特許第5969441号(P5969441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969441
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】検索プログラムおよび検索装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20160804BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20160804BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20160804BHJP
   G06F 3/0485 20130101ALI20160804BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160804BHJP
【FI】
   G06F17/30 320B
   G06F17/30 310C
   G06F3/041 595
   G06F3/0482
   G06F3/0485
   G06F3/0488
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-180544(P2013-180544)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-49676(P2015-49676A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 航
(72)【発明者】
【氏名】丹波 正登
(72)【発明者】
【氏名】中里 洋介
(72)【発明者】
【氏名】松木 良臣
【審査官】 樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−523633(JP,A)
【文献】 特開2006−107031(JP,A)
【文献】 特表2010−537289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 3/041
G06F 3/0482
G06F 3/0485
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備える電子機器によって実行される検索プログラムであって、
データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストを前記タッチパネルに表示させるリスト表示手段、および、
前記リスト表示手段によって前記リストが前記タッチパネルに表示させられている状態で前記データ特定情報の何れかを検索するための前記タッチパネルへの操作を受け付ける操作受付手段として前記電子機器を機能させ、
前記操作受付手段は、前記検索のための検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第1のスライド操作が前記タッチパネルに入力された場合、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とする第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときに、前記リストのうち前記タッチパネルによる表示位置を前記第1のデータ特定情報の位置に移動させる特定移動操作として前記第1のスライド操作を受け付け、前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれないときに、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする検索プログラム。
【請求項2】
前記操作受付手段は、前記検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に前記タッチパネルに前記第1のスライド操作が入力された場合、前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときであっても、前記第1のデータ特定情報が前記リストのうち現在の前記表示位置を基準とする特定の範囲内に存在するときには、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の検索プログラム。
【請求項3】
前記操作受付手段は、前記特定移動操作を受け付けた後、前記特定移動操作として受け付けた前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする第1の検索用文字の前記タッチパネルへの手書入力を、前記第1の検索用文字を先頭文字とする前記第1のデータ特定情報の位置に前記表示位置を移動させる操作として受け付けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検索プログラム。
【請求項4】
前記操作受付手段は、前記特定移動操作を受け付けた場合、前記第1の検索用文字が前記タッチパネルに手書入力された後で、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第2のスライド操作が前記タッチパネルに入力されたときに、前記第2のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする請求項3に記載の検索プログラム。
【請求項5】
前記操作受付手段は、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目としない第2の検索用文字の前記タッチパネルへの手書入力を、前記第2の検索用文字を先頭文字とする第2のデータ特定情報の位置に前記表示位置を移動させる操作として受け付けることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の検索プログラム。
【請求項6】
