(54)【発明の名称】3相交流電動機に備えた巻線切換装置、3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のショート故障検出方法及び3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のオープン故障検出方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各相の巻線がそれぞれ第1巻線と第2巻線とからなり、第1巻線の引出始端部に受電端子を、第1巻線の引出終端部と第2巻線の引出始端部との接続部に第1中性線用端子を、第2巻線の引出終端部に第2中性線用端子を、それぞれ設けた3相交流電動機と、
直流電源の直流電圧を入力し3相交流電源に変換し、その3相交流電源を3相交流電動機の対応する相の受電端子にそれぞれ印加する3相インバータ回路と、
前記3相交流電動機の各相の第1中性線用端子毎に第1切換スイッチング素子が設けられ、第1駆動回路からの第1駆動信号に基づいて前記各第1切換スイッチング素子が動作して、第1中性線用端子と第1中性線とを接続・非接続状態にする第1切換回路と、
前記3相交流電動機の各相の第2中性線用端子毎に第2切換スイッチング素子が設けられ、第2駆動回路からの第2駆動信号に基づいて前記各第2切換スイッチング素子が動作して、第2中性線用端子と第2中性線とを接続・非接続状態にする第2切換回路と
からなり、
第1ダイオードと第1充電コンデンサとの直列回路を、前記直流電源と前記第1中性線との間に接続し、前記直流電源の直流電圧を前記第1充電コンデンサに充電し、その充電電圧を、前記第1駆動回路に動作電圧として印加する第1動作電源回路と、
第2ダイオードと第2充電コンデンサとの直列回路を、前記直流電源と前記第2中性線との間に接続し、前記直流電源の直流電圧を前記第2充電コンデンサに充電し、その充電電圧を、前記第2駆動回路に動作電圧として印加する第2動作電源回路と
を設けており、
3相交流電動機の駆動中において前記第1中性線用端子と前記第1中性線とが非接続状態であって且つ前記第2中性線用端子と前記第2中性線とが接続状態であるとき、前記第2中性線の第2中性線電圧が前記直流電源の直流電圧未満となる場合に、該第2中性線電圧が直流電源の直流電圧未満となることによって、前記直流電源から前記第2動作電源回路の前記直列回路を介して前記第2中性線へ向かう電流経路が形成されて前記第2充電コンデンサが前記直流電源の直流電圧にて充電され、
3相交流電動機の駆動中において前記第1中性線用端子と前記第1中性線とが接続状態であって且つ前記第2中性線用端子と前記第2中性線とが非接続状態であるとき、前記第1中性線の第1中性線電圧が前記直流電源の直流電圧未満となる場合に、該第1中性線電圧が直流電源の直流電圧未満となることによって、前記直流電源から前記第1動作電源回路の前記直列回路を介して前記第1中性線へ向かう電流経路が形成されて前記第1充電コンデンサが前記直流電源の直流電圧にて充電される3相交流電動機に備えた巻線切換装置。
各相の巻線がそれぞれ第1巻線と第2巻線とからなり、第1巻線の引出始端部に受電端子を、第1巻線の引出終端部と第2巻線の引出始端部との接続部に第1中性線用端子を、第2巻線の引出終端部に第2中性線用端子を、それぞれ設けた3相交流電動機と、
直流電源の直流電圧を入力し3相交流電源に変換し、その3相交流電源を3相交流電動機の対応する相の受電端子にそれぞれ印加する3相インバータ回路と、
前記3相交流電動機の各相の第1中性線用端子毎に第1切換スイッチング素子が設けられ、第1駆動回路からの第1駆動信号に基づいて前記各第1切換スイッチング素子が動作して、第1中性線用端子と第1中性線とを接続・非接続状態にする第1切換回路と、
前記3相交流電動機の各相の第2中性線用端子毎に第2切換スイッチング素子が設けられ、第2駆動回路からの第2駆動信号に基づいて前記各第2切換スイッチング素子が動作して、第2中性線用端子と第2中性線とを接続・非接続状態にする第2切換回路と
からなる3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のショート故障検出方法であって、
前記各相の受電端子に、それぞれ直列回路よりなるプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の接続点を接続し、前記プルアップ抵抗の他端を前記直流電源に接続するとともに、前記プルダウン抵抗の他端をグランドに接地し、
前記第1中性線を、第1電圧検出用抵抗を介して接地するとともに、前記第2中性線を、第2電圧検出用抵抗を介してグランドに接地し、
前記3相インバータ回路の全ての上アームスイッチング素子及び全ての下アームスイッチング素子をオフさせるとともに、前記第1及び第2切換回路の全第1及び第2切換スイッチング素子をオフ状態にした時に、第1中性線又は第2中性線のいずれか一方の電圧が中間電圧の時、中間電圧になった側の切換回路の切換スイッチング素子のいずれかがショート故障していると判断し、第1及び第2中性線の電圧が中間電圧より低い低電圧の時、全第1及び第2切換スイッチング素子がショート故障していないと判断することを特徴とする3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のショート故障検出方法。
各相の巻線がそれぞれ第1巻線と第2巻線とからなり、第1巻線の引出始端部に受電端子を、第1巻線の引出終端部と第2巻線の引出始端部との接続部に第1中性線用端子を、第2巻線の引出終端部に第2中性線用端子を、それぞれ設けた3相交流電動機と、
直流電源の直流電圧を入力し3相交流電源に変換し、その3相交流電源を3相交流電動機の対応する相の受電端子にそれぞれ印加する3相インバータ回路と、
前記3相交流電動機の各相の第1中性線用端子毎に第1切換スイッチング素子が設けられ、第1駆動回路からの第1駆動信号に基づいて前記各第1切換スイッチング素子が動作して、第1中性線用端子と第1中性線とを接続・非接続状態にする第1切換回路と、
前記3相交流電動機の各相の第2中性線用端子毎に第2切換スイッチング素子が設けられ、第2駆動回路からの第2駆動信号に基づいて前記各第2切換スイッチング素子が動作して、第2中性線用端子と第2中性線とを接続・非接続状態にする第2切換回路と
からなる3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のオープン故障検出方法であって、
前記各相の受電端子に、それぞれ直列回路よりなるプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の接続点を接続し、前記プルアップ抵抗の他端を前記直流電源に接続するとともに、前記プルダウン抵抗の他端をグランドに接地し、
前記第1中性線を、第1電圧検出用抵抗を介して接地するとともの、前記第2中性線を、第2電圧検出用抵抗を介してグランドに接地し、
前記第1切換回路の第1切換スイッチング素子のオープン故障を検出する場合、
前記第1切換回路の全第1切換スイッチング素子をオン状態にし、前記第2切換回路の全ての第2切換スイッチング素子をオフ状態にして、
前記3相インバータ回路の全ての上アームスイッチング素子のいずれか1つの相の上アームスイッチング素子のみを順次オンさせて、前記第1中性線の電圧が中間電圧以下になった時、その時のオンされている上アームスイッチング素子に対応する相の前記第1切換スイッチング素子はオープン故障していると判断し、前記第1中性線の電圧が中間電圧より高い高電圧になった時、その時のオンされている上アームスイッチング素子に対応する相の前記第1切換スイッチング素子はオープン故障してないと判断し、
前記第2切換回路の第2切換スイッチング素子のオープン故障を検出する場合、
前記第2切換回路の全ての第2切換スイッチング素子をオン状態にし、前記第1切換回路の全第1切換スイッチング素子をオフ状態にして、
前記3相インバータ回路の全ての上アームスイッチング素子のいずれか1つの相の上アームスイッチング素子のみを順次オンさせて、前記第2中性線の電圧が中間電圧以下になった時、その時のオンされている上アームスイッチング素子に対応する相の前記第2切換スイッチング素子はオープン故障していると判断し、前記第2中性線の電圧が中間電圧より高い高電圧になった時、その時のオンされている上アームスイッチング素子に対応する相の前記第2切換スイッチング素子はオープン故障してないと判断することを特徴とする3相交流電動機に備えた巻線切換装置の切換スイッチング素子のオープン故障検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1実施形態)
以下、本発明の3相交流電動機の巻線切換装置を具体化した第1実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
【0034】
図1〜
図3は、3相交流電動機Mの巻線切換装置1の電気回路を示す。巻線切換装置1は、3相交流電動機Mに対し、直流電源Gを3相交流電源に変換し3相交流電動機Mの各相の巻線に供給するインバータ回路10、3相交流電動機Mの各相の巻線を切り換えて高速小トルクと低速大トルクにする第1及び第2切換回路11,12を備えている。
【0035】
また、
図2に示すように、巻線切換装置1は、第1切換回路11を駆動する第1駆動回路21と、その第1駆動回路21の動作電源を供給する第1動作電源回路31を備えている。さらに、
図3に示すように、巻線切換装置1は、第2切換回路12を駆動する第2駆動回路22と、その第2駆動回路22の動作電源を供給する第2動作電源回路32を備えている。
【0036】
(3相交流電動機M)
3相交流電動機MのU相用巻線は、U相用の各ティース毎に第1U相巻線U1と第2U相巻線U2の2つの巻線が直列接続されるようにそれぞれ巻回されて構成されている。
【0037】
詳述すると、第1U相巻線U1は、U相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部U1a及び引出終端部U1bがリア側に引き出されるようになっている。また、第2U相巻線U2も同様に、U相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部U2a及び引出終端部U2bがリア側に引き出されるようになっている。
【0038】
そして、各ティースにおいて、リア側に引き出された第1U相巻線U1の引出終端部U1bと第2U相巻線U2の引出始端部U2aは、互いに電気的に接続されるようになっている。
【0039】
なお、U相用の各ティースに巻回した第1U相巻線U1は、互いに電気的に並列に接続されているとともに、U相用の各ティースに巻回した第2U相巻線U2は互いに電気的に並列に接続されている。
【0040】
そして、説明の便宜上、
図1〜
図3の電気回路では、1つのU相用のティースに巻回した第1U相巻線U1と第2U相巻線U2のみを図示した。以下、説明の便宜上、U相用の巻線を総称して単に、第1U相巻線U1と第2U相巻線U2という。
【0041】
そして、第1U相巻線U1の引出始端部U1aの先端に設けた受電端子Tuは、インバータ回路10に接続され、U相の交流電源Vuが入力される。また、第1U相巻線U1の引出終端部U1bと第2U相巻線U2の引出始端部U2aとを接続する接続端子Tu1は、第1切換回路11に接続されている。さらに、第2U相巻線U2の引出終端部U2bの先端に設けた外部端子Tu2は、第2切換回路12に接続されている。
【0042】
また、3相交流電動機MのV相用巻線は、V相用の各ティース毎に第1V相巻線V1と第2V相巻線V2の2つの巻線が直列接続されるようにそれぞれ巻回されて構成されている。
【0043】
詳述すると、第1V相巻線V1は、V相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部V1a及び引出終端部V1bがリア側に引き出されるようになっている。また、第2V相巻線V2も同様に、V相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部V2a及び引出終端部V2bがリア側に引き出されるようになっている。
【0044】
そして、各ティースにおいて、リア側に引き出された第1V相巻線V1の引出終端部V1bと第2V相巻線V2の引出始端部V2aは、互いに電気的に接続されるようになっている。
【0045】
なお、同様に、V相用の各ティースに巻回した第1V相巻線V1は互いに電気的に並列に接続されているとともに、V相用の各ティースに巻回した第2V相巻線V2は互いに電気的に並列に接続されている。
【0046】
そして、説明の便宜上、
図1〜
