特許第5969321号(P5969321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969321
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】テープ封緘箱の開封機構
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20160804BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   B65D5/42 Z
   B65D5/02 K
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-188394(P2012-188394)
(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-46920(P2014-46920A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100151024
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 幸嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】藤林 龍耶
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰明
(72)【発明者】
【氏名】春田 俊宏
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−004316(JP,U)
【文献】 特開2003−327235(JP,A)
【文献】 特開平05−162742(JP,A)
【文献】 実開平01−032324(JP,U)
【文献】 実開昭56−118814(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00− 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端壁(1)に連設された内フラップ(3)を折り曲げ、側壁(2)に連設された外フラップ(4)を内フラップ(3)に重ね、外フラップ(4)の先端同士の突合部から端壁(1)までテープ(T)を貼り付けて封緘する箱の開封機構において、
前記端壁(1)と内フラップ(3)とに跨がった切込(11)の間に、両端が端壁(1)と内フラップ(3)とに繋がり、テープ(T)の端部が貼り付けられる押開片(12)形成され、押開片(12)の内フラップ(3)との境界に山折線(13)、端壁(1)との境界に谷折線(14)それぞれ入れられ、押開片(12)には、端壁(1)と内フラップ(3)の稜線に一致する山折線(15)を境界として、その端壁(1)側部分に山折線(16)入れられると共に、狭幅部(17)設けられ、テープ(T)が押開片(12)の狭幅部(17)から側方へはみ出して端壁(1)に貼り付けられるようになっており
外フラップ(4)の突合縁に臨む端部を押すと、押開片(12)の内フラップ(3)側部分が押され、端壁(1)側部分が外側へ突出するように折れ曲がり、押開片(12)の狭幅部(17)からはみ出したテープ(T)の端部が端壁(1)から浮き上がるようになっていることを特徴とするテープ封緘箱の開封機構。
【請求項2】
前記押開片(12)の内フラップ(3)側部分に谷折線(18)入れられており
外フラップ(4)の突合縁に臨む端部を押すと、押開片(12)の内フラップ(3)側部分が窪む方向へ折れ曲がるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のテープ封緘箱の開封機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テープにより封緘する箱に備えられ、箱の開封を補助する開封機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、テープにより封緘した段ボール箱は、テープの端が捲りにくく、開封しにくいため、下記特許文献1において、開封を補助する開封機構を備えた段ボール箱が提案されている。この段ボール箱は、図9に示すように、端壁51に連設した内フラップ53を折り曲げ、側壁52に連設した外フラップ54を内フラップ53に重ね、外フラップ54の先端同士の突合部から端壁51までテープTを貼り付けて封緘される。
【0003】
この段ボール箱の開封機構は、端壁51から内フラップ53へかけて切込を入れ、基部の端壁51側が台形状となり、その斜辺寄りにテープTが貼り付けられ、先端側が内フラップ53から切り離された押込片55を形成し、押込片55の端壁51との境界に山折線56を入れ、外フラップ54には、押込片55の内フラップ53側部分に重なり、かつ、テープTで覆われない位置に押下片57を形成したものとされている。
【0004】
この開封機構により段ボール箱を開封する際、外フラップ54から押下片57を押し下げると、押込片55の先端側部分も押し下げられて、内フラップ53から厚さ方向に分離し、その状態で、押込片55の端壁51側部分を内側へ押し込むと、テープTの端部と押込片55の間に隙間ができるので、テープTの端部を摘んで、テープTを端壁51及び外フラップ54から剥がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−82843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような開封機構では、開封時に、押下片57を押し下げつつ、押込片55を押し込まなければならず、方向の異なる2面からの操作が必要となり、特に、高さの低い段ボール箱の場合、垂直面での押込が難しくなり、作業性に問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、テープ封緘箱の開封機構の作業性を改善し、高さの低い箱でも容易に開封できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明では、端壁に連設した内フラップを折り曲げ、側壁に連設した外フラップを内フラップに重ね、外フラップの先端同士の突合部から端壁までテープを貼り付けて封緘する箱の開封機構において、前記端壁と内フラップとに跨がった切込の間に、両端が端壁と内フラップとに繋がり、テープの端部が貼り付けられる押開片を形成し、押開片の内フラップとの境界に山折線を、端壁との境界に谷折線をそれぞれ入れ、押開片には、端壁と内フラップの稜線に一致する山折線を境界として、その端壁側部分に山折線を入れると共に、狭幅部を設けて、テープが押開片の狭幅部から側方へはみ出して端壁に貼り付けられるようにしておき、外フラップの突合縁に臨む端部を押すと、押開片の内フラップ側部分が押され、端壁側部分が外側へ突出するように折れ曲がり、押開片の狭幅部からはみ出したテープの端部が端壁から浮き上がるようにしたのである。
