特許第5969461号(P5969461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969461GLP−1受容体作動薬とガストリンとのペプチド複合体及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969461
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】GLP−1受容体作動薬とガストリンとのペプチド複合体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/575 20060101AFI20160804BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20160804BHJP
   C07K 14/605 20060101ALI20160804BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20160804BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C07K14/575ZNA
   C07K19/00
   C07K14/605
   A61K37/02
   A61P3/10
   A61P9/12
   A61P3/06
   A61P9/10 101
   A61P9/10 103
   A61P9/10
   A61P9/00
   A61P1/04
   A61P3/00
   A61P35/00
   A61P1/00
   A61P43/00 105
   A61P3/04
   A61P1/18
【請求項の数】22
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2013-506492(P2013-506492)
(86)(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公表番号】特表2013-525387(P2013-525387A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】DK2011050133
(87)【国際公開番号】WO2011134471
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年4月18日
(31)【優先権主張番号】61/470,170
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PA201100149
(32)【優先日】2011年3月4日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201000941
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】61/395,119
(32)【優先日】2010年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PA201000379
(32)【優先日】2010年4月27日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】502453045
【氏名又は名称】ジーランド ファーマ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】トリーネ スコウルン リューイェー ニールプ
(72)【発明者】
【氏名】トルベン エステルルン
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ リン トルボルウ
(72)【発明者】
【氏名】ケル フォスゲラウ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリカ モルテンソン
(72)【発明者】
【氏名】マリアネ ブロアソン
(72)【発明者】
【氏名】カミラ ロルステッド
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−103838(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/035540(WO,A1)
【文献】 特表2007−525495(JP,A)
【文献】 特表2009−504681(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/095737(WO,A1)
【文献】 Nature Biotechnology,2005年,Vol.23, No.7,p.857-861
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/575
C07K 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/WPIDS/BIOSIS/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有するペプチド複合体:
H-HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKN-Peg3-Peg3-YGWLDF-NH2;
H-HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKN-Peg3-Peg3-GWLDF-NH2;
H-HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKN-Peg3-Peg3-AGWLDF-NH2;又は
H-HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNYGWTDF-NH2;
又は医薬的に許容しうるその塩又は溶媒和物。
【請求項2】
請求項1に記載のペプチド複合体又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項3】
1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病前症、インスリン抵抗性症候群、耐糖能障害(IGT)、疾患状態と関連する血糖値上昇、高血糖症、高血圧症、アテローム性脂質異常症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、細小血管障害、胃疾患、メタボリックシンドローム、癌、炎症性腸疾患(IBD)及び過敏性腸症候群(IBS)、
から成る群から選択される疾患又は障害の治療のための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
動脈硬化症がアテローム性動脈硬化症であり、癌が結腸癌である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
膵島新生を誘発するための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
膵島でのβ細胞アポトーシスを防止するための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
体重増加を防止又は体重減少を促進するための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
循環グルコースレベル、耐糖能及び/又は循環コレステロールレベルの改善、循環LDLレベルの低下、及び/又はHDL/LDL比の増大のための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
休薬日を含む投与計画に従って投与される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
過剰体重によって生じる又は過剰体重を特徴とする症状の治療及び/又は予防のための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
過剰体重によって生じる又は過剰体重を特徴とする症状が、肥満、病的肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発睡眠時無呼吸、メタボリックシンドローム、又は糖尿病前症である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
体重増加を防止する又は体重減少を促進するための、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項13】
医薬的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを更に含む、請求項1〜12の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
投与対象がヒトである、請求項1〜13の何れか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のペプチド複合体又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物を、糖尿病、肥満、脂質異常症、又は高血圧症の治療のための薬剤と共に組み合わせてなる組合せ医薬。
【請求項16】
糖尿病の治療のための薬剤が、メトホルミン、スルホニル尿素、グリニド、DPP4阻害剤、グリタゾン、インスリン又はインスリン類似体である、請求項15に記載の組合せ医薬。
【請求項17】
肥満の治療のための薬剤が、グルカゴン様ペプチド受容体1作動薬、ペプチドYY又はその類似体、カンナビノイド受容体1拮抗剤、リパーゼ阻害剤、メラノコルチン受容体4作動薬、又はメラニン凝集ホルモン受容体1拮抗剤である、請求項15に記載の組合せ医薬。
【請求項18】
高血圧症の治療のための薬剤が、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断剤、利尿剤、ベータ-遮断剤、又はカルシウムチャネル遮断剤である、請求項15に記載の組合せ医薬。
【請求項19】
脂質異常症の治療のための薬剤が、スタチン、フィブラート、ナイアシン及び/又はコレステロール吸収阻害剤である、請求項15に記載の組合せ医薬。
【請求項20】
請求項1に記載のペプチド複合体又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物を製造する方法であって、固相又は液相ペプチド合成によって前記ペプチド複合体を合成することを含む方法。
【請求項21】
対象へのペプチド複合体の送達のための、請求項1に記載の少なくとも1つのペプチド複合体、又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、装置。
【請求項22】
請求項1に記載の少なくとも1つのペプチド複合体、又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物を含み、さらにパッケージング又は使用のための説明書を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、特定のペプチド複合体、及び、糖尿病(I型及び/又はII型)及び糖尿病関連疾患又は障害を含む様々な疾患又は障害の治療における、その複合体の使用に関する。
【0002】
本願は、米国登録特許第61/395、119号及び第61/470、170号に係る優先権を主張し、斯かる出願は本明細書中で全体において参照により組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
糖尿病、特に、2型糖尿病の発症における主原因と考えられている肥満と併発される1型及び2型糖尿病は増加し、且つ世界規模の重篤な健康問題を構成する。未治療の糖尿病の結果として発症し得る疾患又は障害は、心血管及び末梢動脈疾患、微小血管及び大血管性合併症、脳卒中及びおそらく特定の形態の癌を含む。
【0004】
糖尿病は、血糖値の生理的調節の欠如を特徴とし、そして糖尿病に繋がり得る基礎症状は膵臓β細胞の量及び機能の低下又は減少であり、内因性のインスリン産生の減少又は喪失、及び/又はインスリン抵抗性の低下又は喪失(インスリンに対する感受性の低下)、すなわち、内因性インスリンの血糖値の適した制御をもたらす能力の低下又は喪失と関連する。
【0005】
血糖値を下げる多数のホルモンは、腸中の栄養分の存在及び吸収に応答して、胃腸粘膜によって分泌される。これらは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド(GIP)及びセクレチンを含む。
【0006】
GLP-1[例えば、orskov、Diabetologia 35: 701-711(1992)を参照されたい]は、180個のアミノ酸のペプチドであるプログルカゴンの組織プロセシングによって産生される[例えば、Drucker、Diabetes 47: 159-169(1998)を参照されたい]。プログルカゴンの全体の配列は、グルカゴンの29のアミノ酸配列、GLP-1の36又は37のアミノ酸配列、及びグルカゴン様ペプチド-2の34のアミノ酸配列(GLP-2; 腸作用性(intestinotrophic)ペプチド)を含む。ヒトGLP-1(7-37)は、アミノ酸配列HAEGTFTSDVSSYLEGQA-AKEFIAWLVKGRG(配列番号114)を有する。
【0007】
GLP-1は、多数の機能を有することが確認されている。それは、健常なヒトにおいてグルコース刺激性インスリン分泌を増強するホルモンである(よって、所定のホルモンとして知られるホルモンの群に属する)。さらに、GLP-1はグルカゴン濃度を低下し、胃内容排出を遅延させ、(プロ)インスリン生合成を刺激し、インスリン感受性を増強する[例えば、Nauck、Horm. Metab. Res. 47: 1253-1258(1997)を参照されたい]。GLP-1はまた、耐糖能障害に罹患する対象においてグルコースを感知し(インスリン分泌によって)応答する膵臓β細胞の能力を増強する[例えば、Byrne、Eur. J. Clin. Invest. 28: 72-78(1998)を参照されたい]。ヒトにおけるGLP-1のインスリン分泌刺激効果は、部分的にインスリンレベルの増大及びインスリン感受性の増強のためであるが、グルコース消失速度を増大し、内因性グルコース産生を減少する[例えば、D'Alessio、Eur. J. Clin. Invest. 28: 72-78(1994)を参照されたい]。しかしながら、インビボ(in vivo)での天然GLP-1の短半減期は、斯かるホルモンを薬剤として利用しようとする試みの中で主要な薬理上の課題となっている。ヒト及びラットにおいて、GLP-1は急速に、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)によってGLP-1(9-36)アミドに分解され、これは内因性のGLP-1受容体拮抗剤として機能する。斯かる問題を回避するストラテジーが提案されており、一部はGLP-1(7-36)アミドのDPP-IVの阻害剤を利用し、その他はDPP-IV抵抗性類似体を利用する。
【0008】
血糖値を低下するペプチドの他の群を構成するいわゆるエキセンジンは、GLP-1(7-36)と一部の配列類似性(53%)を有する[例えば、Goke et al.、J. Biol. Chem. 268: 19650-19655(1993)を参照されたい]。エキセンジンは、ドクトカゲ種(beaded lizard)の唾液に確認される。エキセンジン-3は、メキシコドクトカゲ(メキシコビーズトカゲ)の唾液に存在し、一方エキセンジン-4は、アメリカドクトカゲ(Gila monster)の唾液に存在する。エキセンジン-4のアミノ酸配列は、位置2及び3においてエキセンジン-3と異なり、HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH2(配列番号115)である。
【0009】
エキセンジン-4は、単離されたラットインスリノーマ細胞上で強力なGLP-1受容体作動薬であることが報告されている[Goke et al.、loc. cit.]。国際公開第99/07404号は、全身に投与されたエキセンジン-4は、糖尿病db/dbマウスにおいて40%まで血糖値を低下することを開示し、糖尿病性ob/obマウスにおけるエキセンジン-4の一日一回の腹腔内注射の持続性血糖低下効果もまた報告さている[Grieg et al.、Diabetologia 42: 45-50(1999)]。
【0010】
米国登録特許第5、424、286号及び国際公開第98/05351号は、エキセンジン-3、エキセンジン-4及びエキセンジン作動薬が、糖尿病の治療、胃運動の低下及び胃内容物排出の遅延、及び高血糖症の予防のために使用できることを開示し、国際公開第98/30231号はそれらが食物摂取を減少させることに使用できることをさらに開示する。
【0011】
ペプチドホルモンのガストリンは、胃粘膜細胞及び十二指腸のG細胞から分泌され、ヒトにおける斯かるホルモンの主要な生理的役割は、胃酸(すなわち、HCl)の分泌の刺激及び胃運動の補助である。ガストリンの他の確認された効果は、細胞成長の刺激を含み、ガストリンが島新生(islet neogenesis)に影響し得る、すなわち、膵島のインスリン分泌β細胞成長を刺激し[例えば、Korc、M.、J. Clin. Invest.、92: 1113-1114(1993); Rooman et al. Diabetes 51 : 686-690(2002)を参照されたい]、それにより血糖の制御に寄与し得る兆候がある。
【0012】
ガストリンは、他の胃腸ペプチドホルモン、コレシストキニン(CCK)と受容体を共有する。受容体CCK-A R及びCCK-B Rは、ガストリン及びCCK変異体に対して異なる親和性を有する。CCK-A R(又はCCK R1)は、主に硫酸化CCKの受容体として機能し、一方CCK-B R(又はCCK R2)は、CCK及びガストリン双方を同様に良好に結合する。CCK-B Rは、血漿中でCCKと比較したガストリンの高いレベルに起因して「ガストリン受容体」と考えられている[Foucaud et al. Reg. Peptides 145: 17-23(2008)]。
【0013】
CCK-B Rは、一部の細胞内経路をリガンドの結合により惹起可能であり、これがCCKが多様な生理的役割を有する理由と考えられている。CCK-B Rの下流の重要な経路は、MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)又はERK(細胞外調節キナーゼ)経路であり、一部の成長ホルモンによっても活性化される。これは、ガストリンの細胞増殖の役割において重要な特性である。CCK-B Rは膵臓で発現されるので、ガストリンは斯かる組織内の細胞増殖及び島制御に寄与し得る。
【0014】
ヒトにおいて、ガストリンは主に3つの形態、すなわち、ガストリン34、ガストリン17及びガストリン14(配列中のアミノ酸の総数に関して)で生じる。ガストリン6もまた、確認されている。より短い形態は、C末端がアミド化されたガストリン34の切断によって生じ、ガストリン17はガストリン34のC末端の最後の17個の残基(プロガストリン(55-71)に相当)から成り、ガストリン14はC末端の最後の14残基(プロガストリン(58-71)に相当)から成り、ガストリン6はC末端の最後のわずか6個の残基から成る(プロ(66-71)に相当)。それは、高親和性をもってCCK-B Rに結合し細胞増殖性機能を発揮するガストリンのアミド化形態である。ヒトガストリン17において、N末端アミノ酸残基はピログルタミン酸(PyroGlu)残基である。アミド化C末端の6個のアミノ酸は、ガストリンの重要な受容体結合残基である。
【0015】
