特許第5969419号(P5969419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5969419-サーバ及び通信システム 図000002
  • 特許5969419-サーバ及び通信システム 図000003
  • 特許5969419-サーバ及び通信システム 図000004
  • 特許5969419-サーバ及び通信システム 図000005
  • 特許5969419-サーバ及び通信システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969419
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】サーバ及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/14 20090101AFI20160804BHJP
   H04W 12/06 20090101ALI20160804BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20160804BHJP
【FI】
   H04W48/14
   H04W12/06
   H04W4/04 170
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-66415(P2013-66415)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-192709(P2014-192709A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】小川 圭介
(72)【発明者】
【氏名】松本 一則
(72)【発明者】
【氏名】橋本 真幸
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−165679(JP,A)
【文献】 特開2006−108939(JP,A)
【文献】 特開2010−009452(JP,A)
【文献】 特開2002−358557(JP,A)
【文献】 特開2002−315058(JP,A)
【文献】 特開2002−342685(JP,A)
【文献】 特開2011−259372(JP,A)
【文献】 特開2008−219902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末装置から送信されてきた、端末ID情報と、所定の通信規格に準拠した無線通信装置が接続されている外部装置により購入した商品の情報と、前記ユーザ端末装置の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報を受信する受信部と、
前記端末位置情報に基づいて、前記外部装置を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記外部装置に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる問合せ部と、
前記問合せ部による問合せに応じて、前記外部装置から送信されてきた前記販売した商品に関する情報の中に、前記受信部で受信した前記商品の情報が含まれているかどうかを判断する判断部と、
前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、前記無線通信装置の認証情報を、前記受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する送信部とを備えるサーバ。
【請求項2】
前記受信部は、前記外部装置により販売された商品の写真データを前記商品の情報として受信し、
前記判断部は、前記販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれている場合には、当該写真データを用いて、又は、前記販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれていない場合には、所定のデータベースから商品の写真データを取得し、取得した商品の写真データを用いて、前記受信部で受信した前記商品の写真データが含まれているかどうかを判断する請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、購入された商品に応じた使用可能時間を決定する決定部を備え、
前記送信部は、前記無線通信装置の認証情報とともに前記使用可能時間を、前記受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する請求項1記載のサーバ。
【請求項4】
端末ID情報と商品の情報が関連付けられているレコードを記憶する記憶部と、
前記受信部で問合せ情報を受信したときに、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが前記記憶部に記憶されている場合には、対応するレコードに商品の情報を追加し、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが前記記憶部に記憶されていない場合には、端末ID情報と商品の情報を関連付けたレコードを作成し、作成したレコードを前記記憶部に記憶する処理部と、
前記レコードに関連付けられている商品の情報に基づいて、当該商品の成分を検索する検索部と、