図3の電気回路では、同様に、1つのV相用のティースに巻回した第1V相巻線V1と第2V相巻線V2のみを図示した。
以下、説明の便宜上、V相用の巻線を総称して単に、第1V相巻線V1と第2V相巻線V2という。
【0047】
そして、第1V相巻線V1の引出始端部V1aの先端に設けた受電端子Tvは、インバータ回路10に接続され、V相の交流電源Vvが入力される。また、第1V相巻線V1の引出終端部V1bと第2V相巻線V2の引出始端部V2aとを接続する接続端子Tv1は、第1切換回路11に接続されている。さらに、第2V相巻線V2の引出終端部V2bの先端に設けた外部端子Tv2は、第2切換回路12に接続されている。
【0048】
さらに、3相交流電動機MのW相用巻線は、W相用の各ティース毎に第1W相巻線W1と第2W相巻線W2の2つの巻線が直列接続されるようにそれぞれ巻回されて構成されている。
【0049】
詳述すると、第1W相巻線W1は、W相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部W1a及び引出終端部W1bがリア側に引き出されるようになっている。また、第2W相巻線W2も同様に、W相用のティースに所定の数だけ巻回され、その引出始端部W2a及び引出終端部W2bがリア側に引き出されるようになっている。
【0050】
そして、各ティースにおいて、リア側に引き出された第1W相巻線W1の引出終端部W1bと第2W相巻線W2の引出始端部W2aは、互いに電気的に接続されるようになっている。
【0051】
なお、同様に、W相用の各ティースに巻回した第1W相巻線W1は互いに電気的に並列に接続されているとともに、W相用の各ティースに巻回した第2W相巻線W2は互いに電気的に並列に接続されている。
【0052】
そして、説明の便宜上、
図1〜
図3の電気回路では、同様に、1つのW相用のティースに巻回した第1W相巻線W1と第2W相巻線W2のみを図示した。
以下、説明の便宜上、W相用の巻線を総称して単に、第1W相巻線W1と第2W相巻線W2という。
【0053】
そして、第1W相巻線W1の引出始端部W1aの先端に設けた受電端子Twは、インバータ回路10に接続され、W相の交流電源Vwが入力される。また、第1W相巻線W1の引出終端部W1bと第2W相巻線W2の引出始端部W2aとを接続する接続端子Tw1は、第1切換回路11に接続されている。さらに、第2W相巻線W2の引出終端部W2bの先端に設けた外部端子Tw2は、第2切換回路12に接続されている。
【0054】
(インバータ回路10)
インバータ回路10は、3相インバータ回路である。インバータ回路10は、U相用の上アーム及び下アームU相スイッチング素子Qa,Qbの直列回路と、V相用の上アーム及び下アームV相スイッチング素子Qc,Qdの直列回路と、W相用の上アーム及び下アームW相スイッチング素子Qe,Qfの直列回路とが並列に接続され、直流電源Gからの直流電圧Vddが印加されている。
【0055】
U相用の上アーム及び下アームU相スイッチング素子Qa,Qbは、NチャネルMOSトランジスタにて形成されている。そして、上アームU相スイッチング素子Qaのソース端子と下アームU相スイッチング素子Qbのドレイン端子とが接続され、その接続点NaがU相巻線の受電端子Tuと接続されている。また、上アームU相スイッチング素子Qaは、ドレイン端子が直流電源Gのプラス端子に接続され、下アームU相スイッチング素子Qbは、ソース端子が直流電源Gのマイナス端子に接続されグランドに接地されている。
【0056】
V相用の上アーム及び下アームV相スイッチング素子Qc,Qdは、同様に、NチャネルMOSトランジスタにて形成されている。そして、上アームV相スイッチング素子Qcのソース端子と下アームV相スイッチング素子Qdのドレイン端子とが接続され、その接続点NbがV相巻線の受電端子Tvと接続されている。また、上アームV相スイッチング素子Qcは、ドレイン端子が直流電源Gのプラス端子に接続され、下アームV相スイッチング素子Qdは、ソース端子が直流電源Gのマイナス端子に接続されグランドに接地されている。
【0057】
W相用の上アーム及び下アームW相スイッチング素子Qe,Qfは、同様に、NチャネルMOSトランジスタにて形成されている。そして、上アームW相スイッチング素子Qeのソース端子と下アームW相スイッチング素子Qfのドレイン端子とが接続され、その接続点NcがW相巻線の受電端子Twと接続されている。また、上アームW相スイッチング素子Qeは、ドレイン端子が直流電源Gのプラス端子に接続され、下アームW相スイッチング素子Qfは、ソース端子が直流電源Gのマイナス端子に接続されグランドに接地されている。
【0058】
各スイッチング素子Qa〜Qfのゲート端子には、インバータ制御回路2からの駆動信号S1〜S6がそれぞれ入力される。そして、インバータ制御回路2からの駆動信号S1〜S6に基づいて、各スイッチング素子Qa〜Qfが所定のタイミングでオン・オフされて、インバータ回路10は直流電源Gの直流電圧Vdd(本実施形態では12V)を3相交流電源Vu,Vv,Vwに変換し、3相交流電動機Mの各相に供給する。
【0059】
(第1切換回路11)
第1切換回路11は、
図1及び
図2に示すように、第1U相スイッチング素子Q1、第1V相スイッチング素子Q2及び第1W相スイッチング素子Q3を備えている。
【0060】
第1U相スイッチング素子Q1は、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第1U相スイッチング素子Q1のドレイン端子は、U相巻線の接続端子Tu1に接続されている。第1U相スイッチング素子Q1のソース端子は、第1中性線NL1に接続されている。
【0061】
また、第1U相スイッチング素子Q1のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R1及び抵抗R2を介して第1駆動回路21に接続されている。この抵抗R1と抵抗R2の接続点N1と、第1U相スイッチング素子Q1のドレイン端子との間には、ダイオードD1とツェナーダイオードTD1からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N1と第1U相スイッチング素子Q1のソース端子との間には、抵抗R3が接続されている。
【0062】
そして、第1U相スイッチング素子Q1のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R1及び抵抗R2を介して第1駆動回路21からの第1駆動信号SD1が入力されるようになっている。
【0063】
第1V相スイッチング素子Q2は、同様に、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第1V相スイッチング素子Q2のドレイン端子は、V相巻線の接続端子Tv1に接続されている。第1V相スイッチング素子Q2のソース端子は、第1中性線NL1に接続されている。
【0064】
また、第1V相スイッチング素子Q2のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R4及び抵抗R5を介して第1駆動回路21に接続されている。この抵抗R4と抵抗R5の接続点N2と、第1V相スイッチング素子Q2のドレイン端子との間には、ダイオードD2とツェナーダイオードTD2からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N2と、第1V相スイッチング素子Q2のソース端子との間には、抵抗R6が接続されている。
【0065】
そして、第1V相スイッチング素子Q2のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R4及び抵抗R5を介して第1駆動回路21から第1U相スイッチング素子Q1のゲート端子に入力される同じ第1駆動信号SD1が入力されるようになっている。
【0066】
第1W相スイッチング素子Q3は、同様に、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第1W相スイッチング素子Q3のドレイン端子は、W相巻線の接続端子Tw1に接続されている。第1W相スイッチング素子Q3のソース端子は、第1中性線NL1に接続されている。
【0067】
また、第1W相スイッチング素子Q3のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R7及び抵抗R8を介して第1駆動回路21に接続されている。この抵抗R7と抵抗R8の接続点N3と、第1W相スイッチング素子Q3のドレイン端子との間には、ダイオードD3とツェナーダイオードTD3からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N3と、第1W相スイッチング素子Q3のソース端子との間には、抵抗R9が接続されている。
【0068】
そして、第1W相スイッチング素子Q3のゲート端子は、
図2に示すように、抵抗R7及び抵抗R8を介して、第1駆動回路21から第1U相スイッチング素子Q1のゲート端子に入力される同じ第1駆動信号SD1が入力されるようになっている。
【0069】
従って、第1駆動回路21からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力されると、第1U相スイッチング素子Q1、第1V相スイッチング素子Q2及び第1W相スイッチング素子Q3は、オンして接続端子Tu1,Tv1,Tw1と第1中性線NL1とを接続する。
【0070】
反対に、第1駆動回路21からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が出力されると、第1U相スイッチング素子Q1、第1V相スイッチング素子Q2及び第1W相スイッチング素子Q3は、オフして接続端子Tu1,Tv1,Tw1と第1中性線NL1との接続を遮断する。
【0071】
(第2切換回路12)
第2切換回路12は、
図1及び
図3に示すように、第2U相スイッチング素子Q4、第2V相スイッチング素子Q5及び第2W相スイッチング素子Q6を備えている。
【0072】
第2U相スイッチング素子Q4は、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第2U相スイッチング素子Q4のドレイン端子は、U相巻線の外部端子Tu2に接続されている。第2U相スイッチング素子Q4のソース端子は、第2中性線NL2に接続されている。
【0073】
また、第2U相スイッチング素子Q4のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R11及び抵抗R12を介して第2駆動回路22に接続されている。この抵抗R11と抵抗R12の接続点N4と、第2U相スイッチング素子Q4のドレイン端子との間には、ダイオードD4とツェナーダイオードTD4からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N4と第2U相スイッチング素子Q4のソース端子との間には、抵抗R13が接続されている。
【0074】
そして、第2U相スイッチング素子Q4のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R11及び抵抗R12を介して第2駆動回路22からの第2駆動信号SD2が入力されるようになっている。
【0075】
第2V相スイッチング素子Q5は、同様に、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第2V相スイッチング素子Q5のドレイン端子は、V相巻線の外部端子Tv2に接続されている。第2V相スイッチング素子Q5のソース端子は、第2中性線NL2に接続されている。
【0076】
また、第2V相スイッチング素子Q5のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R14及び抵抗R15を介して第2駆動回路22に接続されている。この抵抗R14と抵抗R15の接続点N5と、第2V相スイッチング素子Q5のドレイン端子との間には、ダイオードD5とツェナーダイオードTD5からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N5と第2V相スイッチング素子Q5のソース端子との間には、抵抗R16が接続されている。
【0077】
そして、第2V相スイッチング素子Q5のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R14及び抵抗R15を介して、第2駆動回路22から第2U相スイッチング素子Q4のゲート端子に入力される同じ第2駆動信号SD2が入力されるようになっている。
