(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969345
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】段ボール製緩衝材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20160804BHJP
B65D 5/50 20060101ALN20160804BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
!B65D5/50 101A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-219056(P2012-219056)
(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-69884(P2014-69884A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100151024
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 幸嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勲
【審査官】
西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4088806(JP,B2)
【文献】
登録実用新案第3050064(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0102496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/50
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒体(1)を形成する外筒部(2)及び内筒部(3)と、一端を閉塞する端壁部(4)を備え、開口端で繋がった外筒部(2)と内筒部(3)とを折り重ね、稜線に沿って折り曲げた段ボール製緩衝材において、前記端壁部(4)を構成するため、外筒部(2)から延びる部分を折り曲げて外端壁(19)を形成し、内筒部(3)から延出した内端板(12)と、角筒体(1)における内端板(12)の基部稜線の対向部から延びる内端板(11)とを外端壁(19)の内側に重ね合わせ、内筒部(3)に設けた突片(13)を、外端壁(19)の内側の切欠部(14)に係合させたことを特徴とする段ボール製緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺で破損しやすい物品の端部保護に使用する段ボール製緩衝材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、瓶の箱詰めに使用する段ボール製緩衝材として、下記特許文献1には、
図8に示すように、瓶の外周に沿うような二重構造の角筒体51を形成する外筒部52及び内筒部53と、角筒体51の底側となる一端部を閉塞して、瓶の底部を受け止める端壁部54を備えたものが記載されている。
【0003】
この緩衝材のブランクでは、
図9に示すように、外筒部52及び内筒部53をそれぞれ構成する部分として、角筒体51の各面となる外側板52a〜52d及び内側板53a〜53dが稜線を介して連設され、外側板52a〜52d及び内側板53a〜53dは、それぞれ開口側の端部となる額縁板55を介して繋がっている。
【0004】
外側板52a〜52dの稜部には、長方形の抜窓56が形成され、内側板53a〜53dの稜部及び隣り合う額縁板55の間には、切溝57が設けられると共に、稜線を入れた繋部58が残されている。
【0005】
外側板52d,52b,52aには、額縁板55の反対側に内端板59、中端板60、外端板61がそれぞれ連設され、外端板61の先端には、差込片62が連設されている。
【0006】
このブランクから緩衝材を組み立てる際には、
図10に示すように、角筒体51を形成するため、外筒部52と内筒部53とを折り重ねて、稜線に沿って折り曲げ、繋部58を抜窓56に嵌め込む。そして、端壁部54を形成するため、内端板59、中端板60、外端板61を順次折り重ね、差込片62を角筒体51の内面に沿って差し込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4088806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような緩衝材では、細長く破損しやすい照明器具等の物品を梱包する際、物品の端部に被せた状態で、梱包物が角筒体51と端壁部54の稜部や角部から落下すると、端壁部54が開く方向へ変形し、物品を十分に保護できないおそれがある。
