(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
この明細書には、多孔性フルオロポリマーと、熱可塑性材料のコヒーレントな不規則ネットワークとを含む多孔性製品が記載されている。コヒーレントな不規則ネットワークは、互いにくっついた熱可塑性材料の粒子または要素を含んでいる。一実施態様では、フルオロポリマーが実質的にその多孔性構造を保持するようにして、その多孔性フルオロポリマーを粒子または要素に付着または接着させる。例えばいくつかの実施態様では、フルオロポリマーの泡立ち点の値、フレージャー数、ガーレー数は、コヒーレントな不規則ネットワークを多孔性フルオロポリマーの表面に付着させる前と付着させた後で実質的に同じである。
【0014】
いくつかの実施態様を示す以下の説明と図面を参照して本発明を記述する。当業者には、これらの実施態様が本発明の全範囲を表わしておらず、全範囲は、添付の請求項によってカバーされると考えられるバリエーションと等価物の形態に広く適用できることが明らかであろう。さらに、一実施態様の一部として説明または図示する特徴は、別の一実施態様で利用してさらに別の一実施態様を生み出すことができる。請求項の範囲は、そのようなあらゆるバリエーションと実施態様にも適用されるものとする。
【0015】
この明細書に提示されているどのような範囲も、それよりも狭いあらゆる範囲を含むことが想定されていることに注意すべきである。例えば45〜90という範囲には、50〜90、45〜80、46〜89なども含まれることになる。したがって例えば95%〜99.999%という範囲には、例えば96%〜99.1%、96.3%〜99.7%、99.91%〜99.999%も含まれる。
【0016】
本発明の1つの特徴では、コヒーレントな不規則ネットワークは延伸フルオロポリマー層に付着され、Sp値によって定義される表面粗さが35μmよりも大きい。
図1に示した表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)からわかるように、多孔性製品10のコヒーレントな不規則ネットワーク20に熱可塑性要素16が付着して融合し、接続部96と空孔18と開放領域14を有するネットワークを作り出している。
【0017】
多孔性製品10の一実施態様の断面のSEMを
図2に示す。ここでは、コヒーレントな不規則ネットワーク20は、付着領域32によって示されているように、隣接領域30の一部でだけ延伸フルオロポリマー12に付着する。それに加え、
図2にはさらに、コヒーレントな不規則ネットワーク20と延伸フルオロポリマー層12の間の隣接領域30に沿ったコヒーレントな不規則ネットワーク20の架橋34が示されている。
図2のコヒーレントな不規則ネットワーク20の厚さは約200μmであり、延伸フルオロポリマー層12の厚さは約10μmである。
図2に示した多孔性製品10は、第1の面22としてコヒーレントな不規則ネットワーク20を備え、第2の面24として延伸フルオロポリマー層12を備えている。別の一実施態様の断面のSEMを
図3に示してある。ここでは、コヒーレントな不規則ネットワーク20の厚さは約126μmであり、延伸フルオロポリマー層12の厚さは約114μmである。それに加え、
図3の延伸フルオロポリマーとコヒーレントな不規則ネットワークの厚さの差は、
図2に示した延伸フルオロポリマーとコヒーレントな不規則ネットワークの厚さの差よりもはるかに小さい。
図2と
図3の両方とも、コヒーレントな不規則ネットワーク20の中の空孔18と、そのコヒーレントな不規則ネットワークが延伸フルオロポリマー層12に隣接領域30の一部でだけ付着している付着領域32を示している。延伸フルオロポリマーに対するコヒーレントな不規則ネットワークの厚さの比は、
図2に示してあるように20以上にすること、または
図3に示したようにはるかに小さい約1にすることができる。延伸フルオロポリマーに対するコヒーレントな不規則ネットワークの厚さの比は、広い範囲の値にすることができ、コヒーレントな不規則ネットワークの量が相対的に多い場合には例えば5〜40、または5〜80にすることや、はるかに小さい例えば0.25〜5にすることや、0.25〜80の間の任意の比にすることができる。
【0018】
いくつかの実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークが延伸フルオロポリマーにほんのわずかに付着していることが望ましい可能性ある。
図2、
図3、
図4bに示してあるように、コヒーレントな不規則ネットワークは、隣接領域30に沿って付着領域32を有する。いかなる理論にもとらわれることを望んでおらず、延伸フルオロポリマーへのコヒーレントな不規則ネットワークの付着を最少にするとより大きな透過率が得られると考えている。付着領域の比は、断面のSEMを分析して決定することができる。すなわち、SEMに示された付着領域の長さを測定し、同じSEM画像に示された隣接領域の全長で割る。付着領域の比は、非常に小さい例えば0.1未満にすることや、より大きな0.8にすることができるが、約0.05〜0.25がより望ましい。
【0019】
驚くべきことに、比較的厚いコヒーレントな不規則ネットワークでもコヒーレントな不規則ネットワークの架橋が存在することが見いだされた。この明細書で定義して使用する架橋は、2つの付着領域の間の延伸フルオロポリマーの表面とコヒーレントな不規則ネットワークの表面の間のギャップまたは空孔を記述するのに用いられる。架橋34は、
図2と
図3の断面のSEMに示されている。ここではSEMに、コヒーレントな不規則ネットワーク要素とその下にある延伸フルオロポリマーの間のギャップがはっきりと示されている。
【0020】
この明細書では、開放領域は、コヒーレントな不規則ネットワークの中でその材料の厚みを完全に貫通して延びている空孔の領域と定義される。
図1に示されているように、コヒーレントな不規則ネットワーク20は、その下にある延伸フルオロポリマー12の表面を完全に塞いではおらず、コヒーレントな不規則ネットワークを貫通している延伸フルオロポリマーを同定できる領域は開放領域14である。この明細書では、開放領域の“サイズ”は、
図8Aと
図19Aに示してあるように、開放領域の開口部を横断して引くことのできる最長の直線の長さと定義される。例えば
図8Aは、サイズが約350ミクロンの開放領域14を有するコヒーレントな不規則ネットワークを含む多孔性製品の表面のSEMである。
図19Aは、示してあるようにサイズが約200ミクロンの開放領域14を有するコヒーレントな不規則ネットワークの自立性フィルムの表面のSEMである。
【0021】
この明細書では、コヒーレントな不規則ネットワークの接続部は、
図1、
図4A、
図19Aに示してあるように、コヒーレントな不規則ネットワークのうちで、いずれかの端部でそのコヒーレントな不規則ネットワークの粒子または要素または他の接続部に付着している区画と定義される。
【0022】
延伸フルオロポリマーは、延伸させて多孔性かつ透過性の製品を製造できる任意のフルオロポリマーから作ることができる。適切な材料として、延伸可能なフルオロポリマー(例えば延伸PTFEなど)や、アメリカ合衆国特許第5,708,044号(Branca、1998年)、アメリカ合衆国特許第6,541,589号(Baillie、2003年)、アメリカ合衆国特許第7,531,611号(Sabol他、2009年)、アメリカ合衆国特許出願第11/906,877号(Ford)などに記載されているポリマーで製造した延伸製品が挙げられる。
【0023】
