特許第5969449号(P5969449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969449サイドガゼット付き自立型包装袋及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969449
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】サイドガゼット付き自立型包装袋及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/16 20060101AFI20160804BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20160804BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20160804BHJP
   B31B 31/60 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   B65D30/16 F
   B65D33/00 A
   B65D33/25 A
   B31B31/60
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-247018(P2013-247018)
(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公開番号】特開2015-105099(P2015-105099A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】室伏 利幸
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−225530(JP,A)
【文献】 特開2003−335347(JP,A)
【文献】 特開2004−189283(JP,A)
【文献】 特開2003−300535(JP,A)
【文献】 特開2001−270009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
B31B 1/00−49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側シートと、裏側シートと、前記表側シートと前記裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、内容物を収納した際に、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開して、表面部と裏面部と底面部とが形成され、自立可能となるサイドガゼット付き自立型包装袋において、前記表側シートと前記裏側シートとは一枚のシート材からなり、前記サイドガゼットは、前記シート材の折返し部から袋開口側に亘って、山折り側を袋内側に向けた二つ折りに形成され、前記裏側シートと前記サイドガゼットの上端部と下端部とを接合する封止テープを備え、内容物を収納した際に、前記サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開すると共に、前記折返し部側のサイドガゼットが三角フラップ状に袋内側に折り込まれると共に、前記表側シートの折返し部側と前記裏側シートの折返し部側とが同一平面となるように折曲され、前記表面部と前記裏面部と前記底面部とが形成されることを特徴とするサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項2】
開口部にチャックを備えていることを特徴とする請求項1記載のサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項3】
前記表側シートの前記表面部と前記底面部との境界位置と、前記裏側シートの前記裏面部と前記底面部との境界位置とに、前記底面部が形成される際の折り癖となるリブがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項4】
前記表側シートの前記表面部と前記底面部との境界位置と、前記裏側シートの前記裏面部と前記底面部との境界位置とに、前記底面部が形成される際に、互いに外側に引っ張るための摘み部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項5】
前記表側シートと前記裏側シートと前記サイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部は、折返し部側に向けて45度の角度で漸次幅が狭くなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項6】
前記表面部と、前記裏面部と、前記底面部とに、連続する一連の装飾部が設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋。
【請求項7】
表側シートと、裏側シートと、前記表側シートと前記裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、内容物を収納した際に、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開して、表面部と裏面部と底面部とが形成され、自立可能となるサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法において、
