(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の医用装置において、第2のチューブを含み、前記第2のチューブが、膨らんだ状態とつぶれた状態を持ち;前記医用装置の操作中は前記第2のチューブが前記膨らんだ状態になり、前記医用装置を操作していないときには前記第2のチューブが前記つぶれた状態になる、医用装置。
第2のチューブを含み、前記中心チューブと前記外側チューブを該第2のチューブの中に挿入することと、該第2のチューブから除去することができ、該第2のチューブの遠位端に複数の膨張可能な屈曲区画が含まれていて、該屈曲区画が膨らんで提灯形の血管係留部になる、請求項4に記載の医用装置。
【背景技術】
【0002】
埋め込まれた医用装置(例えば静脈カテーテル、動脈カテーテル、神経プロテーゼ、創傷ドレーン、尿カテーテル、中心静脈カテーテル、腹膜カテーテル、シャント、その他の管腔留置装置)は、さまざまな医学的疾患の治療に役立つ。しかし埋め込まれる医用装置の1つの欠点は、その医用装置を体内に挿入するときとその後の感染症のリスクである。そのようなリスクは、医用装置を埋め込んだり挿入したりするときに微生物や病原体が混入しないようにその医用装置を殺菌して注意深く包装して保護していても存在する。例えば血液透析用のカテーテルを用いるときに深刻な院内感染症のリスクが存在する。実際、中心静脈カテーテルによってカテーテルに関係する血流感染症の大半が説明される。
【0003】
カテーテルとそれ以外の管腔留置装置を体腔(例えば尿道、静脈、動脈)の中に挿入するとき、細菌その他の微生物が皮膚から拾われて挿入部位に運び込まれ、その場所で細菌または微生物のコロニーが発生する可能性がある。感染は、微生物とカテーテルの微小表面の相互作用に由来する可能性がある。微生物は、一旦感染するとカテーテルの微小表面に付着して多糖マトリックスまたはバイオフィルムの中に迅速に閉じ込められる。その多糖マトリックスまたはバイオフィルムが、微生物を宿主の防御から保護する。
【0004】
尿カテーテルと静脈カテーテルの場合には、カテーテルの外面または外壁に沿って微生物が増殖するという大きな脅威が存在している。それに加え、特に長期にわたって使用されるカテーテルでは、内面または内壁に沿って微生物が増殖するという大きな脅威が存在する。そうなると、静脈カテーテルと動脈カテーテルの場合には慢性尿管感染症(CUTI)または敗血症になる可能性があり、特に老齢の患者や免疫力が低下した患者では、感染から血栓崩壊塞栓、狭窄症、血栓症や、生命を脅かす他の合併症になる可能性がある。したがってカテーテルを患者の体内に挿入することによって起こる感染症を予防したり治療したりするよりよい方法の開発が必要とされている。
【0005】
抗微生物剤に加え、他の治療剤が、患者の体内に長期にわたって埋め込まれた留置医用装置に伴う合併症を減らすのに役立つ可能性がある。そのような薬剤として、抗炎症剤、抗増殖剤、抗凝固剤や、これらの組み合わせがある。しかし有効であるためには治療剤を留置医用装置の表面のかなり多くの部分に届ける必要がある。そのような治療剤がないと、その医用装置のその部分の性能が低下し、炎症反応を起こすリスク、および/またはその医用装置の留置部の表面に組織が内部成長できるようになるリスクがある。
【0006】
従来の留置カテーテルの別の欠点として、断面が大きいこと、取り扱いにくいこと、カテーテルを広げる領域の組織が傷つくことなどがある。例えば留置カテーテルは、一般に定期的にしか使用されない。その結果としてカテーテルの不便な性質(例えばカテーテルの本体を通すこと、または挿入することが難しい)が、治療時間と、カテーテルによる治療の潜在的な不快感に付加される。また、上述のように、留置カテーテル(例えば中心静脈カテーテル)によって患者の血管系が傷つく可能性がある。
【0007】
したがって、治療剤を医用装置の表面のかなり多くの部分(例えば留置カテーテルの外面のかなりの長さ)に効果的に届けることのできる医用装置が必要とされている。それに加え、より小さく、より使いやすく、患者の身体の組織に対する傷がより少ない改良された装置が必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明をこれから好ましい実施態様について記載するが、本発明をそれらの実施態様に限定する意図はないことを理解されたい。そうではなく、この明細書と請求項に記載した本発明の精神と範囲に含まれる可能性のあるあらゆる代替物、改変物、等価物が本発明に含まれることを想定している。
【0015】
以下の説明と添付の請求項のため、“遠位”という用語は、医用装置(例えば留置カテーテル)とその医用装置の構成部品のうちで、挿入端に最も近い部分、すなわち医用装置のうちで患者の身体のある領域(例えば血管)に挿入される端部を意味する。逆に、相対的な用語である“近位”は、医用装置とその医用装置の構成部品のうちで、その医用装置の挿入端から最も遠い部分を意味する。
【0016】
