(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969259
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】木製品用プレス装置
(51)【国際特許分類】
B30B 9/00 20060101AFI20160804BHJP
B30B 15/34 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
B30B9/00 B
B30B15/34 Z
【請求項の数】11
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-105320(P2012-105320)
(22)【出願日】2012年5月2日
(65)【公開番号】特開2012-232346(P2012-232346A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】20115421
(32)【優先日】2011年5月4日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】502384266
【氏名又は名称】ラウテ・オーワイジェイ
【氏名又は名称原語表記】RAUTE OYJ
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】ハンヌ・シンコ
【審査官】
塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−276309(JP,A)
【文献】
特開昭63−039322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/00
B30B 15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に圧縮加熱することにより、実質的に連続する木製品(1)の内部接着面上の接着剤を硬化させるためのプレス装置であって、
少なくとも3つの直列に配設されたプレス機(2)を有し、前記少なくとも3つのプレス機の各々は、互いに対して作用する一対のプレスプレートを備えており、この一対のプレスプレート間に製品開口部を設けると共に、前記プレスプレートが、前記製品開口部に位置する実質的に接続する木製品を圧縮するように構成されており、さらに、前記少なくとも3つのプレス機(2)の各々の作業長さは、前記実質的に連続する木製品が前記直列方向に沿って当該プレス機を通過する長さであり、
前記少なくとも3つのプレス機(2)は、互いに対してL/(n−1)[L:各プレス機の作業長さ、n:直列に配設されるプレス機の数]の距離を有し、
前記プレス装置は、制御装置を更に備え、前記制御装置は、前記実質的に連続する木製品を、前記少なくとも3つのプレス機の各々の作動パラメータを作動中に一定に維持した状態で、(i)第1プレス機から次に直列に配設された第2プレス機へ、及び(ii)前記第2プレス機から次に直列に配設された第3プレス機へ、と前方へ作業単位距離搬送する際、前記木製品の各部分が前記プレス機において同じ第1総時間数留まり、前記少なくとも3つのプレス機の間において同じ第2総時間数留まるように、前記直列に配設された少なくとも3つのプレス機のそれぞれを制御するように構成されているプレス装置。
【請求項2】
前記少なくとも3つのプレス機は高周波ヒータを備えている請求項1に記載のプレス装置。
【請求項3】
前記少なくとも3つのプレス機のうち、少なくとも1つのプレス機は、その他のプレス機と異なる運転温度に調節される請求項1又は2に記載のプレス装置。
【請求項4】
前記少なくとも3つのプレス機のうち、少なくとも1つのプレス機は、その他のプレス機と異なる圧縮圧に調節される請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレス装置。
【請求項5】
前記プレス機間に、外部による熱の伝わりを遮断可能な熱遮断チャンバが設けられ、前記熱遮断チャンバは前記木製品を通過させることを可能とするように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレス装置。
【請求項6】
前記熱遮断チャンバは放射熱を遮断可能であるように構成されている請求項5に記載のプレス装置。
【請求項7】
前記熱遮断チャンバは断熱材により構成されている請求項5に記載のプレス装置。
【請求項8】
前記少なくとも3つのプレス機のうち、少なくとも1つのプレス機は、その他のプレス機と異なる熱供給量に調節される請求項1又は2に記載のプレス装置。
【請求項9】
前記少なくとも3つのプレス機(2)の数は4つであり、前記4つのプレス機(2)が直列に配設され、前記4つのプレス機(2)は互いに対してL/3の距離を有し、Lが各プレス機の作業長さであり、
前記制御装置は、前記実質的に連続する木製品を前方へ前記作業単位距離搬送する際、前記木製品の各部分が前記4つのプレス機(2)において同じ第1総時間数留まり、前記4つのプレス機(2)の間において同じ第2総時間数留まるように制御されている、請求項1に記載のプレス装置。
【請求項10】
前記少なくとも3つのプレス機(2)は同期圧縮するように制御されており、前記実質的に連続する木製品が、前記第1プレス機から前記第2プレス機へ直列方向に搬送される際に、前記制御装置は、前記木製品が前記第1プレス機及び前記第2プレス機により同時に処理されるように制御する、請求項1に記載のプレス装置。
【請求項11】
前記4つのプレス機(2)のそれぞれは同期圧縮するように制御されており、前記制御装置は、前記実質的に連続する木製品が各プレス機(2)において同時に処理されるように制御する、請求項9に記載のプレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に連続的に製造される木製品の内部接着面の接着剤を加熱と圧縮によって硬化させることが可能な木製品用プレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの種類の木製品は、例えばLVL−ビーム(単板積層材)や、同様の手法により製造されるその他の木製板である。それらの間に接着剤が塗付されたベニヤシートを積層することによって、これらの製品のビレット(中間製品)が連続スタックとして作り出される。次に、これらのビレットに圧縮処理を行い、そこで、少なくともある時点において接着剤を硬化させるためにビレットを加熱する。
【0003】
従来、これらの製品のための製造ラインにおいて、圧縮すべき製品を二本の回転する無端ベルト間に置く連続プレス機が使用されている。圧縮状態にある製品に熱を伝達するために圧縮範囲に沿って異なる原理で作動する加熱装置が配置される。