一枚のシート材を送り出し、該シート材の前記裏側シートとなる上半部を、製袋機のレーンに載置するシート材送り出し工程と、
前記製袋機に送り出されたシート材の上半部に、観音折りされた帯状のサイドガゼット用シートを、一対の折返し片を表側に向けて、前記シート材の上下方向に向けて所定の間隔で順次載置して仮接着するサイドガゼット用シート載置工程と、
前記仮接着されたサイドガゼット用シートの上端部と下端部とに熱接着性を有する封止テープをそれぞれ配置し、該封止テープと前記シート材とをヒートシールする封止テープ貼着工程と、
前記シート材の、前記表側シートとなる下半部を上半部側に折り返して重ねるシート材折返し工程と、前記サイドガゼット用シートの観音折りされた中央部と、前記表側シートと前記裏側シートとをヒートシールして接合させる接合工程と、該接合工程で形成されたヒートシール部の幅方向中央部を裁断する裁断工程とを備えていることを特徴とするサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項8】
前記シート材は、上半部の上部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、互いに咬合する一対のチャック部が押し出し成形されていることを特徴とする請求項7記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項9】
前記サイドガゼット用シートの上端部にシールされる前記封止テープは、表面に雄雌咬合部を備えた一対のチャックテープの一方のチャックテープで形成されると共に、前記シート材の下半部の下部側に、他方のチャックテープがシールされていることを特徴とする請求項7記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項10】
前記シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、前記底面部が折り込まれて形成される際の、折り癖となるリブが形成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項11】
前記シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、前記底面部が折り込まれて形成される際に、互いに外側に引っ張ることにより底面部を形成する摘み部が形成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項12】
前記裁断工程の後に、前記表側シートと前記裏側シートと前記サイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部を、折返し部側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度で接合すると共に切断する角部加工工程を備えていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【請求項13】
前記シート材は、上下方向に連続する一連の装飾部が形成されていることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項記載のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドガゼット付き自立型包装袋及びその製造方法に関し、詳しくは、表側シートと、裏側シートと、表側シートと裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、内容物を収納した際に、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開することにより、表面部と裏面部と底面部とが形成され、自立可能となるサイドガゼット付き自立型包装袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドガゼット付き自立型包装袋として、表側シートと、裏側シートと、これら表側シートと裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、表側シートと裏側シートの両側部と下部とが、サイドガゼットを介して接合されて形成されるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、表側シートと、裏側シートと、これら表側シートと裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、表側シートの下部に、底面部を形成する底面シートが一体に折り込まれて形成されると共に、サイドガゼットは、二つ折りにされたシートの下部を45度の角度で折り曲げ、底面部の角部を角状に形成するための三角フラップ形成部が設けられているものもあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−200067号公報
