特許第5969396号(P5969396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969396通路の有効穴部を狭めるため通路に配置された突出部を備える注射装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969396
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】通路の有効穴部を狭めるため通路に配置された突出部を備える注射装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   A61M5/32 510K
   A61M5/32 500
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-555496(P2012-555496)
(86)(22)【出願日】2011年3月4日
(65)【公表番号】特表2013-521035(P2013-521035A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】GB2011050433
(87)【国際公開番号】WO2011107805
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2014年1月8日
(31)【優先権主張番号】61/312,342
(32)【優先日】2010年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1003667.1
(32)【優先日】2010年3月5日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501410160
【氏名又は名称】オウエン マンフォード リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ビックネル
(72)【発明者】
【氏名】アラン ピール
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/081133(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0036216(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0326477(US,A1)
【文献】 特表2009−511177(JP,A)
【文献】 特表2008−510547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20− 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(10)と、
前方端でニードル(50)を有するシリンジ(12)と、
後端から前端まで延びる通路(16)を画成する1又は複数の壁と、
を具備し、
前記シリンジ(12)が、前記通路に対し、前記ニードルの前方先端が前記通路によって包囲されるように前記通路の前端の後方で通路の内部に位置せしめられる後方の後退位置と、前記ニードルの前方先端が前記通路の前記前端から延出する前方の延出位置と、の間を通過することのできる注射装置であって、
前記通路が、その内部に、前記通路の有効断面を狭めるため前記通路の前端と後端との間の中間位置で前記通路の前記壁から内方に突出する複数の横突出部(26、28、34)を有しており、
少なくともいくつかの前記横突出部が、前記通路の前記前方端に向かって内方に傾斜する弾性的に偏向可能な部分(28)を有しており、
前記弾性的に偏向可能な部分の少なくとも前端は、シリンジがその後方後退位置にあるときにニードルの先端の前方に位置する注射装置。
【請求項2】
前記通路の前記前方端の前記有効断面の横断寸法が、シリンジの容器の径よりも小さく、それによって少なくともいくつかの前記横突出部が係合し、前記シリンジにおいて前記シリンジが所定の前方位置を越えて前方移動するときの制動効果として機能する請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記通路の前記壁が、前記本体部(10)に対して相対運動可能なニードルカバー要素(16)を具備する請求項1又は請求項2のいずれか1つに記載の注射装置。
【請求項4】
前記シリンジ(12)が前記本体部に対して後方位置から前方位置へと相対運動可能な請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の注射装置。
【請求項5】
前記シリンジ(12)が、シリンジニードルを覆うと共に前記ニードルを露出させるために長手方向に引き出し可能なブート要素(52)を有し、
当該注射装置が、最初に当該注射装置の前端の少なくとも一部を覆うと共に前記ブート(52)を引き出すため長手方向に取り外し可能である取り外し可能なキャップ(38)を更に有する、
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の注射装置。
【請求項6】