前記検索部により検索された成分を解析し、健康状態に関する情報を作成する健康状態情報作成部とを備え、
前記処理部は、前記検索部により検索された成分と、前記健康状態情報作成部により作成された健康状態に関する情報を、対応するレコードに関連付けて保存し、
前記送信部は、健康状態に関する情報を、レコードに関連付けられている端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する請求項1記載のサーバ。
【請求項5】
サーバと、所定の通信規格に準拠した無線通信装置が接続されている外部装置と、前記無線通信装置を利用して通信を行う機能を有するユーザ端末装置とから構成される通信システムにおいて、
前記サーバは、
前記ユーザ端末装置から送信されてきた、端末ID情報と、前記外部装置により購入した商品の情報と、前記ユーザ端末装置の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報を受信する第1受信部と、
前記端末位置情報に基づいて、前記外部装置を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記外部装置に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる問合せ部と、
前記問合せ部による問い合わせに応じて、前記外部装置から送信されてきた前記販売した商品に関する情報の中に、前記第1受信部で受信した前記商品の情報が含まれているかどうかを判断する判断部と、
前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、前記無線通信装置の認証情報を、前記第1受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する第1送信部とを備え、
前記外部装置は、
前記問合せ部から送信されてきた前記問い合わせを受信する第2受信部と、
前記第2受信部により前記問い合わせを受信した場合、販売した商品に関する情報を前記サーバに送信する第2送信部を備え、
前記ユーザ端末装置は、
自身の位置情報を算出する位置情報算出部と、
端末ID情報と、前記外部装置により購入した商品の情報と、前記端末位置情報を含む問合せ情報を前記サーバに送信する第3送信部と、
前記第1送信部から送信されてきた前記無線通信装置の認証情報を受信する第3受信部と、
前記第3受信部で受信した前記無線通信装置の認証情報に基づいて、所定の認証処理を実行する実行部を備える通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信規格に準拠した無線通信装置の認証情報を提供するサーバ及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆無線LANのホットスポット(以下、無線LANスポットという)が急速に広がりを見せている。このような無線LANスポットでは、一般的に自由で誰もが使用できるものと、特定のサービスに加入したものだけが利用できるものがある。このような無線LANスポットを利用することで、ユーザは、重い動画コンテンツ等を瞬時に見ることが可能になる。また、無線LANスポット配信等も利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−150984号公報
【特許文献2】特開2009−253429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、集客効果等を期待して無線LANルータが搭載された自動販売機が存在する。この自動販売機では、無線LANルータの利用に際して、メール等で登録するタイプと登録不要なタイプの2種類があり、いずれも料金はかからない。
【0005】
しかし、このような形態の場合、誰でも利用することができるためセキュリティ上の問題が発生しやすく、また、近隣住民が容易に利用できてしまうため、フリーライドの問題が発生するおそれがある。
【0006】
また、一般的な無線LANの認証方法では、認証に入力の手間が発生するため、ユーザに操作の煩わしさが発生する。かかる場合に、特許文献1,2では、既に接続情報を保有している他の通信装置から、近距離無線通信によって、当該接続情報を取得することができる端末(通信装置)が提案されている。
【0007】
しかし、自動販売機に搭載した無線LANルータを利用するユーザは、その自動販売機周辺で一時的に落ち着くユーザであり、予め何人かの人が無線LANルータを利用している状況を想定することは好ましくない。よって、特許文献1,2に係る認証方法では、自動販売機に搭載された無線LANルータの利用に際して、周囲に無線LANルータを利用している人がいない場合には、簡易に無線LANルータを利用することができないデメリットがある。
【0008】
