(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969292
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】影響度分析装置、影響度分析方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20160804BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20160804BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q30/02 312
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-162351(P2012-162351)
(22)【出願日】2012年7月23日
(65)【公開番号】特開2014-21889(P2014-21889A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】成 智愛
(72)【発明者】
【氏名】帆足 啓一郎
【審査官】
佐藤 裕子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−206876(JP,A)
【文献】
津下本 耕太郎,ソリューションクローズアップ,日経コミュニケーション,日本,日経BP社,2011年 4月 1日,第567号,p.62−63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を分析する影響度分析装置であって、
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザと当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて算出した当該各ユーザが他のユーザに与える影響度、並びに当該各ユーザの前記プロモーションユーザに対する好意の度合を示すファン度に基づいて、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することを特徴とする影響度分析装置。
【請求項2】
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記友人反応度および前記全体反応度に基づいて前記影響度を算出する影響度分析手段と、
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該各ユーザの当該プロモーションユーザに対する前記ファン度を算出するファン度分析手段と、
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記影響度分析手段で算出された前記影響度および前記ファン度分析手段で算出された前記ファン度に基づいて、前記有用影響度を算出する有用影響度分析手段と、
を備え、
前記影響度分析手段が、
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザの前記コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの数と、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の当該友人ユーザとの共有数および当該友人ユーザによる当該書き込み情報へのコメント数とから、前記友人反応度を算出する友人反応度分析手段と、
前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の前記他のユーザとの共有数および当該書き込み情報へのコメント数と、当該各ユーザの書き込み情報数とから、前記全体反応度を算出する全体反応度分析手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の影響度分析装置。
【請求項3】
前記有用影響度分析手段で算出された前記有用影響度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーを抽出するインフルエンサー抽出手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の影響度分析装置。
【請求項4】
前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報への評価数と、前記他のユーザにより発信され公開された書き込み情報にした評価数とから、当該他のユーザから興味を持たれている度合を示す興味度を算出する興味度分析手段を備え、
前記興味度分析手段で算出された興味度に基づいて、前記影響度を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の影響度分析装置。
【請求項5】
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザにより発信され公開された書き込み情報数と、当該書き込み情報への評価数および当該書き込み情報の前記他のユーザとの共有数とから、当該各ユーザの当該プロモーションユーザに対する反応度合を示すプロモーション反応度を算出するプロモーション反応度分析手段を備え、
前記プロモーション反応度分析手段で算出されたプロモーション反応度に基づいて、前記ファン度を算出することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の影響度分析装置。
【請求項6】
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザにより当該コミュニケーションサービスを利用できるように当該各ユーザに提供されているアプリケーションの数と、当該各ユーザに提供されているアプリケーションのうち当該各ユーザが利用したアプリケーションの数とから、当該各ユーザの当該アプリケーションの利用状況を示す利用度を算出する利用度分析手段を備え、
前記利用度分析手段で算出された利用度に基づいて、前記ファン度を算出することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の影響度分析装置。
【請求項7】
ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する影響度分析装置における影響度分析方法であって、
前記影響度分析装置は、影響度分析手段、ファン度分析手段、および有用影響度分析手段を備え、