本発明によるさまざまな医用装置は、少なくとも1つの管腔を有する中心チューブと、第2の管腔と、その中心チューブを同心で取り囲む外側ジャケットとを備えている。さまざまな実施態様では、第2の管腔は中心チューブの中にあり、2つの管腔は断面積が等しい。別の実施態様では、第2の管腔は、中心チューブの外面と外側ジャケットの内面の間で環状の構成にされている。さらに別の実施態様では、医用装置は、第2の管腔を有する第2のチューブを備えている。
【0017】
本発明の別の一実施態様では、医用装置は、留置カテーテルを備えている。その留置カテーテルは、一旦体内に挿入した後に体外からアクセスできる部分を備えることができる。医用装置で使用されるどのカテーテルも、一般に本発明で使用することができる。適切なカテーテルとして、静脈カテーテル、動脈カテーテル、尿カテーテル、創傷ドレーン、中心静脈カテーテル、腹膜カテーテル、経皮カテーテル、シースとトロカール、ドレナージ・カテーテル、内視鏡、内視カテーテル、胃腸カテーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。カテーテルに加え、患者の体内に挿入できて、一旦埋め込んだ後に皮膚を通じて、または他の方法でアクセスできる他の医用装置も本発明で使用できる。例えば他の留置医用装置として、以下に示すもの、すなわちカニューレ、心臓ペースメーカー用のリード線またはリード端子、心臓除細動器のリード線またはリード端子、埋め込み可能な血管アクセス・ポート、血液用チューブ、血管グラフト、それ以外のグラフト、大動脈内バルーン用ポンプ、心臓の弁、心臓血管縫合糸、完全な人工心臓、心室補助ポンプを使用できる。
【0018】
図面を参照すると、図面では、似た参照番号は、同様の要素または対応する要素を表わす。図面は、本発明の一実施態様を表わしている。本発明の一部として他の医用装置も考えられる。
【0019】
図1を参照すると、医用装置100が例示されている。医用装置100は、留置カテーテル104を備えている。医用装置100はさらに、留置カテーテル104の内部の管腔およびチャネル(または環状スペース)と流体で通じた延長チューブ106、108、110を備えている。医用装置100はさらに、延長チューブ106、108、110の近位端にそれぞれ取り付けられたコネクタ用ハブ112、114、116を備えている。
【0020】
医用装置100は、近位部に、複数の単一管腔近位延長チューブ106、108、110を収容する中心チューブ102を備えている。近位延長チューブ106、108、110は、それぞれ、遠位端と近位端を有する。それぞれの近位延長チューブの遠位端は中心チューブ102の近位端に接続されて、それぞれの近位延長チューブの単一の管腔が中心チューブ102の複数の管腔のうちの1つと流体で通じるようにされる。それに加え、少なくとも1つの単一管腔近位延長チューブを複数のチャネル(図示せず)に取り付ける。別の一実施態様では、いくつかの延長チューブを複数のチャネルに取り付けることができる。別の一実施態様では、延長チューブ106、108、110は取り外し可能である。
【0021】
一実施態様では、医用装置100は、ポリマーを含んでいる。ポリマーとして、例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、エチル酢酸ビニル、ポリアミド(Arkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)など)、ポリイミドや、同様の材料が挙げられる。
【0022】
図2Aは、例示した医用装置200を
図1の“A-A”で切断した断面図である。医用装置200の中心チューブ202は一般に円形である。中心チューブ202は、生体適合性ポリマー材料を含んでいる。生体適合性材料とは、ここでは、医用装置の目的と条件に合致していて、長期または短期のインプラントで使用されるか、埋め込みができない用途で使用される材料と定義される。長期のインプラントは、30日を超えて埋め込まれる物と定義される。ポリマー材料の例として、ポリウレタンとそのコポリマー、シリコーンとそのコポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリテレフタル酸エチレン、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、セルロース化合物、ポリアミド、ポリエーテル-アミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン・コポリマー、アクリル化合物、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸-ポリエチレンオキシド・コポリマー、セルロース、コラーゲン、キチンや、他のさまざまなコポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0023】
医用装置200の1つの側面では、中心チューブ202は、内部が管腔206と208に区画されている。管腔206と208は平行であり、実質的に同じ“d字形”の断面領域を有する。
【0024】