延伸フルオロポリマーは、想定される多孔性製品の用途における特定の特性を持つものを製造できる。延伸フルオロポリマーは、泡立ち点が5 psi超、または25 psi超、または50 psi超、または75 psi超、または100 psi超、または5 psi〜150 psiであるものを製造できる。延伸フルオロポリマー層は、非常に薄い例えば約1μmのものや、10μmを超える厚いものを製造できる。延伸フルオロポリマー層は、この明細書に定義した透過率または比流れ抵抗が広い範囲の値を持つものを製造できる。製品の透過率は、この明細書に記載してあるように、ガーレー・デンソメーターおよび/またはフレージャー試験を利用して測定される。簡略化のため、これらの値を以下に示すように比流れ抵抗またはキロレイルに変換する。この比流れ抵抗は、ガーレー数(単位は秒)に正比例し、フレージャー数に反比例する。
キロレイル=ガーレー数(秒)×7.834
キロレイル=24.4921/フレージャー数。
キロレイルの値は、キロパスカル×秒/メートル、すなわちkPa秒/mで表わされる。
【0024】
延伸フルオロポリマーは、約2400キロレイル〜0.61キロレイル、または約2400キロレイル〜0.12キロレイルの比流れ抵抗を持つものを製造できる。比抵抗またはキロレイルの値が大きいほど、多孔性製品の透過率は小さくなる。
【0025】
W.L. Gore and Associates Inc.によって提供された4種類の異なるePTFE膜の特性を表1に示す。表1に示した膜は、本発明による多孔性製品の製造に使用できる多彩な延伸フルオロポリマーであることを示すある範囲の特性と性質を有する。
【0027】
膜Aは、Goreに付与されたアメリカ合衆国特許第3,953,566号の教示内容に従って製造した。この膜Aは、フィブリル94に接続されたノード92を有することがさらに
図20に示されている。膜Bは、Brancaらに付与されたアメリカ合衆国特許第5,814,405号の教示内容に一般に従って製造し、膜Cは、Bacinoらに付与されたアメリカ合衆国特許第7,306,729号の教示内容に一般に従って製造した。膜Dは、Bacinoに付与されたアメリカ合衆国特許第4,902,423号の教示内容に一般に従って製造した。
【0028】
延伸フルオロポリマーに付着させることのできるコヒーレントな不規則ネットワーク、またはこの明細書で定義する自立性製品として製造できるコヒーレントな不規則ネットワークは、熱可塑性粒子が互いにくっついたコヒーレントな不規則ネットワークである。コヒーレントな不規則ネットワークの定義に用いるコヒーレントなという用語は、製品を自立性にできるようその製品が互いに効果的に接続された要素を含んでいて、基板に付着している可能性のある離散した粒子は含まないことを意味する(例えば延伸フルオロポリマー基板を被覆するフッ素樹脂系接着剤)。コヒーレントな不規則ネットワークの定義に用いる不規則という用語は、コヒーレントな不規則ネットワークの構造が、他の接続部との交差部または付着部との間で長さに沿って一様な直径または断面を持たない接続部を有すること、したがって一定の断面積を持つ繊維からなるスパンボンド製品、織物、フェルト製品を含まない接続部を有することを意味する。コヒーレントな不規則ネットワークの定義に用いるネットワークという用語は、コヒーレントな不規則ネットワークの個々の要素が互いにうまく付着して連続構造を提供することを意味する。コヒーレントな不規則ネットワークはさらに、互いに付着した要素間に厚みを貫通する空孔を持つものと定義される。そのためこのコヒーレントな不規則ネットワークは、多孔性かつ透過性である。コヒーレントな不規則ネットワークはさらに、開放領域を持つものと定義される。
【0029】
さまざまな熱可塑性粒子を使用してコヒーレントな不規則ネットワークを製造できよう。熱可塑性粒子の中には、大きな分子量、または小さなメルト・フロー・インデックス(MFI)を持つ粒子が含まれる。この明細書に記載したMFI 試験法に従って試験したときにMFIの値が0.2〜30g/10分である粒子がより望ましかろう。しかしMFIの値が0.1g/10分超、または50g/10分未満の粒子も使用できる。それに加え、FEP、EFEP、PFA、THV、PVDF、CTFEなどの熱可塑性粒子や、これらの混合物が、いくつかの用途では望ましい。コヒーレントな不規則ネットワークの製造に用いる粒子のいくつかのMFI値を表2に示す。表2のデータは、特に断わらない限り、この明細書のMFI 試験法に従って取得した。
【0031】
粉末AすなわちFEP-NC1500と、粉末CすなわちEFEP粉末は、両方ともDaikin Industries, Ltd.(オレンジバーグ、ニューヨーク州)から提供された。粉末BすなわちPFA 9724は、E.I. du Pont de Nemours and Company(ウィルミントン、デラウェア州)から供給された。
【0032】
粒子のサイズは、望む空孔率、透過率、表面積、表面粗さを持つ特別なネットワークが得られるように選択できる。この明細書に記載してあるように、コヒーレントな不規則ネットワークを生み出すのに使用される粒子のいくつかについて粒子サイズを分析した。そのデータを表3に示す。平均粒子サイズ(MA)は20μm〜約30μmであることに注意されたい。より小さな粒子とより大きな粒子、またはサイズの異なる2種類以上の粒子の混合物を利用してコヒーレントな不規則ネットワークを製造することができよう。例えば小さな5〜20μmの粒子を使用すること、または100μmまでの粒子を使用すること、またはその間の任意のサイズを使用することができる。粒子71のいくつかの実施態様のSEM画像を
図5〜
図7に示す。
図5は表2に示した粉末A 72、
図6は表2に示した粉末C 74、
図7aと
図7bは表2に示した粉末B 76である。
図5〜
図7に示した3種類の粉末の表面積はこの明細書に記載したようにして測定した。粉末BすなわちPFA粒子は、表4に示してあるように13 m
2/gと非常に大きな表面積を持っていた。いくつかの用途では、表面積の大きな粒子を用いてよりよい液体ロール-オフ特性を実現できる。
【0035】
いくつかの実施態様では、異なる2種類以上の粒子を選択し、コヒーレントな不規則ネットワークの製造に使用することができる。一実施態様では、
図8Aと
図8Bに示してあるように、異なるタイプの粒子を互いに混合する。別の一実施態様では、
図4Aと
図4Bに示してあるように、1種類の粒子を延伸フルオロポリマー層に付着させた後、第2のタイプの粒子を付着させる。異なる2種類以上の粒子を用いると、コヒーレントな不規則ネットワークをフルオロポリマーに付着させること、または透過層を支持層に付着させること、または望む透過率、望む空孔率、望む表面積、望む摩耗抵抗、望む表面粗さ、望む自立性フィルムの強度、望む導電率などにすることが容易になる。
【0036】
図4Aと
図4Bに示した一実施態様では、第1の粒子を延伸フルオロポリマーの表面に付着させるか被覆した後、第2のタイプの粒子を被覆する。粒子は異なる融点を持っているため、コヒーレントな不規則ネットワークは、そのコヒーレントな不規則ネットワーク20の内部に識別可能な第1の要素28と第2の要素29を含む。第1と第2の粒子を順番に延伸フルオロポリマーに付着させる別の一実施態様では、第1の粒子は、延伸フルオロポリマーによく接着するものが選択され、第2の粒子は、摩耗抵抗の大きいものが選択される。いくつかのケースでは、多数の、例えば3種類以上の異なる粒子を付着させてコヒーレントな不規則ネットワークを形成することが望ましかろう。
【0037】