前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザと当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、当該各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する第1のステップと、
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該プロモーションユーザに対するファン度を算出する第2のステップと、
前記有用影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記第1のステップで算出された前記影響度および前記第2のステップで算出された前記ファン度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する第3のステップと、
を含むことを特徴とする影響度分析方法。
【請求項8】
ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する影響度分析装置における影響度分析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記影響度分析装置は、影響度分析手段、ファン度分析手段、および有用影響度分析手段を備え、
前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザと当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、当該各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する第1のステップと、
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該プロモーションユーザに対するファン度を算出する第2のステップと、
前記有用影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記第1のステップで算出された前記影響度および前記第2のステップで算出された前記ファン度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおける影響度を算出することができる影響度分析装置、影響度分析方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等の普及により、一般消費者による情報の発信活動が盛んになったことで、消費者は、広告よりもインフルエンサーが発信する「A社が新発売したチョコレートは美味しかった」といった商品やサービス等に関する情報を信頼する傾向にある。そのため、人々の消費行動に多大な影響を与える存在であるインフルエンサーの存在はPRやマーケティング面において重要な役割を占めている。
【0003】
そこで、複数のユーザの中から、最適なインフルエンサーを見つけ出すことが重要であり、例えば、共通の関心を共有するコミュニティのユーザの中から、ユーザ間のリンク関係と予め登録されているユーザ情報に基づいて、インフルエンサーを抽出する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−515160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、SNSにてPRやマーケティングを行う企業等は、SNSにおいて影響力を持つユーザ(インフルエンサー)を見つけることよりも、自己の発信した情報について他のユーザに影響力を持つユーザ、すなわち、自己のPRやマーケティングにおいて役立つ有用なインフルエンサーを見つけることが重要である。SNSにおいて影響力があるユーザが、必ずしも自己に興味を持ち、自己のPRやマーケティングにおいて役立つ有用なインフルエンサーであるとは限らないからである。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、SNSにてPRやマーケティングを行う企業等が自己に有用なインフルエンサーを抽出することはできないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、企業等が自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための影響度を算出することができる影響度分析装置、影響度分析方法、およびプログラムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
(1) 本発明は、ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を分析する影響度分析装置(例えば、
図1の影響度分析装置100に相当)であって、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザ
と当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて算出した当該各ユーザが他のユーザに与える影響度、並びに当該各ユーザの
前記プロモーションユーザに対する好意の度合を示すファン
度に基づいて、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0009】
この発明によれば、影響度分析装置は、
友人ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度および全ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて算出した各ユーザが他のユーザに与える影響度と、各ユーザのプロモーションユーザに対する好意の度合を示すファン度と、に基づいて、プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する。したがって、
友人の反応度と全体の反応度との両方から算出した他のユーザへの影響度とプロモーションユーザに対するファン度とを用いることによって、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、プロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【0010】