国際公開第2005/072045号は、とりわけ、「GLP-1作動薬」又は「ガストリン化合物」いずれかが治療効果を有することが示されている症状及び/又は疾患の予防及び/又は治療において、有益な効果を有する「GLP-1作動薬」と「ガストリン化合物」との組み合わせを開示している。国際公開第2007/095737号は、とりわけ、「エキセンジン作動薬」又は「ガストリン化合物」のいずれかが治療効果を有することが示されている症状及び/又は疾患の予防及び/又は治療において、同様に有益な効果を有する「エキセンジン作動薬」と「ガストリン化合物」との類似の組み合わせを開示する。
【0016】
国際公開第2005/072045号で提示されたデータ[ヒト1型糖尿病の動物モデルとして広範囲に利用される、非肥満糖尿病性(NOD)マウスを利用した試験に由来する]はおそらく、記載される特定の「GLP-1作動薬」/「ガストリン化合物」の組み合わせが急性糖尿病性NODマウスにおける血糖値の正常化に関して、当該「GLP-1作動薬」(又は「ガストリン化合物」)を単独利用した場合に見られる効果と比較して、有益な効果を有し得ることを示している。国際公開第2007/095737号に示されたデータ[同様に、非肥満糖尿病性(NOD)マウスを利用した試験に由来する]はおそらく、記載される特定の「エキセンジン作動薬」/「ガストリン化合物」の組み合わせが、当該「エキセンジン作動薬」(又は「ガストリン化合物」)を単独利用した場合に見られる効果と比較して、急性糖尿病性NODマウスの血糖及びインスリンレベルの正常化に関して有益な効果を有することができ、記載の特定の「GLP-1受容体作動薬」/ガストリンの組み合わせが、「GLP-1受容体作動薬」を単独利用した場合に見られる効果と比較して、島細胞制御の誘発に関して有益な効果を有し得ることを示している。
【0017】
国際公開第2005/072045号及び国際公開第2007/095737号はまた、任意には中間リンカー又はスペーサーを介して、互いに共有結合で結合又は連結(すなわち、接合)された、「GLP-1作動薬」又は「エキセンジン作動薬」、及び、「ガストリン化合物」を含む複合体を形成する可能性を開示する。単又は二糖類、アミノ酸、硫酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、或いは1又は2以上のこのような部分を含むオリゴマー重合体スペーサー又はリンカーが、適したスペーサーと言われている。斯かる型の複合体が調製され得る熟慮された方法もまた、記載される。しかしながら、これらのいずれの文献においても、斯かる型のいずれかの結合体が実際に調製され、その生物/生理的特性又は活性に関して特性が明らかにされた又は試験されたことを実証する、調製に関する又は他のデータはそれぞれの国際出願時に提供されていない。
【0018】
さらに、国際公開第2005/072045号及び国際公開第2007/095737号はいずれも、その中でそれぞれ記載され且つ利用される「GLP-1作動薬」/「ガストリン化合物」又は「エキセンジン作動薬」/「ガストリン化合物」の組み合わせが、例えば、2型糖尿病の治療において有益となり得ることを実証するインビボ(in vivo)、インビトロ(in vitro)の又は他のデータを提供していないことに留意されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
今回、例えば、糖尿病(1型及び/又は2型糖尿病)、又は様々な他の糖尿病関連疾患又は障害の治療において、2つのそれぞれのペプチドの組み合わせの治療活性と比較して、2つの共有結合され又は連結されたペプチド部分を含む所定の複合体が、予想外に高い治療活性を示し得ることを発見した。
【0020】
広い態様において、本発明はGLP-1受容体作動薬と、ガストリン、特にLeu、Nle、Phe及びThrから選択される位置15における置換を有するガストリンとのペプチド複合体を供する。より詳細には、本発明は、エキセンジン-4とガストリンとのペプチド複合体及びGLP-1とガストリンとのペプチド複合体を供する。
【0021】
よって第一の態様において、本発明は、式I
R1-Z-L-Y-R2(I)
(式中、
R1が、H、C1-4アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチルであり、
R2が、OH又はNH2であり、
Zが、
His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser(配列番号115)
の配列を有するエキセンジン-4(1-39)の配列、又はその類似体Zaを含み、
Lが、任意のリンカー部分であり、
Yが、
Gln-Gly-Pro-Trp-Leu-Glu-Glu-Glu-Glu-Glu-Ala-Tyr-Gly-Trp-Y15-Asp-Phe(配列番号116)
(式中、Y15が、Leu、Nle、Phe及びThrから選択される)
の配列を有するガストリン17の配列、又はその類似体Yaを含む)
を有するペプチド複合体を供する。
【0022】
さらに、本発明は、
(i)Zaが、エキセンジン-4の配列に関して、最大で10個の位置において置換を有する、且つ/又は1〜12個のアミノ酸のC末端切断を含み、さらに/又は
(ii)Yaが、ガストリン17の配列に関して、最大で5個の位置において置換を有する、且つ/又はガストリン17の配列に関して1〜13個のアミノ酸のN末端切断を含む、ペプチド複合体を供する。
【0023】
一実施形態において、本発明は、
Zaが、式lla
His-Z2-Z3-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Z9-Z10-Z11-Z12-Z13-Z14-Glu-Z16-Z17-Z18-Z19-Z20-Z21-Z22-Z23-Z24-Z25-Z26-Z27-Z28-Z29-Z30-Z31-Z32-Z33-Z34-Z35-Z36-Z37-Z38-Z39(lla)
(式中、
Z2が、Gly、Ala、Ser、Aib、Thr、Leu及びIleから選択され、
Z3が、Glu及びAspから選択され、
Z9が、Asp及びGluから選択され、
Z10が、Leu、Val、Ile及びAlaから選択され、
Z11が、Ser及びAibから選択され、
Z12が、Ser、Gln、Arg、Cys、Lys、Glu及びOrnから選択され、
Z13が、Arg、Ser、Gln、Tyr及びGluから選択され、
Z14が、Gly、Cys、Phe、Tyr、Trp、Lys、Met、Leu、Nle及びIleから選択され、
Z16が、Asp、Gly、Aib、Glu、Lys及びCysから選択され、
Z17が、Glu、Cys、Lys、Ser及びGlnから選択され、
Z18が、Ala及びAibから選択され、
Z19が、Val、Leu、Ile及びAlaから選択され、
Z20が、Arg、Lys、Cys、Orn及びGluから選択され、
Z21が、Leu及びGluから選択され、
Z22が、Phe及びAlaから選択され、
Z23が、Ile及びLeuから選択され、
Z24が、Glu、Cys、Lys、Ala及びArgから選択され、
Z25が、Trp、Cys、Lys及びPheから選択され、
Z26が、Leu及びIleから選択され、
Z27が、Ile、Val、Gln、Lys、Cys、Arg及びOrnから選択され、
Z28が、Asn、Ser、Asp、Aib、Gln、Lys、Cys、Arg、Tyr、bAla、Glu、Orn及びLeuから選択される、又は存在せず、
Z29が、Gly、Aib及びbAlaから選択される、又は存在せず、
Z30が、Gly、Cys、Lys及びArgから選択される、又は存在せず、
Z31が、Pro、Ser及びAspから選択される、又は存在せず、
Z32が、Ser及びLysから選択される、又は存在せず、
Z33が、Serである、又は存在せず、
Z34が、Gly及びLysから選択される、又は存在せず、
Z35が、Alaである、又は存在せず、
Z36が、Proである、又は存在せず、
Z37が、Proである、又は存在せず、
Z38が、Proである、又は存在せず、
Z39が、Serである、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Lが、式llb
L1-L2-L3-L4(llb)
(式中、
L1が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L2が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L3が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L4が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys及びGlnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式llc
Y1-Y2-Y3-Y4-Y5-Y6-Y7-Y8-Y9-Y10-Y11-Y12-Y13-Y14-Y15-Asp-Y17(llc)
(式中、
Y1が、Glnである、又は存在せず、
Y2が、Glyである、又は存在せず、
Y3が、Proである、又は存在せず、
Y4が、Trpである、又は存在せず、
Y5が、Leuである、又は存在せず、
Y6が、Gluである、又は存在せず、
Y7が、Gluである、又は存在せず、
Y8が、Gluである、又は存在せず、
Y9が、Gluである、又は存在せず、
Y10が、Gluである、又は存在せず、
Y11が、Alaである、又は存在せず、
Y12が、Ala及びTyrから選択される、又は存在せず、
Y13が、Gly及びAlaから選択される、又は存在せず、
Y14が、Trp、Phe、1Nal及びMetから選択され、
Y15が、Leu、Nle、Phe及びThrから選択され、
Y17が、Phe及び3-(3-ピリジル)-アラニンから選択される)、
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0024】
他の実施形態において、本発明は、
Zaが、式llla
His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Z9-Leu-Ser-Z12-Z13-Z14-Glu-Z16-Glu-Ala-Val-Z20-Leu-Phe-lle-Z24-Z25-Leu-Z27-Z28(llla)
(式中、
Z9が、Asp及びGluから選択され、
Z12が、Lys、Arg及びOrnから選択され、
Z13が、Gln及びTyrから選択され、
Z14が、Met及びLeuから選択され、
Z16が、Glu、Cys及びLysから選択され、
Z20が、Arg、Lys及びOrnから選択され、
Z24が、Lys及びGluから選択され、
Z25が、Trp、Lys、Cys及びPheから選択され、
Z27が、Lys、Arg及びOrnから選択され、
Z28が、Asn及びAspから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Lが、式lllb
L1-L2-L3-L4(lllb)
(式中、
L1が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L2が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L3が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L4が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式lllc
Y12-Y13-Y14-Y15-Asp-Y17(lllc)
(式中、
Y12が、Tyr及びAlaから選択される、又は存在せず、
Y13が、Gly及びAlaから選択される、又は存在せず、
Y14が、Trp、1Nal及びPheから選択され、
Y15が、Leu、Nle、Thr及びPheから選択され、
Y17が、Phe及び3-(3-ピリジル)-アラニンから選択される)
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0025】
さらなる実施形態において、本発明は、
Zaが、式lVa
His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Z9-Leu-Ser-Z12-Gln-Met-Glu-Z16-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Z27-Z28(lVa)
(式中、
Z9が、Glu及びAspから選択され、
Z12が、Lys及びOrnから選択され、
Z16が、Glu及びLysから選択され、
Z27が、Lys及びOrnから選択され、
Z28が、Asn及びAspから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Lが、式lVb
L1-L2-L3-L4(lVb)
(式中、
L1が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L2が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L3が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L4が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式lVc
Y12-Y13-Trp-Leu-Asp-Phe(lVc)
(式中、
Y12が、Tyrである、又は存在せず、
Y13が、Glyである、又は存在しない)
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明は、
Zaが、式Va
His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Z9-Leu-Ser-Z12-Tyr-Leu-Glu-Z16-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-lle-Glu-Phe-Leu-Z27-Z28(Va)
(式中、
Z9が、Glu及びAspから選択され、
Z12が、Lys及びOrnから選択され、
Z16が、Glu及びLysから選択され、
Z27が、Lys及びOrnから選択され、
Z28が、Asn及びAspから選択される、又は存在しない)、
を有するペプチド配列であり、
Lが、式Vb
L1-L2-L3-L4(Vb)
(式中、
L1が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L2が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L3が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L4が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式Vc
Y12-Y13-Trp-Leu-Asp-Phe(Vc)
(式中、
Y12が、Tyrである、又は存在せず、
Y13が、Glyである、又は存在しない)
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0027】
さらに、本発明は、式Iのペプチド配列が1又は2以上の分子内架橋を含むペプチド複合体を供する。
【0028】
さらに、本発明は、分子内架橋が、3個のアミノ酸によって分離された、2つのアミノ酸残基の側鎖間に形成されている、式Iの線状アミノ酸配列のペプチド複合体を供する。
【0029】
特定の実施形態において、本発明は、分子内架橋が残基対xとx+3、x+4、x+5等の側鎖間に形成されている、ペプチド複合体を供する。
【0030】
他の特定の実施形態において、本発明は、分子内架橋がラクタム環である、ペプチド複合体を供する。
【0031】
さらなる特定の実施形態において、本発明は、分子内架橋が、
Z12がLysであり、Z16がGluである、
Z12がGluであり、Z16がLysである、
Z16がGluであり、Z20がLysである、
Z16がLysであり、Z20がGluである、
Z20がGluであり、Z24がLysである、
Z20がLysであり、Z24がGluである、残基対に関与する、ペプチド複合体を供する。
【0032】
本発明の他の態様にいおいて、式VI :
R1-X-L-Y-R2(VI)
(式中、
R1が、H、アルキル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチルであり、
R2が、OH又はNH2であり、
Xが、配列
His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号114)
を有するGLP-1(7-36)の配列、又はその類似体Xaを含み、
Lが、最大で4個の天然の又は非天然のアミノ酸又はそれらの組み合わせを含むリンカーである、又は存在せず、
Yが、
Gln-Gly-Pro-Trp-Leu-Glu-Glu-Glu-Glu-Glu-Ala-Tyr-Gly-Trp-Y15-Asp-Phe
(式中、Y15が、Leu、Nle、Phe及びThrから選択される)
配列を有するガストリン17の配列、又はその類似体Yaを含む)
を有するペプチド複合体を供する。
【0033】
一実施形態において、本発明は、
式中、
(i)Xaが、GLP-1の配列に関して、最大で5個の位置に置換を有する、且つ/又は1〜2個のアミノ酸C-末端の切断を含む、及び/又は、
(ii)Yaが、ガストリン17の配列に関して最大で5個の位置に置換を有する、且つ/又はガストリン17の配列に関して1〜13個のアミノ酸のN末端切断を含む、
ペプチド複合体を供する。
【0034】
他の実施形態において、本発明は、
Xaが、式Vlla
His-X8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-X26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-X34-Gly-X36(Vlla)
(式中、
X8が、Ala、Aib及びGlyから選択され、
X26が、Arg及びLysから選択され、
X34が、Arg及びLysから選択され、
X36が、Arg及びLysから選択される)
を有するペプチド配列であり、
Lが、式Vllb
L1-L2-L3-L4(Vllb)
(式中、
L1が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys、Glnから選択される、又は存在せず、
L2が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys、Glnから選択される、又は存在せず、
L3が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys、Glnから選択される、又は存在せず、
L4が、Ser、Ala、Lys、Orn、bAla、8Aoc、DBF、Peg3、Cys、Glnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式Vllc
Y1-Y2-Y3-Y4-Y5-Y6-Y7-Y8-Y9-Y10-Y11-Y12-Y13-Y14-Y15-Asp-Y17(Vllc)
(式中、
Y1が、Glnである、又は存在せず、
Y2が、Glyである、又は存在せず、
Y3が、Proである、又は存在せず、
Y4が、Trpである、又は存在せず、
Y5が、Leuである、又は存在せず、
Y6が、Gluである、又は存在せず、
Y7が、Gluである、又は存在せず、
Y8が、Gluである、又は存在せず、
Y9が、Gluである、又は存在せず、
Y10が、Gluである、又は存在せず、
Y11が、Alaである、又は存在せず、
Y12が、Ala、Tyrから選択される、又は存在せず、
Y13が、Gly、Alaから選択される、又は存在せず、
Y14が、Trp、Phe、1Nal及びMetから選択され、
Y15が、Leu、Nle、Phe及びThrから選択され、
Y17が、Phe及び3-(3-ピリジル)-アラニンから選択される)
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0035】
さらに他の実施形態において、本発明は、
Xaが、式Vllla