一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークを形成する前に、すなわち延伸フルオロポリマーへの付着または被覆の前に、2種類以上の粒子を混合またはブレンドする。さらに、1種類の粒子は他のタイプの粒子よりも融点が低いものを選択することができる。すると融点がより低いその粒子が融解して2種類以上の異なる粒子を付着させることにより、コヒーレントな不規則ネットワークが形成される。
図8Bに示してあるように、コヒーレントな不規則ネットワーク20の内部に第1の要素28と第2の要素29の界面98を識別することができる。
【0038】
コヒーレントな不規則ネットワークは、延伸フルオロポリマーの表面に形成すること、または自立性製品にすることができる。一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、自立性製品にされた後、延伸フルオロポリマーに付着される。そのとき付着部は不連続であるためこの多孔性製品は透過可能な状態に留まる。自立性のコヒーレントな不規則ネットワークは、加熱によってそのコヒーレントな不規則ネットワークの一部を融解させて延伸フルオロポリマーに付着させること、または不連続な付着部(例えば接着剤や点接合など)を利用して延伸フルオロポリマーに付着させることができる。
図9に示してあるように、不連続な付着部44がコヒーレントな不規則ネットワーク20と支持材料46を延伸フルオロポリマー12に固定している。
【0039】
一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、融解処理できない粒子をさらに含んでいる。融解処理できない粒子として、無機粒子(例えばシリカ、カーボンなど)、融解処理できないポリマー(例えばポリイミド、PPS、PTFEなど)が挙げられる。これらの実施態様では、熱可塑性の粒子または要素が付着してコヒーレントな不規則ネットワークを作り出し、融解処理できない粒子は、そのネットワークの中または表面に付着させる。
【0040】
一実施態様では、融解処理できない粒子を付着させた後にコヒーレントな不規則ネットワークを溶融させることができる。例えば一実施態様では、第1の熱可塑性粒子を、または2種類以上の熱可塑性粒子の混合物を延伸フルオロポリマーに付着させた後、第2の融解処理できない粒子を付着させる。その後、例えば十分な温度と時間で加熱することによって熱可塑性粒子を溶融させてコヒーレントな不規則ネットワークを形成する。別の一実施態様では、融解処理できない粒子と熱可塑性粒子の混合物を延伸フルオロポリマーまたはコヒーレントな不規則ネットワークに付着させた後、十分な温度と時間で加熱することにより、融解処理できない粒子が内部または表面に組み込まれたコヒーレントな不規則ネットワークを作り出す。
【0041】
コヒーレントな不規則ネットワークは、いくつかの用途において貴重な特徴である大きな表面積を持つようにできる。実施例7と実施例8に従って製造されるコヒーレントな不規則ネットワークの表面積を表5に示してあり、厚さ50μmのFEPフィルム、すなわち比較例1と比較することができる。実施例7と実施例8の表面積は、それぞれ0.086 m
2/gと3.262 m
2/gであり、両方とも、FEPフィルムの表面積である0.024 m
2/gよりもはるかに大きかった。FEPフィルムは、多くの用途にとって望ましくない平坦で滑らかな表面を持つ。いくつかの実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、表面積を0.050 m
2/g超、または4.0 m
2/g超、または0.050 m
2/g〜6.0 m
2/gにすることができる。
【0043】
いくつかの実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、それを作るのに用いられる単層の熱可塑性粒子と同じくらい非常に薄くすることができる(例えば厚さ20μm未満)。別の実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、より厚いもの、例えば20μm超、50μm超、100μm超、250μm超、1mm超、20μm〜1mm、約25μm〜500μm、約25μm〜250μmの厚さにすることができる。コヒーレントな不規則ネットワークの厚さは、想定する用途での必要性に合わせて選択することができる。
【0044】
一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、
図2と
図3に示してあるように、延伸フルオロポリマー層の一方の側に付着させる。別の一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、
図10に示してあるように、延伸フルオロポリマー層の両方の側に付着させ、多孔性製品10の第1の面22と第2の面24としてのコヒーレントな不規則ネットワーク20にする。さらに別の一実施態様では、
図11に示してあるように、異なる2種類のコヒーレントな不規則ネットワークを延伸フルオロポリマー層のそれぞれの側に付着させる。ここでは、第2の面24上のコヒーレントな不規則ネットワーク20を第1の面22上のコヒーレントな不規則ネットワーク20よりもはるかに薄くして示してある。それに加え、異なるコヒーレントな不規則ネットワークを延伸フルオロポリマー層のそれぞれの側に付着させる実施態様では、そのコヒーレントな不規則ネットワークは、異なる種類、サイズ、配置、比率の粒子を含むことができる。
【0045】
例えば延伸フルオロポリマーとコヒーレントな不規則ネットワークの厚さの比は非常に大きく変動する可能性があり、例えば約1:1から、約1:10、1:20、1:50、1:100、1:200のほか、これらの間のすべての範囲が可能である。この比は、1:200よりも大きくなる可能性もある。さらに、コヒーレントな不規則ネットワークと延伸フルオロポリマーの比も非常に大きく変動する可能性があり、例えば約1:1から、約1:10、1:20、1:50、1:100、1:200のほか、これらの間のすべての範囲が可能である。この比は、1:200よりも大きくすることもできよう。
【0046】
多孔性製品は、シート、チューブ、ロッドの形状にすることができる。延伸フルオロポリマー、特に延伸PTFEは、シート、膜、チューブ、ロッドの形状にできることがよく知られている。コヒーレントな不規則ネットワークは、シート、チューブ、ロッドの形状になった延伸フルオロポリマー層に付着させることができよう。あるいはシートの形状になった多孔性製品で包んでチューブを形成すること、またはシートの形状の多孔性製品を巻いてロッドを製造することができる。
図12に示してあるように、多孔性製品10は、長さ38と非被覆長40からわかるように、延伸フルオロポリマー製チューブ30の全長の一部36にだけ付着させたコヒーレントな不規則ネットワーク20を含んでいる。コヒーレントな不規則ネットワークは、延伸フルオロポリマー製チューブの外径32の表面にある状態を示してあるが、内径34の表面にあってもよい。
【0047】