【特許文献2】特許第3655627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のものでは、内容物を収納した際に、本出願の図16に示されるように、サイドガゼット21と表側シート22と裏側シート23とが展開して、表面部24aと裏面部24bと底面部24cとが形成され、自立可能となるが、表側シート22と裏側シート23の下部が接合されていることから、底面部24cの中央部に下方に向けて突出する接合部25が形成されてしまい、自立させた状態の袋の安定性が良くなかった。
【0006】
また、特許文献2のものでは、底面部は平面状に形成されるものの、表側シートの下部に底面シートを一体に設けていることから、製袋機が大型化していた。また、サイドガゼットの下部に、三角フラップ形成部を折り込むことから、サイドガゼットの形成に手間が掛かり、コストが嵩んでいた。さらに、表側シートと底面シートとは一体となっているが、裏側シートは別体であることから、表面部と底面部と裏面部とに連続する装飾部を形成することは困難であった。
【0007】
そこで本発明は、内容物を収納した際に、底面部が平面状に形成され、安定性の向上が図れると共に、コストの低減化を図ることができ、デザイン性にも優れたサイドガゼット付き自立型包装袋及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、表側シートと、裏側シートと、前記表側シートと前記裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、内容物を収納した際に、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開して、表面部と裏面部と底面部とが形成され、自立可能となるサイドガゼット付き自立型包装袋において、前記表側シートと前記裏側シートとは一枚のシート材からなり、前記サイドガゼットは、前記シート材の折返し部から袋開口側に亘って、山折り側を袋内側に向けた二つ折りに形成され、前記裏側シートと前記サイドガゼットの上端部と下端部とを接合する封止テープを備え、内容物を収納した際に、前記サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開すると共に、前記折返し部側のサイドガゼットが三角フラップ状に袋内側に折り込まれると共に、前記表側シートの折返し部側と前記裏側シートの折返し部側とが同一平面となるように折曲され、前記表面部と前記裏面部と前記底面部とが形成されることを特徴としている。
【0009】
また、開口部にチャックを備えていると好ましい。さらに、前記表側シートの前記表面部と前記底面部との境界位置と、前記裏側シートの前記裏面部と前記底面部との境界位置とに、前記底面部が形成される際の折り癖となるリブがそれぞれ設けられていると好適である。また、前記表側シートの前記表面部と前記底面部との境界位置と、前記裏側シートの前記裏面部と前記底面部との境界位置とに、前記底面部が形成される際に、互いに外側に引っ張るための摘み部を設けても良い。さらに、前記表側シートと前記裏側シートと前記サイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部は、折返し部側に向けて45度の角度で漸次幅が狭くなると良い。また、前記表面部と、前記裏面部と、前記底面部とに、連続する一連の装飾部が設けられると好ましい。
【0010】
また、本発明のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法では、表側シートと、裏側シートと、前記表側シートと前記裏側シートの両側部にそれぞれ接合される一対のサイドガゼットとを備え、内容物を収納した際に、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開して、表面部と裏面部と底面部とが形成され、自立可能となるサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法において、一枚のシート材を送り出し、該シート材の前記裏側シートとなる上半部を、製袋機のレーンに載置するシート材送り出し工程と、前記製袋機に送り出されたシート材の上半部に、観音折りされた帯状のサイドガゼット用シートを、一対の折返し片を表側に向けて、前記シート材の上下方向に向けて所定の間隔で順次載置して仮接着するサイドガゼット用シート載置工程と、前記仮接着されたサイドガゼット用シートの上端部と下端部とに熱接着性を有する封止テープをそれぞれ配置し、該封止テープと前記シート材とをヒートシールする封止テープ貼着工程と、前記シート材の、前記表側シートとなる下半部を上半部側に折り返して重ねるシート材折返し工程と、前記サイドガゼット用シートの観音折りされた中央部と、前記表側シートと前記裏側シートとをヒートシールして接合させる接合工程と、該接合工程で形成されたヒートシール部の幅方向中央部を裁断する裁断工程とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、前記シート材は、上半部の上部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、互いに咬合する一対のチャック部が押し出し成形されていると好ましい。