特許第5969154号(P5969154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5969154
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ハイブリット発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 5/06 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   F03D5/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-38067(P2016-38067)
(22)【出願日】2016年2月29日
【審査請求日】2016年3月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515266555
【氏名又は名称】MKR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166349
【弁理士】
【氏名又は名称】帯包 浩司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 辰哉
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−371949(JP,A)
【文献】 特開2004−060576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風及び太陽光により発電できるハイブリット発電装置であって、
太陽光発電部材を備えるブレード本体と、
前記ブレード本体に備えられたブレードシャフトであって、風により前記ブレード本体が前記ブレードシャフトを支点に振り子運動が可能である、ブレードシャフトと、
前記ブレードシャフトに接続されており、前記ブレード本体の振り子運動を伝達するための風力伝達部と、
前記風力伝達部により伝達された運動により起電力を発生させる電力発生部と、を備え、
前記風力伝達部が、クランク機構を含み、前記クランク機構により前記ブレード本体の振り子運動は直線状の往復運動に変換される、ハイブリット発電装置。
【請求項2】
前記ブレード本体は、前記ブレード本体の横方向からの風であっても揚力により振り子運動が可能になるような形状を有している、請求項1に記載のハイブリット発電装置。
【請求項3】
前記電力発生部が、リニアモーター発電装置を含む、請求項1に記載のハイブリット発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光及び風力により発電することができるハイブリット発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から使用されている風力発電機は、支柱に固定された回転型の発電機の回転軸に回転翼を固定した構成であり、プロペラ型をした前記回転翼は、風によって回転し、発電機を駆動して発電を行うものである。
【0003】
しかし、従来の構成のものは、回転翼が露出しているため、人などが触れる危険性があり、また、騒音も比較的大きい。さらには、強風によって破損し、飛散してしまう恐れもある。
【0004】
近年、回転翼を有しない風力発電機としては、単振り子を用いた風力発電装置の検討がなされているようだが(特許文献1参照)、実現性の乏しいものであると推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−184957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、微風でも発電することができ、また、太陽光によっても発電することができるシンプルな構造のハイブリット発電装置を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、周りの環境から微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換する技術である、エネルギーハーベスティング技術(環境発電技術)を利用するハイブリット発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、風及び太陽光により発電できるハイブリット発電装置であって、太陽光発電部材を備えるブレード本体と、前記ブレード本体に備えられたブレードシャフトであって、風により前記ブレード本体が前記ブレードシャフトを支点に振り子運動が可能である、ブレードシャフトと、前記ブレードシャフトに接続されており、前記ブレード本体の振り子運動を伝達するための風力伝達部と、前記風力伝達部により伝達された運動により起電力を発生させる電力発生部と、を備えるハイブリット発電装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のハイブリット発電装置は、微風でも発電することができ、また、太陽光によっても発電することができるシンプルな構造を有するものである。