驚くべきことに、いくつかの実施態様の延伸フルオロポリマーの透過率は、コヒーレントな不規則ネットワークを付着させても有意に低下しないことが見いだされた。それは、延伸フルオロポリマーの透過率を、コヒーレントな不規則ネットワークをその延伸フルオロポリマーに付着させた後の多孔性製品の透過率と比較することによって証明された。そのデータを表6と表7に示す。実施例5に示してあるように、最初に100フレージャーまたは0.24キロレイルと大きな透過率を持っていた延伸フルオロポリマーが、コヒーレントな不規則ネットワークを付着させた後に値を維持して77フレージャー、0.32キロレイルであったのは、特に驚くべきことであった。さらに、実施例5は、コヒーレントな不規則ネットワークが、延伸フルオロポリマーの強度、特に非常に透過性の大きい延伸フルオロポリマーの強度を非常に大きくできることを証明している。実施例5で使用した延伸フルオロポリマーのボール破裂値は、コヒーレントな不規則ネットワークの付着によって6.45Nから11.44Nへと増大した。これはほぼ2倍である。
【0049】
透過率が比較的小さい延伸フルオロポリマー(例えば実施例6で使用したもの)の透過率は、表7に示してあるように、コヒーレントな不規則ネットワークを付着させることによって有意には低下しなかった。
【0051】
いくつかの実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークの付着により、透過率や泡立ち点、またはこれらの望ましい組み合わせを有意に低下させることなく、延伸フルオロポリマーの摩耗抵抗を大きく改善することができる。実施例1に記載してあるようにコヒーレントな不規則ネットワークを膜Aに付着させると、表8に示してあるように、マーチンデール摩耗試験における破損までのサイクル数が40サイクルから150サイクルへと増加した。
【0053】
延伸フルオロポリマーは、一般に、用途によっては望ましくない比較的滑らかな表面を有する。本発明のコヒーレントな不規則ネットワークは、延伸フルオロポリマーよりもはるかに粗い表面を有する。通気、フィルタ、アパレルなど、いくつかの用途では、粗い表面により、特に多孔性製品を処理して疎油性にする場合に液体のロール-オフが容易になろう。この明細書に記載した手続きに従って測定した表面粗さを表9に示す。Sa値は、試験部品の表面にフィットする平面からのあらゆる地点の平均の粗さまたはずれ、すなわち平均値からのずれの算術平均である。試験したコヒーレントな不規則ネットワークのSa値は、延伸フルオロポリマーとFEP押し出しフィルムのSa値よりも少なくとも1桁大きかった。本発明のコヒーレントな不規則ネットワークは、Sa値を約12以上、または20超、または40超、または12〜60μmにすることができる。Sp値は、最も高いピークと平均面の間の高さである。コヒーレントな不規則ネットワークのSp値は、延伸フルオロポリマーとFEPフィルムのそれぞれ約30倍と15倍であった。本発明のコヒーレントな不規則ネットワークは、Sp値を約50以上、100超、200超、50〜300μmにすることができる。
【0055】
多孔性製品は、支持層(例えば織布、不織布、メッシュ、スクリーン、フェルトや、他の延伸フルオロポリマーなど)に固定することができる。
図9に示した支持層46は、不連続付着部44を用いて延伸フルオロポリマー12またはコヒーレントな不規則ネットワーク20に付着させることで、より優れた寸法安定性、剛性、強度などを得ることができる。不連続付着部として、接着剤、接着性のネットまたはファブリック、熱または圧力を利用した点接合、超音波溶接などが可能である。
【0056】
コヒーレントな不規則ネットワークは、延伸フルオロポリマーに最初に要素または粒子をまとめて付着させ、次いでコヒーレントな不規則ネットワークを付着させることによって製造できる。コヒーレントな不規則ネットワークは、粒子を互いに付着させる一方で、いくらかの粒子を延伸フルオロポリマーに付着させることによって製造できる。1つのコヒーレントな不規則ネットワークを延伸フルオロポリマーの一方の側に固定した後、第2のコヒーレントな不規則ネットワークを同じ面または反対側の面に固定することができる。
【0057】
コヒーレントな不規則ネットワークを作るのに用いられる粒子または要素は、従来からある任意の加熱源(例えば対流炉、ホット・プレート、輻射熱など)を用いて加熱することによって付着させることができる。あるいは粒子は、誘導加熱または超音波加熱によって互いに付着させること、または延伸フルオロポリマーに付着させることができる。
【0058】
一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、延伸フルオロポリマーの1つの面をFEP粒子(粉末A)で被覆することによって作り出される。被覆された延伸フルオロポリマーは、その後十分な温度と時間で加熱されることで、FEP粒子を互いに付着させてコヒーレントな不規則ネットワークを形成するとともに、FEP粒子を延伸フルオロポリマーに付着させる。
【0059】
さらに別の一実施態様では、コヒーレントな不規則ネットワークは、
図13A〜
図16Bに示したパターンにすることができる。パターンとして、面方向および/または厚さ方向のコヒーレントな不規則ネットワークの特性(例えば厚さや密度)を変化させる任意のパターンが可能である。この明細書の中に定義されていて
図13Aと
図13Bに示した直線パターン50は、平行に延びる開放領域52の間に多数の比較的平行に延びるコヒーレントな不規則ネットワーク20を含むパターンであり、ここでは延伸フルオロポリマー12の表面にコヒーレントな不規則ネットワーク20は存在していない。別の一実施態様では、この明細書の中で定義されていて
図14に示した離散したパターン54は、開放領域52によって囲まれたコヒーレントな不規則ネットワークの離散した区画56を含んでいる。さらに別の一実施態様では、この明細書の中に定義されていて
図15に示した連結されたパターン58は、連結されたコヒーレントな不規則ネットワーク60と離散した開放領域62を含んでいる。さらに別の一実施態様では、多孔性製品は、
図16Aと
図16Bに示したエンボス・パターン65を含んでおり、ここではコヒーレントな不規則ネットワークが表面上で厚さ方向に実質的に規則的な変化をしている。このエンボス・パターンは、直線パターン、離散パターン、連結パターンという一般的な特徴にすることができ、開放領域とは違って材料の中により薄い領域が構成されている。パターンは、想定する用途に合った特定の特性が与えられるように選択する。例えば表面を横断する流れが重要であるときには、直線パターンまたは離散パターンを利用できる。
【0060】
コヒーレントな不規則ネットワークの中のパターンは、粒子または要素を表面に付着させるときにマスクを利用して作ることができる。あるいはパターンは、粒子を互いに付着させる前、または付着させている最中に、または付着させた後に、熱または圧力を利用してあるパターンを材料の中に押し込んで作ることができる。それに加え、パターンは、延伸フルオロポリマー材料に印を付け、粒子付着領域を通過させるときに間欠的に粒子を分散させることによって作り出すことができる。さらに別の一実施態様では、パターンは、材料を除去してパターンを作り出すことによって製造される。
【0061】
本発明の多孔性製品は、さまざまな技術を利用して疎油性にすることにより、いくつかの用途(例えば通気の用途において、材料が空気をよく通すが水侵入圧は大きく、しかも油などの表面張力が小さい流体の侵入に抵抗できるようにする場合)に適したものにすることができる。この明細書では、“疎油性”という用語は、AATCC試験法118-2002による油評価が約2よりも大きい製品を意味する。例えば多孔性製品は、アメリカ合衆国特許第5,116,650号に記載されているペルフルオロジオキソール・ポリマーの溶液で被覆することができる。この被覆は、多孔性製品の要素の少なくとも1つにも、それら要素を互いに固定する前に付着させることができる。例えば延伸フルオロポリマーを被覆溶液で処理して疎油性にした後、コヒーレントな不規則ネットワークをその延伸フルオロポリマーに取り付けか付着させることができる。
