(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された先行技術では、ユーザの入力状況に応じてその次に入力されるべき入力項目を動的に変更している。
【0006】
しかしながら、このような先行技術を、決済フォームの入力項目に対する設定に適用しても、CVR(Conversion Rate)に関しては、あまり効果が望めない。これは、販売サイトにおける商品の購入時には、入力項目に対する設定をできるだけ省き、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、決済を完了させることが有効とされているためである。つまり、楽に設定できるとしても、入力項目へ設定が多いと、決済の完了に至る前に、ユーザが購入を断念してしまいがちとなる。
【0007】
なお、入力項目への設定をできるだけ省いたとしても、有効とならない場合もある。例えば、決済フォームにおけるクーポンの適用について、無条件に適用してもらって構わないという考えのユーザがいる反面、注意深く検討して適用/非適用を自分で決めたいという考えのユーザもいるためである。
このため、特典入力項目などの入力項目に対するユーザ(購入者)の設定傾向に応じて、決済フォームを適切に提示する技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、入力項目に対する購入者の設定傾向に応じて、決済フォームを適切に提示することのできる情報処理装置、提示方法、記録媒体、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
複数の入力項目を有する決済フォームであって、前記複数の入力項目の各々には、購入者に応じた初期値が設定された決済フォームを生成する生成部、
前記生成された決済フォームを、前記複数の入力項目を編集可能に購入者に提示して、前記初期値の確認操作又は前記初期値の編集操作に応じた入力情報を受け付ける情報受付部、
前記入力情報を受け付けると、前記複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う決済部、
第1の商品の購入申込に対して前記生成部により生成された第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けると、前記第1の決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、前記入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する抽出部、
を備え、
前記第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けた後にされた第2の商品の購入申込に対して、前記生成部は、前記抽出された入力項目の表示を強調した第2の決済フォームを生成する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記情報受付部は、前記生成された決済フォームを提示する際に、前記強調されていない入力項目を表示せず、前記強調された入力項目を表示してもよい。
【0011】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記決済フォームの入力項目には、割引特典に関する特典入力項目が含まれており、
前記生成部は、前記特典入力項目に、適用又は非適用を設定した決済フォームを生成し、
前記情報受付部は、前記生成された決済フォームを提示する際に、前記特典入力項目に適用が設定されている場合に当該特典入力項目を表示せず、前記特典入力項目に非適用が設定されている場合に当該特典入力項目を表示してもよい。
【0012】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記特典入力項目には、定額割引タイプ及び割引率タイプの割引特典が含まれており、
前記生成部は、前記特典入力項目が定額割引タイプの場合に適用を初期値として設定し、前記特典入力項目が割引率タイプの場合に非適用を初期値として設定してもよい。
【0013】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記生成部は、購入者が利用可能な全ての割引特典に対応して、前記特典入力項目の各々に、適用又は非適用を設定した決済フォームを生成してもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係る提示方法は、
情報処理装置における提示方法であって、
前記情報処理装置が、複数の入力項目を有する決済フォームであって、前記複数の入力項目の各々には、購入者に応じた初期値が設定された決済フォームを生成する生成ステップ、
前記情報処理装置が、前記生成された決済フォームを、前記複数の入力項目を編集可能に購入者に提示して、前記初期値の確認操作又は前記初期値の編集操作に応じた入力情報を受け付ける情報受付ステップ、
前記情報処理装置が、前記入力情報を受け付けると、前記複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う決済ステップ、
前記情報処理装置が、第1の商品の購入申込に対して前記生成ステップにて生成された第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けると、前記第1の決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、前記入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する抽出ステップ、
を備え、
