【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、特許請求項1の技術的特徴を用いて解決される。本発明をさらに改良した発展は、従属請求項の技術的特徴によって示される。
【0013】
本発明によれば、道路舗装機は新しく敷設した道路舗装の層厚を測定するための測定装置と、新しい道路舗装を敷くためのスクリードとを備える。測定装置は支持要素と、支持要素に配設された少なくとも2つのセンサを有する。センサは平面、つまり道路舗装がまだ敷設されていない路盤までの距離、または新しく敷設された道路舗装までの距離を測定するように形成される。本発明によれば、測定装置は、道路舗装機またはスクリード上に回転可能に支持される。それによって、道路舗装機またはスクリードの傾斜が水平に対して変化する場合であっても、測定装置が保持する、または戻る水平に対する既定の角度で平衡位置を取る。
【0014】
既定の角度は、したがって、測定装置が平衡位置にあるとき、水平に対する測定装置の様々な部品の位置によって画定することができる。たとえば、既定の角度を、水平に対する支持要素の位置によって画定することが可能であろう。このとき、測定装置を平衡位置に保持するために、支持要素を水平に配列する場合には、既定の角度はゼロとなる。
【0015】
上記方法の代替として、水平に対するセンサの測定方向を考慮して、既定の角度を画定することもできる。ある適用では、センサの測定方向が、水平に整列された路盤に対して直角の方向を指向する場合は、既定の角度は90度に対応する。既定の角度、つまり、水平とセンサの測定方向との間の角度は、測定装置の平衡位置が水平ではない場合には、それに対応して変化する。
【0016】
したがって、測定装置の平衡位置を設定し、測定装置を、道路舗装機、つまり道路舗装機の牽引機が前進する平面に対してほぼ水平に整列させるようにすることもできる。測定装置の平衡位置とは、道路舗装機およびスクリードの傾斜が変化しても、測定装置は道路舗装機もしくはスクリードと共に動かないこと、または、道路舗装機もしくはスクリードの傾斜が変化した後に、測定装置は短時間で平衡位置に戻ることを意味する。つまり、結果的に、測定装置は道路舗装機またはスクリードの移動にほとんど影響を受けないことを意味する。
【0017】
測定装置を回転可能に支持することによって、結果的に、走行中に道路舗装機またはスクリードの傾斜が変化するような路盤の凹凸を意図的に補償することができるため、層厚を計算する際に、傾斜の変化を考慮しなくてもよい。
【0018】
本発明による測定装置はさらに、製造が簡単かつ経済的であり、道路舗装機、具体的には道路舗装機の牽引機またはスクリード上に簡単な方法で支持される。
【0019】
測定装置は、好ましくは、道路舗装機またはスクリードに対して回転軸の周りを回転可能に支持される。このようにすると、道路舗装機が稼動中でも、測定装置は平衡位置に留まるか、または短時間で平衡位置に戻ることができる。
【0020】
本発明の特に有利な実施形態では、回転軸は測定装置の重心を貫通する。この結果、舗装作業中に傾斜の変化が生じても、測定装置は簡単には静止位置から外れない、つまり、平衡位置から外れないという技術的特徴が得られる。これは具体的には、たとえば、道路舗装機の加速によって、舗装作業中の測定装置に作用するモーメントが低減されるか、または完全になくなるためである。
【0021】
測定装置が平衡位置から簡単に外れないようにするためには、測定装置の重心は、好ましくは、回転軸から10cm未満だけ離間して配置される。重心と回転軸をこのように近接して配置することによって、測定装置は舗装作業中に安定した平衡位置を保つことができると考えられる。これは、製造の観点からも有利である。
【0022】
本発明の別の実施形態では、測定装置は舗装機またはスクリードの様々な位置に取り付け可能なように形成される。このようにして、測定装置を柔軟に用いることが可能であり、具体的には特別な特性、たとえば、センサの測定性能または支持要素の設計上の特徴などを考慮に入れることができる。さらに、このようにして、舗装箇所の天候状況または舗装材上方の温度を考慮に入れることができる。最終的には、操作担当者は、このようにして、複数の付帯する選択肢を利用可能となる。
【0023】
あるいは、回転軸を測定装置の重心から離れた位置に配置することもできる。これによって、道路舗装機またはスクリードが傾斜が変化する場所を移動するときであっても、測定装置を平衡位置に確実に保つことができる。回転軸と重心との間の距離を変化させることによって、測定装置の慣性レベルを設定することもできる。
【0024】