His-X8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-X26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-X34-Gly-X36(Vllla)
(式中、
X8が、Ala、Aib及びGlyから選択され、
X26が、Arg及びLysから選択され、
X34が、Arg及びLysから選択され、
X36が、Arg及びLysから選択さる)、
を有するペプチド配列であり、
Lが、式Vlllb
L1-L2-L3-L4(Vlllb)
(式中、
L1が、Peg3、Orn、Cys、Lys、Glnから選択される、又は存在せず、
L2が、Ser、Ala、Orn、Cys、Lys、Glnから選択される、又は存在せず、
L3が、Lys、Ala、Cys、Orn、Glnから選択される、又は存在せず、
L4が、Lys、Orn、Ala、Peg3、Cys、Lys、Glnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式Vlllc
Y12-Y13-Y14-Y15-Asp-Phe(Vlllc)
(式中、
Y12が、Tyr、Alaから選択される、又は存在せず、
Y13が、Gly、Alaから選択される、又は存在せず、
Y14が、Trp及びPheから選択され、
Y15が、Leu、Thr及びPheから選択される)
を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0036】
特定の実施形態において、本発明は、
Xaが、式IXa
His-X8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-X26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-X34-Gly-X36(IXa)
(式中、
X8が、Ala、Aib及びGlyから選択され、
X26が、Arg及びLysから選択され、
X34が、Arg及びLysから選択され、
X36が、Arg及びLysから選択される)
を有するペプチド配列であり、
Lが、式IXb
L1-L2-L3-L4(IXb)
(式中、
L1が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L2が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L3が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在せず、
L4が、Orn、Peg3、Cys、Lys及びGlnから選択される、又は存在しない)
を有するペプチド配列であり、
Yaが、式IXc
Y12-Y13-Trp-Leu-Asp-Phe(IXc)
(式中、
Y12が、Tyrである、又は存在せず、
Y13が、Glyである、又は存在しない)を有するペプチド配列である、ペプチド複合体を供する。
【0037】
さらに特定の実施形態において、本発明は、Lys又はCysの少なくとも1つが、さらに親油性置換基に結合されるペプチド複合体を供する。
【0038】
本発明のさらなる態様は、式:
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(1)
エキセンジン-4(1-39)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(2)
エキセンジン-4(1-39)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(3)
エキセンジン-4(1-39)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(4)
エキセンジン-4(1-39)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(5)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(6)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(7)
エキセンジン-4(1-39)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(8)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(9)
エキセンジン-4(1-39)-[Leu4]ガストリン6、(10)
エキセンジン-4(1-39)-K-[Leu4]ガストリン6、(11)
エキセンジン-4(1-39)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(12)
エキセンジン-4(1-39)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(13)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(14)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(15)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(16)
エキセンジン-4(1-39)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6、(17)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(18)
エキセンジン-4(1-28)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(19)
エキセンジン-4(1-28)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(20)
エキセンジン-4(1-28)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(21)
エキセンジン-4(1-28)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(22)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(23)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(24)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(25)
エキセンジン-4(1-28)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(26)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(27)
エキセンジン-4(1-28)-[Leu4]ガストリン6、(28)
エキセンジン-4(1-28)-K-[Leu4]ガストリン6、(29)
エキセンジン-4(1-28)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(30)
エキセンジン-4(1-28)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(31)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(32)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(33)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(34)
エキセンジン-4(1-28)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6、(35)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(36)
GLP-1(7-36)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(37)
GLP-1(7-36)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(38)
GLP-1(7-36)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(39)
GLP-1(7-36)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(40)
GLP-1(7-36)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(41)
GLP-1(7-36)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(42)
GLP-1(7-36)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(43)
GLP-1(7-36)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(44)
GLP-1(7-36)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(45)
GLP-1(7-36)-[Leu4]ガストリン6、(46)
GLP-1(7-36)-K-[Leu4]ガストリン6、(47)
GLP-1(7-36)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(48)
GLP-1(7-36)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(49)
GLP-1(7-36)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(50)
GLP-1(7-36)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(51)
GLP-1(7-36)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(52)
GLP-1(7-36)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6(53)
又は
GLP-1(7-36)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(54)
(式中、エキセンジン-4(1-39)、エキセンジン-4(1-28)及びGLP-1(7-36)ペプチド部分が、それぞれ共有結合で、そのC末端を介してそれぞれの結合体分子の残部に結合(すなわち、連結又は結合)されており、[Gln1、Leu15]ガストリン17及び[Leu4]ガストリン6のペプチド部分がそれぞれ共有結合で、そのN末端を介してそれぞれの結合体分子の残部に結合(すなわち、連結又は結合)されている)
を有するペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
【0039】
特定の態様において、本発明のペプチド複合体は、標準的な合成方法、組換え発現システムの使用、又は任意の他の適した方法によって製造できる。よって、複合体は、例えば、
(a)標準的な固相又は液相方法のいずれかによって段階的に、又はフラグメントアセンブリによってペプチド複合体を合成し、最終ペプチド複合体生成物を単離及び精製する工程、
(b)宿主細胞においてペプチド複合体をコードする核酸コンストラクトを発現させ、発現生成物を宿主細胞培養物から回収する工程、又は
(c)ペプチド複合体をコードする核酸コンストラクトの無細胞のインビトロ(in vitro)での発現を生じさせ、発現生成物を回収する工程、
を含む方法、又は(a)、(b)又は(c)の方法の任意の組み合わせを含む多くの態様によって合成し、ペプチド複合体の断片を得て、続いて断片を連結させ、ペプチド複合体を得て、ペプチド複合体を回収することができる。
【0040】
本発明のさらなる態様において、本発明は、本発明のペプチド複合体(遊離型又は医薬的に許容される塩又はその溶媒和物の形態)、及び本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を含む医薬組成物の投与を含む、様々な症状、疾患又は障害[糖尿病(1型及び2型)及び様々な糖尿病関連症状、疾患又は障害を含む]の治療方法を供する。
【0041】
特定の形態において、本発明のペプチド複合体はまた、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、糖尿病前症、絶食時グルコースレベルの上昇、1型及び/又は2型糖尿病、高血圧症及び/又は脂質異常症(又はこれら代謝リスク因子の組み合わせ)、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患及び脳卒中の治療のための医薬として有効となり得る。それはまた、体重増加の抑止、体重減少の促進、過剰体重の減少及び/又は病的肥満を含む肥満の治療(例えば、食欲、摂食、食物摂取、カロリー摂取、及び/又はエネルギー消費の制御によって)、及び肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患及び肥満誘発睡眠時無呼吸を含むがそれらに限定されない関連疾患、障害及び健康状態に有効となり得る。これら症状に対する本発明のペプチド複合体の効果は、体重への影響を介して全体的に又は部分的に媒介され得る、又はそれから独立し得る。
【0042】
本発明のさらなる態様は、以下の開示から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、マウスへの100 nmol/kgの静注及び皮下投与後の、時間に対する平均血漿濃度(log線状)を示す。A:化合物33、B: 化合物1。データは、平均± SD、n=3/データ点を表す。
図2図2は、マウスへの化合物33、74、76、77、78及び80の100 nmol化合物/kgの皮下投与後の、時間に対する平均血漿濃度(log線状)を示す。n=2/データ点。
図3図3は、(i)本発明の化合物1[エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、下記参照]の3つの濃度(1、10及び50 nmol/kg)、(ii)エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17ペプチドとの1:1のさらなる組み合わせの3つの対応する濃度(各ペプチド、1、10及び50 nmol/kg)及び(iii)ビヒクルの投与後のdb/db糖尿病マウスにおける総膵臓インスリン量(μg)のデータを表す。
図4図4は、マウスにおけるΔ-血糖を示す。データは、クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定を使用して分析した(***p<0.001)。化合物33、エキセンジン-4、エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17との組み合わせ、及びビヒクルの、それぞれの比較を表す(1群あたりn=16-19)。
図5図5は、マウスにおけるΔ-血漿インスリンを示す。データは、クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定を使用して分析した(***p<0.001)。化合物33、エキセンジン-4、エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17との組み合わせ、及びビヒクルの、それぞれの比較を表す(1群あたりn = 16-19)。
図6図6は、マウスの膵臓インスリン量を示す。データは、クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定を使用して分析した(**p <0.01)。化合物33、エキセンジン-4、エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17との組み合わせ、及びビヒクルの、それぞれの比較を表す(1群あたりn = 16-19)。
図7図7は、マウスのΔ-HbA1cを示す。データは、クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定を使用して分析した(**p<0.01、***p<0.001)。化合物33、エキセンジン-4、エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17の組み合わせ、及びビヒクルの、それぞれの比較を表す(1群あたりn = 16-19)。
図8図8は、マウスのΔ-血漿Cペプチドを示す。データは、クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定を使用して分析した(*p<0.05)。化合物33、エキセンジン-4、エキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17との組み合わせ、及びビヒクルの、それぞれの比較を表す(1群あたりn=16-19)。
図9図9は、db/dbマウスにおけるグルコース負荷後の曲線下面積(AUC)によって測定した、エキセンジン-4、リラグルチド又は化合物33のSC投与の、耐糖能への効果を示す。3つの投与計画:(A)予防、(B)治療、又は(C)休薬を適用した。データは、平均値及びSEMとして提供する(n=8-13/群)。統計: データは、2-way ANOVA、続いてボンフェローニのポストテストによって比較した(ビヒクルに対して、*p<0.05; **p<0.01 ; ***p<0.001)。
図10図10は、db/dbマウスにおける、8時間の絶食の血糖への、エキセンジン-4、リラグルチド又は化合物33のSC投与の効果を示す。3つの投与計画:(A)予防、(B)治療又は(C)休薬を適用した。データは、平均値及びSEMとして提供する(n=8-13/群)。統計: データは、2-way ANOVA、続いてボンフェローニのポストテストによって比較した(ビヒクルに対して、*p<0.05; "p<0.01; ***p<0.001)。
図11図11は、(A)血漿C-ペプチド、(B)血漿インスリン、又は(C)HbA1c(%)の終了時(93日目)の値への、エキセンジン-4、リラグルチド又は化合物33のSC投与効果を示す。データは、平均値及びSEMとして提供する(n=8-13/群)。統計: データは、1-way ANOVA クラスカル−ウォリス検定、続いてダンネットの多重比較検定によって比較した(ビヒクルに対して、***p<0.001、**p<0.01、*p<0.05)。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の詳細な説明
上述の通り、本発明の一態様は、式:
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(1)
エキセンジン-4(1-39)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(2)
エキセンジン-4(1-39)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(3)
エキセンジン-4(1-39)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(4)
エキセンジン-4(1-39)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(5)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(6)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(7)
