特許第5969399号(P5969399)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969399ダミー識別子を利用した信号により通信を起動させる無線アクセスポイント、通信起動プログラム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969399
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ダミー識別子を利用した信号により通信を起動させる無線アクセスポイント、通信起動プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20160804BHJP
【FI】
   H04W52/02
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-2569(P2013-2569)
(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-135638(P2014-135638A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141313
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 富彦
(72)【発明者】
【氏名】今田 諭志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幹
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−175544(JP,A)
【文献】 特開2013−85087(JP,A)
【文献】 特開2013−207319(JP,A)
【文献】 近藤 良久,外6名,無線LAN信号を用いたオンデマンドウェイクアップ方式,電子情報通信学会技術研究報告 ネットワークシステム(NS2010-185),2011年 2月24日,Vol.110,No.448,第123ページ〜第128ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線インタフェースを備えた無線アクセスポイントであって、
当該無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成するダミー識別子生成手段と、
生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ(Wake-up)信号長を設定する信号長設定手段と、
当該無線端末に対し、生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録させるために当該ダミー接続先識別子を提示するダミー識別子提示手段と、
受信された信号全体の信号長が、設定された当該ウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた前記無線インタフェースにおける少なくとも該受信信号処理機能を起動させるインタフェース制御手段と
を有することを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項2】
当該無線端末から予め受信した接続問い合わせ要求信号における接続先識別子分を除く信号長を取得する固定長取得手段を更に有しており、
前記信号長設定手段は、取得された接続先識別子分を除く当該信号長と、生成された当該ダミー接続先識別子とに基づいて、少なくとも1つの当該接続問い合わせ要求信号全体のダミー総信号長を算出し、該ダミー総信号長と、接続に際して当該無線端末から本来送信される接続問い合わせ要求信号の信号長とを含む長さをウェイクアップ信号長として設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線アクセスポイント。
【請求項3】
前記無線インタフェースに対し、当該ダミー接続先識別子を含む標識信号を送信させて当該ダミー接続先識別子毎に当該無線端末との間で通信接続を行わせることにより、当該無線端末に当該ダミー接続先識別子を登録させるダミー識別子登録手段
を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線アクセスポイント。
【請求項4】
前記ダミー識別子提示手段は、当該無線端末に搭載されたウェブブラウザ(Web browser)に対し、生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子の情報をウェブページ(Web page)上に提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線アクセスポイント。
【請求項5】
当該無線端末との接続に必要な情報を表示可能な表示部を更に備えており、
前記ダミー識別子提示手段は、前記表示部に、生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子の情報を表示させる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の無線アクセスポイント。
【請求項6】
少なくとも1つの当該接続問い合わせ要求信号全体を含む信号を受信可能な無線ネットワーク信号受信部を更に備えており、
前記インタフェース制御手段は、前記無線ネットワーク信号受信部によって受信された信号全体の信号長が、設定された当該ウェイクアップ信号長と一致した際、停止させられた前記無線インタフェースを起動させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の無線アクセスポイント。
【請求項7】
当該無線端末から予め受信した接続問い合わせ要求信号における接続先識別子分を除く信号長を取得する固定長取得手段を更に有しており、
前記ダミー識別子生成手段は、ランダムに選択された1つの自然数αに対し、接続問い合わせ要求信号の数と、各接続問い合わせ要求信号に含まれるダミー接続先識別子の桁数とを一意に決定し、その際、取得された接続先識別子分を除く当該信号長と、当該接続問い合わせ要求信号の数が2以上である場合に当該接続問い合わせ要求信号の間隔とを考慮して、少なくとも1つの当該接続問い合わせ要求信号全体のダミー総信号長を算出する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の無線アクセスポイント。
【請求項8】
無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線インタフェースを備えた無線アクセスポイントに搭載されたコンピュータを機能させる無線通信起動プログラムであって、
当該無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成するダミー識別子生成手段と、
生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ信号長を設定する信号長設定手段と、
当該無線端末に対し、生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録させるために当該ダミー接続先識別子を提示するダミー識別子提示手段と、
受信された信号全体の信号長が、設定された当該ウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた前記無線インタフェースにおける少なくとも該受信信号処理機能を起動させるインタフェース制御手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする無線通信起動プログラム。