【0009】
また、押開片の端壁側部分が外側へ確実に折れ曲がるようにするため、押開片の内フラップ側部分に谷折線を入れて、外フラップの突合縁に臨む端部を押すと、押開片の内フラップ側部分が窪む方向へ折れ曲がるようにしたのである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るテープ封緘箱の開封機構では、テープが貼られた外フラップの突合縁に臨む端部を押すだけで、押開片が折れ曲がり、押開片の狭幅部からはみ出したテープの端部が端壁から浮き上がるので、その浮き上がったテープの端部を摘み、テープを端壁及び外フラップから剥がすことにより、箱を容易に開封することができる。
【0011】
このとき、垂直面での押込操作が不要であることから、高さの低い箱であっても、作業が困難となることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施形態に係る開封機構を備えた段ボール箱のブランクを示す図
図2】同上のテープ封緘状態を示す斜視図
図3】同上の開封機構による開封過程を示す斜視図
図4】同上の部分拡大斜視図
図5】同上の縦断側面図
図6】同上の段ボール箱からテープを剥がす過程を示す斜視図
図7】他の実施形態を示すブランクの部分図
図8】同上の開封過程を示す拡大斜視図
図9】従来の開封機構による開封過程を示す部分拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1に示す段ボール箱のブランクでは、幅方向となる端壁1及び長さ方向となる側壁2が各一対交互に連設され、これらは高さが低いものとされている。端壁1及び側壁2の上端には、内フラップ3及び外フラップ4がそれぞれ連設され、端壁1及び側壁2の下端には、内フラップ5及び外フラップ6がそれぞれ連設されている。一方の側壁2の外側端には、継代片7が連設されている。
【0015】
そして、開封機構として、端壁1と内フラップ3とに跨がった2条の切込11の間に、帯状の押開片12が形成されている。切込11には、封緘性を考慮して、複数の繋部が設けられている。押開片12の内フラップ3との境界には、山折線13が入れられ、端壁1との境界には、谷折線14が入れられている。
【0016】
押開片12には、端壁1と内フラップ3の稜線に一致する山折線15を境界として、その端壁1側部分に幅方向の山折線16が入れられ、山折線16の下方は、後述する封緘用のテープTよりも幅が狭い逆台形状の狭幅部17とされている。
【0017】
押開片12の山折線16より上方部分は、テープTよりも幅が広く、押開片12の内フラップ3側部分には、幅方向の谷折線18が入れられている。
【0018】
ここで、上記山折線は、他の稜線と同様、段ボールの裏面から押圧した押罫とされ、段ボールの表面側が突き出す方向へ折れ曲がるようにしたものであり、谷折線は、段ボールの表面又は裏面から押圧した押罫線に切目を入れたリード罫とされ、段ボールの表面側が窪む方向へ折れ曲がるようにしたものである。
【0019】
このようなブランクを組み立てて物品を梱包する際には、図2に示すように、端壁1及び側壁2を境界の罫線で折り曲げて、継代片7を反対側の端壁1に貼り付け、各一対の端壁1及び側壁2を角筒状として、下方の内フラップ5及び外フラップ6を折り重ね、外フラップ6の先端同士の突合部から端壁1までテープTを貼り付けて、底面を閉じる。
【0020】
そして、この状態で、箱内に物品を収納し、上方の内フラップ3及び外フラップ4を折り重ね、外フラップ4の先端同士の突合部から端壁1まで、押開片12の端壁1側部分に被さるようにテープTを貼り付けて、天面を閉じることにより封緘する。このとき、テープTの端部は、狭幅部17から両側方へはみ出して、端壁1に貼り付けられる。
【0021】
この封緘状態において、天面を閉じるテープTの端部と、底面を閉じるテープTの端部同士が重なっていても、後述する開封作業に問題が生じることはない。
【0022】
上記のように封緘した段ボール箱を開封する際には、図3乃至図5に示すように、天面の外フラップ4の突合縁に臨む端部を上方から押し下げると、切込11の繋部が破断し、押開片12の内フラップ3側部分が押し下げられて、谷折線18に沿って窪む方向へ折れ曲がり、これに伴い、押開片12の端壁1側部分が押し出され、山折線16に沿って外側へ突出するように折れ曲がる。
【0023】
このような押開片12の折れ曲がりに伴い、押開片12の狭幅部17からはみ出したテープTの端部が端壁1から浮き上がるので、端壁1から浮き上がったテープTの端部を摘み、図6に示すように、テープTを端壁1及び外フラップ4から剥がすことにより、段ボール箱を容易に開封することができる。
【0024】
また、このとき、垂直面での押込操作が不要であることから、図示のように高さの低い箱であっても、作業が困難となることがない。
【0025】
なお、上記実施形態では、押開片12の内フラップ3側部分に、幅方向の谷折線18を入れたものを例示したが、谷折線18を省略しても、図7及び図8に示すように、外フラップ4の突合縁に臨む端部を上方から押し下げると、押開片12の内フラップ3側部分が押し下げられて、端壁1側部分が外側へ突出するように折れ曲がり、押開片12の狭幅部17からはみ出したテープTの端部が端壁1から浮き上がるので、開封性が向上する。
【0026】
しかしながら、押開片12の内フラップ3側部分に谷折線18を設けておく方が、外フラップ4の突合縁に臨む端部を押し下げたとき、押開片12の端壁1側部分が外側へ確実に折れ曲がりやすくなる。
【0027】
また、押開片12の狭幅部17は、押開片12の山折線16より上方部分に対して、両側が共に内側へずれたものを例示したが、片側のみ内側へずれたもののほか、両側又は片側の一部が括れたもの等、テープTが側方へはみ出すものであればよい。
【符号の説明】
【0028】
1 端壁
2 側壁
3,5 内フラップ
4,6 外フラップ
7 継代片
11 切込
12 押開片
13,15,16 山折線
14,18 谷折線
17 狭幅部
T テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9