特に、降雪の多い地方の冬は、晴天の日が少なく、太陽光による発電だけでは、発電量が十分ではないが、本発明のハイブリット発電装置は、風力発電装置も備えているため、曇り空の天気が多い雪国でも、看板を照らすほどの電力量を生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例1のハイブリット発電装置の斜視図である。
図2図2は、実施例1のハイブリット発電装置において、風によりブレード部が動いた状態を示す図である。
図3図3は、実施例1のハイブリット発電装置のブレード部の斜視図である。
図4図4は、実施例1のハイブリット発電装置のブレード部の裏面を示す斜視図である。
図5図5は、実施例2のハイブリット発電装置の斜視図である。
図6図6は、実施例2のハイブリット発電装置において、風によりブレード部が動いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のハイブリット発電装置は、風及び太陽光により発電できるハイブリット発電装置であって、太陽光発電部材を備えるブレード本体と、前記ブレード本体に備えられたブレードシャフトであって、風により前記ブレード本体が前記ブレードシャフトを支点に振り子運動が可能である、ブレードシャフトと、前記ブレードシャフトに接続されており、前記ブレード本体の振り子運動を伝達するための風力伝達部と、前記風力伝達部により伝達された運動により起電力を発生させる電力発生部と、を備えるハイブリット発電装置であるが、具体的に実施例を挙げて説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
[実施例1]
実施例1のハイブリット発電装置Dについて図1を用いて説明する。
【0012】
図1の枠1は、実施例1のハイブリット発電装置Dの各構成要素を配置することができるものである。枠1は、後述するブレード本体41のその振り子運動を阻害しないように形成される必要がある。また、枠1は、強風でも倒れないように、しっかりと地面に設置してある必要がある。具体的には、図1のように枠1の二本の脚を、設置場所に固定する。
【0013】
実施例1のハイブリット発電装置Dは、風力による起電力発生部を備える。風力による起電力発生部は、具体的には、図1に示すように、永久磁石設置部21、コイル設置部22及びコイル保持部23を含む。
【0014】
永久磁石設置部21は、弓型に曲がる棒状部材の一部に永久磁石が備えられている。また、永久磁石設置部21は、パイプ状であって弓型に曲がるコイル設置部22の中を通過するように配置される。コイル設置部22は、弓側に曲がるパイプの内部にコイルが配置されているか、又はパイプの外部にコイルが巻かれているような構成を有し(コイルは図示しない)、コイル設置部22のコイルの中を永久磁石設置部21の永久磁石が動くことで、起電力が生じる構成になっている。
【0015】
永久磁石設置部21と、コイル設置部22のいずれも弓側に曲がっているが、その湾曲率は同一である必要がある。湾曲率が同一でなければ、スムーズにコイル設置部22の中を永久磁石設置部21が動くことができず、適切に起電力を発生させることができない。
【0016】
コイル設置部22は、枠1の上方に設けられているコイル保持部23により、保持される。すなわち、コイル保持部23により保持されているコイル設置部22の中で、永久磁石設置部21が動くことにより、永久磁石設置部21に設置される永久磁石が動くことができる構成になっている。コイル保持部23は、コイル設置部22と交差するように配置され、コイル設置部22を固定している。
【0017】
永久磁石設置部21は、ブレード部(ブレードシャフト42)に設置された2本の棒状の風力伝達部3,3に保持される。風力伝達部3,3は、ブレード本体41に備えられているブレードシャフト42と一体化されているため、ブレード本体41の動きに連動している。すなわち、ブレード本体41が風により振り子運動が生じたときに、その振り子運動は、風力伝達部3,3により永久磁石設置部21に伝わり、永久磁石設置部21が振り子運動できるような構成になっている。そして、永久磁石設置部21が振り子運動をすることにより、永久磁石設置部21に備えられている永久磁石が、コイル設置部22のコイルの中を振り子運動することにより、起電力が生じる。
【0018】