【請求項9】
無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線アクセスポイントの無線インタフェースを起動させる無線通信起動方法であって、
当該無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成する第1のステップと、
生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ信号長を設定する第2のステップと、
当該無線端末に対し、生成された少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録させるために当該ダミー接続先識別子を提示する第3のステップと、
受信された信号全体の信号長が、設定された当該ウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つの当該ダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた前記無線インタフェースにおける少なくとも該受信信号処理機能を起動させる第4のステップと
を有することを特徴とする無線通信起動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器のウェイクアップ機能に係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)といったユーザインタフェース装置の多くは、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)を介して、種々の情報・サービスを取得又は提供可能になっている。特に、現在、モバイルルータや、テザリング(tethering)機能を備えたスマートフォン等が広く普及しており、生活の様々な場面においてインターネットを利用する際にも無線LANが頻繁に使用されている。
【0003】
無線LANを構築する通信機器は、通常、いつ何時でも情報・サービスをユーザに提供し得るように受信待機状態をとる。ここで、受信待機電力は現状相当に大きく、このことが、特に電池駆動の通信機器における電池持続時間を押し下げる原因となっている。
【0004】
この問題に対処する省電力化技術として、例えば、特許文献1には、無線通信端末からのプローブ要求(probe request)を無線LANを介して受信することによって、省電力モードから復帰する中継装置が開示されている。ここで、予め省電力モードを作動させておくことにより、受信待機状態での消費電力低減を図っている。
【0005】
また、特許文献2には、ウェイクアップ電波検知部を備え、無線アクセスポイント(AP)からのウェイクアップ電波を受信することによって自らのスリープ状態を解除する無線LAN端末が開示されている。さらに、非特許文献1には、スリープ中のAPに対し、無線LAN信号のフレーム長を利用したウェイクアップ信号を送信し、所望のAPのみを起動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−34179号公報
【特許文献2】特開2011−40988号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】近藤良久、四方博之、湯素華、岩井優仁、田中利康、筒井英夫、小花貞夫、「無線LAN信号を用いたオンデマンドウェイクアップ方式」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.110、No.448、NS2010-185、123-128ページ、2011年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来のウェイクアップ技術を無線LANのAPに適用したとしても、APの省電力化を十分に達成しようとすると、ウェイクアップ信号によるAPの誤起動の問題が生じてしまう。
【0009】
例えば、特許文献1のウェイクアップ技術では、受信するAP側において、プローブ要求に含まれるSSIDやセキュリティコードといった受信データを識別する信号処理を実行せねばならない。このため、ウェイクアップ信号待ち受け時の消費電力は相当に大きくなってしまう。
【0010】
一方、非特許文献1のウェイクアップ技術を適用し、APが受信するウェイクアップ信号のフレーム長をAPのスリープ解除要件とすると、確かに、受信信号処理の必要がないので、待ち受け時の消費電力を低減し得る。しかしながら、この場合、スリープ解除条件として設定された所定のフレーム長と同一のフレーム長を有する信号ならば、APを起動させてしまう。
【0011】
特に、現在、様々な無線LAN環境において、APと接続可能な無線端末の数が急増している。このような状況下では、同一のフレーム長を有する信号が飛び交うことは十分に想定されるため、単にフレーム長をスリープ解除の要件とすると、本来起動する必要のないAPが起動してしまう問題が相当深刻になり得る。
【0012】
また、特許文献2の技術のように、ウェイクアップ信号を、無線LANとは異なる特定の小電力無線通信方式による電波とすることも可能であるが、この場合、送受信側双方に、ウェイクアップ信号用のハードウェアが必要となってしまう。
【0013】
そこで、本発明は、ウェイクアップ信号待ち受け時の省電力化を図りつつ、ウェイクアップ信号による不要な通信機能の起動を抑制可能な無線AP、無線通信起動プログラム及び無線通信起動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線インタフェースを備えた無線アクセスポイント(AP)であって、
無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成するダミー識別子生成手段と、
生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ(Wake-up)信号長を設定する信号長設定手段と、
無線端末に対し、生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録させるためにダミー接続先識別子を提示するダミー識別子提示手段と、
受信された信号全体の信号長が、設定されたウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた無線インタフェースにおける少なくとも受信信号処理機能を起動させるインタフェース制御手段と
を有する無線APが提供される。
【0015】
この本発明による無線APの一実施形態として、無線APが、無線端末から予め受信した接続問い合わせ要求信号における接続先識別子分を除く信号長を取得する固定長取得手段を更に有しており、
信号長設定手段は、取得された接続先識別子分を除く信号長と、生成されたダミー接続先識別子とに基づいて、少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体のダミー総信号長を算出し、このダミー総信号長と、接続に際して無線端末から本来送信される接続問い合わせ要求信号の信号長とを含む長さをウェイクアップ信号長として設定することも好ましい。
【0016】
また、本発明による無線APの他の実施形態として、無線インタフェースに対し、ダミー接続先識別子を含む標識信号を送信させてダミー接続先識別子毎に無線端末との間で通信接続を行わせることにより、無線端末にダミー接続先識別子を登録させるダミー識別子登録手段を更に有することも好ましい。