【0062】
多孔性製品は、さまざまな技術を利用して親水性にすることで、液体濾過の用途(例えば水性流体の濾過)で使用できるようになる。この明細書では、親水性は、水に濡れる材料と定義される。そのため水は、10kPa未満の低い圧力でその材料に第1の面から侵入して第2の面に至る。
【0063】
本発明の多孔性製品は、高温で寸法を安定にすることができる。延伸フルオロポリマー材料は、高温に曝されると劇的に収縮する可能性がある。例えば表10に示したデータから、延伸PTFE膜(膜C)は、5分間150℃に加熱すると面積が約72%収縮するのに対し、実施例9に従ってコヒーレントな不規則ネットワークを付着させた同じ膜は、6%しか収縮しなかった。本発明の多孔性製品は、この明細書では、この明細書に記載した寸法安定性試験に従って試験したときに20%未満の面積収縮であるときに寸法安定性であると定義される。
【0065】
比較例として不連続なフッ素樹脂とePTFE膜の複合体を製造し、寸法安定性を試験した。この延伸膜は、Bacinoらのアメリカ合衆国特許出願第11/738,761号の教示内容に従って製造し、不連続なFEP表面層がある実施例11とない実施例10を作った。コヒーレントな不規則ネットワークを実施例10のePTFE膜に付着させたものと、実施例11の不連続表面層の側に付着させたものを作り、それぞれ実施例13と実施例12にした。合計4種類のサンプルについて、この明細書に記載したようにして熱による寸法安定性を試験した。結果を表11に示す。コヒーレントな不規則ネットワークのない2種類のサンプルは、面積収縮率が約70%であったのに対し、コヒーレントな不規則ネットワークのあるサンプルは、面積収縮率が3%未満であった。
【0067】
実施例で製造した多孔性製品について測定したデータを表12に示す。
【0070】
この明細書では、多孔性製品は、第1の面と、第2の面と、その両者の間にある空孔を備えていて、圧力を加えたときに流体、空気、気体が第1の面から第2の面へと通過できる材料と定義される。例えばガーレー値が500秒未満または約4,000キロレイル未満の材料が、本特許が目的とする多孔性であると考えられる。
【0071】
この明細書では、コヒーレントな不規則ネットワークは、例えば融合または溶融によって互いに付着し、主に一様でない要素からなる多孔性かつ透過性の材料を形成しているフッ素樹脂の粒子または要素と定義される。一様な要素であれば、長さのかなりの部分にわたって断面の形状が一定であると考えられる。
【0072】
この明細書では、付着したは、材料と合体しているため互いに分離するのに測定可能な力(例えば重力よりも大きな力)を必要とすることと定義される。
【0073】
この明細書では、隣接領域は、透過層と延伸フルオロポリマー層の間の領域と定義される。透過層が延伸フルオロポリマーの両面に固定されている実施態様では、延伸フルオロポリマーの両面に隣接領域が存在する。
【0074】
この明細書では、自立性は、別の材料への支持または付着なしにそれ自身で取り扱うのに十分な物理的全体性を有する材料と定義される。例えば自立性材料は、延伸フルオロポリマーの表面に配置して取り付けることができよう。
【0075】
この明細書では、連続したは、破断なしに全体が接続されている面と定義される。
【0078】
シート材料のサンプルを15.2×3.8cmに切断し、薄いアルミニウム製皿の上に置き、アルミ・ホイルで軽く覆うが拘束はせずにサンプルを保護した後、あらかじめ設定温度150℃に加熱した炉の中に入れた。5分後に皿を炉から取り出した。皿を放置して冷却した後、サンプルを皿から取り出してサイズを測定した。その後、収縮率を計算した。結果を表10に示してある。
【0079】
メルト・フロー・インデックス(MFI)
【0080】
押し出し可塑度計による熱可塑性材料のメルト・フロー速度の標準的試験法であるASTM D1238に従い、コヒーレントな不規則ネットワークを作るのに用いた粉末のメルト・フロー・インデックス(MFI)を試験した。特に、372℃の温度と2.16kgの負荷を用いて手続きAに一般に従った。それは、ASTMのセクション8に詳述されている。
【0081】
この試験法は、融解した熱可塑性樹脂の押し出し速度を押し出し可塑度計で測定する方法をカバーしている。指定された予熱時間の後、温度、負荷、バレル内のピストン位置をあらかじめ決めた条件のもとで、指定された長さとオリフィスの直径を持つダイスで樹脂を押し出す。測定の単位は、材料のグラム数/10分(g/10分)である。これは、所定の期間にダイスから押し出される材料の質量の測定値に基づいている。これは、一般に、メルト・フロー速度が0.15〜50g/10分の範囲に入る材料で利用される。
【0083】
粒子サイズは、Honeywell Microtrac ASVRとMicrotrac X100レーザーを用いて測定した。80 mlのビーカーにイソプロピルアルコール(IPA)を満たした後、約2gのサンプルをビーカーの中に入れた。次に、Caframo Type RZRI(ワイアートン、カナダ国)ミキサーを用いてこのビーカーを約3〜4分間撹拌した。Microtracの浴領域にIPAを満たし、流れをオンにした。Microtrac上のバックグラウンドの読み取り値がゼロになったとき、そのMicrotracが準備のできたことを知らせる信号を出すまで、試験サンプルをゆっくりと添加した。各サンプルで測定を3回実施した。この試験からのデータには以下の項目が含まれる。
【0084】
MV - “体積分布”の平均直径(単位はミクロン)は、分布の重心を表わす。Mieまたは修正Mieの計算を利用して分布を計算する。MVの計算に用いる式を求めると、分布の中の大きな粒子の体積量の変化による重みを付けるべき(強く影響を受けている)ことがわかるであろう。これは、一種の平均粒子サイズまたは中央部の傾向である。
【0085】
MN - “数分布” の平均直径(単位はミクロン)は、体積分布のデータを利用して計算され、分布の中のより小さな粒子に重みが付けられている。このタイプの平均は、粒子の集団またはカウント数と関係している。
【0086】
MA - “面積分布” の平均直径(単位はミクロン)は、体積分布から計算される。この面積平均は、分布の中の大きな粒子の量の変化がMVよりも少なく(より鈍感に)重み付けされたタイプの平均である。これは、分布の粒子の表面積の分布に関する情報を表わす。
【0087】
CS - 計算された表面 - この値はm
2/ccを単位として表わされ、比表面積の1つの指標を提供する。CSの計算では、滑らかで中実な球形粒子を仮定する。この値を粒子の密度で割ることによってSSAの古典的な単位であるm
2/gに変換できる。BETまたは表面積を測定する他の吸着法と混同してはならない。なぜならCSは、粒子の空孔率、粒子の吸着特異性、粒子の形態特性の効果を考慮していないからである。
【0088】
SD - 標準偏差(単位はミクロン)(グラフィック標準偏差(σg)としても知られる)は、分布幅の1つの指標である。多数回の測定の変動の指標ではない。計算式は、(84%-16%)/2である。
【0090】
厚さは、材料をKafer FZ1000/30厚さ挟みゲージ(Kafer Messuhrenfabrik GmbH、ヴィリンゲン-シュヴェンニンゲン、ドイツ国)の2枚のプレートの間に配置して測定した。3回の測定の平均値を使用した。いくつかのケースでは、ミツトヨ(神奈川県、日本国)の挟みゲージ(JVD028第28045-10番)を使用してサンプルの厚さを測定した。
