特許第5969362号(P5969362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969362
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】直管ランプの包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/42 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   B65D85/42 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-257590(P2012-257590)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-104991(P2014-104991A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100151024
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 幸嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勲
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03892350(US,A)
【文献】 実開昭57−086982(JP,U)
【文献】 実開昭55−129621(JP,U)
【文献】 実公昭39−020534(JP,Y1)
【文献】 実開昭63−154425(JP,U)
【文献】 実開昭63−190028(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/42
B65D 81/02 − 81/17
B65D 85/30
B65D 5/32
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管ランプが挿入される四角筒状の周壁(1)を、その各面となる側板(2)を連設して形成した包装箱において、周壁(1)の端部に、一面の側板(2)の端辺を底辺として延出した三角形状の内端板(3)と、内端板(3)の底辺に対し傾斜する二辺から順次延出した斜支板(4)及び抑止片(5)と、他面の側板(2)の端辺から延出した外端板(8)とを備え、斜支板(4)及び抑止片(5)を、順次山折り及び谷折りして、内端板(3)を、対向する側板(2)の方向へ折り曲げ、周壁(1)の内面及び抑止片(5)で反発が抑制された両斜支板(4)を、合掌状態で対向する側板(2)の間に内在させると共に、直管ランプの口金の突出部分を、内端板(3)と両斜支板(4)とで形成される空間の内側に収容して、外端板(8)を閉じるようにしたことを特徴とする直管ランプの包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の直管ランプの包装箱において、直管ランプの長さ方向に二分割して、2つの半箱体(21,22)を連結する構成とし、一方の半箱体(21)には、他方の半箱体(22)との連結部となる端縁から周壁(1)の稜部にスリット(23)を入れ、両半箱体(21,22)の連結に際し、一方の半箱体(21)の周壁(1)をなす側板(2)が内側に撓んで、他方の半箱体(22)の周壁(1)に挿入されるようにしたことを特徴とする直管ランプの包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直管ランプの口金部分を保護して包装できる包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、直管ランプである蛍光灯の包装には、段ボールを折り曲げた四角筒状の包装材が使用されている。また、コンパクト型蛍光灯の包装箱として、下記特許文献1に記載されたようなものが知られている。
【0003】
この包装箱は、図11に示すように、コンパクト型蛍光灯61が挿入される四角筒状の周壁51を、その各面となる側板52を連設して形成し、対向する二面の側板52の上端辺を一方の等辺として、二等辺三角形状の内端板53を延出し、その等辺に対し傾斜する内端板53の一辺に保持片54を連設し、他の側板52の上端辺に外端板55及び差込片56を順次連設したものとされている。
【0004】
上記包装箱で蛍光灯61を包装する際には、蛍光灯61を周壁51の内部に挿入し、一対の内端板53を、対向する側板52の方向へ折り曲げると共に、保持片54を下方へ山折りして、一対の保持片54の間に口金62の突出部を挟み込み、外端板55を閉じ、差込片56を箱内に差し込んで封緘する。
【0005】
また、近年、商業ビルや公共施設等の照明用ランプとして、蛍光灯に代えて、省電力で長寿命の直管LEDランプが普及し始めている。
【0006】
このような直管LEDランプは、長大で重量があり、価格も相当高価であるため、口金には樹脂製キャップを装着した上で、四角筒状の段ボール製包装材に挿入し、横倒し状態での積上荷重や衝撃から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63−154425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、直管LEDランプの包装に際し、段ボール製の包装材だけでなく、樹脂製のキャップを使用すると、包装コストが高くつくため、特許文献1に記載されたような端部構造の包装箱を使用し、口金の保護を図ることが考えられる。