前記ブート要素(52)が、前記通路(16)の後方端内でクリアランスを有しながら受容可能でありつつも前記通路の前記前方端の前記有効断面よりも大きいが、前記偏向可能な部分(28)の変形によって通過することができる外部最大横断寸法を有する請求項5に記載の注射装置。
【請求項7】
前記キャップ(38)が、当該キャップが初期位置にあるときに前記通路を通して後方に延出して前記ブート(52)に係合する複数の指部(46)を有する請求項5又は請求項6のいずれか1つに記載の注射装置。
【請求項8】
前記キャップ(38)において前記指部(46)が、前記通路の長手方向軸線周りに環状方向に前記突出部(26)と交互に並ぶ請求項7に記載の注射装置。
【請求項9】
前記横突出部(26)及び前記指部(46)が、クリアランスを有しながら前記ブート要素(52)の外部表面を覆う後方の略円筒表面を共に画成する内部弓形表面をそれぞれ有する請求項8に記載の注射装置。
【請求項10】
前記通路が、前記キャップが取り外されるとき前記キャップの前記複数の指部(46)の外部面に係合するための支持表面(34)を有する請求項5から請求項9のいずれか1つに記載の注射装置。
【請求項11】
注射装置であって、
本体部(10)と、
前方端でニードル(50)を有するシリンジ(12)と、
前記ニードルを覆うブート(52)と、後端から前端まで延びる通路(16)を画成する1又は複数の壁であって、前記シリンジ(12)が、前記ニードル(50)の前方先端が前記通路によって包囲されるように前記通路の前端の後方で通路の内部に位置せしめられる後方の後退位置と、前方先端が前記通路の前記前方端から延出する前方の延出位置と、の間を通過することのできる前方の延出位置と、の間を通過することのできる1又は複数の壁と、
前記通路が、その内部に、有効断面を狭めるため前記通路の前端と後端との間の中間位置で前記通路の前記壁から内方に突出している複数の延在する横突出部(26、28)と、
当該注射装置の前端において初期配置されるキャップ(38)であって、当該キャップが初期位置にあるときに前記通路を通して後方に延出して前記ブート(52)に係合する複数の延在する指部(46)を有する取り外し可能な前記キャップ(38)と、を具備する注射装置において、
前記指部(46)が前記横突出部(26)に対し環状に離散配置されている注射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注射装置に関するものであり、特に限定するものではないが、自動注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器において、シリンジ又はカートリッジ(以下、共に概してシリンジとして参照される)は、本体に取付けられており、且つ、装置が肌に対して固定されて発射されるとき、ニードルを注射部へと移動させるためシリンジが前方に移動させられ、次いでシリンジプランジャーが投薬のため前進させられるための駆動機構が設けられている。薬剤吐出後、シリンジを自動注射器本体内へと後退させることによって、又は、ニードルカバーを本体の前部から延出させて拘束することによって装置の安全を確保することが公知であり、それぞれの場合において、ニードルを、包囲通路内で包囲する。使用前、ニードルは無菌状態を維持し、薬剤の蒸発を防ぎ、且つ、自動注射器の組立てを容易とするためにブートによって概して覆われ、ブートは、注射の準備のためニードルから前方に取り外される。こうした設計において、ブートを包囲通路から取り外す必要があり、ここが設計者にとって要求が競われる所となる。ブートが取り外されることを可能とするため、包囲通路は、ブートの径及びブートの把持部と係合するいかなる取り外すべき要素の径をも収容するため、十分に広くなければならない。他の設計考察は、ブートの最大径が、概して5mmから11mmとなり得るシリンジ容器の外径と等しいことが多いことを示す。逆に、安全考察は、小さな子どもがニードルを覆う包囲通路の開口端に指を押し込むことを防ぐために通路の穴が十分に狭く、針刺し負傷を防止することを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ブートが取り外されることを可能としつつも包囲通路において狭められた有効開口部を有することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ニードルから軸線方向にブートが取り出される設計のための、特定の説明がなされたが、ブートがない場合にニードルへの接触を防ぐいくつかの類似の考察が、概して適用されている。
【0005】
従って、本発明に係る1つの態様において、本体部と、前方端でニードルを有するシリンジと、該シリンジに対して延在する通路を画成する1又は複数の壁と、を具備し、そのシリンジが、そのニードルの前方先端がその通路によって包囲された後方の後退位置と、その前方先端がその通路の前方端から延出する前方の延出位置と、の間を通過することのできる注射装置であって、その通路が、該通路の有効断面を狭めるためその通路の壁から内方に突出する複数の横突出部を有しており、少なくともいくつかのその横突出部が、その通路の前方端に向かって内方に傾斜する弾性的に偏向可能な部分を有する注射装置が提供されている。
【0006】