前記操作受付手段は、前記第2の検索用文字が前記タッチパネルに手書入力された後で、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第3のスライド操作が前記タッチパネルに入力されたときに、前記第3のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする請求項5に記載の検索プログラム。
【請求項7】
タッチパネルと、
データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストを前記タッチパネルに表示させるリスト表示手段と、
前記リスト表示手段によって前記リストが前記タッチパネルに表示させられている状態で前記データ特定情報の何れかを検索するための前記タッチパネルへの操作を受け付ける操作受付手段とを備え、
前記操作受付手段は、前記検索のための検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第1のスライド操作が前記タッチパネルに入力された場合、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とする第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときに、前記リストのうち前記タッチパネルによる表示位置を前記第1のデータ特定情報の位置に移動させる特定移動操作として前記第1のスライド操作を受け付け、前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれないときに、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を手書入力された文字で検索する検索プログラムおよび検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を手書入力された文字で検索する装置として、手書入力によって検索文字を受け付け、受け付けた検索文字でデータ特定情報を検索し、検索結果を表示するものが知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−140377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データ特定情報を並べたリストがタッチパネルに表示させられている状態でデータ特定情報の検索のためのタッチパネルへの操作を受け付ける方法が考えられる。そして、この方法においては、データ特定情報の検索のための検索用文字がタッチパネルに手書入力された場合に、リストのうちタッチパネルによる表示位置をこの検索用文字を含むデータ特定情報の位置に移動させることが考えられる。また、タッチパネルにおけるリストのスクロール方向へのスライド操作がタッチパネルに入力された場合に、タッチパネルにおいてリストをスクロールさせることも考えられる。
【0005】
ここで、タッチパネルへの検索用文字の手書入力と、タッチパネルへのスクロール操作の入力との両方に対応している場合、タッチパネルにおけるリストのスクロール方向へのスライド操作は、1画目がスクロール方向に延在する線である例えば「l」、「b」、「N」などの検索用文字の手書入力の一部であるのか、それとも、単純にリストのスクロール操作であるのか不明である。したがって、タッチパネルへの検索用文字の手書入力と、タッチパネルへのスクロール操作とのうち現在受け付け中の操作を切り替えるために特殊な操作を実行することが考えられる。しかしながら、このような特殊な操作の分だけ、操作の工程が増えて不便であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、データ特定情報の検索のための操作を容易化することができる検索プログラムおよび検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検索プログラムは、タッチパネルを備える電子機器によって実行される検索プログラムであって、データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストを前記タッチパネルに表示させるリスト表示手段、および、前記リスト表示手段によって前記リストが前記タッチパネルに表示させられている状態で前記データ特定情報の何れかを検索するための前記タッチパネルへの操作を受け付ける操作受付手段として前記電子機器を機能させ、前記操作受付手段は、前記検索のための検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第1のスライド操作が前記タッチパネルに入力された場合、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とする第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときに、前記リストのうち前記タッチパネルによる表示位置を前記第1のデータ特定情報の位置に移動させる特定移動操作として前記第1のスライド操作を受け付け、前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれないときに、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の検索プログラムは、検索用文字がタッチパネルに手書入力される前に、タッチパネルにおけるリストのスクロール方向へのスライド操作がタッチパネルに入力された場合に、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリストに含まれるか否かによって、このスライド操作が特定移動操作と、スクロール操作との何れであるかを自動的に決定するので、データ特定情報の検索のための操作を容易化することができる。
【0009】