【0078】
第2W相スイッチング素子Q6は、同様に、NチャネルMOSトランジスタよりなり、ソース・ドレイン間のボディーダイオードDを設けたMOSトランジスタである。第2W相スイッチング素子Q6のドレイン端子は、W相巻線の外部端子Tw2に接続されている。第2W相スイッチング素子Q6のソース端子は、第2中性線NL2に接続されている。
【0079】
また、第2W相スイッチング素子Q6のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R17及び抵抗R18を介して第2駆動回路22に接続されている。この抵抗R17と抵抗R18の接続点N6と、第2W相スイッチング素子Q6のドレイン端子との間には、ダイオードD6とツェナーダイオードTD6からなる過電圧保護用の直列回路が接続されている。また、この接続点N6と第2W相スイッチング素子Q6のソース端子との間には、抵抗R19が接続されている。
【0080】
そして、第2W相スイッチング素子Q6のゲート端子は、
図3に示すように、抵抗R17及び抵抗R18を介して、第2駆動回路22から第2U相スイッチング素子Q4のゲート端子に入力される同じ第2駆動信号SD2が入力されるようになっている。
【0081】
従って、第2駆動回路22からハイ・レベルの第2駆動信号SD2が出力されると、第2U相スイッチング素子Q4、第2V相スイッチング素子Q5及び第2W相スイッチング素子Q6は、オンして外部端子Tu2,Tv2,Tw2と第2中性線NL2とを接続する。
【0082】
反対に、第2駆動回路22からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力されると、第2U相スイッチング素子Q4、第2V相スイッチング素子Q5及び第2W相スイッチング素子Q6は、オフして外部端子Tu2,Tv2,Tw2と第2中性線NL2との接続を遮断する。
【0083】
ちなみに、3相交流電動機Mの駆動時には、第1駆動回路21の第1駆動信号SD1と第2駆動回路22の第2駆動信号SD2は、相補信号となる。つまり、第1駆動信号SD1がハイ・レベルの時、第2駆動信号SD2がロウ・レベルとなり、第1駆動信号SD1がロウ・レベルの時、第2駆動信号SD2がハイ・レベルとなる。
【0084】
従って、第1駆動信号SD1がハイ・レベルの時、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3がオンし、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6がオフする。これによって、3相交流電動機Mの巻線構造は、U相は第1U相巻線U1、V相は第1V相巻線V1、W相は第1W相巻線W1からなる高速回転用巻線HSのスター結線となる。
図4にその等価回路を示す。
【0085】
反対に、第2駆動信号SD2がハイ・レベルの時、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6がオンし、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3がオフする。これによって、3相交流電動機Mの配線構造は、U相は第1及び第2U相巻線U1,U2の直列回路、V相は第1及び第2V相巻線V1,V2の直列回路、W相は第1及び第2W相巻線W1,W2の直列回路からなる低速回転用巻線LSのスター結線となる。
図5にその等価回路を示す。
【0086】
従って、本実施形態の3相交流電動機Mは、巻線構造を高速回転用巻線HSと低速回転用巻線LSとに切り換えるこができ、高速回転小トルク特性と低速回転大トルク特性の2種類のモータ特性を得ることができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、第1及び第2切換回路11,12のスイッチング素子としてボディーダイオードDを備えたMOSトランジスタQ1〜Q6を用いたが、ボディーダイオードDを有さないMOSトランジスタで実施してもよい。
【0088】
(第1駆動回路21)
次に、第1切換回路11を駆動させる第1駆動回路21について説明する。
図2に示すように、第1駆動回路21は、第1及び第2MOSトランジスタQ11,Q12からなる出力回路、第1赤外線発光素子D1aと第1赤外線受光素子D1bからなるフォトカプラ、第1アンプ21a、第1論理回路21bとから構成されている。
【0089】
出力回路を構成する第1及び第2MOSトランジスタQ11,Q12は、NチャネルMOSトランジスタよりなり、第1MOSトランジスタQ11のソース端子と第2MOSトランジスタQ12のドレイン端子が接続され、その接続点T1から第1駆動信号SD1が出力されるようになっている。第1MOSトランジスタQ11のドレイン端子は、第1駆動回路21の第1動作電源回路31のプラス端子Tp1に接続されている。第2MOSトランジスタQ12のソース端子は、第1駆動回路21の第1動作電源回路31のマイナス端子Tn1に接続されているとともに、第1切換回路11の第1中性線NL1に接続されている。
【0090】
第1及び第2MOSトランジスタQ11,Q12のゲート端子は、第1論理回路21bにそれぞれ接続され、それぞれのゲート端子に第1及び第2判定信号SJ1,SJ2が入力されるようになっている。この第1及び第2判定信号SJ1,SJ2は、相補信号であって、第1及び第2MOSトランジスタQ11,Q12のいずれか一方がオンの時、他方がオフとなる信号である。
【0091】
従って、第1MOSトランジスタQ11がオンの時には、第2MOSトランジスタQ12はオフとなり、接続点T1からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力される。反対に、第1MOSトランジスタQ11がオフの時には、第2MOSトランジスタQ12はオンとなり、接続点T1からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が出力される。
【0092】
フォトカプラを構成する第1赤外線発光素子D1aは、第1中性線切換制御回路3に接続され、第1中性線切換制御回路3によって電流制御され赤外線を発光するようになっている。
【0093】
詳述すると、第1中性線切換制御回路3は、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図4に示す高速回転用巻線HSのスター結線にする時、第1赤外線発光素子D1aに電流を流すようになっている。これによって、第1赤外線発光素子D1aは赤外線を発光する。反対に、第1中性線切換制御回路3は、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図5に示す低速回転用巻線LSのスター結線にする時、第1赤外線発光素子D1aに電流を流さないようになっている。これによって、第1赤外線発光素子D1aは赤外線を発光しない。
【0094】
フォトカプラを構成する第1赤外線受光素子D1bは、第1赤外線発光素子D1aの発光する赤外線を受光し、導通しその電流を検出電流として次段の第1アンプ21aに出力する。つまり、第1赤外線発光素子D1aが赤外線を発光している時、第1赤外線受光素子D1bはその赤外線を受光し第1アンプ21aに検出電流を出力する。反対に、第1赤外線発光素子D1aが赤外線を発光していない時、第1赤外線受光素子D1bは赤外線が受光されないことから第1アンプ21aに検出電流を出力しない。
【0095】
第1アンプ21aは、検出電流を増幅し、検出電流を第1論理回路21bに出力する。第1論理回路21bは、第1アンプ21aが入力した検出電流に基づいて、第1赤外線発光素子D1aが赤外線を発光したかどうかの第1及び第2判定信号SJ1,SJ2を出力する。
【0096】
第1論理回路21bは、第1赤外線発光素子D1aが赤外線を発光した時、ハイ・レベルの第1判定信号SJ1を出力するとともに、ロウ・レベルの第2判定信号SJ2を出力する。これによって、第1MOSトランジスタQ11がオンし、第2MOSトランジスタQ12がオフとなり、接続点N1からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力される。
【0097】
つまり、第1赤外線発光素子D1aを発光させ、接続点T1からハイ・レベルの第1駆動信号SD1を出力させることにより、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図4に示す高速回転用巻線HSのスター結線にすることができる。
【0098】
一方、第1論理回路21bは、第1赤外線発光素子D1aが赤外線を発光しない時、ロウ・レベルの第1判定信号SJ1を出力するとともに、ハイ・レベルの第2判定信号SJ2を出力する。これによって、第1MOSトランジスタQ11がオフし、第2MOSトランジスタQ12がオンとなり、接続点T1からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が出力される。
【0099】
つまり、第1赤外線発光素子D1aを発光させないで、接続点N1からロウ・レベルの第1駆動信号SD1を出力させることにより、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図5に示す低速回転用巻線LSのスター結線にすることができる。
【0100】
(第2駆動回路22)
次に、第2切換回路12を駆動させる第2駆動回路22について説明する。
図3に示すように、第2駆動回路22は、第3及び第4MOSトランジスタQ13,Q14からなる出力回路、第2赤外線発光素子D2aと第2赤外線受光素子D2bからなるフォトカプラ、第2アンプ22a、第2論理回路22bとから構成されている。
【0101】
出力回路を構成する第3及び第4MOSトランジスタQ13,Q14は、NチャネルMOSトランジスタよりなり、第3MOSトランジスタQ13のソース端子と第4MOSトランジスタQ14のドレイン端子が接続され、その接続点T2から第2駆動信号SD2が出力されるようになっている。第3MOSトランジスタQ13のドレイン端子は、第2駆動回路22の第2動作電源回路32のプラス端子Tp2に接続されている。第4MOSトランジスタQ14のソース端子は、第2駆動回路22の第2動作電源回路32のマイナス端子Tn2に接続されているとともに、第2切換回路12の第2中性線NL2に接続されている。
【0102】
第3及び第4MOSトランジスタQ13,Q14のゲート端子は、第2論理回路22bにそれぞれ接続され、それぞれのゲート端子に第3及び第4判定信号SJ3,SJ4が入力されるようになっている。この第3及び第4判定信号SJ3,SJ4は、相補信号であって、第3及び第4MOSトランジスタQ13,Q14のいずれか一方がオンの時、他方がオフとなる信号である。
【0103】
従って、第3MOSトランジスタQ13がオンの時には、第4MOSトランジスタQ14はオフとなり、接続点T2からハイ・レベルの第2駆動信号SD2が出力される。反対に、第3MOSトランジスタQ13がオフの時には、第4MOSトランジスタQ14はオンとなり、接続点T2からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力される。
【0104】
フォトカプラを構成する第2赤外線発光素子D2aは、第2中性線切換制御回路4に接続され、第2中性線切換制御回路4によって電流制御され赤外線を発光するようになっている。
【0105】
詳述すると、第2中性線切換制御回路4は、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図5に示す低速回転用巻線LSのスター結線にする時、第2赤外線発光素子D2aに電流を流すようになっている。これによって、第2赤外線発光素子D2aは赤外線を発光する。反対に、第2中性線切換制御回路4は、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図4に示す高速回転用巻線HSのスター結線にする時、第2赤外線発光素子D2aに電流を流さないようになっている。これによって、第2赤外線発光素子D2aは赤外線を発光しない。
【0106】
フォトカプラを構成する第2赤外線受光素子D2bは、第2赤外線発光素子D2aの発光する赤外線を受光し、導通しその電流を検出電流として次段の第2アンプ22aに出力する。つまり、第2赤外線発光素子D2aが赤外線を発光している時、第2赤外線受光素子D2bはその赤外線を受光し第2アンプ22aに検出電流を出力する。反対に、第2赤外線発光素子D2aが赤外線を発光していない時、第2赤外線受光素子D2bは赤外線が受光されないことから第2アンプ22aに検出電流を出力しない。
