特許第5969302号(P5969302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969302
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ブラインド用ドラム装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   E06B9/322
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-170411(P2012-170411)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-29087(P2014-29087A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2014年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(72)【発明者】
【氏名】江上 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】片口 一志
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−162994(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
9/02
9/06− 9/18
9/24− 9/388
9/40− 9/50
9/56− 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部支持部材(22a、100)内に回転可能に配設される回転軸(24)の回転に連動して回転する回転ドラム(82)と、上部支持部材に固定されるとともに回転ドラムを回転可能に支持するドラムケース(84)と、を備え、回転ドラムの回転によって多数のスラット(26)を上下方向に支持するラダーテープ(28)を傾動させてスラットの回転を行うブラインド用ドラム装置において、
ドラムケース(84)は、同一形状の一対のケース部品(86、88)が回転軸の軸方向に平行な面であって鉛直方向に延びる中央分割面を中心として反転して組み合わされることにより構成されており、各ケース部品(86、88)には、回転ドラム(82)の軸部(82b)を支持する軸受け部(86b、88b)が形成され、該軸受け部には、相手方のケース部品の軸受け部に向って中央分割面から突出する支持部(86c、88c)が形成されることを特徴とするブラインド用ドラム装置。
【請求項2】
各ケース部品(86、88)の軸受け部(86b、88b)には、相手方のケース部品の支持部を受け入れる凹部(86d、88d)が形成されることを特徴とする請求項1記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項3】
各ケース部品(86、88)には、中央分割面から突出し、相手方のケース部品の支持部を下方から支持する抱持部(86e、88e)が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のブラインド用ドラム装置。
【請求項4】
支持部(86c、88c)及び抱持部(86e、88e)は互いの接触面の横断面が同一曲率の円弧形状をなすことを特徴とする請求項3記載のブラインド用ドラム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドラムの回転によりラダーテープを傾動させるブラインド用ドラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなブラインド用ドラム装置としては、特許文献1に示されるブラインド内蔵複層ガラスにおいて適用されたものが知られている。これに示されるものは、ヘッドボックス内に回転可能に配設された水平回転軸に回転ドラムとしての巻回胴部が設けられ、その巻回胴部にラダーコードの上端が巻回された後、かしめ止めにより相対滑動不能に止着されている。水平回転軸の巻回胴部は、ラダーコードの位置において、ヘッドボックスに固定されているドラムケースとしての軸受けに回転自在に支承される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平4−26034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のドラム装置では、軸受け、巻回胴部及びラダーコードの組み付けに関して以下のような問題がある。