また、本発明の検索プログラムにおいて、前記操作受付手段は、前記検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に前記タッチパネルに前記第1のスライド操作が入力された場合、前記特定の文字を先頭文字とする前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときであっても、前記第1のデータ特定情報が前記リストのうち現在の前記表示位置を基準とする特定の範囲内に存在するときには、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けても良い。
【0010】
この構成により、本発明の検索プログラムは、検索用文字がタッチパネルに手書入力される前に、タッチパネルにおけるリストのスクロール方向へのスライド操作がタッチパネルに入力された場合、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリストに含まれるときであっても、このデータ特定情報がリストのうち特定の範囲内に存在するか否かによって、このスライド操作がスクロール操作と、特定移動操作との何れであるかを自動的に決定するので、タッチパネルへのスクロール操作と、タッチパネルへの検索用文字の手書入力とを適切に受け付けることができる。
【0011】
また、本発明の検索プログラムにおいて、前記操作受付手段は、前記特定移動操作を受け付けた後、前記特定移動操作として受け付けた前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする第1の検索用文字の前記タッチパネルへの手書入力を、前記第1の検索用文字を先頭文字とする前記第1のデータ特定情報の位置に前記表示位置を移動させる操作として受け付けても良い。
【0012】
この構成により、本発明の検索プログラムは、特定移動操作を受け付けた場合にタッチパネルへの検索用文字の手書入力を受け付けるので、タッチパネルへの検索用文字の手書入力を適切に受け付けることができる。
【0013】
また、本発明の検索プログラムにおいて、前記操作受付手段は、前記特定移動操作を受け付けた場合、前記第1の検索用文字が前記タッチパネルに手書入力された後で、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第2のスライド操作が前記タッチパネルに入力されたときに、前記第2のスライド操作をスクロール操作として受け付けても良い。
【0014】
この構成により、本発明の検索プログラムは、タッチパネルへの検索用文字の手書入力を受け付ける場合に、データ特定情報の先頭文字の検索用文字のみの手書入力を受け付けた後、タッチパネルへのスクロール操作を受け付けるので、データ特定情報の全ての文字の検索用文字の手書入力を受け付ける構成と比較して、リストにデータ特定情報が膨大に含まれていないときに、目的のデータ特定情報に短時間で辿り着くことができる。
【0015】
また、本発明の検索プログラムにおいて、前記操作受付手段は、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目としない第2の検索用文字の前記タッチパネルへの手書入力を、前記第2の検索用文字を先頭文字とする第2のデータ特定情報の位置に前記表示位置を移動させる操作として受け付けても良い。
【0016】
この構成により、本発明の検索プログラムは、スクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目としない検索用文字の手書入力を受け付けるので、タッチパネルへの検索用文字の手書入力を適切に受け付けることができる。
【0017】
また、本発明の検索プログラムにおいて、前記操作受付手段は、前記第2の検索用文字が前記タッチパネルに手書入力された後で、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第3のスライド操作が前記タッチパネルに入力されたときに、前記第3のスライド操作をスクロール操作として受け付けても良い。
【0018】
この構成により、本発明の検索プログラムは、タッチパネルへの検索用文字の手書入力を受け付ける場合に、データ特定情報の先頭文字の検索用文字のみの手書入力を受け付けた後、タッチパネルへのスクロール操作を受け付けるので、データ特定情報の全ての文字の検索用文字の手書入力を受け付ける構成と比較して、リストにデータ特定情報が膨大に含まれていないときに、目的のデータ特定情報に短時間で辿り着くことができる。
【0019】
本発明の検索装置は、タッチパネルと、データ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストを前記タッチパネルに表示させるリスト表示手段と、前記リスト表示手段によって前記リストが前記タッチパネルに表示させられている状態で前記データ特定情報の何れかを検索するための前記タッチパネルへの操作を受け付ける操作受付手段とを備え、前記操作受付手段は、前記検索のための検索用文字が前記タッチパネルに手書入力される前に、前記タッチパネルにおける前記リストのスクロール方向への第1のスライド操作が前記タッチパネルに入力された場合、前記第1のスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とする第1のデータ特定情報が前記リストに含まれるときに、前記リストのうち前記タッチパネルによる表示位置を前記第1のデータ特定情報の位置に移動させる特定移動操作として前記第1のスライド操作を受け付け、前記第1のデータ特定情報が前記リストに含まれないときに、前記第1のスライド操作をスクロール操作として受け付けることを特徴とする。
【0020】