(2) 本発明は、(1)の影響度分析装置について、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、
前記友人反応度および前記全体反応度に基づいて前記影響度を算出する影響度分析手段(例えば、
図1の影響度分析部120に相当)と、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該各ユーザの当該プロモーションユーザに対する前記ファン度を算出するファン度分析手段(例えば、
図1のファン度分析部130に相当)と、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記影響度分析手段で算出された前記影響度および前記ファン度分析手段で算出された前記ファン度に基づいて、前記有用影響度を算出する有用影響度分析手段(例えば、
図1の有用影響度分析部140に相当)と、
を備え、前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザの前記コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの数と、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の当該友人ユーザとの共有数および当該友人ユーザによる当該書き込み情報へのコメント数とから、前記友人反応度を算出する友人反応度分析手段(例えば、図1の友人反応度分析部122に相当)と、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の前記他のユーザとの共有数および当該書き込み情報へのコメント数と、当該各ユーザの書き込み情報数とから、前記全体反応度を算出する全体反応度分析手段(例えば、図1の全体反応度分析部123に相当)と、を備えることを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0011】
この発明によれば、影響度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、
友人反応度および全体反応度に基づいて各ユーザの他のユーザへの影響度を算出する。ファン度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、プロモーションユーザへの接触率に基づいて、各ユーザのプロモーションユーザに対するファン度を算出する。有用影響度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、影響度分析手段で算出された影響度およびファン度分析手段で算出されたファン度に基づいて、有用影響度を算出する。
友人反応度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、各ユーザのコミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの数と、各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の友人ユーザとの共有数および友人ユーザによる書き込み情報へのコメント数とから、友人ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度を算出する。全体反応度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、各ユーザにより発信され公開された書き込み情報の他のユーザとの共有数および書き込み情報へのコメント数と、各ユーザの書き込み情報数とから、コミュニケーションサービスにおける当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度を算出する。したがって、
友人の反応度と全体の反応度との両方から算出した他のユーザへの影響度とプロモーションユーザに対するファン度とを用いることによって、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、プロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【0012】
(3) 本発明は、(2)の影響度分析装置について、前記有用影響度分析手段で算出された前記有用影響度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーを抽出するインフルエンサー抽出手段(例えば、
図1のインフルエンサー抽出部150に相当)を備えることを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0013】
この発明によれば、インフルエンサー抽出手段は、有用影響度分析手段で算出された有用影響度に基づいて、プロモーションユーザに有用なインフルエンサーを抽出する。したがって、有用影響度によって、プロモーションユーザに有用なインフルエンサー、すなわち、自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを抽出することができる。
【0014】
(4) 本発明は、(2)または(3)の影響度分析装置について、前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、当該各ユーザにより発信され公開された書き込み情報への評価数と、前記他のユーザにより発信され公開された書き込み情報にした評価数とから、
当該他のユーザから興味を持たれている度合を示す興味度を算出する興味度分析手段(例えば、
図1の興味度分析部121に相当)を備え、前記興味度分析手段で算出された興味度に基づいて、前記影響度を算出することを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、興味度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、各ユーザにより発信され公開された書き込み情報への評価数と、他のユーザにより発信され公開された書き込み情報にした評価数とから、他のユーザから興味を持たれている度合を示す興味度を算出する。影響度は、興味度分析手段で算出された興味度に基づいて算出する。したがって、他のユーザへの影響度として、他のユーザから興味を持たれている度合を示す興味度を利用することができる。
【0016】
(5) 本発明は、(2)から(4)の影響度分析装置について、