【0092】
サンプルの面質量と厚さを用いて空孔率を計算した。サンプルの面質量を厚さで割ってサンプルの密度(ρs)を求めた。次に、以下の式:
空孔率=(ρm-ρs)/ρm
を用いて空孔率を計算した。ただしρmは、原材料の密度(g/cc)である。例えばFEPで用いた密度の値は2.14 g/ccであった。
【0094】
泡立ち点と平均流細孔径は、ASTM F31 6-03の一般的な教示内容に従い、毛管流ポロメータ(Porous Materials Inc.(イサカ、ニューヨーク州)のモデルCFP 1500 AEXL)を用いて測定した。サンプルの膜をサンプル室の中に配置し、(Porous materials Inc.から入手できる)表面張力が19.1ダイン/cmのSilWickシリコーン流体を用いて湿らせた。サンプル室の底部クランプは、直径が2.54cmで厚さが3.175mmの多孔性金属円板インサート(Mott Metallurgical、ファーミントン、コネティカット州、40ミクロンの多孔性金属円板)を備えており、サンプル室の頂部クランプは、直径が3.175mmの穴を持っていた。Capwinソフトウエアのバージョン6.62.1を用い、以下のパラメータを以下の表に示したように設定した。泡立ち点と平均流細孔径に関して示す値は、2回の測定の平均値であった。
【0095】
パラメータ設定点
最大流(cc/m) 200000
泡流(cc/m) 100
F/PT(以前の泡時間) 40
最小泡立ち点圧力(PSI) 0
ゼロ時間(秒) 1
v2増分(cts) 10
preg増分(cts) 1
パルス遅延(秒) 2
最大圧力(PSI) 500
パルス幅(秒) 0.2
最短eq時間(秒) 30
圧力slew(cts) 10
流れslew(cts) 50
eqiter 3
平均iter 20
最大pdif(PSI) 0.1
最大fdif(cc/m) 50
sartp(PSI) 1
sartf(cc/m) 500
【0097】
ガーレー空気流試験では、100cm
3の空気が12.4cmの水圧で6.45cm
2のサンプルを通過する時間を秒を単位として測定する。サンプルは、ガーレー・デンソメーターのモデル4340という自動式デンソメーターの中で測定した。3回の測定の平均値を用いた。
【0099】
Textest Instruments、FX3310(シュヴェルツェンバッハ、スイス国)。試験圧力を125 Paに設定し、CFMで測定。
【0101】
Coulter SA3100ガス吸着分析器(Beckman Coulter Inc.、フラートン、カリフォルニア州)でBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を用いてePTFE膜の単位質量当たりの表面積(単位はm
2/g)を測定した。ePTFE膜シートの中心からサンプルを切断し、小さなサンプル管(参照番号8201151)の中に入れた。ePTFEサンプルの質量は約0.1〜0.2グラムであった。サンプル管をBeckman Coulter Inc.(フラートン、カリフォルニア州)のCoulter SA-Prep 表面積ガス放出器(モデルSA-PREP、P/N 5102014)の中に入れ、110℃で2時間にわたってヘリウムでパージした。次にサンプル管をSA3100ガス吸着分析器の中に入れ、自由空間を計算するためのヘリウムと、吸着ガスとしての窒素を用いて、装置の指示書に従ってBET表面積分析を行なった。各サンプルについて1回だけの測定値を記録した。
【0103】
Micro Photonic, Inc.のNanovea ST400シリーズを用いて多孔性製品の表面粗さを測定した。以下のパラメータを設定した。
走査パラメータ:x方向とy方向の両方で2mm×2mmの面積を25μmのステップで
表面サイズ:領域
開始位置:中央
単一の方向:
ペン:3500光学ペン
CHR取得:30Hz
【0104】
さまざまなパラメータを以下に記載するようにして測定した。
【0105】
1.Sa - 平均値からのずれの算術平均。試験部の表面にフィットする平面からのすべての地点の粗さまたはずれの平均。
【数1】
【0106】
2.Sq - 平均値からのずれの自乗平均。表面の振幅に関する有効値の計算(RMS)。
【数2】
【0107】
3.Sp - 表面の最も高いピーク。最も高いピークから平均面までの高さ
【0108】
4.Sv - 表面の最も深い谷。平均面から最も深い谷までの深さ。
【0109】
5.St - 表面の全高。最も高いピークから最も深いまでの高さ。
【0110】
6.Ssk - 深さの分布曲線の対称性。負値のSskは、その面が主に1つの台地と深くて細かい複数の谷からなることを示している。この場合、分布は頂点まで波立っている。正値のSskは、1つの平面上に多数のピークがある面であることを示している。分布は底まで波立っている。大きな指数を用いているため、このパラメータは測定のサンプリングとノイズに非常に敏感である。
【数3】
【0111】
7.Sku - 深さの分布曲線の平坦さ。大きな指数を用いているため、このパラメータは測定のサンプリングとノイズに非常に敏感である。
【数4】
【0112】
8.Sz - 面の10個の点の高さ。評価する長さ全体で最も高い5つのピークと最も深い5つの穴の間の距離の平均。3×3の近傍を考慮してピークと谷を見つける。
【数5】
【0114】
以下のように改変したマーチンデール摩耗試験装置を用い、ASTM D4966の「テキスタイル・ファブリックの摩耗抵抗に関する標準試験法(マーチンデール摩耗試験法)」に従って摩耗を試験した。直径6.25インチの円形試料を、試験テーブル上のフェルト製標準片の上に載せた。そのためサンプルのフィルムの表面が摩耗の対象となる。試料ホルダの中の試料をフックとループ式のファスナーのフック側の直径1.5インチの円のそばに配置した。そのときフックを下に向けてそのフックがサンプルの摩耗を担うようにする。この材料は、Norman Shatz Co.(3570 イースト・ストリート・ロード、ベンサレム、ペンシルヴェニア州)から“2インチ幅黒色フック”として入手できるナイロン製フックである。
【0115】
規則的な時間間隔で摩耗運動をさせ、各運動期間の終わりに静水抵抗測定を実施した。最初は、50回に達するまで、1回の運動期間に25回運動させる。
【0116】
防液体試験を以下のように実施した。代表的な試験液体として水を用い、改変したSuiter試験装置を用いてサンプルの防液体性を試験した。2つのゴム製ガスケットで密封した直径約4.25インチのサンプル領域に水を強制的に当てた。サンプルの外側フィルム面が水を強制的に当てる面となるような向きにしてサンプルを試験した。水タンクに接続したポンプによってサンプル上の水圧を約1 psiまで上昇させる。その数値は適切な計器によって示され、イン-ライン弁によって制御される。試験サンプルはある角度にされており、水を循環させてサンプルの下面に空気ではなく水が接触することを保証する。されてサンプルを通過してきた水がサンプルの外側フィルム面とは反対側の面に強制現われるかどうかを3分間観察する。その面に液体の水が見られると、漏れと解釈される。サンプルのその面に3分以内に液体の水が見えない場合に合格(防液体)レベルとされる。この明細書では、サンプルがこの試験に合格した場合にそのサンプルは“防液体性”である。例えば、雫やピン・ホール漏れなどの形で目に見える水が漏れてきたサンプルは防液体性ではなく、試験に不合格である。防液体性が損なわれるまでの摩耗サイクルの数を表8に示してある。実施例1の多孔性製品を製造するのに用いたePTFE膜を対照として試験したところ、防液体性が損なわれるまで40サイクルであったのに対し、実施例1に従って製造したサンプルは、防液体性が損なわれるまで150サイクルであった。