本発明は、所定の通信規格に準拠した無線通信装置が接続されている外部装置周辺において、当該無線通信装置を利用している人がいなくても、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易に無線通信装置に接続できるサーバ及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るサーバは、上記課題を解決するために、ユーザ端末装置から送信されてきた、端末ID情報と、所定の通信規格に準拠した無線通信装置が接続されている外部装置により購入した商品の情報と、前記ユーザ端末装置の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報を受信する受信部と、前記端末位置情報に基づいて、前記外部装置を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記外部装置に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる問合せ部と、前記問合せ部による問合せに応じて、前記外部装置から送信されてきた前記販売した商品に関する情報の中に、前記受信部で受信した前記商品の情報が含まれているかどうかを判断する判断部と、前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、前記無線通信装置の認証情報を、前記受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する送信部とを備える構成である。
【0010】
また、サーバでは、前記受信部は、前記外部装置により販売された商品の写真データを前記商品の情報として受信し、前記判断部は、前記販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれている場合には、当該写真データを用いて、又は、前記販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれていない場合には、所定のデータベースから商品の写真データを取得し、取得した商品の写真データを用いて、前記受信部で受信した前記商品の写真データが含まれているかどうかを判断する構成でもよい。
【0011】
また、サーバでは、前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、購入された商品に応じた使用可能時間を決定する決定部を備え、前記送信部は、前記無線通信装置の認証情報とともに前記使用可能時間を、前記受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する構成でもよい。
【0012】
また、サーバでは、端末ID情報と商品の情報が関連付けられているレコードを記憶する記憶部と、前記受信部で問合せ情報を受信したときに、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが前記記憶部に記憶されている場合には、対応するレコードに商品の情報を追加し、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが前記記憶部に記憶されていない場合には、端末ID情報と商品の情報を関連付けたレコードを作成し、作成したレコードを前記記憶部に記憶する処理部と、前記レコードに関連付けられている商品の情報に基づいて、当該商品の成分を検索する検索部と、前記検索部により検索された成分を解析し、健康状態に関する情報を作成する健康状態情報作成部とを備え、前記処理部は、前記検索部により検索された成分と、前記健康状態情報作成部により作成された健康状態に関する情報を、対応するレコードに関連付けて保存し、前記送信部は、健康状態に関する情報を、レコードに関連付けられている端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する構成でもよい。
【0013】
本発明に係る通信システムは、上記課題を解決するために、サーバと、所定の通信規格に準拠した無線通信装置が接続されている外部装置と、前記無線通信装置を利用して通信を行う機能を有するユーザ端末装置とから構成される通信システムにおいて、前記サーバは、前記ユーザ端末装置から送信されてきた、端末ID情報と、前記外部装置により購入した商品の情報と、前記ユーザ端末装置の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報を受信する第1受信部と、前記端末位置情報に基づいて、前記外部装置を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記外部装置に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる問合せ部と、前記問合せ部による問い合わせに応じて、前記外部装置から送信されてきた前記販売した商品に関する情報の中に、前記第1受信部で受信した前記商品の情報が含まれているかどうかを判断する判断部と、前記判断部により前記販売した商品に関する情報の中に、前記商品の情報が含まれていると判断した場合、前記無線通信装置の認証情報を、前記第1受信部で受信した前記端末ID情報を利用して、前記ユーザ端末装置に送信する第1送信部とを備え、前記外部装置は、前記問合せ部から送信されてきた前記問い合わせを受信する第2受信部と、前記第2受信部により前記問い合わせを受信した場合、販売した商品に関する情報を前記サーバに送信する第2送信部を備え、前記ユーザ端末装置は、自身の位置情報を算出する位置情報算出部と、端末ID情報と、前記外部装置により購入した商品の情報と、前記端末位置情報を含む問合せ情報を前記サーバに送信する第3送信部と、前記第1送信部から送信されてきた前記無線通信装置の認証情報を受信する第3受信部と、前記第3受信部で受信した前記無線通信装置の認証情報に基づいて、所定の認証処理を実行する実行部を備える構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易に無線通信装置に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】使用可能時間決定テーブルを模式的に示す図である。