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザにより発信され公開された書き込み情報数と、当該書き込み情報への評価数および当該書き込み情報の前記他のユーザとの共有数とから、当該各ユーザの当該プロモーションユーザに対する反応度合を示すプロモーション反応度を算出するプロモーション反応度分析手段(例えば、図1のプロモーション反応度分析部131に相当)を備え、前記プロモーション反応度分析手段で算出されたプロモーション反応度に基づいて、前記ファン度を算出することを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0017】
この発明によれば、プロモーション反応度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、プロモーションユーザにより発信され公開された書き込み情報数と、書き込み情報への評価数および書き込み情報の他のユーザとの共有数とから、各ユーザのプロモーションユーザに対する反応度合を示すプロモーション反応度を算出する。影響度は、プロモーション反応度分析手段で算出されたプロモーション反応度に基づいて算出する。したがって、ファン度として、各ユーザのプロモーションユーザに対する反応度合を示すプロモーション反応度を利用することができる。
【0018】
(6) 本発明は、(2)から(5)の影響度分析装置について、
前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザにより当該コミュニケーションサービスを利用できるように当該各ユーザに提供されているアプリケーションの数と、当該各ユーザに提供されているアプリケーションのうち当該各ユーザが利用したアプリケーションの数とから、当該各ユーザの当該アプリケーションの利用状況を示す利用度を算出する利用度分析手段(例えば、図1の利用度分析部132に相当)を備え、前記利用度分析手段で算出された利用度に基づいて、前記ファン度を算出することを特徴とする影響度分析装置を提案している。
【0019】
この発明によれば、利用度分析手段は、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、プロモーションユーザによりコミュニケーションサービスを利用できるように各ユーザに提供されているアプリケーションの数と、各ユーザに提供されているアプリケーションのうち各ユーザが利用したアプリケーションの数とから、各ユーザのアプリケーションの利用状況を示す利用度を算出する。ファン度は、利用度分析手段で算出された利用度に基づいて算出する。したがって、ファン度として、各ユーザのアプリケーションの利用状況を示す利用度を利用することができる。
【0020】
(7) 本発明は、
ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する影響度分析装置における影響度分析方法であって、前記影響度分析装置は、影響度分析手段、ファン度分析手段、および有用影響度分析手段を備え、前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザと当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、当該各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する第1のステップ(例えば、図2のステップS2に相当)と、前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該プロモーションユーザに対するファン度を算出する第2のステップ(例えば、図2のステップS3に相当)と、前記有用影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記第1のステップで算出された前記影響度および前記第2のステップで算出された前記ファン度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する第3のステップ(例えば、図2のステップS4に相当)と、を含むことを特徴とする影響度分析方法を提案している。
【0021】
こ
の発明によれば、まず、第1のステップにおいて、影響度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザとコミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、およびコミュニケーションサービスの全ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する。次に、第2のステップにおいて、ファン度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、プロモーションユーザへの接触率に基づいて、プロモーションユーザに対するファン度を算出する。次に、第3のステップにおいて、有用影響度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、第1のステップで算出された影響度および第2のステップで算出されたファン度に基づいて、プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する。したがって、友人の反応度と全体の反応度との両方から算出した他のユーザへの影響度とプロモーションユーザに対するファン度とを用いることによって、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、プロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【0022】
(8) 本発明は、
