。
図6】(a)および(b)は、カムおよび押圧部の動作を例示する平面図である。
図7】第2実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図8】第3実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図9】第3実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図10】電子部品の外周面での導通を得る構成を例示する斜視図である。
図11】(a)および(b)は、押圧および導通の動作を例示する模式図である。
図12】(a)および(b)は、押圧および導通の動作を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る測定用ソケットを開いた状態を例示する斜視図である。
図2は、ベース側の拡大図である。
図3は、カバー側の拡大図である。
図4は、第1実施形態に係る測定用ソケットを閉じた状態を例示する斜視図である。
【0019】
本実施形態に係る測定用ソケット1は、測定対象となる電子モジュール100を搭載して、電子モジュール100のコネクタ103と電気的な接触を得るとともに、電子部品101を正確に位置決めすることができるソケットである。
【0020】
ここで、本実施形態の測定用ソケット1で測定対象としている電子モジュール100は、フレキシブル基板102に電子部品101およびコネクタ103が接続されたものである。フレキシブル基板102には配線パターンが形成され、電子部品101とコネクタ103との間の通電がなされる。したがって、本実施形態の測定用ソケット1では、後述するコンタクトピン41をコネクタ103の端子と接触させることによって、電子部品101に対する電気的な導通を得ることができる。
【0021】
測定用ソケット1は、ベース10と、押圧部30とを備える。本実施形態では、ベース10に被せられるカバー20を備えている。なお、カバー20は必ずしも測定用ソケット1に設けられていなくてもよい。例えば、カバー20は測定用ソケット1とは別体に設けられていても、測定用ソケット1を収容する測定装置(例えば、自動測定装置)側に設けられていてもよい。本実施形態では、カバー20はヒンジ50を介してベース10に取り付けられ、回動可能に設けられている。
【0022】
ベース10は、電子モジュール100を搭載する凹部11を有する。凹部11は、電子部品101を載置する第1凹部111と、フレキシブル基板102を載置する第2凹部112とを有する。第1凹部111は電子部品101のパッケージの形状に合わせてベース10の表面から凹状に設けられている。第1凹部111の大きさは、電子部品101の外形サイズよりも僅かに大きくなっている。公差を有することで電子部品101の第1凹部111への載置を容易にしている。
【0023】
第2凹部112はフレキシブル基板102を所定位置に配置するためのガイドを有する。凹部11内に電子モジュール100を配置することで、ベース10上において電子部品101は第1凹部111内に配置され、フレキシブル基板102は第2凹部112のガイドに沿って位置合わせされる。
【0024】
押圧部30は、電子部品101を基準壁へ押し当てる部材である。基準壁は、ベース10の凹部11の内壁であったり、カバー20に設けられた壁であったりする。本実施形態では、カバー20側の電子部品101を覆う凹部21の内壁が基準壁となる。測定用ソケット1では、押圧部30はカバー20側に設けられ、電子部品101を凹部21における内壁に向けて押圧するようになっている。例えば、電子部品101のパッケージ形状が上から見て矩形の場合、押圧部30は矩形の隅部を対角方向に押圧する。これにより、電子部品101のパッケージの直交する2面が凹部21の直交する2つの内壁(基準壁)に突き当たり、電子部品101の位置決めがなされる。
【0025】
本実施形態に係る測定用ソケット1において、カバー20は、ベース10に設けられたヒンジ50を介して取り付けられ、ベース10に対して回動するように設けられる。ベース10側にはヒンジ50の管51が設けられ、カバー20側にはヒンジ50の管52が設けられる。ヒンジ50の軸55は、これらの管51、52を貫通するように設けられる。これにより、カバー20は、軸55を中心とした円軌道に沿って回動可能となる。
【0026】
測定用ソケット1の例えばベース10にはラッチ60が設けられる。カバー20を閉じた状態でラッチ60をカバー20の爪25に引っ掛けることで、カバー20を閉じた状態が維持される。カバー20は、ヒンジ50の軸55に取り付けられたバネ56によって開く方向に付勢されている。したがって、ラッチ60を外すことで、バネ56の付勢力によってカバー20は開くことになる。
【0027】
本実施形態では、ラッチ60は第1ラッチ61と、第2ラッチ62とを有する。第1ラッチ61は、カバー20を閉じた状態を維持するためにカバー20の爪25と係合する。第2ラッチ62は、例えば第1ラッチ61の内側に設けられ、カバー20を閉じる際に第1ラッチ61による固定よりも手前で押圧部30を動作させる。第2ラッチ62による押圧部30の動作は後述する。