【0107】
第2アンプ22aは、検出電流を増幅し、検出電流を第2論理回路22bに出力する。第2論理回路22bは、第2アンプ22aが入力した検出電流に基づいて、第2赤外線発光素子D2aが赤外線を発光したかどうかの第3及び第4判定信号SJ3,SJ4を出力する。
【0108】
第2論理回路22bは、第2赤外線発光素子D2aが赤外線を発光した時、ハイ・レベルの第3判定信号SJ3を出力するとともに、ロウ・レベルの第4判定信号SJ4を出力する。これによって、第3MOSトランジスタQ13がオンし、第4MOSトランジスタQ14がオフとなり、接続点T2からハイ・レベルの第2駆動信号SD2が出力される。
【0109】
つまり、第2赤外線発光素子D2aを発光させ、接続点T2からハイ・レベルの第2駆動信号SD2を出力させることにより、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図5に示す低速回転用巻線LSのスター結線にすることができる。
【0110】
一方、第2論理回路22bは、第2赤外線発光素子D2aが赤外線を発光しない時、ロウ・レベルの第3判定信号SJ3を出力するとともに、ハイ・レベルの第4判定信号SJ4を出力する。これによって、第3MOSトランジスタQ13がオフし、第4MOSトランジスタQ14がオンとなり、接続点T2からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力される。
【0111】
つまり、第2赤外線発光素子D2aを発光させないで、接続点N2からロウ・レベルの第2駆動信号SD2を出力させることにより、3相交流電動機Mの巻線構造を、
図4に示す高速回転用巻線HSのスター結線にすることができる。
【0112】
なお、第1赤外線発光素子D1a及び第2赤外線発光素子D2aは、3相交流電動機Mの駆動時おいて、同時に発光することはなく、いずれか一方が発光している時、他方は発光しないように、第1中性線切換制御回路3及び第2中性線切換制御回路4にて制御されている。
【0113】
(第1動作電源回路31)
次に、第1駆動回路21の第1動作電源回路31について説明する。
第1動作電源回路31は、
図2に示すように、第1充電コンデンサCaを有している。第1充電コンデンサCaは、そのプラス端子が同第1動作電源回路31のプラス端子Tp1に、また、マイナス端子が同第1動作電源回路31のマイナス端子Tn1となっていて、プラス端子Tp1とマイナス端子Tn1が第1駆動回路21に接続されている。そして、第1充電コンデンサCaに充電された充電電圧は、第1駆動回路21を動作させるための第1動作電圧Vd1(本実施形態では12V)となって、第1駆動回路21に印加される。
【0114】
また、第1充電コンデンサCaのプラス端子Tp1は、第1ダイオードDa及び第1抵抗Raを介して直流電源Gのプラス端子に接続されている。一方、第1充電コンデンサCaのマイナス端子Tn1は、第1切換回路11の第1中性線NL1に接続されている。
【0115】
そして、本実施形態では、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6をオフ状態にするとともに、インバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオンさせることによって、第1充電コンデンサCaが駆動前の充電が行われる。
【0116】
これによって、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1→第1U相スイッチング素子Q1のボディーダイオードD→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第1充電コンデンサCaは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第1動作電圧Vd1に充電される。
【0117】
また、3相交流電動機Mが駆動中に、第1中性線NL1が直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)未満になった時には、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1からなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第1充電コンデンサCaは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第1動作電圧Vd1に充電される。
【0118】
なお、第1充電コンデンサCaは、第1ツェナーダイオードTDaが並列に接続されている。第1ツェナーダイオードTDaは、第1充電コンデンサCaを過充電による損傷から保護している。
【0119】
(第2動作電源回路32)
次に、第2駆動回路22の第2動作電源回路32について説明する。
第2動作電源回路32は、
図3に示すように、第2充電コンデンサCbを有している。第2充電コンデンサCbは、そのプラス端子が同第2動作電源回路32のプラス端子Tp2に、また、マイナス端子が同第2動作電源回路32のマイナス端子Tn2となっていて、プラス端子Tp2とマイナス端子Tn2が第2駆動回路22に接続されている。そして、第2充電コンデンサCbに充電された充電電圧は、第2駆動回路22を動作させるための第2動作電圧Vd2となって、第2駆動回路22に印加される。
【0120】
また、第2充電コンデンサCbのプラス端子Tp2は、第2ダイオードDb及び第2抵抗Rbを介して直流電源Gのプラス端子に接続されている。一方、第2充電コンデンサCbのマイナス端子Tn2は、第2切換回路12の第2中性線NL2に接続されている。
【0121】
そして、本実施形態では、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6をオフ状態にするとともに、インバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオンさせることによって、第1充電コンデンサCaが駆動前の充電が行われる。
【0122】
これによって、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2→第2U相スイッチング素子Q4のボディーダイオードD→第2U相巻線U2→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第2充電コンデンサCbは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第2動作電圧Vd2に充電される。
【0123】
また、3相交流電動機Mが駆動中に、第2中性線NL2が直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)未満になった時には、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2からなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第2充電コンデンサCbは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第2動作電圧Vd2に充電される。
【0124】
また、第2充電コンデンサCbは、第2ツェナーダイオードTDbが並列に接続されている。第2ツェナーダイオードTDbは、第2充電コンデンサCbを過充電による損傷から保護している。
【0125】
(システム制御回路5)
図6に示すように、インバータ回路10を駆動するインバータ制御回路2、第1駆動回路21を駆動する第1中性線切換制御回路3及び第2駆動回路22を駆動する第2中性線切換制御回路4は、システム制御回路5に接続されている。システム制御回路5は、マイクロコンピュータよりなり、インバータ制御回路2、第1中性線切換制御回路3及び第2中性線切換制御回路4を統括制御する。
【0126】
システム制御回路5は、図示しない外部装置からの指令信号に基づいて、巻線構造を高速回転用巻線HS又は低速回転用巻線LSのいずれかにして3相交流電動機Mを駆動する。
【0127】
つまり、システム制御回路5は、巻線構造を高速回転用巻線HSにして3相交流電動機Mを駆動させる場合、第1赤外線発光素子D1aを発光させ、第2赤外線発光素子D2aを発光させないための第1及び第2制御信号CT1,CT2を、第1及び第2中性線切換制御回路3,4に出力する。
【0128】
これによって、第1駆動回路21からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力され、第2駆動回路22からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力される。そして、第1切換回路11のスイッチング素子Q1〜Q3がオンし、第2切換回路12のスイッチング素子Q4〜Q6がオフして、巻線構造が高速回転用巻線HSとなる。
【0129】
この状態で、また、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの各相に対して3相交流電源Vu,Vv,Vwを供給するための第3制御信号CT3を、インバータ制御回路2に出力する。
【0130】
これによって、インバータ制御回路2は、各スイッチング素子Qa〜Qfのゲート端子に駆動信号S1〜S6を出力する。そして、インバータ制御回路2からの駆動信号S1〜S6に基づいて、各スイッチング素子Qa〜Qfが所定のタイミングでオン・オフされて、インバータ回路10は直流電源Gの直流電圧Vddを3相交流電源Vu,Vv,Vwに変換し、3相交流電動機Mの各相に供給する。
【0131】
一方、システム制御回路5は、巻線構造を低速回転用巻線LSにして3相交流電動機Mを駆動させる場合、第2赤外線発光素子D2aを発光させ、第1赤外線発光素子D1aを発光させないための第1及び第2制御信号CT1,CT2を、第1及び第2中性線切換制御回路3,4に出力する。
【0132】
これによって、第2駆動回路22からハイ・レベルの第2駆動信号SD2が出力され、第1駆動回路21からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が出力される。そして、第2切換回路12のスイッチング素子Q4〜Q6がオンし、第1切換回路11のスイッチング素子Q1〜Q3がオフして、巻線構造が低速回転用巻線LSとなる。
【0133】
この状態で、また、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの各相に対して3相交流電源Vu,Vv,Vwを供給するための第3制御信号CT3を、インバータ制御回路2に出力する。
【0134】
これによって、インバータ制御回路2は、各スイッチング素子Qa〜Qfのゲート端子に駆動信号S1〜S6を出力する。そして、インバータ制御回路2からの駆動信号S1〜S6に基づいて、各スイッチング素子Qa〜Qfが所定のタイミングでオン・オフされて、インバータ回路10は直流電源Gの直流電圧Vddを3相交流電源Vu,Vv,Vwに変換し、3相交流電動機Mの各相に供給する。
【0135】
システム制御回路5は、3相交流電動機Mの回転数を検出する回転数検出器6と接続され、検出信号を入力している。システム制御回路5は、回転数検出器6からの検出信号に基づいて、その時々の3相交流電動機Mの回転数を算出する。そして、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの回転数が予め定めた所定の回転数未満の時、巻線構造を低速回転用巻線LSして低回転大トルクとなるように、3相交流電動機Mを駆動制御する。また、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの回転数が予め定めた所定の回転数以上の時、巻線構造を高速回転用巻線HSにして高速回転小トルクとなるように、3相交流電動機Mを駆動制御する。
【0136】
(充電モード)
また、システム制御回路5は、3相交流電動機Mを高速回転用巻線HS又は低速回転用巻線LSにして3相交流電動機Mを駆動させる前に、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbを充電する駆動前充電モードを実行する。
【0137】
つまり、3相交流電動機Mを駆動させる前に、第1及び第2切換回路11,12を駆動する第1及び第2駆動回路21,22の動作電源Vd1,Vd2を確保する必要がある。そのため、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa、Cbに対する充電動作を行う。
