特許第5969458号(P5969458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969458
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】アルブミン誘導体及び変異体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20160804BHJP
   C07K 14/765 20060101ALI20160804BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20160804BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20160804BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20160804BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20160804BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20160804BHJP
   A61K 47/42 20060101ALI20160804BHJP
   A61K 47/48 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C12N15/00 A
   C07K14/765ZNA
   C07K19/00
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   A61K47/42
   A61K47/48
【請求項の数】16
【全頁数】91
(21)【出願番号】特願2013-503141(P2013-503141)
(86)(22)【出願日】2011年4月8日
(65)【公表番号】特表2013-523145(P2013-523145A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011055577
(87)【国際公開番号】WO2011124718
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年2月3日
(31)【優先権主張番号】11158921.4
(32)【優先日】2011年3月18日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】10174164.3
(32)【優先日】2010年8月26日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】10159450.5
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509198343
【氏名又は名称】アルブミディクス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー プラムリッジ
(72)【発明者】
【氏名】ダレル スリープ
(72)【発明者】
【氏名】インゲル サンドリー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン テリエ アンデルセン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】レスリー エバンズ
(72)【発明者】
【氏名】ガーディープ シング アスワル
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス アラン
(72)【発明者】
【氏名】エスベン ペーター フリス
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/082640(WO,A1)
【文献】 特表2005−530484(JP,A)
【文献】 特表2005−538932(JP,A)
【文献】 国際公開第03/066824(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドであって、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片は、
(i)ヒト血清アルブミン(human serum albumin:HSA)ドメインIIIに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つFcRn結合活性を有する、第1のアルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体、及び、
(ii)ヒト血清アルブミン(HSA)ドメインIIIに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、且つFcRn結合活性を有する、第2のアルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体
からなる、アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項2】
前記の第1及び/又は第2のアルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体が、各々独立に、ヒト血清アルブミン、霊長類血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、齧歯類血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウマ類血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ヒツジ血清アルブミン、イヌ血清アルブミン、モルモット血清アルブミン、ニワトリ血清アルブミン、並びにブタ血清アルブミンの何れかに由来する、請求項1に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項3】
前記の第1及び/又は第2のアルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体が、配列番号31又は配列番号1のドメインIIIに対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1又は2に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項4】
前記のドメインIII又はその誘導体若しくは変異体が、配列番号31又は配列番号1のアミノ酸381〜585に対して、少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項3に記載のアルブミン誘導体又は変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項5】
前記のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、又は融合ポリペプチドが、2コピーのヒト血清アルブミンドメインIIIからなる分子から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1〜4の何れか一項に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、又は融合ポリペプチド。
【請求項6】
少なくとも1のドメインIIIが、配列番号31又は配列番号1のアミノ酸573、500、550、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、574、575、577、578、579、580、581、582及び584から選択される位置に対応する位置に、1又は2以上の置換を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項7】
上記1又は2以上の置換が、K573P, Y, W, H, F, V, I, T, N, S, G, M, C, A, E, Q, R, L, D, K500E, G, D, A, S, C, P, H, F, N, W, T, M, Y, V, Q, L, I, R, Q417A, H440A, H464Q, E492G. D494N,Q,A, E495Q,A, T496A, D494E+Q417H, D494N+T496A, E492G+V493P, P499A, E501A,Q, N503H,K, H510Q, H535Q, K536A, P537A, K538A, K541G,D, D550E,N, E492G+K573P,A,又はE492G/N503H/K573Pから選択される、請求項6に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項8】
1又は2以上のチオール基を分子の表面に形成する1又は2以上の更なる変異を含む、請求項1〜7の何れかに記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項9】
配列番号31又は配列番号1のL585C, D1C, A2C, D562C, A364C, A504C, E505C, T79C, E86C, D129C, D549C, A581C, D121C, E82C, S270C, A578C, L585LC, D1DC, A2AC, D562DC, A364AC, A504AC, E505EC, T79TC, E86EC, D129DC, D549DC, A581AC, D121DC, E82EC, S270SC, S579AC, C360*, C316*, C75*, C168*, C558*, C361*, C91*, C124*, C169*及びC567*に対応する置換からなる群より選択される置換を有する、請求項8に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又は融合ポリペプチド。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片と、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片に結合した、治療部分とを含むコンジュゲート。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか一項に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドをコードする核酸。
【請求項12】
請求項11の核酸を含む宿主細胞。
【請求項13】
請求項1〜9の何れか一項に記載のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド又はアソシエートを含む組成物。
【請求項14】
(i)天然HSA、及び/又は、天然HSAを含む融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物よりも長い血漿中半減期を有するか、(ii)天然HSA、及び/又は、天然HSAを含む融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物よりも短い血漿中半減期を有する、請求項1〜13の何れか一項に記載のアルブミン変異体若しくは誘導体、その融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物、或いは、前記変異体、誘導体又は融合ポリペプチドをコードする核酸又は宿主細胞。
【請求項15】
(i)天然HSAを含むアルブミン融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物よりも長い血漿中半減期を有するか、(ii)天然HSAを含むアルブミン融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物よりも短い血漿中半減期を有する、請求項1〜14の何れか一項に記載のアルブミン変異体若しくは誘導体、その融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物、或いは、前記融合ポリペプチドをコードする核酸又は宿主細胞。
【請求項16】
前記の融合ポリペプチド、コンジュゲート、又はアソシエートが、
(i)4−1BBリガンド、5−ヘリックス、ヒトC−Cケモカイン、ヒトL105ケモカイン、γ−インターフェロン(MIG)により誘導されるモノカイン、部分CXCR4Bタンパク質、血小板塩基性タンパク質(platelet basic protein:PBP)、α1−抗トリプシン、ACRP−30ホモログ補体成分C1q C、アデノイド発現型ケモカイン(Adenoid-expressed chemokine:ADEC)、酸性線維芽細胞成長因子(acidic fibroblast growth factor:aFGF)線維芽細胞成長因子1(fibroblast growth factor:FGF−1)、アンジオポエイチン成長因子(angiopoeitin growth factor:AGF)、アルブミン、アンギオスタチン、炭疽菌ワクチン、コラプシン(collapsin)特異抗体、アンチスタシン(antistasin)、抗TGFβファミリー抗体、抗トロンビンIIIアジポネクチン-30(adiponectin:ACRP−30)ファモキシン(Famoxin)、アポリポタンパク質種、アリールスルファターゼB、b57タンパク質、B細胞成熟抗原(B-cell maturation antigen:BCMA)、Β−トロンボグロブリンタンパク質(β−TG)、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)線維芽細胞成長因子2(fibroblast growth factor 2:FGF2)、血液凝固因子、骨形態形成タンパク質(bone morphogenetic protein:BMP)ロセシング酵素フーリン(Furin)、骨形態形成タンパク質10(bone morphogenetic protein 10:BMP−10)、骨形態形成タンパク質12(bone morphogenetic protein 12:BMP−12)、骨形態形成タンパク質15(bone morphogenetic protein 15:BMP−15)、骨形態形成タンパク質17(bone morphogenetic protein 17:BMP−17)、骨形態形成タンパク質18(bone morphogenetic protein 18:BMP−18)、骨形態形成タンパク質2B(bone morphogenetic protein 2B:BMP−2B)、骨形態形成タンパク質4(bone morphogenetic protein:BMP−4)、骨形態形成タンパク質5(bone morphogenetic protein:BMP−5)、骨形態形成タンパク質6(bone morphogenetic protein:BMP−6)、骨形態形成タンパク質9(bone morphogenetic protein:BMP−9)、骨形態形成タンパク質−2、カルシトニン、カルパイン−10a、カルパイン−10b、カルパイン−10c、ガンワクチン、カルボキシペプチダーゼ、C−Cケモカイン、MCP2、CCR5変異体、CCR7、CD11a Mab、CD137、CD20 Mab、CD27、CD27L、CD30、CD30リガンド、CD33免疫毒素、CD40、CD40L、CD52 Mab、ケルベロス(Cerebus)タンパク質、モカインhIL−8、ケモカインhMCP1、ケモカインhMCP1a、ケモカインhMCP1b、ケモカインhMCP2、ケモカインhMCP3、ケモカインhSDF1b、ケモカインMCP−4、ケモカインTECK及びTECK変異体、ケモカイン様タンパク質IL−8M1全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M10全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M3、ケモカイン様タンパク質IL−8M8全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M9全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4−414全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4−426全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4−M2長及び成熟体、コレラワクチン、コンドロモジュリン様タンパク質、c−kitリガンド幹細胞因子(stem cell factor:SCF)マスト細胞増殖因子(mast cell growth factor:MGF)線維肉腫由来幹細胞因子、毛様体神経栄養因子(ciliary neurotropic factor:CNTF)及びその断片、CNTFAx15(Axokine、凝固因子(前駆体及び活性体)、コラーゲン、補体C5 Mab、CTAA16.88 Mab、結合組織活性化タンパク質−III(connective tissue activating peptide III:CTAP−III)、抗細胞毒性Tリンパ球関連タンパク質4免疫グロブリン(anti-cytotoxic T-lymphocyte-associated protein-4 immunoglobulin:CTLA4−Ig)、XC3、CXCケモカイン受容体3、シアノビリン(cyanovirin)−N、ダーベポエチン、デオキシリボヌクレアーゼ(deoxyribonuclease:DnaseエクトジスプラシンA受容体(ectodysplastin A receptor:EDAR)、EGF受容体Mab(monoclonal antibody for epidermal growth factor receptor:EGF receptor Mab)、ンドスタチン(Endostatin)、エオタキシン、上皮好中球活性化タンパク質−78(ENA-78)、エリトロポエチン(EPO)受容体エリトロポエチン(EPO)及びEPO模倣物、ユートロピン(Eutropin)、エクソダス(exodus)タンパク質、第IX因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子及び第XIII因子、FASリガンド阻害タンパク質(DcR3)、FasL、線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor:FGF)、線維芽細胞成長因子12(fibroblast growth factor 12:FGF−12)線維芽細胞増殖因子相同因子(Fibroblast growth factor homologous factor)−1、線維芽細胞成長因子15(fibroblast growth factor 15:FGF−15)、線維芽細胞成長因子16(fibroblast growth factor 16:FGF−16、線維芽細胞成長因子18(fibroblast growth factor 18:FGF−18)、線維芽細胞成長因子3(fibroblast growth factor 3:FGF−3, INT−2)、線維芽細胞成長因子4(fibroblast growth factor 4:FGF−4)ゲロニン(gelonin)、線維芽細胞成長因子5(fibroblast growth factor 5:FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(fibroblast growth factor 6:FGF−6)ヘパリン結合性分泌形質転換因子(Heparin binding secreted transforming factor)−2、線維芽細胞成長因子8(fibroblast growth factor 8:FGF−8)、線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor 9:FGF−9)グリア活性化因子、フィブリノゲン、flt-1、flt-3 リガンド、卵胞刺激ホルモンαサブユニット、卵胞刺激ホルモンβサブユニット、ホリトロピン、フラクタルカイン(Fractalkine)、断片化筋原線維タンパク質トロポニンI(fragment. myofibrillar protein トロポニンI)、卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)、ガラクトシダーゼ、ガレクチン−4、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G−CSF)、増殖分化因子1(growth differentiation factor-1:GDF−1)、遺伝子療法薬、グリオーマ由来増殖因子、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、グルコセレブロシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、グリコデリン(Glycodelin)−Aプロゲステロン関連子宮内膜タンパク質、ゴナドトロピン、顆粒球走化性タンパク質−2(Granulocyte chemotactic protein-2:GCP−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM−CSF)、成長ホルモン、増殖関連オンコジーン−α(Growth related oncogene-alpha:GRO−α)、増殖関連オンコジーン−β(GRO−β)、増殖関連オンコジーン−γ(GRO−γ)、ヒトアポリポタンパク質(human apolipoprotein-4:hAPO-4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー19(tumor necrosis factor receptor superfamily, member 19:TROY)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chronionic gonadotropin:hCG)、B型肝炎表面抗原、B型肝炎ワクチン、HER2受容体Mab、ヒルジン(hirudin)、HIV gp120、HIV gp41、HIV阻害ペプチド、IV−1プロテアーゼ阻害剤、ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)ワクチン、ヒト6CKineタンパク質、ヒトAct−2タンパク質、ヒト脂質生成阻害因子、ヒトB細胞刺激因子−2受容体、ヒトβ−ケモカインH1305(MCP−2)、ヒトC−CケモカインDGWCC、ヒトCCケモカインEBI1リガンドケモカイン(ELC)タンパク質、ヒトCC型ケモカインインターロイキンC、ヒトCCC3タンパク質、ヒトCCF18ケモカイン、ヒトCC型ケモカインタンパク質、二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトケモカインβ−8短小型、ヒトケモカインC10、ヒトケモカインCC−2、ヒトケモカインCC−3、ヒトケモカインCCR−2、ヒトケモカインCkβ−7、ヒトケモカインENA−78、トケモカインHCC−1、ヒトケモカインI−309、ヒトケモカインIP−10、ヒトケモカインL105_3、ヒトケモカインL105_7、トケモカインMIG−βタンパク質、ヒトケモカインMIP−1α、ヒトケモカインMIP1β、ヒトケモカインMIP−3α、ヒトケモカインMIP−3β、ヒトケモカインPF4、ヒトケモカインタンパク質331D5、ヒトケモカインタンパク質61164、ヒトケモカイン受容体CXCR3、ヒトケモカインSDF1α、ヒトケモカインSDF1β、ヒトケモカインZSIG−35、ヒトChr19Kineタンパク質、ヒトCKβ−9、ヒトCX3C 111アミノ酸ケモカイン、ヒトDNAX インターロイキン−40、ヒトDVic−1 C−Cケモカイン、ヒトEDIRF Iタンパク質配列、ヒトEDIRF IIタンパク質配列、ト好酸球発現型ケモカイン(eosinophil-expressed chemokine:EEC)、ヒト速収縮骨格筋トロポニンC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンI、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットT、ヒト胎児脾臓発現型ケモカイン、ヒトGM−CSF受容体、ヒトgro-αケモカイン、ヒトgro-βケモカイン、ヒトgro-γケモカイン、ヒトIL−16タンパク質、ヒトIL−1RD10タンパク質配列、ヒトIL−1RD9、ヒトIL−5受容体α鎖、ヒトIL−6受容体、ヒトIL−8受容体タンパク質hIL8RA、ヒトIL−8受容体タンパク質hIL8RB、ヒトIL−9受容体タンパク質、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体#3、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体断片、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体断片#3、ヒトインターロイキン1δ、ヒトインターロイキン10、ヒトインターロイキン18、ヒトインターロイキン18誘導体、ヒトインターロイキン−1β前駆体、ヒトインターロイキン−1受容体補助タンパク質、ヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストβ、ヒトインターロイキン−1タイプ3受容体、ヒトインターロイキン−10(前駆体)、ヒトインターロイキン−11受容体、ヒトインターロイキン−12 40kDサブユニット、ヒトインターロイキン−12 β−1受容体、ヒトインターロイキン−12 β−2受容体、ヒトインターロイキン−12 p35タンパク質、ヒトインターロイキン−12 p40タンパク質、ヒトインターロイキン−12受容体、ヒトインターロイキン−13 α受容体、ヒトインターロイキン−13 β受容体、ヒトインターロイキン−15、クローンP1由来ヒトインターロイキン−15受容体、ヒトインターロイキン−17受容体、ヒトインターロイキン−3、ヒトインターロイキン−3受容体、トインターロイキン−4受容体、ヒトインターロイキン−5、トインターロイキン−7、ヒトインターロイキン−8(IL−8)、ヒト細胞内IL−1受容体アンタゴニスト、ヒトIP−10及びHIV−1 gp120 超可変領域融合タンパク質、ヒトIP−10及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒト肝臓及び活性化調節ケモカイン(liver and activation regulated chemokine:LARC)、ヒトLkn−1全長及び成熟タンパク質、ヒト乳房関連ケモカイン(mammary associated chemokine:MACK)タンパク質全長及
び成熟体、ヒト成熟ケモカインCkβ−7、ヒト成熟gro−α、ヒト成熟gro−γポリペプチド(敗血症治療用)、ヒトMCP−3及びヒトMuc−1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒトMI10タンパク質、ヒトMI1Aタンパク質、ヒト単球走化性因子hMCP−1、ヒト単球走化性因子hMCP−3、ヒト単球走化性前駆タンパク質(monocyte chemotactic proprotein:MCPP)配列、ヒトニューロタクチン(neurotactin)ケモカイン様ドメイン、ヒト非ELR CXCケモカインH174、ヒト非ELR CXCケモカインIP10、ヒト非ELR CXCケモカインMig、ヒトPAI−1ミュータント、ト二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトSISDタンパク質、ヒトSTCP−1、ヒト間質細胞由来ケモカイン、SDF-1、ヒトT細胞混合リンパ球反応性発現型ケモカイン(T cell mixed lymphocyte reaction expressed chemokine:TMEC)、ヒト胸腺及び活性化調節サイトカイン(thymus and activation regulated cytokine:TARC)、ヒト胸腺発現型、ヒト腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)−α、ヒトTNF−β(LT-α)、ヒトタイプCCケモカインエオタキシン3タンパク質配列、ヒトタイプIIインターロイキン−1受容体、ヒト野生型インターロイキン−4(hIL−4)タンパク質、ヒトZCHEMO−8タンパク質、ヒト化抗血管上皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体及びその断片、ヒアルロニダーゼ、インターロイキン1β転換酵素(interleukin-1 beta converting enzyme:ICE)10kDサブユニット、ICE 20kDサブユニット、ICE 22kDサブユニット、イズロン酸-2-スルファターゼ、イズロニダーゼ、IL−1α、IL−1β、IL−1阻害剤(IL−1i)、IL−1成熟体、IL−10受容体、IL−11、IL−12 p40サブユニット、IL−13、IL−14、IL−15、IL−15受容体、IL−17、Il−17受容体、IL−19、IL−1i断片、IL1−受容体アンタゴニスト、IL−21(TIF)、IL−3含有融合タンパク質、L−3変異体、IL−4、IL−4ムテイン(mutein)、IL−4ムテインY124G、IL−4ムテインY124X、l−5受容体、IL−6、Il−6受容体、IL−7受容体クローン、IL−8受容体、IL−9成熟タンパク質変異体(Met117バージョン)、免疫グロブリン若しくは免疫グロブリン系分子又はそのdAb、Fab断片、F(ab’)2、scAb、scFv又はscFv断片、プラスミノーゲン、インフルエンザワクチン、インヒビンα、インヒビンβ、インシュリン、インシュリン様増殖因子、インテグリンMab、インターαトリプシン阻害剤、インターフェロンγ誘導性タンパク質(IP−10)、インターフェロン、インターロイキン6、インターロイキン8(IL−8)受容体、インターロイキン8受容体B、インターロイキン−1α、インターロイキン−2受容体関連タンパク質p43、インターロイキン−3、ンターロイキン−8(IL−8)タンパク質、インターロイキン−9、インターロイキン−9(IL−9)成熟タンパク質(Thr117バージョン)、インターロイキン、日本脳炎ワクチン、カリクレイン阻害剤、ケラチノサイト増殖因子、クニッツ(Kunitz)ドメインタンパク質、アミロイド前駆体タンパク質(アルブミン融合の有無によらず)、LACI、ラクトフェリン、潜在型TGF−β結合タンパク質II、レプチン、肝臓発現型ケモカイン−1(LVEC−1)、肝臓発現型ケモカイン−2(LVEC−2)、LT−α、LT−β、黄体化ホルモン、ライム病(Lyme)ワクチン、リンホタクチン(Lymphotactin)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC(n+1)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC−eyfy、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC−yl、マクロファージ由来ケモカイン、マスピンプロテアーゼ阻害剤5、MCP−1受容体、MCP−1a、MCP−1b、MCP−3、MCP−4受容体、M−CSF、メラノーマ阻害タンパク質、膜結合タンパク質、Met117ヒトインターロイキン9、MIP−3α、MIP−3β、MIP−γ、ミルタザピン(MIRAP)、修飾型ランテス(Modified Rantes)、モノクローナル抗体、プレドニソン(MP52)、ミュータントインターロイキン6 S176R、筋原線維収縮性タンパク質トロポニンI、ナトリウム利尿ペプチド、神経増殖因子−β、神経増殖因子−β2、ニューロピリン(Neuropilin)−1、ニューロピリン−2、ニューロタクチン(Neurotactin)、ニューロトロフィン(Neurotrophin)−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−4a、ニューロトロフィン−4b、ニューロトロフィン−4c、ニューロトロフィン−4d、好中球活性化ペプチド−2(Neutrophil activating peptide-2:NAP−2)、NOGO−66受容体、NOGO−A、NOGO−B、NOGO−C、新規β−ケモカインPTEC、N末端修飾ケモカインGroHEK/hSDF−1α、N末端修飾型ケモカインGroHEK/hSDF−1β、N末端修飾型ケモカインmet−hSDF−1α、N末端修飾型ケモカインmet−hSDF−1β、オステオプロテゲリンリガンド(osteoprotegerin ligand:OPGL)、骨原性タンパク質−1、OP−1、骨形態形成タンパク質7(bone morphogenetic protein:BMP−7)、骨原性タンパク質−2、OX40、OX40L、オキシトシン(ニューロフィジンI)、副甲状腺ホルモン、パッチ型、パッチ型−2、PDGF−D、百日咳トキソイド、下垂体発現型ケモカイン(Pituitary expressed chemokine:PGEC)、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子−2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−1、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−2、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子Bv−sis、血小板由来増殖因子前駆体A、血小板由来増殖因子前駆体B、血小板Mab、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子B鎖、敗血症治療用ポリペプチド、プレプロアポリポタンパク質「ミラノ」(milano)変異体、プレプロアポリポタンパク質「パリ」(paris)変異体、プレトロンビン、霊長類CCケモカイン「ILINCK」、霊長類CXCケモカイン「IBICK」、プロインシュリン、プロラクチン、プロラクチン2、プロサプチド(prosaptide)、プロテアーゼ阻害ペプチド、タンパク質C、タンパク質S、プロトロンビン、プロウロキナーゼ、ANTES 8−68、RANTES 9−68、RANTESペプチド、RANTES受容体、組換インターロイキン−16、レジスチン(Resistin)、レストリクトシン(restrictocin)、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、リシン(ricin)、ロタウイルスワクチン、RSV Mab、サポリン、サルシン(sarcin)、分泌及び膜貫通ポリペプチド、血清コリンエステラーゼ、血清タンパク質、溶解性BMP受容体キナーゼタンパク質−3、溶解性VEGF受容体、幹細胞阻害因子、ブドウ球菌(Straphylococcus)ワクチン、間質由来因子−1α、間質由来因子−1β、サブスタンスP(タキキニン)、T1249ペプチド、T20ペプチド、T4エンドヌクレアーゼ、プロタチキニン1(protachykinin:TACI)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(Thymus and activation regulated chemokine:Tarc)、TGF−β1、TGF−β2、Thr117ヒトインターロイキン9、トロンビン、トロンボポエチン、トロンボポエチン誘導体1、トロンボポエチン誘導体2、トロンボポエチン誘導体3、トロンボポエチン誘導体4、トロンボポエチン誘導体5、トロンボポエチン誘導体6、トロンボポエチン誘導体7、胸腺発現型ケモカイン(Thymus expressed chemokine:TECK)、甲状腺刺激ホルモン、ダニ抗凝固ペプチド、Tim−1タンパク質、TNF−α前駆体、TNF−R、TNF−RII、TNF p75受容体、デス(Death)受容体、組織プラスミノーゲン活性化因子(tissue prasminogen activator:tPA)、トランスフェリン、形質転換増殖因子β、トロポニンペプチド、切断型単球走化性タンパク質2(6−76)、切断型RANTESタンパク質(3−68)、腫瘍壊死因子、尿酸オキシダーゼ、ウロキナーゼ、バソプレッシン(ニューロフィジンII)、血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)R−3、flt−4、VEGF受容体、KDR、flk−1、VEGF−110、VEGF−121、VEGF−138、VEGF−145、VEGF−162、VEGF−165、VEGF−182、VEGF−189、VEGF−206、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−X、フォン・ヴィルブラント因子、野生型単球走化性タンパク質2、ZTGF−β9
(ii)13−シス−レチノイン酸、−クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン(Azacitidine)、クチノマイシン−D、ルデスロイキン、アレムツズマブ、リトレチノイン(Alitretinoin)ルトレタミン(Altretamine)、ミホスチン(Amifostine)、アミノグルテチミド、アナグレリド、ナストロゾール、アラビノシルシトシン、酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ザシチジン、カルメット・ゲラン桿菌(Bacillus Calmette-Guerin:BCG)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ベキサロテン、カルタミド(Bicalutamide)、レオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、ペシタビン、ルボプラチン、カルマスティン、ツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、ルチゾン、クロホスファミド、タラビン、カルバジン、ーベポエチンα、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、シタビン(Decitabine)、ニロイキンジフチトクス、キサメタゾン、クスラゾキサン(Dexrazoxane)、ダカルバジン(Dacarbazine:DIC)、セタキセル、キソルビシン(Doxorubicin)、ピルビシン、エポエチンα、ルロチニブ、ストラムスチン、トポシド、キセメスタン、ロクスウリジン(Floxuridine)、ルダラビン、ルオロウラシル、ルオキシメステロン(Fluoxymesterone)、フルタミド(Flutamide)、フォリン酸、ルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin)、セレリン、ドロコルチゾン、ドロキシウレア、イブリツモマブ、ダルビシン、ホスファミド、シル酸イマチニブ、ンターフェロンα、インターフェロンα−2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン−2、リノテカン、イソトレチノイン、パチニブ、ナリドミド、レトロゾール、イプロリド、ムスチン、クロレタミン、ゲストロール、ルファラン、スナ(Mesna)、トトレキサート(MTX)、チルプレドニゾロン、イトマイシン、トキサントロン、ララビン、ルタミド、クトレオチド、キサリプラチン(Oxaliplatin)、パクリタキセル、ミドロネート、EGインターフェロン、EG−L−アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、レドニゾロン、プレドニゾン、ロカルバジン、ロキシフェン、ツキシマブ、ラフェニブ、トレプトゾシン、ニチニブ、モキシフェン、モゾロミド、テニポシド、リドマイド、オホスホアミド(phosphoamide)、ポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、クティビックス(Vectibix)、ビンブラスチン、ンクリスチン、ビノレルビン、リノスタット(Vorinostat)、レドロン酸、素−11、炭素−14、クロム−51、コバルト−57、コバルト−58、エルビウム−169、フッ素−18、ガリウム−67、金−198、インジウム−111、インジウム−113m、ヨウ素−123、ヨウ素−125、ヨウ素−131、鉄−59、クリプトン−81m、窒素−13、酸素−15、リン−32、レニウム−186、ルビジウム−82、サマリウム−153、セレン−75、ストロンチウム−89、テクネチウム−99m、タリウム−201、トリチウム、キセノン−127、キセノン−133、イットリウム−90、及び/又は