【0028】
カバー20にはガイド部40が設けられる。ガイド部40は、カバー20を閉じた際にベース10側に配置される電子モジュール100のコネクタ103と嵌合する。ガイド部40にはコンタクトピン41が設けられる。コンタクトピン41は、コンタクト部の一例である。コンタクトピン41は、コネクタ103の端子に対応して複数本設けられている。カバー20を閉じてガイド部40とコネクタ103とが嵌合した際、ガイド部40からコンタクトピン41が露出してコネクタ103の端子と接触する。
【0029】
例えば、複数のコンタクトピン41を有する場合、互いに隣り合うコンタクトピン41のピッチは、0.5mm以下である。また、コンタクトピン41の直径は、0.4mm以下である。このように、本実施形態に係る測定用ソケット1では、非常に小型のコネクタ103の端子に対して接触可能なコンタクトピン41を有している。すなわち、本実施形態の測定用ソケット1では、0.3mm程度以下の狭ピッチ化された電子部品101に対応しうる。
【0030】
本実施形態における測定用ソケット1において、カバー20を閉じていくと、ガイド部40の凹部にコネクタ103が嵌め込まれ、コネクタ103の端子とコンタクトピン41との位置合わせが行われる。カバー20をさらに閉じていくとガイド部40が押し込まれる。ガイド部40が押し込まれることでコンタクトピン41が露出し、コネクタ103の端子とコンタクトピン41とが接触することになる。
【0031】
ガイド部40の凹部の形状は、コネクタ103の外形に対応して設けられ、凹部とコネクタ103の外形との嵌め合いによってコネクタ103の位置決めが行われる。コネクタ103がガイド部40に嵌め込まれ、位置決めされることで、ガイド部40から露出するコンタクトピン41とコネクタ103の端子との位置合わせが行われることになる。
【0032】
例えば、ガイド部40の凹部の中心と、コネクタ103の中心とを合わせた場合の嵌め合い公差は、片側で1/100mm以上3/100mm以下程度である。ガイド部40の凹部にコネクタ103が嵌め込まれることで、例えば0.3mm程度以下の狭ピッチ化された小型の電子部品101であっても精度の高い位置合わせにより、コンタクトピン41とコネクタ103の端子との確実な接触が行われる。
【0033】
このような構成からなる測定用ソケット1においては、電子モジュール100が載置されたベース10にカバー20が被せられることで、カバー20に設けられたガイド部40と電子モジュール100のコネクタ103との嵌合が行われ、次に、カバー20が閉じていく動作と連動して押圧部30により電子部品101が基準壁に押し当てられ、その後、カバー20がベース10に固定される。
【0034】
これにより、フレキシブル基板102に電子部品101が搭載された電子モジュール100であっても、フレキシブル基板102による引っ張りの影響を受けることなく電子部品101との確実な導通と、電子部品101の正確な位置決めとを行うことができる。
【0035】
また、押圧部30がカバー20に設けられていることで、カバー20を閉じて固定する直前にカバー20側の押圧部30によって電子部品101の位置決めが行われる。したがって、カバー20が回動して電子部品101に対して斜めに被せられても、正確な位置決めを行うことができる。
【0036】
特に、電子部品101としてレンズおよび撮像素子を備えた光学電子部品である場合、電子部品101の上にカバー20が被せられると、凹部21の穴21hに合わせて電子部品101のレンズが配置されることになる。このように、光学電子部品の位置決めには光軸合わせの精度が要求される。フレキシブル基板102による引っ張りの影響を受けやすい電子モジュール100では、測定用ソケット1に収容した際のコネクタ103との導通と、電子部品101の光軸合わせを伴う位置決めとの両立は困難となる。
【0037】
本実施形態に係る測定用ソケット1では、カバー20を閉じる動作と連動して、コネクタ103とガイド部40とを嵌合させてコネクタ103の端子とコンタクトピン41との接触を行い、その後、さらにカバー20の閉じる動作によって押圧部30によって電子部品101の位置決めが行われる。これによって、電子部品101との電気的接続と、電子部品101の光軸合わせを伴う正確な位置決めとの両立を図ることができる。
【0038】
図5は、押圧部の動作を例示する斜視図である。
なお、図5では、説明の便宜上、カバー20を二点鎖線で示している。
カバー20を電子モジュール100の上に被せた際、押圧部30はカム35によって電子部品101側に押される。カム35は、カバー20を閉じる際にラッチ60の第2ラッチ62と接触し、回動することで押圧部30を押すことになる。
【0039】