この方法において、反対方向における対象物の移動が、通路の有効穴部を広げるべく突出部を外方に変更させる一方で、弾性的に偏向可能な部分は、通路の有効穴部を狭め、それらの傾きの角度は、前端から通路に近づくよう押しこむことによって突出部の弾性的偏向部と接触され、それによって更に通路の有効径を狭めることを意味する。「有効」穴という用語は、所定の方向において通路を通ることのできる対象物の最大径を意味して使用される。
【0007】
有効穴部が、わずかにシリンジの容器の径より小さければ好適であり、それによって少なくともいくつかの突出部が、シリンジに係止し、シリンジが所定の前方位置を越えて前方移動するときに、制動効果を発揮する。例として、自動注射器において、例えばシリンジ容器の後方のフランジが壊れたとき、シリンジが穿通工程の際、予定した前方位置を越えて前方に飛び出す、予期せぬ事態に備えることが要求され得る。
【0008】
通路のため多くの様々な構成があり、シリンジが注射後に自動注射器本体へと後退する設計において、通路は簡易的に自動注射器本体の前方にあってもよい。別の構成において、通路の壁は、本体部に対して相対運動可能なニードルカバー要素を具備してもよい。
【0009】
本発明は、ニードルカバーがシリンジ及び本体部に対して相対運動可能で、本体部に対してシリンジが固定された場合において使用されてもよいが、シリンジが、本体部に対して後方位置から前方位置へと相対運動可能であれば好適である。
【0010】
構成の1つの形式において、シリンジは、使用前にニードルを覆うと共にニードルを露出させるために長手方向に取り外し可能な、ブート要素を有してもよい。この場合において、装置は、最初に装置の前端の少なくとも一部を覆うと共にブートを取り外すために長手方向に取り外し可能な、キャップを好適に有する。
【0011】
好適には、ブートはその通路の後方端の間隙に適合しつつも、その偏向可能な部分の変形によってのみ前方端を通過できる外径(最大横断寸法)を有する。
【0012】
好適には、キャップは、キャップが初期位置にあるときブートと係止するため通路の後方に延在する、複数の指部を有する。
【0013】
好適には、キャップが初期位置にあるとき、キャップの指部は、通路において通路の長手方向軸線周りに環状となるように、突出部と交互に並ぶ。好適には、それらは、共に間隙でブート要素の外部表面を覆う、後方の概円筒表面を画成し、キャップを係止するための把持領域を設けるために更に指部を延出させる。好適には、通路はキャップが取り外されるときキャップの複数の指部の外部表面に係止するための支持表面を有し、それによって、キャップが取り外されるときにキャップの指部が広がるのを防ぐ。
【0014】
本発明に係る別の態様によれば、注射装置であって、本体部と、前方端でニードルを有するシリンジと、当該ニードルを覆うブートと、そのシリンジに対して延在する通路を画成する1又は複数の壁であって、そのシリンジが、そのニードルの前方先端がその通路によって包囲された後方の後退位置と、その前方先端がその通路の前方端から延出する前方の延出位置と、の間を通過することのできる1又は複数の壁と、その通路の有効断面を狭めるためその通路の壁から内方に突出している複数の延在する横突出部と、当該注射装置の前端において初期配置されるキャップであって、当該キャップが初期位置にあるときにその通路を通して後方に延出してそのブートに係合する複数の延在する指部を有する取り外し可能なキャップと、を具備する注射装置において、その指部がその横突出部に対し環状に離散されている注射装置が提供されている。
【0015】
従って、有効穴部を画成する横突出部が、キャップ指部と環状に交互に並び得るとき、キャップ指部を包囲通路に延在させる要求は、拡大された有効穴部を必要としない。
【0016】
ここまで本発明が説明されてきたが、本発明は前述した特徴又は以下の説明又は請求項の任意の発明的組合せに拡張することができる。
【0017】
本発明は様々な方法において実現されてもよく、ここで、例示にすぎないが、その実施形態図を参照にしつつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1(a)】本発明に係る自動注射器機構の側面図である。
図1(b)】前端の詳細図である。
図2】分解時のキャップ及びニードルカバーを示す断面の詳細図である。
図3図2と類似しつつもニードルカバーと組立てられたキャップを有する図である。
図4(a)】初期位置のキャップ及びブートを備えたときの装置の前端の断面図である。
図4(b)】図4(a)と類似しつつもキャップ及びブートを取り外し、カバーが後退位置にある図である。
図4(c)】図4(b)と類似しつつも突出位置にあるシリンジを示す図である。
図5(a)】供給されるときの状態にあるキャップ及びブートを示す装置の前端の等角断面図である。
図5(b)】明確化のため取り外されたブートを除いて、図5(a)と類似した図である。
図5(c)】キャップ及びブートが取り外された図である。
図5(d)】突出位置にあるシリンジを有する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に図1について説明すると、自動注射器の実施形態は、ニードルをハウジングの前端14を越えて注射部を穿通するべく突出させるため、発射時にハウジング内に含まれるシリンジを前方に押し出し、その後投薬するためにピストンをシリンジ内で駆動する、駆動機構(図示せず)を含む本体部10を具備する。ニードルカバー16は、図1に示された延出位置と、ハウジングの端部と略同一平面となる後退位置(例えば図4及び図5)との間の移動のため本体に伸縮自在に取付けられている。ニードルカバー16は、前方付勢されており、注射前にはばねの付勢力に抗して自由に動かすことができるが、注射後にはニードルに触れてしまうことを防ぐため、図1に示された位置において拘束される。