【0017】
さらに、本発明の無線APにおけるダミー識別子提示手段は、無線端末に搭載されたウェブブラウザ(Web browser)に対し、生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子の情報をウェブページ(Web page)上に提示することも好ましい。
【0018】
また、本発明による無線APの他の実施形態として、無線APが、無線端末との接続に必要な情報を表示可能な表示部を更に備えており、
ダミー識別子提示手段は、表示部に、生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子の情報を表示させることも好ましい。
【0019】
さらに、本発明による無線APの他の実施形態として、無線APが、少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体を含む信号を受信可能な無線ネットワーク信号受信部を更に備えており、
インタフェース制御手段は、無線ネットワーク信号受信部によって受信された信号全体の信号長が、設定されたウェイクアップ信号長と一致した際、停止させられた無線インタフェースを起動させることも好ましい。
【0020】
また、本発明による無線APの他の実施形態として、無線APが、無線端末から予め受信した接続問い合わせ要求信号における接続先識別子分を除く信号長を取得する固定長取得手段を更に有しており、
ダミー識別子生成手段は、ランダムに選択された1つの自然数αに対し、接続問い合わせ要求信号の数と、各接続問い合わせ要求信号に含まれるダミー接続先識別子の桁数とを一意に決定し、その際、取得された接続先識別子分を除く信号長と、接続問い合わせ要求信号の数が2以上である場合に接続問い合わせ要求信号の間隔とを考慮して、少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体のダミー総信号長を算出することも好ましい。
【0021】
本発明によれば、さらに、無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線インタフェースを備えた無線APに搭載されたコンピュータを機能させる無線通信起動プログラムであって、
無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成するダミー識別子生成手段と、
生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ信号長を設定する信号長設定手段と、
無線端末に対し、生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録させるためにダミー接続先識別子を提示するダミー識別子提示手段と、
受信された信号全体の信号長が、設定されたウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた無線インタフェースにおける少なくとも受信信号処理機能を起動させるインタフェース制御手段と
してコンピュータを機能させる無線通信起動プログラムが提供される。
【0022】
本発明によれば、さらにまた、無線端末が接続される無線ネットワークに接続可能な無線APの無線インタフェースを起動させる無線通信起動方法であって、
無線端末に登録させる少なくとも1つのダミー接続先識別子を生成する第1のステップと、
生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号全体の信号長であるダミー総信号長に基づいて、ウェイクアップ信号長を設定する第2のステップと、
無線端末に対し、生成された少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録させるためにダミー接続先識別子を提示する第3のステップと、
受信された信号全体の信号長が、設定されたウェイクアップ信号長と一致した際、送信元は少なくとも1つのダミー接続先識別子を登録した無線端末であるとして、少なくとも受信信号処理機能を停止させられた無線インタフェースにおける少なくとも受信信号処理機能を起動させる第4のステップと
を有する無線通信起動方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の無線AP、無線通信起動プログラム及び無線通信起動方法によれば、ウェイクアップ信号待ち受け時のAPの省電力化を図りつつ、ウェイクアップ信号による不要な通信機能の起動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による無線アクセスポイントを用いた無線ネットワークシステムの構成図、及びウェイクアップ信号による起動を説明するための概略図である。
図2】スマートフォン1の一実施形態を示す機能構成図である。
図3】本発明の無線通信起動方法における、ダミー接続先識別子を無線端末に登録させる部分の一実施形態を示すシーケンス図である。
図4】ダミーSSIDを利用したウェイクアップ信号(プローブ要求群)の一実施形態を示す概略図である。
図5】本発明に係るダミーSSIDの生成方法、及びダミープローブ要求のダミー総フレーム長の算出・設定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図6】本発明による無線通信起動方法の一実施形態を実施した場合におけるウェイクアップ誤作動率の算出例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明による無線アクセスポイントを用いた無線ネットワークシステムの構成図、及びウェイクアップ信号による起動を説明するための概略図である。
【0027】
図1(A)によれば、本発明による無線アクセスポイント(AP)としてのスマートフォン1は、無線ネットワーク3に接続可能な「無線インタフェース」を備えており、無線ネットワーク3に接続される無線端末2との通信接続を可能にする。ここで、無線ネットワーク3は、無線LAN(Local Area Network)とすることができる。さらに、スマートフォン1は、アクセスネットワーク4を介してインターネット5と接続可能であり、無線端末2とインターネット5との間の通信の中継、いわゆるテザリング(tethering)、を行うことができる。
【0028】
アクセスネットワーク4は、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は3G(3rd Generation)といった、無線通信事業者ネットワークであり、ゲートウェイを介して、インターネット5に相互接続される。また、無線端末2は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、又はパーソナルコンピュータ(PC)といったユーザインタフェース装置とすることができる。
【0029】
尚、本発明による無線APは、当然に、テザリング機能を備えたスマートフォン1に限定されるものではなく、例えば、同じく図1(A)に示したモバイルルータ1’であってもよい。このモバイルルータ1’も、無線端末2が接続される無線ネットワーク3に接続可能な「無線インタフェース」を備えている。
【0030】
ここで、以上に述べた無線APでは、無線ネットワーク通信機能の不使用時又は使用終了時等において、搭載する「無線インタフェース」における少なくとも受信信号処理機能を停止させている。これにより、省電力化が実現され、特に、スマートフォン1のように電池駆動の無線通信機器の場合、電池持続時間が向上する。
【0031】