【0138】
システム制御回路5は、駆動前充電モードになると、第1及び第2中性線切換制御回路3,4に対して第1及び第2駆動回路21,22に設けた第1及び第2赤外線発光素子D1a,D2aを発光させない第1及び第2制御信号CT1,CT2をそれぞれ出力する。これによって、第1駆動回路21からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が第1切換回路11に出力され、第1切換回路11の各相のスイッチング素子Q1〜Q3がオフ状態となる。また、第2駆動回路22からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が第2切換回路12に出力され、第2切換回路12の各相のスイッチング素子Q4〜Q6がオフ状態となる。
【0139】
続いて、システム制御回路5は、インバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオンさせるための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。
第3制御信号CT3に応答してインバータ制御回路2は、下アームU相スイッチング素子Qbのゲートにハイ・レベルの駆動信号S2を出力し同スイッチング素子Qbをオンさせる。
【0140】
これによって、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1→第1U相スイッチング素子Q1のボディーダイオードD→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドの電流経路が形成される。
【0141】
また、同時に、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2→第2U相スイッチング素子Q4のボディーダイオードD→第2U相巻線U2→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドの電流経路が形成される。
【0142】
そして、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbへの充電が開始される。システム制御回路5は、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧(第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2)が所定の電圧値に到達した時、充電モードを終了し、3相交流電動機Mを駆動させる駆動モードに移る。
【0143】
なお、この第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧が所定の電圧値に到達した時の判断は、例えば、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧を検出する検出センサ(図示せず)を設ける。そして、システム制御回路5は、その検出センサからの検出信号を入力し、その検出信号に基づいてその時々の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧を検出して所定の電圧値に到達したかどうか判断することが考えられる。
【0144】
次に、上記のように構成した3相交流電動機Mの巻線切換装置1の作用について記載する。
いま、3相交流電動機Mを、低速回転大トルクを経て高速回転小トルクに駆動すべく、システム制御回路5に外部装置から指令信号が出力される。システム制御回路5は、指令信号に応答して駆動モードに入る前に、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbを充電する駆動前充電モードとなる。
【0145】
システム制御回路5は、第1及び第2中性線切換制御回路3,4に対して第1及び第2駆動回路21,22に設けた第1及び第2赤外線発光素子D1a,D2aを発光させない第1及び第2制御信号CT1,CT2をそれぞれ出力する。これによって、第1駆動回路21からロウ・レベルの第1駆動信号SD1が第1切換回路11に出力され、第1切換回路11の各相のスイッチング素子Q1〜Q3がオフ状態となる。また、第2駆動回路22からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が第2切換回路12に出力され、第2切換回路12の各相のスイッチング素子Q4〜Q6がオフ状態となる。
【0146】
続いて、システム制御回路5は、インバータ制御回路2に対してインバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオン、他のスイッチング素子Qa,Qc〜Qfをオフさせるための第3制御信号CT3を出力する。インバータ制御回路2は、この第3制御信号CT3に応答して下アームU相スッチング素子Qbのゲートにハイ・レベルの駆動信号S2を出力し同スイッチング素子Qbをオンさせる。
【0147】
そして、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1→第1U相スイッチング素子Q1のボディーダイオードD→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路を形成する。
【0148】
また、同時に、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2→第2U相スイッチング素子Q4のボディーダイオードD→第2U相巻線U2→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路を形成する。
【0149】
これによって、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbへの充電が開始される。システム制御回路5は、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧(第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2)が所定の電圧値に到達した時、充電モードを終了し、3相交流電動機Mを駆動させる駆動モードに移る。
【0150】
従って、第1及び第2駆動回路21,22は、充分に充電された第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧(第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2)が動作電圧として印加される。
【0151】
システム制御回路5は、駆動モードに入ると、3相交流電動機Mを、低速回転大トルクで駆動すべく、第1中性線切換制御回路3に対して第1駆動回路21に設けた第1赤外線発光素子D1aを発光させない第1制御信号CT1を出力する。そして、第1駆動回路21は、第1赤外線発光素子D1aが発光せずロウ・レベルの第1駆動信号SD1を第1切換回路11に出力して、第1切換回路11の各相のスイッチング素子Q1〜Q3をオフさせる。
【0152】
また、システム制御回路5は、第2中性線切換制御回路4に対して第2駆動回路22に設けた第2赤外線発光素子D2aを発光させる第2制御信号CT2を出力する。そして、第2駆動回路22は、第2赤外線発光素子D2aが発光しハイ・レベルの第2駆動信号SD2を第2切換回路12に出力して、第2切換回路12の各相のスイッチング素子Q4〜Q6をオンさせる。
【0153】
これによって、3相交流電動機Mの巻線構造が
図5に示す低速回転用巻線LSとなり、低速回転大トルクの巻線構造となる。
3相交流電動機Mの巻線構造が低速回転用巻線LSなると、システム制御回路5は、インバータ制御回路2に対して、直流電源Gの直流電圧Vddから3相交流電動機Mの各相の3相交流電源Vu,Vv,Vwを生成するための第3制御信号CT3を出力する。インバータ制御回路2は、この第3制御信号CT3応答して、インバータ回路10の各スイッチング素子Qa〜Qfに駆動信号S1〜S6を出力し、各スイッチング素子Qa〜Qfをオン・オフ制御する。そして、インバータ回路10は、直流電源Gの直流電圧Vddを3相交流電源Vu,Vv,Vwに変換し、3相交流電動機Mの各相に供給する。
【0154】
これによって、3相交流電動機Mは、低速回転大トルクの巻線構造(低速回転用巻線LSの構造)で駆動する。
そして、3相交流電動機Mは、低速回転大トルクの巻線構造で駆動中においては、
図8(a)(b)に示すように、第1中性線NL1の第1中性線電圧Vaが波形cで示され、第2中性線NL2の第2中性線電圧Vbが波形dで示される。
【0155】
図8(a)(b)から明らかなように、第1中性線電圧Va及び第2中性線電圧Vbが直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)未満の領域が存在する。
これによって、第2動作電源回路32において、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2からなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第2充電コンデンサCbは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第2動作電圧Vd2に充電される。
【0156】
やがて、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの回転数が所定の回転数以上になったことを回転数検出器6からの検出信号に基づいて判断すると、低速回転大トルクで駆動している3相交流電動機Mを、高速回転小トルクの駆動に切り換える。
【0157】
そして、システム制御回路5は、3相交流電動機Mを、高速回転小トルクで駆動すべく、第1中性線切換制御回路3に対して第1駆動回路21に設けた第1赤外線発光素子D1aを発光させる第1制御信号CT1を出力する。そして、第1駆動回路21は、第1赤外線発光素子D1aが発光しハイ・レベルの第1駆動信号SD1を第1切換回路11に出力して、第1切換回路11の各相のスイッチング素子Q1〜Q3をオンさせる。
【0158】
また、システム制御回路5は、第2中性線切換制御回路4に対して第2駆動回路22に設けた第2赤外線発光素子D2aを発光させない第2制御信号CT2を出力する。そして、第2駆動回路22は、第2赤外線発光素子D2aが発光せずロウ・レベルの第2駆動信号SD2を第2切換回路12に出力して、第2切換回路12の各相のスイッチング素子Q4〜Q6をオフさせる。
【0159】
これによって、3相交流電動機Mの巻線構造が
図4に示す高速回転用巻線HSとなり、高速回転小トルクの巻線構造となる。
3相交流電動機Mの巻線構造が高速回転用巻線HSなると、システム制御回路5は、インバータ制御回路2に対して、直流電源Gの直流電圧Vddから3相交流電動機Mの各相の3相交流電源Vu,Vv,Vwを生成するための第3制御信号CT3を出力する。インバータ制御回路2は、この第3制御信号CT3応答して、インバータ回路10の各スイッチング素子Qa〜Qfに駆動信号S1〜S6を出力し、各スイッチング素子Qa〜Qfをオン・オフ制御する。そして、インバータ回路10は、直流電源Gの直流電圧Vddを3相交流電源Vu,Vv,Vwに変換し、3相交流電動機Mの各相に供給する。
【0160】
これによって、3相交流電動機Mは、高速回転小トルクの巻線構造(高速回転用巻線HSの構造)で駆動する。
そして、3相交流電動機Mは、高速回転小トルクの巻線構造で駆動中においては、
図7(a)(b)に示すように、第1中性線NL1の第1中性線電圧Vaが波形aで示され、第2中性線NL2の第2中性線電圧Vbが波形bで示される。
【0161】
図7(a)(b)から明らかなように、第1中性線電圧Va及び第2中性線電圧Vbが直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)未満の領域が存在する。
これによって、第1動作電源回路31において、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1からなる電流経路が形成される。この形成された電流経路が形成されることによって、第1充電コンデンサCaは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて第1動作電圧Vd1に充電される。
【0162】