【0005】
すなわち、巻回胴部を軸受けに支承した状態でラダーコードを巻回胴部に巻回する場合は、軸受け下部からラダーコードを通し、巻回胴部を介してラダーコード上端をループ状にする作業手順となるため、組立が困難であり、作業性が悪いという問題がある。特に、ヘッドボックス及び軸受けの前後寸法が小さい場合に、作業空間が狭く、組立が困難である。
【0006】
また、ラダーコードを巻回胴部に巻回した状態で、軸受け下部から巻回胴部を挿入し、軸受けに支承させる場合は、軸受けに支承させるために、巻回胴部を一旦軸受けの上方まで引き上げなければならない。このため、ラダーコードは、巻回胴部が軸受けに支承された位置において必要な長さ分より長い、巻回胴部が上方まで引き上げられる分の長さが必要となるため、結果として組立後のヘッドボックスと最上段スラットの間の隙間が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、組立時の作業性を向上させることができ、特に製品の前後寸法が小さくても、作業性を向上させることができるブラインド用ドラム装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、発明の一態様は、上部支持部材内に回転可能に配設される回転軸の回転に連動して回転する回転ドラムと、上部支持部材に固定されるとともに回転ドラムを回転可能に支持するドラムケースと、を備え、回転ドラムの回転によって多数のスラットを上下方向に支持するラダーテープを傾動させてスラットの回転を行うブラインド用ドラム装置において、
ドラムケースは、同一形状の一対のケース部品が鉛直方向に延びる中央分割面を中心として反転して組み合わされることにより構成されており、各ケース部品には、回転ドラムの軸部を支持する軸受け部が形成され、該軸受け部には、相手方のケース部品の軸受け部
に向って中央分割面から突出する支持部が形成されることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の一態様は、各ケース部品の軸受け部に、相手方のケース部品の支持部を受け入れる凹部が形成されることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の一態様は、各ケース部品に、中央分割面から突出し、相手方のケース部品の支持部を下方から支持する抱持部が形成されることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の一態様は、支持部及び抱持部が、互いの接触面の横断面が同一曲率の円弧形状をなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、同一形状の一対のケース部品を鉛直方向に延びる中央分割面を中心として反転して組み合わせることによりドラムケースを構成するため、ドラムケースに回転ドラムを組み付ける際には、一対のケース部品のうち一方のケース部品にラダーテープと共に回転ドラムを正面から組み付け、その後、一方のケース部品の正面から他方のケース部品を組み合わせることにより、ドラムケースに回転ドラムを回転可能に支持させることができ、組立時の作業性が向上する。また、回転ドラムを軸受け部の正面から組み付けることができるため、ラダーテープを必要な長さのみに設定することができ、上部支持部材と最上段スラット間の隙間を小さな寸法とすることができる。
【0013】
同一形状の一対のケース部品を反転して組み合わせることによってドラムケースが構成されるため、共通の部品が使用でき部品点数の削減となる。
【0014】
支持部が中央分割面から突出しているため、ケース部品同士の境目となる中央分割面に回転ドラムの荷重が集中せずに、回転ドラムを安定的かつ円滑に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のドラム装置を適用したブラインドの部分破断正面図である。
図2図1のドラム装置近傍を示す拡大斜視図である。
図3】スラットを支持するラダーテープが回転ドラムに巻回された状態のドラム装置の分解斜視図である。
図4図3のドラム装置が組み立てられた状態を示す斜視図である。
図5】ドラム装置の側面図であり、(a)は分解された状態を示し、(b)は組み立てられた状態を示す。
図6】本発明のドラム装置を適用した別のブラインドを表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0017】