この構成により、本発明の検索装置は、検索用文字がタッチパネルに手書入力される前に、タッチパネルにおけるリストのスクロール方向へのスライド操作がタッチパネルに入力された場合に、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリストに含まれるか否かによって、このスライド操作が特定移動操作と、スクロール操作との何れであるかを自動的に決定するので、データ特定情報の検索のための操作を容易化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の検索プログラムおよび検索装置は、データ特定情報の検索のための操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態に係る携帯機器のブロック図である。
図2図1に示すデータ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストの一例を示す図である。
図3】リストの一部をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
図4】データ特定情報を検索する場合の図1に示す携帯機器の動作のフローチャートである。
図5】スクロール方向へのスライド操作が入力された状態での図1に示す携帯機器の正面図の一例である。
図6】文字「s」が手書入力された状態での図1に示す携帯機器の正面図の一例である。
図7図1に示すデータ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストの図2に示す例とは異なる一例を示す図である。
図8図7に示すリストの一部をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
図9図1に示すデータ群のデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリストの図2および図7に示す例とは異なる一例を示す図である。
図10図2に示すリストの一部をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
図11】リストのうちデータ特定情報「hand」の位置をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
図12】文字「m」が手書入力された状態での図1に示す携帯機器の正面図の一例である。
図13】リストのうちデータ特定情報「stamp」の位置をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
図14】リストのうちデータ特定情報「morning」の位置をタッチパネルに表示している状態での図1に示す携帯機器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0024】
まず、本実施の形態に係る検索装置としての携帯機器の構成について説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る携帯機器10のブロック図である。
【0026】
図1に示すように、携帯機器10は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するとともに種々の操作が入力されるタッチパネル12と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置である記憶部13と、携帯機器10全体を制御する制御部14とを備えている。
【0027】
携帯機器10は、例えば携帯音楽プレーヤー、スマートフォンなどの電子機器である。
【0028】
記憶部13は、制御部14によって実行される検索プログラム13aを記憶している。検索プログラム13aは、携帯機器10の製造段階で携帯機器10にインストールされていても良いし、例えば記憶媒体経由またはネットワーク経由で携帯機器10に追加でインストールされても良い。
【0029】
記憶部13は、データ群13bを記憶している。データ群13bは、携帯機器10の製造段階で携帯機器10にインストールされていても良いし、例えば記憶媒体経由またはネットワーク経由で携帯機器10に追加でインストールされても良い。
【0030】
図2は、データ群13bのデータを特定するためのデータ特定情報を並べたリスト20の一例を示す図である。
【0031】
図2に示すリスト20において、各行のデータ特定情報は、データ群13bの各データを特定する情報であって、データのタイトルやファイル名等である。ここで、データとしては、例えば、文書ファイル、画像ファイル、音楽ファイルなど、種々のデータが採用されることが可能である。
【0032】
図1に示す制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行する。
【0033】
制御部14は、記憶部13に記憶されている検索プログラム13aを実行することによって、タッチパネル12にリスト20を表示させるリスト表示手段14a、および、リスト表示手段14aによってリスト20がタッチパネル12に表示させられている状態でデータ特定情報の検索のためのタッチパネル12への操作を受け付ける操作受付手段14bとして機能する。
【0034】
次に、データ特定情報を検索する場合の携帯機器10の動作について説明する。
【0035】
図3は、図2に示すリスト20の一部をタッチパネル12に表示している状態での携帯機器10の正面図である。
【0036】
図3に示すように、タッチパネル12の表示領域で表示可能な行数分だけ、リスト20のデータ特定情報が表示される。タッチパネル12において、リスト20は、矢印12aで示す方向にスクロールされることが可能である。
【0037】
携帯機器10が図3に示す状態である場合に、データ特定情報を検索するための特定の操作が操作部11に入力されると、制御部14は、図4に示す動作を実行する。
【0038】
図4は、データ特定情報を検索する場合の携帯機器10の動作のフローチャートである。
【0039】