(iii)ガドリニウム、マグネタイト、マンガン、テクネチウム、I125、I131、P32、TI201、イオパミドール、陽電子放出断層撮影フルオロデオキシグルコース(positron emission tomography fluorodeoxyglucose:PET−FDG)
から選択される1又は2以上の部分を有する、請求項1〜15の何れか一項に記載のアルブミン変異体若しくは誘導体、その融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエート、又は組成物、或いは、前記融合ポリペプチドをコードする核酸又は宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はコンピューター読取可能形態の配列表を含む。これは援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、アルブミン誘導体及び変異体、及び/又は、斯かるアルブミン誘導体及び変異体を含む融合ポリペプチドに関する。
【0003】
更に、本発明は、アルブミン誘導体及び変異体、及び/又は、斯かるアルブミン誘導体及び変異体を含む融合ポリペプチドの、薬物送達、ポリペプチド安定性及びインビボ(in vivo)半減期延長又は調節のためのツールとしての使用に関する。
【背景技術】
【0004】
アルブミンは哺乳類血漿中の天然タンパク質であり、血漿において最も豊富なタンパク質である。アルブミンは、血液の所望の浸透圧を維持する上で重要な役割を果たすとともに、血流内における種々の物質の輸送にも関与している。
【0005】
アルブミンは、インビボにおいて、その受容体である新生児Fc受容体(FcRn)「ブランベル」(Brambell)に結合し、この相互作用は、アルブミンの血漿中半減期の上昇にとって重要であることが知られている。FcRnは、多くの細胞及び組織型で発現される膜結合タンパク質であり、アルブミンの細胞内分解速度を低減することが見出されている(Roopenian, D. C. and Akilesh, S. (2007), Nat. Rev. Immunol 7, 715-725)。FcRnは、ヒト等の哺乳類の血清において、IgG及びアルブミンの双方を高レベルに維持するのに寄与している。
【0006】
FcRnと免疫グロブリンG(IgG)との相互作用については、従来技術において既に特性付けがなされているのに対し、FcRnとアルブミンとの相互作用について決定されている特性や知られている知識はより少ない。アルブミンとFcRnとの主な結合部位はドメインIII内(DIII:381〜585)に存在する(Andersen et al (2010) Clinical Biochemistry 43,367-372)。しかしながら、IgG及びアルブミンの双方が、FcRn上の個別の部位に、非協同的にに結合することが知られている(Andersen, et al. (2006), Eur. J. Immunol 36, 3044-3051; Chaudhury, et al. (2006), Biochemistry 45, 4983-4990.)。
【0007】
ヒト血清アルブミン(HSA)は、585個のアミノ酸からなるポリペプチドとして特性決定されており、その配列は Peters, T., Jr. (1996) All about Albumin: Biochemistry, Genetics and Medical, Applications, pp10, Academic Press, Inc., Orlando (ISBN 0-12-552110-3) に記載されている。アルブミンはFcRnに対してpH依存的に結合する性質を有する。即ち、酸性pH(例えばpH6.0)では結合するが、中性を超えるpH(例えばpH7.4)では結合しない。
【0008】
HSAの血漿中半減期はおよそ19日間であることが知られている(Peters, T., Jr. (1985) Adv. Protein Chem. 37, 161-245; Peters, T., Jr. (1996) All about Albumin, Academic Press, Inc., San Diego, CA. (page 245-246)); Benotti P, Blackburn GL: Crit Care Med (1979) 7:520-525)。置換D494Nを有する天然の点突然変異体は、血漿中半減期がより短い(Biochim Biophys Acta. 1991, 1097:49-54)。この単一置換により、当該変異体/ミュータントには、野生型(wt)HSAには存在しないN結合グリコシル化部位が生成される。上述の血漿中半減期の変化の原因が、この部位にその後生じ得るグリコシル化にあるのか、それともアミノ酸の変化それ自体にあるのかは分かっていない。
【0009】
血漿タンパク質であるアルブミンは、長い血漿中半減期を有すると考えられ、この特性ゆえに薬物送達への使用が提案されている。アルブミンは、医薬的に有益な種々の化合物にコンジュゲートされている(国際公開第0069902A号)。その結果、得られたコンジュゲートの血漿中半減期は概して、有益な化合物単独の場合の血漿中半減期よりも、はるかに長くなることが見出されている。
【0010】
更にアルブミンは、治療的に有益な種々のペプチドに融合されており(国際公開第01/79271A号及び国際公開第03/59934A号)。その結果、得られる融合ポリペプチドは概ね、治療的に有益なペプチドの活性を維持し、その血漿中半減期は、治療的に有益なペプチド単独の場合の血漿中半減期よりも、はるかに長くなることが見出されている。
【0011】
Otagiri et al (2009), Biol. Pharm, Bull. 32(4), 527-534 は、77種のアルブミン変異体が知られており、うち25種がドメインIIIに見られる旨を開示する。カルボキシ末端の最後の175個のアミノ酸を欠失する天然変異体では、半減期が短縮されることが示されている(Andersen et al (2010), Clinical Biochemistry 43, 367-372)。Iwao et al. (2007) は、マウスモデルを用いて天然ヒトアルブミン変異体の半減期を研究したところ、K541E及びK560Eでは半減期が短縮され、E501K及びE570Kでは半減期が延長され、K573Eでは半減期に殆ど影響がなかったことを示した(Iwao, et. al. (2007) B.B.A. Proteins and Proteomics 1774, 1582-1590)。
【0012】
Galliano et al (1993) Biochim. Biophys. Acta 1225, 27-32 は、天然変異体E505Kを開示する。Minchiotti et al. (1990) は、天然変異体K536Eを開示する。Minchiotti et al (1987) Biochim. Biophys. Acta 916, 411-418 は、天然変異体K574Nを開示する。Takahashi et al (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84, 4413-4417 は、天然変異体D550Gを開示する。Carlson et al (1992). Proc. Nat. Acad. Sci. USA 89, 8225- 8229 は、天然変異体D550Aを開示する。
【0013】
国際公開第2007112940号は、少なくとも1のアルブミンドメインIIIと、少なくとも1の治療用部分とを含むコンストラクトを開示するとともに、斯かるコンストラクトの薬剤半減期延長のための使用を開示する。
【0014】
アルブミンは多数のリガンドの結合を許容する能力を有し、これらのリガンドはアルブミンに連結される(associated with)(会合する(associates with))。この特性は、前述のようなリガンドの血漿中半減期の延長に、例えば、アルブミンに対して非共有結合的に結合する能力を有する薬剤の血漿中半減期の延長に利用されてきた。また、これは、アルブミン結合特性を殆ど、或いは全く有しない、医薬的に有益な化合物を、アルブミン結合特性を有する部分に結合させることによっても達成される。概説として Kratz (2008) Journal of Controlled Release 132, 171-183 、及び、本概説内で引用される文献を参照のこと。
【0015】
米国特許第7,253,259号は、遺伝子組換技術により産生されるタンパク質であって、血清アルブミンドメインI、II及びIIIから選択される少なくとも1のドメインを有するが、天然アルブミンとは構造が異なるタンパク質を開示するとともに、斯かるタンパク質を製造する方法を開示する。
【0016】
アルブミンは、医薬的に有益な種々の化合物の調製物に使用される。斯かる調製物の例としては、これに限定されるものではないが、アルブミンのナノ粒子又はマイクロ粒子が挙げられる。これらの例において、医薬的に有益な化合物、或いは斯かる化合物の混合物の送達に際しては、斯かる有益な化合物を送達手段としてアルブミンに結合させることが示されている場合、FcRn受容体に対するアルブミンの親和性に変更を加えることが望ましい場合がある。
【0017】
形成されるコンジュゲート又は融合ポリペプチドの具体的な性質又は結合特性のうち、何が血漿中半減期の延長に影響を与えているのかは不明である(例えば、これに限定されるものではないが、Levemir(登録商標), Kurtzhals P et al. Biochem. J. 1995; 312:725-731)。しかし、斯かるコンジュゲート又は融合ポリペプチドを構成する、アルブミン部分及び医薬的に有益な化合物/ペプチドの選択に、直接関係しているものと思われる。所与のアルブミンドメインIII誘導体、その断片又は変異体とのコンジュゲート又は融合体又はアソシエートの血漿中半減期を制御し、当該コンジュゲート/融合体の各構成要素単独の場合と比べてより長い、或いはより短い血漿中半減期を達成できるようにすることが望ましい。これによって、治療対象とする適用の詳細に応じて、個々の医薬を個別に設計することが可能となる。
【0018】
アルブミンは腫瘍に蓄積し、異化されることが知られている。また、関節リウマチ患者の炎症関節に蓄積することも示されている。概説として Kratz (2008) Journal of Controlled Release 132, 171-183 、及び、本概説内で引用される文献を参照のこと。FcRnへの親和性を向上させたHSA変異体が得られれば、医薬的に有益な化合物の送達及び/又は標的化(例えば受動標的化)に有用であると考えられる。
【0019】
Vania Kenanova, Tove Olafsen, Felix Bergara and Anna Wu (2009) J Nucl Med.; 50 (Supplement 2):1582) に記載のとおり、半減期の短縮や血清薬物動態の制御を達成するには、FcRnに対して殆ど、或いは全く結合を有さないアルブミンの変異体を得ることが好ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の観点は、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドを提供する。ここで、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片は、アルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体と、少なくとも1の更なるアルブミンドメイン又はその誘導体若しくは変異体とを含むか、アルブミンドメインIII又はその誘導体若しくは変異体と、少なくとも1の更なるアルブミンドメイン又はその誘導体若しくは変異体とからなる。第1の観点は、野生型アルブミン自体を含まないことが好ましい。しかし、第1の観点には、野生型アルブミンと、何らかの改変(例えば、任意のアルブミン由来の1又は2以上(数個)のドメインの追加、1又は2以上(数個)の点変異、有益な部分への融合、有益な部分へのコンジュゲート、及び/又は、有益な部分との会合(association))とを含むか、或いは野生型アルブミンとこれらの改変からなるように、修飾された野生型アルブミンを含んでいてもよい。
【0021】
好ましい実施形態によれば、前記のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、配列番号31又は配列番号1(HSA)における位置417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584のうち1又は2以上(数個)の位置に対応する位置に、置換、挿入又は欠失からなる群より選択される1又は2以上(数個)の変異(最も好ましくは置換)を含むか、或いは当該変異からなる。
【0022】
第2の観点によれば、本発明は、本発明の何れかの誘導体又は変異体をコードする単離されたポリヌクレオチド、例えば、(i)前記アルブミン誘導体若しくはその断片、又は、前記アルブミン誘導体若しくはその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくはその断片からなる融合ポリペプチドをコードする核酸、(ii)前記核酸を含むプラスミド、(iii)前記プラスミドを含む宿主細胞に関する。
【0023】
本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片と、少なくとも1の治療又は診断用部分とを含むコンジュゲートが、本発明の第3の観点を構成する。
【0024】
本発明の第4の観点は、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片と、少なくとも1の治療用タンパク質又はペプチドとを含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片と、少なくとも1の治療用タンパク質又はペプチドとからなる、融合ポリペプチドを提供する。
【0025】
本発明の第5の観点は、前記のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片と、当該アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片に対して非共有結合により結合又は会合した別の化合物との「アソシエート」(associate)を提供する。
【0026】
本発明の第6の観点は、治療用、医薬用、又は別の有益なポリペプチドと、当該ポリペプチドにコンジュゲート、融合又は会合された、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドとを含むか、或いは当該有益なポリペプチドと融合ポリペプチドとからなる、組成物(好ましくは医薬組成物)に関する。
【0027】
本発明の第7の観点は、前記誘導体又は変異体の製造方法に関する。
【0028】
本発明の第8の観点は、画像化における前記誘導体及び/又は変異体の使用、例えば動物又はヒトにおける画像化の用途における、コンジュゲート、アソシエート又は融合ポリペプチドの使用に関する。
【0029】
本発明の第9の観点は、本発明のポリペプチド配列又はヌクレオチド配列を用いた治療及び/又は使用方法に関する。
【0030】
本発明の第10の観点は、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、前記の誘導体若しくは変異体又はその断片のアソシエート、或いは前記のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドを含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】A)shFcRn−GSTの野生型HSA及び野生型HSA誘導体(2000−0.9nM)に対する(A)pH6.0及び(B)pH7.4での結合。ELISA値は二重実験の平均を示す。
図2】shFcRn−GSTに固定化された野生型HSA及び野生型HSA誘導体1μM(〜1400RU)のpH6.0及びpH7.4での結合を示す代表的なセンサーグラム。(A)DI−DII、(B)DI−DIII、(C)DII−DIII、(D)DIII、(E)DIII−DIII及び(F)野生型HSA。
図3】野生型HSA及び野生型HSAドメインコンストラクトの段階希釈物(最終試料濃度それぞれ55nM、166nM及び500nM、並びに500nM及び1500nM)を、shFcRn(50nM)とプレインキュベートし、固定化されたHSA(〜2600RU)上に注入した。注入は25℃、流速50μl/分、pH6.0で行った。
図4-1】(i)成熟HSA(Hu_1_2_3)、(ii)HSAのドメインI及びドメインIIIを含むアルブミン変異体(Hu_1_3)、(iii)HSAのドメインII及びドメインIIIを含むアルブミン変異体(Hu_2_3)、(iv)全長アカゲザル(Macaca mulatta)アルブミン(Mac_mul)、(v)全長ドブネズミ(Rattus norvegicus)アルブミン(ラット)、及び(vi)全長ハツカネズミ(Mus musculus)アルブミン(マウス)のアミノ酸配列の多重アラインメント。位置500、550及び573(全長HSAを基準とする)を矢印で示す。図4ではドメインI、II及びIIIをそれぞれ1、2及び3と記す。
図4-2】同上。
図5-1】ヒト、ヒツジ、マウス、ウサギ及びヤギ由来の成熟血清アルブミン、並びにチンパンジー、マカク、ハムスター、モルモット、ラット、ウシ、ウマ、ロバ、イヌ、ニワトリ及びブタ由来の成熟アルブミンのアミノ酸配列の多重アラインメント。ドメイン1、2及び3の開始及び終了アミノ酸(Dockal et al (The Journal of Biological Chemistry, 1999, Vol. 274(41): 29303-29310)の定義による)は、成熟ヒト血清アルブミンを基準として表示する。
図5-2】同上。
図5-3】同上。
図5-4】同上。
図6】プラスミドpDB2305の模式図。
図7】発現プラスミドのインビボでの生成を要約する模式図。A.PCRを用いて2つのPCR断片を生成した。断片1及び2は247塩基対(base pair:bp)を共有し、それぞれ5’及び3’末端に217bpの、Acc65I/BamHI消化pDB3936との相同領域を有する。断片1及び2のそれぞれ3’及び5’末端は、互いに27〜30bpの相同領域を共有する。B.精製PCR断片をAcc65I/BamHI消化pDB3936と共に用いて、S.セレヴィシエ(S. cerevisiae)BXP10 cir0 を同時形質転換した。X=リーダー配列。Y=アルブミンDI+DII。Z=アルブミンDIII。×はインビボ組換を示す。
図8a-8c】10μMのHSAドメインIII及びその変異体の、固定化されたshFcRn−HIS(〜2100RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。図8a:DIII野生型及びDIII K573D、図8b:DIII野生型及びDIII K573H、図8c:DIII野生型及びDIII K573N、図8d:DIII野生型及びDIII K573W、図8e:DIII及びDIII Q580K。
図8d-8e】同上。
図9】アルブミン並びにその誘導体及び変異体(一部はHRPとのコンジュゲート)の非還元SDS−PAGE分析:(1)マーカー(SeeBlue(商標))、(2)HRP標準(1μg)、(3)DI+DIII+DIII:HRP(1μg)、(4)アルブミン標準(1μg)、(5)DI+DIII−HRP(1μg)、(6)DI+DIII K500A−HRP(1μg)、(7)DI+DIII K573P−HRP(1μg)、(8)DI+DIII K573Y−HRP(1μg)、(9)DI+DIII D550N−HRP(1μg)、(10)DIII+DI−HRP(1μg)、(11)HRPとアルブミン標準との混合物(各1μg)、(12)HRP+とアルブミン標準との混合物(各2μg)。
図10】10μM HSA DI+III(及びその変異体)とHRPとのコンジュゲートの、固定化されたshFcRn−HIS(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。(1)DI+DIII K573P−HRP、(2)野生型HSA、(3)DI+DIII wt−HRP、及び(4)DI+DIII K500A−HRP。
図11】DII+III及びDII+III K573PのN末端に融合された10μM IL−1raのHSAの、固定化されたshFcRn−HIS(〜2100RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図12】10μMのDIIIのHSAタンデム反復、DIII融合体及びDIII K573P融合体の、scFv(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図13】10μMのDIIIのHSAタンデム反復、DIII融合体及びDIII D550N融合体の、scFv(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図14】10μMのDIIIのHSAタンデム反復、DIII融合体及びDIII K573P融合体の、IL−1ra(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図15】10μMのDIIIのHSAタンデム反復、DIII融合体及びDIII D550N融合体の、IL−1ra(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図16】フルオレセイン融合DI+DIII変異体タンパク質のUV光(A)及び市販タンパク質染色(B)による可視化。アルブミン並びにその誘導体及び変異体(一部はF5Mへのコンジュゲート)の非還元SDS−PAGE分析:(1)マーカー(SeeBlue(商標))(10μL)、(2)HSA−F5M対照(1μg)、(3)マーカー(SeeBlue(商標))(10μL)、(4)DI+DIII+DIII−F5M(1μg)、(5)DI+DIII wt−F5M(1μg)、(6)DI+DIII K500A−F5M(1μg)、(7)DI+DIII K573P−F5M(1μg)、(8)DI+DIII K573Y−F5M(1μg)、(9)DI+DIII D550N−F5M(1μg)、(10)DIII+DI−F5M(1μg)、(11)マーカー(SeeBlue(商標))(10μL)。
図17】10μMの野生型HSA、HSA DI+DIII K573P−F5M、HSA DI+DIII K500A−F5Mの、固定化されたshFcRn−HIS(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
図18】10μMの野生型HSA、HSA DI+DIII+DIII−F5M、HSA DI+DIII−F5Mの、固定化されたshFcRn−HIS(〜1500RU)に対するpH5.5での結合を示す代表的なセンサーグラム。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の第1の観点は、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドであって、ここで当該アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片は、第1のアルブミンドメインIII、断片、又はその誘導体若しくは変異体と、少なくとも1の第2のアルブミンドメイン、断片、又はその誘導体若しくは変異体とを含むか、或いはこれらからなる融合ポリペプチドに関する。当該誘導体又は変異体は、天然誘導体又は変異体(例えばヒト;霊長類、例えばチンパンジー、ゴリラ又はマカク;ウサギ;齧歯類、例えばマウス、ラット及びハムスター;ウシ;ウマ類、例えばウマ又はロバ;ヤギ;ヒツジ;イヌ;モルモット;ニワトリ及びブタのうち何れか由来の野生型アルブミン等)ではないことが好ましい。第1の観点は、野生型アルブミンのドメインI、II及びIII(又はその断片)と、任意のアルブミン(例えばヒトや本明細書開示の別の生物種由来のアルブミン等)由来の1又は2以上(数個)の更なるドメイン(又はその断片)とを含むか、或いはこれらのドメインからなるアルブミン誘導体又は変異体を、含んでいてもいなくてもよい。
【0033】
本発明の第1の観点に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、又は融合ポリペプチドのうち一部は、アルブミンのドメインI(又はその断片)を含まない。本発明の第1の観点に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、又は融合ポリペプチドのうち一部は、アルブミンのドメインII(又はその断片)を含まない。本発明の第1の観点に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、又は融合ポリペプチドのうち更に別のものは、アルブミンのドメインIIIと、アルブミンのドメインI(又はその断片)又はドメインII(又はその断片)のうち一方又は両方を含む。
【0034】
本発明は、第1のアルブミンドメインIIIと、少なくとも1の第2のアルブミンドメイン断片又はその誘導体若しくは変異体を含むポリペプチドが、対応するドメインIII単独の場合と比べてより強くFcRnに結合する、という発見に基づく。これは従来技術、特に国際公開第2007/112940号公報を考慮すると、驚くべきことである。なぜなら、従来技術によれば、ドメインIIIのアミノ残基が、アルブミンとFcRn受容体との相互作用に関与し、これが循環中(例えば血漿中等)のアルブミン寿命の延長に寄与していると考えられるからである。ドメインIIIはアルブミンのFcRnに対する結合に関与していることが知られている。本発明において「アルブミン」(albumin)という語は、HSAと同一及び/又は極めて類似した三次元構造を有すると共に、長い血漿中半減期を有するタンパク質を意味する。配列番号31又は配列番号1に開示のHSA、又はその任意の天然の対立遺伝子(アレル)が、本発明に係るアルブミンとしては好ましい。当業者であれば理解するように、HSAドメインIII誘導体、その断片、変異体について記載された特性は、本発明の記載に係る別の非ヒトアルブミンについても該当し得る。
【0035】
即ち、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、アルブミンと同様に血漿中半減期が長いという利点を有する。
【0036】
本発明のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドのサイズは、断片のサイズ、ドメインの数、融合ポリペプチドの非アルブミン部位のサイズ等に応じて異なる。当該サイズは、原理的には、ドメインIIIのサイズより僅かに大きなサイズから、更に大きいサイズまで様々であるが、実際上は、天然アルブミンと同程度のサイズが好ましい。如何なる理論による束縛も望むものではないが、血漿中半減期を高めるためには、腎臓の閾値を越えるサイズ(例えば天然アルブミンのサイズ等)が好ましいと考えられる。即ち、本発明のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチド、及び/又は、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなるコンジュゲートのサイズは、40〜80kDaの範囲、好ましくは50〜70kDaの範囲、より好ましくは55〜65kDaの範囲、最も好ましくは60kDa程度であることが好ましい。
【0037】
本発明に係る好ましいアルブミンの1つであるHSAは、585のアミノ酸残基からなり、分子量が67kDaのタンパク質である。天然形態ではグリコシル化されていない。HSAのアミノ酸配列を配列番号31又は配列番号1に示す。当業者であれば理解するように、HSAと本質的に同一の特性を有するが、配列番号31又は配列番号1に比べて1又は2以上(数個)のアミノ酸が異なる、天然対立遺伝子が存在する場合がある。本発明者等の理解によれば、斯かる天然対立遺伝子を、本発明に係る親アルブミンとして使用することも考えられる。
【0038】
アルブミンは概して、およそ20日又はそれ以上という、長い血漿中半減期を有する。例えば、HSAの血漿中半減期は19日である。HSAの長い血漿中半減期は、その受容体FcRnとの相互作用を介してもたらされることが知られている。しかしながら、HSAの長い半減期の背後にある正確なメカニズムの理解や知識は、本発明にとって重要ではない。
【0039】
本発明において「アルブミン」(albumin)という語は、HSAと同一及び/又は極めて類似した三次元構造を有すると共に、長い血漿中半減期を有するタンパク質を意味する。本発明に係るアルブミンタンパク質の例としては、ヒト血清アルブミン(例えばAAA98797又はP02768−1、配列番号31又は配列番号1(成熟)、配列番号4(未成熟))、霊長類血清アルブミン(例えばチンパンジー血清アルブミン(例えば予測配列XP_517233.2、配列番号5)、ゴリラ血清アルブミン又はマカク血清アルブミン(例えばNP_001182578、配列番号6)、齧歯類血清アルブミン(例えばハムスター血清アルブミン(例えばA6YF56、配列番号7)、モルモット血清アルブミン(例えばQ6WDN9−1、配列番号8)、マウス血清アルブミン(例えばAAH49971又はP07724−1バージョン3、配列番号9)及びラット血清アルブミン(例えばAAH85359又はP02770−1バージョン2、配列番号10)))、ウシ血清アルブミン(例えばウシ血清アルブミン P02769−1、配列番号11)、ウマ類血清アルブミン、例えばウマ血清アルブミン(例えばP35747−1、配列番号12)又はロバ血清アルブミン(例えばQ5XLE4−1、配列番号13)、ウサギ血清アルブミン(例えばP49065−1バージョン2、配列番号14)、ヤギ血清アルブミン(例えばACF10391、配列番号15)、ヒツジ血清アルブミン(例えばP14639−1、配列番号16)、イヌ血清アルブミン(例えばP49822−1、配列番号17)、ニワトリ血清アルブミン(例えばP19121−1バージョン2、配列番号18)及びブタ血清アルブミン(例えばP08835−1バージョン2、配列番号19)等が挙げられる。配列番号31又は配列番号1に開示のHSA、或いはその天然対立遺伝子の何れかが、本発明に係るアルブミンとして好ましい。
【0040】
本発明に係る親アルブミン、その断片、又は、アルブミン若しくはその断片を含むか、アルブミン若しくはその断片からなる融合ポリペプチドのアルブミン部位は、概して、配列番号31又は配列番号1に示すHSAの配列に対して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも86%、好ましくは少なくとも87%、好ましくは少なくとも88%、好ましくは少なくとも89%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0041】
親は、配列番号31又は配列番号1のアミノ酸配列の少なくとも一部を含むか、当該配列の少なくとも一部からなることが好ましい。別の実施形態によれば、親は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの少なくとも一部を含むか、当該成熟ポリペプチドの少なくとも一部からなる。
【0042】
別の実施形態によれば、親は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの少なくとも一部の対立遺伝子誘導体又は変異体である。
【0043】
「単離された誘導体」(isolated derivative)又は「単離された変異体」(isolated variant)という語は、人工的に修飾された誘導体又は変異体を意味する。一実施形態によれば、誘導体又は変異体は、SDS PAGE又はGP−HPLCにより決定される純度が、少なくとも1%、例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%である。
【0044】
「実質的に純粋な誘導体」(substantially pure derivative)又は「実質的に純粋な変異体」(substantially pure variant)とは、天然又は組換により連結された別のポリペプチド材料の含有量が、重量比で多くとも10%、多くとも8%、多くとも6%、多くとも5%、多くとも4%、多くとも3%、多くとも2%、多くとも1%、又は多くとも0.5%である調製物を意味する。誘導体又は変異体の純度は、調製物中に存在する全ポリペプチド材料に対して、少なくとも92%、例えば少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、又は100%であることが好ましい。本発明の誘導体又は変異体は、実質的に純粋な形態であることが好ましい。これは例えば、当該誘導体又は変異体を、周知の組換方法又は従来の通常の精製方法で調製することにより、達成することができる。
【0045】
「成熟ポリペプチド」(mature polypeptide)という語は、翻訳及び任意の翻訳後修飾(例えばN末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化等)を経た、最終形態にあるポリペプチドを意味する。一実施形態によれば、成熟ポリペプチドは、アミノ酸1〜585である。
【0046】
「成熟ポリペプチドコーディング配列」(mature polypeptide coding sequence)という語は、成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。一実施形態によれば、成熟ポリペプチドコーディング配列は、配列番号2のヌクレオチド1〜1758である。
【0047】
「FcRn」という語は、ヒト新生児Fc受容体を意味する。「shFcRn」は、FcRnの可溶性の組換形態である。「smFcRn」という語は、マウス新生児Fc受容体の可溶性の組換形態である。
【0048】
本発明において、「アルブミン誘導体、その断片、又は、前記アルブミン誘導体若しくはその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくはその断片からなる融合ポリペプチド」(albumin derivative, fragment thereof or fusion polypeptide comprising or consisting of said albumin derivative or fragment thereof)という用語は、所定のアルブミンドメインを含むか、斯かるアルブミンドメインからなる、遺伝子操作による非天然分子を意味する。即ち、この用語には、天然の全長アルブミンや、全長アルブミンを含む融合ポリペプチドは含まれない。
【0049】
「誘導体」(derivative)という語は、改変(例えば置換、挿入、及び/又は欠失)を1又は2以上(数個)の位置に含むアルブミンポリペプチドを意味する。置換(substitution)とは、ある位置を占めるアミノ酸が異なるアミノ酸によって置き換えられることを意味し、欠失(deletion)とは、ある位置を占めるアミノ酸が除去されることを意味し、挿入(insertion)とは、ある位置を占めるアミノ酸に隣接する位置に、1、2、又は3以上のアミノ酸が追加されることを意味する。挿入はアミノ酸のC側及びN側の何れに存在してもよいが、通常はアミノ酸のC側である。
【0050】
「変異体」(variant)という語は、アルブミン若しくはアルブミン誘導体、又はその融合タンパク質であって、当該アルブミン誘導体又は融合体が、化学的手段によって改変されたものを含む。斯かる改変としては、例えば、ポリペプチドの翻訳後誘導体化又は修飾、例えばPEG化、及び/又は、(例えば非対形成システインの付与等による)所望の部分(例えば治療用部分等)のチオール基へのコンジュゲートとが挙げられる。
「変異体」(variant)という語には、本発明に係るアルブミン誘導体の融合タンパク質であって、化学的手段による改変ではない誘導体も含まれる。
「誘導体」という語と「変異体」という語とは、相互交換可能に使用される場合と、そうでない場合とがある。
【0051】
アルブミンは、哺乳類血漿中に最も豊富に存在するタンパク質であって、多数の広範な哺乳類について、生化学的方法及び/又は配列情報により特性決定されている。アルブミンの中には)、結晶学的に特性決定され、構造が特定されたものがあり(例えばHSA等、アルブミンが3つの個別のドメイン(夫々ドメインI、ドメインII及びドメインIIIという)からなることが示されている。
【0052】
本発明のドメインは、原則として、任意のアルブミンに由来するもので構わないが、好ましくは、ヒト血清アルブミン、霊長類血清アルブミン(例えばチンパンジー血清アルブミン、ゴリラ血清アルブミン又はマカク血清アルブミン等)、齧歯類血清アルブミン(例えばウサギ血清アルブミン、マウス血清アルブミン及びラット血清アルブミン等)、ウシ血清アルブミン、ウマ類血清アルブミン、ロバ血清アルブミン、ハムスター血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ヒツジ血清アルブミン、イヌ血清アルブミン、モルモット血清アルブミン、ニワトリ血清アルブミン及びブタ血清アルブミン等が挙げられる。
【0053】
本発明に係る特に好ましいアルブミンは、配列番号31又は配列番号1中に示された配列を有するHSAであり、及び本発明の好ましいアルブミンドメインは、配列番号31又は配列番号1のアミノ酸残基1〜194±1〜15アミノ酸からなるHSAドメインI;配列番号31又は配列番号1のアミノ酸残基192〜387±1〜15アミノ酸からなるHSAドメインII、及び配列番号31又は配列番号1のアミノ酸残基381〜585±1〜15アミノ酸からなるHSAドメインIII、又は例えば互いに融合したドメイン1及び2、ドメイン2及び3若しくはドメイン1及び3などのそれらのドメインの1又は2以上(数個)の組合せである。アルブミンドメインの正確な境界線については、一般に認められている規範は存在しない。上記範囲における重複や、ドメインのN末端及び/又はC末端において、±1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15のアミノ酸、好ましくは1〜15のアミノ酸、より好ましくは1〜10のアミノ酸、最も好ましくは1〜5のアミノ酸の変動が許容されており、各ドメインの全長としては最大30アミノ酸、好ましくは最大20アミノ酸、より好ましくは最大10アミノ酸の変動が許容されているのは、こうした事実を反映したものである。よって、境界上のアミノ酸残基がどちらのドメインに属するかについては、幾分の意見の相違があるかもしれない。同じ理由から、アルブミンドメインのアミノ酸残基について、上記数値とは異なる記載が見られる場合もあろう。しかし、当業者であれば、文献の教示及び上の教示に基づいて、どのようにアルブミンドメインを同定するかを理解するはずである。非ヒトアルブミンの対応するドメインは、EMBOSS(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277)パッケージのNeedleプログラム、好ましくはバージョン3.0又は以降に実装されているような、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を使用するHSAでアライメントにより同定され得る。使用される任意パラメーターは、ギャップ開始ペナルティ10、ギャップ伸張ペナルティ0.5、及び、EBLOSUM62(EMBOSS version of BLOSUM62)置換マトリックスである。また、別のアラインメントツールを使用してもよい。例としては、本明細書に記載のMUSCLE等が挙げられる。