この実施形態では、ブラインド20は、複層ガラス10に内蔵されたものであり、図1に示すように、複層ガラス10は、方形枠状に上下左右のスペーサ14を連結し、このスペーサ14の前後面を2枚のガラス板12で挟んで構成され、ガラス板12で挟まれた内部空間16を画成しており、この内部空間16内にブラインド20が配設される。
【0018】
ブラインド20は、上枠(上部支持部材)22a、下枠22b及び一対の縦枠22cからなるフレーム22と、上枠22a内で水平方向に延び回転可能に配設された回転軸24と、回転軸24上に複数設けられ、回転軸24の回転が伝達されるドラム装置80と、多数のスラット26を上下方向に整列状態で支持するとともに回転軸24の回転がドラム装置80を介して伝達されることにより傾動する複数のラダーテープ28と、一方の縦枠22cの上部に設けられ回転軸24に回転を伝達する駆動機構60と、外部から駆動機構60の駆動を操作可能な操作装置30と、から構成される。尚、29は、スラット列26の下方に配置されてラダーテープ28の下端が連結されたボトムレールである。
【0019】
上部支持部材となる上枠22aは、図2に示すように、後側部品22a1と前側部品22a2の前後に分かれた2つの部品から構成される。
【0020】
操作装置30は、一方の縦枠22cの内外に設けられており、一方の縦枠22c上のガラス板12面上に移動可能に配設された操作部32と、一方の縦枠22c内にあって操作部32に従動する従動部34と、駆動機構60に連結され従動部34の移動を回転に変換して駆動機構60に伝達する伝達軸36と、操作部32をガラス面12上で摺動自在に支持するガイド部38と、から構成される。
【0021】
ガラス板12上の操作部32を操作して、ガイド部38に沿って上下方向に移動させることにより、操作部32に磁力によって吸着している従動部34が上下方向に移動し、伝達軸36が回転駆動する。伝達軸36の回転は、駆動機構60を介して、回転軸24に伝達される。
【0022】
図2図5に示すように、ドラム装置80は、回転軸24が一体に回転可能に挿通する回転ドラム82と、上枠22aに固定されるとともに回転ドラム82を回転可能に支持するドラムケース84により構成される。
【0023】
回転ドラム82は、ドラム部82aと、ドラム部82aの両端から側方に突出する一対の軸部82bとから成り、ドラム部82aと両軸部82bの軸心にはこれらを貫通する非円形断面を有する貫通孔82cが形成されている。貫通孔82cには貫通孔82cに合致する非円形断面を有する回転軸24が相対回転不能に挿通する。図3に示すように、ドラム部82aにはラダーテープ28が巻回されて、ラダーテープ28の前後の垂直テープのうち、一方の垂直テープ28aがドラム部に巻回された後、所定量垂下された位置において、他方の垂直テープ28bとファスナークリップ90によって連結され、ラダーテープ28の前後の垂直テープ28a、28bはループを形成している。
【0024】
ドラムケース84は、例えばプラスチックの成形品からなり同一形状の一対のケース部品86、88が組み合わされて構成される。一対のケース部品86、88を、ドラムケース84の鉛直方向に延びる中央分割面を中心として、反転して組み合わせて、中央分割面に位置する両側部86a、88aの対向当接面86j、88j同士を互いに対向させて当接させると、その内部に回転ドラム82のドラム部82aを収納する空間が画成される。
【0025】
また、一対のケース部品86、88を互いに組み合わせた状態において、各ケース部品86、88の側部86a、88aに形成される一対の軸受け部86b、88bが円筒部を形成して、回転ドラム82の一対の軸部82bを回転可能に支承するようになっている。この円筒部は、各ケース部品86、88の本体の側部86a、88aの外側面から側方に若干突出した位置まで水平方向に延びている。
【0026】
各ケース部品86、88の一対の軸受け部86b、88bのうち一方の軸受け部86b、88bの下部には、中央分割面よりも相手方のケース部品88、86方向に突出し、相手方のケース部品88、86の軸受け部88b、86bに嵌合する支持部86c、88cが形成されている。支持部86c、88cは、側部86a、88aの外側面よりも側方に突出した軸受け部86b、88b部分のみに形成されている。
【0027】
この支持部86c、88cに対応して、各ケース部品86、88の一対の軸受け部86b、88bのうち他方の軸受け部86b、88bの下部には、相手方のケース部品の前記支持部88c、86cを受け入れる凹部86d、88d(尚、ケース部品88の凹部88dは図中に表わされていない)が形成されている。凹部86d、88dも、側部86a、88aより側方に突出した軸受け部86b、88bの部分のみに形成されている。