ユーザにより発信された書き込み情報を公開するとともに、公開された書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるコミュニケーションサービスを提供するコミュニケーションサーバと接続され、前記公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する影響度分析装置における影響度分析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記影響度分析装置は、影響度分析手段、ファン度分析手段、および有用影響度分析手段を備え、前記影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザと当該コミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、および当該コミュニケーションサービスの全ユーザの当該各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、当該各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する第1のステップ(例えば、図2のステップS2に相当)と、前記ファン度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記プロモーションユーザへの接触率に基づいて、当該プロモーションユーザに対するファン度を算出する第2のステップ(例えば、図2のステップS3に相当)と、前記有用影響度分析手段が、前記コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、前記第1のステップで算出された前記影響度および前記第2のステップで算出された前記ファン度に基づいて、前記プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する第3のステップ(例えば、図2のステップS4に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0023】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、影響度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザとコミュニケーションサービスにおいて友人関係にある友人ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す友人反応度、およびコミュニケーションサービスの全ユーザの各ユーザに対する反応度合を示す全体反応度に基づいて、各ユーザが他のユーザに与える影響度を算出する。次に、第2のステップにおいて、ファン度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、プロモーションユーザへの接触率に基づいて、プロモーションユーザに対するファン度を算出する。次に、第3のステップにおいて、有用影響度分析手段が、コミュニケーションサービスに参加している各ユーザについて、第1のステップで算出された影響度および第2のステップで算出されたファン度に基づいて、プロモーションユーザに有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出する。したがって、友人の反応度と全体の反応度との両方から算出した他のユーザへの影響度とプロモーションユーザに対するファン度とを用いることによって、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、プロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ネットワーク上のコミュニケーションサービスにおいて、書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る影響度分析装置の機能構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る影響度分析装置における影響度分析処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る影響度分析装置100の機能構成を示す図である。
図1に示すように、影響度分析装置100は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サーバ10と通信可能に接続される。
【0032】
SNSサーバ10は、ユーザ同士がコミュニケーションを行うための機能を備えたWebサイトを提供するサーバであって、例えば、TWITTER(登録商標)やFacebook(登録商標)のサーバである。
図1には、SNSサーバ10は1台しか図示していないが、複数台であってもよい。なお、本実施形態においてSNSサーバ10としているが、ユーザから発信された書き込み情報を公開するとともに、公開した書き込み情報についてユーザから反応を得ることができるサーバであればよく、SNSのサーバに限らない。
【0033】
本実施形態において、SNSサーバ10は、SNSに発信された書き込み情報に対するユーザの反応に関する反応情報を管理する。反応情報は、例えば、書き込み情報を特定する情報(書き込み情報ID等)、書き込み情報を発信したユーザを特定する発信ユーザ情報(ユーザIDやユーザ名等)、書き込み情報に対して反応したユーザを特定する反応ユーザ情報(ユーザIDやユーザ名等)、書き込み情報に対する反応の種別を示す反応種別、書き込み情報に対して反応する際に使用されたアプリケーションを特定するアプリ情報(アプリIDやアプリ名等)等が含まれる。なお、本実施形態において、反応情報は書き込み情報1つに対し1つあり、本実施形態において書き込み情報に対する反応がない場合であっても反応情報はあるものとする。
【0034】
ここで、反応種別には、書き込み情報への評価、書き込み情報の他のユーザとの共有、および書き込み情報に対する新たな書き込み情報の発信がある。それぞれについて、Facebookを例に説明すると、書き込み情報への評価は「いいね」ボタンを押下することであって、書き込み情報の他のユーザとの共有は「シェア」ボタンを押下することであって、書き込み情報に対する新たな書き込み情報の発信は書き込み情報に対してコメントを行うことである。
【0035】
ここで、書き込み情報に対して反応する際に使用されたアプリケーションとは、公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行う企業といったプロモーションユーザ(以下、簡略化してプロモユーザと言う)が、SNSを利用できるようにHP等で提供しているアプリケーションのうち、ユーザが書き込み情報に対して反応する際に使用していたアプリケーションである。なお、本実施形態において、書き込み情報を発信したのがプロモーションユーザの場合に、プロモーションユーザがSNSを利用できるようにHP等で提供しているアプリケーションの数を反応情報に含めるが、SNSサーバ10が別途管理してもよい。
【0036】
本実施形態において、また、SNSサーバ10は、SNSにおけるユーザ間の友人関係を特定するための友人情報を管理する。友人情報には、例えば、友人関係にあるユーザを特定するユーザIDやユーザ名等が含まれる。
