特許第5969450号(P5969450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969450有機発光ディスプレイ装置および有機発光ディスプレイ装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969450
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】有機発光ディスプレイ装置および有機発光ディスプレイ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/26 20060101AFI20160804BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/08 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20160804BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20160804BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   H05B33/26 Z
   H05B33/02
   H05B33/04
   H05B33/06
   H05B33/08
   H05B33/10
   H05B33/12 B
   H05B33/14 A
   H05B33/22 Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-253442(P2013-253442)
(22)【出願日】2013年12月6日
(62)【分割の表示】特願2010-173752(P2010-173752)の分割
【原出願日】2010年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-41848(P2014-41848A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2013年12月6日
【審判番号】不服2015-10718(P2015-10718/J1)
【審判請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0073519
(32)【優先日】2009年8月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲みん▼ 徹
【合議体】
【審判長】 樋口 信宏
【審判官】 多田 達也
【審判官】 鉄 豊郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−352963(JP,A)
【文献】 特開2004−281399(JP,A)
【文献】 特開2003−152299(JP,A)
【文献】 特表2009−524920(JP,A)
【文献】 特開2005−305427(JP,A)
【文献】 特開2004−48032(JP,A)
【文献】 特開2003−89866(JP,A)
【文献】 特開2006−326523(JP,A)
【文献】 特開平8−242056(JP,A)
【文献】 特開2007−311137(JP,A)
【文献】 特開2005−19211(JP,A)
【文献】 特開2007−141844(JP,A)
【文献】 特開2009−128671(JP,A)
【文献】 特開2009−94347(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/174630(US,A1)
【文献】 特開2009−32786(JP,A)
【文献】 特開2007−227129(JP,A)
【文献】 特開2006−39550(JP,A)
【文献】 特開2008−153043(JP,A)
【文献】 特開2008−288075(JP,A)
【文献】 特開2009−146696(JP,A)
【文献】 特開2009−123696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数のTFTを形成する工程と、
前記TFTに電気的に接続された複数の画素電極を形成する工程と、
前記画素電極上に配置された少なくとも発光層を備える中間層を形成する工程と、
前記基板の全面にわたって配置された、前記中間層上に配置された対向電極形成する工程と、
前記画素電極、前記中間層、および前記対向電極を備える有機発光部の前記画素電極の間に対応して前記対向電極上に直接配置された対向電極バスラインをエアロゾルジェットプリンティング法を利用して形成する工程と、
前記対向電極バスラインの上面および側面を覆うブラックマトリックスをエアロゾルジェットプリンティング法を利用して形成する工程と、
を含む有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項2】
前記対向電極バスラインは、ストライプパターンに形成されることを特徴とする請求項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項3】
前記対向電極バスラインは、メッシュパターンに形成されることを特徴とする請求項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項4】