第2ラッチ62によるカム35の駆動は、第1ラッチ61によってカバー20をベース10に固定する手前で行われる。また、第1ラッチ61が爪25に係合する力とともに、第2ラッチ62によってカム35を押圧する力もカバー20の固定のために利用される。
【0040】
図6(a)および(b)は、カムおよび押圧部の動作を例示する平面図である。
図6(a)にはカム35が押圧部30を押している状態が示され、図6(b)には押圧部30が電子部品101を押圧している状態が示される。
【0041】
押圧部30は、バネ37によって電子部品101から離れる方向に付勢されている。押圧部30およびカム35を備えるカバー20が閉じることで、第2ラッチ62とカム35とが接触し、さらにカバー20を閉じていくと第2ラッチ62によってカム35を押す状態になる。カム35が押されることでバネ37の付勢力に打ち勝って押圧部30が電子部品101の方向へスライドする。これにより、電子部品101は基準壁に押し当てられ、位置決めされる。
【0042】
本実施形態に係る測定用ソケット1において、ヒンジ50の軸55からカム35の第2ラッチ62との接触点までの距離(軸55を中心とした回転半径)は、軸55からガイド部40までの距離(回転半径)よりも長い。すなわち、カム35の第2ラッチ62との接触点がガイド部40より軸55から遠い位置に設けられている。これにより、カバー20を閉じる動作において、第2ラッチ62とカム35との接触よりも前に、ガイド部40とコネクタ103とが嵌合してコネクタ103の端子とコンタクトピン41との接触が行われる。その後、カバー20をさらに閉じていくと、第2ラッチ62とカム35とが接触して、押圧部30の押圧によって電子部品101の位置決めが行われる。さらに、そこからカバー20を閉じていくことで、第1ラッチ61と爪25とが係合して、カバー20が固定される。
【0043】
軸55を中心として回動するカバー20に設けられたカム35やガイド部40の配置を上記のようにすることで、カバー20を閉じる動作と連動して、先にガイド部40によるコネクタ103の嵌合を行い、電気的な導通を得ておき、その後、カバー20が完全に閉じる前に押圧部30による電子部品101の位置決めを行うことができる。これにより、フレキシブル基板102を備えた電子モジュール100であっても、フレキシブル基板102による引っ張りの影響を抑制して、電気的な接続と、光軸合わせ精度を満たす電子部品101の位置決めを行うことが可能になる。
【0044】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
第2実施形態に係る測定用ソケット1Bは、電子部品101を基準壁に向けて押圧する押圧部30を備える。すなわち、第1実施形態に係る測定用ソケット1では押圧部30によって電子部品101の隅部を押圧しているが、第2実施形態に係る測定用ソケット1Bでは、押圧部30によって電子部品101の側面を押圧している。測定用ソケット1Bにおいて、基準壁はカバー20の凹部21における押圧部30と対向する内壁面である。
【0045】
また、第2実施形態に係る測定用ソケット1Bでは、ラッチ60(第1ラッチ61および第2ラッチ62)がカバー20側に設けられ、爪25がベース10側に設けられている。
【0046】
第2ラッチ62の動作は図示しないカムまたはリンクを介して押圧部30に伝えられる。カバー20を閉じた際、ベース10側に設けられた爪26が第2ラッチ62に当接して第2ラッチ62を広げるよう動作させる。第2ラッチ62が動作することで、カムまたはリンクを介して押圧部30がスライドし、電子部品101の側面を押圧して基準壁に電子部品101を押し当てる。これにより電子部品101の位置決めが行われる。
【0047】
第2実施形態に係る測定用ソケット1Bにおいても、カバー20を閉じる動作と連動して、コネクタ103とガイド部40とを嵌合させてコネクタ103の端子とコンタクトピン41との接触を行い、その後、さらにカバー20の閉じる動作によって押圧部30によって電子部品101の位置決めが行われる。これによって、電子部品101との電気的接続と、電子部品101の光軸合わせを伴う位置決めとの両立を図ることができる。
【0048】
(第3実施形態)
図8および図9は、第3実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
第3実施形態に係る測定用ソケット1Cは、電子部品101を測定対象としたソケットである。すなわち、第3実施形態に係る測定用ソケット1Cでは、フレキシブル基板102に接続されていない電子部品101を測定対象としている。
【0049】
測定用ソケット1Cは、ベース10と、押圧部30とを備える。本実施形態では、ベース10に被せられるカバー20も備えている。カバー20はヒンジ50を介してベース10に取り付けられ、回動可能に設けられている。
【0050】
ベース10は、電子部品101を載置する凹部11を有する。凹部11は電子部品101のパッケージの形状に合わせてベース10の表面から凹状に設けられている。凹部11の大きさは、電子部品101の外形サイズよりも僅かに大きくなっている。公差を有することで電子部品101の凹部11への載置を容易にしている。