図3】異なる場所に設置されている無線通信装置を使用する場合についての説明に供する図である。
図4】レコードを模式的に示す図である。
図5】ユーザが商品を購入してから、ユーザ端末装置により無線通信装置の使用が可能になるまでの流れについての説明に供するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の一例について図を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る通信システム100は、図1に示すように、サーバ1と、所定の通信規格に準拠した無線通信装置4が接続されている外部装置2と、無線通信装置4を利用して通信を行う機能を有するユーザ端末装置3とから構成される。
【0017】
サーバ1は、図1に示すように、第1受信部11と、特定部12と、問合せ部13と、判断部14と、第1送信部15とを備える。
第1受信部11は、ユーザ端末装置3から送信されてきた、端末ID情報と、外部装置2により購入した商品の情報と、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報を受信する。
また、本実施例では、「外部装置2により購入した商品の情報」とは、購入された商品の外観をユーザ端末装置3により撮像した写真データとするが、これに限られない。例えば、外部装置2のディスプレイに購入した商品を示す画像(例えば、商品自体の画像、又は商品を示す記号)を表示し、当該画像をユーザ端末装置3で撮像し、当該撮像データを「外部装置2により購入した商品の情報」としてもよい。また、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報とは、ユーザ端末装置3のGPS機能を利用して取得された緯度と経度からなる情報である。
【0018】
また、本実施例では、第1受信部11は、所定の通信システム(3G、4G等)を利用してユーザ端末装置3から送信されてくる問い合わせ情報を受信するものとして説明するが、これに限られない。例えば、第1受信部11は、外部装置2の無線通信装置4を経由して、ユーザ端末装置3で作成された問い合わせ情報を受信するような構成でもよい。
【0019】
特定部12は、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報に基づいて、外部装置2を特定する。例えば、特定部12は、外部装置2の位置情報を予め保存されている外部サーバを参照し、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報に基づいて、最も近くにある外部装置2を特定する。
【0020】
問合せ部13は、特定部12により特定された外部装置2に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる。
判断部14は、問合せ部13による問い合わせに応じて、外部装置2から送信されてきた販売した商品に関する情報の中に、第1受信部11で受信した商品の情報が含まれているかどうかを判断する。
【0021】
第1送信部15は、判断部14により販売した商品に関する情報の中に、商品の情報が含まれていると判断した場合、無線通信装置4の認証情報を、第1受信部11で受信した端末ID情報を利用して、ユーザ端末装置3に送信する。無線通信装置4の認証情報とは、無線通信装置4を利用してインターネットへ接続するめのパスワードのことである。
【0022】
外部装置2は、図1に示すように、第2受信部21と、第2送信部22を備える。また、外部装置2は、内部又は外部に無線通信装置4が設置されている。
無線通信装置4は、インターネット接続用に通信回線を備えた無線LANルータである。なお、無線LANルータは、Wi−Fi(登録商標)ルータを含む概念である。また、無線通信装置4は、インターネット接続用の通信回線を備えていればよく、WiMax(登録商標)、LTE等であってもよい。
【0023】
第2受信部21は、問合せ部13から送信されてきた問い合わせを受信する。
第2送信部22は、第2受信部21により問い合わせを受信した場合、販売した商品に関する情報をサーバ1に送信する。
【0024】
ユーザ端末装置3は、図1に示すように、カメラ部31と、位置情報算出部32と、第3送信部33と、第3受信部34と、実行部35とを備える。
カメラ部31は、被写体を撮像する機能を有する。
位置情報算出部32は、ユーザ端末装置3の地球上での位置を示す情報(緯度、経度)を端末位置情報として算出する。
第3送信部33は、端末ID情報と、外部装置2により購入した商品の情報と、端末位置情報を含む問合せ情報をサーバ1に送信する。
第3受信部34は、第1送信部15から送信されてきた無線通信装置4の認証情報を受信する。
実行部35は、第3受信部34で受信した無線通信装置4の認証情報に基づいて、所定の認証処理を実行する。
ユーザ端末装置3は、実行部35による認証処理が完了すると、無線通信装置4を介してインターネットに接続することが可能になる。
【0025】