なお、システム制御回路5は、3相交流電動機Mの回転数が所定の回転数未満になったことを回転数検出器6からの検出信号に基づいて判断すると、高速回転小トルクで駆動している3相交流電動機Mを、低速回転大トルクの駆動に切り換える。そして、上記したように、第1及び第2切換回路11,12は制御されて、3相交流電動機Mは、低速回転大トルクの巻線構造(低速回転用巻線LSの構造)で駆動する。
【0163】
また、第2動作電源回路32は直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2からなる電流経路が形成され、第2充電コンデンサCbは直流電源Gの直流電圧Vdd(=12V)にて充電される。
【0164】
さらに、インバータ回路10の3相全ての下アームのスイッチング素子Qb,Qd,Qfを同時にオンさせることにより、中性点NL1,NL2の電圧をさらに低下できる。この動作を間欠的に繰り返すことにより、安定した動作が可能になり、ブートストラップ方式と同様の効果を得ることができる。
【0165】
次に、上記のように構成した3相交流電動機Mの巻線切換装置1の効果について以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、第1動作電源回路31について、第1ダイオードDaのアノード端子を、第1抵抗Raを介して直流電源Gのプラス端子に接続し、第1ダイオードDaのカソード端子を、第1充電コンデンサCaを介して第1中性線NL1に接続した。
【0166】
そして、直流電源G→第1抵抗Ra→第1ダイオードDa→第1充電コンデンサCa→第1中性線NL1からなる電流経路を形成し、第1充電コンデンサCaに第1駆動回路21の第1動作電圧Vd1となる充電電圧を充電するようにした。
【0167】
従って、第1動作電源回路31は、第1抵抗Ra、第1ダイオードDa、第1充電コンデンサCaという非常に簡単な回路構成で第1駆動回路21の電源回路を実現することができる。
【0168】
一方、第2動作電源回路32について、第2ダイオードDbのアノード端子を、第2抵抗Rbを介して直流電源Gのプラス端子に接続し、第2ダイオードDbのカソード端子を、第2充電コンデンサCbを介して第2中性線NL2に接続した。
【0169】
そして、直流電源G→第2抵抗Rb→第2ダイオードDb→第2充電コンデンサCb→第2中性線NL2からなる電流経路を形成し、第2充電コンデンサCbに第2駆動回路22の第2動作電圧Vd2となる充電電圧を充電するようにした。
【0170】
従って、第2動作電源回路32は、第2抵抗Rb、第2ダイオードDb、第2充電コンデンサCbという非常に簡単な回路構成で第2駆動回路22の電源回路を実現することができる。
【0171】
(2)本実施形態によれば、3相交流電動機Mを駆動する前に、インバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオン状態にした。
そして、第1動作電源回路31については、直流電源G→第1動作電源回路31→第1中性線NL1→第1U相スイッチング素子Q1のボディーダイオードD→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路を形成した。
【0172】
また、第2動作電源回路32については、直流電源G→第2動作電源回路32→第2中性線NL2→第2U相スイッチング素子Q4のボディーダイオードD→第2U相巻線U2→第1U相巻線U1→下アームU相スイッチング素子Qb→グランドからなる電流経路を形成した。
【0173】
従って、駆動前に、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電が行われる。その結果、第1及び第2駆動回路21,22の第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2は、駆動前に確保され、3相交流電動機Mをより安定に駆動させることができる。
【0174】
(3)本実施形態によれば、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbに第1及び第2ツェナーダイオードTDa,TDbを並列にそれぞれ接続した。従って、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbに過電圧が印加されても第1及び第2ツェナーダイオードTDa,TDbがこれを吸収し、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの過電圧による損傷を未然に防止できる。
【0175】
上記第1実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、3相交流電動機Mを駆動する前に、インバータ回路10の下アームU相スイッチング素子Qbのみをオン状態にして、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbを充電させるようにした。これを、インバータ回路10の下アームV相スイッチング素子Qbや下アームW相スイッチング素子Qfをあわせてオン状態にして、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbを充電させるようにして実施してもよい。これによって、より速く充電動作を終了させることができる。
【0176】
○上記実施形態では、第1及び第2動作電源回路31,32を、直流電源Gに直接接続したが、直流電源Gの直流電圧Vddが低い場合には、
図9に示すように、昇圧回路40を設ける。そして、昇圧回路40で直流電源Gの直流電圧Vddを昇圧して、その昇圧した昇圧電圧を第1及び第2動作電源回路31,32に印加するようにしてもよい。
【0177】
これによって、直流電源Gの直流電圧Vddが低くても、第1及び第2駆動回路21,22に安定した充電電圧を供給することができる。
○上記実施形態では、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧を、それぞれ第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2として、第1及び第2駆動回路21,22に直接供給していた。これを、
図10に示すように、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbと第1及び第2駆動回路21,22との間に、ツェナーダイオードTDx、抵抗Rx及び電流ブースタ用のバイポーラトランジスタQx1からなる第1及び第2定電圧回路41,42をそれぞれ設けて実施してもよい。
【0178】
この場合、第1及び第2駆動回路21,22に安定した第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2を供給することができる。
また、
図11に示すように、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbと第1及び第2駆動回路21,22との間に、インダクタLx、逆止用ダイオードDx、昇圧MOSトランジスタQx2、充電用コンデンサCxからなる第1及び第2昇圧回路43,44を設けて実施してもよい。
【0179】
この場合、第1及び第2充電コンデンサCa,Cbの充電電圧が低い場合であっても、高電圧を安定的に作り、その高電圧を第1及び第2駆動回路21,22に第1及び第2動作電圧Vd1,Vd2として供給することができる。
【0180】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を
図12、
図13に従って説明する。本実施形態は、第1実施形態の巻線切換装置1に設けた第1及び第2切換回路11,12において、各スイッチング素子Q1〜Q6の故障を検出する点が第1実施形態と異なる。そのため、説明の便宜上、第1実施形態と共通する部分は省略し、特徴部分について詳細に説明する。
【0181】
図12に示すように、各相の受電端子Tu,Tv,Twと直流電源Gのプラス端子との間には、プルアップ抵抗Rpuがそれぞれ接続されているとともに、各相の受電端子Tu,Tv,Twとグランドとの間には、プルダウン抵抗Rpdがそれぞれ接続されている。プルアップ抵抗Rpuとプルダウン抵抗Rpdは、共に同じ抵抗値に設定されている。
【0182】
また、第1中性線NL1は、第1電圧検出抵抗Rz1を介してグランドに接続されているとともに、第2中性線NL2は、第2電圧検出抵抗Rz2を介してグランドに接続されている。第1電圧検出抵抗Rz1と第2電圧検出抵抗Rz2は、共に同じ抵抗値に設定されている。
【0183】
図13に示すように、システム制御回路5は、各相の受電端子Tu,Tv,Twの端子電圧をプルダウン抵抗Rpdの端子間電圧にてそれぞれ検出するU相受電端子電圧検出回路51、V相受電端子電圧検出回路52及びW相受電端子電圧検出回路53が接続されている。そして、システム制御回路5は、U相受電端子電圧検出回路51からの検出信号に基づいて受電端子Tuの端子電圧を算出する。また、システム制御回路5は、V相受電端子電圧検出回路52からの検出信号に基づいて受電端子Tvの端子電圧を算出する。さらに、システム制御回路5は、W相受電端子電圧検出回路53からの検出信号に基づいて受電端子Twの端子電圧を算出する。
【0184】
システム制御回路5は、第1及び第2中性線NL1,NL2の第1及び第2中性線電圧Va,Vbを、第1及び第2電圧検出抵抗Rz1,Rz2の端子間電圧にてそれぞれ検出する第1中性線電圧検出回路54及び第2中性線電圧検出回路55が接続されている。そして、システム制御回路5は、第1中性線電圧検出回路54からの検出信号に基づいて第1中性線電圧Vaを算出する。また、システム制御回路5は、第2中性線電圧検出回路55からの検出信号に基づいて第2中性線電圧Vbを算出する。
【0185】
そして、システム制御回路5は、図示しない外部装置からショート故障検出又はオープン故障検出のための指令信号が入力される。システム制御回路5は、外部装置からショート故障検出のための指令信号が入力されると、ショート故障検出モードとなる。また、システム制御回路5は、外部装置からオープン故障検出のための指令信号が入力されると、オープン故障検出モードとなる。
【0186】
ここで、ショート故障とは、NチャネルMOSトランジスタよりなる各スイッチング素子Q1〜Q6において、それぞれロウ・レベルの第1及び第2駆動信号SD1,SD2が出力されているにも拘らず、スイッチング素子がオン状態になっていることをいう。
【0187】
また、オープン故障とは、NチャネルMOSトランジスタよりなる各スイッチング素子Q1〜Q6において、それぞれハイ・レベルの第1及び第2駆動信号SD1,SD2が出力されているにも拘らず、スイッチング素子がオフ状態になっていることをいう。
【0188】
なお、本実施形態の巻線切換装置1は、受電端子Tu,Tv,Twにそれぞれプルアップ抵抗Rpuとプルダウン抵抗Rpdを接続するとともに、第1及び第2中性線NL1,NL2にそれぞれ第1及び第2電圧検出抵抗Rz1,Rz2を接続した。
【0189】
このプルアップ抵抗Rpu、プルダウン抵抗Rpd、第1及び第2電圧検出抵抗Rz1,Rz2を加えた回路構成で、第1実施形態のように、巻線構造を高速回転用巻線HSと低速回転用巻線LSとに切り換えて3相交流電動機Mを駆動することがでることは言うまでもない。勿論、第1及び第2動作電源回路31,32の第1及び第2充電コンデンサCa,Cbを充電させることも、第1実施形態と同様にできる。
【0190】
次に、上記のように構成した巻線切換装置1の作用を、システム制御回路5の故障検出処理動作に従って説明する。
(ショート故障検出モード)
今、システム制御回路5に図示しない外部装置からショート故障検出のための指令信号が入力されると、システム制御回路5はショート故障検出モードとなりショート故障検出処理動作を実行する。
【0191】
まず、システム制御回路5は、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6のショート故障検出処理動作を実行すべく、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfをオフ状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。これによって、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfはオフ状態となり、各受電端子Tu,Tv,Twの端子電圧は、直流電源Gの直流電圧Vddの1/2の電圧(中間電圧)となる。