前記対向電極バスラインは、銀、金、銅およびニッケルからなる群から選択された少なくとも一つ以上の金属物質を含むことを特徴とする請求項3のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項5】
前記TFTを覆う平坦化膜を形成する工程をさらに含み、前記有機発光部は、前記平坦化膜上に配され、前記有機発光部の画素電極は、前記平坦化膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記TFTに電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機発光部の発光層で発生した光は、前記有機発光部の前記対向電極を通じて外部に放出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項7】
前記有機発光部の前記画素電極は、アノード電極であり、前記有機発光部の前記対向電極は、カソード電極であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項8】
前記画素電極のエッジの周辺に所定厚さを有するように画素定義膜を形成する工程をさらに含み、前記対向電極バスラインおよび前記ブラックマトリックスを前記画素定義膜上に配置することを特徴とする請求項1〜7ずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項9】
前記対向電極上に前記有機発光部を密封する封止構造を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項10】
前記基板上にバッファ層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ディスプレイ装置および有機発光ディスプレイ装置の製造方法に係り、より詳細には、対向電極のIRドロップが防止され、コントラストが改善された有機発光ディスプレイ装置および有機発光ディスプレイ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイ装置は、カソード電極およびアノード電極に電気的信号を印加すれば、アノードから注入された正孔が発光層に移動し、カソード電極から注入された電子が発光層に移動し、この発光層で正孔と電子とが結合して励起子を生成し、この励起子が励起状態から基底状態に変化することによって、発光層から光を生成させ、これにより、画像を具現する装置である。
【0003】
このような有機発光ディスプレイ装置は、視野角が広く、かつコントラストに優れるだけでなく、応答速度が速いという長所を有するため、次世代平板ディスプレイ装置として注目されている。特に、各画素の発光および発光の程度を画素ごとに備えられた薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を利用して制御する能動駆動型(AM:Active Matrix)有機発光ディスプレイ装置に関する研究が最近活発に進められている。
【0004】
しかし、このような能動駆動型有機発光ディスプレイ装置の場合、各画素を制御するTFTが有機発光素子の下部に備えられることによって、基板方向に光を放出する背面発光型有機発光ディスプレイ装置の場合には、TFTが備えられていない部分を通じてのみ光が外部に放出されるので、開口率が低下するという問題点があった。特に、各画素を制御するために複数のTFTが備えられることによって、このような開口率の低下は、有機発光ディスプレイ装置の性能をさらに低下させた。
【0005】
このような問題点を解決するために、有機発光素子から発生した光を基板の逆方向に放出する前面発光型有機発光ディスプレイ装置が提案された。しかし、このような前面発光型有機発光ディスプレイ装置の場合には、上部電極、すなわち、対向電極が透明電極で備えられねばならないので、その厚さが薄く、かつ抵抗が高いため、IRドロップが発生するという問題点があった。
【0006】
このようなIRドロップが発生する問題点を解決するために、対向電極に抵抗が少ない導電性のバスラインを連結する構造が提案されたが、前面発光型有機発光ディスプレイ装置の場合には、コントラストが低下するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0048705号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2005−0034427号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2005−0034346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、対向電極のIRドロップが防止され、コントラストの低下を防止できる有機発光ディスプレイ装置および有機発光ディスプレイ装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するために、本発明に係る有機発光ディスプレイ装置は、基板と、前記基板上に備えられた複数のTFTと、前記TFTに電気的に接続された複数の画素電極と、前記基板の全面にわたって配置された対向電極と、前記画素電極と対向電極との間に配され、少なくとも発光層を備える中間層と、を備える有機発光部と、前記有機発光部の対向電極の上部に配され、前記有機発光部の前記画素電極の間に配された対向電極バスラインと、前記対向電極バスラインの上面および側面を覆うブラックマトリックスと、を備える。