【0051】
カバー20は、ベース10に設けられたヒンジ50を介して取り付けられ、ベース10に対して回動するように設けられる。ベース10側にはヒンジ50の管51が設けられ、カバー20側にはヒンジ50の管52が設けられる。ヒンジ50の軸55は、これらの管51、52を貫通するように設けられる。これにより、カバー20は、軸55を中心とした円軌道に沿って回動可能となる。カバー20を閉じると、カバー20の凹部21が電子部品101の上から被せられる。電子部品101が電子光学部品の場合、電子光学部品のレンズが凹部21に設けられた穴21hの位置に合わせられる。
【0052】
測定用ソケット1の例えばベース10にはラッチ60が設けられる。カバー20を閉じた状態でラッチ60をカバー20の爪25に引っ掛けることで、カバー20を閉じた状態が維持される。カバー20は、ヒンジ50の軸55に取り付けられたバネ56によって開く方向に付勢されている。したがって、ラッチ60を外すことで、バネ56の付勢力によってカバー20は開くことになる。
【0053】
ラッチ60は第1ラッチ61と、第2ラッチ62とを有する。第1ラッチ61は、カバー20を閉じた状態を維持するためにカバー20の爪25と係合する。第2ラッチ62は、例えば第1ラッチ61の内側に設けられ、カバー20を閉じる際に第1ラッチ61による固定よりも手前で押圧部30を動作させる。
【0054】
押圧部30は、ベース10にスライド可能に設けられる。押圧部30が電子部品101に向けてスライドすることで、電子部品101を基準壁に向けて押圧する。測定用ソケット1Cにおいて、基準壁はベース10の凹部11における押圧部30と対向する内壁面である。押圧部30は、カバー20を閉じる動作と連動してスライドする。押圧部30による電子部品101の押圧によって、電子部品101は凹部11の内壁面に押し上げられ、位置決めされる。
【0055】
押圧部30には、凹部11の両側に平行に延在する2つの第1連結部301が接続される。2つの第1連結部301の押圧部30とは反対側には第2連結部302が接続される。第2連結部302の端部は第2ラッチ62に当接している。
【0056】
押圧部30、第1連結部301および第2連結部302は、図示しないバネによってラッチ60側に付勢される。カバー20が開いた状態では、このバネの付勢力によって第2連結部302の端部が第2ラッチ62に押し当てられる。第2ラッチ62も図示しないバネによって第2連結部302側へ付勢される。第2ラッチ62の付勢力は押圧部30の付勢力よりも強い。これにより、カバー20を開いた状態では、第2ラッチ62の付勢力によって第2連結部302が押され、第1連結部301を介して押圧部30は電子部品101から離れた状態となる。
【0057】
一方、カバー20を閉じると、カバー20に設けられた爪26によって第2ラッチ62が押される。第2ラッチ62が押されることで、第2連結部302は第2ラッチ62が押された分だけ付勢力によってスライドする。これにより、第1連結部301を介して押圧部30が電子部品101側にスライドする。押圧部30が電子部品101側にスライドすることによって、押圧部30が電子部品101の側面と当接し、電子部品101を凹部11の内壁面に押し当てる。これによって電子部品101の位置決めが行われる。さらに、そこからカバー20を閉じていくことで、第1ラッチ61と爪25とが係合して、カバー20が固定される。
【0058】
電子部品101としてレンズおよび撮像素子を備えた光学電子部品である場合、電子部品101の位置決めには光軸合わせの精度が要求される。カバー20が軸55を中心として回動する場合、カバー20はベース10に載置された電子部品101に対して斜めに閉められる。この際、カバー20が電子部品101に斜めに接触することから、電子部品101の位置ずれが発生しやすく、電子部品101をソケットに載置した際の光軸ずれの原因となる。
【0059】
本実施形態に係る測定用ソケット1Cでは、カバー20が回動して電子部品101に対して斜めに閉められる場合であっても、第1ラッチ61によるカバー20の固定の直前に第2ラッチ62と第2連結部302とが当接して押圧部30をスライドさせ、電子部品101の位置決めを行うことができる。したがって、電子部品101の光軸合わせを伴う正確な位置決めと、カバー20の固定とを行うことができる。
【0060】
図10は、電子部品の外周面での導通を得る構成を例示する斜視図である。
図10に示す測定用ソケット1Cには、電子部品101のパッケージの外周面と接する接触子70が設けられる。接触子70は、押圧部30における電子部品101の外周面と対向する面から突出するように設けられる。接触子70は複数設けられていてもよい。
【0061】