このような構成により、通信システム100は、無線通信装置4が接続されている外部装置2の周辺において、無線通信装置4を利用している人がいなくても、ユーザの操作負担を軽減しながら、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易にユーザ端末装置3を無線通信装置4に接続することができる。
【0026】
なお、上述では、サーバ1は、ユーザ端末装置3から送信されてきた端末位置情報に基づいて外部装置2を特定し、特定した外部装置2に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる構成について説明したが、これに限られない。
【0027】
例えば、外部装置2は、ユーザに商品を販売したときに、販売した商品に関する情報を、自動的にサーバ1に送信するような構成でもよい。このような構成の場合には、サーバ1は、ユーザ端末装置3から送信されてきた商品の情報と、外部装置2から送信されてきた販売した商品に関する情報とが一致するかどうかを判断する。また、サーバ1は、ユーザ端末装置3から商品の情報が送信されてきた時刻が、外部装置2により商品を販売した時刻から所定の範囲内にあることを条件に、一致するかどうかの判断を行ってもよい。
【0028】
このような構成によれば、ユーザ端末装置3は、位置情報算出部32で算出した端末位置情報をサーバ1に送信する必要がなく、処理負担が軽減されるメリットがある。
また、サーバ1は、外部装置2に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる処理を行う必要がなく、処理負担が軽減されるメリットがある。
【0029】
また、上述では、ユーザ端末装置3は、端末位置情報をサーバ1に送信する構成について説明したが、これに限られない。例えば、ユーザ端末装置3は、無線通信装置4のSSIDや、Bluetooth(登録商標)をスキャンした際のMACアドレス等でもよい。このような構成の場合、サーバ1は、SSID又はMACアドレスに基づいて、無線通信装置4を特定し、特定した無線通信装置4が設置されている外部装置2を特定する。
【0030】
また、ユーザ端末装置3は、端末位置情報ではなく、外部装置2のID情報を代わりにサーバ1へ送信する構成でもよい。外部装置2のID情報とは、外部装置2に固有に設定されている情報である。
このような構成の場合、ユーザは、外部装置2に表示されている画像(例えば、QRコード(登録商標)等)をユーザ端末装置3のカメラ部31によって撮像する。ユーザ端末装置3は、撮像したQRコードを解析して、外部装置2のID情報を取得する。なお、外部装置2のID情報の取得は、上述以外の方法でもよい。
サーバ1は、所定のテーブルを参照して、外部装置2のID情報から外部装置2に割り当てられているIPアドレス情報を特定する。
【0031】
なお、外部装置2とユーザ端末装置3とが直接通信して、ユーザ端末装置3が取得した写真データをサーバ1へ送ることができる構成の場合、サーバ1は、ユーザ端末装置3を介して外部装置2と通信できるため、外部装置2のID情報は不要になる。
【0032】
ここで、ユーザ端末装置3の動作について説明する。
ユーザは、外部装置2により商品を購入したときに、ユーザ端末装置3のカメラ部31を利用して、購入した商品を撮像する。カメラ部31で撮像された写真データは、外部装置2により購入した商品の情報に相当する。
【0033】
ユーザ端末装置3は、ユーザの操作に応じて、商品の写真データと、端末ID情報と、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報をサーバ1に送信する。
【0034】
第1受信部11は、問い合わせ情報を受信する。
判断部14は、外部装置2から送信されてきた販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれている場合には、当該写真データを用いて、第1受信部11で受信した問い合わせ情報に含まれている商品の写真データが含まれているかどうかを判断する。
【0035】
また、判断部14は、外部装置2から送信されてきた販売した商品に関する情報に商品の写真データが含まれていない場合には、所定のデータベースから商品の写真データを取得し、取得した商品の写真データを用いて、第1受信部11で受信した商品の写真データが含まれているかどうかを判断する。
【0036】
このような構成により、通信システム100は、ユーザが外部装置2から購入した商品を確実に把握することができ、ユーザの操作負担を軽減しながら、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易にユーザ端末装置3を無線通信装置4に接続することができる。
【0037】
サーバ1は、図1に示すように、決定部16をさらに備える。
決定部16は、判断部14により販売した商品に関する情報の中に、商品の情報が含まれていると判断した場合、購入された商品に応じた無線通信装置4の使用可能時間を決定する。
【0038】
第1送信部15は、無線通信装置4の認証情報とともに、無線通信装置4の使用可能時間を、第1受信部11で受信した端末ID情報を利用して、ユーザ端末装置3に送信する。
【0039】
ユーザ端末装置3は、使用可能時間分、無線通信装置4を使用してインターネットに接続することができる。
【0040】
