【実施例】
【0030】
次に、本発明のエタロンフィルタの実施例について説明する。
まず、波長温度特性の規格化厚みの依存性について説明する。
図3は、波長温度特性の規格化厚みの依存性を示す図である。
なお、波長温度特性とは、温度変化に対するエタロンフィルタ透過波形のピークシフト量を示している。また、t/aを「規格化厚み」と呼称する。また、中空部の貫通孔の開口形状を円形とする。
ここでは、波長温度特性が1.000pm/℃以下の値となる場合を良好な値と評価する。また、エタロンフィルタの中空部の開口幅をa、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みをtとする。
このとき、中空部の開口幅aと第一の透明部材と第二の透明部材の厚みtとを変化させて、それぞれのエタロンフィルタの波長温度特性の規格化厚みの依存性の確認を行った。
【0031】
なお、表1に示すように、サンプル番号1を比較例1、サンプル番号2を比較例2、サンプル番号3を比較例3とする。
また、サンプル番号4を実施例1、サンプル番号5を実施例2、サンプル番号6を実施例3、サンプル番号7を実施例4、サンプル番号8を実施例5、サンプル番号9を実施例6とする。
また、サンプル番号10を実施例7、サンプル番号11を実施例8、サンプル番号12を実施例9、サンプル番号13を実施例10、サンプル番号14を実施例11、サンプル番号15を実施例12、サンプル番号16を実施例13、サンプル番号17を実施例14、サンプル番号18を実施例15とする。
【0032】
サンプル番号1の比較例1は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
比較例1のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.081pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0033】
サンプル番号2の比較例2は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
比較例2のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.095pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0034】
サンプル番号3の比較例3は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
比較例3のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.042pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0035】
これにより、比較例1〜比較例3の規格化厚みt/a=0.208となる場合は、波長温度特性の評価基準1.000pm/℃以下を満たさない結果となった。
【0036】
サンプル番号4の実施例1は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例1のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0037】
サンプル番号5の実施例2は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例2のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.939pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0038】
サンプル番号6の実施例3は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例3のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.903pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0039】
サンプル番号7の実施例4は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例4のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0040】
サンプル番号8の実施例5は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例5のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.936pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0041】
サンプル番号9の実施例6は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例6のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.931pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0042】
サンプル番号10の実施例7は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例7のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.906pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0043】
サンプル番号11の実施例8は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例8のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.922pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0044】
サンプル番号12の実施例9は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例9のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0045】
サンプル番号13の実施例10は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例10のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.909pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0046】
サンプル番号14の実施例11は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例11のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0047】
サンプル番号15の実施例12は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例12のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0048】
サンプル番号16の実施例13は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例13のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.906pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0049】
サンプル番号17の実施例14は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例14のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.922pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0050】
サンプル番号18の実施例15は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、
図3及び表1に示すように、
実施例15のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0051】
これにより、実施例1〜実施例15の規格化厚みt/a=0.313〜0.938となる場合は、波長温度特性の評価基準1.000pm/℃以下を満たす結果となった。
したがって、規格化厚みt/a≧0.3となる場合に、波長温度特性を向上させることができる。
【表1】
【0052】
次に、エタロンフィルタを300℃の温度で5分間、加熱したときの消光比と波長温度特性の変化を確認した。
図4(a)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの消光比の変化量を示す図であり、
図4(b)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの波長温度特性を示す図である。
消光比とは、
図1(b)に示すように、エタロンフィルタの透過強度の最大値と最小値の差を示している。
なお、表2に示すように、サンプル番号19を比較例4、サンプル番号20を比較例5、サンプル番号21を比較例6とする。
また、サンプル番号22を実施例16、サンプル番号23を実施例17、サンプル番号24を実施例18、サンプル番号25を実施例19、サンプル番号26を実施例20、サンプル番号27を実施例21とする。
【0053】
サンプル番号19の比較例4は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例4のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.12となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.12の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例4のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.17pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.37pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0054】
サンプル番号20の比較例5は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例5のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.12となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.12の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例5のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.07pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.42pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0055】