測定装置が平衡位置にあるとき、測定装置の重心は回転軸の下部に垂直に位置することが好ましい。その結果として、測定装置が平衡位置から外れたときには、復元力が測定装置に作用し、短時間で測定装置を平衡位置に戻す。
【0025】
特別な実施形態では、測定装置が水平に対して既定の角度、つまり所望の傾斜位置を有するように、回転軸は重心に対して、たとえば、水平および/または垂直方向に変位可能である。あるいは、測定装置が水平に対して既定の角度を有するように、測定装置の支持要素を回転軸に対して移動可能に配置することができる。このようにして、測定装置の平衡位置をすべての走行表面の傾斜に対して調整可能とすることができる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、センサのうち少なくとも1つは平面までの距離を測定し、スクリード後部のセンサのうち少なくとも1つは道路舗装までの距離を測定するように、センサを測定装置の支持要素上に配置し、構成する。このようにして、信頼できる方法で、スクリード後部の新しい道路舗装の層厚を測定できる。
【0027】
支持要素は、好ましくは、走行方向から見て道路舗装機の左側または右側に配置される第1のバーを備える。バーはセンサを上に装着するための良い基盤となる。バーはさらに、測定装置を平衡位置で回転可能に支持するための、測定装置の適切な手段となり、これにより、道路舗装機が加速する場合や、凹凸のある走行表面で振動がある場合にも、平面に対して既定の位置、つまり、基本的に水平な位置を保つ。
【0028】
本発明の別の実施形態では、支持要素は、走行方向から見て、道路舗装機またはスクリードの別の側、つまり第1のバーと反対側に配置される第2のバーを備える。2つのバーを備えることで、測定装置は層厚を測定するために、広い区域の測定値を記録することができる。
【0029】
測定装置の特に安定した実施例では、2つのバーは、走行方向に交差して整列される少なくとも第3のバーによって、互いにしっかりと接続される。その結果として、すべてのバーは互いに対して同調して移動可能であり、1つのバーの動作は他のバーの動作と連動する。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態では、測定装置は、層厚を測定するために、センサの距離測定を評価するように形成される評価部を備える。評価部によって、センサのすべての距離測定を考慮することができ、その結果として、実際に使用するにあたって信頼でき、かつ適切である層厚の測定結果が得られる。平面までの測定距離と、新しく敷設した層までの測定距離との差異の結果として層厚を計算するように、評価部を構成することができる。
【0031】
評価部は、好ましくは、測定した層厚を視覚的に、または音響手段によって、操作者に表示する操作装置に接続される。操作装置を、評価部が重大な層厚を検知したこと、つまり、最小または最大の層厚に到達したことを、視覚または音響での警告信号によって操作者に表示するように形成することも考えられる。これによって、適切な措置によって、操作者が上記の極端な状態に迅速に対応できるような技術的有利点を提供する。
【0032】
さらに有利な実施例では、ねじれ剛性を設定するように形成される測定装置の手段を提供する。ねじれ剛性とは、測定装置の回転性に対する抵抗性を意味する。これらの手段は、好ましくは、枢軸の回りに配置される。結果として、測定装置は容易には平衡位置から外れず、代わりに、道路舗装機またはスクリードに作用する突然の加速または傾斜の変化がある場合でも、この平衡位置を保持する。これによって、測定装置を安定して平衡位置に保つことができるため、層厚の測定結果が改善される。
【0033】
別の実施例では、測定装置はサーボモータを備え、サーボモータは、測定装置の、回転軸の周りでの回転移動を支持するように構成される。その目的は、測定装置を平衡位置に戻すこと、または走行表面の傾斜に応じて測定装置を新しい平衡位置に移動させることのいずれかである。サーボモータはそれによって、自動固定するように形成され、結果的に測定装置の不要な回転運動に対抗する。
【0034】
測定装置は、好ましくは、少なくとも1つのバラスト要素を備える。バラスト要素は測定装置上に配置され、それによって、測定装置は平面に対して、水平に安定した平衡位置、または水平に対して別の既定の角度で安定した平行位置に配置される。バラスト要素を備える結果として、具体的には、バラスト要素を測定装置の様々な場所に装着することができる場合は、測定装置の所望の平衡位置を平衡させ、設定することができる。
【0035】