【0009】
そこで、この発明は、長尺で破損しやすい物品の端部を、落下等による大きな衝撃から確実に保護できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、角筒体を形成する外筒部及び内筒部と、一端を閉塞する端壁部を備え、開口端で繋がった外筒部と内筒部とを折り重ね、稜線に沿って折り曲げた段ボール製緩衝材において、前記端壁部を構成するため、外筒部から延びる部分を折り曲げて外端壁を形成し、内筒部から延出した内端板と、その対向部から延びる内端板とを外端壁の内側に重ね合わせ、内筒部に設けた突片を、外端壁の内側の切欠部に係合させたのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る段ボール製緩衝材では、長尺の物品の梱包に際し、物品の端部に開口側から被せた状態で、輸送時に梱包物が角筒体と端壁部の稜部や角部から落下したとき、まず、外端壁とこれに重なる内端板とから成る端壁部の積層構造により緩衝される。
【0012】
次いで、吊り下げられるように支持された内端板の宙吊り構造により、物品が落下方向と逆方向へ引っ張られて保持される。
【0013】
さらに、内側板の突片と外端壁の切欠部との係合により、保形性が向上し、段ボールが折曲部分で破れて宙吊り構造が失われる事態が防止され、物品の緩衝性が確保される。
【0014】
このような3段階の緩衝効果で、物品に作用する衝撃を大幅に緩和することができ、長尺で破損しやすい物品の端部を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明に係る段ボール製緩衝材のブランクを示す図
【
図8】従来の段ボール製緩衝材の組立状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
この段ボール製緩衝材は、
図1に示すようなブランクを、
図5及び
図6に示す形状に組み立てたものであり、重なり合って角筒体1を形成する外筒部2及び内筒部3と、角筒体1の一端部を閉塞する端壁部4を備えたものとされている。
【0018】
図1に示すブランクにおいて、段ボールの段目方向は縦向きとされ、その方向に配置された外筒部2及び内筒部3は、それぞれ角筒体1の各面となる外側板2a〜2d及び内側板3a〜3eを、押罫の稜線を介して横方向に連設したものとされている。外筒部2の稜線は、段ボールの裏面側から入れた通常の押罫とされ、内筒部3の稜線は、段ボールの表面側から入れた逆罫とされている。
【0019】
外筒部2では、外側板2aの一側に外側板2bが、他側に外側板2c,2dが順次配置され、内筒部3では、内側板3aの一側に内側板3bが、他側に内側板3c〜3eが順次配置されている。
【0020】
外筒部2と内筒部3とは、角筒体1の開口端となる突合側の外側板2aと内側板3aの部分において、平行な2本の切目入りリード罫に挟まれた繋部5を介して繋がれ、他の部分では切り離されている。
【0021】
そして、組立状態における端壁部4の段ボールの積層厚さを考慮して、外側板2a〜2dの縦方向の寸法は、それぞれ対応する内側板3a〜3dの縦方向の寸法よりも大きくなっており、各寸法に段差が設けられている。
【0022】
また、段ボールの厚さに起因する折曲時の周方向の寸法差を考慮して、外側板2a〜2dの横方向の寸法は、それぞれ対応する内側板3a〜3dの横方向の寸法よりも少し大きくなっている。
【0023】
一方、外筒部2と内筒部3の突合側とは反対側において、外筒部2の外側板2b,2cには、折込片6,7がそれぞれ連設され、外側板2aには、外端板8、額縁板9及び中端板10が順次連設され、外端板2dには、内端板11が連設されている。内筒部3の内側板3aには、内端板12が連設されている。
【0024】
内側板3b,3cには、内端板12寄りに突片13が設けられ、中端板10及び内端板11の先端寄り両側辺には、切欠部14が設けられている。
【0025】
内側板3dには、端辺から突起15が設けられている。また、外側板2dには、内端板11への切込により突起16が設けられ、額縁板9と中端板10の稜部には、係合穴17が設けられている。そのほか、外側板2dの開放側縁には、解体用として、弧状の切込による指掛部18が設けられている。