前記第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けた後にされた第2の商品の購入申込に対して、前記生成ステップでは、前記抽出された入力項目の表示を強調した第2の決済フォームを生成する、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
複数の入力項目を有する決済フォームであって、前記複数の入力項目の各々には、購入者に応じた初期値が設定された決済フォームを生成する生成部、
前記生成された決済フォームを、前記複数の入力項目を編集可能に購入者に提示して、前記初期値の確認操作又は前記初期値の編集操作に応じた入力情報を受け付ける情報受付部、
前記入力情報を受け付けると、前記複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う決済部、
第1の商品の購入申込に対して前記生成部により生成された第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けると、前記第1の決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、前記入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する抽出部、
として機能させ、
前記第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けた後にされた第2の商品の購入申込に対して、前記生成部は、前記抽出された入力項目の表示を強調した第2の決済フォームを生成する、
ことを特徴とするプログラムを記録する。
【0016】
上記記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体であってよく、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【0017】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
複数の入力項目を有する決済フォームであって、前記複数の入力項目の各々には、購入者に応じた初期値が設定された決済フォームを生成する生成部、
前記生成された決済フォームを、前記複数の入力項目を編集可能に購入者に提示して、前記初期値の確認操作又は前記初期値の編集操作に応じた入力情報を受け付ける情報受付部、
前記入力情報を受け付けると、前記複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う決済部、
第1の商品の購入申込に対して前記生成部により生成された第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けると、前記第1の決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、前記入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する抽出部、
として機能させ、
前記第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けた後にされた第2の商品の購入申込に対して、前記生成部は、前記抽出された入力項目の表示を強調した第2の決済フォームを生成する、
ことを特徴とする。
【0018】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、入力項目に対する購入者の設定傾向に応じて、決済フォームを適切に提示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態では、多くのショップ(仮想店舗)が集まって構成される販売サイト(ショッピングモールサイト)を一例として説明するが、1つのショップ(業者)による販売サイトにおいても適宜適用可能である。また、本発明の実施形態では、ユーザに付与される特典として、購入額の割引に用いられるクーポンを一例として説明するが、ポイントなど他の特典であってもよい。
すなわち、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0022】
(全体構成)
本発明の実施形態に係る販売システム100は、
図1に示すように、販売サーバ200と各ユーザ端末300とがインターネット900を介して接続されて構成される。なお、図中では簡略化しているが、ユーザ端末300は、利用するユーザに応じて、多数存在しているものとする。
【0023】
販売サーバ200は、例えば、ユーザ端末300に対して商品に関する情報を提供すると共に、ユーザが希望する商品を販売する。
一例として、販売サーバ200は、多くのショップ(仮想店舗)の商品を販売しており、アクセスしてきたユーザ端末300に、商品情報等を提示する。そして、ユーザが所望の商品を購入する際に、販売サーバ200は、決済フォームをユーザ端末300に提示して、ユーザに決済の完了を促す。なお、この決済フォームには、後述するように、クーポンの適用/非適用についての入力項目が設けられている。
【0024】
ユーザ端末300は、例えば、パソコンやスマートフォン等からなり、インターネット900を介して販売サーバ200にアクセスする。そして、ユーザ端末300は、ユーザの操作に従って、販売サーバ200に対して商品情報等を要求する。
なお、ユーザ端末300において、ユーザはログイン済みである場合を一例として説明する。つまり、販売サーバ200は、ユーザ端末300のユーザが所望の商品を購入する際には、後述するユーザ情報(
図5のユーザ情報222)を参照することで、ユーザが取得済みのクーポン等の情報を取得できるようになっている。