【0010】
前記対向電極バスラインは、ストライプパターンに備えられうる。
【0011】
前記対向電極バスラインは、メッシュパターンに備えられうる。
【0012】
前記対向電極バスラインは、銀、金、銅およびニッケルからなる群から選択された少なくとも一つ以上の金属物質を含みうる。
【0013】
前記TFTを覆う平坦化膜をさらに備え、前記有機発光部は、前記平坦化膜上に配置され、前記有機発光部の前記画素電極は、前記平坦化膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記TFTに電気的に接続されうる。
【0014】
前記有機発光部の前記発光層で発生した光は、前記有機発光部の対向電極を通じて外部に放出されうる。
【0015】
前記有機発光部の画素電極はアノード電極であり、前記有機発光部の対向電極はカソード電極でありうる。
【0016】
前記画素電極のエッジの周辺に所定厚さを有する画素定義膜をさらに備え、前記対向電極バスラインおよび前記ブラックマトリックスは、前記画素定義膜上に配置されうる。
【0017】
前記対向電極上に、前記有機発光部を密封する封止構造をさらに含みうる。
【0018】
前記基板上にバッファ層をさらに備えうる。
【0019】
また、本発明に係る有機発光ディスプレイ装置の製造方法は、複数のTFTを形成する工程と、前記TFTに電気的に接続された複数の画素電極と、前記画素電極上に配置された少なくとも発光層を備える中間層と、前記基板の全面にわたって配置された対向電極と、を備える有機発光部を形成する工程と、前記有機発光部の前記対向電極上に前記有機発光部の前記画素電極の間に対応して対向電極バスラインを形成する工程と、前記対向電極バスラインの上面および側面を覆うブラックマトリックスを形成する工程と、を含む。
【0020】
前記対向電極バスラインおよび前記ブラックマトリックスは、エアロゾルジェットプリンティング法を利用して形成されうる。
【0021】
前記対向電極バスラインは、ストライプパターンに形成されうる。
【0022】
前記対向電極バスラインは、メッシュパターンに形成されうる。
【0023】
前記対向電極バスラインは、銀、金、銅およびニッケルからなる群から選択された少なくとも一つ以上の金属物質を含みうる。
【0024】
前記TFTを覆う平坦化膜を形成する工程をさらに含み、前記有機発光部は、前記平坦化膜上に配され、前記有機発光部の画素電極は、前記平坦化膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記TFTに電気的に接続されうる。
【0025】
前記有機発光部の発光層で発生した光は、前記有機発光部の前記対向電極を通じて外部に放出されうる。
【0026】
前記有機発光部の前記画素電極は、アノード電極であり、前記有機発光部の前記対向電極は、カソード電極でありうる。
【0027】
前記画素電極のエッジの周辺に所定厚さを有するように画素定義膜を形成する工程をさらに含み、前記対向電極バスラインおよび前記ブラックマトリックスを前記画素定義膜上に配置しうる。
【0028】
前記対向電極上に前記有機発光部を密封する封止構造を形成する工程をさらに含みうる。
【0029】
前記基板上にバッファ層を形成する工程をさらに含みうる。
【発明の効果】
【0030】
第一に、画素電極の間に対応して対向電極上に対向電極バスラインを備えることによって、対向電極のIRドロップを防止できる。
【0031】
第二に、対向電極バスラインをブラックマトリックスで取り囲むことによって、対向電極のIRドロップを防止するとともに、コントラストを改善できる。
【0032】
第三に、エアロゾルジェットプリンティング法で対向電極バスラインおよびブラックマトリックスを微細線幅に形成することによって、ディスプレイ装置の平均的な品質を維持確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態に係る有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
図2図1の有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す平面図である。
図3図2に示された有機発光ディスプレイ装置の変形例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す平面図である。
【0036】
図1を参照すれば、基板100上に、複数のTFT(Thin Film Transistor)が備えられており、このTFTの上部には、有機発光部(OLED:Organic Light Emitting Diode)が備えられている。OLEDは、TFTに電気的に接続された画素電極210と、基板100の全面にわたって配置された対向電極220と、画素電極210と対向電極220との間に配置され、少なくとも発光層230を備える中間層240と、を備える。
【0037】
ここで、基板100は、ガラス材からなりうる。もちろん、本発明に係る有機発光ディスプレイ装置の基板は、これに限定されない。
【0038】
基板100上には、ゲート電極150、ソース電極およびドレイン電極170、半導体層130、ゲート絶縁膜140および層間絶縁膜160を備えたTFTが備えられている。もちろん、TFTは、図1に示された形態に限定されず、半導体層130が有機物で備えられた有機TFT、シリコンで備えられたシリコンTFTなど、多様なTFTが利用されうる。このTFTと基板100との間には、必要に応じて、酸化シリコンまたは窒化シリコンで形成されたバッファ層120がさらに備えられることもある。