【0020】
ここで図2について説明すると、ニードルカバーは、注射の完了時に延出位置においてカバー16を拘束するため、本体部10内で更なる機構(図示せず)と協働する2つの後方分岐したアーム18を有する、略円筒形状をしている。この実施形態において、カバーは、一体化したプラスチック成形品で形成されている。円筒部の内部表面において、わずかに縮径された内部環状領域20が画成されている。環状領域の後方に、カバーを前方に押し出す圧縮ばね(図示せず)のため、それぞれ保持及び案内として機能する環状溝22及び4つの等間隔弓状表面24が画成されている。環状領域の前方に、4つの横突出部26が長手方向に延出している。それらの全長の最初の部分であるため、突出部26は円筒部の内部表面27と一体化されているが、それらの前方端28は、円筒表面に対して自由であり、それゆえ弾性的可撓性移動が可能となる。前方端28は、図示されたように通路の前方端に向かって内方に傾斜している。前方端は、概してヒンジ領域32周りでは可撓となるように、リブ30によって堅牢化されている。横突出部26間は、以下に説明するように、キャップにおいて指部46と協働する、長手方向案内リブ34である。従って、横突出部26の前方端28は、環状領域20の内径以下でありつつも、横突出部26の前方端によって画成される径よりも大きい外径の対象物が通路を前方へと通過でき、前方端28の可撓部において円筒部によって画成された通路から突出できるように設計されている。しかしながら、他の方向において、前方端28によって画成された径より大きな径を有するいかなる物も、前方端に接触し、内方に曲る傾向があり、それによって更に通路の径を小さくする。
【0021】
ここでキャップ38について説明すると、本実施形態において、キャップは対応する形状の自動注射器の本体部10の前方端に亘って摺動するために、楕円形の外部断面をしている。キャップは、平面の前端40及びチューブ状の楕円スカート42を有する。前端40において環状開口部44から後方に延出しているのは、後端において係止部48を有する4つの指部46である。それぞれの指部46は、図3の位置においてキャップ部が組立てられたとき、横突出部26の本体の内部表面と共に略円筒状の空間を画成する、弓形の内部表面を有する。指部46の外部表面は、カバーの内部表面上で、それぞれの案内リブ34に亘って摺動し、指部46の広がりに抗して拘束する。また、わずかに縮径された環状部20の内部表面は、ブート移動の初期段階の際、ブートに対してよりきつくするため、指部46を更に締め付ける。
【0022】
ここで、図4(a)から図4(c)及び図5(a)から図5(d)について説明すると、図4(a)及び図5(a)において、自動注射器の前端は供給されたときの状態を示されている。このように、シリンジのニードル50は、ニードルを無菌状態に保つため、シリンジの容器の前端において栓55周りをシールする柔軟ゴム材の挿入部54を有するブート52によって覆われている。この状態において、キャップ38の指部46の係止部48は、ブート52の後端において後方に面する肩部の背部に係止し、前述した環状領域20によって与えられる締め付けによって、径方向外側移動に対して拘束される。
【0023】
注射の準備のため、キャップ38は前方に摺動され、ハウジング10の前端で取り外され、その際、ブート52は、シリンジニードル50から引き外される。
【0024】
キャップを取り外すと、ニードルカバー16を圧縮ばねの影響下で前方へ移動させることも可能となる。しかしながら、カバーは、装置が注射の準備のため注射部に対して押されたとき、図4(b)及び図5(c)に示されるように、ばねに抗してハウジング内へと後退することができる。しかしながら、安全のため、子供が指をニードルカバー内に押し込めず、ニードルに接触できないことを確実とすることも重要である。従って、横突出部26の前端28は、ブート52が通路を前方へと通過し、取り外され得ることを可能とするため、少し拡張することもできるが、それから小さな穴部を画成する、より小さな径に戻り、且つ穴部に指先を入れようと試みると、更に閉じようとするように設計されている。
【0025】
更に、図4(c)及び図5(d)に示されたように、前方端28も穿通段階の際、シリンジが突出しすぎてしまう予期せぬ事態において重要な安全機能の役割を果たす。これは、例えばシリンジ容器の後端のフランジが壊れたときに生じうる。これは、シリンジ移動が遅められ、横突出部の内方に向けられた前方端28に拘束され、それによってシリンジ12が装置に保持されることによって生じる。
【0026】
必要であれば、自由端28の弾性的可撓性移動は、装置が長時間保管された場合に再度生じうるプラスチックのクリープを抑制するため、例えば金属製ばね材料からなる、止め輪又は同等品によって補強されてもよい。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】