【0054】
ドメインの定義は、Dockal又はKjldsenに従って行ってもよい。Dockal等(The Journal of Biological Chemistry, 1999, Vol. 274(41): 29303-29310)は、HSAのドメインを、ドメインI:アミノ酸1〜197、ドメインII:アミノ酸189〜385、ドメインIII:アミノ酸381〜585と定義する。
【0055】
従って、本発明では、以下のドメイン定義が好ましい。アミノ酸番号は、配列番号31又は配列番号1(HSA)の番号と対応する。しかしながら、これらの番号を使用することにより、当業者が、別のアルブミン配列における対応するドメインを同定できる。
【0056】
ドメインIは、アミノ酸1から開始してもしなくてもよく、及び任意のアミノ酸192、193、194、195、196又は197、好ましくは任意のアミノ酸192、194又は197で終了してもしなくてもよい。
【0057】
ドメインIIは、アミノ酸189、190、191、192又は193、好ましくは任意のアミノ酸189、192又は193から開始してもしなくてもよく、アミノ酸382、383、384、385、386又は387、好ましくは任意のアミノ酸382、285又は387で終了してもしなくてもよい。
【0058】
ドメインIIIは、アミノ酸381、382又は383、好ましくはアミノ酸381又は383から開始してもしなくてもよく、アミノ酸585で終了してもしなくてもよい。
【0059】
非ヒトアルブミンにおけるドメインは、HSAのように同じ又は異なるアミノ酸長及び/又は残基番号を有してもよい。例えば、多重アラインメント又はペアワイズアライメントは、HSA及びHSAのドメイン1、2及び/又は3に対応するドメインを同定するために1又は2以上(数個)の別のアルブミン、断片、誘導体、変異体及び/又は融合体を使用するために調製されてもよい。適当なアライメントの例は、図5で示される。図5は、図4で記載したのと同じ方法で、MUSCLE及びBoxshadeを使用して生成した。明確さのために、HSA、ヒツジ、マウス、ウサギ及びヤギアルブミンの成熟配列が提供され(すなわち、番号付けは、リーダー配列及びプロ配列後、第1のアミノ酸から開始する)及び提供されるすべての別のアルブミン配列は、未成熟配列である(すなわち、リーダー配列、プロ配列(存在する場合)及び成熟アルブミン配列を含む)。ヒト、ヒツジ、ウサギ及びマウスアルブミンのためのドメイン座標の例が、実施例で示される。これらの座標は、本発明の任意の観点に適用され得る。すべてのアルブミンのためのドメイン座標は、HSA(本明細書中で開示したように)のドメイン座標の1又は2以上(数個)に対応するアミノ酸を同定することにより、図5などの、適当なアライメントから同定され又は外挿され得る。一般的に、ドメイン座標は、位置(position)1のように成熟アルブミンの第1のアミノ酸を使用して指定され、従って、リーダー配列及び/又はプロペプチドのアミノ酸配列は、通常この点で、無視される。
【0060】
第1のアルブミンドメインIII、断片、又はその誘導体若しくは変異体は、原則として任意のアルブミンドメインである、しかしながら、HSAドメインIII(例えば配列番号23)、 断片、又は、その誘導体又は変異体が好ましい。
【0061】
本明細書を通じて、ドメインI及びドメインIIを含む分子は、「DI−DII」として、若しくは「DI+DII」として、又は「D1+D2」として、若しくは「D1−D2」として呼ばれてもよい。同様に、ドメインI及びドメインIIIを含む分子は、任意の「DI−DIII」として、若しくは「DI+DIII」として、又は「D1+D3」として、若しくは「D1−D3」として呼ばれてもよい。従って、ドメインII及びドメインIIIを含む分子は、「DII−DIII」として、若しくは「DII+DIII」として、又は「D2−D3」として、若しくは「D2+D3」として呼ばれてもよい。さらに、「HSA1/2−RSA3」などの指定は、分子が、HSAドメインI、HSAドメイン2及びRSAドメイン3を含む分子、そしてそれは同じくHSAドメインI、HSAドメインII及びRSAドメインIIIを意味する。
【0062】
アルブミンドメインとの関係で「誘導体」(derivative)という語は、以下では親ドメインと呼ばれるその天然形態における前記アルブミンドメインと類似した1次及び/又は3次構造を有するが、それは、1又は2以上(数個)の位置で、1又は2以上(数個)のアミノ酸残基の1又は2以上(数個)の置換、挿入、及び/又は欠失を伴い前記親ドメインと異なる。誘導体は、周知技術を使用して、親ドメインをコードする核酸配列の改変及び適当な宿主生物中で改変された核酸配列の発現によりヒトの介入を通じて得られ得る。
【0063】
「断片」(fragment)という語は、アルブミン及び/又はFcRnに結合するための能力を保持しているアルブミンの内部領域のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失した1又は2以上(数個)のアミノ酸を有するポリペプチドを意味する。断片は、HSA由来の1の中断のない配列を含むか、斯かる配列からなり、又はそれは、HSA由来の2又は3以上の配列を含むか、斯かる配列からなってもよい。本発明に係る断片は、少なくとも約20アミノ酸残基又は超、好ましくは少なくとも約30アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約40アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約50アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約75アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約100アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約200アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約300アミノ酸残基又は超、さらにより好ましくは少なくとも約400アミノ酸残基又は超、及びもっとも好ましくは少なくとも約500アミノ酸残基又は超のサイズを有する。
【0064】
本発明の第1のアルブミンドメインIIIとの関係では、「断片」という語は、FcRnを結合するための能力を維持している特定の関連のあるアルブミンドメインの一部を意味する。フラグメントは、親ドメイン由来の1の中断のない配列からなってもよく、又は親ドメイン由来の2又は3以上の配列を含むか、斯かる配列からなってもよい。本発明に係る断片は、少なくとも約20アミノ酸残基又は超、好ましくは少なくとも約30アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約40アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約50アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約75アミノ酸残基又は超、及び最も好ましくは少なくとも約100アミノ酸残基又は超のサイズを有する。
【0065】
少なくとも1の第2アルブミンドメイン、断片又はその誘導体若しくは変異体は、原則として任意のアルブミンドメイン、断片又はその誘導体若しくは変異体であってもよい。
【0066】
本発明の第2のアルブミンドメインとの関係で、「断片」という語は、特定の関連のあるアルブミンドメインの一部を意味する。断片は、親ドメイン由来の1の中断のない配列からなってもよく、又はそれは、親ドメイン由来の2又は3以上の配列を含むか、斯かる配列からなってもよい。本発明に係る断片は、少なくとも約20アミノ酸残基又は超、好ましくは少なくとも約30アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約40アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約50アミノ酸残基又は超、より好ましくは少なくとも約75アミノ酸残基又は超、及び最も好ましくは少なくとも約100アミノ酸残基又は超のサイズを有する。
【0067】
第1のアルブミンドメインIII、断片又はその誘導体若しくは変異体及び少なくとも1の第2のアルブミンドメイン、断片又はその誘導体若しくは変異体は、同じ種由来でもよく、又はそれらは、異なる種由来でもよい。例えば、第1のアルブミンドメインIII、断片又はその誘導体若しくは変異体は、HSAドメインIIIでもよく、及び少なくとも1の第2のアルブミンドメイン、断片又はその誘導体若しくは変異体は、マウス血清アルブミンドメインIIでもよく、又は第1のアルブミンドメインIII、断片又はその誘導体若しくは変異体は、ウサギ血清アルブミンドメインIIIでもよく、及び少なくとも1の第2のアルブミンドメイン、断片又はその誘導体若しくは変異体は、ヒト血清アルブミンドメインIでもよい。
【0068】
アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、少なくとも2のアルブミンドメイン又はその断片を含むか、少なくとも2のアルブミンドメイン又はその断片からなり、及びそれは2超のドメインを含むか、斯かるドメインからなってもよい。特に、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドで組み合わされてもよいアルブミンドメイン又はその断片の数に関して上限はないが、しかしながら、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、2又は3のアルブミンドメインを含むか、斯かるアルブミンドメインからなることが好ましく、もっとも好ましくは、2のドメインである。
【0069】
本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、アルブミンドメインI+アルブミンドメインIII(例えば配列番号22)、アルブミンドメインII+アルブミンドメインIII(例えば配列番号21)、アルブミンドメインIII+アルブミンドメインIII(例えば配列番号24)、アルブミンドメインIII+アルブミンドメインI及びアルブミンドメインIII+アルブミンドメインIIが挙げられる。
【0070】
好ましいアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは前記アルブミン誘導体若しくは変異体を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体からなる融合ポリペプチドは、1つの種由来のアルブミンドメインIII及び異なる種由来のアルブミンドメインI若しくはIIを含むか、斯かるアルブミンドメインからなる。例は、ヒト血清アルブミン由来のドメインI及びII及びウサギ血清アルブミン由来のドメインIIIからなるアルブミン誘導体(例えば、配列番号25)、ウサギ血清アルブミン由来のドメインI及びII及びヒト血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(例えば、配列番号26)、ヒツジ血清アルブミン由来のドメインI及びII及びヒト血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(例えば、配列番号27)、並びにヒト血清アルブミン由来のドメインI及びII及びマウス血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(例えば、配列番号29)を含む。これらの誘導体は、誘導体のドメインIIIが由来する完全なアルブミンよりもFcRnに対する驚くべき結合特性を有する。
【0071】
ヒト血清アルブミン由来のドメインI及びII及びウサギ血清アルブミン由来のドメインIIIからなるアルブミン誘導体(例えば、配列番号25)、ヒツジ血清アルブミン由来のドメインI及びII及びヒト血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(配列番号27)、並びにヒト血清アルブミン由来のドメインI及びII及びマウス血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(例えば、配列番号29)は、ヒト血清アルブミンよりもFcRnに対するより強い結合を有する。ウサギ血清アルブミン由来のドメインI及びII及びヒト血清アルブミン由来のドメインIIIからなる誘導体(例えば、配列番号26)は、HSAよりもFcRnに対するより弱い結合を有する。誘導体の変異体は、本発明でまた想定され含まれる。
【0072】
1つの実施形態によれば、アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチド中の1又は2以上(数個)のアルブミンドメインIIIは、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、579、580、581、582及び584の1又は2以上(数個)から選択されるHSA中の位置と対応する1又は2以上(数個)の位置について1又は2以上(数個)の改変(複数)、例えば 置換(複数)、欠失(複数)、又は挿入(複数)を含むか、斯かる改変(複数)からなる。本発明者等は、これらのアミノ酸残基が、血清アルブミン及びFcRn受容体の相互作用のために重要であり、並びにこれらの位置の1又は2以上(数個)についての改変が、FcRn受容体に対する本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドの結合を改変し、並びにそれによってその血漿中半減期を改変するであろう。1又は2以上(数個)の位置での改変は、置換、挿入、及び欠失の間で独立して選択されてもよい。置換が好ましい。
【0073】
本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドのアルブミン部分は、一般的に、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも81%、82%、83、84、85、86,87,88又は89%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、及び最も好ましくは少なくとも99%のHASドメインIIIの配列(配列番号31又は配列番号1に関して、本明細書中で定義されるように)に対してアミノ酸配列同一性を有するドメインIIIを有する。さらにより好ましくは、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドのアルブミン部分は、一般的に、アルブミンのアミノ酸381〜585、例えば配列番号31又は配列番号1の任意の位置、又は少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%,88%若しくは89%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、及び最も好ましくは少なくとも99%、配列番号4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18若しくは19、配列番号31若しくは配列番号1(ヒト血清アルブミン)の1又は2以上(数個)についての相当する位置のアミノ酸配列同一性を有するドメインIIIを有する。
【0074】
更なる実施形態では、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、その親アルブミン断片又は親アルブミン若しくはその断片を含むか、親アルブミン若しくはその断片からなる融合ポリペプチドの血漿中半減期よりもより長い血漿中半減期を有する。本実施形態に係る例は、HSA中のE492、N503、D550及びK573からなる群と対応する位置の1又は2以上(数個)について1又は2以上(数個)の置換を含むか、斯かる置換からなるアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドを含む。好ましくは、HAS中のE492に対応する位置についてのアミノ酸残基は、G残基で置換され、HSA中のN503に対応する位置についてのアミノ酸は、H又はK残基で置換され、HSA中のD550に対応する位置についてのアミノ酸は、E残基で置換され、及びHSA中のK573に対応する位置についてのアミノ酸は、A又はP残基で置換される。また、好ましくは、HSA中のE492に対応するアミノ酸が、G残基から置換され及びHSA中のK573に対応するアミノ酸が、A又はP残基で置換される誘導体又は変異体である。別の好ましい誘導体又は変異体は、HSA中のE492をH残基で、HSA中のE501をPで、HSA中のN503をHで、HSA中のE505をDで、HSA中のT506をSで、HSA中のT540をSで、HSA中のK541をEでに対応する多くの置換を有する。
【0075】
更なる実施形態によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、その親アルブミン断片又は親アルブミン若しくはその断片を含むか、親アルブミン若しくはその断片からなる融合ポリペプチドの血漿中半減期よりもより短い血漿中半減期を有する。本実施形態に係る例は、HSA中のQ417、H440、H464、D494、E495、T496、P499、K500、E501、H510、H535、K536、P537、K538、K541、D550N、D494+T496若しくはE492+V493からなる群の1又は2以上(数個)に対応する位置についての置換を含んでいるアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドを含む。好ましい置換は、HSA中のQ417A、H440A、H464Q、D494E+Q417H、D494N,Q,A、E495Q,A、T496A、D494N+T496A又はP499A、K500A、E501A、E501Q、H510Q、H535Q、K536A、P537A、K538A、K541G、K541A、K541D又はD550Nと対応する置換を含む。
【0076】
配列番号31又は配列番号1の位置417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584からなる群に対応する1又は2以上(数個)の位置について1又は2以上(数個)の置換、挿入又は欠失(置換が好ましい)に加えて、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、当該分子の別の位置で追加的な(更なる)置換、欠失、又は挿入を含んでもよい。斯かる更なる置換、欠失、又は挿入は、分子の別の特性、例えばこれに限定されるものではないが、改変グリコシル化;斯かるチオール基の表面の反応性基の導入、カルバモイル化部位の除去/生成等を改変するために有用であってもよい。
【0077】
表面上の反応性性基を提供するために改変されてもよく及び本発明に有利に適用され得る残基は、未公開特許出願欧州特許出願第2009 152 625号で開示されている(引用により本明細書中に組み込まれる)。特に好ましい残基は、FcRnと相互作用するための領域外のHSA中の位置に対応する位置を含む。
【0078】
表面上の反応性チオール基を提供するために配列番号31中若しくは配列番号1中又は別のアルブミンについての対応する位置(例えば、配列番号4〜19)中でなされ得る改変の例としては、L585C、D1C、A2C、D562C、A364C、A504C、E505C、T79C、E86C、D129C、D549C、A581C、D121C、E82C、S270C、A578C、L595LC、D1DC、A2AC、D562DC、A364AC、A504AC、E505EC、T79TC、E86EC、D129DC、D549DC、A581AC、D121DC、E82EC、S270SC、579AC、C360*、C316*、C75*、C168*、C558*、C361*、C91*、C124*、C169*及びC567*を含む。代替的に(或いは)、システイン残基は、アルブミンのN又はC末端領域に追加されてもよい。
【0079】
1の実施形態によれば、本発明の誘導体又は変異体についての改変の数は、1〜20アミノ酸、例えば、1〜10及び1〜5、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の改変である。
【0080】
アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、対応する親アルブミンドメイン(複数)、その断片、或いは、アルブミンドメイン(複数)誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミンドメイン(複数)誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドと比較して改変した血漿中半減期を有する。
【0081】
特に好ましい実施形態によれば、親アルブミンドメイン(複数)は、HSA由来であり、及びアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、アルブミンドメイン(複数)誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、アルブミンドメイン(複数)誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、HSAドメイン(複数)、対応する断片又はHSAドメイン(複数)若しくはその断片を含むか、HSAドメイン(複数)若しくはその断片からなる融合ポリペプチドと比較して改変された血漿中半減期を有する。
【0082】
FcRnに対するアルブミン誘導体又は変異体の親和性が親アルブミンよりも高いか低いかを決定するための1つの方法は、以下に記載されたように、表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを使用することである。当業者は、FcRnに対するアルブミン誘導体又は変異体の親和性が、FcRnに対する親アルブミンの親和性よりもより高いかより低いかを決定するために、別の方法、例えば結合係数KDの決定及び比較が、有用であるかもしれないことを理解するであろう。従って、本発明によれば、天然HSAのKDよりもより低いKDを有するアルブミン誘導体又はバリアントは、HASよりもより高い血漿中半減期を有すると考えられ、及び天然HSAのKDよりもより高いKDを有するアルブミン変異体は、HSAよりもより低い血漿中半減期を有すると考えられる。
【0083】
アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、アルブミン若しくはその断片を含むか、アルブミン若しくはその断片からなる融合ポリペプチドは、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582、及び584からなる群から選択されるHAS(配列番号31又は1)中の位置と対応している1又は2以上(数個)の位置で、1又は2以上(数個)の改変、例えば、置換、欠失又は挿入を含むか、斯かる改変からなる。置換は、天然のアルブミン配列におけるアミノ酸が、残る19種の天然のアミノ酸から選択される異なるアミノ酸によって置換されるものであれば、任意の置換とすることができる。誤解を避けるために、当業者は、HSAのドメイン又はアルブミン、改変アルブミンのドメイン若しくは断片中の位置を同定するために本明細書中で使用される命名法を使用できる。
【0084】
1つの実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584に対応する1又は2以上(複数)の位置で改変を含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の任意の417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584に対応する2つの位置で改変を含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の任意の417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584に対応する3つの位置で改変を含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584に対応するそれぞれの位置で改変を含む。
【0085】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換Q417A,Hを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H440Qを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H464Qを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A490Dを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E492G,T,P,Hを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換V493P,Lを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換D494N,Q,A,E,Pを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E495Q,Aを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T496Aを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換P499Aを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K500E,G,D,A,S,C,P,H,F,N,W,T,M,Y,V,Q,L,I,Rを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E501A,P,Qを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換N503K,D,Hを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A504Eを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E505K,Dを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T506F,Sを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H510Qを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H535Qを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K536Aを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換P537Aを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K538A,Hを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T540Sを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K541A,D,G,N,Eを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E542P,Dを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換D550Nを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K573Y,W,P,H,F,V,I,T,N,S,G,M,C,A,E,Q,R,L,Dを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K574Nを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換Q580Kを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換L575Fを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A577T,Eを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A578R,Sを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換S579C,Tを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換Q580Kを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A581Dを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A582Tを含む。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換G584Aを含む。
【0086】
1の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置417に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置417に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAla又はHisで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換Q417A,Hを含む。
【0087】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置440に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置440に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H440Qを含む。
【0088】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置464に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置464に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H464Qを含む。
【0089】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置490に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置490に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A490Gを含む。
【0090】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置492に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置492に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはGlyで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E492Gを含む。
【0091】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置493に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置493に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはProで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換V493Pを含む。
【0092】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置494に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置494に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAsn、Gln、又はAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換D494N,Q,Aを含む。
【0093】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置495に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置495に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはGln又はAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E495Qを含む。
【0094】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置496に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置496に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T496Aを含む。
【0095】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置499に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置499に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換P499Aを含む。
【0096】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置500に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置500に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K500E,G,D,A,S,C,P,H,F,N,W,T,M,Y,V,Q,L,I,Rを含む。
【0097】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置501に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置501に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくは親和性を低減するためにAla又はGlnで及び親和性を増加するためにProで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E501A,Q,Pを含む。
【0098】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置503に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置503に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAsp又はLys又はHisで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換N503D,K,Hを含む。
【0099】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置504に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置504に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A504を含む。
【0100】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置505に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置505に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E505Dを含む。
【0101】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置506に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置506に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T506S,Fを含む。
【0102】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置510に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置510に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはGlnで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H510Qを含む。
【0103】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置535に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置535に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはGlnで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換H535Qを含む。
【0104】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置536に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置536に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K536Aを含む。
【0105】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置537に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置537に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換P537Aを含む。
【0106】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置538に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置538に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K538H,Aを含む。
【0107】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置540に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置540に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換T540Sを含む。