【0025】
(情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係る販売サーバ200、及び、ユーザ端末300が実現される典型的な情報処理装置400について説明する。
【0026】
情報処理装置400は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、NIC(Network Interface Card)404と、画像処理部405と、音声処理部406と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ407と、インターフェース408と、外部メモリ409と、コントローラ410と、モニタ411と、スピーカ412と、を備える。
【0027】
CPU 401は、情報処理装置400全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0028】
ROM 402には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、所定のプログラムをRAM 403に読み出してCPU 401による当該プログラムの実行が開始される。また、ROM 402には、情報処理装置400全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0029】
RAM 403は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0030】
NIC 404は、情報処理装置400をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 401との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)等により構成される。
【0031】
画像処理部405は、DVD−ROM等から読み出されたデータをCPU 401や画像処理部405が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部405が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、モニタ411に出力される。これにより、各種のページ表示が可能となる。
【0032】
音声処理部406は、DVD−ROM等から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ412から出力させる。また、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で発生させるべき音を生成し、これに対応した音声をスピーカ412から出力させる。
【0033】
DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROMには、例えば、実施形態に係る販売サーバ200等を実現するためのプログラムが記憶される。CPU 401の制御によって、DVD−ROMドライブ407は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 403等に一時的に記憶される。
【0034】
インターフェース408には、外部メモリ409、コントローラ410、モニタ411、及びスピーカ412が、着脱可能に接続される。
【0035】
外部メモリ409には、ユーザの個人情報に関するデータなどが書き換え可能に記憶される。
【0036】
コントローラ410は、情報処理装置400の各種の設定時などに行われる操作入力を受け付ける。情報処理装置400のユーザは、コントローラ410を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ409に記録することができる。
【0037】
モニタ411は、画像処理部405により出力されたデータを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0038】
スピーカ412は、音声処理部406により出力された音声データを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0039】
この他、情報処理装置400は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 402、RAM 403、外部メモリ409、DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0040】
以下、上記情報処理装置400において実現される販売サーバ200の構成等について、図面を参照して説明する。情報処理装置400に電源が投入され、例えば、ユーザ端末300からのアクセスを受け付けると、本実施形態に係る販売サーバ200として機能させるそれぞれのプログラムが実行され、本実施形態に係る販売サーバ200が実現される。
なお、各ユーザ端末300も同様に情報処理装置400において実現されるが、これらの構成については省略し、本実施形態において最も特徴的な販売サーバ200について、以下説明する。
【0041】
(販売サーバの概要構成)
図3は、本実施形態に係る販売サーバ200の概要構成の一例を示すブロック図である。図示するように、販売サーバ200は、受付部210と、データベース220と、制御部230と、提示部240とを備える。
【0042】
受付部210は、情報受付部として、インターネット900を介して各ユーザ端末300から送られる種々の情報を受け付ける。