【0037】
影響度分析装置100は、SNSで公開された書き込み情報を利用してプロモーションを行うプロモユーザにとって有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を分析する装置であって、
図1に示すように、情報取得部110、影響度分析部120、ファン度分析部130、有用影響度分析部140、インフルエンサー抽出部150を備える。
【0038】
情報取得部110は、SNSサーバ10から反応情報を取得する。情報取得部110は、予め設定された書き込み情報が発信された期間や予め設定された書き込み情報のカテゴリに基づいて、反応情報を抽出してもよい。また、情報取得部110は、後述する友人反応度分析部122にて友人反応度を算出する場合には、SNSサーバ10から友人情報を取得する。
【0039】
影響度分析部120は、SNSに参加している各ユーザについて、情報取得部110で取得された反応情報を用いて、SNSに公開された書き込み情報への他のユーザの反応率に基づいて、他ユーザへの影響度を分析する。具体的には、影響度分析部120は、興味度分析部121、友人反応度分析部122、および全体反応度分析部123の少なくともいずれか1つを備え、備えている分析部により分析された値を用いて影響度を算出する。
【0040】
興味度分析部121は、まず、情報取得部110で取得された反応情報に含まれる、発信ユーザ情報、反応ユーザ情報および反応種別を用いて、SNSに参加している各ユーザについて、他のユーザの書き込み情報にした評価の数、および自己の書き込み情報にされた評価の数を取得する。そして、興味度分析部121は、以下の(1)により興味度Iを算出する。
【0042】
上述した(1)式により得られる興味度は、興味があって評価するのではなく、自己の書き込み情報を評価してくれたから評価するといった単なる相互評価を除くために、他のユーザの書き込み情報にした評価の数を利用し、他のユーザから興味を持たれている実質的な度合を示す。影響度は、大きいほど多くのユーザから興味を持たれていることを示す。
【0043】
(1)式の分母に他のユーザの書き込み情報にした評価の数に1を足しているのは、自己の書き込み情報が他のユーザから評価されていても、他のユーザの書き込み情報に対して評価を行っていないユーザの影響度が0になるのを防ぐためである。このようなユーザは、プロモユーザにとって有用なインフルエンサーと成り得るからである。なお、興味度Iを上述した(1)式の代わりに、以下の(1)´により算出してもよい。(1)式同様に、自己の書き込み情報を評価してくれたから評価するといった単なる相互評価を除いて、他のユーザから興味を持たれている実質的な度合を算出することができるからである。
【0045】
友人反応度分析部122は、情報取得部110で取得された反応情報に含まれる、発信ユーザ情報、反応ユーザ情報および反応種別を用いて、SNSに参加している各ユーザについて、自己の書き込み情報への反応の数を取得する。ここで、自己の書き込み情報にされた反応の数は、書き込み情報への評価を除く、書き込み情報の他のユーザとの共有の数、および書き込み情報に対する新たな書き込み情報の発信の数である。また、友人反応度分析部122は、情報取得部110で取得された友人情報に基づいて、SNSに参加している各ユーザについて、友人の数を取得する。そして、友人反応度分析部122は、以下の(2)により友人反応度FRを算出する。
【0047】
上述した(2)式により得られる友人反応度FRは、SNSにおける友人に与える影響度を示し、大きいほどSNSにおける友人に影響力があることを示す。
【0048】
全体反応度分析部123は、情報取得部110で取得された反応情報に含まれる、発信ユーザ情報、反応ユーザ情報および反応種別を用いて、SNSに参加している各ユーザについて、自己の書き込み情報への反応の数を取得する。ここで、自己の書き込み情報にされた反応の数は、友人反応度分析部122の場合と同様に、書き込み情報への評価を除く、書き込み情報の他のユーザとの共有の数、および書き込み情報に対する新たな書き込み情報の発信の数である。
【0049】
また、全体反応度分析部123は、SNSに発信した自己の書き込み情報の数を取得する。本実施形態において、反応情報は書き込み情報と1対1対応しているので、自己の書き込み情報に対応する反応情報の数をカウントすることにより、自己の書き込み情報の数を取得することができる。そして、全体反応度分析部123は、以下の(3)により全体反応度TRを算出する。
【0051】
上述した(3)式により得られる全体反応度TRは、SNS全体、すなわち、SNSに参加している全ユーザに与える影響度を示し、大きいほどSNSにおいて影響力があることを示す。
【0052】
影響度分析部120は、以下の(4)式に示すように、興味度分析部121で算出された影響度I、友人反応度分析部122で算出された友人反応度FR、および全体反応度分析部123で算出された全体反応度TRを足し合わせて影響度Rを算出する。(4)式に示すように影響度I、友人反応度FR、および全体反応度TRに重み付けを行って、いずれに重きをおくかを設定することもできる。多くのユーザから興味を持たれていることを重視する場合には影響度Iの重みを大きくする。友人に影響を与えていることを重視する場合には、友人反応度FRの重みを大きくし、SNS全体に影響を与えていることを重視する場合には、全体反応度TRの重みを大きくする。なお、(4)式に示すα、β、γは影響度Eを算出するための重み付け係数である。
【0054】
なお、影響度I、友人反応度FR、および全体反応度TRのうち、いずれか1つまたは2つの重みを0としてもよく、影響度I、友人反応度FR、および全体反応度TRの少なくとも1つの値から影響度Eを算出すればよい。
【0055】
ファン度分析部130は、SNSに参加している各ユーザについて、プロモユーザ毎に、情報取得部110で取得された反応情報を用いて、プロモユーザへの接触率に基づいて、プロモユーザへのファン度を算出する。なお、予めファン度を算出するプロモユーザを設定してもよい。具体的には、プロモーション反応度分析部131、および利用度分析部132の少なくともいずれか1つを備え、備えている分析部により分析された値を用いて、プロモユーザへの関心の度合を示すファン度を算出する。
【0056】