【0192】
また、システム制御回路5は、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6をオフ状態にするための第1及び第2制御信号CT1,CT2を第1及び第2中性線切換制御回路3,4にそれぞれ出力する。これによって、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6は、第1及び第2駆動回路21,22からロウ・レベルの第1及び第2駆動信号SD1,SD2が出力されオフ状態となる。
【0193】
このとき、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6が正常であれば、第1中性線電圧Va及び第2中性線電圧Vbは低電圧(ほぼ0V)となる。また、各受電端子Tu,Tv,Twの端子電圧は中間電圧となる。そして、システム制御回路5は、第1及び第2中性線電圧Va,Vbが低電圧のとき、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6についてショート故障はなく正常と判断する。
【0194】
ここで、第1中性線電圧Vaと第2中性線電圧Vbのうち、一方の電圧が中間電圧で、他方の電圧が低電圧の場合、中間電圧になった側の切換回路のなかでにショート故障しているスイッチング素子があると判断する。
【0195】
例えば、第1中性線電圧Vaが中間電圧で、第2中性線電圧Vbが低電圧の時には、第1切換回路11の中のスイッチング素子Q1〜Q3のいずれかのスイッチング素子がショート故障していると判断する。
【0196】
反対に、第2中性線電圧Vbが中間電圧で、第1中性線電圧Vaが低電圧の時には、第2切換回路12の中のスイッチング素子Q4〜Q6のいずれかのスイッチング素子がショート故障していると判断する。
【0197】
そして、システム制御回路5は、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3のうちのどの相のスイッチング素子がショート故障しているか、又は、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6のうちのどの相のスイッチング素子がショート故障しているかを特定する処理を行う。
【0198】
システム制御回路5は、まず、インバータ回路10のスイッチング素子Qa〜Qfのうちの上アームU相スイッチング素子Qaのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。これによって、インバータ制御回路2は、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfのうち、上アームU相スイッチング素子Qaのみをオン状態する。
【0199】
このとき、例えば、第1切換回路11の第1U相スイッチング素子Q1が、ショート故障している時、第1中性線電圧Vaはほぼ直流電圧Vddに近い高電圧になるとともに、第2中性線電圧Vbは低電圧になる。そして、第1中性線電圧Vaが高電圧になることによって、第1U相スイッチング素子Q1がショート故障していると判断する。
【0200】
ちなみに、第1U相スイッチング素子Q1がショート故障している場合であって、上アームV相スイッチング素子Qcのみをオン状態にした時、又は、上アームW相スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時には、第1中性線電圧Vaは中間電圧になるとともに、第2中性線電圧Vbは低電圧になる。
【0201】
従って、第1切換回路11の第1V相スイッチング素子Q2が、ショート故障している場合には、上アームV相スイッチング素子Qcのみをオン状態にした時に、第1中性線電圧Vaが高電圧になり、第2中性線電圧Vbが低電圧になることによって、第1V相スイッチング素子Q2がショート故障していると判断することができる。
【0202】
また、第11切換回路11の第1W相スイッチング素子Q3が、ショート故障している場合には、上アームW相スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時に、第1中性線電圧Vaが高電圧になり、第2中性線電圧Vbが低電圧になることによって、第1W相スイッチング素子Q3がショート故障していると判断することができる。
【0203】
一方、第2切換回路12の第2U相スイッチング素子Q4が、ショート故障している場合には、上アームU相スイッチング素子Qaのみをオン状態にした時に、第2中性線電圧Vbが高電圧になり、第1中性線電圧Vaが低電圧になることによって、第2U相スイッチング素子Q4がショート故障していると判断することができる。
【0204】
また、第2切換回路12の第2V相スイッチング素子Q5が、ショート故障している場合には、上アームV相スイッチング素子Qcのみをオン状態にした時に、第2中性線電圧Vbが高電圧になり、第1中性線電圧Vaが低電圧になることによって、第2V相スイッチング素子Q5がショート故障していると判断することができる。
【0205】
さらに、第2切換回路12の第2W相スイッチング素子Q6が、ショート故障している場合には、上アームW相スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時に、第2中性線電圧Vbが高電圧になり、第1中性線電圧Vaが低電圧になることによって、第2W相スイッチング素子Q6がショート故障していると判断することができる。
【0206】
このことから、システム制御回路5は、第1切換回路11ショート故障と判断した後、上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeのいずれか1つのみをオン状態させて行く。そして、第1中性線電圧Vaが高電圧になっている時にオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相のスイッチング素子Q1〜Q3がショート故障していると特定することができる。
【0207】
また、システム制御回路5は、第2切換回路12ショート故障と判断した後、上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeのいずれか1つのみをオン状態させて行く。そして、第2中性線電圧Vbが高電圧になっている時にオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相のスイッチング素子Q4〜Q6がショート故障していると特定することができる。
【0208】
なお、本実施例の場合、最初に、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfをオフ状態した状態で、ショート故障のあるなし、そして、あった場合には第1切換回路11か第2切換回路12かどうか判断したが、これを省略してもよい。
【0209】
即ち、上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeのいずれか1つのみを順番にオン状態させて行く。そして、その1つのみをオン状態した時、第1及び第2切換回路11,12の各スイッチング素子Q1〜Q6が正常であれば、第1中性線電圧Va及び第2中性線電圧Vbは低電圧となる。
【0210】
また、この時、第1中性線電圧Vaが高電圧であって、第2中性線電圧Vbが低電圧の時には、第1切換回路11であってオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相のスイッチング素子Q1〜Q3がショート故障していると特定することができる。なお、第1中性線電圧Vaが高電圧であって、第2中性線電圧Vbが低電圧の時には、第1切換回路11であってオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相以外のスイッチング素子Q1〜Q3のいずれかがショート故障していると判断することができる。
【0211】
反対に、この時、第2中性線電圧Vbが高電圧であって、第1中性線電圧Vaが低電圧の時には、第2切換回路12であってオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相のスイッチング素子Q4〜Q6がショート故障していると特定することができる。同様に、第2中性線電圧Vbが高電圧であって、第1中性線電圧Vaが低電圧の時には、第2切換回路12であってオン状態になっているスイッチング素子Qa,Qc,Qeに対応する相以外のスイッチング素子Q4〜Q6のいずれかがショート故障していると判断することができる。
【0212】
そして、システム制御回路5は、各スイッチング素子Q1〜Q6がショート故障していない場合には、その旨を前記外部装置に出力する。また、システム制御回路5は、ショート故障を検出した場合、その特定したショート故障の相のスイッチング素子のデータを外部装置に出力する。
【0213】
そして、第1又は第2切換回路11,12のスイッチング素子がショート故障した場合、3相交流電動機Mをその故障した第1又は第2切換回路11,12に応じて応急作動をすることができる。
【0214】
つまり、システム制御回路5は、第1又は第2切換回路11,12のスイッチング素子Q1〜Q6のいずれかがショート故障したら、そのショート故障した側の切換回路を通電側にし、正常な切換回路を非通電させることによって、3相交流電動機Mを応急作動させることができる。
【0215】
(オープン故障検出処理動作)
今、システム制御回路5に図示しない外部装置からオープン故障検出のための指令信号が入力されると、システム制御回路5はオープン故障検出モードとなりオープン故障検出処理動作を実行する。
【0216】
システム制御回路5は、まず第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3のオープン故障検出処理動作を実行する。
まず、システム制御回路5は、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3をオン状態にするための第1制御信号CT1を第1中性線切換制御回路3に出力する。これによって、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3は、第1駆動回路21からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力されてオン状態となる。
【0217】
なお、この時、システム制御回路5は、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6をオフ状態にするための第2制御信号CT2を第2中性線切換制御回路4に出力する。これによって、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6は、第2駆動回路22からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力されてオフ状態となる。
【0218】
次に、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qaのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。これによって、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみがオン状態となる。
【0219】
ここで、第1U相スイッチング素子Q1が正常のときにはオン状態になることから、第1中性線電圧Vaは高電圧となる。反対に、第1U相スイッチング素子Q1がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第1中性線電圧Vaは中間電圧以下(スイッチング素子Q2,Q3もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0220】
なお、第1U相スイッチング素子Q1がオープン故障で、他のスイッチング素子Q2,Q3が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qcのみ、又は、スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時には、第1中性線電圧Vaは高電圧となり、第2中性線電圧Vbは低電圧となる。
【0221】
従って、システム制御回路5は、その時の第1中性線電圧Vaの電圧値を、第1中性線電圧検出回路54からの検出信号に基づいて求めれば、第1U相スイッチング素子Q1のオープン故障の有無が検出できる。