例えば、電子部品101のパッケージとして導通性を有する材料が用いられている場合、パッケージの外周面に接触子70を当てて、外周面における抵抗値を測定することが行われる。本実施形態では、押圧部30による電子部品101の押圧とともに、接触子70を電子部品101の外周面に接触させて導通を得るようにしている。
【0062】
図11(a)から図12(b)は、押圧および導通の動作を例示する模式図である。
図11(a)に示すように、カバー20が電子部品101の上に被せられた位置では、爪25は第1ラッチ61に当接せず、爪26は第2ラッチ62に当接していない。この状態では、第2ラッチ62の付勢力によって第2連結部302が押されており、押圧部30は電子部品101から離れている。接触子70も電子部品101とは接触していない。
【0063】
図11(a)に示すカバー20の位置よりも閉じると、図11(b)に示すように、爪26が第2ラッチ62と当接する。爪25は第1ラッチ61とは当接していない。爪26が第2ラッチ62に当接した位置からカバー20をさらに閉じていくと、爪26によって第2ラッチ62が押される。第2ラッチ62が押されると、第2連結部302に与えられる付勢力によって図中矢印Aの方向へ移動する。カバー20を閉じるほど爪26によって第2ラッチ62が押され、第2連結部302も図中矢印Aの方向へ移動する。第2連結部302の移動によって、押圧部30は電子部品101に近づく方向へ移動する。
【0064】
カバー20をさらに閉じていくことで、押圧部30から延出する接触子70が電子部品101のパッケージの外周面に接触する。この接触とともに電子部品101は凹部11の内壁面に押圧され、位置決めが行われる。
【0065】
さらにカバー20を閉じていくと、図12(a)に示すように、爪25が第1ラッチ61と接触し、第1ラッチ61が爪25を乗り越えるように係合する。これによりカバー20は閉じた状態で固定される。図12(b)には、カバー20を閉じた際、接触子70が電子部品101のパッケージの外周面と接触している状態が示される。
【0066】
このような構成では、押圧部30が電子部品101側にスライドした際、接触子70が電子部品101の外周面と接触して、押圧部30による押圧とともに接触子70による電子部品101の外周面との導通を得ることができる。これにより、接触子70による電子部品101の外周面との導通と、電子部品101の押圧による位置決めとを行うことができる。
【0067】
以上説明したように、実施形態に係る測定用ソケット1および1Bによれば、フレキシブル基板102に電子部品101が接続された電子モジュール100を正確に位置決めして確実な導通を得ることが可能となる。また、測定用ソケット1Cによれば、電子部品101の外周面に対する確実な導通と、電子部品101の正確な位置決めとを行うことが可能となる。特に、電子光学部品の場合には、測定用ソケット1、1Bおよび1Cによって電子モジュール100の電気的特性と光学的特性との両方を精度良く測定することが可能となる。
【0068】
なお、上記に本実施形態およびその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、コンタクトピン41はコイルスプリングが円筒状の筐体内に配置される、いわゆる内バネ式の構造を有しているが、これに限定されない。外バネ式であってもよいし、板バネの組み合わせなどによって構成されていてもよい。さらに、コンタクト部として、コンタクトシートを用いてもよい。コンタクトシートは、絶縁部材(例えば、シリコーンゴム)に導電性粒子が柱状に埋め込まれた異方性導電シートである。また、前述の各実施形態またはその具体例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0069】
1、1B、1C…測定用ソケット
10…ベース
11…凹部
20…カバー
21…凹部
21h…穴
25、26…爪
30…押圧部
35…カム
37…バネ
40…ガイド部
41…コンタクトピン
50…ヒンジ
51、52…管
55…軸
56…バネ
60…ラッチ
61…第1ラッチ
62…第2ラッチ
70…接触子
100…電子モジュール
101…電子部品
102…フレキシブル基板
103…コネクタ
111…第1凹部
112…第2凹部
301…第1連結部
302…第2連結部
【要約】
【課題】フレキシブル基板に電子部品が接続された電子モジュールを正確に位置決めして確実な導通を得ることができる測定用ソケットを提供すること。
【解決手段】本発明は、フレキシブル基板に電子部品およびコネクタが接続された電子モジュールを測定対象とする測定用ソケットであって、電子モジュールを載置する凹部を有するベースと、電子部品を基準壁に押し当てるための押圧部と、を備え、電子モジュールが載置されたベースにカバーが被せられることで、カバーに設けられたガイド部とコネクタとの嵌合が行われ、次に、カバーが閉じていく動作と連動して押圧部により電子部品が基準壁に押し当てられ、その後、カバーがベースに固定される、ことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12