また、決定部16は、図2に示すような、商品と使用可能時間が一対一に対応付けられている使用可能時間決定テーブルを参照して、購入された商品に応じた使用可能時間を決定してもよい。なお、図2に示す使用可能時間決定テーブルの構成は、一例であって、これに限られない。例えば、商品の値段に応じて使用可能時間が増加するようなテーブルであってもよい。また、決定部16は、テーブルを参照する構成ではなく、演算式により使用可能時間を算出する構成でもよい。
【0041】
このような構成により、通信システム100は、ユーザが外部装置2から購入した商品に応じた時間分、無線通信装置4をユーザ端末装置3に利用させることができる。
【0042】
また、通信システム100は、無線通信装置4の使用可能時間を経過する前にユーザ端末装置3が無線通信装置4の使用を止めた場合、残りの使用可能時間を別の機会に使用させる構成でもよい。このような構成の場合、ユーザ端末装置3は、使用可能時間の残存時間を記憶しておき、別の機会に無線通信装置4に対して接続要求を行う。
【0043】
また、通信システム100は、残存時間の使用に際しては、ユーザ端末装置3と無線通信装置4の間で残存時間の確認処理を行ってもよいし、ユーザ端末装置3とサーバ1の間で残存時間の確認処理を行ってもよい。後者の場合には、ユーザ端末装置3は、無線通信装置4の使用を止めたときに、無線通信装置4の認証情報が消去される。そして、別の機会に、ユーザ端末装置3は、残存時間の使用をサーバ1に求め、新たに無線通信装置4の認証情報をサーバ1から取得し、取得した認証情報に基づいて認証処理を実行する。
【0044】
また、通信システム100は、無線通信装置4の使用可能時間を累積させる構成でもよい。このような構成によれば、ユーザは、商品を購入する度に、無線通信装置4の使用可能時間を増加させることができる。
【0045】
また、通信システム100は、ユーザに付与した無線通信装置4の使用可能時間内であれば、異なる場所に設置されている無線通信装置4を使用させる構成でもよい。このような構成によれば、ユーザは、図3に示すように、ある場所に設置されている外部装置2aで商品を購入して無線通信装置4aの使用可能時間tを得て、その後、異なる場所に設置されている外部装置2bの無線通信装置4bを使用可能時間t分使用することができる。よって、通信システム100は、ユーザの利便性を向上することができる。
【0046】
サーバ1は、図1に示すように、記憶部17と、処理部18と、検索部19と、健康状態情報作成部20とをさらに備える。
【0047】
記憶部17は、端末ID情報と商品の情報が関連付けられているレコードを記憶する。レコードは、例えば、図4に示すように、端末ID情報に対して、商品の情報、購入した日付等の履歴情報が関連付けられている。
【0048】
処理部18は、第1受信部11で問合せ情報を受信したときに、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが記憶部17に記憶されている場合には、対応するレコードに商品の情報を追加する。
【0049】
また、処理部18は、第1受信部11で問合せ情報を受信したときに、当該問合せ情報に含まれている端末ID情報に対応するレコードが記憶部17に記憶されていない場合には、端末ID情報と商品の情報を関連付けたレコードを作成し、作成したレコードを記憶部17に記憶する。
【0050】
検索部19は、レコードに関連付けられている商品の情報に基づいて、当該商品の成分を検索する。例えば、あるレコードに関連付けられている商品の情報が飲料の場合について説明する。検索部19は、飲料の名称で検索を行い、飲料の栄養表示を取得する。栄養表示には、例えば、エネルギー、たんぱく質、資質、炭水化物、ナトリウム、糖類等が含まれている。
処理部18は、図4に示すように、検索結果を対応するレコードに関連付けて保存する。
【0051】
健康状態情報作成部20は、検索部19により検索された成分を解析し、健康状態に関する情報を作成する。例えば、健康状態情報作成部20は、レコードに保存されている複数の検索結果を総合的に判断して、健康状態に関する情報を作成する。
処理部18は、図4に示すように、健康状態情報作成部20により作成された健康状態に関する情報を、対応するレコードに関連付けて保存する。
【0052】
第1送信部15は、記憶部17にアクセスして健康状態に関する情報を取得し、取得した健康に関する情報を対応するユーザ端末装置3に送信する。
【0053】
このような構成により、通信システム100は、ユーザが外部装置2から購入した商品に基づいて、健康状態に関する情報を作成し、作成した健康状態に関する情報をユーザ端末装置3に送信することができる。よって、ユーザは、健康状態に関する情報を参考にして、商品を購入することができる。
【0054】
また、健康状態情報作成部20は、健康状態に関する情報に基づいて、商品のレコメンドを行ってもよい。このような構成の場合、第1送信部15は、健康状態に関する情報とともに、商品のレコメンドをユーザ端末装置3に送信する。よって、ユーザは、健康状態に関する情報とレコメンドされた商品を参考にして、商品を購入することができる。
【0055】
ここで、ユーザが商品を購入してから、ユーザ端末装置3により無線通信装置4の使用が可能になるまでの流れについて、図5を参照しながら説明する。以下では、ユーザは、自動販売機である外部装置2により商品を購入し、ユーザ端末装置3を操作して、所定のアプリケーション(以下、アプリという)を起動している状態であるものとする。
【0056】