エキセンジン-4(1-39)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(8)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(9)
エキセンジン-4(1-39)-[Leu4]ガストリン6、(10)
エキセンジン-4(1-39)-K-[Leu4]ガストリン6、(11)
エキセンジン-4(1-39)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(12)
エキセンジン-4(1-39)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(13)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(14)
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(15)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(16)
エキセンジン-4(1-39)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6、(17)
エキセンジン-4(1-39)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(18)
エキセンジン-4(1-28)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(19)
エキセンジン-4(1-28)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(20)
エキセンジン-4(1-28)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(21)
エキセンジン-4(1-28)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(22)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(23)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(24)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(25)
エキセンジン-4(1-28)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(26)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(27)
エキセンジン-4(1-28)-[Leu4]ガストリン6、(28)
エキセンジン-4(1-28)-K-[Leu4]ガストリン6、(29)
エキセンジン-4(1-28)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(30)
エキセンジン-4(1-28)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(31)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(32)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(33)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(34)
エキセンジン-4(1-28)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6、(35)
エキセンジン-4(1-28)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(36)
GLP-1(7-36)-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(37)
GLP-1(7-36)-K-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(38)
GLP-1(7-36)-AAA-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(39)
GLP-1(7-36)-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(40)
GLP-1(7-36)-Peg3-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(41)
GLP-1(7-36)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(42)
GLP-1(7-36)-8Aoc-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(43)
GLP-1(7-36)-DBF-SKK-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(44)
GLP-1(7-36)-8Aoc-8Aoc-[Gln1、Leu15]ガストリン17、(45)
GLP-1(7-36)-[Leu4]ガストリン6、(46)
GLP-1(7-36)-K-[Leu4]ガストリン6、(47)
GLP-1(7-36)-AAA-[Leu4]ガストリン6、(48)
GLP-1(7-36)-SKK-[Leu4]ガストリン6、(49)
GLP-1(7-36)-Peg3-SKK-[Leu4]ガストリン6、(50)
GLP-1(7-36)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6、(51)
GLP-1(7-36)-8Aoc-SKK-[Leu4]ガストリン6、(52)
GLP-1(7-36)-DBF-SKK-[Leu4]ガストリン6(53)又は
GLP-1(7-36)-8Aoc-8Aoc-[Leu4]ガストリン6、(54)
(式中、エキセンジン-4(1-39)、エキセンジン-4(1-28)及びGLP-1(7-36)のペプチド部分のそれぞれが、結合体分子の残部にそのC末端を介して共有結合され、[Gln1、Leu15]ガストリン17及び[Leu4]ガストリン6のペプチド部分のそれぞれが、結合体分子の残部にそのN末端を介して共有結合される)
を有するペプチド複合体、
又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、に関する
【0045】
さらなる態様において、本発明は、式:
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu3]ガストリン5(55)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Ala1、Leu4]ガストリン6(56)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Ala2、Leu4]ガストリン6(57)
エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(58)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu2]ガストリン4(59)
[Leu14]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(60)
[Orn12]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(61)
[Orn27]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(62)
[Phe25]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン663)
[Asp28]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(64)
[Tyr13]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(65)
[Orn20]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(66)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(67)
エキセンジン-4(1-28)-[Leu4]ガストリン6(68)
エキセンジン-4(1-27)-[Leu4]ガストリン11(69)
エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(70)
エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu3]ガストリン5(71)
エキセンジン-4(1-26)-Peg3-[Leu3]ガストリン5(72)
エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu2]ガストリン4(73)
[Tyr13、Leu14]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(74)
[Tyr13、Phe25]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(75)
[Leu14、Phe25]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(76)
[Tyr13、Leu14、Phe25]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(77)
側鎖-シクロ([Lys12、Glu16]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(78)
側鎖-シクロ([Glu16、Lys20]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(79)
側鎖-シクロ([Lys20、Glu24]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(80)
[Lys16]エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(81)
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-K-Peg3-[Leu4]ガストリン6(82)
エキセンジン-4(1-28)-[Thr4]ガストリン6(83)
エキセンジン-4(1-28)-[Phe4]ガストリン6(84)
[Leu14]エキセンジン-4(1-28)-[1Nal3、Leu4]ガストリン6(85)
[Leu14]エキセンジン-4(1-28)-[Nle4]ガストリン6(86)
[Leu14]エキセンジン-4(1-28)-[Leu4、[3-(3-ピリジル)-Ala]6]ガストリン6(87)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(88)
[Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4、Phe3]ガストリン6(89)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Peg3-[Leu4、Phe3]ガストリン6(90)
[Arg27、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(91)
[Arg12、27、Leu14、Lys16、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(92)
[Arg12、27、Leu14、Lys20、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(93)
[Arg12、27、Leu14、Lys24、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(94)
[Arg12、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(95)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-[Leu2]ガストリン4(96)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu2]ガストリン4(97)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Orn-Peg3-[Leu2]ガストリン4(98)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Orn-[Leu2]ガストリン4(99)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Orn-Orn-[Leu2]ガストリン4(100)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-[Leu4]ガストリン6(101)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-[Leu4]ガストリン6(102)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Orn-Peg3-[Leu4]ガストリン6(103)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Peg3-Orn-[Leu4]ガストリン6(104)
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-Orn-Orn-[Leu4]ガストリン6(105)
[Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)34]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(106)
[Arg34、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)26]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(107)
[Arg26、34、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)36]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(108)
[Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)26]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(109)
[Arg26、34、Gly8、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)36]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(110)
[Aib8、Arg34、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)26]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(111)
[Aib8、Arg34]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(112)
[Arg34]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(113)、
を有するペプチド複合体、又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0046】
様々なペプチド部分に関する慣用及び広範囲に使用される略号/名称[すなわち、エキセンジン-4(1-39)、エキセンジン-4(1-28)及びGLP-1(7-36)]を利用して記載される本発明のペプチド複合体に関する上記の式は、次の通り従来の全アミノ酸配列(太字で強調されたリンカー部分を有する)形態で記載できる:
【0047】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0048】
(式中、略号Peg3、8Aoc、DBF、1Nal、bAla、Orn、DPR、Dbu、Gaba及びAibは、次の非天然に生じるアミノ酸部分表す:
Peg3: -NH-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-C(O)-(8-アミノ-3、6-ジオキサオクタン酸に由来)、
8Aoc: -NH-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-C(O)-(8-アミノオクタン酸に由来)l、
DBF:
【化1】
[4-(2-アミノエチル)-6-ジベンゾフランプロパン酸に由来]、
1Nal: 1-ナフチルアラニン
bAla: ベータ-アラニン
Gaba: γ-アミノブタン酸
Aib: a-アミノ-イソブタン酸
Dbu: ジアミノブタン酸
DPR: ジアミノプロピオン酸
Orn: オルニチン
【0049】
よって、本発明のペプチド複合体におけるリンカー部分の配向に関して、リンカー部分-Peg3-Peg3-は、例えば、化学部分、
-NH-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-C(O)-NH-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-C(O)-、
を指定する。
リンカー部分の左側の-NH-....部分は、ペプチド複合体のエキセンジン-4-又はGLP-1-由来の部分に共有結合で結合され、リンカー部分の右側の...-C(O)-部分は、ペプチド複合体のガストリン由来の部分に結合される。
【0050】
残りの特定のリンカー部分に関して、-K-は、リジンアミノ酸残基を指定し、-AAA-は、-Ala-Ala-Ala-トリペプチド残基を指定し、-SKK-は、-Ser-Lys-Lys-トリペプチド残基を指定する。
【0051】
上記の本発明のペプチド複合体の一部において、GLP-1(7-36)ペプチド配列部分は、ヒトGLP-1(hGLP-1)配列に由来する又はその類似体であることと理解されたい。
【0052】
上記の本発明のペプチド複合体の他の一部において、エキセンジン-4(1-39)ペプチド配列部分は、アメリカドクトカゲのエキセンジン-4配列に由来する又はその類似体であることと理解されたい。
【0053】
同様に、複合体中の[Gln1、Leu15]ガストリン17及び[Leu4]ガストリン6部分は、ヒトガストリンに由来する。
【0054】
配列番号1は化合物1と同等であり、配列番号2は化合物2と同等である、等と理解されたい。
【0055】
上記のペプチド複合体1-54はそれぞれ、すなわち、化合物1又は化合物2又は化合物3...(最大で化合物54)、以下に開示されるさらなるペプチド複合体55-113(実施例2の表2及び3を参照)のそれぞれ、すなわち、化合物55又は化合物56...(最大で化合物113)、或いはそれらの医薬的に許容される塩又は溶媒和物は、さらに、本発明の個々の態様を構成することと理解できる。
【0056】
本発明に関して、アミノ酸はそのフルネーム(例えば、アラニン、アルギニン等)で呼ばない限り、慣用の3文字及び/又は1文字の略号(例えば、アラニンに関してAla又はA、アルギニンに関してArg又はR、等)によって指定される。
【0057】