次に、ブレード部の説明をする。ブレード部は、ブレード本体41と、ブレード本体41に設置された太陽光発電部材5と、ブレード本体41の上方に設置されたブレードシャフト42と、ブレード上方カバー43とを含む。
【0019】
ブレード本体41は、図3に示すように、曲面を有する一枚のブレードになっており、その曲面の上部は、ブレード上方カバー43を備えている。あるいは、ブレード本体41は、かまぼこ状の部材(側面が曲面と平面とから構成され、上面と下面が平面である部材であって、蒲鉾のように、半月状に盛り上がった形状)であってもよい。ブレード本体41は、横方向の風向きの場合であっても、揚力が生じ、ブレード本体41自体が動くような形状である。ブレード本体41の曲面の部分に、太陽光発電部材5を備える。太陽光発電部材5は、太陽光により起電力を生じるものであれば、特に限定されるものではないが、ブレード本体41の曲面に沿うように太陽光発電部材5を備えるため、太陽光発電部材5は、フレキシブルな太陽光発電フィルム等を用いることが好ましい。別の態様としては、ブレード本体41は透明体であり、ブレード本体41の内部に太陽光発電部材5を設けるような構成であってもよい。
【0020】
ブレード本体41は、ブレード本体41を枠1に設置するブレードシャフト42を備えている。ブレードシャフト42は、軸受けなどを介して枠1に設置されており、ブレード本体41がブレードシャフト42を支点に振り子運動できるような構成になっている。そして、2本の風力伝達部3,3は、円筒状のブレードシャフト42の側面の長さ方向の略中心部に接続されている。
【0021】
ブレード本体41、ブレードシャフト42、風力伝達部3,3、永久磁石設置部21は、一体化されている。2本の直線状の風力伝達部3,3と、弓型に曲がっている永久磁石設置部21とで、扇型を形成しており、ブレード本体41が風により振り子運動をした時は、風力伝達部3,3と永久磁石設置部21とで構成される扇型の要(すなわち、ブレードシャフト42)の部分を中心に、風力伝達部3,3と、永久磁石設置部21とが振り子運動をする(図2を参照)。
【0022】
ハイブリット発電装置Dには、図面には図示しないが、蓄電池を別途備えることができる。蓄電池は、風力及び太陽光により発生した電力を蓄えることができる。
【0023】
風力により生じた起電力及び太陽光により生じた起電力により、ハイブリット発電装置Dの枠に設けられたLED照明7,7を発光させ、枠1に備える広告看板等の表示部6を照らすことができる。すなわち、ハイブリット発電装置Dは、外部から電気を導入せずに、LEDライト等で広告看板を照らすことができる。また、LED照明7,7及び表示部6の代わりに、液晶表示装置を備えることもでき、液晶表示装置は、本発明のハイブリット発電装置により生じた電力を用いて、広告等を表示することができる。
【0024】
[ハイブリット発電装置Dの作用]
ハイブリット発電装置Dは、風力による発電及び太陽光による発電を行うことができる。ブレード本体41に風があたることにより、図2のように、ブレード本体41はブレード本体41に備えられたブレードシャフト42を支点に、振り子運動を行う。ブレード本体41の振り子運動により、ブレードシャフト42と一体化されている永久磁石設置部21及び風力伝達部3,3においても、永久磁石設置部21及び風力伝達部3,3から構成される扇型の要部分を支点に振り子運動が生じ、永久磁石設置部21に備えられた永久磁石が、コイル設置部22のパイプの中を振り子運動することにより、起電力が生じる。
【0025】
ブレード本体41の面積が大きい部分で風を受けた時、すなわち、図1において、A方向又はA’方向から風を受けた時は、ブレード本体41は図2のように振り子運動を行うことができるが、ブレード本体41の面積が小さい部分、すなわち、図1に示すB方向又はB’方向(すなわち、横方向)から風を受けた場合でも、振り子運動が可能である。これは、ブレード本体41の1つの面が曲面であるため、揚力が生じ、その揚力によりブレード本体41が動くからである。
【0026】
また、ブレード本体41の表面は、曲面であるため、ブレード本体41の表面に設けた太陽光発電部材5も曲面状である。曲面状であれば、様々な角度の太陽光でも発電しやすいというメリットもある。
【0027】
[実施例2]
実施例2のハイブリット発電装置D’は、ハイブリット発電装置D’とは、主に、風力発電部及び風力伝達部3のところで異なる。
【0028】
ハイブリット発電装置D’では、風力発電部は、シャフトモーター等のリニアモーターによる発電装置24(リニアモーター発電装置24と称する場合もある)を備える。リニアモーター発電装置は、磁石のN極同士、S極同士を接合した構造を有するシャフト軸と、前記シャフト軸が通過するコイルとを有する装置であり、株式会社ジーエムシーヒルストンより購入可能である。シャフト軸の摩擦が発生せず、騒音がなく、実施例1の通常の電磁誘導を利用した発電よりも、高効率の電磁誘導を期待することができる。