さらなる実施形態では、支持要素に対するバラスト要素の位置を、測定装置が水平に対して既定の角度を有するように、手動または自動で変更することができる。測定装置は、バラスト要素を変位するために、少なくとも1つの起動要素を備えることが有利である。そうすれば、油圧または空気圧起動要素を使用することができる。測定装置の平衡位置を制御するために、測定装置の平衡位置が水平に対して既定の角度となるように、操作装置によって起動要素の自動起動を行うこともできる。具体的には、これによって、走行表面が交互に隆起と陥没を繰り返す部分を舗装作業する際に、正確な層厚の測定が可能となる。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、少なくとも1つのバラスト要素の位置を、測定装置の重心を回転軸上へと変位するために、手動または自動で変更することができる。このようにして、たとえば、舗装作業の前に、舗装作業中に測定装置に作用するモーメントの数が低減するように、測定装置、具体的には少なくとも1つのバラスト要素を調整することができる。結果として、舗装作業中の道路舗装機またはスクリードの傾斜が変化しても、測定装置は安定した平衡位置を保つことができる。
【0037】
本発明の特に賢明な実施例では、測定装置は、その重心が回転軸上にあるかどうかを記録するように構成されている。このためには、たとえば、測定装置の重心と回転軸との間の相対距離を測定する測定手段が存在してもよい。したがって、特に有利には、測定装置が、重心が回転軸上にないと記録するときに、少なくとも1つのバラスト要素は重心を回転軸上に再び変位するために、自動的に任意の位置に移動する。このようにして、操作者が容易に測定装置の組立または調整をすることが可能となり、それによって、設置場所においてかなりの時間も節約できると期待される。
【0038】
層厚の正確な測定結果を得るために、複数のセンサを測定装置に設置して、平面までの距離を測定することが有利である。このようにして、層厚の計算に、複数の距離の値を含むことができる。
【0039】
距離の代表値を計算するために、平面までの複数の測定値を用いて、平均値を測定するように測定装置を形成し、この平均値を層厚を計算するために用いると便利であろう。
【0040】
同様に、道路舗装までの距離を測定するために、測定装置が複数のセンサを備えていると有利である。上記平面までの距離を測定する場合と同様に、このようにして、1つの場所のみではなく、複数の場所において新しく敷設した道路舗装の表面条件の概要を得ることができる。
【0041】
好ましくは、測定装置は、道路舗装までの複数の距離の値を用いて、平均値を形成することを目的として構成される。この平均値は新しく敷設した道路舗装までの距離を代表的に表す。平均することによって、測定装置は少ないメモリで管理することができる。
【0042】
前述の平均値2つに基づいて、層厚を計算するように測定装置が形成された場合は、層厚を測定することは特に容易であろう。移動方向と交差するスクリードの傾斜を無視できる限り、これは非常に便利である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、平面までの距離を記録する複数のセンサを群として支持要素上に配置する。このようにして、様々な場所の複数の測定結果を記録できる。これによって、特定の場所での距離の測定の結果を改善できる。これの代替法としては、センサを互いに等距離で支持要素上に配置する。この結果として、道路舗装の層厚は、幅全体にわたって信頼できるものとなる。同様に、群として配置すること、または互いに等距離に離間して配置することによって、道路舗装までの距離を測定するために、センサを支持要素上に配置することができる。
【0044】
道路舗装機またはスクリード上の測定装置の支持をさらに改良するために、測定装置は、道路舗装機またはスクリードの加速を緩衝するために形成される、緩衝要素を備える。それによって、測定装置は既定の平衡位置を安定して保持し、静止位置から外れないようになる。緩衝要素は、たとえば、機械的または液圧式緩衝装置、具体的には、ばねまたは油圧式緩衝装置が考えられる。
【0045】
本発明の特に有利な実施形態では、測定装置は、道路舗装機が加速するときでも力のモーメントが測定装置に作用しないように、少なくとも1つのスタビライザを備える。少なくとも1つのスタビライザは、測定装置の様々な場所に配置することができるが、最大のモーメントが第1のバーまたは第2のバーの端部にあることが予測されるため、第1のバーまたは第2のバーの端部に配置することが好ましい。したがって、少なくとも1つのスタビライザは、慣性モーメントが測定装置に作用する加速に対向し、それによって測定装置が平衡位置を保つことを特徴とする。特に凹凸のある舗装部分では、スタビライザは結果として、測定装置を静かな位置に保つ。
【0046】