【0004】
前記加熱は、熱をプレスベルトに伝達し、そこから製品へと伝達する対流原理を利用して行うことができる。高周波加熱(RF,HF)も一般的に利用されるが、その場合、誘電加熱作用を達成するべく加熱装置によって作り出される波エネルギを直接に製品に導く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
連続プレスは構造的に高価であり、シビアな加熱の方向付けが要求される。
【0006】
合理的な製造能力を提供する連続プレスは長いものにしなければならず、このことは構造上の困難性をもたらす。更に、それは、プレス対象製品の少なくとも1つの単位圧縮長さを有するスタッカ装置を必要とする。
【0007】
従来利用可能な装置では、その他の運転に関連する問題もあった。対流原理で作動する装置では表面から内部への熱伝達が遅い。表面温度を上げることによって温度勾配の伝達率を上げることは、木材と接着剤中の水分の急激な蒸発などの、それ自身の問題がある。他方、高周波加熱では、製品は深さ方向においてはほぼ均一に加熱されが、この加熱方法でも水分の急激な局所的蒸発による問題が生じる。主として、特に、圧縮を早期に開放しすぎると接着部分が不意に開口してしまう。各作業サイクルにおいて、長さの大きな同時プレス機の手前のスタッカ装置において、製品の先端部の待ち時間が長くなり、その間に、接着剤の挙動によって吸収や早期硬化、などといった問題が生じる可能性がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、従来有する問題点(木材と接着剤中の水分の急激な蒸発、接着部分の不意な開口、接着剤の早期硬化など)を改善できるプレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本装置は、製品を、互いに対して作用するプレスプレート間の開口部に導き、これらプレート間に置かれた製品を、両プレートを互いに対して押し付けることによって圧縮する所謂同時プレス式の装置である。圧縮中、上述した方法のいくつかを使用して製品に対して熱を伝達する。少なくとも二機のプレス機が互いに所定の距離を置いて直列に配置され、連続する木製品が作業単位距離を送られる時、その製品の各部分が同じ時間各プレス内および各プレス間に留まるように構成される。即ち、運転中、各プレス機の運転パラメータを一定に維持することによって、各製品部分は均一な処理を受けることになる。この作動の前提条件は、L=プレスの作業長さ、n=プレスの数とした場合、プレス間距離=L/(n−1)である。
【0010】
直列で作動する各プレス機に対して、均一な作動パラメータ、即ち、圧縮圧と熱入力、を決定することができる。但し、直列作動するプレス機の作動パラメータが互いに異なる運転スキームによって、互いに異なる運転の自由度を提供し、その場合、各製品に対して有利なその製品に特異な運転パターンを決定することが可能である。特に、異なる段階での熱入力量は有用な運転変数である。又、通常は複数のプレス機は同時に作動するものではあるが、必要な場合、個々の圧縮時間を調節することが可能である。
【0011】
プレス機間に「休止時間」を設けることも運転のために有利である。休止時間中、製品中の内部温度の差も或る程度均等化することが出来、特に、局所的に水分の多い領域での高い蒸気圧を均等化することができる。
【0012】
プレス機間の装置部分は環境と自由に接触させることも可能であるが、適当な絶縁手段で包囲することも可能である。高周波加熱を使用する場合、その絶縁手段は放射絶縁できるものとすることができる。熱の断熱性は、特にプレス機において対流加熱を利用する場合にも問題となりうる。
【発明の効果】
【0013】
実質的に連続する木製品の製造用に構成された、本発明のプレス装置によって、従来技術の問題点(木材と接着剤中の水分の急激な蒸発、接着部分の不意な開口、接着剤の早期硬化など)に対する大幅な改善が達成された。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のプレス装置の実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示したように、本発明のプレス装置は、同時に圧縮加熱することにより、実質的に連続する木製品1の内部接着面上の接着剤を硬化させるためのプレス装置であって、
木製品1が通過する少なくとも二つの直列に配設されたプレス機2を有し、これらプレス機が互いに対してL/(n−1)[L:各プレス機の作業長さ、n:直列に配設されるプレス機の数]の距離を有する。
【0016】
図1は、実質的に連続的に供給されるLVL製品1を圧縮加熱するために直列に配置された4機の連続プレス機2を備えるプレス装置を例示してある。eは各プレス機間の距離を示す。
【0017】
このように複数のプレス機が互いに所定の距離を置いて直列に配置することにより、連続する木製品1が作業単位距離を送られる時、その木製品1の各部分が同じ時間各プレス機2の内部および各プレス機2の間に留まるように構成される。即ち、運転中、各木製品1は均一な処理を受けることになる。
【0018】
これにより、木製品1の待ち時間が少なくなり、木材と接着剤中の水分の急激な蒸発、接着部分の不意な開口、接着剤の早期硬化など、従来のプレス機を使用した場合に発生していた問題点を解決することができるようになった。
【0019】
直列で配設されたプレス機2は、それぞれが均一な作動パラメータによって作動させてもよいが、それぞれが異なる作動パラメータによって作動させてもよい。例えば、1つのプレス機2における運転温度や圧縮圧の設定を、他のプレス機と異なる運転温度や圧縮圧に設定することで、それぞれのプレス機が互いに異なる運転の自由度を有し、各木製品1に対して有利なその木製品1に特異な運転パターンを決定することが可能となる。
【0020】
プレス機2は、高周波加熱を行なう高周波ヒータを備えるとよい。
高周波ヒータが用いられた場合、環境からの影響を避けるため、絶縁手段を設けるとよい。
各プレス機2の端部は、木製品1が移動して通過するため開口している。環境からの影響は当該開口から起こるため、絶縁手段を例えばプレス機2の端部付近に設けて、プレス機間を覆うようにプレス機間に配設することにより、外乱の影響を抑制することができる。
絶縁手段は、当該環境からの熱などの影響をできるだけ小さくするため、例えば適度な緩衝作用を有するための寸法構成を備えた非導電プラスティック複合材のような放射絶縁材によって構成すればよく、或いは木製品1がプレスの間に過度に冷却されないことを達成するための断熱材(保温材)を適用するものであってもよい。
【符号の説明】
【0021】
e 各プレス機間の距離
L 各プレス機の作業長さ
1 LVL製品
2 プレス機