図4に示すように、携帯機器10の制御部14の操作受付手段14bは、矢印12a(図3参照。)で示すスクロール方向へのスライド操作がタッチパネル12に入力されたか否かを判断する(S101)。ここで、操作受付手段14bは、厳密に矢印12aで示すスクロール方向にスライドするスライド操作だけでなく、矢印12aで示すスクロール方向に対して多少の角度を持った方向にスライドするスライド操作も、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作であると判断してもよい。また、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向に厳密に直線状にスライドするスライド操作だけでなく、矢印12aで示すスクロール方向に多少蛇行しながらスライドするスライド操作も、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作であると判断してもよい。操作受付手段14bがどの程度のスライド操作を矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作であると判断するかは、設定次第である。
【0040】
図5は、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が入力された状態での携帯機器10の正面図の一例である。
【0041】
図5において、ハッチングで示した線31は、タッチパネル12上に手書入力されたスライド操作の軌跡を理解の容易のために示す図形であって、実際にタッチパネル12上に表示される図形ではない。
【0042】
図4に示すように、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が入力されていないとS101において判断すると、検索のための検索用文字がタッチパネル12上に手書入力されたか否かを判断する(S102)。
【0043】
図6は、文字「s」が手書入力された状態での携帯機器10の正面図の一例である。
【0044】
図6において、ハッチングで示した「s」という文字32は、タッチパネル12上に手書入力された検索用文字の軌跡を理解の容易のために示す図形であって、実際にタッチパネル12上に表示される図形ではない。
【0045】
図4に示すように、操作受付手段14bは、検索用文字がタッチパネル12上に手書入力されていないとS102において判断すると、S101の処理を実行する。
【0046】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が入力されたとS101において判断すると、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれるか否かを判断する(S103)。ここで、特定の文字としては、例えば「b」、「h」、「i」、「k」、「l」、「m」、「n」、「p」、「r」、「B」、「D」、「E」、「F」、「H」、「I」、「K」、「L」、「M」、「N」、「P」、「R」、「T」などが考えられる。操作受付手段14bが何れの文字を特定の文字と判断するかは、設定次第である。
【0047】
図7は、リスト20の図2に示す例とは異なる一例を示す図である。
【0048】
例えば、リスト20が図7に示すものである場合、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれないとS103において判断する。
【0049】
図4に示すように、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれないとS103において判断すると、このスライド操作をスクロール操作として受け付ける(S104)。
【0050】
次いで、リスト表示手段14aは、S104において受け付けられたスクロール操作に応じてタッチパネル12にリスト20を表示させる(S105)。
【0051】
例えば、リスト20が図7に示すものであって、S105の処理の直前にタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、S105においてタッチパネル12における表示位置が図8に示すように1スクロール分だけ変更される。ここで、1スクロール分の範囲は、例えば1画面分の範囲、すなわち、図3に示す例ではリスト20における5行分の範囲である。操作受付手段14bが何れの範囲を1スクロール分の範囲と判断するかは、設定次第である。
【0052】
操作受付手段14bは、S105の処理の後、S101の処理を実行する。
【0053】
図9は、リスト20の図2および図7に示す例とは異なる一例を示す図である。
【0054】
例えば、リスト20が図2または図9に示すものである場合、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれるとS103において判断する。
【0055】
図4に示すように、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれるとS103において判断すると、リスト20のうちタッチパネル12による現在の表示位置を基準とする特定の範囲内にこのデータ特定情報が存在するか否かを判断する(S106)。ここで、特定の範囲は、例えば1スクロールの範囲である。リスト20が図2に示すものであって、図3に示す画面が表示されている場合、特定の範囲を1スクロールの範囲とすると、1スクロールの範囲が1画面に表示可能である範囲であるとき、「glass」から「kitchen」までが特定の範囲となる。なお、操作受付手段14bが何れの範囲を特定の範囲と判断するかは、設定次第である。
【0056】
例えば、リスト20が図2に示すものであって、S106の処理の時点でタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字、例えば「h」を先頭文字とするデータ特定情報、例えば「hand」が、リスト20のうちタッチパネル12による現在の表示位置を基準とする特定の範囲内に存在するとS106において判断する。
【0057】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20の特定の範囲内に存在するとS106において判断すると、このスライド操作をスクロール操作として受け付ける(S107)。
【0058】