さまざまな実施態様では、中心チューブ202とジャケット210は、非常に可撓性のある材料(例えばePTFE)を含んでいる。この構成では、中心チューブ202とジャケット210は十分に可撓性があるため、血管内で血流に浮かぶ。可撓性材料により、手術中に医用装置200の全体的な形状を維持できる十分な支持も提供される。例えば中心チューブ202は、治療手続きにおいて真空にしたり吸引したりするときにそのチューブがつぶれないようにする十分な柱強度を有する。この可撓性と浮力は、医用装置200が治療する血管の壁に接触する力および/または衝撃を小さくするのに役立つ。そのため組織の損傷が最少になり、血管狭窄が発生する可能性が低下する。
【0025】
さまざまな実施態様では、中心チューブ202はさらにヘパリンを含んでいる。ヘパリンは、中心チューブ202の任意の表面に付着させることができる。ヘパリンの被覆は、中心チューブ202の表面または中に血栓が形成されるのを阻止する、および/または低下させるのに役立つ。一実施態様では、管腔206と208の表面にヘパリン被覆を有する。別の一実施態様では、中心チューブ202の外面にヘパリン被覆を有する。ヘパリン被覆と、ヘパリン被覆を付着させる方法は、アメリカ合衆国特許第6,559,132号に教示されている(その全内容があらゆる目的でこの明細書の中に参考として組み込まれている)。
【0026】
本発明の一実施態様には、留置医用装置として、その留置医用装置の長さに沿って均一に治療剤を届けることが効果的にできる留置医用装置が含まれる。本発明の目的では、特に断らない限り、“長さ”に、医用装置とその表面(すなわち外壁)の少なくとも一部の長さが含まれる。
【0027】
この点に関し、実施態様では、中心チューブ202は、長軸に沿って延びる複数の溝204をさらに備えている。溝204は、中心チューブ202の外面に配置することができる。この構成では、溝204と外側ジャケット210の組み合わせが、中心チューブと外側ジャケットの長軸に沿って延びる複数のチャネル212を形成する。この実施態様の1つの側面では、溝204は、中心チューブ202の押し出し中に形成される。別の1つの側面では、溝204は、中心チューブ202の外壁に例えばレーザーで溝を切り込むことによって形成される。さらに、溝204は、中心チューブ202の外面を長手方向の構造のまわりでリフロー操作することによって形成できる。
【0028】
医用装置の長軸に沿ってチャネル212を有することの利点の1つは、流体をそのチャネルに注入するとき、そのチャネルがその流体を長さに沿って均一に分布させるため、その後その流体が、医用装置の外壁および/またはその医用装置が留置される周囲環境に拡散できるようになることである。
【0029】
溝204は任意の断面形状にすることができ、例えば正方形にしたり、丸くしたり、これらの組み合わせにしたりできる。溝204は、中心チューブ202の全長またはその一部に連続して形成された状態にすることができる。さまざまな実施態様では、ジャケット210との境界となる溝204によって形成されるチャネル212は、医用装置200の近位端から遠位端まで液体および/または気体を運ぶ。
【0030】
医用装置200のジャケット210は、透過性および/または多孔性の材料を含むことができる。そのような多孔性材料の例として、多孔性フルオロポリマーである延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)や延伸高密度ポリエチレン(HDPE)などがあるが、これらに限定されない。他の非多孔性ポリマー、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリイミドなども、孔を持つように加工すれば有用である可能性がある。そのような方法の例として、レーザー穿孔やピンによる穿孔などがある。ジャケット210は、半透過性フィルム(例えばポリウレタン、シリコーン、ポリエーテル-アミド)も備えることができる。この明細書では、“多孔性”という用語は、小さな開口部または顕微鏡レベルの開口部、すなわち孔を含む材料を表わす。限定はされないが、“多孔性”には、顕微鏡で観察できる孔を有する材料が含まれる。“多孔性”という用語は、流体(液体および/または気体)がバルク流として中を通過できる材料を表わす。透過性材料は、バルク流を阻止するが、選択的に分子を通過させることができるのに対し、多孔性材料は、バルク流を通過させることができるが、所定のサイズの粒子が流れるのを制限する。
【0031】
ジャケット材料の空孔率および/または透過率を選択することでチャネル212内に背圧を発生させ、流体を装置の長さに沿って均一に分布させることができる。それに対してより多孔性または透過性の構造だと、チャネル212の抵抗が最も小さい区画にしか流れない。例えば医用装置200を血管の壁に接するように配置する場合、流れが制限される可能性があるため、治療剤は、血管と接触していない区画にしか届かないことになろう。十分な背圧を持つ材料を含むジャケット210があったとすると、壁との接触が分布に及ぼす効果は最少になろう。特にジャケット材料の空孔率および/または透過率を調節することにより、そのような材料を設計できる。さらに、そのジャケット材料は、流体(その中には、その流体中のあらゆる活性剤および/または賦形剤が含まれる)の物理的特性を公知の方法で考慮(または調節)することによって調節できる。