【0117】
以下の実施例は本発明の説明を目的としており、いかなる意味でも本発明の範囲を制限すると見なしてはならない。
【0119】
図17に示してあるように、表1に掲載した延伸PTFE膜82のサンプルを、高さ12mmのピン84を約12mmごとの間隔で有する30.5cm×30.5cmのピン・フレーム80の上に載せた。US規格シリーズ篩の1つである0.180mmの開口部を有する篩#80(Dual Manufacturing Co.、シカゴ、イリノイ州)の中に粉末または粉末混合物を入れた。
図18に示してあるようにこの篩を軽く振って熱可塑性粒子86をePTFEサンプル82の上に分散させた。次に、高さ約1cmの縁を外周のまわりに有する約36cm×36cmのサイズのアルミニウム製トレーの上にピン・フレームを載せた。高さ約5cmの縁を外周のまわりに有する約36cm×36cmのサイズの蓋をサンプルの上に載せた。次に、蓋で覆ったこのサンプルを加熱した。サンプルは、305℃の温度に設定したDespatch Vシリーズの炉(Despatch Industries、ミネアポリス、ミネソタ州)の中に入れて約15分間経過させた。その後、蓋を取り除き、サンプルを炉の中にさらに5分間放置した後、取り出した。すると熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0120】
以下の実施例で製造したすべての多孔性製品は、その実施例において特に断らない限り、上に記載した一般的な手続きに従った。
【実施例】
【0121】
(実施例1)
多孔性製品の製造方法に従い、この明細書で粉末Aとして記載したFEPの粉末NC1500(ダイキン、日本国)を、この明細書で膜Aとして記載したePTFE膜の上に分散させ、多孔性製品の製造方法に記載されているようにして炉の中で加熱することにより、多孔性製品を製造した。ただし、蓋を取り除いた後に炉の中にその多孔性製品を8分間放置した点が異なっている。
図1のSEM画像に示されているように、熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0122】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表9と表12に見られる。
【0123】
この明細書に記載した試験法に従ってこのサンプルの摩耗抵抗をさらに評価した。実施例1の多孔性製品を製造するのに用いたePTFE膜を対照として試験したところ、防液体性が損なわれるまで40サイクルであったのに対し、実施例1に従って製造したサンプルは、防液体性が損なわれるまで150サイクルであった。
【0124】
(実施例2)
多孔性製品の製造方法に従って50重量%の粉末Aと50重量%の粉末Bの混合物を膜Aの表面に分散させることにより、多孔性製品を製造した。これら2種類の粉末は、その両者を大きな容器の中に入れ、粒子が混合するまでその容器を回転させることによって混合した。次に、粉末で覆われたサンプルを多孔性製品の製造方法の手続きに従って炉の中に入れた。
図8Aと
図8BのSEM画像に示されているように、熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0125】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表9と表12に見られる。
【0126】
(実施例3)
多孔性製品の製造方法に従い、この明細書に記載した粉末Aを膜Aの表面に分散させることにより、多孔性製品を製造した。実施例1の手続きに従ってサンプルを炉の中に入れ、15分間にわたって305℃に加熱した。15分後、蓋を取り除き、炉の中にサンプルをさらに5分間放置した後、取り出した。炉から取り出した直後に粉末Bをサンプルの表面に分散させ、蓋を再びサンプルの上に載せ、蓋で覆ったサンプルを、やはり305℃の温度に設定した炉に戻した。5分後にサンプルから蓋を取り除き、サンプルを炉の中にさらに3分間放置した。
【0127】
図4Aと
図4BのSEM画像に示されているように、熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0128】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表9と表12に見られる。
【0129】
(実施例4)
多孔性製品の製造方法に従って多孔性製品を製造したが、ピン・フレームに固定するのではなく、ホース・クランプを用いて直径が約30cmで高さが2.5cmのフープに膜Aを固定した点が異なっていた。粉末Aを膜Bの表面に分散させ、多孔性製品の製造方法に従って加熱した。その中には、サンプルをトレーの上に置いて蓋で覆うことが含まれる。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0130】
サンプルの透過率をこの明細書に記載した方法に従って測定したところ、平均は51フレージャーであった。次にこのサンプルをトレイの上に戻して蓋で覆い、305℃の温度に設定した炉の中に戻してさらに15分間経過させた。炉からサンプルを再び取り出した後、そのサンプルの平均透過率は47,5フレージャーであった。次にこのサンプルをトレイの上に戻して蓋で覆い、305℃の温度に設定した炉の中に戻して3回目の15分間を経過させた。炉からサンプルを再び取り出した後、そのサンプルの平均透過率は41.8フレージャーであった。透過率の平均値は、測定した2つの値の平均である。次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表9と表12に見られる。
【0131】
(実施例5)
多孔性製品の製造方法に従って多孔性製品を製造したが、ピン・フレームに固定するのではなく、ホース・クランプを用いて直径が約30cmで高さが2.5cmのフープに膜Dを固定した点が異なっていた。粉末Aを膜Dの表面に分散させ、多孔性製品の製造方法に従って加熱した。熱可塑性粒子が互いに融合した透過層を備えていて、延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを形成している多孔性製品が得られた。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0132】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表6と表12に見られる。
【0133】
この実施例の多孔性製品を製造するのに用いたePTFE膜である膜Dは透過率が大きいが、非常に薄くて弱いため、ボール破裂値は小さくてわずかに6.4ニュートンである。それに対してこの膜を用いて製造した多孔性製品はやはり透過率が大きいが、ボール破裂値は約2倍の11.4ニュートンである。
【0134】
(実施例6)
多孔性製品の製造方法に従って多孔性製品を製造したが、サンプルを加熱している間の炉の温度を220℃に設定した点が異なっていた。粉末Bを膜Cの表面に分散させ、サンプルを上に記載したようにして加熱した。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0135】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表7、表9、表12に見られる。
【0136】
(実施例7)