【0039】
OLEDは、相互対向した画素電極210および対向電極220と、これらの電極の間に介在された少なくとも一つ以上の有機物層を備える中間層240とを備える。この中間層240は、少なくとも有機発光層230を備えるものであって、複数の層を備えうる。この層については、後述する。
【0040】
画素電極210はアノード電極の機能を行い、対向電極220はカソード電極の機能を行う。もちろん、この画素電極210および対向電極220の極性は、逆になることもある。
【0041】
画素電極210は、透明電極または反射電極で備えられうる。透明電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnOまたはInで備えられ、反射電極として使われる時には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、IR、Crおよびこれらの化合物で反射膜を形成した後、その上にITO、IZO、ZnOまたはInで膜を形成できる。
【0042】
対向電極220も、透明電極または反射電極で備えられうるが、透明電極として使われる時には、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mgおよびこれらの化合物を画素電極210と対向電極220との間の中間層240に対向して蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnOまたはInのような透明電極形成用物質で補助電極やバス電極ラインを形成できる。そして、反射型電極として使われる時には、前記のLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mgおよびこれらの化合物を蒸着して形成する。
【0043】
一方、画素定義膜(PDL:Pixel Defining Layer)300が画素電極210のエッジを覆い、画素電極210の外側に厚さを有するように備えられる。このPDL300は、発光領域を定義する役割以外に、画素電極210のエッジと対向電極220との間隔を広げて、画素電極210のエッジ部分で電界が集中する現象を防止することによって、画素電極210と対向電極220との短絡を防止する役割をする。
【0044】
画素電極210と対向電極220との間には、有機発光層230及び少なくとも一つ以上の有機層を備える多様な中間層240が備えられる。
【0045】
有機発光層230は、画素電極210と対向電極220との電気的駆動によって発光する。このような有機発光層230は、低分子有機物または高分子有機物で形成されうる。
【0046】
低分子有機物を使用する場合、中間層240は、有機発光層230を中心に画素電極210の方向に正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)および正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)が積層され、対向電極220の方向に電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)および電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合構造で積層されて形成されうる。この時、使用可能な有機材料として、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)をはじめとして、多様に適用可能である。これらの低分子有機物は、マスクを利用した真空蒸着の方法で形成されうる。
【0047】
一方、高分子有機物の場合、中間層240は、通常、HTLおよび有機発光層230で備えられた構造を有し、この時、前記HTLとしてポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)やポリアニリン(PANI)を使用でき、使用可能な有機材料としてPPV(Poly Phenylene Vinylene)系およびポリフルオレン系などの高分子有機物質を使用できる。
【0048】
このようなOLEDは、その下部のTFTに電気的に連結されるが、この時、TFTを覆う平坦化膜180が備えられる場合、OLEDは、平坦化膜180上に配され、OLEDの画素電極210は、平坦化膜180に備えられたコンタクトホールを通じてTFTに電気的に接続される。
【0049】
一方、前記図面には示されていないが、基板100上に形成されたOLEDは、外部の水分や酸素から有機発光層230を保護するための封止構造(図示せず)および/または吸湿剤(図示せず)がさらに備えられうる。
【0050】
このような構造において、OLEDの対向電極220の上部には、対向電極バスライン250が備えられる。この対向電極バスライン250は、図2に示すように、OLEDの画素電極210のそれぞれの間に対応して配される。このような対向電極バスライン250は、エアロゾルジェットプリンティングなどの多様な方法で形成されうる。
【0051】