この無線APは、次いで、無線端末2から、「少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号」を含むウェイクアップ信号を受信する。このウェイクアップ信号は、
(a)無線APが生成した「少なくとも1つのダミー接続先識別子」を含み、
(b)「ウェイクアップ(Wake-up)信号長」tとして予め無線APによって設定された信号長(総フレーム長)を有する。
【0032】
本発明による無線APは、この「ウェイクアップ信号長」tを有する信号を受信した際、送信元は「少なくとも1つのダミー接続先識別子」を登録した無線端末であるとして、「無線インタフェース」における少なくとも受信信号処理機能を起動させるのである。
【0033】
このように、本発明による無線APでは、ウェイクアップ信号待ち受け時において、受信信号の信号長のみを検知すればよく、受信信号に含まれるデータを処理する必要がない。その結果、「無線インタフェース」における少なくとも受信信号処理機能を停止させた状態でも、ウェイクアップ信号を待ち受け可能となる。これにより、APの省電力化が実現される。
【0034】
また、「無線インタフェース」における少なくとも受信信号処理機能を起動させるウェイクアップ信号は、無線APが生成した「少なくとも1つのダミー接続先識別子」を含む。ここで、各「ダミー接続先識別子」の長さ(桁数)は、無線APにおいて所定の範囲内で任意に設定可能である。その結果、このウェイクアップ信号の信号長である「ウェイクアップ信号長」tは、非常に多くの値をとり得る。これにより、無線APのウェイクアップ信号待ち受け状態において、待ち受けている信号長と同一の信号長を有しているがこの無線APとの通信接続を要求するものではない信号によって、誤って無線APを起動させてしまう確率を十分に小さくすることができる。また、それ故に、ウェイクアップ信号による不要な通信機能の起動が十分に抑制可能となる。
【0035】
以下、具体的に、本発明の無線APの一実施形態における作用効果を、比較例を用いて説明する。ここで、本発明の無線APとして上述したスマートフォン1を採用し、「ダミー接続先識別子」として、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LANにおける識別子であるSSID(Service Set Identifier)を用い、ウェイクアップ信号を構成する「接続問い合わせ要求信号」を、プローブ要求(probe request)とする。
【0036】
最初に、比較例として、図1(B)に、無線端末2からウェイクアップ信号としてのプローブ要求を送信して、モバイルルータの無線LAN通信部を起動させる様子を示す。
【0037】
図1(B)によれば、モバイルルータのウェイクアップ信号受信部は、無線LAN通信部のSSIDであるSSID_Aを含むプローブ要求と、ワイルドカードSSIDとしてのanyを含むプローブ要求とにおける総フレーム長tの信号を、待ち受けている。これに対し、無線端末2は、このモバイルルータ以外のモバイルルータとの通信接続を所望しており、SSID_Aとは異なるSSID_Bを含むプローブ要求を発信する。
【0038】
しかしながら、SSID_Aの桁数(バイト(byte)数)とSSID_Bの桁数とが意図せず一致する場合、SSID_Bを含むプローブ要求とanyを含むプローブ要求とにおける総フレーム長は、同一機種の無線端末から発信される、SSID_Aを含むプローブ要求とanyを含むプローブ要求とにおける総フレーム長tに等しくなってしまう。尚、SSID_Aの桁数とSSID_Bの桁数とが異なっていても、その差異がプローブ要求の他の機種依存部分の差異と相殺し、結局SSID_Bを含む信号の総フレーム長が、総フレーム長tに等しくなってしまう場合も生じ得る。
【0039】
その結果、モバイルルータのウェイクアップ信号受信部は、本来他のモバイルルータとの通信接続を要求するSSID_Bを含む信号を受信した際でも、SSID_Aのプローブ要求を含むウェイクアップ信号を受信したとして、誤って無線LAN通信部を起動させてしまう。
【0040】
ここで、SSIDの桁数は、2byteから32byteまでの値をとり得る。しかしながら、例えば、ウェイクアップ信号の受信部(検波部)におけるフレーム長の解像度が40μsec(マイクロ秒)であって伝送レートが1Mbps(bits per second)であるとすると、
5byte(=1Mbps×40μsec/(8bits/byte))
以上SSIDの桁数を変更させなければ、受信部は、このフレーム長の違いを識別できない。従って、ウェイクアップ信号受信部がプローブ要求の総フレーム長を識別する際、SSIDの桁数の違いから生じるフレーム長差の識別可能なパターン数は、数個のレベルに限定される。ましてや、同一機種の無線端末から、互いに異なってはいるが桁数が同一のSSIDを含むプローブ要求が発信される場合、フレーム長だけから正しいSSIDのプローブ要求を識別することは不可能である。
【0041】
これに対し、図1(C)に示したように、スマートフォン1のウェイクアップ信号受信機能では、
(a)スマートフォン1側で生成された少なくとも1つのダミーSSIDを含む少なくとも1つのダミープローブ要求と、
(b)スマートフォン1の無線インタフェースのSSIDであるSSID_Aを含むプローブ要求と、
(c)ワイルドカードSSIDとしてのanyを含むプローブ要求と
を含む信号を、ウェイクアップ信号として待ち受ける。この際、この信号の総フレーム長であるウェイクアップ信号長tを予め算出・設定しておき、受信信号の信号長と信号長tとを比較できるようにしておく。ここで、総フレーム長がこのウェイクアップ信号長tと一致するフレーム群を受信した際、スマートフォン1のインタフェース制御部が、無線インタフェースにおける少なくとも受信信号処理機能を起動させる。
【0042】
ここで、スマートフォン1側でダミーSSID(ダミープローブ要求)の数及び各ダミーSSIDの桁数を所定の範囲内で任意に設定することができるので、上記(a)の「少なくとも1つのダミーSSIDを含む少なくとも1つのプローブ要求」の総フレーム長は、非常に多くの値に設定可能となる。これにより、意図せず同一の総フレーム長を有しているがスマートフォン1との通信接続を要求するものではない信号によって、図1(B)に示したような誤起動が生じてしまう可能性を十分に抑制することができる。
【0043】
例えば、図1(D)に示すように、SSID_Aを有するスマートフォン1において、図1(B)のような総フレーム長tのプローブ要求フレーム群を受信したとしても、無線インタフェースが誤起動する可能性は十分に低い。即ち、スマートフォン1のウェイクアップ信号受信機能は、ダミーSSID設定の幅広いバラエティの中から決定されたウェイクアップ信号長tをもって、ウェイクアップ信号の待ち受けをしている。従って、ウェイクアップ信号長tが偶然に総フレーム長tと一致してしまう確率を、ゼロにまで又は十分に小さな値にまで低減することができるのである。尚、図1(D)に示したような通常のプローブ要求フレーム群による誤起動の確率は、ダミーSSIDを含むプローブ要求の数を十分に大きくして両者の総フレーム長が全く一致しないようにすることによって、ゼロとすることができる。
【0044】
図2は、スマートフォン1の一実施形態を示す機能構成図である。
【0045】
図2(A)によれば、スマートフォン1は、LAN側インタフェース100と、WAN(Wide Area Network)側インタフェース101と、プロセッサ・メモリとを備えている。また、表示部102を備えていることも好ましい。ここで、プロセッサ・メモリは、スマートフォン1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、その機能を実現させる。