【0108】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置541に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置541に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはGly、Asp又はAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K541G,D,A,Nを含む。
【0109】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置542に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置542に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAsp又はProで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換E542D,Pを含む。
【0110】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置550に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置550に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくは親和性を低減するためにAsnで、好ましくは親和性を増加するためにGluで置換される。
【0111】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置573に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置573に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはTyr、Trp、Pro、His、Phe、Val、Ile、Thr、Asn、Ser、Gly、Met、Cys、Ala、Glu、Gln、Arg、Leu、Aspで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K573Y,W,P,H,F,V,I,T,N,S,G,M,C,A,E,Q,R,L,Dを含む。
【0112】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置574に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置574に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAsnで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換K574Nを含む。
【0113】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置575に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置575に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはPheで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換L575Fを含む。
【0114】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置577に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置577に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはThr又はGluで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A577TEを含む。
【0115】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置578に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置578に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはArg又はSerで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A578R,Sを含む。
【0116】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置579に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置579に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはCys又はThrで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換S579C,Tを含む。
【0117】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置580に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置417に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはLysで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換Q580Kを含む。
【0118】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置581に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置581に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAspで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A581Dを含む。
【0119】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置582に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置582に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはThrで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換A582Tを含む。
【0120】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、位置584に対応する位置で改変を含む。別の実施形態によれば、位置584に対応する位置でアミノ酸は、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValで、好ましくはAlaで置換される。別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドの置換G584Aを含む。
【0121】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置494及び496に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0122】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置492及び493に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0123】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置494及び417に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0124】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置492及び503に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0125】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置492及び573に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0126】
別の実施形態によれば、誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置492、503、及び573に対応する位置に、例えば上述した改変を含む。
【0127】
1の実施形態によれば、本発明のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、配列番号31又は配列番号1中の417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584からなる群から選択されるHSA中の位置に対応する位置で1つの置換を含む。但し、当該アルブミン誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1における置換D494N、E501K、K541E、D550G,A、K573E又はK574Nからなる変異体ではない。本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、HSA中の別の位置に対応する1又は2以上(数個)の位置で更なる置換、挿入又は欠失を含んでもよい。
【0128】
別の実施形態によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、配列番号31又は配列番号1の417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582及び584からなる群から選択されるHSA中の位置に対応する位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はさらに21以上の置換を含む。本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、HSA中の別の位置に対応する位置で更なる置換、挿入又は欠失を含んでもよい。
【0129】
さらなる実施形態によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、その親アルブミン断片又は親アルブミン若しくはその断片を含むか、親アルブミン若しくはその断片からなる融合ポリペプチドの血漿中半減期よりもより長い血漿中半減期を有する。本実施形態に係る例は、配列番号31又は配列番号1中の492、503、542、550、573、574、580、581、582又は584に対応する位置についての置換を含んでいるアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドを含む。本発明の本実施形態に係る好ましい置換は、G残基で配列番号31若しくは配列番号1中の492に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換、H若しくはK残基で配列番号31若しくは配列番号1中の503に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換、E残基で配列番号31若しくは配列番号1中の550に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換、Y、W、P、H、F、V、I、T、N、S、G、M、C、A、E、Q、R、L若しくはDで配列番号31若しくは配列番号1中の573に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換、N残基で配列番号31若しくは配列番号1中の574に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換又はK残基で配列番号31若しくは配列番号1中の580に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換を含む。別の好ましい誘導体又は変異体は、G残基で配列番号31又は配列番号1中の492に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換及びA又はP残基で配列番号31又は配列番号1中の573に対応する位置についてのアミノ酸残基の置換を有する。別の好ましい誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1中の位置492に対応する位置のH残基による、位置503に対応する位置に幾つかの置換を有する。
【0130】
別の好ましい誘導体又は変異体は、G残基で配列番号31又は配列番号1中の492に対応する位置についての置換、及びH又はKに対応する配列番号31又は配列番号1中の位置503に対応する位置についての置換、及びA又はP残基で配列番号31又は配列番号1中の位置573についての置換を有する。
【0131】
さらなる実施形態によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むか、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片からなる融合ポリペプチドは、その親アルブミン断片又は親アルブミン若しくはその断片を含む融合ポリペプチドの血漿中半減期よりもより短い血漿中半減期を有する。本実施形態に係る例は、配列番号31又は配列番号1中の417、440、494、495、496、499、500、501、536、537、538、541、494+496又は492+493に対応する位置についての置換を含むアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドを含む。好ましい置換は、配列番号31又は配列番号1中のQ417A、H440Q、D494E+Q417H、D494N,Q,A、E495Q,A、T496A、D494N+T496A又はP499A、K500A、E501A、E501Q、K536A、P537A、K538A、K541G、K541A、K541D又はD550Nに対応する置換を含む。
【0132】
別の実施形態によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、FcRnに結合するためのそれらの能力を失っている。この点について、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、下記のSPRアッセイについて誘導体又は変異体の測定された共鳴単位が、対応する親アルブミン又はその断片の測定された共鳴単位の10%未満の場合、FcRnを結合するための能力を失っている。本実施形態に係る例は、配列番号31及び配列番号1中の464、500、510又は535に対応する位置で置換を有するアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドを含む。好ましい置換は、配列番号31又は配列番号1中のH464Q、K500A,P,C,S,A,D,G、H510Q又はH535Qを含む。
【0133】
配列番号31又は配列番号1中の位置417、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、580、581、582及び584に対応する1又は2以上(数個)の位置で1又は2以上(数個)の置換に加えて、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、分子の別の位置で更なる置換、欠失又は挿入を含んでもよい。斯かる更なる置換、欠失又は挿入は、別の分子の特性、例えばこれに限定されるものではないが、グリコシル化の改変、表面へのチオール基等の反応性基の導入、カルバモイル化部位の除去/生成、等を改変するために有用であってもよい。
【0134】
反応性残基を表面に供するべく改変可能な残基であって、本発明に有利に適用可能な残基としては、未公開特許出願、国際公開第2010/092135号中で開示される(引用により含む)。特に好ましい残基は、配列番号31又は配列番号1中の位置に対応する位置の残基を含む。
【0135】
表面上に反応性チオール基を提供するために配列番号31若しくは配列番号1について又は別のアルブミン中の対応する位置についてなされ得る改変の例として、配列番号31又は配列番号1中の次の改変:L585C、D1C、A2C、D562C、A364C、A504C、E505C、T79C、E86C、D129C、D549C、A581C、D121C、E82C、S270C、A578C、L595LC、D1DC、A2AC、D562DC、A364AC、A504AC、E505EC、T79TC、E86EC、D129DC、D549DC、A581AC、A581AC、D121DC、E82EC、S270SC、579AC、C360*、C316*、C75*、C168*、C558*、C361*、C91*、C124*、C169*及びC567*に対応する改変を含む。或いは、システイン残基が、アルブミンのN又はC末端に付加されてもよい。
【0136】
第2の観点によれば、本発明は、本発明の任意のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、例えば:(i)アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドをコードしている核酸、(ii)前記核酸を含むプラスミド及び(iii)前期プラスミドを含む宿主細胞に関する。本発明はまた、調節配列と一致する条件下、適当な宿主細胞中にコーディング配列の発現を指示する1又は2以上(数個)の調節配列と作動式に連結する本発明の誘導体又は変異体をコードするポリヌクレオチドを含む核酸コンストラクトに関する。本発明の第2の観点によれば、好ましくは、親は、(i)配列番号2の成熟ポリペプチドコーディング配列(配列番号3:NCBI参照配列:NM_000477.5、配列番号3はゲノムDNA)、(ii)成熟ポリペプチドをコードするcDNA配列(cDNAは、配列番号2)、又は(iii)(i)若しくは(ii)の全長相補鎖と、極めて低いストリンジェンシー条件、低いストリンジェンシー条件、中程度のストリンジェンシー条件、やや高いストリンジェンシー条件、高いストリンジェンシー条件、若しくは極めて高いストリンジェンシー条件下で、ハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。
【0137】
配列番号2又はそのサブ配列のポリヌクレオチドは、配列番号2又はその断片のアミノ酸配列と同様に、当該技術分野で周知の方法に従って、異なる属又は種の株由来の親をコードするDNAを同定し及びクローン化するための核酸プローブを設計するために使用されてもよい。特に、斯かるプローブを用い、標準的なサザンブロッティングの手順に従って、所望の属又は種のゲノム又はcDNAとハイブリダイゼーションを行うことにより、対応する遺伝子を同定及び単離することが可能である。斯かるプローブは、全配列よりもかなり短くてもよいが、少なくとも14、例えば、少なくとも25、少なくとも35、又は少なくとも70ヌクレオチド長であるべきである。好ましくは、核酸プローブは、少なくとも100ヌクレオチド長、例えば、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも600ヌクレオチド、少なくとも700ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド又は少なくとも900ヌクレオチド長である。DNA及びRNAの両方のプローブが、使用され得る。プローブは、一般的に、対応する遺伝子を検出するために標識される(例えば、32P、3H、35S、ビオチン、又はアビジン等で)。斯かるプローブも、本発明に包含される。
【0138】
上述したプローブにハイブリダイズし、親をコードするDNAを、斯かる別の生物から調製されたゲノムDNA又はcDNAライブラリーからスクリーニングしてもよい。斯かる別の生物由来のゲノム又は別のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は別の分離技術により単離されてもよい。ライブラリー由来のDNA又は単離されたDNAを、ニトロセルロース又は別の適当な担体材料上に移動し及び固定してもよい。配列番号2又はそのサブ配列と相同であるクローン又はDNAを同定するために、担体材料が、サザンブロットで使用される。
【0139】
本発明の目的において、ハイブリダイゼーションによって、低いストリンジェンシー条件〜極めて高いストリンジェンシー条件下、ポリヌクレオチドが、配列番号2中に示されたポリヌクレオチドに対応する標識されたヌクレオチドプローブ、その相補鎖、又はそのサブ配列にハイブリダイズすることを意味する。プローブがハイブリダイズする分子は、例えば、X線フィルム又は当該分野で周知の別の検出方法を使用して検出され得る。
【0140】
1の実施形態によれば、核酸プローブは、配列番号2の成熟ポリペプチドコーディング配列である。別の実施形態によれば、核酸プローブは、配列番号2のヌクレオチド1〜1758である。別の実施形態によれば、核酸プローブは、配列番号1のポリペプチド又はその断片をコードするポリヌクレオチドである。別の実施形態によれば、核酸プローブは、配列番号2である。
【0141】
少なくとも100ヌクレオチド長を有する長いプローブの場合、極めて低いストリンジェンシーから極めて高いストリンジェンシーまでの条件は、以下のように定義される。プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションを、42℃、5×SSPE中、0.3%SDS、200μg/mlの剪断変性サケ精子DNA、及び、極めて低いストリンジェンシー及び低いストリンジェンシーの場合は25%ホルムアミド、中程度のストリンジェンシー及びやや高いストリンジェンシーの場合は35%ホルムアミド、高いストリンジェンシー及び極めて高いストリンジェンシーの場合は50%ホルムアミドの存在下、標準的なサザンブロッティング手順に従って、好適には12〜24時間行う。最後に担体材料を各々15分ずつ3回、2×SSC、0.2%SDSを使用して、45℃(極めて低いストリンジェンシー)、50℃(低いストリンジェンシー)、55℃(中程度のストリンジェンシー)、60℃(やや高いストリンジェンシー)、65℃(高いストリンジェンシー)、又は70℃(極めて高いストリンジェンシー)で洗浄する。
【0142】
約15ヌクレオチドから約70ヌクレオチド長を有する短いプローブの場合、ストリンジェンシー条件は以下のように定義される。プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションを、約5℃から約10℃、且つ、Bolton及びMcCarthy(1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48: 1390)に従って計算されたTm以下の温度で、0.9M NaCl、0.09M トリス〜HCl pH7.6、6mM EDTA、0.5% NP〜40、1×デンハート液(Denhardt's solution)、1mM ピロリン酸ナトリウム、1mM リン酸一ナトリウム、0.1mM ATP、及び1ml当たり0.2mgの酵母RNAの存在下、標準的なサザンブロッティング手順に従って、好適には12〜24時間行う。最後に担体材料を、5℃から10℃且つ計算されたTm以下の温度で、6×SCC及び0.1%SDSを用いて15分1回、続いて6×SSCを用いて15分ずつ2回洗浄する。
【0143】
親は、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列番号2の成熟ポリペプチドコーディング配列に対して配列同一性を伴うポリヌクレオチドによりコードされてもよく、そしてそれは、アルブミンとして機能し得るポリペプチドをコードする。1つの実施態様によれば、親は、配列番号2を含むか、配列番号2からなるポリヌクレオチドによりコードされる。
【0144】
本発明の第3の観点によれば、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いは、前記アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、当該技術分野内で周知の技術を使用して第2の分子とコンジュゲートされてもよい。前記第2の分子は、診断部位を含むか、斯かる部位からなってもよく、及び本実施形態によれば、コンジュゲートは、画像化などの診断ツールとして有用であってもよく、又は第2の分子は、治療用化合物であってもよく、本実施形態によれば、コンジュゲートは、コンジュゲートが、治療用化合物の治療特性と同様にそのアルブミン誘導体、断片、変異体を伴うその関連由来の改変された血漿中半減期を有する治療特性のために使用されてもよい。アルブミン及び治療用分子のコンジュゲートは、当該技術分野で公知であり及び斯かるコンジュゲートは、それ自体コンジュゲートされていない遊離状態の治療分子と比べて、長い血漿中半減期を有することが確認されている。コンジュゲートは、アルブミン誘導体、断片、又はその誘導体若しくは変異体の表面上に存在する遊離チオール基を介して好都合に結合されてもよい。本チオール基の存在は、自然(例えば、遊離チオール基が、成熟HSAのアミノ酸残基34に相当してもよい)又は遺伝子工学及びコンジュゲーション化学についての技術分野内で周知の技術を使用して、ポリペプチド内に設計されてもどちらでもよい。或いは、コンジュゲートは、例えば、同時係属中の特許出願(EP 2009 152 625.1、引用により本明細書中に組み込まれる)中に開示されるなど、HSAドメインIII誘導体、断片、又はその変異体の表面上に提供される別の遊離チオール基を介して結合されてもよい。
【0145】
本発明に係るアルブミンコンジュゲーションの半減期は、コンジュゲーションパートナー分子単独の半減期よりもより長い又はより短い。本発明に係るアルブミンコンジュゲーションの半減期は、天然HSA(本発明に係るアルブミン変異体又は誘導体の代わりに)及びコンジュゲーション分子を含んでいる類似/相当する(equivalent)アルブミンコンジュゲーションの半減期よりもより長い又はより短くてもよい。
【0146】
特に好ましい1の実施形態によれば、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片は、有益な治療用化合物にコンジュゲートされ、及びコンジュゲートは、それを必要とする患者における、選択された特定の治療用化合物に対して感受性の状態を処置するために使用される。斯かる治療用化合物とアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片をコンジュゲートするための技術は、当該技術分野で知られている。国際公開第2009/019314号は、治療用化合物とポリペプチドをコンジュゲートするために適当な技術の例を開示し、そしてそれは、本発明にまた適用され得る。さらに国際公開第2009/019314号は、置換されたトランスフェリンとコンジュゲートされてもよい化合物及び部分の例を開示し及びこれらの例は、また、本発明に適用されてもよい。国際公開第2009/019314号の教示は、引用により本明細書中に組み込まれる。
【0147】
HSAは、その天然形態について、コンジュゲーションのために好都合に使用されてもよい1の遊離チオール基を含む。本実施形態内で特定の実施態様として、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を更に修飾し、表面上に追加の(更なる)遊離チオール基を供してもよい。これによってアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片のペイロードを増加させることができるという利点がある。これにより、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片の各分子に対して、2分子以上の治療用化合物をコンジュゲートさせることができる。或いは、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片の各分子に対して、2種以上の異なる治療用化合物(例えば標的化特性を有する化合物(例えば腫瘍特異的抗体)と細胞毒性薬等)をコンジュゲートさせることが可能となり、惹いては腫瘍に対して極めて特異性の高い薬を提供することが可能となる。更なる遊離チオール基を表面に供するべく修飾可能な具体的な残基については、例えば、同時係属中の特許出願である国際公開第2010/092135号(これは引用により組み込まれる)に開示されている。
【0148】
本発明の第4の観点によれば、本発明に係るアルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、非アルブミンポリペプチド融合パートナーとまた融合させてもよい。融合パートナーは、原則として任意のポリペプチドでもよいが、通常は治療又は診断特性を有するポリペプチドであることが好ましい。アルブミンを含む融合ポリペプチドは当該技術分野において公知である。アルブミン及び融合パートナーポリペプチドを含む斯かる融合ポリペプチドは、融合されていない融合パートナーポリペプチドと比較して、より長い血漿中半減期を有することが見出されている。本発明によれば、従来の対応する融合ポリペプチドと比較して、本発明に係る融合ポリペプチドの血漿中半減期を改変することが可能である。アルブミンと融合パートナーポリペプチドの融合及び適当な融合パートナーポリペプチドの例に関するさらなる教示が、国際公開第01/79271A号及び国際公開第03/59934A号中に見出される。本発明に係るアルブミン融合の半減期は、融合パートナーポリペプチド単独の半減期よりもより長く又はより短くてもよい。本発明に係るアルブミン融合の半減期は、天然HSA(本発明に係るアルブミン変異体又は誘導体の代わりに)及び融合パートナーを含むか、天然HSA及び融合パートナーからなる類似/相当するアルブミンの半減期よりもより長く又はより短くてもよい。
【0149】
本発明のすべての観点によれば、融合パートナーポリペプチド及び/又はコンジュゲートは、1又は2以上(数個)の:4-1BBリガンド、5−ヘリックス、ΑヒトC-Cケモカイン、ΑヒトL105ケモカイン、ΑヒトL105ケモカイン、名称huL105_3.、γ−インターフェロン(MIG)により誘導されるΑモノカイン、Α部分CXCR4Bタンパク質、Α血小板塩基性タンパク質(platelet basic protein:PBP)、α1−抗トリプシン、ACRP-30ホモログ;補体成分C1q C、アデノイド発現型ケモカイン(Adenoid-expressed chemokine:ADEC)、aFGF;FGF−1、AGF、AGFタンパク質、アルブミン、エトポシド、アンギオスタチン、炭疽菌ワクチン、コラプシン(collapsin)特異抗体、アンチスタシン(antistasin)、抗TGFβファミリー抗体、抗トロンビンIII、APM-1;ACRP-30;ファモキシン(Famoxin)、アポリポタンパク質種、アリールスルファターゼB、b57タンパク質、BCMA、Β−トロンボグロブリンタンパク質(β−TG)、bFGF;FGF2、血液凝固因子、BMP プロセシング酵素フーリン(Furin)、BMP−10、BMP−12、BMP−15、BMP−17、BMP−18、BMP−2B、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、骨形態形成タンパク質−2、カルシトニン、カルパイン−10a、カルパイン−10b、カルパイン−10c、ガンワクチン、カルボキシペプチダーゼ、C−Cケモカイン、MCP2、CCR5変異体、CCR7、CCR7、CD11a Mab、CD137;4-1BB受容体タンパク質、CD20 Mab、CD27、CD27L、CD30、CD30リガンド、CD33免疫毒素、CD40、CD40L、CD52 Mab、ケルベロス(Cerebus)タンパク質、ケモカインエオタキシン、ケモカインhIL−8、ケモカインhMCP1、ケモカインhMCP1a、ケモカインhMCP1b、ケモカインhMCP2、ケモカインhMCP3、ケモカインhSDF1b、ケモカインMCP-4、ケモカインTECK及びTECK変異体、ケモカイン様タンパク質IL−8M1全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M10全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M3、ケモカイン様タンパク質IL−8M8全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL−8M9全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-414全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-426全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-M2 全長及び成熟体、コレラワクチン、コンドロモジュリン様タンパク質、c-kitリガンド;SCF;マスト細胞増殖因子;MGF;線維肉腫由来幹細胞因子、CNTF及びその断片(例えばCNTFAx15'(Axokine(商標)))、凝固因子(前駆体及び活性体)、コラーゲン、補体C5 Mab、結合組織活性化タンパク質−III、CTAA16.88 Mab、CTAP-III、CTLA4-Ig、CTLA-8、CXC3、CXC3、CXCR3;CXCケモカイン受容体3、シアノビリン(cyanovirin)−N、ダーベポエチン、名称エクソダス(exodus)、名称huL105_7.、DIL−40、Dnase、EDAR、EGF受容体Mab、ENA-78、エンドスタチン(Endostatin)、エオタキシン、上皮好中球活性化タンパク質−78、EPO受容体;EPOR、エリトロポエチン(EPO)及びEPO模倣物、ユートロピン(Eutropin)、エクソダス(exodus)タンパク質、第IX因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子及び第XIII因子、FASリガンド阻害タンパク質(DcR3)、FasL、FasL、FasL、FGF、FGF-12;線維芽細胞増殖因子相同因子(Fibroblast growth factor homologous factor)−1、FGF-15、FGF-16、FGF-18、FGF-3;INT-2、FGF-4;ゲロニン(gelonin)、HST-1;HBGF-4、FGF-5、FGF-6;ヘパリン結合性分泌形質転換因子(Heparin binding secreted transforming factor)−2、FGF-8、FGF-9;グリア活性化因子、フィブリノゲン、flt-1、flt-3 リガンド、卵胞刺激ホルモンαサブユニット、卵胞刺激ホルモンβサブユニット、ホリトロピン、フラクタルカイン(Fractalkine)、断片化筋原線維タンパク質トロポニンI(fragment. myofibrillar protein トロポニンI)、FSH、ガラクトシダーゼ、ガレクチン−4、G−CSF、GDF−1、遺伝子療法薬、グリオーマ由来増殖因子、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、グルコセレブロシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、グリコデリン(Glycodelin)−A;プロゲステロン関連子宮内膜タンパク質、GM−CSF、ゴナドトロピン、顆粒球走化性タンパク質−2(Granulocyte chemotactic protein-2:GCP−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、成長ホルモン、増殖関連オンコジーン−α(Growth related oncogene-alpha:GRO−α)、増殖関連オンコジーン−β(GRO−β)、増殖関連オンコジーン-γ(GRO−γ)、hAPO-4;TROY、hCG、B型肝炎表面抗原、B型肝炎ワクチン、HER2受容体Mab、ヒルジン(hirudin)、HIV gp120、HIV gp41、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIVプロテアーゼ阻害ペプチド、HIV−1プロテアーゼ阻害剤、HPVワクチン、
ヒト6CKineタンパク質、ヒトAct-2タンパク質、ヒト脂質生成阻害因子、ヒトB細胞刺激因子−2受容体、ヒトβ−ケモカインH1305(MCP-2)、ヒトC-CケモカインDGWCC、ヒトCCケモカインELCタンパク質、ヒトCC型ケモカインインターロイキンC、ヒトCCC3タンパク質、ヒトCCF18ケモカイン、ヒトCC型ケモカインタンパク質、名称SLC(secondary lymphoid chemokine:二次リンパケモカイン)、ヒトケモカインβ-8短小型、ヒトケモカインC10、ヒトケモカインCC-2、ヒトケモカインCC-3、ヒトケモカインCCR-2、ヒトケモカインCkβ-7、ヒトケモカインENA-78、ヒトケモカインエオタキシン、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROβ、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインI-309、ヒトケモカインIP-10、ヒトケモカインL105_3、ヒトケモカインL105_7、ヒトケモカインMIG、ヒトケモカインMIG-βタンパク質、ヒトケモカインMIP-1α、ヒトケモカインMIP1β、ヒトケモカインMIP-3α、ヒトケモカインMIP-3β、ヒトケモカインPF4、ヒトケモカインタンパク質331D5、ヒトケモカインタンパク質61164、ヒトケモカイン受容体CXCR3、ヒトケモカインSDF1α、ヒトケモカインSDF1β、ヒトケモカインZSIG-35、ヒトChr19Kineタンパク質、ヒトCKβ-9、ヒトCKβ-9、ヒトCX3C 111アミノ酸ケモカイン、ヒトDNAX インターロイキン-40、ヒトDVic-1 C-Cケモカイン、ヒトEDIRF Iタンパク質配列、ヒトEDIRF IIタンパク質配列、ヒト好酸球CC型ケモカインエオタキシン、ヒト好酸球発現型ケモカイン(eosinophil-expressed chemokine:EEC)、ヒト速収縮骨格筋トロポニンC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンI、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットIタンパク質、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットT、ヒト速収縮骨格筋トロポニンT、ヒト胎児脾臓発現型ケモカイン、FSEC、ヒトGM−CSF受容体、ヒトgro-αケモカイン、ヒトgro-βケモカイン、ヒトgro-γケモカイン、ヒトIL−16タンパク質、ヒトIL−1RD10タンパク質配列、ヒトIL−1RD9、ヒトIL−5受容体α鎖、ヒトIL−6受容体、ヒトIL−8受容体タンパク質hIL8RA、ヒトIL−8受容体タンパク質hIL8RB、ヒトIL−9受容体タンパク質、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体#3、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体断片、ヒトIL−9受容体タンパク質変異体断片#3、ヒトインターロイキン1δ、ヒトインターロイキン10、ヒトインターロイキン10、ヒトインターロイキン18、ヒトインターロイキン18誘導体、ヒトインターロイキン−1β前駆体、ヒトインターロイキン−1β前駆体、ヒトインターロイキン−1受容体補助タンパク質、ヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストβ、ヒトインターロイキン−1タイプ3受容体、ヒトインターロイキン−10(前駆体)、ヒトインターロイキン−10(前駆体)、ヒトインターロイキン−11受容体、ヒトインターロイキン−12 40kDサブユニット、ヒトインターロイキン−12 β-1受容体、ヒトインターロイキン−12 β-2受容体、ヒトインターロイキン−12 p35タンパク質、ヒトインターロイキン−12 p40タンパク質、ヒトインターロイキン−12受容体、ヒトインターロイキン−13 α受容体、ヒトインターロイキン−13 β受容体、ヒトインターロイキン−15、クローンP1由来ヒトインターロイキン−15受容体、ヒトインターロイキン−17受容体、ヒトインターロイキン−18タンパク質(IL−18)、ヒトインターロイキン−3、ヒトインターロイキン−3受容体、ヒトインターロイキン−3変異体、ヒトインターロイキン−4受容体、ヒトインターロイキン−5、ヒトインターロイキン−6、ヒトインターロイキン−7、ヒトインターロイキン−7、ヒトインターロイキン−8(IL−8)、ヒト細胞内IL−1受容体アンタゴニスト、ヒトIP−10及びHIV−1 gp120 超可変領域融合タンパク質、ヒトIP−10及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒト肝臓及び活性化調節ケモカイン(liver and activation regulated chemokine:LARC)、ヒトLkn-1全長及び成熟タンパク質、ヒト乳房関連ケモカイン(mammary associated chemokine:MACK)タンパク質全長及び成熟体、ヒト成熟ケモカインCkβ-7、ヒト成熟gro-α、ヒト成熟gro-γポリペプチド(敗血症治療用)、ヒトMCP-3及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒトMI10タンパク質、ヒトMI1Aタンパク質、ヒト単球走化性因子hMCP-1、ヒト単球走化性因子hMCP-3、ヒト単球走化性前駆タンパク質(monocyte chemotactic proprotein:MCPP)配列、ヒトニューロタクチン(neurotactin)ケモカイン様ドメイン、ヒト非ELR CXCケモカインH174、ヒト非ELR CXCケモカインIP10、ヒト非ELR CXCケモカインMig、ヒトPAI-1ミュータント、IL−16活性を有するヒトタンパク質、IL−16活性を有するヒトタンパク質、ヒト二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトSISDタンパク質、ヒトSTCP-1、ヒト間質細胞由来ケモカイン、SDF-1、ヒトT細胞混合リンパ球反応性発現型ケモカイン(T cell mixed lymphocyte reaction expressed chemokine:TMEC)、ヒト胸腺及び活性化調節サイトカイン(thymus and activation regulated cytokine:TARC)、ヒト胸腺発現型、ヒトTNF−α、ヒトTNF−α、ヒトTNF−β(LT-α)、ヒトタイプCCケモカインエオタキシン3タンパク質配列、ヒトタイプIIインターロイキン−1受容体、ヒト野生型インターロイキン−4(hIL−4)タンパク質、ヒトZCHEMO-8タンパク質、ヒト化抗VEGF抗体及びその断片、ヒト化抗VEGF抗体及びその断片、