【0028】
さらに、各ケース部品86、88の凹部86d、88dの下方には、中央分割面から相手方のケース部品86、88方向に突出する下部抱持部86e、88eが延設されており、下部抱持部86e、88eは、相手方のケース部品88、86の支持部88c、86cを下方から支持するようになっており、一対のケース部品86、88を組み合わせた状態で各ケースがそれぞれ離間する方向へ移動することを規制している。
【0029】
そのため、互いに接触面となる支持部86c、88cの下面及び下部抱持部88e、86eの上面は、その横断面が同一曲率の円弧形状となっている。
【0030】
また、各ケース部品86、88の一対の軸受け部86b、88bの上部は中央分割面と同一面となっているが、好ましくは支持部86c、88cが形成されていない方の軸受け部86b、88bには、中央分割面よりも相手方のケース部品88、86方向に突出し、相手方の軸受け部88b、86bを上方から支持する上部抱持部86k、88kが延設されており、一対のケース部品86、88を組み合わせた状態で各ケースがぞれぞれ離間する方向へ移動することを規制している。
【0031】
そのため、互いに接触面となる支持部86c、88cが形成されている方の軸受け部86b、88bの上面と上部抱持部88k、86kの下面は、その横断面が同一曲率の円弧形状となっている。
【0032】
一対のケース部品86、88の対向当接面86j、88jの上部には、中央分割面よりも突出する嵌合突部86f、88fと中央分割面よりも凹んだ嵌合凹部86g、88gが横方向に並んで設けられており、一対のケース部品86、88を組み合わせた状態で、ケース部品86の嵌合突部86fがケース部品88の嵌合凹部88gに、ケース部品86の嵌合凹部86gがケース部品88の嵌合突部88fにそれぞれ嵌合する。
【0033】
また、一対のケース部品86、88の両側部86a、88aの対向当接面86j、88jの下部には、中央分割面よりも突出する嵌合突部86h、88hと中央分割面よりも凹んだ嵌合凹部86i、88i(なお、ケース部品88の嵌合凹部88iは図中に表わされていない)がそれぞれ設けられており、一対のケース部品86、88を組み合わせた状態で、ケース部品86の嵌合突部86hがケース部品88の嵌合凹部88iに、またケース部品86の嵌合凹部86iがケース部品88の嵌合突部88hにそれぞれ嵌合する。
【0034】
このように、一対のケース部品86、88を組み合わせた状態で、嵌合突部86f、88fと嵌合凹部88g、86gがそれぞれ嵌合し、嵌合突部86h、88hと嵌合凹部88i、86iがそれぞれ嵌合するため、一対のケース部品86、88は互いに外れることが規制されている。
【0035】
また、一対のケース部品86、88の下端部には係止部86m、88mが形成されており、一対のケース部品86、88を上枠22aの前後方向にスライドさせることにより、係止部86m、88mを上枠22aの下面に形成された開口22d(図2参照)に係止可能である。
【0036】
次に、ドラム装置80の組立手順について説明する。
【0037】
まず、図3に示すように、スラット26を支持させたラダーテープ28の前側の垂直テープ28aの上部を回転ドラム82のドラム部82aに巻回して、所定量垂下した位置においてラダーテープ28の後側の垂直テープ28bの上部とファスナークリップ90によって連結する。ここで所定量とは、スラット26が全閉まで回転するために回転ドラム28が回転してラダーテープ28の前後の垂直テープが巻取りあるいは巻解かれたときに、ファスナークリップ90が回転ドラム28と干渉しないために必要な長さのことである。
【0038】
そして、ラダーテープ28を巻回した回転ドラム82の両軸部82bを、図5(a)に示すように、一方のケース部品86の軸受け部86bに正面から支持させる。このとき、一方の軸部82bがケース部品86の中央分割面となる対向当接面86jより突出した支持部86cに支持されるため、回転ドラム82を一方のケース部品86に容易に脱落することがない仮止めされた状態で支持させることができる。
【0039】
次に、図4及び図5(b)に示すように、他方のケース部品88を一方のケース部品86に正面から組み合わせる。これにより、互いの支持部86c、88cが相手方のケース部品88、86の凹部88d、86dに挿入されるとともに、下部抱持部88e、86eにより下方から支持される。また、軸受け部86b、88bは上部抱持部88k、86kにより上方から支持される。さらに、嵌合突部86f、88fと嵌合凹部88g、86gとがそれぞれ嵌合し、嵌合突部86h、88hと嵌合凹部88i、86iとがそれぞれ嵌合することにより、一対のケース部品86、88が互いに外れることが規制されて組み付けられる。