【0009】
しかしながら、この包装箱では、横倒し状態で積み上げると、保持片54が支柱として機能しないことから、周壁51の端部が変形して、口金に大きな荷重が作用し、口金が破損するおそれがある。
【0010】
また、110W型蛍光灯に相当する直管LEDランプは、長さが約2500mmあり、これを周壁の端面から挿入しようとすると、5m以上の作業スペースが必要となることから、作業場所の確保が難しく、作業にも慎重を要するという問題もある。
【0011】
そこで、この発明は、樹脂製キャップを使用することなく、直管LEDランプ等の口金を大きな荷重から保護でき、包装作業も容易に行うことができる包装箱を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明は、直管ランプが挿入される四角筒状の周壁を、その各面となる側板を連設して形成した包装箱において、周壁の端部に、一面の側板の端辺を底辺として延出した三角形状の内端板と、内端板の底辺に対し傾斜する二辺から順次延出した斜支板及び抑止片と、他面の側板の端辺から延出した外端板とを備え、斜支板及び抑止片を、順次山折り及び谷折りして、内端板を、対向する側板の方向へ折り曲げ、周壁の内面及び抑止片で反発が抑制された両斜支板を、合掌状態で対向する側板の間に内在させると共に、直管ランプの口金の突出部分を、内端板と両斜支板とで形成される空間の内側に収容して、外端板を閉じるようにしたのである。
【0013】
また、前記包装箱を、直管ランプの長さ方向に二分割して、2つの半箱体を連結する構成とし、一方の半箱体には、他方の半箱体との連結部となる端縁から周壁の稜部にスリットを入れ、両半箱体の連結に際し、一方の半箱体の周壁をなす側板が内側に撓んで、他方の半箱体の周壁に挿入されるようにしたのである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る直管ランプの包装箱では、三角形状の内端板から延びる両斜支板が周壁の内面及び抑止片により拡がることなく抑えられ、周壁の端部内でトラス状の構造をなす支柱として機能し、周壁の端部の外周方向からの耐圧強度が強化されるので、内端板と両斜支板とで形成される空間内に収容した口金の突出部分は、横倒し状態での積上荷重や衝撃から確実に保護される。
【0015】
また、直管ランプの長さ方向に二分割した一方の半箱体の周壁稜部にスリットを入れると、その部分の側板を内側へ撓ませつつ、スムーズに他方の半箱体の周壁に挿入して、半箱体同士を連結することができ、直管ランプが非常に長いものであっても、広い作業スペースを要することなく、容易に包装作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明に係る包装箱による直管LEDランプの包装状態を示す斜視図
図2】同上の包装過程を示す半箱体の分割斜視図
図3】同上の各半箱体のブランクを示す図
図4】同上の端部拡大図
図5】同上の包装過程を示す端部拡大斜視図
図6】同上の包装過程を示す端部拡大斜視図
図7】同上の包装状態を示す端部拡大斜視図
図8図7のVIII−VIII線に沿った切断端面図
図9】同上の半箱体の連結過程を示す部分拡大斜視図
図10】同上の連結状態を示す部分拡大斜視図
図11】従来のコンパクト型蛍光灯の包装箱を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
この包装箱は、図1に示すように、110W型蛍光灯に相当する直管LEDランプ31を包装する段ボール箱であり、図2に示すように、直管LEDランプ31の長さ方向に二分割されて、外周寸法が等しい2つの半箱体21,22を連結する構成とされている。
【0019】
直管LEDランプ31は、JEL801規格に準拠したものであり、両端部に口金32を有し、一端側の口金32からは、1本の接地ピンが突出し、他端側の口金32からは、2本の給電ピンが突出している。
【0020】
上記半箱体21,22は、図3及び図4に示すようなブランクから形成される。半箱体21,22のブランクでは、四角筒状の周壁1の各面となる側板2が長辺の折目線を介して5列ずつ連設されている。各ブランクが5列の側板2を有するのは、組立時に周壁1の一面で端列の側板2同士を重ね合わせるためである。
【0021】
各ブランクの組立時に重なり合う側板2のうち、一方の側板2は、他の側板2より短くなっており、その一端が半箱体21,22の連結時のストッパ縁2aとされている。
【0022】
包装箱の両端部となる各ブランクの端部において、組立時に重なり合う側板2のうち、内側となる側板2の端辺には、その端辺を底辺とする二等辺三角形状の内端板3が連設され、内端板3の底辺に対し傾斜する二辺には、斜支板4及び抑止片5が順次連設されている。内端板3と斜支板4の境界及び斜支板4と抑止片5の境界の罫線は、折曲抵抗を軽減するため、切目を断続的に入れたリード罫とされている。
【0023】
また、組立時に重なり合う側板2のうち、外側となる側板2の端辺には、基部の一側が斜めに切断された中端板6が連設され、これに隣り合う側板2の端辺には、台形状の中端板7が連設されている。
【0024】
さらに、内端板3が繋がる側板2に対して組立時に対向する側板2の端辺には、正方形状の外端板8が連設され、外端板8の一側に封止片9が連設されている。
【0025】