さらに、前記サイドガゼット用シートの上端部にシールされる前記封止テープは、表面に雄雌咬合部を備え裏面がシール面となる一対のチャックテープの一方のチャックテープで形成されると共に、前記シート材の下半部の下部側に、他方のチャックテープがシールされていると良い。また、前記シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、前記底面部が折り込まれて形成される際の、折り癖となるリブが形成されていると好適である。さらに、前記シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、前記底面部が折り込まれて形成される際に、互いに外側に引っ張ることにより底面部を形成する摘み部を形成しても良い。また、前記裁断工程の後に、前記表側シートと前記裏側シートと前記サイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部を、折返し部側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度で接合すると共に切断する角部加工工程を備えていると好ましい。さらに、前記シート材は、上下方向に連続する一連の装飾部が形成されていると好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のサイドガゼット付き自立型包装袋によれば、表側シートと裏側シートとが一枚のシート材を折り返すことにより形成されると共に、従来のように、サイドガゼットの下部に三角フラップ形成用の折り込み部を設けなくて良いことから、製造工程を少なくすることができ、コストの削減化を図ることができる。また、内容物を収納した際には、サイドガゼットと表側シートと裏側シートとが展開することにより、サイドガゼットが三角フラップ状に袋内側に折り込まれると共に、表側シートと裏側シートの折返し部側とが同一平面となるように折曲されて、表面部と裏面部と平面四角形状の底部が容易に形成されると共に、安定した状態で包装袋を自立させることができる。
【0013】
また、開口部にチャックを備えていることにより、リクローザブル機能を有する良好な包装袋を形成することができ、内容物を良好な状態で保存させることができる。さらに、表側シートの表面部と底面部との境界位置と、裏側シートの裏面部と底面部との境界位置とに、底面部が形成される際の折り癖となるリブがそれぞれ設けられていることから、内容物を収納した際に、リブを境に底面部を良好に形成することができる。また、表側シートの表面部と底面部との境界位置と、裏側シートの裏面部と底面部との境界位置とに、底面部が形成される際に、互いに外側に引っ張るための摘み部を設けたことにより、内容物を収容する際に摘み部を外側に引っ張ることにより、底面部を良好に形成することができる。さらに、表側シートと裏側シートとサイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部を、折返し部側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度で接合すると共に切断することにより、内容物を収容した際に、角部側のサイドガゼットが三角フラップ状に良好に袋内側に折り込まれ、底面部を容易、且つ、見栄え良く形成することができる。また、表面部と、裏面部と、底面部とに、連続する一連の装飾部が設けられることにより、デザイン性の向上を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法によれば、サイドガゼット用シートは、観音折りされるのみであり、サイドガゼット用シートの製造に手間が掛からず、さらに、歩留まりの向上を図ることができる。また、一枚のシート材を折り返して表側シートと裏側シートとすることから、ヒートシールを行う工程を少なくすることができ、コストの低減化を図ることができる。
【0015】
また、前記シート材は、上半部の上部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、互いに咬合するチャック部が押し出し成形されていることから、チャックを簡単に形成することができる。さらに、サイドガゼット用シートの上端部にシールされる封止テープは、表面に雄雌咬合部を備え裏面がシール面となる一対のチャックテープの一方のチャックテープで形成されると共に、シート材の下半部の下部側に、他方のチャックテープがシールされていることから、一方のチャックテープで封止テープを兼用でき、コストの削減化を図ることができる。また、シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、底面部が折り込まれて形成される際の、折り癖となるリブが形成されることから、底面部を形成するための折癖を簡単に形成することができる。さらに、シート材は、上半部の下部側の長手方向と、下半部の下部側の長手方向とに、底面部が折り込まれて形成される際に、互いに外側に引っ張ることにより底面部を形成する摘み部が形成されていることにより、内容物を収容する際に底面部を良好に形成するための摘み部を、容易に形成することができる。また、裁断工程の後に、表側シートと裏側シートとサイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部を、折返し部側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度で接合すると共に切断する角部加工工程を備えていることにより、内容物を収容した際に、角部側のサイドガゼットが三角フラップ状に良好に袋内側に折り込まれ、底面部を容易、且つ、見栄え良く形成される包装袋を製造することができる。また、シート材は、上下方向に連続する一連の装飾部が形成されていることから、簡単な方法でデザイン性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1形態例を示す包装袋の正面図である。