【0040】
さらに、上枠22aが後側部品22a1と前側部品22a2に分解された状態で、一方のケース部品86の係止部86m及び他方のケース部品88の係止部88mを上枠22aの後側部品22a1に形成された開口22dに正面からスライド挿入して係止し、ケース部品86、88を上枠22aの後側部品22a1に固定する。
【0041】
この後、回転ドラム82の貫通孔82cに回転軸24を挿通させる。これにより回転ドラム82は回転軸24の回転と一体に回転するように構成される。そして、上枠22aの前側部品22a2を後側部品22a1に対してスライドさせて取り付けて、開口22dの開口端を閉鎖する。
【0042】
こうして、ドラム装置80は上枠22aに組立てられる。この組立作業は、上枠22aの正面から行うことができるので、作業性が良く、上枠22aの前後寸法が小さい場合であっても、作業を簡単に行うことができる。また、ラダーテープ28を巻回した回転ドラム82を正面からドラムケース84に組み付けることができるため、ラダーテープ28を必要な長さのみに設定することができ、上枠22aと最上段スラット間の隙間を小さな寸法とすることができる。
【0043】
また、同一形状の一対のケース部品86、88を組み合わせることによりドラムケース84を構成するために、部品点数を削減することができる。
【0044】
また、一対のケース部品86、88のそれぞれの支持部86c、88cが中央分割面よりも突出することによって、組立時に回転ドラム82を仮止めをすることができると共に、組み合わせ後は、ケース部品86、88同士の境目となる中央分割面に回転ドラム82の荷重を集中させずに、回転ドラム82を安定的かつ円滑に回転させることができる。
【0045】
さらに、下部抱持部86e、88eが支持部88c、86cを下方から支持することで、軸受け部86b、88bの下側が中央分割面において二重に支持されているために、ドラムケース84の強度を確保することができる。
【0046】
支持部86c、88cと下部抱持部88e、86eとが円弧状に重なり合うことによって、ケース部品86、88同士を引き寄せる効果を持たせることができ、回転ドラム82の回転時にケース部品86、88同士が離間してしまうことを防止することができる。同様に、軸受け部86b、88bと上部抱持部88k、86kとが円弧状に重なり合うことによって、ケース部品86、88同士を引き寄せる効果を持たせることができ、回転ドラム82の回転時にケース部品86,88同士が離間してしまうことを防止することができる。
【0047】
このように構成されたドラム装置80を用いてスラット26を回転させる場合、操作部32をガイド部38に沿って移動させることにより、上述のように回転軸24に回転が伝達され、回転軸24と一体にドラム部82aが回転する。ドラム部82aが回転することによりラダーテープ28の垂直テープ28a、28bの一方が巻き取られ、他方が巻き解かれることによりラダーテープ28が傾動し、スラット26が回転することができる。
【0048】
尚、以上の実施形態では、上枠22aの前後寸法を小さくすることが要求されるブラインド内蔵複層ガラスにおいて適用しており、このような場合に、本発明は特に好適であるが、これに限るものではない。例えば、図6に示すように、ドラム装置80を複層ガラス10に内蔵したブラインド20ではなく、通常の横型ブラインドに適用することもできる。ドラム装置80はヘッドボックス(上部支持部材)100に取付けられる。また、ドラム装置80の回転ドラム82を回転駆動する回転軸24はヘッドボックス100の一端部から垂下する回転操作棒102により回転駆動され、スラット26はヘッドボックス100の一端部から垂下する昇降コード104によって昇降される。
【0049】
本発明によれば、このような通常の横型ブラインドにおいても、同様に組立時の作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0050】
22a 上枠(上部支持部材)
24 回転軸
26 スラット
28 ラダーテープ
82 回転ドラム
82b 軸部
84 ドラムケース
86、88 ケース部品
86b、88b 軸受け部
86c、88c 支持部
86d、88d 凹部
86e、88e 抱持部
100 ヘッドボックス(上部支持部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6