【0046】
さらに、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、固定長取得部110と、ダミー識別子生成部111と、ダミー識別子提示・登録部112と、ウェイクアップ信号長設定部113と、インタフェース制御部114と、通信制御部120とを有する。
【0047】
LAN側インタフェース100は、無線端末2が接続される無線ネットワーク3に接続可能な無線インタフェースである。LAN側インタフェース100は、受信信号の信号長(フレーム長)を検知可能な検波部100aと、受信信号に含まれるデータを識別し処理する受信信号処理部100bと、無線LAN信号を送信する送信部100cとを有する。
【0048】
このうち、受信信号処理部100bは、不使用時又は使用終了時等に停止させられ、この際、具体的には受信信号処理部100bの電力供給部がOFFにされる。また、受信信号処理部100bと同様に送信部100cも合わせて停止させられることも好ましい。これらの停止は、例えば、無通信監視タイマによって実行されてもよい。無通信監視タイマは、例えば、LAN側インタフェース100を介したインターネット5へのアクセスのためのデータが送受信されているか否かをモニタし、そのようなデータのやり取りの無い状態が一定時間以上続いた場合、受信信号処理部100b(及び送信部100c)を停止させる。また、ユーザによる所定の操作、例えば表示部102に表示された無線LAN通信停止アイコンに対するタッチ操作、によって受信信号処理部100b(及び送信部100c)が停止させられることも可能である。
【0049】
一方、検波部100aは、受信信号処理部100bの停止時にも、ウェイクアップ信号を受信すべく起動している。
【0050】
WAN側インタフェース101は、アクセスネットワーク4を介してインターネット5と接続可能な無線通信部である。無線端末2は、無線ネットワーク3に接続されたLAN側インタフェース100と通信制御部120とを介し、更にこのWAN側インタフェース101を介して、アクセスネットワーク4、更にはインターネット5に接続する。
【0051】
表示部102は、例えばディスプレイであり、無線端末2との通信接続に必要な情報を表示することができる。例えば、ダミー識別子提示・登録部112による指示を受けて、後述する生成されたダミーSSIDを表示させる。
【0052】
固定長取得部110は、ダミーSSIDを含むダミープローブ要求を生成するに先立ち、この生成に必要となる信号長であって、無線端末2から予め受信したプローブ要求におけるSSID分を除く信号長を、無線端末2のMAC(Media Access Control)アドレスと対応付けられた固定長wとして取得し、記憶する。また、この固定長wをダミー識別子生成部111に出力する。
【0053】
ダミー識別子生成部111は、無線端末2に登録させる少なくとも1つのダミーSSIDを生成し、さらに、生成されたダミーSSIDを含む少なくとも1つのダミープローブ要求を生成し、その際、設置されたダミー信号長算出部によって、生成されたダミープローブ要求フレーム全体の信号長であるダミー総フレーム長LMfを算出する。また、生成したダミーSSIDをダミー識別子提示・登録部112に出力し、また、算出されたダミー総フレーム長LMfをウェイクアップ信号長設定部113に出力する。
【0054】
具体的に、このダミー識別子生成部111は、後に図5を用いて説明するように、ランダムに選択された1つの自然数αに対し、ダミープローブ要求の数と、各ダミープローブ要求に含まれるダミーSSIDの桁数とを一意に決定する。また、その際、固定長取得部110によって取得された固定長(SSID分を除く信号長)wと、ダミープローブ要求の数が2以上である場合にダミープローブ要求の間隔とを考慮して、少なくとも1つのダミープローブ要求全体のダミー総フレーム長LMfを算出することも好ましい。
【0055】
ダミー識別子提示・登録部112は、無線端末2に対し、生成されたダミーSSIDを登録させるためにダミーSSIDを提示する。また、LAN側インタフェース100に対し、ダミーSSIDを含むビーコン(標識信号)を送信させて、ダミーSSID毎に無線端末2との間で通信接続を行わせることによって、無線端末2にダミーSSIDを登録させる。
【0056】
ここで、ダミー識別子提示・登録部112によるダミーSSIDの提示としては、
(a)無線端末2に搭載されたウェブブラウザ(Web browser)に対し、生成されたダミーSSIDの情報をウェブページ(Web page)上に提示することも好ましく、
(b)表示部102に生成されたダミーSSIDを出力して、生成されたダミーSSIDの情報を表示させることも好ましい。
【0057】
上記(a)の形態では、ダミー識別子提示・登録部112に設けられたHTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ部が、LAN側インタフェース100を介して、ダミーSSID情報を無線端末2のウェブブラウザに表示させ、その登録をユーザに促してもよい。ユーザは、この表示されたダミーSSID情報を確認した上で、登録を行うことができる。
【0058】
また、上記(b)の形態では、ユーザは、スマートフォン1の表示部102に表示されたダミーSSIDの情報を視認した上で、その情報をもって無線端末2に入力することができる。これは、例えば、無線端末2のユーザがスマートフォン1を用いたテザリングにおけるウェイクアップの設定を行う際、スマートフォン1のディスプレイ(表示部102)の表示内容を見ながら無線端末2にダミーSSIDを登録する場合に相当する。
【0059】
ウェイクアップ信号長設定部113は、ダミー識別子生成部111から入力した、少なくとも1つのダミーSSIDを含む少なくとも1つのプローブ要求全体の信号長であるダミー総フレーム長LMfに基づいて、ウェイクアップ信号長tを設定する。
【0060】
具体的に、ウェイクアップ信号長設定部113は、
(a)固定長取得部110によって取得された無線端末2からのプローブ要求における固定長wと、
(b)生成されたダミーSSIDと
に基づいて少なくとも1つのプローブ要求フレーム全体のダミー総フレーム長LMfを算出し、
(c)このダミー総フレーム長LMfと、
(d)接続に際して無線端末2から本来送信されるプローブ要求のフレーム長と
を含む長さをウェイクアップ信号長tとして設定することも好ましい。
【0061】
インタフェース制御部114は、信号長判定部を有しており、この信号長判定部によって、受信された信号全体の信号長(総フレーム長)が、設定されたウェイクアップ信号長tと一致するか否かを判定する。ここで、真の判定(一致するとの判定)を行った際、送信元は少なくとも1つのダミーSSIDを登録した無線端末2であるとして、LAN側インタフェース100における受信信号処理部100b(及び送信部100c)を起動させる。
【0062】
通信制御部120は、無線ネットワーク3を介した無線端末2との通信、アクセスネットワーク4を介したインターネット5との通信、及び無線端末2のアクセスネットワーク4を介したインターネット5との通信を実行させ制御する。
【0063】
図2(B)に、少なくとも1つのプローブ要求を含む信号であるウェイクアップ信号を受信可能な無線LAN信号受信部103を使用した実施形態を示す。無線LAN信号受信部103は、LAN側インタフェース100’からは独立した無線ネットワーク受信部であって、検波機能(物理的な信号長を測定する機能)を有している。また、LAN側インタフェース100’の停止時にも、ウェイクアップ信号を受信すべく起動しているが、LAN側インタフェース100’よりも小さい電力消費量を示す。