少なくとも1つのジャイロ要素を、好ましくは少なくとも1つのスタビライザに設置する。このジャイロ要素は、好ましくはジャイロ要素の重心を貫通する軸の周りを回転可能なように、測定装置に配置される。少なくとも1つのジャイロ要素は、実効慣性モーメントを備えて加速に対抗するために、特に好ましい幾何学的な本体を備える。慣性モーメントを増加させるために、ジャイロ要素を中空体として形成することも考えられる。
【0047】
しかし、少なくとも1つのスタビライザは、ジャイロ要素に加えて、またはジャイロ要素の代わりに、少なくとも1つの別の幾何学的な本体を備えることも考えられる。別の幾何学的な本体とは、たとえば、少なくとも1つの円筒形、球形、立方形、円錐形、円錐台、および/またはピラミッド型の本体である。所望の慣性モーメントを得るために、これらの本体は、様々な寸法を有してよく、中空体または中実体として形成してもよい。
【0048】
測定装置は、水平な路盤に対して平衡に支持され得るだけではなく、傾斜面、つまり傾斜した路盤に対しても平衡位置に変位可能でもあることが有利である。測定装置はこのようにして、傾斜する路盤に対して基本的に平行である、舗装作業中の位置を保つ。このようにして、特異な路盤、たとえば、傾斜している路盤または傾斜面または傾斜路をアスファルト舗装または舗装する際などに、信頼できる層厚の測定を実行することができる。バラスト要素は好ましくは、測定装置上で、測定装置の重心が回転軸上に変位するように配置される。
【0049】
新しく敷設した道路舗装の層厚を計算するために、以下の装置および/または方法を用いることもできる。そのうちの1つの装置はスクリード上に移動可能に装着され、スクリードから、新しく敷いた混合物を貫通し、平面まで延在するキャリッジである。キャリッジに対するスクリードの高さを得るために、スクリードに対するキャリッジの変位を移動センサが記録する。角度センサはさらに、スクリードに対するキャリッジの傾斜の変化を記録するために、キャリッジ上に配置される。角度センサと移動センサを組み合わせることによって、敷設した層厚を計算できるように、キャリッジの後端部とスクリードの後端部との幾何学的関係が生成される。キャリッジが混合物の中でうまく移動できるように、キャリッジを別途加熱することもできる。
【0050】
スクリードの前、場合によっては道路舗装機の牽引機に、加熱フックを装着することによって、層厚を測定することもできる。フックの端部が、平面上でスクリード後端部下部に敷設した層の中にあるように、加熱フックを形成する。スクリード上に装着したセンサによって、層厚を測定するために、スクリード後端部下部のフックの端部を記録する。
【0051】
層厚の計算は、互いに前後して牽引され、かつ互いに流体的に連結された3つの測定要素を備えることが好ましい管水位によってもできる。2つの第1の測定要素が平面上をガイドされる一方、第3の、最終測定要素は新しく敷設した道路舗装の表面で牽引される。前2つの測定要素は基準を表し、第1測定要素が以前位置した場所に中央管水位が位置するととすぐに、後ろ2つの測定要素、つまり管水位によって、厚さを測定するために用いられる。測定結果において傾斜が無視されないように、傾斜センサを管水位に対して設けることができる。別の変更例では、傾斜センサを用いず、管水位について記録した高さの差に基づいて傾斜の変化を計算し、この差を、厚さの測定の際に考慮することもできる。
【0052】
また、簡潔な方法で層厚を測定するための傾斜基準を生成するために、ピボットジョイントによって互いに接続した2つのフレームを牽引機に備え、このフレームのうち前フレームを平面と2点で接触させ、後フレームをジョイント全体で平面と接触させると共に、新しく敷設した層と後部ポイントで接触させることもできる。2つのフレームはそれぞれ、傾斜センサを有する。その結果、前フレームにより、後フレームが前フレームの以前の位置に来るとすぐに、厚さを測定するために用いる基準を記録する。また、代わりに、前フレーム上に配置され、前フレームに関節連結された後フレームの高さの変化を記録する赤外線センサを用いて、層厚を記録することもできる。
【0053】
層厚を測定するための別の任意の方法では、ブリッジ構造をスクリード上に配置し、第1可動アームを平面上で角度記録手段によって牽引し、第2可動アームを、新しく敷設した道路層上で、走行方向に沿って、同じく角度記録手段によって牽引するようにする。同じく、角度調整可能な複数の牽引要素を、スクリード後部で牽引することもでき、それによって、平面上に位置する基準に対する層厚を記録することができる。同様に、スクリード上の2つの、角度を付けたブリッジを、ピボットベアリングに装着することもできる。
【0054】
本発明の実施形態について、以下の図を用いて提示する。