【0032】
治療剤は、生物活性反応を誘起できる薬または薬剤である。本発明で有用な治療剤または薬の例として、エジシル酸プロクロルペラジン、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩酸メカキシルアミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸メタアンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、硫酸イソプロテロノール、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化スコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンホルミン、塩酸メチルフェニデート、コリン酸テオフィリン、塩酸セファレキシン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンズアミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンジオン、ジフェナジオン、テトラ硝酸エリスリチル、ジゴキシン、イソフルロファート、アセタゾールアミド、メタゾールアミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アルミニウムアスピリン、メトトレキセート、アセチルスルフィソキサゾール、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾンとその誘導体(例えばベータメタゾン)、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17-β-エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール 3-メチルエーテル、プレドニゾロン、酢酸17-β-ヒドロキシプロゲステロン、19-ノル-プロゲステロン、ノルゲストレル、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチエデロン、プロゲステロン、ノルゲステロン、ノルエチノドレル、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、インドプロフェン、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロルプロマジン、メチルドーパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、テオフィリン、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、セファレキシン、エリスロマイシン、ハロペリドール、ゾメピラク、乳酸第一鉄、ビンカミン、フェノキシベンザミン、ジルチアゼム、ミルリノン、カプトロプリル、マンドール、クアンベンズ、ヒドロクロロチアジド、ラニチジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フルプロフェン、トルメチン、アルクロフェナク、メフェナミク、フルフェナミク、ジフニナール、ニモジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、リドフラジン、チアパミル、ガロパミル、アムロジピン、ミオフラジン、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ラミプリル、エナラプリラト、ファモチジン、ニザチジン、スクラルファート、エチンチジン、テトラトロール、ミノキシジル、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、アミトリプチリン、イミプラミンなどがある。さらなる例はタンパク質とペプチドであり、その中には、インスリン、コルチシン、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン、上皮小体ホルモン、下垂体ホルモン、カルシトニン、レニン、プロラクチン、コルチコトロフィン、卵胞刺激ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ウシのソマトトロピン、ブタのソマトトロピン、オキシトシン、バソプレシン、ソマトスタチン、リプレシン、パンクレオジミン、黄体化ホルモン、LHRH、インターフェロン、インターロイキン、成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン)、受精阻害剤(例えばプロスタグランジン)、受精促進剤、増殖因子、ヒト膵臓ホルモン放出因子などが含まれるが、これらに限定されることはない。一実施態様では、治療剤は、ステロイド(例えばデキサメタゾン)である。別の実施態様には、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗生剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗増殖剤、抗凝固剤、止血剤、充血除去剤、痔治療剤、鎮痛剤の混合物からなる治療剤が含まれる。