次いで、リスト表示手段14aは、S107において受け付けられたスクロール操作に応じてタッチパネル12にリスト20を表示させる(S108)。
【0059】
例えば、リスト20が図2に示すものであって、S108の処理の直前にタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、S108においてタッチパネル12における表示位置が図10に示すように1スクロール分だけ変更される。
【0060】
例えば、リスト20が図9に示すものであって、S106の処理の時点でタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報が、リスト20のうちタッチパネル12による現在の表示位置を基準とする特定の範囲内に存在しないとS106において判断する。
【0061】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20の特定の範囲外に存在するとS106において判断すると、リスト20のうちタッチパネル12による表示位置をこのデータ特定情報の位置に移動させる特定移動操作として、このスライド操作を受け付ける(S109)。
【0062】
次いで、リスト表示手段14aは、S109において受け付けられた特定移動操作に応じてタッチパネル12にリスト20を表示させる(S110)。
【0063】
例えば、リスト20が図9に示すものであって、S110の処理の直前にタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、S110においてタッチパネル12における表示位置が図11に示すように「h」を先頭文字とするデータ特定情報「hand」の位置に変更される。
【0064】
なお、図11の例では、リスト表示手段14aは、特定移動操作に応じてデータ特定情報「hand」をタッチパネル12の表示の一番上の行に表示したが、一番上の行に代えて他の行に表示してもよい。
【0065】
また、スクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20の特定の範囲外に複数存在する場合、S110におけるタッチパネル12における表示位置を、これらのデータ特定情報のうちタッチパネル12の現在の表示から最も近いものの位置に変更することができる。
【0066】
操作受付手段14bは、S108またはS110の処理の後、S107においてスクロール操作として受け付けたスライド操作、または、S109において特定移動操作として受け付けたスライド操作によって1画目が形成される検索用文字がタッチパネル12上に手書入力されたか否かを判断する(S111)。
【0067】
図12は、文字「m」が手書入力された状態での携帯機器10の正面図の一例である。
【0068】
図12において、ハッチングで示した「m」という文字33は、タッチパネル12上に手書入力された検索用文字の軌跡を理解の容易のために示す図形であって、実際にタッチパネル12上に表示される文字ではない。なお、文字33のうち線31は、S101において入力されたと判断されたスライド操作の軌跡を示す図形であって、図5に示すものと同一のものである。
【0069】
図4に示すように、操作受付手段14bは、検索用文字がタッチパネル12上に手書入力されたとS102またはS111において判断すると、この検索用文字を先頭文字とするデータ特定情報の位置にリスト20のうちタッチパネル12による表示位置を移動させる操作としてこの手書入力を受け付ける(S112)。
【0070】
リスト表示手段14aは、S112の処理の後、S112において受け付けられた操作に応じてタッチパネル12にリスト20を表示させる(S113)。
【0071】
例えば、リスト20が図7に示すものであって、S113の処理の直前にタッチパネル12に図3に示す画面が表示されている場合、図6に示すように文字32が手書入力されると、S113においてタッチパネル12における表示位置が図13に示すように「s」を先頭文字とするデータ特定情報「stamp」の位置に変更される。
【0072】
また、例えば、リスト20が図2に示すものであって、S113の処理の直前にタッチパネル12に図10に示す画面が表示されている場合、図12に示すように文字33が手書入力されると、S113においてタッチパネル12における表示位置が図14に示すように「m」を先頭文字とするデータ特定情報「morning」の位置に変更される。同様に、リスト20が図9に示すものであって、S113の処理の直前にタッチパネル12に図11に示す画面が表示されている場合も、文字33が手書入力されると、S113においてタッチパネル12における表示位置が図14に示すように「m」を先頭文字とするデータ特定情報「morning」の位置に変更される。
【0073】
なお、図13及び図14の例では、リスト表示手段14aは、特定移動操作に応じてデータ特定情報「stamp」または「morning」をタッチパネル12の表示の一番上の行に表示したが、一番上の行に代えて他の行に表示してもよい。
【0074】
また、検索用文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に複数存在する場合、S113におけるタッチパネル12における表示位置を、これらのデータ特定情報のうちタッチパネル12の現在の表示から最も近いものの位置に変更することができる。
【0075】
操作受付手段14bは、検索用文字がタッチパネル12上に手書入力されなかったとS111において判断するか、S113の処理を終了すると、S101の処理と同様に、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が新たにタッチパネル12に入力されたか否かを判断する(S114)。
【0076】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が入力されたとS114において判断すると、このスライド操作をスクロール操作として受け付ける(S115)。
【0077】