図2図1のII−II断面図である。
図3】本発明の第1形態例を示す包装袋の使用状態の断面図である。
図4】同じく使用状態の斜視図である。
図5】同じく包装袋の分解斜視図である。
図6】本発明の第2形態例を示す包装袋の分解斜視図である。
図7】本発明の第3形態例を示す包装袋の分解斜視図である。
図8】本発明の第4形態例を示す包装袋の分解斜視図である。
図9】本発明の第5形態例を示す包装袋の斜視図である。
図10】本発明の第6形態例を示す包装袋の正面図である。
図11】本発明の第7形態例を示す包装袋の斜視図である。
図12】本発明の包装袋の製造方法を示す概略図である。
図13】同じく包装袋の製造方法を示す説明図である。
図14】本発明のサイドガゼット用シートを示す説明図である。
図15】本発明の第2形態例を示す包装袋の展開図である。
図16】従来の包装袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1乃至図5は本発明の第1形態例を示すサイドガゼット付き自立型包装袋(以下、包装袋と表記する)を示す図である。この包装袋1は、図1及び図2に示されるように、一枚のシート材2を折り返して表側シート2aと裏側シート2bとが形成され、表側シート2aと裏側シート2bの両側部に、二つ折りにしたサイドガゼット3,3が、山折り部3aを袋内側に向けて、シート材2の折返し部2cから袋開口側に亘ってそれぞれ接合されている。
【0018】
シート材2は、一側面を非接着層、他側面を熱接着層とした周知の複合フィルムで形成されると共に、サイドガゼット3も同様の複合フィルムで形成され、サイドガゼット3は非接着層を内側にして二つ折りされている。
【0019】
裏側シート2bとサイドガゼット3,3の上端部と下端部とは、折返し部側が第1封止テープ4で、開口部側が第2封止テープ5でそれぞれ接合されている。また、サイドガゼット3の下端部は、シート材2の折返し部2cよりも表側シート2a側に、僅かに突出した状態で第1封止テープ4で接合され、表側シート2aと裏側シート2bとの間にサイドガゼット3が隙間なく確実に配置されるように図られている。
【0020】
さらに、裏側シート2bと、該裏側シート2bに接合されたサイドガゼット3,3上には折り返された表側シート2aが配置され、裏側シート2bの両側部と表側シート2aの両側部とが、サイドガゼット3,3を介装した状態でヒートシールされる。これにより、二つ折りにされたサイドガゼット3の一方の半体3bの外面上端部と外面下端部とが裏側シート2bに、他方の半体3cの外面上端部と外面下端部とが表側シート2aにそれぞれ接合され、サイドガゼット3の一方の半体3bと他方の半体3cの内面同士は非接着状態となっている。
【0021】
このように形成された包装袋1に内容物を収容すると、図3及び図4に示されるように、サイドガゼット3,3と表側シート2aと裏側シート2bとが展開することにより、折返し部2c側のサイドガゼット3,3が三角フラップ状に袋内側に折り込まれると共に、表側シート2aの折返し部2c側と、裏側シート2bの折返し部2c側とが同一平面となるように折曲され、表面部6aと裏面部6bと底面部6cとが形成される。これにより、包装袋1が自立可能となる。また、内容物が充填された後の包装袋1は、開口部がシールされ、開口シール部6dが形成される。
【0022】
本形態例は上述のように、表側シート2aと裏側シート2bとが一枚のシート材2を折り返すことにより形成されると共に、サイドガゼット3,3の下部に、従来のように三角フラップ形成用の折り込み部を設けなくて良いことから、製造工程を少なくすることができ、コストの削減化を図ることができる。また、内容物を収納した際には、サイドガゼット3,3と表側シート2aと裏側シート2bとが展開することにより、サイドガゼット3,3が三角フラップ状に袋内側に折り込まれると共に、表側シート2aと裏側シート2bの折返し部側とが同一平面となるように折曲されることから、平面四角形状の底面部6cが内容物の充填により容易に形成されると共に、安定した状態で包装袋1を自立させることができる。
【0023】
図6乃至図11は、本発明の他の形態例を示すもので、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図6は、本発明の第2形態例を示すもので、本形態例では、シート材2の上半部の上部側の幅方向と、下半部の下部側の幅方向とに、互いに咬合するチャック部7a,7bが押し出し成形されている。これにより、包装袋1の上部にチャックが形成され、リクローザブル機能を有する良好な包装袋8を形成することができる。
【0025】