例えば、受付部210は、商品の検索指示や、商品購入の際に提示した決済フォームに対する種々の操作指示(一例として、ユーザによるマウスのクリック操作等)を、ユーザ端末300から受け付ける。なお、このような検索指示に先立って、受付部210は、ユーザ端末300からユーザID及びパスワードを受け付けており、ユーザ端末300のユーザは、ログイン状態であるものとする。
上述したNIC 404等が、このような受付部210として機能しうる。
【0043】
データベース220は、商品の販売に必要となる種々の情報を記憶する。
例えば、データベース220は、
図4に示すようなクーポン情報221を記憶する。このクーポン情報221には、一例として、クーポンID221a、種別221b、適用商品221c、特典内容221d、及び、有効期間221eが含まれている。
この適用商品221cは、そのクーポンを適用できる商品を示している。また、特典内容221dは、そのクーポンを適用した場合の割引内容を示している。また、有効期間221eは、そのクーポンが有効となる期間を示している。
なお、
図4のクーポン情報221では、省略しているが、実際のクーポン情報221には、他のクーポンとの併用の可否(他のクーポンと重複適用可能か否か)についての情報なども含まれている。
【0044】
また、データベース220は、
図5に示すようなユーザ情報222を記憶する。このユーザ情報222には、一例として、ユーザID222a、氏名222b、獲得済みクーポンID222c、入力項目タイプA222d、及び、入力項目タイプN222eが含まれている。
この獲得済みクーポンID222cは、そのユーザが獲得済みのクーポンを示している。また、入力項目タイプA222d,入力項目タイプN222eは、決済フォームの各入力項目に対するそのユーザの設定傾向を示している。なお、入力項目については、後述する具体的な決済フォームと共に説明する。
なお、
図5のユーザ情報222では、省略しているが、実際のユーザ情報222にはパスワードや決済情報(決済口座やクレジットカード番号)なども含まれている。
【0045】
この他にも、データベース220は、商品情報やショップ情報を記憶する。
上述したRAM 403や外部メモリ409等が、このようなデータベース220として機能しうる。
【0046】
図3に戻って、制御部230は、販売サーバ200全体を制御する。この制御部230は、管理部231、生成部232、決済部233、及び、抽出部234を含んでいる。
【0047】
管理部231は、データベース220に記憶される情報を管理する。例えば、管理部231は、ユーザが新たなクーポンを獲得した際に、上述した
図5のユーザ情報222(獲得済みクーポンID222c)を更新する。なお、ユーザがクーポンを取得するタイミングとしては、例えば、ユーザが商品を購入した際や、ショップメールのリンクを辿って所定のキャンペーンページにアクセスした際などが挙げられる。また、管理部231は、決済フォームの入力項目に対する設定(変更等)に応じて(より詳細には、抽出部234の抽出に応じて)、ユーザ情報222(入力項目タイプA222d,入力項目タイプN222e等)を更新する。
【0048】
生成部232は、ユーザ端末300に提示するための種々の画面データを生成する。例えば、生成部232は、ユーザが商品を購入する際に、決済フォームを生成し、提示部240を通じて、ユーザ端末300に提示させる。
具体的に、生成部232は、
図6Aに示すような決済フォーム510を生成する。この決済フォーム510には、入力項目511,512を含む複数の入力項目が設けられている。なお、
図6Aの決済フォーム510では省略されているが、実際の決済フォーム510には、他にも入力項目が設けられているものとする。
入力項目511は、クーポン(特典)を適用するか否かを設定するための特典入力項目である。この
図6Aに示す入力項目511では、クーポンを適用することを示すチェックが設定されている。また、入力項目512は、ショップメールを購読するか否かを設定するための入力項目である。この
図6Aに示す入力項目512では、ショップメールを購読することを示すチェックが設定されている。
また、決済フォーム510には、決済ボタン513も含まれている。この決済ボタン513は、購入商品の決済(会計)を指示するためのボタンである。この決済ボタン513がユーザに操作されると、最終確認画面を提示した後に、決済が完了する。
【0049】
生成部232は、このような決済フォーム510を、ユーザが商品を購入する際に、上述した
図4のクーポン情報221、
図5のユーザ情報222、及び、図示せぬ商品情報等を参照して生成する。例えば、生成部232は、入力項目511について、ユーザ情報222の入力項目タイプN222e(対応するユーザについての情報)を参照し、また、入力項目512について、ユーザ情報222の入力項目タイプA222dを参照して、ユーザに応じた初期値を設定する。つまり、ユーザの入力項目タイプN222eが「クーポン適用なし」であれば、生成部232は、初期値として、入力項目511にチェックを設定せず、一方、「クーポン適用あり」であれば、初期値として、入力項目511にチェックを設定する。同様に、ユーザの入力項目タイプA222dが「ショップメール不要」であれば、生成部232は、初期値として、入力項目512にチェックを設定せず、一方、「ショップメール要」であれば、初期値として、入力項目512にチェックを設定する。
つまり、入力項目の各々には、ユーザ(購入者)の傾向に応じた初期値が設定されて決済フォームが生成される。
【0050】
なお、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更しないタイプの場合、生成部232は、
図6Bに示すような決済フォーム520を生成してもよい。この決済フォーム520は、その内容が