本明細書中で用語「ペプチド複合体」とは、第一のペプチド部分が、第二のペプチド部分へ共有結合性化学結合によって、直接的に又はリンキング(すなわち、架橋形成又はスペーシング)化学部分を介して結合(すなわち、結合又は連結)された分子を意味する。
【0058】
本発明の化合物は、ペプチド配列内に1又は2以上の分子内のラクタム架橋を保有しうる。表2に列記される化合物(接頭語「側鎖シクロ」によって言及される)におけるこれらの架橋はそれぞれ、カルボン酸を含む側鎖とアミンを含む他の側鎖との間に形成されている。2つのアミノ酸残基は、典型的には線状配列の3個のアミノ酸によって分離される。
【0059】
本発明のペプチド複合体において、エキセンジン-4又はZaは、天然のエキセンジン-4と少なくとも75%、例えば、少なくとも80、85、90又は95%同一性を有することができる。
【0060】
本発明のペプチド複合体において、ガストリン又はYaは、天然のガストリンと少なくとも70%、例えば、少なくとも75、80、85、90又は95%同一性を有することができる。本発明のペプチド複合体において、GLP-1又はXaは、天然のGLP-1と少なくとも85%、例えば、少なくとも90又は95%同一性を有することができる。
【0061】
一実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、5152、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112及び113のいずれか1つで説明されるアミノ酸配列、又はシグナル配列と共に又はそれなしに、1又は2以上のシステイン残基の他の残基、例えばセリン等との置換と共に又はそれなしに、そして長さで少なくとも2個のアミノ酸のその近接セグメントと共に又はそれなしに、斯かる列記される配列の1又は2以上と少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%同一であるそれらの機能性断片/変異体、或いは列記の配列の1又は2以上と比較して多くて20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換を有するそれらの機能性断片/変異体を含むことができる。
【0062】
実施形態において、本発明のポリペプチドは、(i)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、5152、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112及び113のいずれか1つ、又はその一部分と少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を共有する、又は(ii)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、5152、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112及び113のいずれか1つの、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59又は60個の近接アミノ酸を含む、或いは(iii)i 及びiiの双方を満たす。
【0063】
本明細書中の用語「医薬的に許容される塩」(本発明のペプチド複合体の医薬的に許容される塩)とは、斯かる塩が投与される患者又は対象に有害でない塩を示すことを目的とする。適宜、例えば、酸付加塩及び塩基性塩から選択される塩とすることができる。酸付加塩の例は、塩化物塩、クエン酸塩及び酢酸塩を含む。塩基性塩の例は、カチオンが、例えば、ナトリウム又はカリウムイオン等のアルカリ金属カチオン、例えば、カルシウム又はマグネシウムイオン等のアルカリ土類金属カチオン、及び例えば、N(R1)(R2)(R3)(R4+型のイオン等の置換アンモニウムイオンから選択され、R1、R2、R3及びR4が独立して、典型的には水素を指定する、任意には置換C1-6-アルキル又は任意には置換C2-6-アルケニルを指定する塩を含む。当該C1-6-アルキル基の例は、メチル、エチル、1-プロピル及び2-プロピル基を含む。可能性のある当該C2-6-アルケニル基の例は、エテニル、1-プロペニル及び2-プロペニルを含む。他の医薬的に許容される塩の例は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第17版、Alfonso R. Gennaro(Ed.)、Mark Publishing Company、Easton、PA、USA、1985(及びさらにその最近の版)、「Encyclopaedia of Pharmaceutical Technology」、第3版、James Swarbrick(Ed.)、Informa Healthcare USA(Inc.)、NY、USA、2007、及びJ. Pharm. Sci. 66: 2(1977)に記載される。
【0064】
本明細書中で用語「溶媒和物」とは、溶質(本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩)と溶媒との間で形成された規定の化学量論量の複合体を意味する。これに関して溶媒は、例えば、水、エタノール又は他の医薬的に許容される、典型的には低分子有機種、例えば、酢酸又は乳酸等とすることができるがそれらに限定されない。溶媒が水の場合、これらの溶媒和物は通常水和物と呼ばれる。
【0065】
本発明の他の態様は、医薬としての使用のための本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩に関する。さらなる態様において、当該医薬は、次の1又は2以上の疾患又は障害及び関連症状の治療における、それを必要とする対象での使用のための医薬である。
【0066】
1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病前症、インスリン抵抗性症候群、耐糖能障害(IGT)、血糖値上昇と関連する疾患状態、高血糖症、高血圧症、アテローム性脂質異常症、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症)、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、細小血管障害、胃疾患、メタボリックシンドローム、癌(例えば、結腸癌)、炎症性腸疾患(IBD)及び過敏性腸症候群(IBS)。
【0067】
これに関して、さらなる可能性のある関連の疾患又は障害は、肥満、病的肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患及び肥満誘発睡眠時無呼吸を含む。
【0068】
さらなる態様において、医薬は、膵島新生を誘発することにおける(例えば、膵臓の島における新たなβ細胞の形成の促進のための)、それを必要とする対象における使用のための医薬である。
【0069】
さらなる態様において、医薬は、膵島におけるβ細胞の生存を誘発すること(例えば、膵島のβ細胞の喪失を防止すること)における、それを必要とする対象における使用のための医薬である。
【0070】
さらに他の態様において、医薬は、膵島のβ細胞アポトーシスを防止すること(例えば、膵島のβ細胞の喪失を防止すること)における、それを必要とする対象における使用のための医薬である。
【0071】
さらなる態様において、医薬は、それを必要とする対象における、血中のヘモグロビンb1Ac(グリコシル化ヘモグロビン、HbA1c)レベルの低下における使用のための医薬である。
【0072】
本発明のさらなる態様は、それを必要とする対象における、次の1又は2以上の症状、疾患又は障害の治療のための医薬の製造における本発明のペプチド複合体の使用に関する。
【0073】
1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病前症、インスリン抵抗性症候群、耐糖能障害(IGT)、疾患状態と関連する血糖値上昇、高血糖症、高血圧症、アテローム性脂質異常症、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症)、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、細小血管障害、胃疾患、メタボリックシンドローム、癌(例えば、結腸癌)、炎症性腸疾患(IBD)及び過敏性腸症候群(IBS)。
【0074】
本発明のペプチド複合体は、
必要とする対象における膵島新生を誘発するための医薬の製造、
必要とする対象における膵島におけるβ細胞アポトーシスを防止するための医薬の製造、又は
それを必要とする対象の血中のヘモグロビンb1Ac(グリコシル化ヘモグロビン、HbA1c)レベルの低下のための医薬の製造、
においてさらに使用できる。
【0075】
関連する、本発明のさらなる態様は、上記の症状、疾患又は障害の対応した治療方法である。よって、本発明のこれらのさらなる1つの態様は、次の1又は2以上の疾患又は障害の治療のための、それを必要とする対象における方法に関する。
【0076】
1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病前症、インスリン抵抗性症候群、耐糖能障害(IGT)、疾患状態と関連する血糖値上昇、高血糖症、高血圧症、アテローム性脂質異常症、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症)、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、細小血管障害、胃疾患、メタボリックシンドローム、癌(例えば、結腸癌)、炎症性腸疾患(IBD)及び過敏性腸症候群(IBS)。
当該方法は、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0077】
また、本発明の治療方法に関して可能性のある関連のさらなる症状、疾患又は障害は、肥満、病的 肥満、肥満関連 炎症、肥満関連 胆嚢疾患及び肥満誘発 睡眠時無呼吸を含む。
【0078】
本発明のさらなる態様は、膵島新生を誘発するための、それを必要とする対象における方法に関し、斯かる方法は、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0079】
本発明のさらなる態様は、膵島のβ細胞の生存の促進のための、それを必要とする対象における方法に関し、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩または溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0080】
本発明のさらなる態様は、膵島においてβ細胞アポトーシスを減少又は防止するための、それを必要とする対象における方法に関し、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩または溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0081】
本発明の他の態様は、必要とする対象の血中ヘモグロビンb1Ac(グリコシル化ヘモグロビン、HbA1c)レベルの低下のための方法に関し、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩または溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0082】
本発明のさらなる態様は、以下の方法に関する。
血糖値上昇と関連する疾患状態の治療のための、それを必要とする対象における方法、
血糖値を低下させるための、それを必要とする対象における方法、
インスリン放出を刺激するための、それを必要とする対象における方法、
胃内容排出を制御するための、それを必要とする対象における方法、及び
血漿脂質レベルを低下するための、それを必要とする対象における方法。
【0083】
本発明のこれらの方法のそれぞれにおいて、方法は、本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩または溶媒和物の治療上有効量を対象へ投与する工程を含む。
【0084】
本発明の治療又は他の治療介入の上記の方法に関して使用される用語「治療上有効量」とは、治療又は他の治療介入の対象である特定の疾患、障害又は症状の臨床症状の治療、改善、緩和又は部分的な抑止に十分な量を意味する。この達成に適した量は、治療上有効量として定義される。投与される量及び投与方法は、最適な効果を達成するために適合させることができる。所定の目的に効果のある量は、とりわけ、特定の治療又は他の治療介入の対象である疾患、障害又は症状の重症度、対象の体重及び通常の症状、食事、可能性のある併用薬物、及び医学分野の当業者に周知の他の因子次第であろう。本発明のペプチド複合体又はその医薬的に許容される塩または溶媒和物のヒトへの投与のための適した用量サイズ及び最も適した投与計画の決定は、本発明によって得られる結果によってガイドすることができ、適切に設計された臨床試験において確認できる。有効な投与量及び治療プロトコールは、実験動物において効果をモニタリングしながら低用量で開始し続いて投与量を増加し、さらに系統的に投与計画を変化させる慣用の手段によって決定できる。特定の対象に最適な投与量を決定する場合に、臨床医は多数の因子を考慮に入れることができる。このような考慮は、当業者に周知である。
【0085】
本願で使用される用語「治療」及びその文法上の変形(例えば、「治療され」、「の治療」、「治療すること」)は、有益な又は目的の臨床結果を得るためのアプローチを意味する。本発明の目的のために、有益又は目的の臨床結果は、検出可能又は検出不可能な(一部又は全ての)、症状の軽減、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化でない)、疾患進行の遅延又は緩徐、疾患状態の寛解又は緩和、及び鎮静を含むが、それらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けない場合に予期される生存時間と比較した生存の延長を意味することができる。一部の実施形態において「治療」とは、症状、疾患又は障害の病態の進行を防止すること、又は変化させることを意図して行われる介入とすることができる。従って、「治療」とは、治療介入又は予防又は防止処置共に意味することができる。治療を必要とする対象(例えば、ヒト)は、よって、既に疾患又は障害に罹患している対象、又は障害が阻止されるべき対象とすることができる。用語「治療」とは、よって、未治療と比較した病理的状態又は症状の重症度(例えば、体重増加又は高血糖症)の増大の抑制又は低下を含み、必ずしも関連疾患、障害又は症状の完全な休止を示すことを意味しない。
【0086】
本明細書中で使用される用語「作動薬」とは、対象の受容体型を活性化する物質(リガンド)を意味する。
【0087】
本明細書中で使用される用語「GLP-1受容体作動薬」(時折、他に「GLP-1作動薬」)とは、GLP-1受容体、例えば、ヒトGLP-1受容体等を活性化する物質(リガンド)を意味する。ヒトGLP-1受容体を活性化する物質は、天然のGLP-1ペプチドホルモンGLP-1(7-37)、GLP-1(7-36)アミド、オキシントモジュリン、エキセンジン-3、エキセンジン-4、グルカゴン、胃阻害ポリペプチド(GIP)、及び機能性ペプチド類似体及びそれらの誘導体を含む。
【0088】
本明細書中で使用される用語「拮抗剤」とは、受容体型に向かって作動薬として機能する、他の物質(リガンド)の効果を遮断、中和又は相殺する物質(リガンド)を意味する。
【0089】
本明細書中で、上記の本発明の様々な態様に関連して言及される特定の治療又は他の治療介入を必要とする対象は、好適には、哺乳類、及びより詳細には、ヒトである。
【0090】
本発明のさらなる態様は、医薬的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルと共に、本発明のペプチド複合体、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
【0091】
ペプチド複合体の合成
本発明のペプチド複合体は、標準的な合成方法、組換え発現系の使用、又は任意の他の適した方法によって製造できる。よって、複合体は、例えば、
(a)標準的な固相又は液相方法のいずれかによって段階的に、又はフラグメントアセンブリによってペプチド複合体を合成し、最終ペプチド複合体生成物を単離及び精製する工程;
(b)ペプチド複合体をコードする核酸コンストラクトを宿主細胞で発現し、宿主細胞培養物から発現生成物を回収する工程、又は
(c)ペプチド複合体をコードする核酸コンストラクトを無細胞のインビトロ(in vitro)で発現させ、発現生成物を回収する工程、
を含む方法、又は(a)、(b)又は(c)の方法の任意の組み合わせを含む多数の態様によって合成し、ペプチド複合体の断片を得て、続いて断片を連結させ、ペプチド複合体を得て、ペプチド複合体を回収することができる。
【0092】
多くの場合、固相又は液相ペプチド合成によって本発明の複合体を合成することが好ましい。これに関して、国際公開第98/11125号、とりわけ、Synthetic Peptides, Gregory A. Grant(ed.)、Oxford University Press(2nd edition、2002)中の、Fields、G.B.等の「Principles and Practice of Solid-Phase Peptide Synthesis」、及びその中の合成実施例が参考文献となり得る。
【0093】
本発明の化合物中の1又は2以上のアミノ酸側鎖は、親油性置換基へさらに結合されてよい。親油性置換基は、アミノ酸側鎖の原子に共有結合で結合させることができる、或いはスペーサーによってアミノ酸側鎖に自然に結合され得る。アミノ酸は、ペプチドZの一部、又はペプチドYの一部とすることができる。
【0094】
理論に制約されることを望むことなく、血流において親油性置換基がアルブミンを結合し、これにより、化合物の半減期を短縮し得る酵素分解から本発明の化合物を遮蔽することが考えられる。スペーサーが存在する場合、スペーサーは化合物と親油性置換基との間にスペーシングを供するために使用される。
【0095】
親油性置換基は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド又はスルホンアミドを介してアミノ酸側鎖又はスペーサーに結合することができる。従って、好適には、親油性置換基は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド又はスルホンアミドの一部を形成するアシル基、スルホニル基、N原子、O原子又はS原子を含むと理解されたい。
【0096】
好適には、親油性置換基中のアシル基は、アミノ酸側鎖又はスペーサーを有するアミド又はエステルの一部を形成する。
【0097】
親油性置換基は、4〜30個のC原子を有する炭化水素鎖を含むことができる。好適には、それは少なくとも8又は12個のC原子、好適には、24個以下のC原子、又は20個以下のC原子を有する。炭化水素鎖は、線状又は分岐状とすることができ、飽和又は不飽和とすることができる。炭化水素鎖は、好適には、アミノ酸側鎖又はスペーサーへの結合の一部を形成する部分、例えば、アシル基、スルホニル基、N原子、O原子又はS原子と置換されるものと理解されたい。最も好適には、炭化水素鎖は、アシルで置換され、従って、炭化水素鎖はアルカノイル基、例えば、パルミトイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル又はステアロイルの一部とすることができる。
【0098】
従って、親油性置換基は、以下に示す式:
【化2】
を有することができる。
【0099】
Aは、例えば、アシル基、スルホニル基、NH、N-アルキル、O原子又はS原子、好適には、アシルとすることができる。nは、3〜29、好適には、少なくとも7又は少なくとも11、好適には、23以下、より好適には、19以下の整数である。
【0100】