次いで、リスト表示手段14aは、S115において受け付けられたスクロール操作に応じてタッチパネル12にリスト20を表示させる(S116)。
【0078】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作が新たに入力されなかったとS114において判断するか、S116の処理の後、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作以外の操作がタッチパネル12に入力されたか否かを判断する(S117)。
【0079】
操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作以外の操作が新たに入力されなかったとS117において判断すると、再びS114の処理を実行する。
【0080】
一方、操作受付手段14bは、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作以外の操作が新たに入力されたとS117において判断すると、再びS101の処理を実行する。この場合、操作受付手段14bは、入力された操作をS101の判断対象としてもよい。
【0081】
なお、制御部14が図4に示す動作を実行する間、無操作状態が特定の時間継続すると、制御部14はそのとき実行している処理の実行を中断してS101の処理を実行してもよいし、そのとき実行している処理の次にS101の処理を実行してもよい。この場合、制御部14にタイマーを備え、このタイマーが無操作状態の継続時間を測定することができる。ここで、特定の時間は、ユーザーの操作に支障のない範囲で設定することができ、例えば、1秒〜数秒とすることができる。
【0082】
また、携帯機器10の利用者は、タッチパネル12上に表示されたデータ特定情報をダブルタップするなどの特定の操作を実行することによって、このデータ特定情報によって特定されるデータに対して携帯機器10に特定の処理を実行させることができる。
【0083】
以上に説明したように、携帯機器10は、検索用文字がタッチパネル12に手書入力される(S102でYESまたはS111でYES)前に、タッチパネル12におけるリスト20の矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作がタッチパネル12に入力された場合に(S101でYES)、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれるか否か(S103)によって、このスライド操作が特定移動操作(S109)と、スクロール操作(S104)との何れであるかを自動的に決定するので、データ特定情報の検索のための操作を容易化することができる。
【0084】
また、携帯機器10は、検索用文字がタッチパネル12に手書入力される(S102でYESまたはS111でYES)前に、タッチパネル12におけるリスト20の矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作がタッチパネル12に入力された場合(S101でYES)、このスライド操作の軌跡を1画目とする特定の文字を先頭文字とするデータ特定情報がリスト20に含まれるとき(S103でYES)であっても、このデータ特定情報がリスト20のうち特定の範囲内に存在するか否か(S106)によって、このスライド操作がスクロール操作(S107)と、特定移動操作(S109)との何れであるかを自動的に決定するので、タッチパネル12へのスクロール操作と、タッチパネル12への検索用文字の手書入力とを適切に受け付けることができる。
【0085】
また、携帯機器10は、特定移動操作を受け付けた場合(S109)にタッチパネル12への検索用文字の手書入力を受け付ける(S111)ので、タッチパネル12への検索用文字の手書入力を適切に受け付けることができる。
【0086】
また、携帯機器10は、矢印12aで示すスクロール方向へのスライド操作の軌跡を1画目としない検索用文字のタッチパネル12への手書入力を(S102でYES)、この検索用文字を先頭文字とするデータ特定情報の位置に表示位置を移動させる操作として受け付ける(S112)ので、タッチパネル12への検索用文字の手書入力を適切に受け付けることができる。
【0087】
また、携帯機器10は、タッチパネル12への検索用文字の手書入力を受け付ける場合(S102またはS111)に、データ特定情報の先頭文字の検索用文字のみの手書入力を受け付けた後、タッチパネル12へのスクロール操作を受け付ける(S114〜S116)ので、データ特定情報の全ての文字の検索用文字の手書入力を受け付ける構成と比較して、リスト20にデータ特定情報が膨大に含まれていないときに、目的のデータ特定情報に短時間で辿り着くことができる。
【0088】
また、携帯機器10は、検索窓や検索ボタンなどのGUI(Graphical User Interface)が必要ないので、リスト20などの情報の表示領域をタッチパネル12上に広く確保することができる。特に、タッチパネル12が小さい場合には、リスト20などの情報の表示領域をタッチパネル12上に広く確保することができることは有効である。
【0089】
なお、本発明の検索装置は、本実施の形態において携帯機器であるが、タッチパネルを備えていれば、携帯機器以外の電子機器であっても良い。例えば、本発明の検索装置は、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などの画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0090】
10 携帯機器(検索装置、電子機器)
12 タッチパネル
12a 矢印(スクロール方向を示す矢印)
13a 検索プログラム
13b データ群
14a リスト表示手段
14b 操作受付手段
20 リスト
31 線(スライド操作の軌跡)
33 文字(特定の文字)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14