ヒアルロニダーゼ、ICE 10kDサブユニット、ICE 20kDサブユニット、ICE 22kDサブユニット、イズロン酸-2-スルファターゼ、イズロニダーゼ、IL−1α、IL−1β、IL−1阻害剤(IL−1i)、IL−1成熟体、IL−10受容体、IL−11、IL−11、IL−12 p40サブユニット、IL−13、IL−14、IL−15、IL−15受容体、IL−17、IL−17受容体、Il−17受容体、Il−17受容体、IL−19、IL−1i断片、IL1−受容体アンタゴニスト、IL−21(TIF)、IL−3含有融合タンパク質、IL−3ミュータントタンパク質、IL−3変異体、IL−3変異体、IL−4、IL−4ムテイン(mutein)、IL−4ムテインY124G、IL−4ムテインY124X、IL−4ムテイン類、Il−5受容体、IL−6、Il−6受容体、IL−7受容体クローン、IL−8受容体、IL−9成熟タンパク質変異体(Met117バージョン)、免疫グロブリン若しくは免疫グロブリン系分子又は何れかの断片(例えば小モジュール免疫薬(商標)(small modular immunopharmaceutical:SMIP)又はdAb、Fab'断片、F(ab')2、scAb、scFv又はscFv断片)、例えば(これに限定されるものではないが)プラスミノーゲン、インフルエンザワクチン、インヒビンα、インヒビンβ、インシュリン、インシュリン様増殖因子、インテグリンMab、インターαトリプシン阻害剤、インターαトリプシン阻害剤、インターフェロンγ誘導性タンパク質(IP-10)、インターフェロン類(例えばインターフェロンα種及び亜種、インターフェロンβ種及び亜種、インターフェロンγ種及び亜種等)、インターフェロン(例えばインターフェロンα種及び亜種、インターフェロンβ種及び亜種、インターフェロンγ種及び亜種等)、インターロイキン6、インターロイキン8(IL−8)受容体、インターロイキン8受容体B、インターロイキン−1α、インターロイキン−2受容体アソシエートdタンパク質p43、インターロイキン−3、インターロイキン−4ムテイン、インターロイキン−8(IL−8)タンパク質、インターロイキン−9、インターロイキン−9(IL−9)成熟タンパク質(Thr117バージョン)、インターロイキン(例えばIL10、IL11及びIL2等)、インターロイキンs(例えばIL10、IL11及びIL2等)、日本脳炎ワクチン、カリクレイン阻害剤、ケラチノサイト増殖因子、クニッツ(Kunitz)ドメインタンパク質(例えばアプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質及び国際公開第03/066824号に記載のもの等、アルブミン融合の有無によらず)、クニッツドメインタンパク質(例えばアプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質及び国際公開第03/066824号に記載のもの等、アルブミン融合の有無によらず)、LACI、ラクトフェリン、潜在型TGF−β結合タンパク質II、レプチン、肝臓発現型ケモカイン−1(LVEC−1)、肝臓発現型ケモカイン−2(LVEC−2)、LT−α、LT−β、黄体化ホルモン、ライム病(Lyme)ワクチン、リンホタクチン(Lymphotactin)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC(n+1)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC−eyfy、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC−yl、マクロファージ由来ケモカイン、MDC、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、マスピン;プロテアーゼ阻害剤5、MCP−1受容体、MCP−1a、MCP−1b、MCP−3、MCP−4受容体、M−CSF、メラノーマ阻害タンパク質、膜結合タンパク質、Met117ヒトインターロイキン9、MIP−3α、MIP−3β、MIP−γ、MIRAP、修飾型ランテス(Modified Rantes)、モノクローナル抗体、MP52、ミュータントインターロイキン6 S176R、筋原線維収縮性タンパク質トロポニンI、ナトリウム利尿ペプチド、神経増殖因子−β、神経増殖因子−β2、ニューロピリン(Neuropilin)−1、ニューロピリン−2、ニューロタクチン(Neurotactin)、ニューロトロフィン(Neurotrophin)−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−4a、ニューロトロフィン−4b、ニューロトロフィン−4c、ニューロトロフィン−4d、好中球活性化ペプチド−2(Neutrophil activating peptide-2:NAP−2)、NOGO−66受容体、NOGO−A、NOGO−B、NOGO−C、新規β-ケモカイン、名称PTEC、N末端修飾ケモカインGroHEK/hSDF-1α、N末端修飾型ケモカインGroHEK/hSDF-1β、N末端修飾型ケモカインmet-hSDF-1α、N末端修飾型ケモカインmet-hSDF-1β、OPGL、骨原性タンパク質−1;OP−1;BMP−7、骨原性タンパク質−2、OX40;ACT−4、OX40L、オキシトシン(ニューロフィジンI)、副甲状腺ホルモン、パッチ型、パッチ型−2、PDGF−D、百日咳トキソイド、下垂体発現型ケモカイン(Pituitary expressed chemokine:PGEC)、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子−2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−1;PAI-1、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−2;PAI−2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−2;PAI−2、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子Bv-sis、血小板由来増殖因子前駆体A、血小板由来増殖因子前駆体B、血小板Mab、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子B鎖、敗血症治療用ポリペプチド、プレプロアポリポタンパク質「ミラノ」(milano)変異体、プレプロアポリポタンパク質「パリ」(paris)変異体、プレトロンビン、霊長類CCケモカイン「ILINCK」、霊長類CXCケモカイン「IBICK」、プロインシュリン、プロラクチン、プロラクチン2、プロサプチド(prosaptide)、プロテアーゼ阻害ペプチド、タンパク質C、タンパク質S、プロトロンビン、プロウロキナーゼ、RANTES、RANTES 8-68、RANTES 9-68、RANTESペプチド、RANTES受容体、組換インターロイキン-16、レジスチン(Resistin)、レストリクトシン(restrictocin)、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、リシン(ricin)、ロタウイルスワクチン、RSV Mab、サポリン、サルシン(sarcin)、分泌及び膜貫通ポリペプチド、分泌及び膜貫通ポリペプチド、血清コリンエステラーゼ、血清タンパク質(例えば血液凝固因子等)、溶解性BMP受容体キナーゼタンパク質−3、溶解性VEGF受容体、幹細胞阻害因子、ブドウ球菌(Straphylococcus)ワクチン、間質由来因子−1α、間質由来因子−1β、サブスタンスP(タキキニン)、T1249ペプチド、T20ペプチド、T4エンドヌクレアーゼ、TACI、Tarc、TGF−β1、TGF−β2、Thr117ヒトインターロイキン9、トロンビン、トロンボポエチン、トロンボポエチン誘導体1、トロンボポエチン誘導体2、トロンボポエチン誘導体3、トロンボポエチン誘導体4、トロンボポエチン誘導体5、トロンボポエチン誘導体6、トロンボポエチン誘導体7、胸腺発現型ケモカイン(Thymus expressed chemokine:TECK)、甲状腺刺激ホルモン、ダニ抗凝固ペプチド、Tim-1タンパク質、TNF−α前駆体、TNF−R、TNF−RII;TNF p75受容体;デス(Death)受容体、tPA、トランスフェリン、形質転換増殖因子β、トロポニンペプチド、切断型単球走化性タンパク質2(6−76)、切断型単球走化性タンパク質2(6−76)、切断型RANTESタンパク質(3−68)、腫瘍壊死因子、尿酸オキシダーゼ、ウロキナーゼ、バソプレッシン(ニューロフィジンII)、VEGF R-3;flt-4、VEGF受容体;KDR;flk-1、VEGF-110、VEGF−121、VEGF−138、VEGF−145、VEGF−162、VEGF−165、VEGF−182、VEGF−189、VEGF−206、VEGF−D、VEGF−E;VEGF−X、フォン・ヴィルブラント因子、野生型単球走化性タンパク質2、野生型単球走化性タンパク質2、ZTGF−β9を含んでもよい。
【0150】
さらに、コンジュゲートは、1又は2以上(数個)の化学療法薬、例えば:13−シス−レチノイン酸、2−CdA、2−クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン(Azacitidine)、5−フルオロウラシル、5−FU、6−メルカプトプリン、6−MP、6−TG、6−チオグアニン、A、アブラキサン(Abraxane)、アキュテイン(Accutane)(登録商標)、アクチノマイシン−D、アドリアマイシン(登録商標)、アドルシル(Adrucil)(登録商標)、アグリリン(Agrylin)(登録商標)、アラ−コート(Ala-Cort)(登録商標)、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリムタ(ALIMTA)、アリトレチノイン(Aliトレチノイン)、アルカバン−AQ(Alkaban-AQ)(登録商標)、アルケラン(Alkeran)(登録商標)、オールトランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン(Altretamine)、アメトプテリン、アミホスチン(Amifostine)、アミノグルテチミド、アナグレリド、アナンドロン(Anandron)(登録商標)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、Ara-C、アラネスプ(Aranesp)(登録商標)、アレディア(Aredia)(登録商標)、アリミデックス(登録商標)、アロマシン(登録商標)、アラノン(Arranon)(登録商標)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ATRA、アバスチン(Avastin)(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ベキサロテン、ベクザー(BEXXAR)(登録商標)、ビカルタミド(Bicalutamide)、BiCNU、ブレノキサン(Blenoxane)(登録商標)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、ブスルフェクス(Busulfex)(登録商標)、C225、カルシウムロイコボリン、キャンパス(Campath)(登録商標)、カンプトサール(Camptosar)(登録商標)、カンプトセシン−11、カペシタビン、キャラック(Carac)(商標)、カルボプラチン、カルマスティン、カルマスティンウエハー、カソデックス(Casodex)(登録商標)、CC-5013、CCNU、CDDP、CeeNU、セルビジン(Cerubidine)(登録商標)、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、シトロボラム(Citrovorum)因子、クラドリビン(Cladribine)、コルチゾン、コスメゲン(登録商標)、CPT-11、シクロホスファミド、シタドレン(Cytadren)(登録商標)、シタラビン、リポゾーム化シタラビン、シトサール−U(Cytosar-U)(登録商標)、シトキサン(Cytoxan)(登録商標)、ダカルバジン、ダコゲン(Dacogen)、ダクチノマイシン、ダーベポエチンα、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、リポソーム化ダウノルビシン、ダウノキソーム(DaunoXome)(登録商標)、デカドロン(Decadron)、デシタビン(Decitabine)、Δ−コーテフ(Delta-Cortef)(登録商標)、デルタゾン(Deltasone)(登録商標)、デニロイキンジフチトクス、デポサイト(DepoCyt)(商標)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサゾン(Dexasone)、デクスラゾキサン(Dexrazoxane)、DHAD、DIC、ディオデクス(Diodex)、ドセタキセル、ドキシル(Doxil)(登録商標)、ドキソルビシン(Doxorubicin)、リボゾーム化ドキソルビシン、ドロキシア(Droxia)(商標)、DTIC、DTIC−ドーム(DTIC-Dome)(登録商標)、デュラローン(Duralone)(登録商標)、エフデックス(Efudex)(登録商標)、エリガード(商標)、エレンス(Ellence)(商標)、エロキサチン(商標)、エルスパー(Elspar)(登録商標)、エムサイト(Emcyt)(登録商標)、エピルビシン、エポエチンα、エルビタックス(商標)、エルロチニブ、エルウィニアL−アスパラギナーゼ、エストラムスチン、エチオール(Ethyol)、エトポホス(Etopophos)(登録商標)、エトポシド、リン酸エトポシド、ユーレキシン(Eulexin)(登録商標)、エビスタ(Evista)(登録商標)、エキセメスタン、フェアストン(Fareston)(登録商標)、フェソロデックス(Faslodex)(登録商標)、フェマーラ(登録商標)、フィルグラスチム(Filgrastim)、フロクスウリジン(Floxuridine)、フルダラ(Fludara)(登録商標)、フルダラビン、フルオロプレクス(Fluoroplex)(登録商標)、フルオロウラシル、フルオロウラシル(クリーム)、フルオキシメステロン(Fluoxymesterone)、フルタミド(Flutamide)、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、G−CSF、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin)、ジェムザール(登録商標)、グリーベック(商標)、グリアデル(Gliadel)(登録商標)・ウエハー、GM−CSF、ゴセレリン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ハロテスチン(Halotestin)(登録商標)、ハーセプチン(登録商標)、ヘキサドロール(Hexadrol)、ヘキサレン(Hexalen)(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、HMM、ハイカムチン(Hycamtin)(登録商標)、ハイドレア(Hydrea)(登録商標)、酢酸ヒドロコート(Hydrocort Acetate)(登録商標)、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ハイドロコートン(Hydrocortone Phosphate)、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、イダマイシン(登録商標)、イダルビシン、イフェックス(Ifex)(登録商標)、IFN−α、イホスファミド、IL−11、IL−2、メシル酸イマチニブ、イミダゾール・カルボキシアミド、インターフェロンα、インターフェロンα−2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、イントロンA(登録商標)(インターフェロンα−2b)、イレッサ(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、キドロラーゼ(Kidrolase)(登録商標)、ラナコート(Lanacort)(登録商標)、ラパチニブ、L−アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイケラン(Leukeran)、ロイキン(Leukine)(商標)、ロイプロリド、ロイロクリスチン(Leurocristine)、ロイスタチン(Leustatin)(商標)、リポソーム化Ara-C、リキッド・プレド(Liquid Pred)(登録商標)、ロムスチン、L−PAM、L−サルコリシン(L-Sarcolysin)、リュープロン(登録商標)、リュープロン・デポー(登録商標)、M、マチュレーン(Matulane)(登録商標)、マキシデックス(Maxidex)、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、メドラロン(Medralone)(登録商標)、メドロール(Medrol)(登録商標)、メゲース(Megace)(登録商標)、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、メスネックス(Mesnex)(商標)、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、メチコルテン(Meticorten)(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン−C、ミトキサントロン、M−プレドニゾール(Prednisol)(登録商標)、MTC、MTX、ムスタルゲン(Mustargen)(登録商標)、ムスチン(Mustine)、ムタマイシン(Mutamycin)(登録商標)、ミレラン(登録商標)、マイロセル(Mylocel)(商標)、マイロターグ(登録商標)、ナベルビン(登録商標)、ネララビン、ネオサール(Neosar)(登録商標)、ニューラスタ(Neulasta)(商標)、ニューメガ(Neumega)(登録商標)、ニューポジェン(登録商標)、ネクサバール(登録商標)、ニランドロン(Nilandron)(登録商標)、ニルタミド、ニペント(Nipent)(登録商標)、ナイトロジェン・マスタード、ノバルデックス(Novaldex)(登録商標)、ノバントロン(Novantrone)(登録商標)、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、オンコスパー(Oncospar)(登録商標)、オンコビン(登録商標)、オンタック(Ontak)(登録商標)、オンキサル(Onxal)(商標)、オプレベルキン(Oprevelkin)、オラプレッド(Orapred)(登録商標)、オラソン(Orasone)(登録商標)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合型、パミドロネート、パニツムマブ、パンレチン(Panretin)(登録商標)、パラプラチン(登録商標)、ペディアプレッド(Pediapred)(登録商標)、PEGインターフェロン、PEGアスパルガーゼ、PEGフィルグラスチム、PEGイントロン(商標)、PEG−L−アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニン・マスタード、プラチノール(Platinol)(登録商標)、プラチノール−AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレロン(Prelone)(登録商標)、プロカルバジン、プロクリット(登録商標)、プロロイキン(Proleukin)(登録商標)、カルマスティン・インプラントによるプロリフェプロスパン(Prolifeprospan)20、ピュリネソール(Purinethol)(登録商標)、R、ラロキシフェン、レブリミド(登録商標)、リウマトレックス(登録商標)、リツキサン(登録商標)、リツキシマブ、ロフェロン−A(Roferon-A)(登録商標)(インターフェロンα−2a)、ルベックス(Rubex)(登録商標)、塩酸ルビドマイシン、サンドスタチン(登録商標)、サンドスタチンLAR(登録商標)、サルグラモスチム、ソル・コーテフ(solu-cortef)(登録商標)、ソル・メドロール(solu-Medrol)(登録商標)、ソラフェニブ、スプリセル(商標)、STI-571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、スーテント(登録商標)、タモキシフェン、タルセバ(登録商標)、ターグレチン(Targretin)(登録商標)、タキソール(登録商標)、タキソテール(登録商標)、テモダール(Temodar)(登録商標)、テモゾロミド、テニポシド、テスパ(TESPA)、サリドマイド、サロミド(Thalomid)(登録商標)、テラシス(TheraCys)(登録商標)、チオグアニン、チオグアニン・タブロイド(登録商標)、チオホスホアミド(phosphoamide)、チオプレックス(Thioplex)(登録商標)、チオテパ、タイス(TICE)(登録商標)、トポサール(Toposar)(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、トレクサール(Trexall)(商標)、トリセノックス(登録商標)、TSPA、タイケルブ(TYKERB)(登録商標)、VCR、ベクティビックス(Vectibix)(商標)、ベルバン(Velban)(登録商標)、ベルケイド(Velcade)(登録商標)、ベプシド(VePesid)(登録商標)
、ベサノイド(Vesanoid)(登録商標)、ビアドゥール(Viadur)(商標)、ビダーザ(Vidaza)(登録商標)、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン(Vinblastine Sulfate)、ビンカサール・Pfs(Vincasar Pfs)(登録商標)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM−26、ボリノスタット(Vorinostat)、VP−16、ヴューモン(Vumon)(登録商標)、ゼローダ(Xeloda)(登録商標)、ザノサール(Zanosar)(登録商標)、ゼバリン(Zevalin)(商標)、ザインカード(Zinecard)(登録商標)、ゾラデックス(登録商標)、ゾレドロン酸、ゾリンザ、ゾメタ(登録商標);放射性医薬、例えば炭素−11、炭素−14、クロム−51、コバルト−57、コバルト−58、エルビウム−169、フッ素−18、ガリウム−67、金−198、インジウム−111、インジウム−113m、ヨウ素−123、ヨウ素−125、ヨウ素−131、鉄−59、クリプトン−81m、窒素-13、酸素-15、リン-32、レニウム-186、ルビジウム-82、サマリウム-153、セレン-75、ストロンチウム-89、テクネチウム-99m、タリウム-201、トリチウム、キセノン-127、キセノン-133、イットリウム-90;及び/又は造影剤、例えばガドリニウム、マグネタイト、マンガン、テクネチウム、I125、I131、P32、T1201、イオパミドール、PET〜FDGを含んでもよい。
【0151】
斯かるポリペプチド及び化学物質は、診断用部分、治療用部分又は有益な部分として言及されてもよい。
【0152】
1又は2以上(数個)の治療用ポリペプチドは、アルブミンのN末端、C末端に融合されてもよく、アルブミン構造中のループ内に挿入されてもよく、又はそれらの任意の組合せでもよい。融合ポリペプチドのさまざまな構成要素を分離するためのリンカー配列を含んでも含まなくてもよい。
【0153】
アルブミンの融合又はその断片に関する教示は、当該技術分野で公知であり、及び当業者は、斯かる教示が、本発明にまた適用され得ることを理解するであろう。国際公開第2001/79271A号及び国際公開第2003/59934A号は、アルブミン又はその断片と融合されてもよい治療用ポリペプチドの例をまた含み、及びこれらの例は、本発明にまた適用する。
【0154】
本発明に係る融合又はコンジュゲートポリペプチドのアルブミン誘導体、断片、又はその変異体部分は、一般的に、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、又は94%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、及び最も好ましくは少なくとも99%の対応するその親アルブミンの部分の配列と配列同一性を有する。
【0155】
好ましい実施形態によれば、本発明に係る融合又はコンジュゲートポリペプチドのアルブミン誘導体、断片、又はその変異体部分は、一般的に、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、及び最も好ましくは少なくとも99%の配列番号31又は配列番号1中に示されたHSAの対応する部分の配列と配列同一性を有する。
【0156】
2つのアミノ酸配列の間又は2つのヌクレオチド配列の間の関連性は、「配列同一性(sequence identity)」というパラメーターにより記載される。
【0157】
本発明の目的においては、2つのアミノ酸配列間の同一性の度合いは、Needleman〜Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48:443-453)を、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends in Genetics 16:276-277)のNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)で実行することにより決定される。任意のパラメーターは、ギャップ・オープン・ペナルティー(gap open penalty)が10、ギャップ・エクステンション・ペナルティー(gap extension penalty)が0.5であり、また、EBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスを使用する。「最長同一性」(longest identity)と表示されたNeedleの出力値(-nobriefオプションを使用して得られるもの)を%同一性として使用する。これは以下の式:
(同一残基数 × 100)/(アラインメント長 − アラインメント中のギャップ総数)
に従い算出される。
【0158】
本発明の様々な誘導体又は変異体を記載する際に、引用の便宜のため、以下に記載の命名法を採用する。アミノ酸の略称としては、周知のIUPACによる1文字又は3文字の略称を用いる。
【0159】
本発明の目的においては、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の同一性の度合いは、Needleman〜Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970、同上)を、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000、同上)のNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)で実行することにより決定される。任意のパラメーターは、ギャップ・オープン・ペナルティー(gap open penalty)が10、ギャップ・エクステンション・ペナルティー(gap extension penalty)が0.5であり、また、EDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスを使用する。「最長同一性」(longest identity)と表示されたNeedleの出力値(-nobriefオプションを使用して得られるもの)を%同一性として使用する。これは以下の式:
(同一デオキシリボヌクレオチド数 × 100)/(アラインメント長 − アラインメント中のギャップ総数)
に従い算出される。
【0160】
本発明の目的においては、配列番号31又は配列番号1に開示の成熟ポリペプチドを使用して、別のアルブミンの対応するアミノ酸残基を決定する。別のアルブミンのアミノ酸配列を、配列番号31又は配列番号1に開示の成熟ポリペプチドとアラインし、当該アラインメントに基づき、配列番号31又は配列番号1に開示の成熟ポリペプチドの任意のアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置番号を決定する。掛かる作業は、Needleman〜Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を、EMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277)のNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)で実行して行う。
【0161】
別のアルブミンにおける対応するアミノ酸残基の同定は、「ClustalW」(Larkin et al., 2007, Bioinformatics 23:2947-2948)を使用する多重ポリペプチド配列のアラインメントにより行うことができる。
【0162】
配列番号31又は配列番号1の成熟ポリペプチドに対して、別のポリペプチド(又はタンパク質)が、従来の配列に基づく比較ではその関連性を検出できない程度にまで分化している場合(Lindahl and Elofsson, 2000, J. Mol. Biol. 295: 613-615)、別の対配列比較アルゴリズムを使用することができる。ポリペプチドファミリー(プロファイル)の確率的表現を用いてデータベースを検索する検索プログラムを用いることにより、より高い感度で配列に基づく検索を行うことができる。例えば、PSI-BLASTプログラムは、反復データベース検索プロセスを通じてプロファイルを生成するもので、遠縁のホモログを検出することが可能である(Atschul et al., 1997, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)。着目するポリペプチドのファミリー又はスーパーファミリーが1又は2以上(数個)の表現がタンパク質構造データベースに存在する場合には、更に高い感度が達成可能である。例えばGenTHREADER(Jones 1999, J. Mol. Biol. 287:797-815; McGuffin and Jones, 2003, Bioinformatics 19:874-881)等のプログラムは、種々のソース由来の情報(PSI-BLAST、二次構造予測(secondary structure prediction)、構造アラインメントプロファイル(structural alignment profiles)、及び溶媒和ポテンシャル(solvation potentials))をニューラルネットワークに入力し、クエリー配列の折り畳み構造を予測する。同様に、Gough et al., 2000, J. Mol. Biol. 313:903-919 の方法を用いれば、未知の構造の配列をSCOPデータベースに存在するスーパーファミリーモデルとアラインすることができる。これらのアラインメントを用いれば、更に着目するポリペプチドのホモロジーを生成することができる。斯かるモデルの精度を検証するには、その目的で開発された種々のツールを用いればよい。
【0163】
構造既知のタンパク質の場合、構造的アラインメントの検索及び生成に、幾つかのツールやリソースが利用できる。例えばタンパク質のSCOPスーパーファミリーは構造的にアラインメントがなされており、斯かるアラインメントはアクセス及びダウンロード可能である。2以上のタンパク質構造のアラインメントには、種々のアルゴリズム、例えばディスタンス・アラインメント・マトリックス(distance alignment matrix)(Holm and Sander, 1998, Proteins 33:88-96)又はコンビナトリアル・エクステンション(combinatorial extension)(Shindyalov and Bourne, 1998, Protein Eng. 11:739-747)が使用できる。更には、これらのアルゴリズムを実行し、着目する構造について構造データベースにクエリーすれば、可能性のある構造的ホモログを発見することも可能である(例えば Holm and Park, 2000, Bioinformatics 16:566-567)。別のアライメントプログラムは、ユーザーガイド(Version 3.6, September 2005)中に記載されるような初期設定で使用されてもよいMUSCLE(対数予測(log-expectation)による多重配列比較、Robert C. Edgar, Version 3.6, http://www.drive5.com/muscle; Edgar (2004) Nucleic Research 32(5), 1792-97及びEdgar (2004) BMC Bioinformatics, 5(1):113)である。MUSCLEの3.6以降のバージョンが、本発明の任意の観点のためにまた使用されてもよい。
【0164】
本発明のアルブミン誘導体又は変異体を記載する際に、引用の便宜のため、以下に記載の命名法を採用する。アミノ酸の略称としては、周知のIUPACによる1文字又は3文字の略称を使用する。
【0165】
置換 アミノ酸置換については、以下の命名法を使用する:原アミノ酸、位置、置換アミノ酸。従って、位置226におけるスレオニンのアラニンによる置換は、「Thr226Ala」又は「T226A」と表す。多重突然変異については、例えば加算記号(「+」)により区切って表記する。例えば「Gly205Arg+Ser411Phe」又は「G205R+S411F」は、位置205のグリシン(G)をアルギニン(R)に置換し、位置411のセリン(S)をフェニルアラニン(F)に置換する突然変異を表す。図では(「/」)も使用する。例えば「E492T/N503D」等。(「/」)は(「+」)と相互交換可能に用いる。
【0166】
欠失 アミノ酸欠失については、以下の命名法を使用する:原アミノ酸、位置*。従って、位置195におけるグリシンの欠失は、「Gly195*」又は「G195*」と表す。多重欠失は加算記号(「+」)により区切る。例えば「Gly195*+Ser411*」又は「G195*+S411*」等。
【0167】
挿入 アミノ酸挿入については、以下の命名法を使用する:原アミノ酸、位置、原アミノ酸、新たに挿入されるアミノ酸。従って、位置195のグリシンの後へのリシンの挿入は、「Gly195GlyLys」又は「G195GK」と表す。アミノ酸の多重挿入は、[原アミノ酸、位置、原アミノ酸、新たに挿入されるアミノ酸#1、新たに挿入されるアミノ酸#2;等]と表す。例えば、位置195のグリシンの後にリシン及びアラニンを挿入する場合、「Gly195GlyLysAla」又は「G195GKA」と表す。
【0168】
斯かる場合において、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基の番号付けは、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基に先立つアミノ酸残基の位置番号に対し、小文字を付加することにより行う。即ち、上記例の場合、配列は以下のようになる。
【0169】
【表1】
【0170】
多重改変 多重改変を含む変異体又は誘導体は、加算記号(「+」)により区切る。例えば「Arg170Tyr+Gly195Glu」又は「R170Y+G195E」は、位置170のアルギニン及び位置195のグリシンの、それぞれチロシン及びグルタミン酸による置換を表す。
【0171】
異なる置換 ある位置に2種以上の異なる置換を導入し得る場合、これらの異なる置換はカンマにより区切る。例えば「Arg170Tyr,Glu」は、位置170のアルギニンのチロシン又はグルタミン酸による置換を表す。即ち、「Tyr167Gly,Ala+Arg170Gly,Ala」は、以下の変異体又は誘導体:「Tyr167Gly+Arg170Gly」、「Tyr167Gly+Arg170Ala」、「Tyr167Ala+Arg170Gly」、及び「Tyr167Ala+Arg170Ala」を指す。一文字コードが、また使用される。例えば、「Y167G+R170G」、「Y167G+R170A」、「R167A+R170G」、及び「R167A+R170A」等。
【0172】