【0064】
一方、LAN側インタフェース100’は、検波部100a’及び受信信号処理部100b’を有しているが、両部ともに、不使用時又は使用終了時等に停止させられている。また、LAN側インタフェース100’は送信部100c’も有しているが、この送信部100c’も、検波部100a’及び受信信号処理部100b’に合わせて停止させられることも好ましい。これらの停止の際、具体的には、LAN側インタフェース100’の電力供給部がOFFにされる。この停止は、例えば、無通信監視タイマによって実行されてもよく、ユーザによる所定の操作、例えば表示部102に表示された無線LAN通信停止アイコンに対するタッチ操作、によって実行されてもよい。
【0065】
インタフェース制御部114は、その信号長判定部によって、無線LAN信号受信部103で受信された信号全体の信号長(総フレーム長)が、設定されたウェイクアップ信号長tと一致するか否かを判定する。ここで、真の判定(一致するとの判定)を行った際、送信元は少なくとも1つのダミーSSIDを登録した無線端末2であるとして、LAN側インタフェース100’を起動させる。
【0066】
以上、図2(A)及び(B)を用いて説明したように、ウェイクアップ対象であるLAN側インタフェースの一部(検波機能)を用いてウェイクアップ信号を受信することもでき、LAN側インタフェースとは別にウェイクアップ受信機能を設けることも可能である。ここで、前者の場合、
(a)検波部100aと、個別に起動可能な(独立した電力供給部を有する)受信信号処理部100b(及び送信部c)とをワンチップ化して、スマートフォン等の小型通信機器に実装する
ことも好ましい。一方、後者の場合、
(b)無線LAN信号受信部103と、固定長取得部110、ダミー識別子生成部111、ウェイクアップ信号長設定部113及びインタフェース制御部114とを含むモジュールを、LAN側インタフェース100’を備えたモバイルルータ等の無線APに装着する又は組み込むことも好ましい。
【0067】
図3は、本発明の無線通信起動方法における、ダミー接続先識別子を無線端末に登録させる部分の一実施形態を示すシーケンス図である。
【0068】
ここで、最初に、スマートフォン1のLAN側インタフェース100は、起動状態にある。また、無線端末2は、通常の、特別なウェイクアップ信号送信機能等を有していない無線LAN通信機器であり、当初、スマートフォン1との通信接続は確立されていない。
【0069】
(S300)スマートフォン1のLAN側インタフェース100は、自身のSSID(SSID_A)を含むビーコンを発信する。
(S301)無線端末2の無線通信インタフェース200は、ビーコンによって報知されたSSIDから接続先としてのスマートフォン1を認識し、ユーザによる手動でのSSID_Aの登録後、SSID_A及び自身のMACアドレスを含むプローブ要求を送信する。
【0070】
(S302、S303)スマートフォン1の固定長取得部110は、LAN側インタフェース100によって受信された無線端末2からのプローブ要求を解析し、このプローブ要求におけるSSID(SSID_A)分を除く信号長を、固定長wとして取得する。このような固定長の取得は、送信元のMACアドレス毎に実施され、MACアドレス毎に固定長wが対応付けられた固定長テーブル110tが生成されて記憶される。尚、固定長wの詳細は、後に図4を用いて説明される。
【0071】
(S304)LAN側インタフェース100は、プローブ応答(probe response)を送信する。
(S305〜S307)無線通信インタフェース200とLAN側インタフェース100との間で、認証(Authentication)要求・応答のやり取りが行われ、SSID_Aに基づいた無線LAN通信接続が確立される。
【0072】
(S310、S311)無線端末2のブラウザ210は、ユーザの操作を受けて、ウェイクアップ信号の生成を可能にするべく、無線通信インタフェース200に対してダミーSSID登録開始を指示する。これにより、無線通信インタフェース200は、スマートフォン1宛てにダミーSSID登録開始を要求する。この際、ブラウザ210がスマートフォン1のHTTPサーバ部にウェブアクセスすることによってダミーSSID登録開始を要求することも好ましい。
【0073】
(S312、S313)LAN側インタフェース100を介してダミーSSID登録開始要求を受け取ったダミー識別子生成部111及びウェイクアップ信号長設定部113は、1つのランダムな値αを決定し、このランダムな値αに固有となるダミーSSID(ダミープローブ要求フレーム)を生成し、ランダムなウェイクアップ信号長tを設定する。尚、この設定の際には、予め生成した固定長テーブル110tから、ダミーSSID登録開始要求の送信元である無線端末2のMACアドレスに対応付けられた固定長wが取得され使用される。ここで、以下、生成されたダミーSSIDを、
SSID_1,SSID_2,・・・,SSID_Mf (Mは生成されたダミーSSIDの数)
とする。このような本ステップでの処理は、後に図5を用いて詳細に説明される。
【0074】
(S314)生成されたダミーSSIDを入力したダミー識別子提示・登録部112は、HTTPサーバ部によって、LAN側インタフェース100に対し、1つ目のダミーSSIDであるSSID_1のビーコンによる報知を指示する。
(S315)LAN側インタフェース100は、SSID_1を含むビーコンを発信する。
(S316)ダミー識別子提示・登録部112は、HTTPサーバ部によって、無線端末2(ブラウザ210)宛てに、ダミーのSSID_1の情報を提示してSSID_1の登録を促すウェブページを送信する。
【0075】
(S317)ブラウザ210は、SSID_1情報を提示したウェブページを確認したユーザによってSSID_1が手動操作で入力され登録された後、無線通信インタフェース200に対し、ダミーのSSID_1を含むプローブ要求の送信を指示する。
(S318)無線通信インタフェース200は、ダミーのSSID_1を含むプローブ要求を送信する。
(S319)ダミーのSSID_1を含むプローブ要求を受信したLAN側インタフェース100は、プローブ応答を送信する。
【0076】
(S320〜S322)無線通信インタフェース200とLAN側インタフェース100との間で、認証要求・応答のやり取りが行われ、ダミーのSSID_1に基づいた無線LAN通信接続が確立される。
(S323、S324)LAN側インタフェース100は、ダミーのSSID_1を含むビーコンの発信を停止し、さらに、ダミー識別子提示・登録部112に対し、ダミーのSSID_1の登録完了を通知する。
【0077】
次いで、以上に説明したダミーのSSID_1についての登録ステップ(S314〜S324)と同様のステップを、残りのSSID_2〜SSID_Mfについても順次実行する。これにより、無線端末2に、生成されたダミーのSSID_1〜SSID_Mfを登録することができる。
【0078】
(S330)インタフェース制御部114は、設置された無通信監視タイマを用いて、LAN側インタフェース100を介したインターネット5へのアクセスのためのデータが、所定時間送受信されていないか(通信不使用か)否かを判定する。
(S331)ステップS330で真の判定(所定時間通信不使用との判定)がなされた際、LAN側インタフェース100の受信信号処理部100b(及び送信部100c)を停止させる。
【0079】