炭化水素鎖は、さらに置換ができる。例えば、NH2、OH及びCOOHから選択される、最大で3つの置換基でさらに置換ができる。炭化水素鎖がさらに置換される場合、好適には、1つの置換基のみでさらに置換される。あるいは、又はさらに、炭化水素鎖は、シクロアルカン又はヘテロシクロアルカン、例えば、以下に示す:
【化3】
を含むことができる。
【0101】
好適には、シクロアルカン又はヘテロシクロアルカンは、六員環である。最も好適には、ピペリジンである。
【0102】
あるいは、親油性置換基は、シクロペンタノフェナントレン骨格に基づくことができ、部分的に又は完全に不飽和、又は飽和とすることができる。骨格の炭素原子はそれぞれ、Me又はOHで置換できる。例えば、親油性置換基は、コリル、デオキシコリル又はリトコリルとすることができる。
【0103】
上記の通り、親油性置換基は、スペーサーによってアミノ酸側鎖に結合され得る。スペーサーが存在する場合、スペーサーは親油性置換基及びアミノ酸側鎖に結合される。スペーサーは、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド又はスルホンアミドによって、親油性置換基及びアミノ酸側鎖に独立して結合することができる。従って、それは、アシル、スルホニル、N原子、O原子又はS原子から独立して選択される2つの部分を含むことができる。スペーサーは、式:
【化4】
(式中、
B及びDが、アシル、スルホニル、NH、N-アルキル、O原子又はS原子、好適には、アシル及びNHからそれぞれ独立して選択される)を有することができる。好適には、nは、1〜10、好適には、1〜5の整数である。スペーサーは、C0-6アルキル、C0-6アルキルアミン、C0-6アルキルヒドロキシ及びC0-6アルキルカルボキシから選択される1又は2以上の置換基でさらに置換できる。
【0104】
あるいは、スペーサーは、上記式の2つ又は3つ以上の繰り返し単位を有することができる。B、D及びnは、各繰り返し単位に関してそれぞれ独立して選択される。隣接の繰り返し単位は、それぞれのB及びD部分を介して互いに共有結合で結合することができる。例えば、隣接の繰り返し単位のB及びD部分は、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド又はスルホンアミドから一緒に形成することができる。スペーサーの各末端の遊離のB及びD単位は、上記の通りアミノ酸側鎖及び親油性置換基に結合される。
【0105】
好適には、スペーサーは、5以下、4以下又は3以下の繰り返し単位を有する。最も好適には、スペーサーは、2つの繰り返し単位を有する、又は単位の単位である。
【0106】
スペーサー(又は繰り返し単位を有する場合、スペーサーの繰り返し単位の1又は2以上)は、例えば、天然の又は人工のアミノ酸とすることができる。機能性側鎖を有するアミノ酸に関して、B及び/又はDはアミノ酸の側鎖内の一部分とすることができると理解されたい。スペーサーは、任意の天然に生じる又は人工のアミノ酸とすることができる。例えば、スペーサー(又は繰り返し単位を有する場合、スペーサーの繰り返し単位の1又は2以上)は、Gly、Pro、Ala、Val、Leu、He、Met、Cys、Phe、Tyr、Trp、His、Lys、Arg、Gln、Asn、α-Glu、γ-Glu、Asp、Ser Thr、Gaba、Aib、bAla、5-アミノペンタノイル、6-アミノヘキサノイル、7-アミノヘプタノイル、8-アミノオクタノイル、9-アミノノナノイル又は10-アミノデカノイルとすることができる。
【0107】
例えば、スペーサーは、γ-Glu、Gaba、b-Ala及びα-Glyから選択される単一アミノ酸とすることができる。
【0108】
親油性置換基は、本発明の化合物の任意のアミノ酸側鎖に結合することができる。好適には、アミノ酸側鎖は、スペーサー又は親油性置換基とエステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミド又はスルホンアミドを形成するためのカルボキシ、ヒドロキシル、チオール、アミド又はアミン基を含む。例えば、親油性置換基は、Asn、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Tyr、Trp、Cys又はDbu、Dpr又はOrnに結合され得る。好適には、親油性置換基は、Lys又はCysに結合される。しかしながら、本明細書中で供される式でLysとして示される任意のアミノ酸は、親油性置換基が付加されたDbu、Dpr又はOrnで置換することができる。
【0109】
親油性置換基及びスペーサーの例を、以下の式に示す。
【化5】
【0110】
ここで、本発明の化合物(例えば、X)由来のLysは、アミド部分を介してγ-Glu(スペーサー)に共有結合で結合される。パルミトイルは、アミド部分を介してγ-Gluスペーサーに共有結合で結合される。
【0111】
あるいは、又はさらに、本発明の化合物の1又は2以上のアミノ酸側鎖は、例えば、インビボ(in vivo)(例えば、血漿中)の溶解性及び/又は半減期及び/又は生物学的利用能を増大するために重合体部分に結合され得る。このような修飾はまた、治療タンパク質及びペプチドのクリアランス(例えば、腎クリアランス)を低下することも知られている。
【0112】
重合体部分は、好適には、水可溶性(両親媒性又は親水性)、無毒性、及び医薬的に不活性である。適した重合体部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGのホモ-又はコポリマー、PEGのモノメチル置換ポリマー(mPEG)、又はポリオキシエチレングリセロール(POG)を含む。例えば、Int. J. Hematology 68:1(1998)、Bioconjugate Chem. 6:150(1995);及びCrit. Rev. Therap. Drug Carrier Sys. 9:249(1992)を参照されたい。
【0113】
他の適した重合体部分は、ポリアミノ酸、例えば、ポリリジン、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸等を含む(例えば、Gombotz、et al.(1995)、Bioconjugate Chem.、vol. 6 : 332-351 ; Hudecz、et al.(1992)、Bioconjugate Chem.、vol. 3、49-57; Tsukada、et al.(1984)、J. Natl. Cancer I nst. 、vol 73、: 721 -729;及びPratesi、et al.(1985)、Br. J. Cancer、vol. 52: 841-848を参照されたい)。
【0114】
重合体部分は、直鎖又は分岐鎖とすることができる。それは、500-40000Da、例えば、500-10000Da、1000-5000Da、10000-20000Da、又は20000-40000Daの分子量を有することができる。
【0115】
化合物は、2又は3つ以上のそのような部分を含むことができ、この場合、そのような部分全ての総分子量は通常上記範囲内である。
【0116】
重合体部分は、アミノ酸側鎖のアミノ、カルボキシル又はチオール基に(共有結合によって)結合することができる。好ましい例は、Cys残基のチオール基及びLys残基のイプシロンアミノ基、及びAsp及びGlu残基のカルボキシル基もまた使用できる。
【0117】
当業者のリーダーは、カップリング反応を行うために使用できる適した技術を熟知するであろう。例えば、メトキシ基を運ぶPEG部分は、Nektar Therapeutics AL.から市販の試薬を使用してマレイミド結合によってCysチオール基に結合することができる。適する化学の詳細に関して、国際公開第2008/101017号、及び上記の参考文献もまた参照されたい。
【0118】
治療的使用
以下において、本発明のペプチド複合体の使用への言及は、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物の使用もまた含むことと理解されたい。
【0119】
本発明のペプチド複合体は、代謝性疾患又は障害、特に1型及び/又は2型糖尿病を含む糖尿病、及びおそらく肥満に関して魅力的な治療選択肢を供することができる。
【0120】
糖尿病は、インスリン分泌、インスリン作用、又は双方の欠如から生じる高血糖症を特徴とする代謝性疾患の群を含む。糖尿病の急性徴候は、過剰な尿生成、それにより生じる代償性口渇及び水分摂取の増加、かすみ目、不明の体重減少、傾眠、及びエネルギー代謝における変化を含む。糖尿病の慢性の高血糖症は、長期損傷、機能障害、及び場合により、最終的に様々な器官、特定に眼(特に、糖尿病性網膜症の形態)、腎臓(糖尿病性腎障害の形態)、神経(糖尿病性神経障害の形態)、心血管の不全につながり得る大血管及び微小血管合併症と関連する。糖尿病は、病原特性に基づき、3つのクラス、すなわち、1型糖尿病、2型糖尿病及び妊娠性糖尿病に細分できる。
【0121】
1型糖尿病は、全糖尿病症例の5-10%を占め、インスリン分泌膵臓β細胞の自己免疫破壊によって生じる。
【0122】
2型糖尿病は、糖尿病症例の90-95%を占め、代謝性障害の複合体セットの結果である。2型糖尿病は、内因性のインスリン産生及び/又は診断閾値以下の血漿中のグルコースレベルの維持に不十分な全身インスリン感受性に起因する。
【0123】
妊娠性糖尿病は、妊娠中に確認されるグルコース不耐性の任意の程度を意味する。
【0124】
糖尿病前症として知られる症状もまた、認識される。それは、例えば、空腹時血中ブドウ糖不良及び耐糖能障害を含み、通常血糖値が上昇しているが、糖尿病に関する臨床診断に設定されるレベル以下の場合に生じる状態を意味する。
【0125】
2型糖尿病及び糖尿病前症に罹患する対象の大部分は、腹部肥満(腹腔内器官周囲の過剰な脂肪組織)、アテローム性脂質異常症(動脈壁中のプラークの発達を助長する、高トリグリセリドレベル、低HDLコレステロールレベル及び/又は高LDLコレステロールレベルを含む血中脂肪障害)、血圧上昇(高血圧症)、血栓形成促進性状態(例えば、血中の高いフィブリノーゲン又はプラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1のレベル)、及び炎症誘発性状態(例えば、血中のC反応性タンパク質レベルの上昇)を含むさらなる代謝リスク因子の高有病率に起因する罹患率及び死亡率のリスク増大状態にある。
【0126】
一方、肥満は、例えば、糖尿病前症、2型糖尿病、特定の型の癌、閉塞性睡眠時無呼吸及び胆嚢疾患の進行するリスクの増大を供する。
【0127】
脂質異常症は、心血管疾患のリスクの増大と関連する。血漿HDL濃度とアテローム硬化性疾患のリスクとの間に逆相関が存在するので、高密度リポタンパク質(HDL)は臨床上重要である。アテローム硬化性プラークに蓄積されるコレステロールの主要部分は、低密度リポタンパク質(LDL)から生じ、よってLDLの濃度の上昇は密接にアテローム性動脈硬化症と関連する。使用したパラメータであるHDL/LDL比は、アテローム性動脈硬化症、特に、冠血管アテローム性動脈硬化症の臨床上のリスクを評価する。
【0128】
特定の理論に束縛されることなく、本発明のペプチド複合体は予想外に観察される活性が、個々のペプチド成分の対応の添加的(非結合の)組み合わせを利用した場合に観察されるものより顕著に高くなり得るという態様で、GLP-1受容体作動薬の生理的効果と上記のガストリンペプチドの効果とを組み合わせることができたように思われる。従って、本発明のペプチド複合体は、糖尿病前症、糖尿病(特に、1型及び/又は2型糖尿病)及び糖尿病関連症状、例えば、上記の疾患又は障害、膵島β細胞形成(島新生)を促進する治療を含む治療、血糖濃度の制御に関して有益となり得るそれによるインスリン産生において、特定の利点を有するように思われる。よって本発明のペプチド複合体は、とりわけ、1型及び/又は2型糖尿病の疾患進行の制限又は抑止において価値を有し得る。
【0129】
本発明のペプチドは、膵島のβ細胞の生存の促進及びアポトーシスの抑制にさらに有効となり得る。GLP-1及びガストリンの効果は、β細胞増殖及び成熟、またβ細胞のアポトーシスの防止及び新生の増強への影響を含み、よって、本発明のペプチドの効果は、インスリン及びグルコース制御の改善へのこれらの影響及びそれによる影響を含むことができる。
【0130】
本発明のペプチド複合体は、よって、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、糖尿病前症、空腹時血中ブドウ糖の上昇、1型及び/又は2型糖尿病、高血圧症及び/又は脂質異常症(又はこれら代謝リスク因子の組み合わせ)、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患及び脳卒中の治療のための医薬品として有効となり得る。それらは、体重増加の防止、体重減少の促進、過剰体重の減少及び/又は病的肥満を含む肥満、及び肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患及び肥満誘発睡眠時無呼吸を含むがそれらに限定されない、関連疾患、障害及び健康状態の治療(例えば、食欲、摂食、食物摂取、カロリー摂取、及び/又はエネルギー消費の制御による)においても有効となり得る。これら症状への本発明のペプチド複合体の効果は、全体的に又は部分的に体重への影響を介して媒介され得る、又はそれから独立することができる。
【0131】
医薬組成物
以下において、医薬組成物において1又は2又は3以上の本発明のペプチド複合体を含むことへの言及は、本発明のペプチド複合体の医薬的に許容される塩又は溶媒和物の含有もまた含むことと理解されたい。
【0132】
本発明のペプチド複合体は、保存を伴う又は保存を伴わない投与に適した医薬組成物として製剤することができ、典型的には、医薬的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルと共に、少なくとも1つの本発明のペプチド複合体の治療上有効量を含む。
【0133】
用語「医薬的に許容される担体」とは、標準的な医薬用担体のいずれかを含む。治療的使用のための医薬的に許容される担体は医薬分野において周知であり、例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、17版、Alfonso R. Gennaro(Ed.)、Mark Publishing Company、Easton、PA、USA、1985に記載される。例えば、わずかに酸性又は生理的pHの無菌生理食塩水及びリン酸緩衝食塩水が使用できる。適したpH緩衝剤は、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、炭酸水素アンモニウム、ジエタノールアミン、ヒスチジン、アルギニン、リジン又は酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウムとして)、又はそれらの混合とすることができる。斯かる用語は、ヒトを含む動物における使用のための米国薬局方に列記されるさらに任意の担体剤を含む。
【0134】
本発明の医薬組成物は、単位剤形とすることができる。このような形態において、組成物は、活性成分の適量を含む単位用量に分けられる。単位投与形態は、パッケージ製剤として提示でき、斯かるパッケージは、製剤の別々の量、例えば、パッケージされた錠剤、カプセル又はバイアル又はアンプル中の粉末を含む。単位投与形態は、例えば、カプセル、薬包又はその中の錠剤とすることができる、又はこれらのパッケージ形態の適した任意の数とすることができる。単位投与形態は、液相(典型的には水相)組成物を含む、単回投与の注射可能な形態、例えば、ペンディバイスの形態で供することができる。組成物は、任意の適した経路及び投与手段のために製剤することができる。医薬的に許容される担体又は希釈剤は、例えば、経口、硝子体中、直腸、腟内、経鼻、局所的、経腸又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内及び経皮を含む)投与又は吸入による投与に適した製剤で使用されるものを含む。製剤は、好都合には単位投与形態で提示でき、医薬用製剤の技術分野で周知の任意の方法によって調製できる。
【0135】
投与の皮下又は経皮モードは、特に本発明のペプチド複合体に適し得る。
【0136】
本発明のさらなる態様は、本発明の医薬製剤を送達するために使用される装置、投与形態及びパッケージに関する。よって、本明細書中に記載される安定又は保存製剤又は溶液中の少なくとも1つのペプチド複合体又は特定部分又は変異形は、SC又はIM注射、経皮、肺、経粘膜的、インプラント、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、又は当業者によって認識される他の手段を含む様々な送達方法を介して本発明に従って患者に投与できる。
【0137】
本発明のさらなる態様は、経口製剤及び投与に関する。経口製剤は、人工的に腸管壁の透過率を増大するための、アジュバント(例えば、レゾルシノール及び非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn-ヘキサデシルポリエチレンエーテル等)の共投与、及び酵素分解を抑制するための、酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸塩(DFF)及びトラジロール)の共投与に依存することができる。経口投与のための固体型投与形態の有効成分化合物は、スクロース、ラクトース、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギネート、キチン、キトサン、ペクチン、トラガントガム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成ポリマー、及びグリセリドを含む、少なくとも1つの添加剤と混合できる。これら投与形態は、例えば、不活性賦刑剤、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム等、パラベン、保存剤、例えば、ソルビン酸、アスコルビン酸、αトコフェロール等、抗酸化剤、例えば、システイン等、崩壊薬、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味剤、香味剤、香料、等の他の型の添加剤もまた含むことができる。
【0138】
投与量
本明細書中で使用される本発明のペプチド複合体の典型的な投与量は、1又は2以上の用量、例えば、1〜3用量等で投与される、1日あたり約0.001〜約100 mg/kg 体重、例えば、1日あたり約0.01〜約50 mg/kg 体重、例えば、約0.05〜約1 0 mg/kg 体重の範囲とすることができる。ある程度上述した通り、使用される正確な投与量は、とりわけ、治療される疾患又は障害の性質及び重症度、治療を受ける対象の性別、年齢、体重及び一般症状、可能性のある他の、治療がなされている又は治療がなされる随伴性疾患又は障害、及び当技術分野の医師に周知となり得る他の要因次第であろう。
【0139】
組み合わせ療法
上記のように、本発明のペプチド複合体への以下の言及はまた、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物及び本発明の2以上の異なるペプチド複合体を含む組成物へ及ぶことと理解されたい。
【0140】
本発明のペプチド複合体は、疾患又は障害、例えば、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症又は高血圧症の治療のための他の活性剤と共に組み合わせ療法の一部として投与でき、このような場合、2つの活性剤は、一緒に又は別々に、例えば、同一の医薬組成物又は製剤中の成分として、又は別々の製剤として供することができる。
【0141】