表現「に対応するアミノ酸位置(amino acid position corresponding to)」は、引用配列の位置であり、及び同様の表現は、引用配列中の特定の位置に対応する1次又は空間的な構造についてアミノ酸残基を同定することが意図される。当業者は、引用配列で与えられた配列をアラインし及び引用配列中の特定の位置でアラインするアミノ酸残基を同定することによって行い得ることを理解するであろう。例えば、HSA中の位置492に対応する与えられたアルブミン配列中のアミノ酸残基を見出すために、与えられたアルブミン配列は、HSAでアラインされ及びHSA(配列番号31又は配列番号1)中の位置492でアラインされたアミノ酸は、HSA中の位置492に対応する与えられたアルブミン配列中のアミノ酸として同定される。
【0173】
表現Xnnnは、HSA中の位置nnnに対応する位置中に位置するアミノ酸残基Xを意味し、及び表現XnnnYは、アミノ酸残基YでHSA中の位置nnnに対応する位置中に位置する任意のアミノXの置換を意味する。
【0174】
本明細書を通じて、アミノ酸位置は、成熟ヒト血清アルブミンの全長(即ち、リーダー配列なし)に関して定義される。しかしながら、相当する位置は、対(例えば、ClustalW)又は多重(例えば、MUSCLE)アライメントを使用してアミノ酸配列を比較することにより、ヒト血清アルブミンの断片中で、動物アルブミン中で、並びにその断片、融合及び別の誘導体又は変異体中で同定され得る。例えば、図4は、全長ヒト血清アルブミン中の500、550及び573に相当する位置が、ヒト血清アルブミンの断片中及び別の種のアルブミン中で容易に同定されることを示す。位置500、550及び573は、矢印で示す。さらに詳細を、以下の表1で提供する。
【0175】
【表2】
【0176】
図4は、ClustalW1.81フォーマットについての出力を含む初期パラメーターを使用してMUSCLEで生成された。生出力データは、出力フォーマット:RTF_new;フォントサイズ:10;コンセンサスライン:非コンセンサスライン;配列のフラクション(陰にするために一致しなければならない):0.5;入力配列フォーマット:ALNを使用してBoxshade3.21(http://www.ch.embnet.org/software/BOX_form.html)を使用して陰にした。従って、本明細書を通じて、ヒト血清アルブミンについて定義されるアミノ酸位置は、また断片、誘導体又は変異体及びヒト血清アルブミン、別の種由来の動物及び断片の融合及びその融合について相当する位置にも適用する。斯かる相当する位置は、(i)その天然タンパク質中に異なる残基数及び/又は(ii)その天然タンパク質中に異なる天然アミノ酸を有する。
【0177】
血漿中半減期は、理想的には適当な個体についてインビボ決定を使用して決定される。しかしながら、動物又は人間において実験を行うのは、時間及び費用がかかる上に、倫理的な問題が避けられないので、血漿中半減期が延長又は短縮されたことを確認するには、インビトロアッセイを使用することが望ましい。アルブミンによるその受容体FcRnへの結合は血漿中半減期にとって重要であり、受容体結合と血漿中半減期とは、アルブミンの受容体FcRnに対する親和性が高いほど血漿中半減期が長くなるという相関関係にあることが考えられる。従って、本発明では、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体のFcRnに対する親和性が高いほど、血漿中半減期が増加(より長く)されたものと判断し、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体のFcRn受容体に対する親和性が低いほど、血漿中半減期が低減(より短く)されたものと判断する。
【0178】
本出願では、受容体FcRnに対するアルブミン誘導体、断片、又はその変異体の結合を、親和性(KD)という語、及び、「(より)強い」(stronger)又は「(より)弱い」(weaker)の表現を使用して表す。即ち、FcRnに対する親和性がHSAよりも高い分子は、HSAよりも強くFcRnに結合し、及びFcRnに対する親和性がHSAよりも低い分子は、HSAよりも弱くFcRnに結合すると考えられる。
【0179】
「より長い血漿中半減期」又は「より短い血漿中半減期」という語、及び同様の表現は、全長アルブミン、アルブミン断片若しくは変異体若しくは誘導体又はアルブミン融合タンパク質でもよい対応する親アルブミン分子と関係があることが理解される。即ち、本発明の変異アルブミンに関するより長い血漿中半減期は、変異体が、配列番号31又は配列番号1中の417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574、575、577、578、579、580、581、582、及び584に対応する位置における改変(複数)を除いて同じ配列を有する対応するアルブミンよりもより長い血漿中半減期を有することを意味する。従って、例えば、位置535で変異を有する全長ヒト血清アルブミンは、位置535で変異を有しない全長ヒト血清アルブミンと比較されなければならない。同様に、マウスアルブミンのドメイン2及び3を含み並びに位置582で変異を有するマウスアルブミン断片は、マウスアルブミンのドメイン2及び3を含むが位置582で変異を有しないマウスアルブミン断片と比較されなければならない。
【0180】
「長い」又は「短い」血漿中半減期は、例えば血中では、(i)血清アルブミン(又はその断片)及び/又は(ii)目的のポリペプチドと融合した血清アルブミン(又はその断片)と関連してもよい。例えば長い血漿中半減期は、血清アルブミン又は目的のポリペプチドと融合した血清アルブミンのそれよりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%より長くてもよい。長い血漿中半減期は、少なくとも5から100日まで、例えば少なくとも5、6、7、8、9、10、14、15、20、21、28、30、35、40、42、50、60、70、80、90、100日を含む。短い血漿中半減期は、血清アルブミン又は目的のポリペプチドと融合した血清アルブミンのそれよりも少なくとも5%より短く、より好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より短くてもよい。短い血漿中半減期は、多くても5、4、3、2、1、0.5又は0.25日を含む。非融合アルブミン誘導体又は変異体の半減期は、非融合親又は天然アルブミンと比較されることが好ましい。同様に、融合アルブミン誘導体又は変異体(「アルブミン融合」)は、融合親又は天然アルブミンと比較されることが好ましい。
【0181】
FcRnに対するアルブミン誘導体、断片又はその変異体の結合は、動態因子(kinetic factor)、特に「会合速度」(on-rate)(ka)及び「解離速度」(off-rate)(kb)を使用してまた記載されてもよく、そしてそれは、それによってFcRnと本発明のアルブミン誘導体、断片又はその変異体との会合又は解離それぞれの反応速度を記載する。本発明者等は、さらに動態は、それによってFcRnと相互作用するアルブミン誘導体、断片又はその変異体が、血漿中半減期への影響を有するかもしれないことをさらに理解し、及び遅い解離速度を有するアルブミン誘導体、断片又はその変異体が、より早い解離速度を有する相当する分子よりもより高い血漿中半減期を有することを理解する。
【0182】
FcRn受容体に対するアルブミン誘導体、断片、又はその変異体の結合と血漿中半減期の間の相関性は、本発明の分野内の先行技術に基づいて本発明者等により理解されている。
【0183】
アルブミン誘導体、断片、又はその変異体の親和性が野生型アルブミンよりもより高い又はより低いかどうかを決定するための一つの方法は、以下で記載したような表面プラズモン共鳴アッセイ(SPR)を使用することである。当業者は、別の方法、例えば結合定数KDの決定及び比較が、FcRnに対するアルブミン誘導体、断片、又はその変異体の親和性が、FcRnに対する対応する野生型アルブミンの親和性よりもより高い又はより低いかどうかを決定するために有用であることを理解するであろう。即ち、本発明に係る天然HSAのKDよりもより低いKDを有するアルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、HSAよりもより高い血漿中半減期を有することが考えられ、及び天然HSAのKDよりもより高いKDを有するアルブミン誘導体、断片又はその変異体は、HSAよりもより低い血漿中半減期を有することが考えられる。
【0184】
誘導体及び変異体の調製
本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、当業者に周知の技術を使用して調製され得る。1つの便利な方法は、親アルブミン、その断片又はHSAドメインIII誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドをコードする核酸をクローニングすることによる。ポリヌクレオチドは、誘導体又は変異体の発現を提供するためのさまざまな方法について操作されてもよい。ベクター内へのその挿入の前にポリヌクレオチドの操作は、発現ベクターに依拠することが望ましい又は必要であってもよい。組換DNA方法を利用するポリヌクレオチドを修飾するための技術は、当該技術分野において周知である。
【0185】
調節配列としては、ポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞に認識される、プロモーター配列が挙げられてもよい。プロモーター配列は、誘導体又は変異体の発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモーターは、宿主細胞内で転写活性を示すものであれば、任意の核酸配列であってもよく、ミュータント型、切断型、ハイブリッド型等のプロモーターであってもよい。また、宿主細胞に対して同種又は異種の細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から取得されたものでもよい。
【0186】
酵母宿主の場合、有用なプロモーターとしては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)プロテアーゼA(PRA1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)プロテアーゼB(PRB1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)翻訳伸長因子(TEF1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)翻訳伸長因子(TEF2)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)ガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH1、ADH2/TDH1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)メタロチオネイン(CUP1)、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)3−ホスホグリセリン酸キナーゼに関する遺伝子由来のプロモーターが挙げられる。酵母宿主細胞に有用な別のプロモーターは、Romanos et al., 1992, Yeast 8: 423-488に記載されている。
【0187】
調節配列としては、転写を停止するために宿主細胞に認識される、適当な転写ターミネーター配列も挙げられる。ターミネーター配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの3’末端に作動式に連結される。宿主細胞において機能し得る任意のターミネーターを使用することができる。
【0188】
酵母宿主細胞の場合に好ましいターミネーターとしては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)シトクロームC(CYC1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH1)、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(TDH1)に関する遺伝子由来のターミネーターが好ましい。酵母宿主細胞に有用な別のターミネーターは、Romanos et al.,1992(同上)に記載されている。
【0189】
調節配列としては、適当なリーダー配列も挙げられる。リーダー配列は、宿主細胞による翻訳に重要な役割を果たすmRNAの非翻訳領域である。リーダー配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの5’末端に作動式に連結される。宿主細胞において機能し得る任意のリーダー配列を使用することができる。
【0190】
本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体にシグナル配列(また「シグナルペプチド」として又は「リーダー配列」として知られている)をまた結合し、形質転換された宿主細胞の培養の間、ポリペプチドが生育培地内に分泌されるようにしてもよい。誘導体又は変異体ポリペプチドを生育培地内に分泌されるようにすると、一般的に回収及び精製が容易になるので有利である。酵母宿主のための適当なリーダーは、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO1)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α〜因子、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/TDH1)に関する遺伝子由来である。
【0191】
調節配列としては、ポリアデニル化配列も挙げられる。ポリアデニル化配列は、誘導体又は変異体をコードする配列の3’末端に作動式に連結され、転写時に宿主細胞によって、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして認識される。宿主細胞において機能し得る任意のポリアデニル化配列を使用することができる。
【0192】
酵母宿主細胞において有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990に記載されている。
【0193】
調節配列は、誘導体又は変異体のN末端に連結されたシグナルペプチドをコードし及び細胞の分泌経路内に誘導体又は変異体を誘導するシグナルペプチドコーディング領域でまたあってもよい。ポリヌクレオチドのコーディング配列の5’末端が、翻訳リーディングフレーム内において、誘導体又は変異体をコードするコーディング領域のセグメントと当初から連結された、固有のシグナルペプチドコーディング領域を有していてもよい。或いは、コーディング配列の5’末端が、コーディング配列に対して外来のシグナルペプチドコーディング領域を有していてもよい。外来のシグナルペプチドコーディング領域が必要となるのは、コーディング配列が生来のシグナルペプチドコーディング領域を有さない場合である。或いは、誘導体又は変異体の分泌を促進するために、外来のシグナルペプチドコーディング領域により、生来のシグナルペプチドコーディング領域をそのまま置換してもよい。しかしながら、発現された誘導体又は変異体を宿主細胞の分泌経路に誘導し得るものであれば、任意のシグナルペプチドコーディング領域を使用してもよい。
【0194】
酵母宿主細胞において有用なシグナルペプチドとしては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α−因子(MATALPHA)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)インベルターゼ(SUC2)が挙げられる。別の有用なシグナルペプチドコーディング配列が、Romanos et al.,1992(同上)に記載されている。
【0195】
誘導体又は変異体のN末端にシグナルペプチド及びプロペプチド領域の双方が存在する場合には、誘導体又は変異体のN末端の隣にプロペプチド領域が配置され、プロペプチド領域のN末端の隣にシグナルペプチド領域が配置される。
【0196】
誘導体又は変異体ポリペプチドを調製するための技術は、国際公開第2009019314号及びPCT/EP2010/066572(引用により本明細書中に組み込まれる)においてまた開示され及びこれらの技術は、また本発明に適用される。
【0197】
アルブミンはこれまで、種々の宿主において、組換えタンパク質として首尾よく発現されてきた。例としては、真菌類(例えば、これらに限定されるものではないが、アスペルギルス(Aspergillus)(国際公開第06066595号)、クリベロミセス(Kluyveromyces)(Fleer 1991, Bio/technology 9, 968-975)、ピチア(Pichia)(Kobayashi 1998 Therapeutic Apheresis 2, 257-262)及びサッカロミセス(Saccharomyces)(Sleep 1990, Bio/technology 8, 42-46)等)、細菌(Pandjaitab 2000, J. Allergy Clin. Immunol 105, 279-285))、動物(Barash 1993, Transgenic Research 2, 266-276)及び植物(例えば、これらに限定されるものではないが、ジャガイモ及びタバコ(Sijmons 1990, Bio/technology 8, 217 及び Farran 2002, Transgenic Research 11, 337-346)等)が挙げられる。本発明のHSAドメインIII誘導体、断片、又はその変異体は、適当な宿主細胞において、遺伝子組換えにより作製されることが好ましい。原則として、適当な量のポリペプチドを産生することが可能な任意の宿主細胞を使用してもよく、及び平均的な当業者の技量があれば、本発明に係る適当な宿主細胞を選択することが可能である。好ましい宿主生物は酵母であり、好ましくはサッカロミセス属(Saccharomycacae)より選択され、より好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
【0198】
本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、公知の分離法(例えば濾過、遠心分離、クロマトグラフィー、及びアフィニティー分離法等)を組み合わせて使用することにより、生育培地から回収・精製してもよい。平均的な当業者の技量があれば、斯かる公知の分離工程の特定の組合せを使用して、本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体を精製することが可能である。本発明の誘導体又は変異体に適用してもよい精製技術の例としては、国際公開第0044772号に教示されている手法を挙げることができる。
【0199】
本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、治療上有用な化合物を、それを必要とする動物又はヒト個体に送達するために使用できる。斯かる治療上有用な化合物としては、これらに限定されるものではないが、診断(例えば種々の画像化法)に使用される標識や易検出性化合物;医薬活性化合物(例えば薬物等)、又は特異的結合部分(例えば抗体等)等が挙げられる。本発明のアルブミン誘導体、断片、又はその変異体を更に、2又は3以上の異なる治療上有用な化合物(例えば抗体及び薬物)と組み合わせることにより、斯かる組み合わせ分子に所望の標的への特異的結合能を付与し、惹いては特定の標的における前記薬剤の濃度を高めることも可能である。
【0200】
ある特定の好ましい実施態様によれば、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、有用な治療用化合物にコンジュゲートされ、斯かるコンジュゲートは、それを必要とする患者における、選択された特定の治療用化合物に対して感受性の状態を処置するために使用される。斯かる治療用化合物をアルブミン誘導体、断片、又はその変異体にコンジュゲートする手法は当該技術分野で公知である。国際公開第2009/019314号には、治療用化合物をポリペプチドにコンジュゲートするのに適した手法の例が開示されており、斯かる手法を本発明に適用することもまた可能である。更に、国際公開第2009/019314号には、置換トランスフェリンにコンジュゲートし得る化合物及び部分の例が開示されておりこれらの例を本発明に適用することも可能である。国際公開第2009/019314号及びPCT/EP2010/066572の教示は、引用により本明細書中に組み込まれる。
【0201】
HSAは、アルブミン誘導体若しくは変異体、その断片又はアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片を含む融合ポリペプチドが、ドメインIを含むことを提供するコンジュゲーションのために好都合に使用されてもよいドメインIにおいて、1つの遊離チオール基をその天然型中に含む。
【0202】
この中の特定の実施形態として、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体は、表面上に付加的なチオール基を生じるように提供された更なる修飾を含んでもよい。これによってアルブミン誘導体、断片、又はその変異体のペイロードを増加させることができるという利点がある。これにより、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体の各分子に対して、2分子以上の治療用化合物をコンジュゲートさせることができる。或いは、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体に対して、2種以上の異なる治療用化合物(例えば標的化特性を有する化合物(例えば腫瘍特異的抗体)と細胞毒性薬等)をコンジュゲートさせることが可能となり、惹いては腫瘍に対して極めて特異性の高い薬を提供することが可能となる。更なる遊離チオール基を表面に提供するために修飾可能な特定の残基については、例えば、同時係属中の特許出願(欧州特許出願第2009 152 625 1号、引用により本明細書中に組み込まれる)、そしてそれは引用により本明細書に組み込まれる。
【0203】
他に好しくは、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体を含む融合ポリペプチドは、1又は2以上(数個)の治療用ポリペプチドを含む。これにおいて、HSAドメインIII誘導体、断片、又はその変異体及び1又は2以上(数個)の治療用ポリペプチドは、1つの単一(single)ポリペプチドとして生産される。
【0204】
1又は2以上(数個)の治療用ポリペプチドは、アルブミン誘導体、断片、又はその変異体のN末端、C末端と融合してもよく、アルブミン誘導体、断片、若しくはそのバリアントの構造中のループ内に挿入してもよく、これらを組み合わせてもよい。融合ポリペプチドの様々な構成成分を分離するためにリンカー配列を有してもよく又は有しなくてもよい。
【0205】
アルブミン又はその断片の融合に関する教示は、当該技術分野で公知であり、及び当業者は、斯かる技術が、本発明にまた適用できることを理解するであろう。国際公開第01/79271A号及び国際公開第03/59934A号は、HSAドメインIII誘導体、断片、又はその変異体と融合してもよい治療用ポリペプチドの例をまた含み、及びこれらの例を、本発明においてまた適用する。
【0206】
本発明に係るアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体又はアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドは、親アルブミン、その断片、又は親アルブミン若しくはその断片を含む融合ポリペプチドと比べて、血漿中半減期が改変されたという利点を有する。これは、本発明に係るアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体、又はアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドを含むコンジュゲートは、特定の治療目的に応じて選択できるという利点を有する。
【0207】
例えば、動物又はヒトの画像化用途に使用されるコンジュゲート又は融合ポリペプチドであって、画像化部分が極めて短い半減期を有し、コンジュゲート又はアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドが、画像化目的に必要とされるよりもはるかに長い血漿中半減期を有する場合、親アルブミン又はその断片よりも短い血漿中半減期を有する本発明のアルブミン誘導体、断片又はその変異体を使用して、画像化目的には十分に長いものの、投与された特定の患者の体外に十分に排出される程度に短い血漿中半減期を有する融合ポリペプチドのコンジュゲートを提供することができるという利点がある。
【0208】
別の例として、それを必要とする患者において、ある特定の状態を処置又は軽減するのに有効な治療用化合物を含むコンジュゲート又は融合ポリペプチドの場合、親アルブミン又はその断片よりも長い血漿中半減期を有するアルブミン誘導体、断片、又はその変異体を使用することにより、より長い血漿中半減期を有するコンジュゲート又は融合ポリペプチドを提供できるという利点がある。即ち、本発明のコンジュゲート又は融合ポリペプチドによれば、親アルブミン又はその断片を使用した場合と比べて、必要な投与頻度を軽減することができるという点で有利である。
【0209】
本発明の第5の観点は、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片の「アソシエート」を提供する。この点について、「アソシエート」という語は、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、及び非共有結合によりアルブミン誘導体又は変異体又はその断片に結合又は関連付け(associated)された別の化合物とを含むか、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、及び非共有結合によりアルブミン誘導体又は変異体又はその断片に結合又は関連付け(associated)された別の化合物とからなる化合物を意味する。斯かるアソシエートの例としては、アルブミン誘導体又は変異体及びアルブミンに疎水性相互作用によって関連付けされた脂質とからなるアソシエートが挙げられる。斯かるアソシエートは当該技術分野で公知であり、周知の手法によって調製可能である。本発明に係る好ましいアソシエートの例としては、アルブミン誘導体若しくは変異体及びパクリタキセル又はパクリタキセルタンパク質結合とを含むアソシエートが挙げられる。本発明に係るアルブミンアソシエートの半減期は、「別の化合物」単独の半減期よりもより長く又はより短くてもよい。本発明に係るアルブミンアソシエートの半減期は、天然HSA(本発明に係るアルブミン変異体又は誘導体の代わり)及び「別の化合物」を含むか、天然HSA及び「別の化合物」からなる類似/相当するアルブミンアソシエートの半減期よりもより長く又はより短くてもよい。アソシエートの調製方法は、当業者に周知であり、例えば、リポ化合物を伴うHSAの調合物(製剤)(関連付けにより)は、Hussain, R.and Siligardi, G. (2006) International Journal of Peptide Research and Therapeutics, Vol.12, No.3, pp.311-315中に記載されている。
【0210】
第6の観点によれば、本発明は、治療用、医薬用又は別の有用なポリペプチドとコンジュゲートし、融合し又はアソシエートした本発明に係るアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体又はアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドを含むか、治療用、医薬用又は別の有用なポリペプチドとコンジュゲートし、融合し又はアソシエートした本発明に係るアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体又はアルブミン誘導体、断片、若しくはその変異体を含む融合ポリペプチドからなる組成物に関する。組成物は、医薬組成物であることが好ましい。組成物は、当該技術分野で公知の手法、例えば医薬分野で認められている教科書に開示の手法を用いて調製することができる。
【0211】
特定の態様によれば、組成物は、本発明に係るアルブミン誘導体、断片、又はその変異体並びに医薬的に有用な部分及びアルブミン結合ドメイン(albumin binding domain:ABD)を含む化合物を含むか、本発明に係るアルブミン誘導体、断片、又はその変異体並びに医薬的に有用な部分及びアルブミン結合ドメイン(ABD)を含む化合物からなる。本発明において、ABDとは、アルブミンをインビボにおいて循環型アルブミンと結合でき、これによりABD及び前記ABDに結合された任意の化合物又は部分の循環による運搬を可能とする部位、部分又は領域を意味する。ABDは当該技術分野で公知であり、アルブミンに対して極めて強固に結合することが示されている。よって、アルブミンに結合したABDを含む化合物は、ある程度は単一の分子としての挙動を示すはずである。本発明者等は、発明に係るアルブミン誘導体、断片、又はその変異体を、医薬的に有用な部分及びABDを有する化合物と組み合わせて使用することにより、それを必要とする患者に前記化合物を単独で注射し、又は天然アルブミン又はその断片を含む製剤として投与した場合と比べて、医薬的に有用な部分及びABDを含む化合物の血漿中半減期を改変することが可能であることを見出した。
【0212】
従って、本発明は、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲート、或いは医薬品製剤の製造のためのアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むアソシエートの使用を管理し、ここでアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲート、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むアソシエートは、HSA又は対応するその断片、或いはHSA又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはHSAを含むコンジュゲートと比較して改変された血漿中半減期を有する。
【0213】
ここで、対応するHSAの断片とは、比較対象となるアルブミン誘導体又は変異体の断片とアラインされ、且つ、アルブミン誘導体又は変異体の断片と同数のアミノ酸を有する、HSAの断片を意味する。同様に、対応するHSAを含む融合ポリペプチド又はHSAを含むコンジュゲートとは、比較対象となるアルブミン誘導体又は変異体を含むコンジュゲートの融合ポリペプチドと同じサイズ及び同じアミノ酸配列を有する分子を意味する。
【0214】
アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲートは、HSA又は対応するその断片、或いはHSA又はその断片を含む融合ポリペプチドの血漿中半減期よりもより高い血漿中半減期を有することが好ましい。
【0215】
また、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲートは、HSA又は対応するその断片、或いはHSA又はその断片を含む融合ポリペプチドの対応するKDよりも、FcRnに対するKDが低い、と言い換えてもよい。アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲートのKDは、HSAに対して0.9X KD未満、より好ましくはHSAに対して0.5X KD未満、より好ましくはHSAに対して0.1X KD未満、よりいっそう好ましくはHSAに対して0.05X KD未満、よりいっそう好ましくはHSAに対して0.02X KD未満、最も好ましくはHSAに対して0.01X KD未満であることが好ましい。
【0216】
アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲートは、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲートであることが好ましい。
【0217】
本発明の第7の観点は、誘導体又は変異体又はアソシエートの製造方法に関する。本発明の誘導体又は変異体は、当業者に周知の手法を用いて調製することが可能である。1つの便宜な手法としては、親アルブミン、又はその断片、或いはアルブミン又はその断片を含む融合ポリペプチドをコードする核酸をクローン化し、配列番号31又は配列番号1中の位置417、464、490、492、493、494、495、496、499、500、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、550、573、574及び580に対応する1又は2以上(数個)の位置に所望の置換(複数)を導入するよう、前記核酸を修飾し(ここで得られる誘導体又は変異体は、配列番号31又は配列番号1における置換D494N、E501K、K541E、D550G,A、K573E又はK574Nからなる誘導体又は変異体ではない)、修飾された核酸が適当な調節遺伝要素(例えばプロモーター、ターミネーター、活性化部位、リボゾーム結合部位等)と作動式に連結されるような位置に配置された適当な遺伝子コンストラクトを調製し、前記遺伝子コンストラクトを適当な宿主生物内に導入し、形質転換された宿主生物を誘導体又は変異体の発現を生じる条件下で培養し、得られた誘導体又は変異体を回収する、という手法が挙げられる。場合により、誘導体又は変異体又はアソシエートは、例えば、医薬的に許容できる賦形剤で調合される。場合により、誘導体又は変異体又はアソシエートは、単位剤形で存在する。これらの手法は何れも当該技術分野で公知であり、及び平均的な当業者の技量があれば、本発明に係る具体的な誘導体又は変異体を調製するための適当な方法を設計することが可能である。
【0218】
本発明のポリペプチド誘導体又は変異体にシグナル配列を連結し、形質転換された宿主生物の培養時に、ポリペプチド誘導体又は変異体が生育培地中に分泌されるようにしてもよい。ポリペプチド誘導体又は変異体を生育培地中に分泌されるようにすると、一般に回収及び精製が容易になるので好ましい。
【0219】
ポリペプチド誘導体又は変異体を調製する手法は、国際公開第2009019314号及びPCT/EP2010/066572(引用により本明細書中に組み込まれる)にも開示されており、及びこれらの手法を本発明にも適用してもよい。
【0220】
アルブミンはこれまで、種々の宿主において、組換えタンパク質として首尾よく発現されてきた。例としては、真菌類(例えば、これらに限定されるものではないが、アスペルギルス(Aspergillus)(国際公開第06066595号)、クリベロミセス(Kluyveromyces)(Fleer 1991, Bio/technology 9, 968-975)、ピチア(Pichia)(Kobayashi 1998 Therapeutic Apheresis 2, 257-262)及びサッカロミセス(Saccharomyces)(Sleep 1990, Bio/technology 8, 42-46)等)、細菌(Pandjaitab 2000, J. Allergy Clin. Immunol. 105, 279-285))、動物(Barash 1993, Transgenic Research 2, 266-276)及び植物(例えば、これらに限定されるものではないが、ジャガイモ及びタバコ(Sijmons 1990, Bio/technology 8, 217 及び Farran 2002, Transgenic Research 11、337-346)等)が挙げられる。本発明の誘導体及び変異ポリペプチドは、適当な宿主細胞において、遺伝子組換えにより作製されることが好ましい。原則として、適当な量のポリペプチドを産生することが可能な任意の宿主細胞を使用することができ、平均的な当業者の技量があれば、本発明に係る適当な宿主細胞を選択することが可能である。好ましい宿主生物は酵母であり、好ましくはサッカロミセス属(Saccharomycacae)より選択され、より好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
【0221】
本発明のポリペプチド誘導体又は変異体は、公知の分離法(例えば濾過、遠心分離、クロマトグラフィー、及びアフィニティー分離法等)を組み合わせて用いることにより、生育培地から回収・精製してもよい。平均的な当業者の技量があれば、斯かる公知の分離工程の特定の組合せを使用して、本発明の誘導体又は変異体を精製することが可能である。本発明の誘導体又は変異体に適用可能な精製法の例としては、国際公開第0044772号に教示されている手法を挙げることができる。
【0222】
本発明のポリペプチド誘導体又は変異体は、治療上有用な化合物を、それを必要とする動物又はヒト個体に送達するために使用できる。斯かる治療上有用な化合物としては、これらに限定されるものではないが、診断(例えば種々の画像化法)に使用される標識や易検出性化合物;医薬活性化合物(例えば薬物等)、又は特異的結合部分(例えば抗体等)等が挙げられる。本発明の変異体を更に、2又は3以上の異なる治療上有用な化合物(例えば抗体及び薬物)と組み合わせることにより、斯かる組み合わせ分子に所望の標的への特異的結合能を付与し、惹いては特定の標的における前記薬剤の濃度を高めることも可能である。
【0223】
本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、その断片、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチドは、それらの血漿中半減期が、親アルブミン又はその断片、或いは親アルブミン又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いは非融合、非コンジュゲート、或いは非アソシエート治療用、診断用若しくは別の有用な部分と比較して改善される利点を有する。これは、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲート、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むアソシエートの血漿中半減期が、具体的な治療目的に従って選択できる利点を有する。
【0224】
本発明の第8の観点は、画像化に関する。例えば、動物又はヒトの画像化目的に使用されるコンジュゲート、アソシエート又は融合ポリペプチドにおいて、画像化部分が、極めて短い半減期を有し、及びコンジュゲート又はHSAを含む融合ポリペプチドが、画像化目的に必要とされるよりもはるかに長い血漿中半減期を有する場合、親アルブミン又は断片よりもより短い血漿中半減期を有する本発明のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を使用して、画像化目的には十分に長いものの、投与された特定の患者の体外に十分に排出される程度に短い血漿中半減期を有する融合ポリペプチドのコンジュゲートを提供することができるという利点がある。アルブミンを含む画像化剤の例が、国際公開第2004/071536号に含まれている。
【0225】
本発明の第9の観点は、処置方法における治療及び/又は使用方法に関する。方法は、斯かる処置を必要とする患者において、ある特定の状態を処置又は軽減するのに有効な治療用化合物の使用を含み、親アルブミン又はその断片よりもより長い血漿中半減期を有するアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を使用することにより、治療用化合物単独又は天然HSAと融合、コンジュゲート又はアソシエートした治療用化合物と比較して、より長い血漿中半減期を有するアソシエート又はコンジュゲート又は融合ポリペプチドを提供できるという利点がある。そしてそれは、本発明に係るアソシエート又はコンジュゲート又は融合ポリペプチドの投与が、親アルブミン又はそのアソシエート又はその断片を使用した場合と比較して、必要な投与頻度又は用量を低減して副作用を軽減することができるという点で有利である。本発明はまた、アルブミン変異体、誘導体、融合、コンジュゲート又はアソシエートが、治療用化合物単独又は天然HSAと融合、コンジュゲート又はアソシエートした治療用化合物と比較してより短い半減期を有する方法を含む。