以上説明したダミーSSIDの登録方法を実施することによって、上記ステップS331で停止させられた受信信号処理部100b(及び送信部100c)を起動させるためのウェイクアップ信号が、ダミーのSSID_1〜SSID_Mfに係るプローブ要求を含む信号として、無線端末2から送信可能となるのである。次に、無線端末2から送信可能となる、このウェイクアップ信号の詳細を説明する。
【0080】
図4は、ダミーSSIDを利用したウェイクアップ信号(プローブ要求群)の一実施形態を示す概略図である。
【0081】
図4によれば、無線端末2から送信されるウェイクアップ信号は、先頭から、
(a)ダミーSSIDであるSSID_Mfを含むプローブ要求から始まって、ダミーのSSID_(Mf-1)〜SSID_1の各々を含むプローブ要求を順次並べたダミーフレーム列と、
(b)スマートフォン1のSSIDであるSSID_Aを含むプローブ要求と、
(c)ワイルドカードSSIDとしてのanyを含むプローブ要求と
が列をなした一連のフレーム群となる。ここで、隣接するフレームの間隔は、IEEE802.11で定義された最短フレーム送信間隔(SIFS(Short InterFrame Space))に設定される。
【0082】
尚、例えば、無線端末2が、ステップS300(図3)のように、スマートフォン1からSSID_Aを含むビーコンを受信した後、ユーザが、無線端末2のディスプレイ画面に表示された無線LAN接続候補リストの中からSSID_Aを選択して登録した場合、ウェイクアップ信号には、上記(b)のSSID_Aを含むプローブ要求が含まれず、上記(a)及び(c)のプローブ要求フレーム(列)だけが含まれる。一方、例えば、ユーザが、無線端末2を直接操作してSSID_Aを手動で入力し登録した場合、図4に示すような、上記(b)のSSID_Aのプローブ要求を含むウェイクアップ信号が生成される。このように、無線端末2から発信されるウェイクアップ信号には、SSID_Aを含むプローブ要求が含まれてもよく含まれなくともよい。
【0083】
いずれにせよ、以上に述べたウェイクアップ信号の信号長であるウェイクアップ信号長tは、先頭のSSID_Mfを含むプローブ要求のフレーム立ち上がりから、anyを含むプローブ要求のフレーム立ち下がりまでの時間となる。尚、Mf=1の場合、(a)のダミーフレーム列は、当然に1つのダミーフレームとなる。
【0084】
また、プローブ要求の内容を見ると、1つのプローブ要求は、
(a)PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)プリアンブル、(b)PLCPヘッダ、(c)MACヘッダ、(d)SSID、及び(e)Support Rateと、
(f)Extended Support Rate、(g)HT (High Throughput) Capability、(h)DS (Direct Sequence) Parameter Set、(i)Vendor Specific Field、及び(j)FCS(Frame Check Sequence)と
から構成される。
【0085】
ここで、前半の(a)〜(e)のうち(d)SSIDを除いた部分と、最後の(j)FCSとは、規格で定められた桁数(byte数)を有しており、その信号長も所定の伝送速度の下で一定値となる。また、後半の(f)〜(i)の部分も、ベンダ固有の情報による部分であり、送信元となる携帯端末2のOS(Operating System)やドライバのバージョンによって桁数が決定される部分である。従って、無線端末2から送信されるプローブ要求の固定長wは、プローブ要求のフレーム長から(d)SSID分を差し引いた、(a)〜(c)及び(e)〜(i)の部分となる。
【0086】
このように、無線端末2から送信されるウェイクアップ信号を構成する各プローブ要求フレームは、固定長w分を内包している。裏返して言えば、ダミーのSSID_1〜SSID_Mfを含むダミープローブ要求フレームの信号長(ダミー総フレーム長LMf)は、SSID_1〜SSID_Mfの数(M値)及び各々の桁数を変化させることによって、広範な範囲内における種々の値に設定されることができる。そこで、次に、種々の個数の、且つ各々種々の桁数を有するダミーSSIDの生成について説明する。
【0087】
図5は、本発明に係るダミーSSIDの生成方法、及びダミープローブ要求のダミー総フレーム長LMfの算出・設定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0088】
図5に示されたフローでは、m個のダミーSSIDをそれぞれ含むm個のプローブ要求全体の信号長であるダミー総フレーム長Lを、次式
(1) L(n)=l+l+・・・+l+(m−1)・TSIFS
を用いて算出する。ここで、TSIFSはSIFSの時間(時間長)であり、例えばIEEE802.11bでは10μsと規定されている。また、nは、この後に説明するフローのダミーフレーム生成ループにおけるパラメータである。さらに、l(i=1,2,・・・,m)はi番目のダミーSSID(SSID_i)を含むダミープローブ要求のフレーム長であり、次式
(2) l=w+a
(において単位をbyteから時間(秒)に変換したもの)として表される。ここで、wはダミープローブ要求のダミーSSID部分を除いた固定長(byte)である。この固定長wは、予め生成された固定長テーブル110t(図3のS303)を参照し、ウェイクアップ信号の設定対象である無線端末2のMACアドレスに対応した値として取得される。
【0089】
また、aは、ダミーSSIDの桁数(byte数)を表す数列の要素である。この数列は、例えば、初項a=2(byte)であって公差d=5(byte)である等差数列とすることができる。実際、ウェイクアップ信号の受信部(検波部)は、フレーム長解像度を40μsecとし、伝送レートを1Mbpsとすると、SSIDにおける5byte(=1Mbps×40μsec/(8bits/byte))以上の桁数変更を識別可能である。また、SSIDのとり得る桁数は2〜32byteであるから、例えば、ダミーSSIDの桁数を表す数列として、
{a,a,・・・,a}={2,7,12,17,22,27,32}
を設定することができる。
【0090】
(S500)最初に、所定の範囲内においてランダムな自然数αを決定する。尚、この所定の範囲は、例えば、2以上であって20以下の範囲とすることができる。
(S501)ダミーフレーム数m=0とし、ダミー総フレーム長L(0)=0とする。
(S502)ダミーフレーム生成ループ(S502〜S509)を開始する。ここで、生成パラメータnの初期値を1として、n値を1ループ終了毎に1だけ増分させ、n=αのループを実行し終わるまで、ダミーフレーム生成ループを実行する。
【0091】
(S503)ダミーフレーム数mが0よりも大きいか(m>0であるか)否かを判定する。ここで、mが0よりも大きくない(m=0)場合、ステップS505に移行する。
(S504)一方、mが0よりも大きい(m>0)場合、(S506又はS507で生成・変更される)ダミーフレーム1〜mにおけるダミーSSIDの桁数が全て最大値であるか否かを判定する。
【0092】
(S505)ステップS504で、真の判定(全て最大値であるとの判定)がなされた際、m値を1だけ増分させ(m=m+1)、新しいダミーフレームを1つ生成するものとする。
(S506)ダミーフレームmが生成されていない場合、桁数が最小値であるダミーSSIDを有するダミーフレームmを生成する。また、ダミーフレーム1〜mにおけるダミーSSIDの桁数を全て最小値化する。即ち、ダミーフレームi(i=1,2,・・・,m)のフレーム長lを、l=w+aとする。
【0093】