多孔性製品の製造方法に従って透過性の自立性材料を製造したが、粉末Aを延伸膜ではなく厚さ50μmの薄く剥いだPTFE膜(Dewall、ソーンダーズタウン、ロードアイランド州)の表面に分散させた点が異なっていた。粉末Aを薄く剥いだPTFE膜の表面に分散させた後、多孔性製品の製造方法に従った。サンプルを冷却した後、薄く剥いだPTFE膜からコヒーレントな不規則ネットワークを剥がすと、
図19Aと
図19BのSEM画像に示してあるように熱可塑性粒子が互いに融合したコヒーレントな不規則ネットワークを有する自立性の多孔性製品が得られた。
図19Aは、自立性材料15の第1の面23を示しており、
図19Bは、平坦面領域27を有する第2の面25を示している。次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この透過性の自立性材料を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表5、表9、表12に見られる。
【0137】
(実施例8)
多孔性製品の製造方法に従って透過性の自立性材料を製造したが、50重量%の粉末Aと50重量%の粉末Cの混合物を延伸膜の代わりに厚さ50μmの薄く剥いだPTFE膜(Dewall、ソーンダーズタウン、ロードアイランド州)の表面に分散させた点が異なっていた。これら2種類の粉末は、その両者を大きな容器の中に入れ、粒子が混合するまでその容器を回転させることによって混合した。薄く剥いだPTFE膜の表面にその粉末を分散させた後、多孔性製品の製造法に従った。サンプルを冷却した後、薄く剥いだPTFE膜からコヒーレントな不規則ネットワークを剥がすと、熱可塑性粒子が互いに融合したコヒーレントな不規則ネットワークを有する自立性の多孔性製品が得られた。次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この透過性の自立性材料を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表5に見られる。この自立性材料の空孔率は約57%であった。
【0138】
(実施例9)
多孔性製品の製造方法に従い、粉末Aを膜Cの表面に分散させることによって多孔性製品を製造した。多孔性製品の製造方法による加熱手続きに従った。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有する多孔性製品が得られた。
【0139】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表12に見られる。
【0140】
この多孔性製品の熱による寸法安定性をさらに評価した。10.2cm×20.3cmの長方形のサンプルを、膜Cからと、実施例9に従って製造した多孔性製品のサンプルから切断した。そのとき、長辺が長軸または機械の方向と平行になるようにした。切断した長方形のサンプルを金属トレーの上に載せ、150℃の温度に設定したDespatch Vシリーズの炉の中で5分間加熱した。サンプルを取り出し、放置して冷却した。サイズを測定し、収縮率を計算した。その結果は表10に見られる。
【0141】
この多孔性製品は、高温に曝露した後の面積低下率が小さいことからわかるように、劇的に大きな熱寸法安定性を示した。
【0142】
(実施例10)
多孔性延伸PTFE膜を製造した。PTFEポリマー(Daikin Industries, Ltd.、オレンジバーグ、ニューヨーク州)の細かい粉末を、その細かい粉末1gにつき0.192gの割合のIsopar K(Exxon Mobil Corp.、フェアファックス、ヴァージニア州)と混合した。潤滑にされたこの粉末をシリンダの中で圧縮してペレットを形成した後、70℃に設定した炉の中に約12時間入れた。圧縮され加熱されたペレットをラム押し出しによって幅約15.2cm、厚さ0.73mmのテープにした。押し出されたテープを2つの圧縮ロールの間でカレンダ加工して厚さを0.254mmにした。次にこのテープを横方向に引っ張って56cmにした(すなわち3.7:1の比率)後、250℃に設定した炉の中で乾燥させた。乾燥したテープを、345℃の温度に加熱したプレートの上方において、ロールのバンクの間で長手方向に引っ張った。ロールの第2のバンクとロールの第1のバンクの速度比、したがって伸長比は、14:1であった。次に、長手方向に伸ばされたテープを約350℃の温度にて約15:1の比率で横方向に伸ばした後、収縮させ、380℃に設定した炉の中で約20秒間加熱した。次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、実施例この多孔性ePTFEを特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表12に見られる。
【0143】
(実施例11)
Bacinoらのアメリカ合衆国特許出願第11/738,761号の教示内容に一般に従って多孔性複合体を製造した。実施例10の方法に従ったが、厚さ12.5ミクロンのFEPフィルムを層にしてPTFEテープの表面に載せた後、プレート上で引き伸ばした点が異なっていた。ロールの第2のバンクとロールの第1のバンクの速度比、したがって伸長比は、14:1であった。FEPフィルムが融解してPTFEテープに結合した後にその2つの層を引き伸ばすとき、FEPフィルムの中に亀裂が形成された。次に、長手方向に引き伸ばしたこの複合体を約350℃の温度にて約15:1の比率で横方向に引き伸ばした後、収縮させ、380℃に設定した炉の中で約20秒間加熱した。次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、この多孔性複合体を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表12に見られる。
【0144】
(実施例12)
実施例11に従って製造した多孔性複合体を、多孔性製品の製造法に従ってさらに処理し、この明細書に記載した多孔性製品にした。この多孔性複合体を、FEP側が上を向くようにしてピン・フレームの中に入れ、粉末Aをその表面に分散させた。次にこのサンプルを多孔性製品の製造法に従って加熱した。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを形成している多孔性製品が得られた。コヒーレントな不規則ネットワークは、一部がこの多孔性複合体の不連続なFEP面に付着していた。
【0145】
(実施例13)
実施例10に従って製造した多孔性ePTFE膜を、多孔性製品の製造法に従ってさらに処理した。多孔性複合体をピン・フレームの中に入れ、粉末Aをその表面に分散させた。次にこのサンプルを多孔性製品の製造法に従って加熱した。熱可塑性粒子が互いに融合して延伸フルオロポリマー膜に付着したコヒーレントな不規則ネットワークを形成している多孔性製品が得られた。
【0146】
次に、この明細書に記載したようにしてさまざまな特性を測定することにより、実施例10〜13に従って製造した多孔性製品を特徴づけた。この実施例に従って製造したサンプルに関するデータは表12に見られる。
【0147】
これらの同じ製品の熱による寸法安定性をこの明細書に記載したようにして評価した。データは表11に示してある。ePTFEに付着したコヒーレントな不規則ネットワークを有するサンプルは、面積収縮率がはるかに小さかった。
【0148】
比較例
厚さ約50μmのFEPフィルム(Daikin Industries, Ltd.、オレンジバーグ、ニューヨーク州)のさまざまな特性を試験した。そのデータは表5と表9に示してある。