【0226】
第10の観点は、本発明は、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体、そのアソシエート又はその断片、アルブミン断片誘導体若しくは変異体、又はそのアソシエート、或いは変異体アルブミン若しくはその断片含む融合ポリペプチドを含む組成物に関する。組成物は、治療用組成物であるのが好ましい。組成物は、当該技術分野で公知の手法、例えば医薬分野で認められている教科書に開示の手法を用いて調製してもよい。
【0227】
特定の態様によれば、組成物は、本発明に係るアルブミン誘導体又は変異体又はその断片と、医薬的に有用な部分及びアルブミン結合ドメイン(albumin binding domain:ABD)を含む化合物とを含むか、本発明に係るアルブミン誘導体又は変異体又はその断片と、医薬的に有用な部分及びアルブミン結合ドメイン(ABD)を含む化合物からなる。本発明において、ABDとは、アルブミンをインビボにおいて循環型アルブミンと結合でき、これによりABD及び前記ABDに結合された任意の化合物又は部分の循環による運搬を可能とする部位、部分又は領域を意味する。ABDは当該技術分野で公知であり、アルブミンに対して極めて強固に結合することが示されている。よって、アルブミンに結合したABDを含む化合物は、ある程度は単一の分子としての挙動を示すはずである。本発明者等は、発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を、医薬的に有用な部分及びABDを有する化合物と組み合わせて使用することにより、それを必要とする患者に前記化合物を単独で注射し、又は天然アルブミン又はその断片を含む製剤として投与した場合と比べて、医薬的に有用な部分及びABDを含む化合物の血漿中半減期を改変することが可能であることを見出した。
【0228】
本発明のアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片、アルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むコンジュゲート、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、或いはアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片を含むアソシエートは、また、当該技術分野で周知の手法を用いて、ナノ又はマイクロ粒子内に組み込んでもよい。ナノ又はマイクロ粒子を調製するための好ましい方法であって、本発明に係るアルブミン誘導体若しくは変異体又はその断片に適用してもよい方法は、国際公開第2004/071536号に開示されており、本文献は引用により本明細書中に組み込まれる。
【0229】
以下の定義を、また本明細書中に開示された発明に適用する。
【0230】
対立遺伝子:「対立遺伝子変異体(allelic variant)」という語は、同一の染色体座を択一的に占める一遺伝子の複数形態の夫々を指す。対立遺伝子変異(allelic variation)は自然界において突然変異により生じる。これにより個体集団内に多型が生じる場合もある。遺伝子の突然変異はサイレントである(コードされるポリペプチドは変化しない)場合もあるが、コードされるポリペプチドのアミノ酸配列に変化が生じる場合もある。ポリペプチドの対立遺伝子変異とは、遺伝子の対立遺伝子変異によりコードされるポリペプチドである。
【0231】
「コーディング配列」(coding sequence)という語は、そのポリペプチド生成物のアミノ酸配列を直接規定するポリヌクレオチドを意味する。コーディング配列の境界は一般的に、オープン・リーディング・フレーム(open reading frame)により画定される。オープン・リーディング・フレームは一般的に、ATG開始コドン、又はGTGやTTG等の代替開始コドンから開始し、TAA、TAG、TGA等の停止コドンで停止する。コーディング配列はDNA、cDNA、合成、組換ポリヌクレオチドの何れでもよい。
【0232】
「cDNA」という語は、真核細胞から得られるスプライス後の成熟mRNA分子から逆転写により調製されるDNA分子として定義される。cDNAは、対応するゲノムDNA中に通常存在するイントロン配列を有さない。初期一次RNA転写生成物がmRNAの前駆体となり、これが一連の処理工程を経て、最終的にスプライス後に成熟mRNAを生じる。
【0233】
「核酸コンストラクト」(nucleic acid construct)という語は、天然遺伝子から単離され、或いは天然では存在しない核酸のセグメントを含むように修飾され、或いは合成された、一本鎖又は二本鎖の核酸分子を指す。核酸コンストラクトが本発明のコーディング配列の発現に必要な調節配列を含む場合、核酸コンストラクトとの語は「発現カセット」(expression cassette)との語と同義となる。
【0234】
「調節配列」(control sequence)という語は、本発明の誘導体又は変異体をコードするポリヌクレオチドの発現に必要な全ての構成要素を含むものとして定義される。各調節配列は、誘導体又は変異体をコードするポリヌクレオチドに対して同種でも外来でもよく、又は互いに同種でも外来でもよい。斯かる調節配列としては、これらに限定されるものではないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターが挙げられる。少なくとも、調節配列はプロモーターと、転写及び翻訳停止シグナルとを含む。特定の制限部位を導入する目的で、調節配列にリンカーを付加してもよい。これにより斯かる調節配列と、誘導体及び変異体をコードするポリヌクレオチドのコーディング領域との連結が容易になる。
【0235】
「作動式に連結され」(operably linked)という語は、コーディング配列が調節配列により発現されるように、ポリヌクレオチド配列の調節配列がコーディング配列に対して適当な位置に配置された構成を意味する。
【0236】
「発現」(expression)という語は、誘導体又は変異体の産生に関与する任意のステップを含む。斯かるステップとしては、これらに制限されるものではないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌が挙げられる。
【0237】
「発現ベクター」(expression vector)という語は、誘導体又は変異体をコードするポリヌクレオチドを含むとともに、その発現を可能とする更なるヌクレオチドと作動式に連結された、線状又は環状DNA分子を意味する。
【0238】
「宿主細胞」(host cell)という語は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸コンストラクト又は発現ベクターにより形質転換(transformation)、トランスフェクション(transfection)、形質導入(transduction)等が可能な任意の細胞型を意味する。「宿主細胞」という語には、親細胞の任意の子孫であって、複製時に生じた突然変異により親細胞とは同一ではなくなったものも含まれる。
【0239】
「変異体」という語は、誘導体又は変異体をコードするポリヌクレオチドを意味する。
【0240】
「野生型アルブミン」天然生物、例えば真核生物、例えばヒトなどの哺乳類により発現されたアルブミンを意味する。
【0241】
「親」(parent)又は「親アルブミン」との語は、本発明のアルブミン誘導体又は変異体を産生するように改変を行う対象となるアルブミンを意味する。親は、天然(野生型)ポリペプチドであっても、その誘導体又は変異体でもよい。
【0242】
本発明を以下の実施例に即して更に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0243】
材料及び方法:
(a)ELISA:
ウェルを、100−0.045μg/mlの範囲の濃度を有するPBSにより希釈したHSA又は変異体により被覆し、4℃で一晩インキュベートし、そして次に、4%スキムミルク(Acumedia)により室温で1時間ブロックした。次に、ウェルを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)/0.005% TWEEN20(PBS/T)pH6.0により4度洗浄し、続いて、4%スキムミルク PBS/0.005% TWEEN20(PBS/T)pH6.0で希釈した、ヤギ由来のHRPコンジュゲートポリクローナル抗GST(1:5000;GE Healthcare)と共にプレインキュベートしたGST融合shFcRn(0.5μg/ml(FEBS J. 2008 Aug;275(16):4097-110))を、個々のウェルに添加し、そして室温で1.5時間インキュベートし、続いてPBS/T(pH 6.0)により4度、洗浄した。100μlの基質TMB(Calbiochem)を個々のウェルに添加し、そして45分間インキュベートし、続いて0.25M HClを100μl添加した。吸光度を、Sunrise TECAN分光光度計(TECAN, Maennedorf, Switzerland)を用いて450nmで測定した。同じELISAをPBS/T(pH 7.4)により反復した。
【0244】
(b)表面プラズモン共鳴(SPR):
SPR実験をBiacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて実施した。CM5センサーチップの流動細胞を、shFcRn-GST(〜1400−5000RU)により、メーカー提供のプロトコールに記載のアミンカップリング化学を用いて、カップリングした。このカップリングは、10mM 酢酸ナトリウムpH5.0(GE Healthcare)中、10μg/mlのタンパク質の注入により実施した。リン酸緩衝液(67mMのリン酸緩衝液、0.15M NaCl、0.005% TWEEN20(pH6.0))を、実行緩衝液及び希釈緩衝液として使用した。表面の再生を、pH7.4でのHBS−EP緩衝液(0.01M HEPES、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005% 界面活性剤P20)(Biacore AB)の注入を用いて行った。固定されたshFcRn-GSTへの結合に関しては、1.0〜0.5μMの個々のHSA誘導体又は変異体を、25℃で一定の流速(40μl/ml)で前記表面上に注入した。何れの実験でも、データをゼロ点調整し、参照細胞を減算した。データ評価を、BIAevaluation 4.1ソフトウエア(BIAcore AB)を用いて実施した。
【0245】
同じSPRアッセイを、HBS−EP緩衝液pH7.4により反復した。
【0246】
SPR実験を、Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて実施した。CM5センサーチップの流動細胞を、メーカー提供のプロトコールに記載のようにして、アミンカップリング化学を用いて、HSA(〜2600RU)によりカップリングした。カップリングを、10mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)(GE Healthcare)中、10μg/mlのタンパク質を注入することにより実施した。リン酸緩衝液(67mM リン酸緩衝液、0.15M NaCl、0.005% Tween20、pH6.0)を、実行緩衝液及び希釈緩衝液として使用した。表面の再生を、pH7.4でのHBS−EP緩衝液(0.01M HEPES、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005% 界面活性剤P20)(Biacore AB)の注入を用いて行った。競争結合を、shFcRn(50nM)のみ、又は異なった量のHSA又はRSAドメインコントラクトと共に固定されたHSA上に注入することにより測定した。何れの実験でも、データをゼロ点調整し、参照細胞を減算した。データ評価を、BIAevaluation 4.1ソフトウエア(BIAcore AB)を用いて実施した。
【0247】
HSA:登録商標名RECOMBUMINとして市販されている組換えヒト血清アルブミンを本実施例に使用した。
【0248】
別の種由来の血清アルブミン:アルブミンを、公的に入手できるデータベース(データー未記載)から提供される配列を用いて、組換えで生成した。
【0249】
FcRn:PCR及びサブクローニング。切断された可溶性hFcRn(shFcRn)HC及びhβ2mをコードするcDNAセグメント、U937細胞系(ATCC)cDNAライブラリーからPCR増幅し、続いてフラグメントをpCDNA3−GSTベクター中にサブクローニングした(すべては前に記載されるように(Berntzen et al. (2005) J Immunol Methods 298:93-104))。マウス肝臓cDNAライブラリー(Zyagen)を、下記プライマーmFcRnForw及びmFcRnRevを用いて、mFcRn HCの切断されたバージョンをコードするcDNA(生来の内因性リーダー配列、α1、α2及びα3ドメインをコードする;293個アミノ酸)をPCR増幅するために使用した:
mFcRnForw 5-ATT ATG AAT TCA TGG GGA TGC CAC TGC CCT GG-3
mFcRnRev 5-ATA TAC TCG AGT AGG TCC ACA GTG AGA GGC TG-3
【0250】
プライマーを、hβ2mをコードするcDNA及び複製のエプスタイン・バール(Epstein Barr)ウィルス起点(oriP)をまた含むpcDNA3−GST−hβ2m−oriPベクター中への日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)由来のGSTタグをコードするcDNAの上流の断片のインフレーム連結を可能にするよう設計した。最終ベクターを配列決定し、そしてpcDNA3−mFcRnwt−GST−hβ2m−oriPとして示した。
【0251】
可溶性ヒトFcRn変異体(shFcRn-GST)の発現及び精製−一過性トランスフェクションに関しては、hFcRn及びmFcRnコードプラスミドを、Lipofectamine 2000 (Invitrogen)を用いて、メーカーの説明書に従って、HEK 293E細胞(ATCC)中にトランスフェクションした。HEK 293E細胞を、ダルベッコ変法イーグル培地(BioWhittaker)中で、標準条件下で培養した。プールされた培地を濾過し、そして半自動ワークステーション及びリーダーに接続されたGSTrap FFカラムの5mlカラム(GE Healthcare)上に適用し、及び精製をメーカーの説明書に実質的に推薦されるようにして実施した。溶出された画分をプールし、濃縮し、及びβ−メルカプトエタノール(Sigma−Aldrich)を用いて、非還元又は還元条件下で分析した。2μgの個々の受容体のサンプルを、12%SDS−PAGE(Bio-Rad)上に適用した。タンパク質濃度を、NanoDrop N-1000 分光光度計(NanoDrop Technologies)を用いて決定した。
【0252】
shFcRn発現プラスミドの生成、個々のヘテロダイマーの発現及び精製についての方法はまた、Berntzen et al. (2005) J. Immunol. Methods 298:93-104)及びAndersen et al. (2010) J. Biol. Chem., 285:4826-4836に見出され得る。
【0253】
他方では、Hisタグ化shFcRn FcRnへテロダイマーを、GeneArt AG(Germany)により生成した。前記へテロダイマーの2種のサブユニットについての配列は、配列番号32(主要組織適合抗原複合体クラスI様Fc受容体の切断されたH鎖(FCGRT))及び配列番号33(β−2−ミクログロブリン)に見出され得る。配列番号32及び33は一緒に、FcRnを形成する。可溶性受容体をHEK293細胞において発現し、そしてNi−HiTrapクロマトグラフィーカラムを用いて、培養物上清液から精製した。Hisタグは遺伝学的に、β−2−ミクログロブリンのC末端に融合される。
【0254】
(c)プラスミド及び菌株の構成
標準分子生物学手法、例えばSambrook, J. and D. W. Russell, 2001. Molecular Cloning: a laboratory manual, 3rd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Yに記載されるそれらの手法を、全体を通じて使用した。
【0255】
発現カセットを含むプラスミドは、表2に列挙されている。すべての発現カセットは、S.セレビシエPRB1プロモーター及び修飾されたS.セレビシエADH1ターミネーター(mADHt)を含み、そしてリーダー配列[次のいずれか:融合リーダー(FL;プラスミドpDB2244におけるのと同じ、国際公開第0044772A号)、修飾された融合リーダー(mFL;プラスミドpDB2305に記載されるのと同じ、引用により本明細書中に組み込まれる欧州特許出願第1788084号)、S.セレビシエ インベルターゼリーダー配列(Suc2p: MLLQAFLFLLAGFAAKISA)又は修飾されたS.セレビシエ インベルターゼリーダー配列(MLLQAFFIVSIGFAAKISA)]、及びアルブミン由来のタンパク質(例えば、全長、ドメイン、変異体及び融合体、等)をコードする。図6は、典型的な発現カセットの構成要素を示すためのプラスミド地図(pDB2305)の例を示す。特にことわらない限り、最終発現プラスミドをインビボで生成した(即ち、S.セレビシエにおける相同組換えを通して;ギャップ修復又はインビボクローニングとして言及される手法については、Orr-Weaver & Szostak. 1983. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 80:4417-4421を参照)。典型的には、ギャップ修復実験に関しては、100ng Acc65I/BamHI pDB3936(国際公開第2010/092135号中に開示される)を、所望する最終発現プラスミドを生成するために必要とされる発現カセットを含む等モル濃度のDNAフラグメントと共に混合した。それらを、下記に記載される酵母形質転換キット(Sigma)を用いて、S.セレビシエ株を同時形質転換するために直接使用した。
【0256】
【表3】
【0257】
発現プラスミドをまた、インビボクローニングを使用して、等モル濃度でPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)断片及びAcc65I/BamHI pDB3936(100ng)を使用して生成した。表3は、PCR断片及びAcc65I/BamHI pDB3936を使用して生成されたコンストラクトを列挙する。すべてのPCR反応を、Phusionポリメラーゼ(New England Biolabs)を使用して、メーカーの説明書に従って実施した。典型的なPCR反応混合物は、20μl 緩衝液HF(5X)、2μl dNTP混合物(10mM)、2μl プライマー(10μM)、2μl プライマー(10μM)、1μl Phusionポリメラーゼ(2U/μl)、1μl DNA(〜5ng)又は全DNA(〜100ng)、72μl 蒸留水である。
【0258】
【表4】
【0259】
(i)ヒト/動物キメラ及び動物アルブミンDI+DIIIコンストラクトの発現のためのプラスミドの構成
プラスミドを、特にことわらない限り、表2及び表3に要約する。完全長ウサギ(配列番号14)及びマウスアルブミン(配列番号9)の発現のためのプラスミドを次の通りに調製した。PRB1プロモーターの3’領域、修飾された融合リーダー配列、ウサギ又はマウスアルブミンをコードするDNA、及びmADHtの5′領域を含むBfrI/SphI合成DNAフラグメント(2.087kb)を、遺伝子アセンブリー(GeneArt AG, Germany)により生成した。人工SphI部位を、天然に存在するBfrI部位の上流に直接付加し、続くクローニングを補助した。合成SphI DNAフラグメントをpCR-script (Agilent Technologies)中にクローン化し、pDB3248及びpDB3429を生成した。pDB2541(PRB1プラモーター、修飾された融合リーダー及びHSAをコードするDNA、並びにmADHtを含むサブクローニングプラスミド)を、BfrI/SphIにより消化し、HSA、及びPRB1及びそれを端に有するmADHtターミネーターの一部をコードする遺伝子を除いた。このDNAを、pDB3248及びpDB3429から類似BfrI/SphI断片に置換し、それぞれpDB3256及びpDB3435を生成した。pDB3256及びpDB3435をNotIにより消化し、そして2.989kbの生成物をそれぞれ、NotI消化pSAC35(欧州特許出願第286424号に開示され、及びSleep, D., et al. (1991) Bio/Technology 9, 183 - 187により記載される;それぞれ引用により本明細書中に組み込まれる)中に連結し、それぞれpDB3257及びpDB3442を生成した。
【0260】
pDB3257及びpDB3442を使用して、S.セレビシエ株Aを直接的に形質転換した(国際公開第2010/092135号に記載される)。
【0261】
ヒツジアルブミンの発現のためのプラスミドを次の通りにして調製した。2.207kbのPstI/SphI合成DNA断片(PRB1プロモーターの3′領域、融合リーダー配列及びヒツジアルブミンをコードするDNA(配列番号16)、及びmADHtの一部を含む)を、遺伝子アセンブリー(GeneArt AG, Germany)により生成した。合成PstI/SphI断片を、PstI/SphI消化pDB3927(国際公開第2010/092135号に記載される)中にクローン化し、pDB3994を生成した。
【0262】
最終発現プラスミドを、インビボクローニング/ギャップ修復により生成し、即ちpDB3994を、BstEII/BsrBIにより消化し、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、及び100ngの消化物を100ng Acc65I/BamHI消化pDB3936(国際公開第2010/092135号に開示される)と共に結合し、そしてそれを使用して、S.セレビシエBXP10 cir0(国際公開第2001/079480号に記載される)を形質転換した。
【0263】
種々のアルブミンキメラについての発現プラスミドを、PCR及びインビボクローニングを使用して生成した。表4は個々のコンストラクトを生成するために使用されるオリゴヌクレオチド対及び鋳型DNAを列挙し、表5はオリゴヌクレオチドの配列を提供する。すなわち、PCRを用いて、2種のPCR断片を増幅した。断片1は、LEU2 ORF及び3′UTR、PRB1プロモーター、リーダー配列(修飾された融合又は融合リーダー配列のいずれか)をコードするDNA、アルブミン(例えば、ヒト、マウス、ウサギ又はヒツジからの)のDI+DIIをコードするDNA、及びアルブミン(ヒト、マウス、ウサギ又はヒツジからの)のDIIIの5′配列をコードする27−30bpのDNAを含む。フラグメント2は、アルブミン(例えば、ヒト、マウス、ウサギ又はヒツジからの)のDIIIをコードするDNA、mAPHtターミネーター、及びpDB3936(国際公開第2010/092135号に開示される)におけるヌクレオチド配列と相同の217bpのフランキング配列を含んだ。
【0264】
PCR生成物を、Qiagen PCR 精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。図7は、インビボクローニングによる発現プラスミドの精製を要約する。即ち、精製されたPCR生成物を、Acc65I/BamHI消化されたpDB3936と共に使用して、S.セレビシエBXP10 cir0を同時形質転換した。
【0265】
マウスアルブミン及びウサギアルブミンDI+DIIIについての発現プラスミドを、ヒト/動物キメラ発現コントラクト(例えば、HSA DI+DII+マウスDIII、及び逆もまた同様である)を生成するための上記に記載されるそれらの方法と同一の方法により、PCR及びインビボクローニングを使用して調製した。PCRフラグメントを生成するために使用されるオリゴヌクレオチド対(表5)及び鋳型DNAが表4に列挙される。
【0266】
【表5】
【0267】
【表6】
【0268】
(ii)HSA DI+DIII変異体及びHSA DI+DIII変異体融合体をコードするプラスミドの調製
最初のHSA DI+DIII発現プラスミド/酵母株を、マウス及びウサギDI+DIII発現コンストラクトについて本明細書中に記載される方法を用いて、PCR及びインビボクローニングにより生成した。オリゴヌクレオチドxAP032/xAP058(表5)及びxAP059/xAP033(表5)を用いて、それぞれ、PCRフラグメント1及び2を生成した(鋳型DNAとしてpDB2244(国際公開第00/44772号に記載される)を用いる)。得られる株を、8822と命名した。
【0269】
全DNA(即ち、ゲノム及びプラスミドDNA)を、次の通りにして酵母8822から抽出した。10μl 無菌ループを用いて、寒天プレートから酵母細胞を削り取り、そして細胞を1.5ml マイクロチューブ中の200μl 抽出緩衝液[50mM Tris-HCl (pH7.5)、10mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl、2% w/v SDS]に再懸濁し、その後、80℃で2分間、加熱した。DNA抽出混合物を、ベンチトップマイクロ遠心分離器によって13,000rpmで1分間、遠心分離し、その後、上清液を除いた。全DNAを3体積のエタノール及び0.1体積の3M酢酸ナトリウム(pH5.4)により−80℃で10分間、沈殿した。沈殿したDNAを、ベンチトップマイクロ遠心分離器において13,000rpmで20分間、遠心分離し、上清液を除き、そしてDNAペレットを70% v/vエタノールにより洗浄した。ペレットを手短に空気乾燥し、その後、DNAを100μl TE緩衝液に再懸濁した。
【0270】
HSA DI+DIII変異体発現カセットを生成するために、オリゴヌクレオチドxAP075及びxAP138(表5)を用いて、酵母株8822から調製されたDNA由来の2.1kbのDNA断片をPCR増幅した。PCR断片は、LEU2マーカーの3′領域、PRB1プロモーター、融合リーダーをコードするDNA及びHSA DI及びDIIIを含んだ。PCRフラグメントを、NgoMIV/AvrIIにより消化し、そしてNgoMIV/AvrII消化されたpDB3927(国際公開第2010/092135号)、pDB4086、pDB4110及びpDB4184及びpDB4010(すべて国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載され、引用により本明細書中に組み込まれる)中に連結し、pDB4372−pDB4375及びpDB4480をそれぞれ生成した。pDB4372−pDB4375及びpDB4480をNsiI/PvuIにより消化し、DNAをQiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。最終発現プラスミドを個々のNsiI/PvuI消化したDNA及びAcc65I/BamHI消化pDB3936とS.セレビシエBXP10 cir0とを同時形質転換することによりインビボクローニングによって生成した。
【0271】
HSA DI+DII及びその変異体のC末端に対して遺伝学的に融合されるIL−1ra(配列番号34)の生成のための発現カセットを含むプラスミドを、次の通りにして調製した。pDB2588(引用により本明細書中に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)を、Bsu36I/SphIにより消化し、そしてHSA DIIIの3′領域、GSリンカー及びヒトIL1−RA(N84Q)、及び修飾されたS.セレビシエmADHtの5′領域をコードする705bpのDNAフラグメントを、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。精製した断片を、Bsu36I/SphI消化pDB4372、pDB4373、pDB4374、pDB4375及びpDB4480中に連結し、pDB4382、pDB4383、pDB4385、pDB4384及びpDB4481をそれぞれ生成した。最終発現プラスミドを、NsiI/PvuIによるpDB4382−pDB4385及びpDB4481の消化、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従ってDNA精製を包含し、その後、S.セレビシエBXP10 cir0を直接的に形質転換するためのAcc65I/BamHI消化pDB3936を包含するインビボクローニングにより生成した。
【0272】
HSA DI+DIII及びHSA DI+DIII K573PのN末端に対して遺伝学的に融合されるIL−ira(N84Q)の生成のための発現カセットを含むプラスミドを、上記の方法を用いて、PCR及びインビボクローニングにより調製した。2種のPCR断片を生成するのに使用されるオリゴヌクレオチドは、表5に列挙されている。PCR断片1を、オリゴヌクレオチドxAP330/xAP337及び鋳型DNAとしてプラスミドpDB2590を用いて生成した。プラスミドpDB2590は、pDB2305(国際公開第2006/013859号に記載される)と同一であるが、しかし融合リーダー、IL−1ra(N84Q)、GSリンカー、続いてHSAをコードするDNA配列を含む。PCR断片1は、LEU2 ORFの上流の774bpのヌクレオチド配列、PRB1プロモーター、及び融合リーダー配列、IL1−RA(N84Q)、GSリンカー及びHSA DIの最初の29bpをコードするDNAを含む。PCR断片2(pDB4372又はpDB4374のいずれかを使用してオリゴヌクレオチドxAP338/xAP333により生成した)は、HSA DI+DIII(wt又はK573P)をコードするDNA、mADHt、及びpDB3936におけるヌクレオチド配列と相同の2.031kbのフランキング配列を含んだ。PCR断片を、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。PCRフラグメント1及び2、及びAcc65I/BamHI消化されたpDB3936によるS.セレビシエBXP10 cir0の同時形質転換を包含する方法により、最終発現プラスミドを、インビボで生成した。
【0273】
(iii)HSA DII+DIII変異体及びその融合体をコードするプラスミドの調製
HSA DII+DIII及びその変異体のための発現プラスミドを次の通りにして生成した。HSA DII+DIII発現カセット(すなわち、PRB1プロモーター、融合リーダー及びHSA DII+DIIIをコードするDNA、及びmADHt)を含むpDB2202をNgoMIV/AvrIIにより消化し、そして1.407kbのフラグメントを、Qiagen ゲル抽出キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。NgoMIV/AvrII断片を、NgoMIV/AvrII消化pDB3927(国際公開第2010/092135号に記載される)、pDB4010、pDB4110及びpDB4184(引用により本明細書中に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)中に連結し、それぞれpDB4386、pDB4482、pDB4387及びpDB4388を生成した。pDB4386−pDB4388及びpDB4482をNsiI/PvnIにより消化し、DNAをQiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。個々のNsiI/PvuI消化プラスミドDNA及びAcc65I/BamHI消化pDB3936によるS.セレビシエBXP10 cir0の同時形質転換を包含する方法により、最終発現プラスミドを、インビボで生成した。
【0274】
HSA DII+DIII及びその変異体のC末端に遺伝学的に融合されるIL−1raの生成のための発現カセットを含むプラスミドを、HSA DI+DIII変異体コンストラクトのC末端に対して遺伝学的に融合するIL−1raを生成するために記載される方法に従って調製した。生成したプラスミドを、pDB4483、pDB4485、pDB4486及びpDB4484と命名した。pDB4483−pDB4486をNsiI/PvuIにより消化し、DNAをQiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。最終発現プラスミドを、HSA DI+DIII変異体融合コンストラクトについて記載されるようにして、インビボで生成した。
【0275】
HSA DII+DIII及びHSA DII+DIII K573PのN末端に対して遺伝学的に融合するIL−1raの生成のための発現カセットを含むプラスミドを、HSA DI+DIII及びHSA DI+DIII K573PのN末端に対して遺伝学的に融合するIL−1raの生成について記載のようにして、PCR及びインビボクローニングを用いて調製した。PCR断片1を、オリゴヌクレオチドxAP330/xAP339(表5)(pDB2590を鋳型DNAとして使用した)を用いて生成し、そしてHSA DIIをコードするそのヌクレオチド配列(すなわち、pDB4386及びpDB4387における)と32bpのヌクレオチド配列相同性を共有した。PCR断片2を、オリゴヌクレオチドxAP340/xAP333(表5(鋳型DNAとしてpDB4386又はpDB4387を用いる))を用いて生成し、そしてpDB3936におけるヌクレオチド配列と2.031kbの相同フランキング配列を共有した。PCRフラグメントを、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。最終発現プラスミドを、HSA DI+DIII変異体融合コンストラクトについて記載されるようにして、インビボで生成した。
【0276】
(iv)HSA DIII並びにその変異体及び融合体をコードするプラスミドの調製
PCRを用いて、HSA DIIIをコードする649bpのフラグメントを生成し、成熟アルブミンタンパク質配列の位置573に対応するコドンで変更を行い、その結果、フェニルアラニンがリシンの代わりに組み込まれ、そして前記断片の発現プラスミドpDB4284中へのクローン化を可能にするよう前記断片を適合した(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)。特に、これはオリゴヌクレオチドxAP260及びxAP253(表5)及び鋳型DNAとしてのプラスミドpDB3927(国際公開第2010/092135号の記載される)を用いて達成された。PCR断片を、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、BglII/Bsu36Iにより消化し、その後、消化したDNAを、Qiagen PCR精製キットを用いて精製した。精製されたBglII/Bsu36I断片を、BglII/Bsu36I消化pDB4284中に連結し、pDB4460を生成した。
【0277】
HSA DIII変異体をコードする一連の発現プラスミドを、プラスミドpDB4461−pDB4473を生成するためにHSA DIIIをコードするヌクレオチド配列内に突然変異を含むプラスミドpDB3927(国際公報第 2010/092135号に記載される)、pDB3883、pDB4086、pDB4010、pDB4006、pDB4175、pDB4189、pDB4110、pDB4182、pDB4184、pDB4200、pDB4202及びpDB4094(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)由来の類似配列によるpDB4460由来の666bpのAvrII/SphI断片の置換により生成した。
【0278】
HSA DIII及びDIII変異体のC末端に遺伝学的に融合するIL−1ra又はscFv(FITC8)(配列番号35)の生成のための発現カセットを含むプラスミドを、次の通りにして調製した。IL−1ra融合体に関して、プラスミドpDB2588、pDB4288及びpDB4286(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)[HSA DIII又はその変異体をコードするDNA及びGSリンカー及びIL−1ra(N84Q)をコードするDNAの3′末端、及びmADHtの5′領域を含む]由来の1.164kbのAvrII/SphI断片を入手し、そして続いてAvrII/SphI消化pDB4460中に連結した。これは、それぞれプラスミドpDB4474−pDB4476をもたらした。
【0279】
scFv融合体の生成のための発現カセットを含むプラスミドを、プラスミドpDB3008(Evans et al., 2010. Protein Expression and Purification. 73,113-124に記載される)(HSA DIII末端領域、GSリンカー及びscFvをコードするDNA、及びmADHtの5′領域を含む)由来の1.005kbのBsu36I/SphI断片の単離、及びBsu36I/SphI消化pDB4461、pDB4464及びpDB4468中へのこれの続くクローニングにより生成した。これはプラスミドpDB4477−pDB4479をもたらした。
【0280】
プラスミドpDB4460−pDB4479をHsiI/PvuIにより消化し、そしてQiagen PCR精製キットを用いて精製した。精製したDNAを、Acc65I/BamH消化pDB3936と共に混合し、そしてこれを用いて、S.セレビシエ株B cir0を直接的に形質転換した。
【0281】
S.セレビシエ株B cir0は、S.セレビシエ株A cir0(国際公開第2010/092135号に記載される)の誘導体であり、そしてその構成を下記に記載する。化学的突然変異誘発に続いて、S.セレビシエura3変異体(すなわち、ウラシルに対して栄養要求性)を単離し、そしてセレビシエ株A−Urasと命名した。S.セレビシエ株A−ura3をpDB3837により形質転換した。pDB3837を次の通りにして生成した:HOオープン・リーディング・フレームの5′及び3′領域を、それぞれプライマーB01/BO2及びBO3/B04(表5)を用いて、S.セレビシエBY4741(Brachmann, et al., (1998) Yeast 14, 115に記載される)ゲノムDNAからPCRにより増幅した。PCR生成物を精製し、そして酵素NotI/MluI(5'領域断片)及びMluI/ClaI(3'領域フラグメント)により制限消化した。消化された断片を精製し、そしてNotI/ClaI消化PBST+[Sleep, D. (2001). Yeast 18: 403-421に記載される]により3工程連結を行った。ポリリンカー(ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドB05及びBO6から精製された、表5)を、5′及び3′領域間のMluI部位でクローン化し、pDB3343を生成した。S.セレビシエURA3遺伝子を、プライマーB07及びB08(表5)を用いて、プラスミドYCplac50[Rose et al. (1987). Gene 60: 237-243に記載される]からPCR増幅した。URA3生成物を、PacI及びPmeIにより消化し、そしてPacI/PmeI消化pDB3343中に連結し、pDB3514を生成した。S.セレビシエPDI1遺伝子を含む、2.94kbのKpnI断片を、pDB2389(Finnis et al. (2010). Microbial Cell Factories 9: 87)から得、T4ポリメラーゼを用いて平滑末端化し、その後SfoI消化pDB3514中に連結した。得られるプラスミドpDB3837は、2タンデムコピーのPDI1断片を含んだ。pDB3837を用いて、S.セレビシエ株A−ura3 cir0を直接的に形質転換し、株B cir0を生成した。S.セレビシエ株Bは、PDI1遺伝子の生来のコピー、HO遺伝子座での2コピーのPDI1遺伝子、及びこの株のゲノムにおける未知の位置での追加のコピーのPDI1遺伝子を含む。