図7は、本発明の第3形態例を示すもので、表側シート2aの表面部6aと底面部6cとの境界位置と、裏側シート2bの裏面部6bと底面部6cとの境界位置とに、底面部6cが形成される際の折り癖となるリブ9がそれぞれ設けられている。これにより、本形態例の包装袋10に内容物を収納した際に、リブ9,9を境に底面部6cを良好に形成することができる。
【0026】
図8は、本発明の第4形態例を示すもので、シート材2の上部側に第1チャックテープ11aが、下部側に第2チャックテープ11bがそれぞれヒートシールされている。第1チャックテープ11aは、表面に雄側咬合部11cが形成され、両面が熱接着層となっていて、第1形態例で用いた第2封止テープ5に変えて、裏側シート2bとサイドガゼット3,3の上端部にヒートシールされ、裏側シート2bとサイドガゼット3,3とは、第1チャックテープ11aによって接合されている。また、第2チャックテープ11bは、表面に雄側咬合部11cに咬合する雌側咬合部11dが形成され、両面が熱接着層となっていて、シート材2の下部側の所定位置にヒートシールされている。これにより、本形態例の包装袋12の上部にチャックが形成される。
【0027】
図9は、本発明の第5形態例を示すもので、本形態例のシート材2には、上下方向に連続する一連の装飾部13が形成されている。これにより、本形態例の包装袋14は、表面部6aと裏面部6bと底面部6cとに連続する一連の装飾部13が形成され、デザイン性の向上を図ることができる。
【0028】
図10は、本発明の第6形態例を示すもので、表側シート2aと裏側シート2bとサイドガゼット3とが重合する折返し部2c側の角部15,15を、折返し部2c側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度でヒートシールすると共に切断している。これにより、本形態例の包装袋16は、内容物を収容した際に、角部15,15側のサイドガゼット3,3が三角フラップ状に良好に袋内側に折り込まれ、底面部6cを容易、且つ、見栄え良く形成することができる。
【0029】
図11は、本発明の第7形態例を示すもので、表側シート2aの表面部6aと底面部6cとの境界位置と、裏側シート2bの裏面部6bと底面部6cとの境界位置とに、摘み部17,17が形成されている。本形態例の包装袋18では、内容物を収容する際に摘み部17,17を外側に引っ張ることにより、底面部6cを良好に形成することができる。
【0030】
次に、図12乃至図14に基づいて、図6に示す開口部にチャックを備えた本発明の第2形態例の包装袋8の製造方法を説明する。
【0031】
包装袋8(製造時:長さ寸法170mm,幅寸法100mm,内容物収納時:高さ寸法100mm,幅寸法100mm,底面部の奥行き寸法60mm)を製造する製袋機30は、本体レーン31と、該本体レーン31の流れ方向と直交する方向に配置されたサイドガゼット3を供給するサイドガゼット供給レーン32とを備えており、まず、図12及び図13(A)に示されるように、シート材送り出し工程41にて、ロール状に巻回されているシート材2を、熱接着層を上面、非接着層を下面に向けて、送り出しローラ(図示せず)によって本体レーン31に繰り出す。シート材2には、長手方向上部と下部とに、互いに咬合する一対のチャック部7a,7bが押し出し成形されており、裏側シート2bとなる上半部が本体レーン31に載置され、表側シート2aとなる下半部が本体レーン31の長手方向一方の側面(図12及び図13(A)の手前側)に配置されている。
【0032】
次いで、図12及び図13(B)に示されるように、サイドガゼット用シート載置工程42にて、観音折りされた帯状のサイドガゼット用シート3dを、シート材2の上半部に、前記他方の半体3cとなる一対の折返し片を表側に向けて、シート材2の上下方向に向けて所定の間隔で順次載置して仮接着される。サイドガゼット用シート3dは、図12及び図14(A)に示されるように、ロール状に巻回されたシートがサイドガゼット供給レーン32に複数の送り出しローラ32aにより繰り出され、熱接着層を外面に、非接着層を内面にして観音折りされ、裁断機32b,32bにより、所定の長さで切断される。本形態例では、図14(A)に示されるサイドガゼット用シート3dのように、包装袋8の上部に配置される上端部中央が山型に突出するように切断されるが、図14(B)に示されるサイドガゼット用シート3dのように、包装袋8の上部に配置される上端部と、包装袋8の下部に配置される下端部とが直線状に切断されるものや、図14(C)に示されるサイドガゼット用シート3dのように、前記上端部中央が山型に突出するように切断され、下端部中央が山型に切り欠かれて切断されるものでもよい。
【0033】
サイドガゼット用シート3dは、下端部3eが、シート材2の折返し部2cとなる基準線よりも越えて配置される。このとき、図15に示されるように、基準線を越えるサイドガゼット用シート3dの、はみ出し長さ寸法L1は、3mm以上、且つ、ガゼット有効深さ寸法L2(完成状態の包装袋8におけるサイドガゼット3の半体3b,3cの山折り部3から包装体8の側部までの長さ寸法L3から、サイドシール幅L4を引いた寸法)−1mm以下とすると好適であり、上端部3fは、チャック部7aと所定の長さ離間した位置に配置されると良い。尚、はみ出し長さ寸法L1は、図15における右側が最小の場合、左側が最大の場合を示す。さらに、シート材2に載置されたサイドガゼット用シート3dは、中央部の上下2箇所が、ヒートシール又は超音波シールにより仮止めされ、仮止め部3g,3gが形成される。