(S507)一方、ステップS504で偽の判定がなされた際、ダミーフレーム1〜mのうちいずれか1つのSSIDの桁数を公差dだけ増加させる。ここで、いずれのダミーフレームにおいてどのように(如何なる文字を用いて)SSIDの桁数を公差dだけ増加させるかは任意である。即ち、確かに、各ダミーフレーム及びダミーSSIDは、無線端末2に実際に登録させる必要があるため、具体的に決定されなければならない。しかしながら、設定されるウェイクアップ信号として必要なことは、ウェイクアップ信号長tが如何なる値をとるかであり、ウェイクアップ信号長tが同一となる設定ならば、どのダミーフレームのSSID桁数を変更するのか、及び各ダミーSSIDにおいて如何なる具体的な値(文字)を設定するのか、は任意でよい。
【0094】
(S508)この時点(生成パラメータがnの時点)でのダミー総フレーム長L(n)(=L(n))が、1つ前のループ時点(生成パラメータが(n−1)の時点)又はL(n)=L(0)である時点でのダミー総フレーム長L(n−1)以下であるか(L(n)≦L(n−1)であるか)否かを判定する。ここで、真の判定(L(n)がL(n−1)以下であるとの判定)がなされた際、ダミー総フレーム長を変更(増加)させるべく、ステップS504に戻る。
【0095】
(S509)一方、ステップS508で偽の判定(L(n)がL(n−1)よりも大きいとの判定)がなされた際、n<αならばステップS503に戻ってダミーフレーム生成ループを続行する。また、n=αならば、
(a)この時点でのmを最終的なダミーフレーム数Mとし、
(b)この時点での各ダミーSSID(の桁数)を最終的に生成されたダミーSSID(の桁数)とし、
決定されたαに対するダミー総フレーム長Lmf(=L(n))が取得されたとして、本フローを終了する。
【0096】
以上説明した方法により、所定の範囲内においてランダムに選択されたα値1つに対し、1つのダミー総フレーム長LMf、従って1つのウェイクアップ信号長t、が決定される。ここで、tは、
=LMf+(SSID_Aを含むプローブ要求のフレーム長)
+(anyを含むプローブ要求のフレーム長)+2・TSIFS、又は
=LMf+(anyを含むプローブ要求のフレーム長)+TSIFS
として算出される。
【0097】
また、α値がより大きな値であるほど、ウェイクアップ信号長t(ダミー総フレーム長LMf)もより大きな値となるように決定される。このように、上述したフローによって、種々のランダムな値をとるウェイクアップ信号長tを設定することが可能となる。尚、設定されるウェイクアップ信号長tの自由度は、α値を決定する所定の範囲の上限値を大きくするほど大きくなる。
【0098】
尚、ダミーSSIDの生成及びダミー総フレーム長LMfの算出・設定は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、予め、種々のダミー総フレーム長LMfを示すダミーフレーム(ダミーSSID)の組を複数形成しておき、その中からランダムに1つの組を選択することも可能である。
【0099】
図6は、本発明による無線通信起動方法の一実施形態を実施した場合におけるウェイクアップ誤作動率の算出例を示すグラフである。
【0100】
本実施例では、図5に示した方法を用いてウェイクアップ信号を設定した対象ユーザの無線端末とは別に、他のユーザの(複数の)無線端末においても、図5に示した方法を用いてダミーSSID(ダミーフレーム)を生成した。ここで、ダミーフレームは、ダミーフレーム数の最大値(自然数αのとり得る最大値)が、全ての無線端末において同一となる条件で生成された。また、これら他のユーザの無線端末は対象ユーザの無線端末と同一機種であるとし、従って固定長wは送信される全てのプローブ要求において同一であるとした。さらに、これら他のユーザの無線端末はいずれも、無線AP(スマートフォン又はモバイルルータ)のSSID(と同一の桁数を有するSSID)を含むプローブ要求を発信するものとした。従って、これら他のユーザの無線端末からの信号を受信して無線APのLAN側インタフェースが起動する場合を、ウェイクアップ誤作動とし、受信した信号数当たりのウェイクアップ誤作動の回数を、ウェイクアップ誤作動率(%)としている。
【0101】
最初に、比較例として、ダミーSSIDを利用しない場合を考察する。この場合、従来のプローブ要求フレームのみが無線端末から発信され、また、含まれるSSIDの桁数は無線APのSSIDの桁数と同一であるので、複数の無線端末から発信されるプローブ要求の総フレーム長は全て一致する。従って、無線APにおいて、この総フレーム長を起動条件として設定している場合、100%誤作動することになる。
【0102】
これに対し、本発明に係るダミーSSIDを利用した場合、図6のグラフに示すように、ダミー(プローブ要求)フレームの数Mを大きくするほど、ウェイクアップ誤作動率はより大幅に低下する。また、固定長wが大きいほど、ウェイクアップ誤作動率はより低減する。これは、wが小さい場合、ダミーフレーム数Mを増加させたとしても、ダミーSSIDの桁数が小さい間におけるダミー総フレーム長が、ダミーフレーム数Mを増加させる前のダミー総フレーム長と重複する場合が増え、結果として、ウェイクアップ信号長tにおける異なる値の種類が減少するためである。
【0103】
同じく図6のグラフによれば、ダミーフレームを1つ用いた場合(M=1)、含まれるダミーSSIDの桁数は上記aからaまでの7通り存在するので、ウェイクアップ信号長tの自由度は7となる。その結果、ウェイクアップ誤作動率は、約14.3%にまで低減する。このウェイクアップ誤作動率を1%未満に抑制するためには、固定長w=50(byte)の場合、ダミーフレーム数Mを7以上とすればよく、固定長w=200(byte)の場合、ダミーフレーム数Mを6以上とすればよいことが分かる。
【0104】
このように、ウェイクアップ信号に本発明に係るダミーSSIDを利用することによって、無線APのウェイクアップ誤作動率を、格段に低減させることができる。
【0105】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ウェイクアップ信号として、無線APが生成した少なくとも1つのダミー接続先識別子を含む少なくとも1つの接続問い合わせ要求信号を含む信号を採用する。その結果、このウェイクアップ信号の信号長であるウェイクアップ信号長tは、非常に多くの値をとり得る。これにより、無線APのウェイクアップ信号待ち受け状態において、待ち受けている信号長と同一の信号長を有しているがこの無線APとの通信接続を要求するものではない信号によって、誤って無線APが起動してしまう確率を十分に小さくすることができる。また、それ故に、ウェイクアップ信号による不要な通信機能の起動が十分に抑制可能となる。さらに、その結果、無線APの不要な電力消費を抑制することができる。
【0106】
以上に述べた本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0107】
1 スマートフォン(無線アクセスポイント)
1’ モバイルルータ(無線アクセスポイント)
100、100’ LAN側インタフェース(無線インタフェース)
100a、100a’ 検波部
100b、100b’ 受信信号処理部
100c、100c’ 送信部
101 WAN側インタフェース
102 表示部
103 無線LAN信号受信部(無線ネットワーク信号受信部)
110 固定長取得部
111 ダミー識別子生成部
112 ダミー識別子提示・登録部
113 ウェイクアップ信号長設定部
114 インタフェース制御部
120 通信制御部
2 無線端末
3 無線ネットワーク
4 アクセスネットワーク
5 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6