【0222】
また、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qcのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。これによって、インバータ回路10のスイッチング素子Qcのみがオン状態となる。
【0223】
このとき、第1V相スイッチング素子Q2が正常のときにはオン状態になることから、第1中性線電圧Vaは高電圧となる。反対に、第1V相スイッチング素子Q2がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第1中性線電圧Vaは中間電圧以下(スイッチング素子Q1,Q3もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0224】
なお、第1V相スイッチング素子Q2がオープン故障で、他のスイッチング素子Q1,Q3が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみ、又は、スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時には、第1中性線電圧Vaは高電圧となり、第2中性線電圧Vbは低電圧となる。
【0225】
従って、システム制御回路5は、その時の第1中性線電圧Vaの電圧値を、第1中性線電圧検出回路54からの検出信号に基づいて求めれば、第1V相スイッチング素子Q2のオープン故障の有無が検出できる。
【0226】
また、インバータ回路10の全てのスイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qeのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力する。これによって、インバータ回路10のスイッチング素子Qeのみがオン状態となる。
【0227】
このとき、第1W相スイッチング素子Q3が正常のときにはオン状態になることから、第1中性線電圧Vaは高電圧となる。反対に、第1W相スイッチング素子Q3がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第1中性線電圧Vaは中間電圧以下(スイッチング素子Q1,Q2もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0228】
なお、第1W相スイッチング素子Q3がオープン故障で、他のスイッチング素子Q1,Q2が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみ、又は、スイッチング素子Qcのみをオン状態にした時には、第1中性線電圧Vaは高電圧となり、第2中性線電圧Vbは低電圧となる。
【0229】
従って、システム制御回路5は、その時の第1中性線電圧Vaの電圧値を、第1中性線電圧検出回路54からの検出信号に基づいて求めれば、第1W相スイッチング素子Q3のオープン故障の有無が検出できる。
【0230】
次に、システム制御回路5は、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6のオープン故障検出処理動作を実行する。
システム制御回路5は、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6をオン状態にするための第2制御信号CT2を第1中性線切換制御回路3に出力する。これによって、第2切換回路12の各スイッチング素子Q4〜Q6は、第2駆動回路22からハイ・レベルの第1駆動信号SD1が出力されてオン状態となる。
【0231】
なお、この時、システム制御回路5は、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3をオフ状態にするための第1制御信号CT1を第1中性線切換制御回路3に出力する。これによって、第1切換回路11の各スイッチング素子Q1〜Q3は、第1駆動回路21からロウ・レベルの第2駆動信号SD2が出力されてオフ状態となる。
【0232】
次に、前記と同様に、システム制御回路5は、スイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qaのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力し、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみをオン状態にする。
【0233】
ここで、第2U相スイッチング素子Q4が正常のときにはオン状態になることから、第2中性線電圧Vbは高電圧となる。反対に、第2U相スイッチング素子Q4がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第2中性線電圧Vbは中間電圧以下(スイッチング素子Q5,Q6もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0234】
なお、第2U相スイッチング素子Q4がオープン故障で、他のスイッチング素子Q5,Q6が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qcのみ、又は、スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時には、第2中性線電圧Vbは高電圧となり、第1中性線電圧Vaは低電圧となる。
【0235】
従って、システム制御回路5は、その時の第2中性線電圧Vbの電圧値を、第2中性線電圧検出回路55からの検出信号に基づいて求めれば、第2U相スイッチング素子Q4のオープン故障の有無が検出できる。
【0236】
また、システム制御回路5は、スイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qcのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力し、インバータ回路10のスイッチング素子Qcのみをオン状態にする。
【0237】
このとき、第2V相スイッチング素子Q5が正常のときにはオン状態になることから、第2中性線電圧Vbは高電圧となる。反対に、第2V相スイッチング素子Q5がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第2中性線電圧Vbは中間電圧以下(スイッチング素子Q4,Q6もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0238】
なお、第2V相スイッチング素子Q5がオープン故障で、他のスイッチング素子Q4,Q6が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみ、又は、スイッチング素子Qeのみをオン状態にした時には、第2中性線電圧Vbは高電圧となり、第1中性線電圧Vaは低電圧となる。
【0239】
従って、システム制御回路5は、その時の第2中性線電圧Vbの電圧値を、第2中性線電圧検出回路55からの検出信号に基づいて求めれば、第2V相スイッチング素子Q5のオープン故障の有無が検出できる。
【0240】
また、システム制御回路5は、スイッチング素子Qa〜Qfのうちのスイッチング素子Qeのみをオン状態にするための第3制御信号CT3をインバータ制御回路2に出力し、インバータ回路10のスイッチング素子Qeのみをオン状態にする。
【0241】
このとき、第2W相スイッチング素子Q6が正常のときにはオン状態になることから、第2中性線電圧Vbは高電圧となる。反対に、第2W相スイッチング素子Q6がオープン故障をしているときにはオフ状態になることから、第2中性線電圧Vbは中間電圧以下(スイッチング素子Q4,Q5もオープン故障している場合は低電圧)となる。
【0242】
なお、第2W相スイッチング素子Q6がオープン故障で、他のスイッチング素子Q4,Q5が正常な場合に、インバータ回路10のスイッチング素子Qaのみ、又は、スイッチング素子Qcのみをオン状態にした時には、第2中性線電圧Vbは高電圧となり、第1中性線電圧Vaは低電圧となる。
【0243】
従って、システム制御回路5は、その時の第2中性線電圧Vbの電圧値を、第2中性線電圧検出回路55からの検出信号に基づいて求めれば、第1W相スイッチング素子Q3のオープン故障の有無が検出できる。
【0244】
そして、システム制御回路5は、各スイッチング素子Q1〜Q6がオープン故障していない場合には、その旨を前記外部装置に出力する。また、システム制御回路5は、オープン故障を検出した場合、そのオープン故障しているスイッチング素子のデータを外部装置に出力する。
【0245】
そして、第1又は第2切換回路11,12のスイッチング素子がオープン故障した場合、3相交流電動機Mをその故障した第1又は第2切換回路11,12に応じて応急作動をすることができる。
【0246】
つまり、システム制御回路5は、第1又は第2切換回路11,12のスイッチング素子Q1〜Q6がオープン故障したら、オープン故障した側の切換回路を非通電側にし、正常な切換回路を通電させることによって、3相交流電動機Mを応急作動させることができる。
【0247】
次に、上記のように構成した巻線切換装置1の効果について以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、3相交流電動機Mは、巻線構造を高速回転用巻線HSと低速回転用巻線LSとに切り換える第1及び第2切換回路11,12に設けたスイッチング素子Q1〜Q6のショート故障及びオープン故障を検出することができる。
【0248】
これによって、第1又は第2切換回路11,12のスイッチング素子がショート故障又はオープン故障した場合、3相交流電動機Mをその故障した第1又は第2切換回路11,12に応じて応急作動をすることができる。
【0249】
つまり、スイッチング素子がショート故障したら、ショート故障した側の切換回路を通電側にし、正常な切換回路を非通電させることによって、3相交流電動機Mを応急作動させることができる。
【0250】
また、スイッチング素子がオープン故障したら、オープン故障した側の切換回路を非通電側にし、正常な切換回路を通電させることによって、3相交流電動機Mを応急作動させることができる。
【0251】
(2)本実施形態によれば、インバータ回路10のスイッチング素子Qa〜Qfを全てオフ制御し、各スイッチング素子Q1〜Q6オフ状態にする。そして、その時の第1中性線電圧Va(第2中性線電圧Vb)を検出するだけで、スイッチング素子Q1〜Q6のいずれかがショート故障しているかの有無を検出することができる。
【0252】
しかも、スイッチング素子Q1〜Q6のいずれかがショート故障している場合、インバータ回路10のスイッチング素子Qa〜Qfのうちの上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeを、順次オン動作させる。そして、その時の第1中性線電圧Va(第2中性線電圧Vb)を検出するだけで、スイッチング素子Q1〜Q6うちどのスイッチング素子がショート故障しているかを検出することができる。
【0253】
(3)本実施形態によれば、第2切換回路12のスイッチング素子Q4〜Q6をオフ状態にする。そして、第1切換回路11のスイッチング素子Q1〜Q3をオン状態にして、インバータ回路10のスイッチング素子Qa〜Qfのうちの上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeを、順次オン動作させる。そして、その時の第1中性線電圧Vaを検出するだけで、スイッチング素子Q1〜Q3うちどのスイッチング素子がオープン故障しているかどうかの検出することができる。
【0254】
また、第1切換回路11のスイッチング素子Q1〜Q3をオフ状態にする。そして、第2切換回路12のスイッチング素子Q4〜Q6をオン状態にして、インバータ回路10のスイッチング素子Qa〜Qfのうちの上アームのスイッチング素子Qa,Qc,Qeを、順次オン動作させる。そして、その時の第2中性線電圧Vbを検出するだけで、スイッチング素子Q4〜Q6うちどのスイッチング素子がオープン故障しているかどうかの検出することができる。
【0255】
(4)本実施形態によれば、各相の受電端子Tu,Tv,Twにそれぞれ接続したプルアップ抵抗Rpuとプルダウン抵抗Rpdよりなる直列回路と、第1及び第2中性線NL1,NL2とグランド間に接続した第1及び第2電圧検出用抵抗とからなる簡単な回路構成で、ショート故障及びオープン故障が検出できる。