【0034】
次に、図12及び図13(C)に示されるように、封止テープ貼着工程43にて、仮接着されたサイドガゼット用シート3dの下端部に、複数の送り出しローラ43aによって第1封止テープ4が送り出されると共に、サイドガゼット用シート3dの上端部に、複数の送り出しローラ43bによって第2封止テープ5が送り出され、第1シール装置43cと、第2シール装置43dとによりそれぞれヒートシールされ、シート材2の上半部に、サイドガゼット用シート3dの上端部と下端部とがヒートシールされる。
【0035】
第1封止テープ4と第2封止テープ5とは、高強度、高弾性で、且つ、シート材2と同等の接着性を有したテープで、表面と裏面とにシート材2と同等の熱接着性を有する熱接着層が形成されている。例えば、第1封止テープ4と第2封止テープ5に用いられるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロン(ONY)等の補強材を中間層に有し、この中間層の両側に低温接着性樹脂や高温接着性樹脂を、適宜組み合わせて形成した積層フィルムを用いることが好ましく、低温接着性樹脂を積層したものでは、ピンホールの発生を低下させることができ、高温接着性樹脂を積層したものでは、耐熱性があることからシールバー面へのブロッキングを低下させることができる。
【0036】
第1封止テープ4は、サイドガゼット用シート3dの下端部3eより3mm程度突出するように貼着され、その幅寸法L5は、図15に示されるように、10mm以上、且つ、ガゼット有効深さ寸法L2以下であると好適である。尚、第1封止テープの幅寸法L5は、図15における右側が最小の場合、左側が最大の場合を示す。また、第2封止テープ5は、サイドガゼット用シート3dの上端部3fより1mm以上突出するように貼着され、第1封止テープ4と同等もしくは幅広に形成されており、その幅寸法は10mm以上が望ましい。
【0037】
次いで、図12及び図13(D),図13(F)に示されるように、シート材折返し工程44にて、基準線からシート材2の下半部を上半部側に折返し、チャック部7a,7bを咬合させる。このとき、シート材2の下半部は、製袋機30に設けられた直角三角形状の折り込み板44aにガイドされながら、上半部側に良好に折り返されていく。
【0038】
さらに、図12及び図13(G)に示されるように、接合工程45にて、サイドガゼット用シート3dの観音折りされた中央部と、表側シート2aと裏側シート2bとが、1台または、複数台の第3シール装置45aによりヒートシールされ、接合される。シート材2は折り返した内側に熱接着層が配置され、サイドガゼット用シート3dは観音折りされた外側に熱接着層が配置され、サイドガゼット用シート3dの重ね合わされた内側に、非接着層が配置されていることから、サイドガゼット用シート3dの重ね合わされた内面同士が接着することなく、サイドガゼット用シート3dの中央部と表側シート2aと裏側シート2bとが接合される。また、第3シール装置45aとしては、中央部から、約5mm〜10mm程度の振り分け幅を持った熱シールバーを用いると好適である。
【0039】
最後に、図12に示されるように、裁断工程46にて、接合工程45で形成されたヒートシール部の幅方向中央部を、裁断機46aで裁断し、さらにトリミングカットされることにより、包装袋8が製造される。
【0040】
尚、本発明のサイドガゼット付き自立型包装袋の製造方法は、上述の形態例に限るものではなく、シート材にチャック部を備えていなくても良い。また、第2封止テープに変えて、一対のチャックテープの一方を用い、シート材の下半部に他方のチャックテープをヒートシールするものでも良い。また、シート材として、幅方向に一連の装飾部を形成したものや、適宜装飾部を形成したものを用いることができる。さらに、裁断工程の後に、表側シートと裏側シートとサイドガゼットとが重合する折返し部側の2つの角部を、折返し部側に向けて漸次幅が狭くなるように45度の角度でヒートシールすると共に切断する角部加工工程を設けても良い。
【符号の説明】
【0041】
1…包装袋、2…シート材、2a…表側シート、2b…裏側シート、2c…折返し部、3…サイドガゼット、3a…山折り部、3b…一方の半体、3c…他方の半体、3d…サイドガゼット用シート、3e…下端部、3f…上端部、3g…仮止め部、4…第1封止テープ、5…第2封止テープ、6a…表面部、6b…裏面部、6c…底面部、6d…開口シール部、7a,7b…チャック部、8…包装袋、9…リブ、10…包装袋、11a…第1チャックテープ、11b…第2チャックテープ、11c…雄側咬合部、11d…雌側咬合部、12…包装袋、13…装飾部、14…包装袋、15…角部、16…包装袋、17…摘み部、18…包装袋、30…製袋機、31…本体レーン、32…サイドガゼット供給レーン、32a…送り出しローラ、32b…裁断機、41…シート材送り出し工程、42…サイドガゼット用シート載置工程、43…封止テープ貼着工程、43a,43b…送り出しローラ、43c…第1シール装置、43d…第2シール装置、44…シール材折返し工程、44a…折り込み板、45…接合工程、45a…第3シール装置、46…裁断機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14
図15
図16