【0282】
(v)HSA DIII及びその変異体及び融合体をコードするプラスミドの調製
HSA DIII+DIII及びその変異体のための発現カセットを含むプラスミドを次の通りにして生成した。オリゴヌクレオチドxAP323/xAP324(表5)を用いてのPCRを用いて、pDB4282、pDB4283及びpDB4284(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)由来の636bpのDNA断片を増幅した。PCR断片を、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、BglII/HindIIIにより消化し、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、その後、BglII/HindIII消化pDB4284(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)中に連結した。得られたプラスミドを、pDB4489−pDB4491と命名した。
【0283】
一連のPCRの第2ラウンドを実施し、第2HSA DIII及びその変異体をコードするDNAを増幅した。オリゴヌクレオチドxAP324/xAP325(表5)を用いて、pDB3927(引用により本明細書に組み込まれる国際公報2010/092135号に記載される)、pDB4010及びpDB4110(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号)から、HSA DIII及びその変異体をコードするDNA断片をPCR増幅した。PCR断片をQiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、Bsu36Iにより消化し、Qiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、その後、Bsu36I消化pDB4489−pDB4491中に連結した。得られたプラスミドを、pDB4522−pDB4526と命名した。pDB4522−pDB4526をNsiI/PvuIにより消化し、DNAをQiagen PCR精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、その後、Acc65I/BamHI消化pDB3936と共に用い、S.セレビシエ株B cir0を形質転換した。
【0284】
(vi)HSA DIII E492G+DIII E492G(即ち、タンデムドメインIII)をコードするプラスミドの調製
HSA DIII E492G+DIII E492G発現カセットを含むプラスミドを次の通りにして調製した。PRB1プロモーターの3′領域、FIVSI修飾されたインベルターゼリーダー及びHSA DIII E492G+DIII E492GをコードするDNA、及びmADHtの5′領域を含む1.488kbの合成DNA断片を、遺伝子アセンブリー(DNA2.0、USA)により生成した。合成PstI/PacI断片を、PstI/PacI消化pDB4181(引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願/欧州特許出願第10/066572号に記載される)中に連結し、pDB4112を生成した。pDB4112をBstEII/BsrBIにより消化し、Qiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、その後、その100ngを、100ngのAcc65I/BamHI消化pDB3936(引用により本明細書に組み込まれる国際公開第2010/092135号に記載される)と共に混合し、そしてそれを用いて、S.セレビシエ株B cir0を直接的に形質転換した。
【0285】
HSA DIII+DIII及びその変異体のC末端に遺伝学的に融合されるIL−1ra又はscFv(FITC8)の生成のための発現カセットを含むプラスミドを次の通りにして調製した。pDB4522、pDB4523及びpDB4524をAvrII/SphIにより消化し、そして個々の反応性からの7.564kbをQiagen ゲル抽出キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。pBD4474−pDB4479をAvrII/SphIにより消化し、そして1.164kb及び1.464kbのフラグメント(それぞれ、IL−1Ra及びscFvをコードするDNAを含む)を、Qiagen ゲル抽出キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製した。pDB4474−pDB4479からの精製されたAvrII/SphIフラグメントを、AvrII/SphI消化pDB4522−pDB4524中に連結し、pDB4527−pDB4531及びpDB4533を生成した。pDB4527−pDB4531及びpDB4533をNsiI/PvaIにより消化し、DNAをQiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、その後、Acc65I/BamHI消化pDB3936と共に使用し、S. セレビシエ株B cir0を直接的に形質転換した。
【0286】
(vii)DIII+DI及びDIII+DIIをコードするプラスミドの調製
HSA DIII+DI及びDIII+DIIのための発現カセットを含むプラスミドを次の通りにして生成した。オリゴヌクレオチド対xAP290/xAP291及びxAP292/xAP293(表5)を用いて、それぞれHSA DI(PCR断片=616bp)及びHSA DII (PCR生成物=628bp)をコードするDNAを、鋳型DNAとしてpDB3927(国際特許出願第2010/092135号に記載される)を用いて、PCR増幅した。両PCR断片を、Bsu36I/HindIIIにより消化し、Qiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、次にBsu36I/HindIII消化pDB4478中に連結し、pDB4487及びpDB4488を生成した。pDB4487及びpDB4488をNsiI/PvuIにより消化し、DNAをQiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、次に、Acc65I/BamHI消化pDB3936と共に用い、S.セレビシエ株B cir0を直接的に形質転換した。
【0287】
(viii)DIII+DIII+DIIIをコードするプラスミドの調製
HSA DIII+DIII+DIII(すなわち、三重ドメインIII)のための発現コンストラクトを次の通りにして調製した:HSA DIIIをコードするDNAを含む615bpのBsu36I DNA断片をpDB4527から得、そしてBsu36I消化pDB4522中に連結し、pDB4534を生成した。pDB4534をNsiI/PvuIにより消化し、DNAをQiagen PCT精製キットを用いて、メーカーの説明書に従って精製し、次に、Acc65I/BamHI消化pDB3936と共に用い、S.セレビシエ株B cir0を直接的に形質転換した。
【0288】
(d)S.セレビシエの形質転換
S.セレビシエ株を、YEPDプレート(1%(w/v)酵母抽出物、2%(w/v)バクトペプトン、2%(w/v)グルコース、1.5%寒天)上に画線培養し、そして形質転換の前、30℃で4日間、増殖した。1μgの完全なプラスミド(すなわち、環状プラスミド)、又はギャップ修復のためのBstEII/BsrBI又はNsiI/PvuI消化HSA変異体又はHSA変異体融合体含有プラスミド及びAcc65I/BomHI消化pDB3936(100ng)を用いて(等モル濃度で)、改良されたリチウムアセテート法を用いるSigma Yeast Transformationキット(Sigma yeast transformation キット, YEAST-1, プロトコール2; Ito 等. (1983) J. Bacteriol., 153, 16; Elble, (1992) Biotechniques, 13, 18)により、S. セレビシエを形質転換した。前記プロトコールを、ヒートショックの前、室温で4時間、前記形質転換物をインキュベートすることにより、わずかに変更した。ヒートショックに続いて、細胞を手短に遠心分離し、その後、1M ソルビトール 200μlに再懸濁し、次にBMMD寒天プレート上に展開した。BMMDの組成はSleep et al., (2001), Yeast, 18, 403に記載される。プレートを30℃で4日間インキュベートし、その後、個々のコロニーを、新しいBMMDプレート上にパッチした。酵母株番号を、表1に詳述する。
【0289】
ストックを次の通りにして個々の酵母株について調製した:BMMDブイヨンに各酵母パッチをヘビーループ(heavy loop)により接種し、そして200rpmでのオービタル振盪下で、30℃で24時間、増殖した。細胞をSorval RT600遠心分離機により1900×gで5分間遠心分離して収穫し、15mlの上清液を除去し、トレハロース40%(w/v)で置換した。細胞を再懸濁し、低温用バイアル(1ml)に移して−80℃で貯蔵した。
【0290】
(e)S.セレビシエの振盪フラスコ増殖
BMMD(レシピ、アミノ酸及び硫酸アンモニウムを有さない0.17%(w/v)の酵母窒素塩基(Difco)、37.8mM 硫酸アンモニウム、29mM クエン酸、142mM オルトリン酸水素ニナトリウム二水和物pH6.5、2%(w/v)グルコース)培地(10cml)に、個々の酵母株を接種し、そして200rpmでのオービタル振盪下で、30℃で96時間、増殖した。個々の開始培養物のアリコート(4ml)を用いて、2×200mlのBMMD培地を接種し、そして200mrpmでのオービタル振盪下で、30℃で36時間、増殖した。細胞を、GF-Dプレフィルター(Whatman)を備えた0.2μm 真空フィルター膜(Stericup, Millipore)を用いた濾過により回収し、上清液を精製のために取得した。
【0291】
(f)初期濃度
取得された培養物上清液を、トランスメンブラン圧20psi及び循環速度180ml・分-1で、Omega 10KD(0.093sq.m2)フィルター(LV Centramate(商標)カセット, Pall Filtron)を備えたPall Filtron LVシステムを用いた接線流濾過(Tangential Flow Filtration)を用いて濃縮した。
【0292】
(g)振盪フラスコからのアルブミン誘導体及びその融合体の精製
振盪フラスコ(培養物上清液又は濃縮培養物上清液の何れか)から、アルブミン親和性マトリックス(AlbuPure(登録商標)- ProMetic BioSciences, Inc.)を用いた単一クロマトグラフィー工程を用いて、アルブミン誘導体、変異体及びその融合体を精製した。クロマトグラフィーは常時一定線速度240cm/時で実施した。培養物上清液又は濃縮された培養物上清液を、50mM 酢酸ナトリウム(pH5.3)で前平衡化された層高6cm、2.0mlの充填層に負荷した。負荷後、カラムを10カラム体積(CV)の平衡化緩衝液、次に50mM 酢酸アンモニウム(pH8.0)(10CV)で洗浄した。生成物を、50mM 酢酸アンモニウム、10mM オクタノエート(pH8.0)、50mM 酢酸アンモニウム、30mM オクタン酸ナトリウム(pH8.0)、50mM 酢酸アンモニウム、100mM オクタン酸ナトリウム(pH8.0)、又は200mM チオシアン酸カリウムのいずれかにより溶出した。カラムを、0.5M NaOH(3cv)及び20mM NaOH(3.5cv)で清浄した。個々のアルブミン変異体からの溶出物画分を濃縮し、そして任意のダイアフィルトレーションカップ(Sartorius)を備えたVivaspin20 10,000MWCO PESを用いて、10体積のトリス緩衝溶液(25mM トリス、150mM NaCl、2mM KCl、pH7.4)に対してダイアフィルトレートした。精製されたアルブミン変異体を、下記のようにして(セクション(j))、GP−HPLCにより定量化した。
【0293】
(h)2L及び10L発酵
−10L発酵
形質転換体を、10LのSartorius Biostat C発酵器を用い、30℃で流加発酵(fed-batch fermentation)として培養した。pHをモニターし、そしてアンモニア又は硫酸の添加により適切に調節した。アンモニアをまた、培養物のための窒素源として利用した。溶解酸素レベルをモニターし、撹拌速度に反映させて、20%以上の飽和レベルを維持した。接種物を緩衝化最少培地を含む振盪フラスコにおいて増殖した。バッチ相に関しては、培養物を、2%(w/v)スクロースを含む発酵培地(発酵器体積の約50%)中に接種した。供給段階は、溶解酸素レベルの急激な上昇により自動的に開始した。供給速度を所定の名目増殖速度に調節することにより、スクロースを増殖制限濃度に維持した。供給物の構成は50%(w/v)スクロースを含む発酵培地であった。何れもCollins(Collins, S.H., (1990) Production of secreted proteins in yeast, in: T.J.R. Harris (Ed.) Protein production by biotechnology, Elsevier, London, pp. 61-77)に記載のとおりである。
【0294】
−2L発酵
形質転換体を、流加発酵として培養した。流加発酵を、30℃で2LのPierre Guerin Tryton発酵器において実施した。pHをモニターし、そしてアンモニア又は硫酸の添加により適切に調節した。アンモニアをまた、培養物のための窒素源として利用した。溶解酸素レベルをモニターし、撹拌速度に反映させて、20%以上の飽和レベルを維持した。接種物を緩衝化最少培地を含む振盪フラスコにおいて増殖した。バッチ相に関しては、培養物を、2%(w/v)スクロースを含む発酵培地(発酵器体積の約50%)中に接種した。供給段階は、酸素消費レベルの急激な上昇により自動的に開始した。供給速度を所定の名目増殖速度に調節することにより、スクロースを増殖制限濃度に維持した。供給物の構成は50%(w/v)スクロースを含む発酵培地であった。何れもCollins(Collins, S.H., (1990) Production of secreted proteins in yeast, in: T.J.R. Harris (Ed.) Protein production by biotechnology, Elsevier, London, pp. 61-77)に記載のとおりである。
【0295】
(i)発酵物からのアルブミン誘導体及びその融合体の精製
アルブミン誘導体及びその融合体を、Sorvall RC 3C 遠心分離機(DuPont)を用いての遠心分離による分離の後、高細胞密度流加発酵上清液から精製した。培養物上清液を、上記のようにして、注文合成されたアルブミン親和性マトリックス(AlbuPure(登録商標)- ProMetic BioSciences, Inc.)を充填した層高11cm、充填層22mlのカラムを通してクロマトグラフィー処理した。生成物を、120cm/時の流速で、上記溶出緩衝液を用いて溶出した。溶出物画分をGP−HPLC(下記)により、及び純度についての還元性SDS−PAGEにより分析した。個々のアルブミン変異体からの溶出物画分を、GP−HPLC(下記のようにして)及び還元性SDS−PAGEにより評価し、そして必要なら、さらに、Sephacryl S200(GE Healthcare)により充填された、層高90cm×充填層488mlのカラムを用いて実施し、そしてトリス緩衝溶液(25mM トリス、150mM NaCl、2mM KCl、pH7.4)において4ml/分で行われる調製用ゲル濾過により分離した。AlbuPure(登録商標)又はAlbuPure(登録商標)の何れか及びSephacryl S200クロマトグラフィーからの溶出物画分を、任意のダイアフィルトレーションカップ(Sartorius)を備えたVivaspin20 10,000MWCO PES、又は20psiのトランスメンブラン圧及び180ml/分の再循環速度を伴って、Omega 10KD (0.093sq.m2)フィルター (LV CentramateTM cassette, Pall Filtron)を固定したPall Filtron LVシステムを用いてのタンジェンシャルフロー濾過のいずれかを用いて濃縮した。Albupure(登録商標)クロマトグラフィーのみ由来するそれらの溶出物に関して、濃縮の後、ダイアフィルトレーションを、10体積のトリス緩衝溶液(25mM トリス、150mM NaCl、2mM KCl,pH7.4)に対して実施した。精製したアルブミン変異体を、下記のようにして、GP−HPLCにより定量化した。
【0296】
受容体(shFcRn)結合特性及び/又は別の分析のためにアッセイされるべきすべてのタンパク質を、上記のようにしてGP−HPLCにより定量化し、そしてそれらの相対的消衰係数を補正した。
【0297】
(j)GP−HPLCによるアルブミン誘導体、変異体、融合体及びそのコンジュゲートの定量分析
精製したアルブミン誘導体、変異体、融合体及びそのコンジュゲートを、次の通りにしてGP−HPLC及び定量化により分析した。長さ7.8mm id×300mmのTSK G3000SWXLカラム(Tosoh Bioscience)及び長さ6.0mm id×40mmのTSK SWガードカラム(Tosoh Bioscience)に、それぞれ25μlを注入した。サンプルを、25mM リン酸ナトリウム、100mM 硫酸ナトリウム、 0.05% (w/v) アジ化ナトリウム、pH7.0、1ml/分でクロマトグラフィー処理した。サンプルを、280nmのUV検出により、ピーク面積に基づき、既知濃度(10mg/ml)の組換ヒトアルブミン標準を基準として定量化し、相対的消衰係数を補正した。
【0298】
(k)アルブミン及びその誘導体及び変異体に対するホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)のコンジュゲーション
アルブミン及びその誘導体及び変異体を、上記のようにして(セクション(g)及び(i))、精製し、濃縮し、そしてトリス緩衝溶液(TBS)(pH7.2−7.3)による緩衝液交換を行った。
【0299】
HRPを、2mg/ml EZ−Link(登録商標)マレイミド活性化ホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP、Thermo Scientific)と共にインキュベートし、ドメイン1における遊離スルフィドリルと反応させ、分子にコンジュゲートした。HRPをリン酸緩衝溶液(PBS)(pH6.5)に溶解し、そしてインキュベーションは、アルブミン又はその変異体又は誘導体に関して、約2倍モル過剰のHRPを提供した。この混合物を4℃で少なくとも24時間インキュベートした。次に、反応混合物をGP−HPLCを用いて分析し、コンジュゲートが生じたことを確かめた。GP−HPLC分析は、上記に記載される(セクション(j))。
【0300】
非コンジュゲート種(DI+DIII、DI+DIII+DIII又はドメイン変異体及び未反応HRP)を、対応するコンジュゲート種から分離するために、まずサンプルを濃縮し(Vivaspin20、10,000 MWCO PES、Sartorius)そして次に、Tricorn Superdex(登録商標)200、10/300 GLカラム(GE Healthcare)にそれぞれ負荷し、そしてTBSにおいて45cm/時の流速で通過させた。溶出ピークを分別し、そしてGP−HPLCにより分析した。コンジュゲート種を含む画分をプールし、濃縮し、そして続いて、GP−HPLC及び非還元性SDS PAGEにより分析し、コンジュゲート種を示した。
【0301】
(I)アルブミン及びその誘導体及び変異体へのフルオレセイン−5−マレイミド(F5M)のコンジュゲーション
フルオレセイン−5−マレイミド(Thermo Scientific;F5M)を、ジメチルホルムアミドに溶解し、1.25mg/mlの最終濃度を得た。次に、これをさらに、18ml PBS(約6.5のpHに調節されている)に希釈した。HSA DI+DIII変異体を添加し、最終混合物において約20倍の最終モル過剰を得た。次に、これらのサンプルをインキュベートし、暗室において4℃で一晩コンジュゲートさせることにより、F5M上のマレイミド基を、両アルブミン種に存在する遊離スルフィドリルと優先的に反応させた。
【0302】
一晩のインキュベーションの後、反応混合物のアリコートを、TBSに対して広範囲にわたってダイアフィルトレートし、非コンジュゲートF5Mを除去した(Vivaspin20、10,000 MWCO PES、Sartorius)。コンジュゲートを、標準SDS−PAGEを用いて、コンジュゲート化フルオレセイン::DI+DIII及びそこにおける変異体の紫外線可視化により確認した。
【0303】
実施例1.アルブミン誘導体又は変異体の構成
アルブミン誘導体若しくは変異体又は断片の結合を実証するために、以下のコンストラクトを、HSAから開始して生成した。見出し「突然変異/コンストラクト」下に引用される位置は、配列番号31における位置を言及する。
【0304】
【表7】
【0305】
実施例2.可溶性FcRn(shFcRn)へのアルブミン変異体の結合
3種の確立されたFcRn結合アッセイ、すなわちELISA、SPR及びDynabead結合アッセイを用いた。前記アッセイ間には次の主な差異が存在する:
ELISAシステムにおいては、HSAをウェルに直接、被覆し、そして可溶性hFcRn(shFcRn)−GSTを溶液で添加するが、SPRアッセイにおいては、shFcRn−GSTをCM5チップに固定し、HSAを溶液で注入する。pHは、両システムにおいて変更可能である。
FcRn Dynabead結合アッセイは、ストレプタビジンカップリングビーズ上に捕獲される部位特異的ビオチニル化shFcRnに基づく。GSTタグ化HSAを溶液で添加し、そして結合をニワトリHRPコンジュゲート抗GST Abを用いて検出する。
【0306】
さらに、競合結合を、shFcRn(50nM)単独で、又は異なった濃度のHSA (55−500nM)、HSA DI−DII(500+1500nM)、HSA DII−DIII(500+1500nM)、HSA DI−DIII(500+1500nM)、HSA DIII(500+1500nM)及びHSA DIII−DIII(500+1500nM)と一緒に注入することにより測定した。注入を25℃及び50μl/分の流速で実施した。実施例2の変異体を、ELISA(結果を、図1に示す)を用いて、及びSPR(結果を図2及び表7に示す)及び競合SPRに基づくアッセイ(結果を図3に示す)を用いて、FcRn結合について分析した。SPR及び競合SPRに基づくアッセイを、shFcRn−GSTを用いて実施した。
【0307】
HSAドメインとのshFcRn相互作用の動態(kinetics)を計算し、そして下記に示した(表7)。
【0308】
【表8】
【0309】
SPR結果は、DI+III、DII+III、DIII、ニ重DIII及び全長アルブミンがpH依存性態様でshFcRnを結合することを示す(図2)。対照的に、ELISAデータは、DIII wtが、固定される場合、shFcRnと相互作用しないことを示した。DIII−shFcRn会合/解離速度は速く、そして従って動態値は直接的には決定されないが、しかしながら定常状態親和性定数の計算は、DIIIが全長HSAよりも低いshFcRnを結合し、そして結合親和性の3倍の低下が存在することを示す。このデータは、HSAの別の部分がドメインIIIのshFcRnへの最適な結合のために重要であることを示唆し、これはさらに、DI−DIII及びDII−DIIIを分析する場合、支持する。DII−DIIIは、その結合親和性は全長アルブミンについて測定される結合親和性に比較して低くなるが、shFcRnを結合する。DI−DIIIはまた、DII−DIIIよりも高い親和性でshFcRnを結合し、両者はドメインIII単独に関してよりも高い親和性を有し、このことは再び、HSAの別の部分がshFcRn受容体への最適結合のために重要である本知見を支持する。比較SPRアッセイは、ニ重ドメインIIIコンストラクトが、アッセイにおいてwtアルブミンと競合し、この競合はDI+III、DII+III及びDIIIよりもより効果的であるが、しかしwtアルブミン、すなわちHSAほど効果的でないことを示す。
【0310】
実施例3.shFcRnへのドメインスワップ誘導体の結合
次のドメインスワップ誘導体を、前記方法セクション(上記)に従って生成した:
HSA1/2−RSA3 :HSA(ヒト血清アルブミン)ドメインI及びII及 びRSA(ウサギ血清アルブミン)ドメインIII
RSA1/2−HSA3 :RSAドメインI及びII及びHSAドメインIII
SSA1/2−HSA3 :SSA(ヒツジ血清アルブミン)ドメインI及びII 及びHSAドメインIII
HSA1/2−SSA3 :HSAドメインI及びII及びSSAドメインIII
HSA1/2−MSA3 :HSAドメインI及びII及びMSA(マウス血清ア ルブミン)ドメインIII
MSA1/2−HSA3 :MSAドメインI及びII及びHSAドメインIII。
【0311】
例として、使用されるドメインを表8に示す:
【表9】
それらをさらに、図5のアラインメントに示す。
【0312】
実施例3の誘導体又は変異体を、SPRを用いて、shFcRn結合(shFcRn−GST)について分析し、そして結果を下記(表9)に示す。
【表10】
【0313】
SSA(配列番号16)及びSSAドメインIII(配列番号28)を含む誘導体、並びにMSA1/2−HSA3(配列番号30)は、この実験においてはFcRnを結合しなかった。
【0314】
HSA DI+DII+RSA DIII及びHSA DI+DII+MSA DIIIは、HSA、MSA及びRSAと比較して、shFcRnについての親和性を高めた。データはまた、様々な種のアルブミンDI+DIIが異なった種由来のアルブミンDIIIの親和性を調節できる(即ち、増加し又は低減する)ことを示した。
【0315】
実施例4.shFcRnへのHSA誘導体DI+DIII及びその融合体の結合
HSA誘導体DI+DIII及びその融合体(表10)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。
【0316】
SPRアッセイを、Biacore X 及び Biacore 3000 装置(G E Healthcare)を用いて実施した。CM5チップを、アミンカップリング化学により、メーカーの説明書(1600−2500RU)に従って、shFcRn−HIS(GeneArt)とカップリングした。カップリングを、10mM 酢酸ナトリウム(pH4.5)(GE Healthcare)にShFcRnを希釈することにより行った。リン酸緩衝液(67mM リン酸緩衝液、0.15M NaCl、0.005% Tween 20、pH5.5±0.25)を、実行緩衝液及び希釈緩衝液として使用した。再生を、HBS−EP緩衝液pH7.4を用いて行った。固定されたshFcRnへの結合のために、HSA誘導体又は変異体を、25℃、一定流速(30μl/分)で活性細胞表面上に90秒間、注入した。pH7.4での結合アッセイに関して、HBS−EP(GE Healthcare)を、希釈及び実行緩衝液として使用した。何れの実験でも、データをゼロ点調整し、参照細胞を減算した。データ判断及び動態値の決定に関しては、Biaevaluationソフトウェアを、動態結合モデリングのために使用した。
【0317】
分子を結合するshFcRnの動態値を表10に示す。
【表11】
【0318】
wt DI+DIII及びその誘導体はpH依存性態様でshFcRnに結合し、即ち、結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。結果は、DI+DIII誘導体及びその融合体のshFcRnに対する結合の階層がK573Y > K573P > wt > D550N(最高→最低の親和性)であったことを示す。弱い結合を、pH5.5又はpH7.4のいずれかで、DI+DIII K500A(IL−1Raに融合及び非融合)とshFcRnとの間で検出した。
【0319】
実施例5.shFcRnへのHSA誘導体DII+DIII及びその融合体の結合
HSA DII+DIII及びその融合体(表11)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。SPR分析及び解釈を、実施例4に従って実施した。
【表12】
【0320】
HSA DII+DIII誘導体及びその融合体のすべては、pH依存性態様でshFcRnと相互作用し(データ未記載)、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。HSA DI+DIII誘導体(融合及び非融合)の結合の階層は、HSA DI+DIII誘導体及びその融合体(実施例4)について記載されるその結合の階層と同一であり、即ちK573Y > K573P > wt > D550N(shFcRnについて最高→最低の親和性)であった。
【0321】
実施例6.HSA誘導体DIII及びその誘導体のshFcRnへの結合
非融合DIII誘導体(表12a)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【表13a】
【0322】
HSA DIII誘導体のすべては、pH依存性態様でshFcRnと相互作用(データ未記載)、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。shFcRnへの結合の階層は、DIII K573Y、DIII K573P、DIII K573F、DIII K573A、DIII E492G、DIII D550N、wt DIII、DIII E492/N503K、DIII K500A(shFcRnについて、最高→最低の親和性)である。
【0323】
動態値が決定されていないDIII誘導体を、wt DIIIと比較して結合応答(RUs)について分析した。結合をpH7.4で検出せず、pH5.5のみで検出した。結果を表12bに示す。高いRU値は、より強い結合を示す。従って、wt HSAと比較して、表12bにおいて試験された変異体のすべては、shFcRnに対して弱い結合性を示す。wt HSA DIII及びその誘導体は、pH依存性態様でshFcRnに結合する。HSA DIII K573D、DIII K573H、DIII K573N、DIII K573W及びDIII Q580Kについての代表的センサーグラムが、図8に示される。
【0324】
【表13b】
【0325】
提供される結合応答(RU値)は、注入が停止した点で記録される相対的絶対値を表し、そして最大複合体が、注入期間の間、形成した。より高いRU値はより高い親和性に等しい。
【0326】
実施例7.IL−1ra又はscFvに対して遺伝学的に融合するHSA誘導体のshFcRnへの結合
分子(表13)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。SPR分析及び判断を実施例4に従って実施した。
【表14】
【0327】
結果は、IL−1raに対して遺伝学的に融合するHSA DIII誘導体のshFcRnへの結合の階層がD550N > K573P > wtであることを示す。対照的に、scFvに対して遺伝学的に融合するHSA DIII誘導体のshFcRnへの結合の階層はK573P > D550N > wtである。
【0328】
実施例8.アルブミン及びアルブミン誘導体へのホースラディッシュペルオキシダーゼの結合
HRPを、前記方法(上記)に従ってアルブミン誘導体にコンジュゲートし、アルブミン変異体(表14)を形成した。分子をGP−HPLC(結果未記載)及び非還元性SDS−PAGE(図9)により分析し、分子が予測される分子量のものであり、そして従って、コンジュゲーションが生じ、所望する分子を生成したことを確認した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【表15】
【0329】
図10は、wt HSA DI+DIII及び野生型HSAについての結合応答と比較して、HSA DI+DIII K573P−HRP変異体及びshFcRn相互作用についての増加した結合応答を確認する。さらに、図10は、DI+DIII K500A−HRP及びshFcRnの結合相互作用が、wt HSA DI+DIII及び野生型HSAに比較して、低減することを示す。
【0330】
DI+DIII wt及びその変異体は、pH依存性態様でshFcRnに結合し、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。コンジュゲートDI+DIII変異体は、非コンジュゲートDI+DIII(実施例4)に見出される同じ親和性調節(affinity modulation)を示す。
【0331】
実施例9:HSA DII+DIIIのN末端に対して遺伝学的に融合するIL−1raと相互作用するshFcRnの結合分析
HSA DII+DIII及びHSA DII+DIII K573Pに対して遺伝学的に融合するIL−1ra(表15)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【0332】
【表16】
【0333】
提供される結合応答(RU値)は、注入が停止した点で記録される相対的絶対値を表し、そして最大複合体が前記注入期間の間、形成した。より高いRU値はより高い親和性に等しい。
【0334】
HSA DII+DIIIにN末端融合するIL−1ra及びK573P DII+DIIIにN末端融合するIL−1raは、pH依存性態様でshFcRnに結合し、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。図11は、DII+DIIIへのN末端融合が、shFcRnへの分子の結合を妨げないで、解離時間を長くすることを示す。結果は、野生型HSA DII+DIII及びHSAに比較して、shFcRnとK573P変異体との間の増加した結合応答を示す。
【0335】
実施例10:DIIIのタンデム反復及びその誘導体の融合体である分子とのshFcRn相互作用の結合分析
HSA誘導体及びその融合体(表16)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。SPR分析及び解釈を、実施例4に従って実施した。
【0336】
【表17】
【0337】
提供される結合応答(RU値)は、注入が停止した点で記録される相対的絶対値を表し、そして最大複合体が前記注入期間の間、形成した。より高いRU値はより高い親和性に等しい。
【0338】
タンデムDIII融合体は、pH依存性態様でshFcRnに結合する(すなわち、pH5.5で結合するが、pH7.4では結合しない)。結合応答(表16)は、タンデムDIII融合体に関して、次の順序を示す:
(i)IL−1ra融合体:DIII D550N+DIII D550N−IL−1ra、DIII K573P+DIII K573P−IL−1ra、wt DIII−IL−1ra(最高→最低親和性);
(ii)scFv融合体:DIII K573P+DIII K573P−scFv、D550N+DIII D550N−scFv wt DIII−scFv(最高→最低親和性)。
【0339】
実施例11:DI+DIII wt及びその誘導体へのフルオレセイン−5−マレイミド(F5M)のコンジュゲート
コンジュゲートHSA誘導体及び変異体(表17)を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。分子を、GP−HPLC(結果未記載)及び非還元性SDS−PAGE(図16)により分析した。コンジュゲーションを、コンジュゲートDI+DIII wt及び変異体のUV可視化により確認した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【0340】
【表18】
【0341】
ND:弱い結合のために測定されなかった。提供される結合応答(RU値)は、注入が停止した点で記録される相対的絶対値を表し、そして最大複合体が前記注入期間の間、形成した。より高いRU値はより高い親和性に等しい。
【0342】
図17は、野生型HSAではなくHSA DI+DIII−F5Mについての結合応答と比較して、HSA DI+DIII K573P−F5M変異体及びshFcRn相互作用についての増加した結合応答を確認する。さらに、図17は、DI+DIII K500A−F5M及びshFcRnの結合相互作用が、HSA DI+DIII K573P−F5M及び野生型HSAと比較して、有意に低減することを示す。
【0343】
DI+DIII wt及びその変異体は、pH依存性態様でshFcRnに結合し、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。コンジュゲートDI+DIII変異体は、非コンジュゲートDI+DIII変異体及び全長HSA(実施例4)に見出される同じ親和性調節を示す。
【0344】
実施例12:DI+DIII wtへのフルオレセイン−5−マレイミド(F5M)のコンジュゲーション
コンジュゲートHSA誘導体(表18)、を、前記方法セクション(上記)に従って調製した。分子を、GP−HPLC(結果未記載)及び非還元性SDS−PAGE(図16)により分析した。コンジュゲーションを、コンジュゲートDI+DIII wt+DIII wtのUV可視化により確認した。SPR分析及び判断を実施例4に従って実施した。
【0345】
【表19】
【0346】
提供される結合応答(RU値)は、注入が停止した点で記録される相対的絶対値を表し、そして最大複合体が前記注入期間の間、形成した。より高いRU値はより高い親和性に等しい。
【0347】
図18は、wt HSAではなくHSA DI+DIII−F5Mについての結合応答と比較して、HSA DI+DIII wt+DIII wt−F5M変異体及びshFcRnの相互作用についての増加した結合応答を確認する。
【0348】
コンジュゲートDI+DIII wt及びDI+DIII wt+DIII wtは、pH依存性態様でshFcRnに結合し、即ち結合をpH5.5で検出したが、pH7.4では検出しなかった。
【0349】
実施例13:HSA誘導体DIII+DI及びDI+DIIIとのshFcRn相互作用の結合分析
HSA誘導体(表19)を、前記方法セクション(上)に従って調製した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【0350】
【表20】
【0351】
表19は、HSA誘導体DIII+DIが、HSA DI+DIIIに比較して、shFcRnに対する親和性を低減したことを示す。
【0352】
実施例14:野生型アルブミンと比較してアルブミン誘導体DI+DIIIとのshFcRn−GST相互作用の結合分析
wtアルブミン種及びそのDI+DIII誘導体(表20)を、前記方法セクション(上)に従って調製した。SPR分析及び判断を、実施例4に従って実施した。
【0353】
【表21】
【0354】
結果は、MSA DI−DIII及びRSA DIIIの両者がshFcRnに対して、wt MSA、wt HSA及びHSA DI−DIIIよりも高い結合親和性を有することを示す。すべてのDI−DIII変異体は、pH依存性態様で固定されたshFcRnに対して結合する(即ち、pH6.0で結合するが、pH7.4では結合しなかった)。HSA DI−DIIIは、HSA wtと比較して、わずかに低減した親和性を伴ってshFcRnを結合したが、しかしながらRSA及びMSA DI−DIIIアルブミン誘導体は、HSA wtと比較して、卓越した結合親和性を示した。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6
図7
図8a-8c】
図8d-8e】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]