図6Aの決済フォーム510と同じであるものの、入力項目については、折り畳まれている(つまり、入力項目が表示されない)。すなわち、クーポンについては「適用する」が設定されており、その概略がメッセージ521にて表されている。なお、ユーザが、クーポンについて変更したい場合には、変更リンク522をユーザが操作することで、折り畳まれていた入力項目(入力項目511)が展開され(表示され)、変更可能となる。同様に、ショップメールについては、「購読する」が設定されており、その概略がメッセージ523にて表されている。なお、ユーザが、ショップメールについて変更したい場合には、変更リンク524をユーザが操作することで、折り畳まれていた入力項目(入力項目512)が展開され、変更可能となる。
この決済フォーム520でも、決済ボタン525がユーザに操作されると、決済が完了する。
【0051】
また、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更するタイプの場合、生成部232は、
図6Cに示すような決済フォーム530を生成する。
図6Cの入力項目531では、クーポンを適用しない旨が記載されている(適用することを示すチェックが外れている)。そして、入力項目531が強調表示されている。つまり、ユーザの入力項目タイプN222e(ユーザ情報222)が「クーポン適用なし」であるため、生成部232は、入力項目531のチェックを外すと共に、入力項目531を強調表示する。また、
図6Cの示す入力項目532には、ショップメールを購読することを示すチェックが設定されており、強調表示はされていない。なお、このショップメールについては、決済フォーム520の場合と同様に、入力項目を折り畳んで概略メッセージを表示するようにしてもよい。
この決済フォーム530でも、決済ボタン533がユーザに操作されると、決済が完了する。
【0052】
この他にも、生成部232は、
図6Dに示すような決済フォーム540を生成してもよい。
図6Dの入力項目541,542では、一例として、何れかを適用可能な2つのクーポンのうち、一方のクーポン(入力項目542)を適用する旨が設定されている。この場合、ユーザの入力項目タイプN222e(ユーザ情報222)では、「クーポン適用あり」となっているものの、何れか一方を選ぶ必要があるため、入力項目541,542が強調表示されている。なお、複数のクーポンが併用できる場合には、両方の入力項目にチェックを入れ、強調表示を行わないようにしてもよい(さらに、折り畳んで概略メッセージを表示してもよい)。
この決済フォーム540でも、決済ボタン543がユーザに操作されると、決済が完了する。
【0053】
図3に戻って、決済部233は、ユーザ(購入者)により、決済フォームの確認がなされると(決済ボタンが操作されると)、確認がなされた時に入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う。つまり、決済部233は、決済フォーム(決済フォーム510〜540)における初期値の確認操作又は初期値の編集操作に応じた入力情報を受け付けると、決済フォームにおける複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う。
例えば、決済フォームにおいてクーポンが適用されていれば、決済部233は、販売額からクーポンに応じた金額を割り引いた金額によって決済を行う。
【0054】
抽出部234は、商品の購入申込に対して決済フォーム(決済フォーム510〜540)に係る入力情報を受け付けると、その決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する。
つまり、抽出部234は、ユーザによって変更された入力項目を抽出する。なお、入力項目が抽出されると、上述した管理部231によって、
図5のユーザ情報222(入力項目タイプA222d,入力項目タイプN222e等)が更新される。また、今回使用された(適用された)クーポンについては、管理部231によって、ユーザ情報222(獲得済みクーポンID222c)から削除される。また、決済部233の決済に伴って、新たなクーポンが獲得された場合には、管理部231によって、ユーザ情報222(獲得済みクーポンID222c)に追加される。
【0055】
この他にも、制御部230は、ユーザからの要求に応じて、商品の検索等を行い、ユーザ端末300に商品一覧等を提示する。
上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部230として機能しうる。
【0056】
図3に戻って、提示部240は、インターネット900を介してユーザ端末300に種々の情報を提示する。そして、受付部210は、ユーザからの操作を受け付ける。つまり、提示部240と受付部210とが協業することで、情報をユーザに提示し、提示した情報に対する入力情報を受け付ける情報受付部としての役割を果たすことになる。
例えば、提示部240は、ユーザが商品を購入する際に、上述した
図6A〜
図6Dに示すような決済フォーム510〜540をユーザ端末300に提示する。そして、受付部210は、入力情報を受け付ける。その際、ユーザが特典入力項目等を変更した場合には、購入額(支払い額)が再計算された決済フォームが生成され、ユーザ端末300に再提示される。
上述したCPU 401及びNIC 404等が、このような提示部240として機能しうる。
【0057】
(販売サーバの動作)
以下、このような構成の販売サーバ200の動作について
図7を参照して説明する。
図7は、制御部230が実行する決済フォーム提示処理の流れを示すフローチャートである。この決済フォーム提示処理は、例えば、ユーザによって、商品の購入が指示された際に実行される。
【0058】
まず、制御部230は、データベース220から、必要な情報を読み出す(ステップS11)。