対向電極220は、基板100の全面にわたって、すなわち、ディスプレイ部の全域を覆うように備えられる。したがって、有機発光層230への電子または正孔の注入において、対向電極220自体の抵抗によって、IRドロップが発生する。その結果、ディスプレイ部の位置によって、同じ輝度の光を放出するように、信号が印加されたにもかかわらず、輝度が異なるという問題が発生するおそれがある。特に、最近、能動駆動型有機発光ディスプレイ装置の各副画素の動作を制御するTFTのような電気素子の数が増加するにつれて、OLEDの有機発光層230で発生した光が基板100の方向ではなく、対向電極220を通じて外部に取出される前面発光型有機発光ディスプレイ装置が開発されているが、この場合、光が通過せねばならない対向電極220は、透明材料で形成されるとともに、その厚さが薄くなければならない。しかし、対向電極220の厚さが薄いほど、対向電極220の抵抗が増大し、結局、IRドロップがさらに大きくなる。
【0052】
したがって、本発明の実施形態に係る有機発光ディスプレイ装置では、対向電極220上に導電性物質で形成された対向電極バスライン250を備えることによって、この対向電極220のIRドロップを防止する。この時、対向電極バスライン250は、対向電極220を通じて前面に放出される光を遮断しないように、非発光領域に形成されることが望ましい。すなわち、図1に示すように、対向電極バスライン250は、OLEDの各画素電極210の間に対応して配置される。図2では、対向電極バスライン250がストライプパターンに備えられているが、図3に示された変形例による有機発光ディスプレイ装置のように、メッシュパターンに備えられるなど、多様な変形が可能である。このような対向電極バスライン250は、銀、金、銅、ニッケルからなる群から選択された少なくとも一つ以上の金属物質を含みうる。
【0053】
しかし、前述したように、対向電極バスライン250の形成によって、対向電極220のIRドロップは、防止できるが、導電性物質である対向電極バスライン250の高い反射率によって、有機発光ディスプレイ装置のコントラスト比が低下するという問題が発生する。
【0054】
したがって、本発明の実施形態に係る有機発光ディスプレイ装置では、対向電極バスライン250を取り囲むブラックマトリックス260を備えることによって、この対向電極バスライン250による反射率を低下させて有機発光ディスプレイ装置のコントラストの低下を防止する。このとき、ブラックマトリックス260は、対向電極220を通じて前面に放出される光を遮断しないように、非発光領域に形成されることが望ましい。すなわち、図1に示されたように、ブラックマトリックスは、OLEDの画素電極210の間に対応して配され、対向電極バスライン250を覆い包むように形成される。図2では、ブラックマトリックス260がストライプパターンに備えられているが、図3に示された変形例による有機発光ディスプレイ装置のように、メッシュパターンに備えられるなど、多様な変形が可能である。このようなブラックマトリックス260は、カーボンブラック粒子またはグラファイトを含みうる。
【0055】
このような対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260は、非発光領域に形成されることが望ましい。対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260は、一般的なフォト工程、インクジェットプリンティング工程、オフセットプリンティング工程など、様々な方法によって形成できる。また、対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260は、対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260の形成物質を、ガス内に固体と液体とが混合された煙霧質を噴射するエアロゾルジェットプリンティング法で形成できる。
【0056】
全面蒸着後、ウェットエッチングするようなパターニング法は、その下部の有機物で形成された有機発光層230および中間層240を損傷させ、マスクを利用した蒸着は、高精細のマスクを利用する必要があるため、マスクと基板100との間のアラインが正確でなければ、全ディスプレイ領域にわたって、画素に不良をもたらすおそれがある。しかし、エアロゾルジェットプリンティング法でこのような対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260を形成すれば、エアロゾルジェット積層ヘッドと基板100との間のアライメントが若干ずれても、画素に不良が発生するとしても一部の画素の不良のみにその発生を抑制することができる。そのため、全体的なディスプレイ装置としての平均的な品質を維持することができ、エアロゾルジェットプリンティング法は非接触式工程であるため有機発光層230および中間層240の損傷を減らすことができる。さらに、線幅調整の自由度が高くなるため、対向電極バスライン250およびブラックマトリックス260は微細線幅に形成できる。
【0057】
本発明は、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これらの実施形態から多様な変形および均等な他の実施形態が可能であるということを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0058】
100 基板、
120 バッファ層、
130、150、170 TFT、
140 ゲート絶縁膜、
160 層間絶縁膜、
180 平坦化膜、
210 画素電極、
220 対向電極、
230 発光層、
240 中間層、
250 対向電極バスライン、
260 ブラックマトリックス、
300 PDL。
図1
図2
図3