【0029】
また、風力伝達部3は、クランク機構を含む。ブレードシャフト42の端に接続されたクランク機構により、ブレード本体41の振り子運動を直線状の往復運動に変換し、シャフト型リニアモーターユニット24に直線状の往復運動を伝え、発電する仕組みである(図6参照)。
【0030】
実施例2のブレード本体41、ブレードシャフト42は、実質的に実施例1と同じものである。すなわち、ハイブリット発電装置D’のブレード本体41の曲面に対して横からの微風(すなわち、ハイブリット発電装置D’に対して横からの微風)であっても、揚力により、ブレード本体41は振り子運動し、発電することが可能となる。
【0031】
なお、実施例2のハイブリット発電装置D’には、ブレードストップ8が設けてある。ブレードストップ8を設けることにより、強風であっても危険な位置までブレード本体41が持ち上がることがない。
【0032】
実施例の効果について説明する。
[効果]
[1]風及び太陽光により発電できるハイブリット発電装置D、D’であって、太陽光発電部材5を備えるブレード本体41と、前記ブレード本体41に備えられたブレードシャフト42であって、風により前記ブレード本体41が前記ブレードシャフト42を支点に振り子運動が可能である、ブレードシャフト42と、前記ブレードシャフト42に接続されており、前記ブレード本体41の振り子運動を伝達するための風力伝達部3と、前記風力伝達部3により伝達された運動により起電力を発生させる起電力発生部と、を備えるハイブリット発電装置は、振り子運動を利用した発電装置であるため、微風でも発電することができる。また、風がない場合であっても、太陽光によっても発電することができる。降雪の多い地方の冬は、晴天の日が少なく、太陽光による発電だけでは、発電量が十分ではないが、本発明のハイブリット発電装置は、風力発電装置も備えているため、曇り空の天気が多い雪国でも、看板を照らすほどの電力量を生み出すことができる。
[2]前記ブレード本体41は、ブレード本体41の横方向からの風であっても揚力により振り子運動が可能になるような形状を有している、[1]に記載のハイブリット発電装置は、風向きが特定の方向でなくても、起電力が生じる。このため、このようなハイブリット発電装置は、様々な方向の微風でも起電力が生じるため、町中の看板の照明等に適している。また、広範囲にわたって、太陽光を受けることが可能となる。
[3]前記ブレードシャフト42は、前記風力伝達部3と一体化されており、前記ブレード本体41の振り子運動が、前記電力発生装置に伝達される、[1]又は[2]に記載のハイブリット発電装置であれば、ブレード本体41の振り子運動が、起電力発生部に伝わり、その力学的エネルギーが、電気的エネルギーに変換され起電力を生じることができる。
[4]前記風力伝達部3が、クランク機構を含み、前記クランク機構により前記ブレード本体41の振り子運動は直線状の往復運動に変換される、[1]又は[2]に記載のハイブリット発電装置であれば、ハイブリット発電装置の発電部が直線状の往復運動によって発電できる場合に利用することができる。
[5]前記起電力発生部が、リニアモーター発電装置を含む、[4]に記載のハイブリット発電装置であれば、微風であっても高効率で風力による発電を行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
D、D’:ハイブリット発電装置
1:枠
21:永久磁石設置部
22:コイル設置部
23:コイル保持部
24:リニアモーターユニット(リニアモーター発電装置)
3:風力伝達部
41:ブレード本体
42:ブレードシャフト
43:ブレード上方カバー
5:太陽光発電部材
6:表示部
7:LEDライト
8:ブレードストップ
A、A’、B、B’:風の向き
【要約】      (修正有)
【課題】微風でも発電することができ、また太陽光によっても発電することができるシンプルな構造のハイブリット発電装置を提供する。
【解決手段】風及び太陽光により発電できるハイブリット発電装置Dであって、太陽光発電部材5を備えるブレード本体41と、前記ブレード本体に備えられたブレードシャフト42であって、風により前記ブレード本体が前記ブレードシャフトを支点に振り子運動が可能である、ブレードシャフトと、前記ブレードシャフトに接続されており、前記ブレード本体の振り子運動を伝達するための風力伝達部3と、前記風力伝達部により伝達された運動により起電力を発生させる電力発生部と、を備えるハイブリット発電装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6