プロモーション反応度分析部131は、まず、SNSに参加している各ユーザについて、プロモユーザ毎に、情報取得部110で取得された反応情報に含まれる、発信ユーザ情報、反応ユーザ情報、および反応種別を用いて、プロモユーザの書き込み情報への反応の数を取得する。ここで、プロモユーザの書き込み情報への反応の数は、書き込み情報に対する新たな書き込み情報の発信の数を除く、書き込み情報への評価の数、および書き込み情報の他のユーザとの共有の数である。
【0057】
また、プロモーション反応度分析部131は、プロモユーザ毎に、プロモユーザの書き込み情報の数を取得する。プロモユーザの書き込み情報の数の取得方法については、全体反応度分析部123における取得したSNSに発信した自己の書き込み情報の数の取得方法と同様である。そして、プロモーション反応度分析部131は、以下の(5)式によりプロモーション反応度PRを算出する。
【0059】
上述した(5)式により得られるプロモーション反応度PRは、プロモユーザへの関心度を示し、大きいほどプロモユーザに対して関心があることを示す。
【0060】
利用度分析部132は、まず、SNSに参加している各ユーザについて、プロモユーザ毎に、情報取得部110で取得された反応情報に含まれる、発信ユーザ情報、反応ユーザ情報、アプリ情報、およびプロモユーザが提供しているアプリの数を用いて、各ユーザが使用したアプリの数を取得する。また、利用度分析部132は、プロモユーザ毎に、反応情報からプロモユーザが提供しているアプリの数を取得する。そして、利用度分析部132は、以下の(6)式により利用度AUを算出する。
【0062】
上述した(6)式により得られる利用度AUは、プロモユーザが提供するアプリの利用度であって、大きいほどプロモユーザが提供するアプリをよく利用していることを示すことから、プロモユーザに好意的であることを示す。
【0063】
ファン度分析部130は、以下の(7)式に示すように、プロモーション反応度分析部131で算出されたプロモーション反応度PR、および利用度分析部132で算出された利用度AUを足し合わせてファン度Fを算出する。(7)式に示すようにプロモーション反応度PR、および利用度AUに重み付けを行って、いずれに重きをおくかを設定することもできる。強い関心をもたれていることを重視する場合には、プロモーション反応度PRの重みを大きくし、プロモユーザへの好意度合を重視する場合には、利用度AUの重みを大きくする。なお、(7)式に示すα、βはファン度Fを算出するための重み付け係数であって、(4)式のα、βとは関連性はない。
【0065】
有用影響度分析部140は、以下の(8)式に示すように、影響度分析部120で算出された影響度Eとファン度分析部130で算出されたファン度Fとを足し合わせて、SNSに参加している各ユーザについて、プロモユーザそれぞれの有用影響度UEを算出する。例えば、ユーザAのプロモユーザXに対する有用影響度UEは、ユーザAの影響度Eと、ユーザAのプロモユーザXに対するファン度Fとを足し合わせて算出する。
【0066】
(8)式に示すように、影響度Eとファン度Fとに重み付けを行って、影響度Eとファン度Fとのいずれに重きをおくかを設定することもできる。なお、(8)式に示すα、βは有用影響度UEを算出するための重み付け係数であって、(4)式および(7)式のα、βとは関連性はない。SNSにおいて多くのユーザに影響を与えることを重視する場合には、影響度Eの重みを大きくし、一方、プロモユーザにとって好意的であることを重視する場合には、ファン度Fの重みを大きくする。なお、影響度Eとファン度Fとのいずれか一方の重みを0とし、有用影響度UEを影響度Eのみ、または、ファン度Fのみで算出してもよい。
【0068】
インフルエンサー抽出部150は、有用影響度分析部140で算出された有用影響度UEに基づいて、プロモユーザにとって有用なインフルエンサーを抽出する。なお、インフルエンサー抽出部150は、備えていなくてもよい。
【0069】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る影響度分析装置100の影響度分析処理フローを示す図である。
【0070】
まず、ステップS1において、情報取得部110は、SNSサーバ10から反応情報を取得する。
【0071】
次に、ステップS2において、影響度分析部120は、SNSに参加している各ユーザについて、ステップS1で取得した反応情報から算出した興味度I、友人反応度FR、および全体反応度TRの少なくとも1つを用いて、影響度Eを算出する。
【0072】
次に、ステップS3において、ファン度分析部130は、SNSに参加している各ユーザについて、ステップS1で取得した反応情報から算出したプロモーション反応度PR、および利用度AUの少なくとも1つを用いて、プロモユーザ毎のファン度Fを算出する。
【0073】
次に、ステップS4において、有用影響度分析部140は、SNSに参加している各ユーザについて、ステップS2で算出した影響度E、およびステップS3で算出したプロモユーザ毎のファン度Fに基づいて、各ユーザのプロモユーザそれぞれに対する有用影響度UEを算出する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、SNSにおいて、書き込み情報に対する反応から算出した他のユーザへの影響度、およびプロモーションユーザに対するファン度を利用してプロモーションを行うプロモーションユーザが自己に有用なインフルエンサーであるかを評価するための有用影響度を算出することができる。そして、算出された有用影響度によって、プロモーションユーザが自サービスや自製品の利用者を増やすために役立つユーザを判断することができる。
【0075】
なお、影響度分析装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを機器に読み込ませ、実行することによって本発明の影響度分析装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0076】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0077】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0078】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 SNSサーバ
100 影響度分析装置
110 情報取得部
120 影響度分析部
121 興味度分析部
122 友人反応度分析部
123 全体反応度分析部
130 ファン度分析部
131 プロモーション反応度分析部
132 利用度分析部
140 有用影響度分析部
150 インフルエンサー抽出部