例えば、制御部230は、
図4のクーポン情報221、
図5のユーザ情報222、及び、図示せぬ商品情報をデータベース220から読み出す。
【0059】
制御部230は、決済フォームを生成する(ステップS12)。
例えば、生成部232は、上述した
図6A〜
図6Dに示すような決済フォーム510〜540を生成する。
すなわち、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更しないタイプの場合、生成部232は、
図6Aに示すような決済フォーム510を生成する。つまり、生成部232は、クーポンを適用するため、入力項目511にチェックを設定する。また、ショップメールを購読するため、入力項目512にチェックを設定する。
また、生成部232は、
図6Bに示すような決済フォーム520を生成してもよい。この決済フォーム520では、各入力項目について、折り畳まれている(つまり、入力項目が表示されない)。すなわち、クーポンについては「適用する」が設定されており、その概略がメッセージ521にて表されている。また、ショップメールについては、「購読する」が設定されており、その概略がメッセージ523にて表されている。
【0060】
また、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更するタイプの場合、生成部232は、
図6Cに示すような決済フォーム530を生成する。つまり、生成部232は、クーポンを非適用とするため、入力項目531のチェックを外すと共に、入力項目531を強調表示する。
また、複数のクーポンのうち、何れか一方を選ぶ必要がある場合に、生成部232は、
図6Dに示すような決済フォーム540を生成してもよい。この例の場合、何れかを適用可能な2つのクーポンのうち、一方のクーポン(入力項目542)を適用する旨が設定されている。そして、入力項目541,542が強調表示されている。
【0061】
制御部230は、決済フォームをユーザ端末300に提示し、ユーザの確認を得る(ステップS13)。
すなわち、提示部240は、上述した
図6A〜
図6Dに示すような決済フォーム510〜540をユーザ端末300に提示する。そして、受付部210は、ユーザからの入力情報を受け付ける。その際、ユーザが特典入力項目等を変更した場合には、購入額(支払い額)が再計算された決済フォームが生成され、ユーザ端末300に再提示される。
【0062】
制御部230は、決済処理を行う(ステップS14)。
すなわち、決済部233は、入力情報を受け付けると、決済フォームの入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う。例えば、決済フォームにおいてクーポンが適用されていれば、決済部233は、販売額からクーポンに応じた金額を割り引いた金額によって決済を行う。
【0063】
制御部230は、ユーザ情報等を更新する(ステップS15)。
すなわち、抽出部234は、ユーザによって変更された入力項目を抽出する。そして、入力項目が抽出されると、管理部231は、
図5のユーザ情報222(入力項目タイプA222d,入力項目タイプN222e等)を更新する。また、管理部231は、今回使用されたクーポンについて、ユーザ情報222(獲得済みクーポンID222c)から削除する。さらに、決済部233の決済に伴って、新たなクーポンが獲得された場合には、管理部231は、ユーザ情報222(獲得済みクーポンID222c)にそのクーポンの情報を追加する。
【0064】
このような決済フォーム提示処理によって、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更しないタイプの場合(例えば、ユーザがクーポンを勧めるまま適用するなど)には、入力項目の設定を極力行わせずに、直ちに決済完了に向かわせるようにし、一方、ユーザが決済フォームの入力項目を初期値から変更するタイプの場合(例えば、ユーザがクーポンの適用を注意深く検討するなど)には、その入力項目を目立たせてすぐに確認や変更が行えるようにする。これにより、ドロップ率を下げて、CVR(Conversion Rate)を向上させることができる。
この結果、入力項目に対する購入者の設定傾向に応じて、決済フォームを適切に提示することができる。
【0065】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、ユーザに付与される特典として、購入額の割引に用いられるクーポンを一例として説明したが、ポイントなど他の特典についても適宜適用可能である。
【0066】
上記の実施形態では、商品の販売サイトを一例として説明したが、このような商品以外にも、保険等のサービスを販売する販売サイト等にも適宜適用可能である。
生成部(232)は、複数の入力項目の各々に、購入者に応じた初期値が設定された決済フォームを生成する。受付部(210)は、生成された決済フォームを、複数の入力項目を編集可能に購入者に提示して、入力情報を受け付ける。決済部(233)は、入力情報を受け付けると、複数の入力項目に設定されていた入力値に基づいて決済を行う。抽出部(234)は、第1の商品の購入申込に対して生成された第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けると、第1の決済フォームが有する複数の入力項目の各々において、当該入力項目に設定されていた初期値と、入力情報を受け付けた時に当該入力項目に設定されていた入力値と、が異なっている入力項目を抽出する。そして、第1の決済フォームに係る入力情報を受け付けた後にされた第2の商品の購入申込に対して、生成部(232)は、抽出された入力項目の表示を強調した第2の決済フォームを生成する。