ステップST1において、ユーザ端末装置3は、アプリが起動されると、購入した商品の画像を撮像するようにユーザに促す。このとき、ユーザ端末装置3は、自動的にカメラ部31を起動してもよい。ユーザ端末装置3は、ユーザの操作に応じて、カメラ部31により購入した商品を撮像する。なお、外部装置2のディスプレイに購入した商品を示す画像を表示し、当該画像をユーザ端末装置3に撮像させる構成でもよい。
【0057】
ステップST2において、ユーザ端末装置3は、カメラ部31により撮像された商品の画像データと、端末ID情報と、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報を含む問合せ情報をサーバ1に送信する。
【0058】
ステップST3において、サーバ1は、ユーザ端末装置3の位置を示す端末位置情報に基づいて、外部装置2を特定する。なお、外部装置2を特定する方法としては、上述以外でもよい。例えば、ユーザ端末装置3は、商品の画像データを近接無線通信により外部装置2に送信する。外部装置2は、ユーザ端末装置3から送信された商品の画像データに、自分自身を識別する固有の識別情報を付加してサーバ1に送信する。サーバ1は、外部装置と識別情報が対応付けられている対応テーブルを参照し、受信した識別情報に基づいて、外部装置2を特定する。
【0059】
ステップST4において、サーバ1は、特定された外部装置2に対して、販売した商品に関する情報を問い合わせる。
【0060】
ステップST5において、外部装置2は、販売した商品に関する情報をサーバ1に送信する。販売した商品に関する情報は、例えば、販売日時と商品に関する情報が関連付けられている。
【0061】
ステップST6において、サーバ1は、ステップST4の工程による問い合わせに応じて、外部装置2から送信されてきた販売した商品に関する情報の中に、ステップST3の工程で受信した商品の情報が含まれているかどうかを判断する。受信した商品の情報が含まれていると判断した場合には、ステップST7に進む。
なお、外部装置2は、ユーザに商品を販売したときに、販売した商品に関する情報を、自動的にサーバ1に送信するような構成でもよい。このような構成の場合には、上述したステップST4とステップST5の工程の代わりに、外部装置2からサーバ1へ販売した商品に関する情報を送信する工程が挿入される。
【0062】
また、受信した商品の情報が含まれていると判断した場合には、ユーザ端末装置3に無線通信装置4の使用を許可できない旨を通知する。ユーザ端末装置3は、当該通知を受信した場合、無線通信装置4を使用できない旨を表示する。
【0063】
ステップST7において、サーバ1は、無線通信装置4の認証情報をユーザ端末装置3に送信する。
ステップST8において、ユーザ端末装置3は、無線通信装置4の認証情報に基づいて、所定の認証処理を実行する。ユーザ端末装置3は、認証処理が完了すると、無線通信装置4を介してインターネットに接続することが可能になる。なお、実際には、起動されているアプリが所定の認証処理を行う。
【0064】
このようにして、通信システム100は、無線通信装置4が接続されている外部装置2の周辺において、無線通信装置4を利用している人がいなくても、ユーザの操作負担を軽減しながら、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易にユーザ端末装置3を無線通信装置4に接続することができる。
【0065】
なお、本実施例では、外部装置2は、飲料水等を販売する自動販売機として説明したが、これに限られない。例えば、外部装置2は、店舗(例えば、飲食店)内に設置されているPOSシステムであってもよい。POSシステムを利用する場合、ユーザ端末装置3は、カメラ部31により飲食店で販売された食券やレシート等を撮影し、撮影したデータを購入した商品の情報としてサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末装置3から送信されてきた商品の情報(食券やレシート等の画像データ)が、POSから送信されてきた購入された商品に関する情報(食券やレシート等の情報)に含まれているかどうかを判断する。
【0066】
また、本実施例では、ユーザ負担を軽減し、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易に無線通信装置に接続できるサーバ及び通信システムの構成と動作について説明したが、これに限られず、各構成要素を備え、ユーザ負担を軽減し、高いセキュリティとフリーライドの問題を生じることなく、簡易に無線通信装置に接続するための方法、及びプログラムとして構成されてもよい。
【0067】
さらに、サーバ及び通信システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0068】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 サーバ
2 外部装置
3 ユーザ端末装置
4 無線通信装置
11 第1受信部
12 特定部
13 問合せ部
14 判断部
15 第1送信部
16 決定部
17 記憶部
18 処理部
19 検索部
20 健康状態情報作成部
21 第2受信部
22 第2送信部
31 カメラ部
32 位置情報算出部
33 第3送信部
34 第3受信部
35 実行部
100 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5