サンプル番号21の比較例6は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例6のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.16となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.16の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例6のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.15pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.50pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0056】
サンプル番号22の実施例16は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例16のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例16のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.97pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0057】
サンプル番号23の実施例17は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例17のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.02となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.02の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例17のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.99pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.04pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.04pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0058】
サンプル番号24の実施例18は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例18のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.02となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.02の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例18のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.02pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.07pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0059】
サンプル番号25の実施例19は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例19のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例19のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.99pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0060】
サンプル番号26の実施例20は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例20のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.00となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.00の変化しなかったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態とが同じであることが確認された。
また、実施例20のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.98pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.00pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに評価基準を満たす結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.00pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0061】
サンプル番号27の実施例21は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例21のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例21のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.96pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0062】
このように、実施例16〜実施例21において、加熱試験前と加熱試験後の消光比の変化量は、比較例4〜比較例6と比較して小さな変化であることが確認された。
また、実施例16〜実施例21において、加熱試験前と加熱試験後の波長温度特性の変化は、比較例4〜比較例6と比較して小さな変化であることが確認された。
【表2】
【0063】
次に、接着剤を用いて構成したエタロンフィルタとオプティカルコンタクトを用いて構成したエタロンフィルタとの消光比と波長温度特性を確認した。
図5は、接着剤が用いられた場合とオプティカルコンタクトが用いられた場合とを比較した図であって、
図5(a)は、FSRの値を比較した図であり、
図5(b)は、消光比を比較した図であり、
図5(c)は波長温度特性を比較した図である。
各実施例及び各比較例のエタロンフィルタは、実施例1と同様の、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されている。
ここで、接着剤で第一の透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30とを接合したエタロンフィルタを比較例A〜比較例Iとし、オプティカルコンタクトで透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30とを接合したエタロンフィルタを実施例A〜実施例Iとする。
【0064】
まず、各実施例及び各比較例のエタロンフィルタのFSRの値が、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まっているか確認した。
比較例について説明すると、
図5(a)及び表3に示すように、
比較例Aが49.945GHz、
比較例Bが49.948GHz、
比較例Cが49.959GHz、
比較例Dが49.947GHz、
比較例Eが49.950GHz、
比較例Fが49.960GHz、
比較例Gが49.962GHz、
比較例Hが49.964GHz、
比較例Iが49.968GHz
となり、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まらない結果となった。
【0065】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが49.984GHz、
実施例Bが49.982GHz、
実施例Cが49.984GHz、
実施例Dが49.983GHz、
実施例Eが49.983GHz、
実施例Fが49.984GHz、
実施例Gが49.983GHz、
実施例Hが49.984GHz、
実施例Iが49.984GHz
となり、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まる結果となった。
【0066】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトを用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まっているため、FSRのずれが少ないことが確認できる。
【表3】
【0067】
次に、各実施例及び各比較例のエタロンフィルタの消光比の値が、基準とする7±0.3dBの範囲に収まっているか確認した。
比較例について説明すると、
図5(b)及び表4に示すように、
比較例Aが7.037dB、
比較例Bが6.914dB、
比較例Cが6.266dB、
比較例Dが6.830dB、
比較例Eが6.926dB、
比較例Fが6.303dB、
比較例Gが6.297dB、
比較例Hが6.355dB、
比較例Iが6.115dB
となり、比較例Aを除いて基準とする7±0.3dBの範囲に収まらない結果となった。
【0068】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが7.273dB、
実施例Bが7.286dB、
実施例Cが7.287dB、
実施例Dが7.175dB、
実施例Eが7.177dB、
実施例Fが7.191dB、
実施例Gが7.160dB、
実施例Hが7.153dB、
実施例Iが7.144dB
となり、基準とする7±0.3dBの範囲に収まる結果となった。
【0069】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトによる接合を用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする7±0.3dBの範囲に収まっているため、消光比のばらつきが少なく安定した値が得られたことが確認できる。
【表4】
【0070】
各実施例及び各比較例のエタロンフィルタの波長温度特性の値が、基準とする1.000pm/℃以下となっているか確認した。
比較例について説明すると、
図5(c)及び表5に示すように、
比較例Aが0.900pm/℃、
比較例Bが1.444pm/℃、
比較例Cが1.773pm/℃、
比較例Dが1.007pm/℃、
比較例Eが1.022pm/℃、
比較例Fが1.738pm/℃、
比較例Gが1.020pm/℃、
比較例Hが1.313pm/℃、
比較例Iが1.602pm/℃
となり、比較例Aを除いて基準とする1.000pm/℃以下にならない結果となった。
【0071】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが0.945pm/℃、
実施例Bが0.935pm/℃、
実施例Cが0.905pm/℃、
実施例Dが0.900pm/℃、
実施例Eが0.945pm/℃、
実施例Fが0.931pm/℃、
実施例Gが0.906pm/℃、
実施例Hが0.922pm/℃、
実施例Iが0.944pm/℃
となり、基準とする1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0072】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトを用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする1.000pm/℃以下に収まっているため、波長温度特性のばらつきが少なく安定した値が得られたことが確認できる。
【表5】