よって、本発明のペプチド複合体は、メトホルミン、スルホニル尿素、グリニド、DPP4阻害剤、グリタゾン、又はインスリン又はインスリン類似体を含むがそれらに限定されない、周知の型の抗糖尿病剤と組み合わせて使用できる。好ましい実施形態において、本発明のペプチド複合体は、適した血糖コントロールを達成するための、インスリン又はその類似体、DPP4阻害剤、スルホニル尿素又はメトホルミン、特にスルホニル尿素又はメトホルミンと組み合わせて投与される。より好ましい実施形態において、ペプチド複合体は、適した血糖コントロールを達成するためにインスリン又はインスリン類似体と組み合わせて投与される。適したインスリン類似体の例は、Lantus(登録商標)、Novorapid(登録商標)、Humalog(登録商標)、Novomix(登録商標)、Actraphane(登録商標)HM、Levemir(登録商標)、Degludec(登録商標)及びApidra(登録商標)を含むが、それらに限定されない。ここで他の抗糖尿病剤は、GLP-1受容体作動薬、例えば、エクセナチド(バイエッタ(登録商標); エキセンジン-4)及びリラグルチド(ビクトーザ(登録商標))等を含む。
【0142】
本発明のペプチド複合体はまた、ペプチドYY又はその類似体、神経ペプチドY(NPY)又はその類似体、カンナビノイド受容体1拮抗剤、リパーゼ阻害剤、ヒトプロイスレットペプチド(HIP)、メラノコルチン受容体4作動薬又はメラニン凝集ホルモン受容体1拮抗剤を含むがそれらに限定されない、周知のタイプの抗肥満剤と組み合わせて使用できる。
【0143】
本発明のペプチド複合体は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断剤、利尿剤、ベータ-遮断剤又はカルシウムチャネル遮断剤を含むがそれらに限定されない周知のタイプの抗高血圧剤と組み合わせてさらに使用できる。
【0144】
本発明のペプチド複合体は、スタチン、フィブラート、ナイアシン及び/又はコレステロール吸収阻害剤を含むがそれらに限定されない、周知のタイプの抗脂質異常剤と組み合わせてさらに使用できる。
【0145】
本発明のペプチド複合体はまた、ベンズイミダゾール誘導体型又はイミダゾピリジン誘導体型の薬剤、例えば、オメプラゾール(登録商標)、ランソプラゾール(登録商標)、デクスランソプラゾール(登録商標)、エソメプラゾール(登録商標)、パントプラゾール(登録商標)、ラベプラゾール(登録商標)、ゾルピデム(登録商標)、アルピデム(登録商標)、サリピデム(登録商標)又はネコピデム(登録商標)等を含むがそれらに限定されない、周知のタイプのプロトンポンプ阻害剤(すなわち、阻害剤H+/K+-ATPアーゼとして薬理的活性を有する医薬品)と組み合わせて使用できる。
【0146】
さらに本発明のペプチド複合体は、
ステロイド及びコルチコステロイド、例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びヒドロコルチゾン等、
非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、例えば、プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸及びチオキサプロフェン)等、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、ロフェナク、イブフェナク、イソキセパック、オキスピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン及びゾメピラク)、フェナム酸誘導体(例えば、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(例えば、ジフルニサル及びフルフェニサル)、オキシカム(例えば、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム)、サリチル酸(例えば、アセチルサリチル酸及びスルファサラジン)、及びピラゾロン(例えば、アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン及びフェニルブタゾン)、
COX II阻害剤、例えば、ロフェコキシブ及びセレコキシブ等、インターフェロンベータ(例えば、インターフェロンベータ-1a又はインターフェロンベータ-1b)製剤、及び
例えば、5-アミノサリチル酸等の特定の他の化合物及びそれらのプロドラッグ及び医薬的に許容される塩、
を含むがそれらに限定されない周知のタイプの抗炎症剤と組み合わせて使用できる。
【0147】
メトホルミンはまた、抗炎症特性を有することが証明されており[Haffner et al.、Diabetes 54: 1566-1572(2005)を参照]、本願においてそれ自体もまた有効となり得る。
【0148】
列挙される参考文献及び特許文献はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0149】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明する。以下の実施例は、他に詳述する部分を除いて、当業者に周知且つ通常の標準的な技術を使用して実施した。これらの実施例は、単に例示目的であり、本発明の条件又は範囲を限定することを全く意図しないことと理解されたい。このように、実施形態は本発明の範囲を制限するいずれかの態様であると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0150】
実施例で使用される略号は、以下を含む:
NMP: N-メチルピロリドン
DCM: ジクロロメタン
DMF: N、N-ジメチルホルムアミド
HATU: 2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
EtOH: エタノール
Et20: ジエチルエーテル
Peg3: 8-アミノ-3,6-ジオキサオクタノイル
8Aoc: 8-アミノオクタノイル
DBF: 4-(2-アミノエチル)-6-ジベンゾフランプロパノイル
TFA: トリフルオロ酢酸
MeCN: アセトニトリル
HPLC: 高速液体クロマトグラフィ
MS: 質量分析
IBMX: 3-イソブチル-1 -メチルキサンチン
BSA: ウシ血清アルブミン
cAMP: 環状アデノシン一リン酸
DMEM: ダルベッコ変法イーグル培地
FCS: ウシ胎仔血清
HEPES: N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸
p-ERK: リン酸化細胞外制御キナーゼ
PBS: リン酸緩衝食塩水
Boc: t-ブトキシカルボニル
NEP: N-メチルピロリドン
リラグルチド: [Arg34、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)26]GLP-1(7-37)
【0151】
実施例1 : 化合物の合成及びペプチド特性
材料及び方法
他に詳述しない限り、以下で使用される試薬及び溶媒は、標準的な実験試薬又は分析グレードで市販され、さらなる精製なしに使用した。
【0152】
本発明のペプチド複合体の合成のための一般的手順
固相ペプチド合成を、標準的なFmocケミストリーを使用してCEM Liberty Peptide Synthesizer上で行った。TentaGel(登録商標)S Ramレジン(1 g; 0.25 mmol/g)を使用前にNMP(10 ml)中で膨張させ、DCM及びNMPを使用してチューブと反応容器間を移動させた。ペプチド合成中に凝集を最小にするために使用されるジペプチドである偽プロリン、例えば、Fmoc-Phe-Thr(Ψ-Me、Me-Pro)-OH及びFmoc-Asp-Ser(Ψ-Me、Me-Pro)-OH等を必要に応じて使用し、Peg3、8Aoc及びDBFリンカー部分(上記の)を形成する非天然のアミノ酸をFmoc-保護アミノ酸(すなわち、Fmoc-Peg3-OH、Fmoc-8Aoc-OH及びFmoc-DBF-OH、それぞれ)として、そして一般的手順への任意の変更なく使用した。
【0153】
カップリング:
NMP/DMF/DCM(1 :1 :1、0.2 M 、5 ml)中のFmoc-アミノ酸をレジンに、HATU/NMP(0.5 M、2 ml)及びDIPEA/NMP(2.0 M 、1 ml)と共にCEM Discover microwaveユニットで添加した。窒素を混合物中で泡立たせながら、カップリング混合物を75°Cまで5分間加熱した。続いて、レジンをNMPで洗浄した(4 x 10 ml)。
【0154】
脱保護:
ピペリジン/NMP(20%、10 ml)を最初の脱保護のためにレジンに添加し、混合物をマイクロ波加熱した(40 °C、30秒)。反応容器を排水し、ピペリジン/NMPの第二の部分(20%、10 ml)を添加し再度加熱した(75°C、3分)。続いてレジンをNMPで洗浄した(6 x 10 ml)。
【0155】
切断:
レジンをEtOH(3 x 10 ml)及びEt20(3 x 1 0 ml)で洗浄し、室温(r.t.)で一定重量まで乾燥させた。未精製ペプチドを、TFA/エタンジチオールでの処理によってレジンから切断した(95/5、40 ml、2h、r.t.)。TFAのほとんどを減圧下で除去し、未精製ペプチドを沈殿させ、Et20で3回洗浄し、室温で一定重量まで乾燥させた。
【0156】
精製及び特徴づけ:
未精製ペプチドを、適したカラム及びフラクションコレクターを備えたPerSeptive Biosystems VISION Workstationを使用して調製用逆相HPLCによって90%以上の純度まで精製し、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の勾配で流した。
【0157】
画分を分析用HPLC及びMSで分析し、当該画分をプールし凍結乾燥した。最終生成物をHPLC及びMSによって特徴づけた。
【0158】
合成例
エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17(化合物1)を、上記のTentaGel S Ram レジン(0、67 g、0.23 mmol/g)及びFmoc ケミストリーを使用して、CEM Liberty ペプチドシンセサイザー上で合成した。Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び偽プロリンFmoc-Phe-Thr(Ψ-Me、Me-Pro)-OH及びFmoc-Ser(tBu)-Ser(Ψ-Me、Me-Pro)-OHを使用した。
【0159】
ペプチドを、上記の通り、レジンから切断し、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の35 ml/分の流速で精製をGemini-NX カラム(5x25 cm、1 0 μm、C18)上で行った。生成物を、47分間の20%〜50%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、画分(9 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を分析用HPLC及びMSで分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(122 mg)、分析用HPLCによって純度58%と分析した。
【0160】
生成物を、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN 、aq.)の混合物の4 ml/分の流速で、Luna カラム(1 x25 cm、5 μm、C8)上で再度精製した。生成物を47分間の20%〜50%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、画分をフラクションコレクターで回収した(2 ml)。当該画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(63 mg)、分析用HPLCによって純度82%と分析した。
【0161】
化合物1の他の部分は、TentaGel S Ram レジン(0、70 g、0.23 mmol/g)を使用して、他は合成及び切断に関する上記の同一条件で合成した。
【0162】
精製を、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN 、aq.)の混合物の35 ml/分の流速で、Gemini-NX カラム(5x25 cm、10 μm、C18)上で行った。生成物を、47分間20%〜50%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、フラクションコレクターで画分(9 ml)を回収した。当該画分を分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(113 mg)によって分析し、分析用HPLCによって純度57%と分析した。
【0163】
生成物を、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN 、aq.)の混合物の4 ml/分の流速で、Luna カラム(1 x25 cm、5 μm、C8)上で再度精製した。生成物を、47 分間20%〜55%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、画分(2 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(29 mg)、分析用HPLCによって純度77%と分析した。
【0164】
第一の合成(63 mg、82%)及び第二の合成(29 mg、77%)由来の生成物を結合し、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の4 ml/分の流速で、もう一度Kromasilカラム(1 x25 cm、10 μm、C8)上で精製した。生成物を、47分間の25%〜65%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、画分(2 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(33 mg)、分析用HPLCによって純度94%と分析した。質量は、MSによる測定で6553.39 Daであった(Calc. 6553.06 Da)。
【0165】
エキセンジン-4(1-28)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(化合物 33)を、上記の通りTentaGel S Ram レジン(0、55 g、0.23 mmol/g)及びFmoc ケミストリーを使用して、CEM Liberty ペプチドシンセサイザー上で合成した。Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び偽プロリンFmoc-Phe-Thr(Ψ-Me、Me-Pro)-OHを使用した。
【0166】
ペプチドを上記の通りレジンから切断し、精製を緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の35 ml/分の流速で、Gemini-NX カラム(5x25 cm、1 0 μm、C1 8)上で行った。生成物を、47分間緩衝剤Bの直線的濃度勾配25%〜55%で溶出し、画分(9 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(70 mg)、分析用HPLCによって純度90%と分析した。質量はMSによる測定で4364.08 Daであった(Calc. 4364.11 Da)。
【0167】
[Glu9、Leu14、Phe25、Tyr13]エキセンジン-4(1-27)-[Leu4]ガストリン6(化合物101)を、Fmoc-Phe-Thr(Ψ-Me、Me-Pro)-OHを使用して、上記の通りTentaGel S Ram レジン(1、15 g、0.25 mmol/g)及びFmoc ケミストリーを使用して、CEM Liberty ペプチドシンセサイザー上で合成した。カップリング及び脱保護中、NMPの代わりにNEPを使用した。
【0168】
上記の通りペプチドをレジンから切断し、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の35 ml/分の流速で、精製をGemini-NXカラム(5x25 cm、1 0 μm、C18)上で行った。生成物を20%〜50%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で47分間溶出し、画分(9 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(50 mg)、分析用HPLCによって純度85%と分析した。質量は、MSによる測定で3952.00.08 Daであった(Calc. 3951.97 Da)。
【0169】
GLP-1(7-36)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17(化合物42)を、上記TentaGel S Ram レジン(1、16g、0.23 mmol/g)及びFmoc ケミストリーを使用して、CEM Libertyペプチドシンセサイザー上で合成した。Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び偽プロリンFmoc-Ser(tBu)-Ser(Psi Me、Meプロ)-OHを使用した。
【0170】
ペプチドを、上記の通りレジンから切断し、精製を緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の35ml/分の流速で、Gemini-NX カラム(5x25 cm、10 μm、C1 8)上で行った。生成物を、25%〜45%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で47分間溶出し、画分(9 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分は、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(172 mg)、分析用HPLCによって純度86%と分析した。質量はMSによる測定で5664.72 Daであった(Calc. 5664.70 Da)。
【0171】
[Arg34、Lys(ヘキサデカノイル-イソGlu)26]GLP-1(7-37)-Peg3-Peg3-[Leu4]ガストリン6(化合物107)を、上記の通りCEM Liberty ペプチドシンセサイザー上で、TentaGel S Ram レジン(1、30g、0.25 mmol/g)及びFmoc ケミストリーを使用して合成した。カップリング及び脱保護中、NMPの代わりにNEPを使用した。アシル化のための結合点で、Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び偽プロリンFmoc-Phe-Thr(Ψ-Me、Me-Pro)-OH、並びにFmoc-Lys(Dde)-OHを使用した。
【0172】
固相結合ペプチドのN末端は、DCM中のBoc2O(330 mg)及びDIPEA(54μl)を使用してBoc保護した。続いてDde保護基をヒドラジン水和物/NEPを使用して切断し(4%、2x15分)、レジンをNEP(8x2 分)、DIEA/NEP(10%、5x5 分)及びNEP(8x2分)で洗浄した。合成は上記の通りCEM Libertyペプチドシンセサイザー上で、Fmoc-Glu-OtBu及びヘキサデカン酸を使用して完了させた。カップリング及び脱保護中、NMPの代わりにNEPを使用した。
【0173】
上記の通り、ペプチドをレジンから切断し、緩衝剤A(0.1 % TFA、aq.)及び緩衝剤B(0.1 % TFA、90% MeCN、aq.)の混合物の35 ml/分の流速で精製をGemini-NXカラム(5x25 cm、1 0 μm、C18)上で行った。生成物を47分間の30%〜70%の緩衝剤Bの直線的濃度勾配で溶出し、画分(9 ml)をフラクションコレクターで回収した。当該画分を、分析用HPLC及びMSによって分析し、プールし凍結乾燥し、白色粉末を得て(60 mg)、分析用HPLCによって純度88%と分析した。質量は、MSによる測定で4819.95 Daであった(Calc. 4819.45 Da)。
【0174】
実施例2: 本発明のペプチド複合体によるインビトロ(in vitro)での、GLP-1受容体及びガストリンCCK-B受容体の活性化(EC50)
材料及び方法
ヒトGLP-1受容体(GLP-1 R)効果アッセイ:
Perkin-Elmer 由来のFlashPlate(登録商標)cAMPキットを使用して、GLP-1(7-36)、エキセンジン-4(1-39)又は本発明の試験複合体による受容体の刺激後のcAMPの誘発を測定することによって、インビトロ(in vitro)での本発明のペプチド複合体の効果を評価した。端的には、ヒトGLP-1 Rを発現しているHEK293細胞を(GLP-1 Rに関するcDNAのトランスフェクションを介して生じた安定な細胞株及び安定したクローンの選択)、0.01 % ポリ-L-リジンでコーティングした96-ウェルマイクロタイタープレートに40、000 細胞/ウェルで播種し、100μl成長培地[DMEM、10% FCS、ペニシリン(100 lU/ml)、ストレプトマイシン(100 μg/ml)] において培養下で1日間成長させた。分析の日に、成長培地を除去し、細胞を200μlのタイロード緩衝剤[タイロードの塩(9.6g/l)、10 mM HEPES、pH 7.4]で一度洗浄した。細胞を、増大濃度の試験化合物、100 μΜ IBMX、及び0.1 % BSAを含む100μlのタイロード緩衝剤において、15分間37°Cでインキュベートした。25μlの0.5 M HClの添加によって反応を終了し、氷上で60分間インキュベートした。さらなる方法の詳細に関して、国際公開第2008/152403号を参照されたい。
【0175】
CCK-B 受容体(CCK-B R)効果アッセイ:
CCK-B Rの結合及び活性化を試験するために、hGLP-1 R細胞株の生成と同様の態様(上記)で、ヒト又はマウスCCK 受容体の1つを発現する安定な細胞株を得た。端的には、ヒト又はマウスCCK-A R又はCCK-B RのcDNAのトランスフェクションのために全てトランスフェクションプラスミドpIRES-neo2dNGFR中にクローン化されたHEK293細胞を使用した[hCCK-A R(遺伝子アイデンティティ: L19315)、hCCK-B R(NM_176875)、mCCK-A R(NM_009827)及びmCCK-B R(NM_007627)]。標準的なプロトコールに従って成長培地において細胞を成長させ、リポフェクタミン(Invitrogen)を使用してプラスミドをトランスフェクトした。成長培地においてG418を使用して、CCK 受容体を安定して発現する細胞を選択し(生存するcDNA発現プラスミド取り込み且つ組込んだ細胞のみ)、増殖させた。細胞のストックを後の使用まで凍結させた。
【0176】
ヒト及びマウスCCK-B R(高親和ガストリン受容体)を、それぞれ安定して発現しているHEK293細胞において、(AlphaScreen(登録商標)SureFire p-ERKアッセイを使用して)p-ERKを測定することによって、本発明のペプチド複合体のインビトロ(in vitro)での効果を推定した。ガストリン受容体効果のアッセイ(AlphaScreen(登録商標)SureFire p-ERKアッセイ)を次の通り行った:
【0177】
1日目: 細胞の播種
斯かるCCK-B Rを発現する細胞を、ポリ-D-リジンでコーティングした96-ウェルプレート中で、100μlの成長培地[DMEM、10% FCS、ペニシリン(1 00 lU/ml)、ストレプトマイシン(100 μg/ml)]に20、000細胞/ウェルで播種した。細胞を2日間、インキュベーター中でインキュベートした(37°C、5% CO2)。
【0178】
3日目: 血清不含有培地への交換
ウェルあたり80μlの血清不含有培地[DMEM、ペニシリン(100 IU/ml)、ストレプトマイシン(100 μg/ml)]へ成長培地を交換し、細胞のインキュベーションをインキュベーター中で(37°C、5% CO2)19時間継続した。
【0179】
4日目: ペプチド複合体刺激及びAlphaScreen(登録商標)SureFire p-ERKアッセイ
1. 19時間後、ペプチド複合体の5つの異なる濃度の1つを含む20μl血清不含有培地を添加し(各濃度に関して3通り行った)、細胞を室温で5分間インキュベートした。
【0180】
2. 迅速にプレートを上下逆に反転させることによって刺激培地を捨て、60μl 1 x 溶解緩衝剤(SureFire アッセイキット由来)をウェルごとに添加した。
【0181】
3. プレートをプレートシェーカー上で5分間振盪させ、続いて氷上に置いた。
【0182】
4. SureFire P-ERKアッセイ: 各上清の4μlを、384ウェルproxiplate(Perkin Elmer)に移した。
【0183】
5. 2つの対照ライセート(未刺激及び刺激)の各4μlを、二通りproxiplateに添加した。
【0184】
6. 60パートの反応緩衝剤、10パートの活性化緩衝剤、1パートの受容体ビーズ及び1パートのドナービーズを混合した(反応緩衝剤+活性化緩衝剤+ビーズ)。ウェルあたり7μlのこの反応緩衝剤+活性化緩衝剤+ビーズをproxiplateに添加した。なお、ウェルへの添加前に混合物を慎重に再懸濁した。
【0185】
7. プレートを2時間、22°Cのインキュベーターの暗箱でインキュベートした。
【0186】
8. プレートを、適したリーディングプログラム(Perkin-Elmer)を使用して、Envision(登録商標)光放出プレートリーダー(Perkin-Elmer)上で分析した。
【0187】
本発明のペプチド複合体を、上記のアッセイにおいて試験した(すなわち、ヒトGLP-1 R活性化効果、ヒトCCK-B R活性化効果及びマウスCCK-B R活性化効果)。
【0188】
ヒトGLP-1(7-36)及びエキセンジン-4(1-39)を、ヒトGLP-1受容体(hGLP-1 R)活性化効果アッセイにおける正の対照として使用し、h[Gln1、Leu15]ガストリン17及びCCK-8(CCKのC末端の8個の活性アミノ酸残基から成る)をヒトCCK-B受容体(hCCK-B R)効果アッセイ及びマウスCCK-B受容体(mCCK-B R)アッセイにおける正の対照として使用した。
【0189】
斯かるCCK受容体活性化試験において、h[Gln1、Leu15]ガストリン17(配列H-QGPWLEEEEEAYGWLDF-NH2を有する)を、対照化合物として使用した。グルタミン(Gln)残基は、PyroGluにある程度再配列し得るが、受容体結合活性の喪失はなかった。
【0190】
結果(EC50値、単位mol/l)を以下の表1、1a及び2に要約する。
【0191】
表1. hGLP-1 R、hCCK-B R及びmCCK-B Rの活性化における、本発明の化合物(ペプチド複合体)のインビトロ(in vitro)での効果(EC50、mol/l)。
【0192】
【表2】
【0193】
表1a. hGLP-1 R、hCCK-B R及びmCCK-B Rの活性化における、本発明の化合物(ペプチド複合体)のインビトロ(in vitro)での効果(EC50、mol/l)。
【0194】
【表3】
【0195】
表2. hGLP-1 R及びhCCK-B Rの活性化における、本発明のさらなる化合物(ペプチド複合体)のインビトロ(in vitro)での効果(EC50、mol/l)。
【0196】
【表4】
【表5】
【表6】
【0197】
表3. hGLP-1 R、hCCK-B R及びmCCK-B Rの活性化における、本発明のGLP-1化合物(ペプチド複合体)のインビトロ(in vitro)での効果(EC50、mol/l)。(GLP-1の適用のみ含まれる)
【0198】
【表7】
【表8】
【0199】
結果
上記表1、1a、2及び3に要約される結果は、通常本発明のペプチド複合体の全てが3つの受容体の全ての強力な作動薬であり、それらは密接に同様の効果のレベルを示すことを表す。
【0200】
実施例3: 92個の選択したペプチドGPCRs上での化合物73のスクリーニング。
予め任意の受容体非特異性(promiscuity)を発見するために、化合物73をGPCR型のペプチド受容体の幅広い選択肢上の試験のために選択した。受容体は、クラスA及びBGPCRファミリーであり、それらのGPCRスクリーニングプラットフォームを使用してMilliporeでアッセイを行った。各GPCRは、その対照ペプチドリガンド(それぞれの受容体の公知の活性化剤)又は濃度1 00 nMの化合物73によって活性化された。受容体への受容体活性化作用は、(本質的に100 %活性化を供する)対照ペプチドの%で供する。予期されるGLP-1受容体及びCCKB(CCK2)受容体のみ、化合物73によって顕著に活性化され(100及び95%、それぞれ)、これはペプチドがこれら2つの受容体に特異的であることを示している。
【0201】
実施例4: マウスにおける化合物1及び33の薬物動態(PK)
方法
3匹のC57BIマウスに、化合物1又は33を1kgあたり100 nmolを静注又は皮下急速投与し、最大で投与の240分後に血漿試料を回収した。試料を各時点で3匹のマウスから回収した。LC/MS/MS(10-1000nM)を使用して、化合物33の存在に関して血漿試料を分析した。
【0202】
結果
【0203】
【表9】
双方の化合物が、sc投与後に優れた生物学的利用能(F)を示し、おそらくより長い半減期に起因する化合物33のより優れたPK特性を示している(図1A、1B及び表4)。
【0204】
実施例5: 化合物33及び74〜80のPK
方法
2匹のC57Blマウスに、各ペプチドの100 nmol/kgの単独の皮下投与を行った。血液試料を5、30分、及び1、2、4、6、16及び24時間後に採取した。各時点で、2匹のマウスから試料を採取した。固相抽出(SPE)後に血漿試料を液体クロマトグラフィ質量分析(LC-MS/MS)によって分析した。
【0205】
【表10】
【0206】
ペプチドは、化合物74及び77と共に有望なT1/2特性を示し、半減期及び曝露に関して残りの化合物より優れる(表5及び図2)。
【0207】
実施例6: db/dbマウスにおけるインビボ(in vivo)での本発明のペプチド複合体の活性
【0208】
材料及び方法
db/dbマウスモデルはこれまで、有望な治療候補のβ細胞保存効果を評価するために使用されている[Rolin、B. et al.、Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 283: E745-E752(2002)]。一部の研究において、膵臓インスリン量とβ細胞量との相関が証明されている[Rolin、B. et al.(loc.cit.)、Suarez-Pinzon、W.L et al.、Diabetes 54: 2596-2601(2005)、Suarez-Pinzon W.L. et al.、Diabetes 57: 3281-3288(2008)]。
【0209】
今回の試験では、6週齢のdb/db(BKS.Cg-m +/+ Leprdb/J)メスマウス(Taconic Europe A/S、Lille Skensved、Denmark)を、新規環境に順化させ、通常の餌及び水の自由アクセスに供した。光、温度、及び湿度が制御された部屋で、マウスをペアで飼育した。血糖値をモニタリングすることによって、2週間、糖尿病の進行を追従し、続いて処理前に血糖値によって糖尿病マウスを処理群(n=10/群)に無作為抽出した。続いて動物に3日間皮下に(sc)100μl ビヒクルを偽注入し(1日に1度)、動物をハンドリング及び注射に馴化させた。無作為抽出及び偽注射の後、続いて16日間、h[Leu15]ガストリン17(1、10及び50 nmol/kg)とエキセンジン-4(1-39)(1、10及び50 nmol/kg)の組み合わせ、又は化合物1(本発明のペプチド複合体)[すなわち、エキセンジン-4(1-39)-Peg3-Peg3-[Gln1、Leu15]ガストリン17](1、10及び50 nmol/kg)、又はビヒクル(PBS緩衝剤、注射量5 ml/kg)を動物に処理した(sc、1日2回)。投与直前に調製したフレッシュな溶液の毎日の注射は、8:00〜9:00、及び15:00〜16:00に行った。
【0210】
投与前(1日目)、処理8日目及び16日目に、血液試料(200μl)を眼窩神経叢から得て、EDTAコーティングチューブに入れた。各血液試料を遠心分離し、血漿(100μl)を後の分析のために-80℃で保存した。血糖測定のための血液試料を、尾静脈から採取した。投与最終日後、CO2麻酔によって全動物を屠殺し(16日目)、続いて頸椎脱臼した。各動物由来の膵臓を、即座に分離し、重量測定し、後のインスリン量の分析のために保存した。
【0211】
測定
全血糖濃度(mM)を、固定化グルコースオキシダーゼ方法(Elite Autoanalyser、Bayer、Denmark)によって測定した。ラットC-ペプチドラジオイムノアッセイキットを使用して血漿C-ペプチドを測定した(Linco/Millipore、kit RCP-21 K)。ラットインスリンラジオイムノアッセイキットを使用して、膵臓インスリン量を測定した(Linco/Millipore、kit R1-13)。
【0212】
結果
図3から明らかなように、単なるエキセンジン-4(1-39)とh[Leu15]ガストリン17との組み合わせを処理した動物又はビヒクルを処理した動物と比較して、顕著に多量の膵臓インスリンが本発明のペプチド複合体(化合物1)の処理動物で観察された。
【0213】
よって、本発明のペプチド複合体におけるエキセンジン-4部分とガストリン部分との共有結合性カップリング又は結合の結果として生じる膵臓インスリンレベルへの効果が、2つの、個々のペプチド成分の対応の添加的組み合わせを利用した場合に達成されるものより予想外に大きくなり得ることは明らかである。
【0214】
実施例7: 6週間の試験
プロトコール
125匹のdb/db(BKS.Cg-m +/+ Leprdb/J)メスマウス(到着時6週齢)を、Taconic Europe A/Sから購入した。
【0215】
4日前に、ベースラインの血漿C-ペプチド、血漿インスリン、血糖、及びHbA1cレベルの測定のために、血液を半絶食動物から採取した。続いて動物を、ベースライン血漿C-ペプチド及びHbA1cレベルに基づき、n = 20の5つの処理群に分類した。動物に100μlのビヒクルを1日2回、少なくとも3日間皮下注射し、動物をハンドリング及び実験手順に馴化させた。
【0216】
続いて表6に従って動物に、ペプチド又はビヒクルを1日2回計42日間皮下注射した。日々の注射は、フレッシュに調製した溶液で08:00〜09:00、及び15:00〜16:00に行った。投与最終日は、42日午前中であった。
【0217】
表6. 群及び投与量
【0218】
【表11】
【0219】
42日目に試験を終了した。動物を半絶食状態とし、最終用量を午前中に投与した。血液を血漿C-ペプチド、血漿インスリン、血糖、及びHbA1cの測定のために試料採取した。血液採取後、動物をCO2を使用して安楽死させ、続いて頸椎脱臼した。膵臓を単離し、重量測定し、3つに分け、冷酸性アルコールを2 ml含むチューブに移し、インスリン量に関して分析した。
【0220】
化合物33は、ビヒクルと比較してdb/dbマウスにおいて、血糖値を低下させ(図4)、血漿インスリン濃度を上昇した(図5)。さらに、化合物33の処理は、ビヒクル処理動物及びガストリン17+エキセンジン-4処理動物と比較して、HbA1cのレベルを統計上有意に低下した(図6)。これら結果は、糖尿病性マウスにおいて化合物33が血糖コントロールを改善したことを示唆する。
【0221】
また、化合物33は、ビヒクルと比較して膵臓インスリン量の統計上有意な増加を生じた(図7)。さらに、化合物33とエキセンジン-4は共に血漿中のΔC-ペプチドレベルの顕著な上昇を生じ、全群における膵臓機能の改善を示している(図8)。
【0222】
エキセンジン-4とガストリンとの共投与は、db/dbマウスにおける血糖コントロールの改善においてエキセンジン-4より優れていなかった。よって、本研究で使用した用量で、エキセンジン-4とガストリンとの糖血症への相乗効果は存在しなかった。
【0223】
我々のデータは、db/dbマウスにおいてペプチド複合体化合物33が顕著に膵臓インスリン量を増加し、HbA1cの減少によって明らかなように血糖コントロールを改善することを示す。
【0224】
実施例8: 休薬試験
プロトコール
150匹のオスdb/dbマウスを、5〜6週齢で購入した。動物を、午前5時に点灯の12:12時間の明暗周期に従った、制御条件下(20〜22°C、55〜85%湿度)で飼育した(5匹のマウス/ケージ)。動物に標準的なAltromin No. 1324飼料を自由給餌し、酸性水道水へ自由アクセスさせた。試験開始時に、動物は8〜9週齢であった。全動物は実験前に最少で1週間順化させ、毎日ハンドリングした。
【0225】
血液試料: 処理開始前、及び93日目(終了前)に絶食マウス(17時間)において、血液試料(150μl)を眼窩神経叢からEDTAコーティングマイクロピペットで採取した。血液試料を、EDTAコーティングチューブへ入れ、氷上で維持した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿(少なくとも50μl)を、C-ペプチド及びインスリンレベルの後の分析のために(-80℃で)保存した。また、(処理開始)10/12日前、及び93日目(終了前)に、眼窩神経叢から得られた血液試料(50μl)を、BG(sticks)及びHbA1cに関して分析した。
【0226】
分類
最初の薬剤投与6〜4日前に、絶食動物(17時間)を経口耐糖能試験に供した(OGTT、以下を参照されたい)。240分間に亘って得られた血糖濃度曲線下の面積(AUC0−240、単位: mM*分)を、群中で同様の耐糖能を得るために、動物をそれぞれ26匹の動物の5群(A-E)に分類する目的で使用した。第一の投与の50日間(期間1)後、第二のOGTTを行った。第二のOGTT試験に基づき、(上記のように)各群のマウスをAUCによって同様の耐糖能を示す2つのサブグループに分類した。
【0227】
投薬: 動物に、ビヒクル(2* n=26)、エキセンジン-4(n=26)又は化合物33(n=26)を1日1回(QD)皮下(SC)投与し、表6に従って50日間投与した。投与は、毎日午後02:00〜03:00に注射量5 ml/kgで行った。投与の50日後、表1で説明するように動物を7群に分類した。この投与計画は、93日目に動物を屠殺するまで40日間継続した。
【0228】
経口耐糖能試験(OGTT): OGTTを、ビヒクル又は化合物の直前の注射後一晩(17時間)絶食させた動物への、処理6/4日前、処理期間の50、65、78及び91日目に行った。血液試料を、尾の先端から採取し血糖を測定した。食物摂取の交絡を防ぐため、全OGTT中、動物に絶食維持させた。最初の血液試料採取後(t=0、空腹時血中ブドウ糖値)即座に、MQ水に溶解したグルコース(グルコース一水和物、SAD 500 g/l)の用量(1g/kg)を経口で投与し(5 ml/kg、0.2 g/ml)、動物をホームケージに戻した(t=0)。続いて、BGレベルをt=15、30、60、120、及び240分に測定した。
【0229】
空腹時血中ブドウ糖: 動物の糖尿病状態をさらにモニターするために、0、37、44、58、72、及び85日目の絶食の8時間後に空腹時血糖値を測定した。ストレスを最小にするため、動物をその日1日中(食餌の習慣的消費が低い場合、午前06:00〜)絶食させ、絶食時血糖を午後02:00時に測定した。
【0230】
【表12】
【0231】
GLP-1-ガストリン二重の作動薬化合物33は、処理パラダイムが予防、治療又は休薬であったかにかかわらず、経口グルコース負荷試験後のグルコース曲線下面積(AUC)を減少し、またビヒクル対照と比較して絶食時血糖を低下した(図9+10)。また、インスリン及びC-ペプチドの血漿レベル及びHbA1cの血液レベルは、ビヒクル処理対照と比較して、化合物33処理マウスで顕著に低かった(図11)。これらのデータは、化合物33が糖尿病db/dbマウスにおいて血糖コントロールを改善し、斯かる改善がエキセンジン-4及びリラグルチド双方より大きいことを示す。特に、血糖コントロールへの化合物の効果は処理を終了後数日間維持され、化合物33を処理したマウスで最も顕著であった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]