各ブランクの一方の端列の側板2には、差込片10が突設され、他方の端列の側板2には、これに隣り合う側板2との稜部に沿って、コ字状の切込による差込穴11が設けられている。各ブランクの側板2同士の稜部には、折曲抵抗を軽減するため、弧状の切目12が入れられている。
【0026】
半箱体21のブランクには、半箱体22と連結される周壁1の稜部に、スリット23となる切込が形成され、差込穴11と同じ稜部に、コ字状の切込による差込穴24が設けられている。そして、この端部側の側板2の角部は、斜めに切断されている。また、半箱体22のブランクには、連結側となる端部に連結ロック片25が設けられている。
【0027】
上記のようなブランクを図1に示す形状に組み立てて、直管LEDランプ31を包装するには、図2に示すように、半箱体21,22の側板2を巻き込むように折り曲げ、端列の側板2同士を重ね合わせて、四角筒状の周壁1を形成し、差込片10を差込穴11に差し込んで、周壁1を保形する。
【0028】
次に、包装箱の一端となる半箱体21の端部を閉じて、直管LEDランプ31を接地側の口金32からその周壁1に挿入し、続いて、直管LEDランプ31を給電側の口金32から半箱体22の周壁1に挿入し、半箱体21,22を連結して、包装箱の他端となる半箱体22の端部を閉じる。
【0029】
この際、包装箱の両端となる半箱体21,22の各端部を閉じるには、まず、図5に示すように、内端板3から斜支板4を、段ボールの表面側が凸状となるように山折りし、斜支板4から抑止片5を、段ボールの表面側が凹状となるように谷折りする。
【0030】
次に、図6に示すように、内端板3を、対向する側板2の方向へ折り曲げると、抑止片5が口金32の端面に当接し、周壁1の内面及び抑止片5で両斜支板4の反発が抑制されて、両斜支板4が合掌状態で対向する側板2の間に内在した状態となる。
【0031】
これにより、直管LEDランプ31の口金32の突出部分は、内端板3と両斜支板4とで形成される空間の内側に収容されるので、その状態で、図7及び図8に示すように、中端板6,7を折り曲げ、外端板8を閉じ、封止片9を箱内に差し込んで封緘する。なお、図5乃至図8は、半箱体22の端部について図示している。
【0032】
そして、このように包装箱の両端部を閉じると、両斜支板4は、周壁1の端部内でトラス状の構造をなす支柱として機能し、周壁1の端部の外周方向からの耐圧強度が強化されるので、内端板3と両斜支板4とで形成される空間内に収容した口金32の突出部分は、横倒し状態での積上荷重や衝撃から確実に保護される。
【0033】
また、周壁1が平行四辺形状となるような変形も阻止されるので、封止片9の抜け出しが防止され、テープ貼りによる封緘も不要となる。
【0034】
一方、半箱体21,22を連結するには、図9及び図10に示すように、半箱体21のスリット23及び差込穴24を有する端部の側板2を、半箱体22の連結ロック片25を有する端部の周壁1の内部に挿入する。
【0035】
このとき、半箱体21の側板2は、角部が斜めに切断されているので、半箱体22の周壁1の内部へ誘導され、また、周壁1の稜部にスリット23が入れられていることから、周壁1の外周径が小さくなるように、側板2を内側へ撓ませることができ、スムーズに半箱体22の周壁1に挿入することができる。
【0036】
そして、半箱体21,22のストッパ縁2a同士が当接することにより、半箱体21の半箱体22への挿入が規制され、包装箱は、直管LEDランプ31の長さに対応した所定の寸法となり、差込穴24に連結ロック片25を差し込むことにより、半箱体21,22は、連結状態で固定される。
【0037】
このような連結構造とすると、半箱体21の半箱体22への挿入部分により、包装箱の曲げ剛性が確保され、ストッパ縁2aを有する一面でのみ側板2が二重となり、周壁1の他の面では側板2が一重となっていることから、段ボールのごわつき感が抑制される。
【0038】
また、包装箱を直管LEDランプ31の長さ方向に二分割したことから、直管LEDランプ31が非常に長いものであっても、広い作業スペースを要することなく、容易に包装作業を行うことができる。
【0039】
そのほか、段ボールの抜型をコンパクト化することができるため、包装箱の製造コストを抑制でき、直管LEDランプを製造するメーカーへの輸送コスト等も抑制できる。
【0040】
なお、上記実施形態では、110W型蛍光灯に相当する長い直管LEDランプ31を包装するものについて例示したことから、直管LEDランプ31の長さ方向に二分割した構成としているが、20W型や40W型蛍光灯に相当する短い直管LEDランプを包装する場合には、二分割した構成とする必要はない。
【0041】
また、直管LEDランプを包装する場合について例示したが、上記のような包装箱は、従来の直管型蛍光灯の包装にも使用することができる。
【0042】
また、包装箱の両端部に、口金を保護する緩衝固定構造を有するものを例示したが、一方の端部にのみ口金を有するコンパクト型蛍光灯等の包装に使用する場合には、包装箱の一方の端部にのみ緩衝固定構造を有するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 周壁
2 側板
2a ストッパ縁
3 内端板
4 斜支板
5 抑止片
6,7 中端板
8 外端板
9 封止片
10 差込片
11 差込穴
12 切目
21,22 半箱体
23 スリット
24 差込穴
25 連結ロック片
31 直管LEDランプ
32 口金
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11