【0026】
このようなブランクから緩衝材を組み立てるには、まず、
図2に示すように、繋部5をヒンジとして、外筒部2の裏側へ内筒部3を折り曲げ、外筒部2と内筒部3とを重ね合わせた状態とする。
【0027】
次に、
図3に示すように、重なり合った外側板2aと内側板3aを基準として、外筒部2と内筒部3の両側部分を起こし、内端板12を起立させ、折込片6,7を内側へ折り曲げて重ね合わせ、外端板8、額縁板9及び中端板10を巻き込むように折り曲げる。
【0028】
続いて、内端板12を一旦内側へ倒して退避させつつ、中端板10を折込片7と内端板12との間に挿入した後、内端板12を復元させ、
図4に示すように、折込片6,7を外端板8と中端板10との間に挟み込んだ外端壁19を形成する。このとき、内側板3b,3cの突片13が外端壁19の切欠部14に係合する。
【0029】
そして、内側板3d,3eを屈曲させつつ、内側板3eを内側板3bの内面に沿わせ、外側板2dから内端板11を折り曲げ、中端板10と内端板12の間に内端板11を差し込んで、外側板2dを閉じるように折り曲げる。
【0030】
このように組み立てると、
図5及び
図6に示すように、外筒部2と内筒部3とが重なり合った角筒体1が形成され、外端板8、折込片6,7、中端板10及び内端板11,12が順次重なり合って、端壁部4が6層の積層構造となった緩衝材Eが完成する。
【0031】
この組立状態では、内側板3dの突起15が内端板12の端縁に沿うと共に、外側板2dの突起16が係合穴17に嵌まり込み、組立形状が維持される。
【0032】
このような緩衝材Eを使用して、例えば、
図7に示すように、蛍光灯代替用のLED照明器具のように細長い照明器具Lを梱包する際には、対称な形状の緩衝材Eを、その開口側から照明器具Lの端部に被せ、照明器具Lの中間部分に、両端が開放された筒状の段ボール製緩衝材Mを巻き付ける。
【0033】
この梱包で使用する対称な緩衝材Eと中間の緩衝材Mとは、ブランクにおいて、1枚の段ボールに繋部付きの切目線を介して繋がったものとしておくと、生産効率が向上すると共に、流通過程での保管時の管理が容易となる。また、これらの緩衝材E,Mは、長さの異なる複数種の照明器具Lの梱包に兼用できる。
【0034】
上記のような段ボール製緩衝材Eでは、輸送時に梱包物が角筒体1と端壁部4の稜部や角部から落下したとき、まず、外端板8と中端板10の間に折込片6,7を挟み込んだ外端壁19と、これに重なる内端板11,12とから成る端壁部4の6層に及ぶ積層構造により緩衝される。
【0035】
次いで、外筒部2から吊り下げられるように支持された内端板11,12の宙吊り構造により、照明器具Lが落下方向と逆方向へ引っ張られて保持される。
【0036】
さらに、内側板3b,3cの突片13と外端壁19の切欠部14との係合により、保形性が向上し、段ボールの性質上、強度に優れた縦目となる突片13が折込片7に当接することと相俟って、段ボールが折曲部分で破れて宙吊り構造が失われる事態が防止され、緩衝性が確保されて、破損しやすい照明器具Lの端部が確実に保護される。
【0037】
なお、上記実施形態では、材料として厚手の段ボールを使用したため、外筒部2と内筒部3とを、周方向の寸法差にかかわらず折り曲げられるように、一箇所でのみ繋いだものを例示したが、段ボールが薄手である場合には、段ボールの潰れで周方向の寸法差を吸収できることから、角筒体1の開口側の角部となる部分を除き、外筒部2と内筒部3とが全体的に繋がったものとしてもよい。
【0038】
また、突片13を内側板3b,3cの端辺の片側に寄せて設けると共に、切欠部14を中端板10及び内端板11の両側辺の先端寄りに設けたが、突片13及び切欠部14は、それぞれ内側板3b,3cの端辺の中間部並びに中端板10及び内端板11の両側辺の中間部に設けてもよい。
【0039】
また、角筒部1として、四角筒状のものを例示したが、角筒部1は、外側板2b,2c及び内側板3c,3dをそれぞれ屈曲した複数の面から形成して、六角筒状や八角筒状のものとしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 角筒体
2 外筒部
2a〜2d 外側板
3 内筒部
3a〜3e 内側板
4 端壁部
5 繋部
6,7 折込片
8 外端板
9 額縁板
10 中端板
11,12 内端板
13 突片
14 切欠部
15,16 突起
17 係合穴
18 指掛部
19 外端壁
E,M 緩衝材
L 照明器具