【0033】
均一な分布にとって、ジャケット210との流体相互作用は重要である。血管に届けるべき治療剤が大きな粘性を有するか、ジャケット210を通過することを制限および/または阻止する表面エネルギーを有する場合には、望ましい投薬計画のために最適化された流体力学となるよう、ジャケット210の孔のサイズ、構造、表面エネルギーを調節することができる。一実施態様では、治療剤は、医用装置の長さに沿って実質的に均一に分布する。これら実施態様の1つの側面では、ジャケット210は非常に多孔性の材料であり、医用装置200の長さに沿ってかなりの量の治療剤を均一に流すことが可能である。これら実施態様の別の側面では、ジャケット210は空孔率が小さいため、治療剤はチャネル212の中に留まり、時間をかけて毛管作用でゆっくりと広がっていくことができる。
【0034】
例えば毛管作用による治療剤の広がりを利用して(何時間もかけて、および/または何日もかけて、および/または複数の治療サイクルで)ゆっくりと届けるかより均一になるように届ける場合には、ジャケット210の微細構造と表面エネルギーを毛管作用による治療剤の広がりが可能となるように調節せねばならない。毛管作用による広がりを利用すると、治療剤を外側ジャケット210の領域のうちで、中心チューブ202の表面で溝のない部分の上方の領域に供給することができる。
【0035】
それに加え、チャネル212は、適量の治療剤を保管できるリザーバとして機能する設計にできる。例えば届けるのに必要な速度がわかっていて、装置が治療剤を何日もかけてジャケット210の表面に供給することが想定されている場合には、チャネル212がリザーバとして機能するのに必要とされる体積を計算することが可能である。追加の体積が必要となる場合には、追加のリザーバを患者の体外に設置すること、または中心チューブ202の内部の追加体積の中に設置することができる。
【0036】
さまざまな実施態様では、ジャケット210はさらにヘパリン被覆を含んでいる。さまざまな実施態様では、ジャケット210と中心チューブ202の外面の両方にヘパリン被覆が含まれている。
【0037】
さまざまな実施態様では、ジャケット210は、治療剤の被覆をさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、治療剤は、ジャケット210の外面に結合すると考えられる。別の実施態様では、治療剤は、ジャケット210の孔または隙間を通じてジャケット210を通過して血管系の中に入ると考えられる。
【0038】
別の実施態様では、ジャケット210はヒドロゲル被覆を含んでいる。この構成では、治療剤は、ジャケット210の孔および/または隙間を出るときにヒドロゲルに吸収される可能性がある。治療剤をヒドロゲルとして形成し、ジャケット210の表面に付着させること、またはジャケット210から分離することもできる。治療剤はヒドロゲルから極めてゆっくりとした速度で血流の中に放出されることになるため、治療剤がジャケット210から失われることが阻止される。さらに別の実施態様では、有益なガス(例えば亜酸化窒素)がチャネル212を通過してジャケット210を離れ、患者の血流の中に入るようにすることができる。
【0039】
図2Bを参照すると、医用装置300が例示されている。医用装置300は、中心チューブ302と、溝304と、外側ジャケット310を備えている。この実施態様では、中心チューブ302は形状が一般に楕円形であり、管腔306と308に区画されている。管腔306と308は実質的に平行であり、一般に同じ円形の形状である。この実施態様の1つの側面では、管腔306と308は、実質的に同じ断面積を持つことができる。
【0040】
図3Aと
図3Bは、
図2Aと
図2Bに示した医用装置の遠位端を示している。より詳細には、
図3Aは、医用装置200の遠位端を示している。
図3Bは、医用装置300の遠位端を示している。
図3Aと
図3Bに示してあるように、管腔206、208、306、308は、医用装置の近位端から遠位端まで延びている。しかし好ましい一実施態様では、チャネルは遠位端が開放されていないため、流体は、チャネルに注入されると、チャネルの遠位端から外に流出することはない。
【0041】
図4Aと
図4Bを参照すると、医用装置400が例示されている。医用装置400は、外側チューブ404の係留区画420をさらに備えている。係留区画420は、外側チューブ404の遠位端に位置させることができる。この実施態様の1つの側面では、係留区画420は、血管の壁と接触して医用装置400を血管内で中心に安定させる機能を持つ一連の“脚部”を備えることができる。このような構成は、医用装置400が隣接する組織を傷つけること、および/または擦りむくことを阻止して血管狭窄のリスクを最少にするのに役立つ。
【0042】
この実施態様の1つの側面では、係留区画420は、“中国の提灯”の形状にすることができる。この構成では、係留区画420の脚部は、中心チューブ402と実質的に平行な弛緩した状態から、“中国の提灯”の形状になって血管の壁と接触する膨らんだ状態へと展開することができる。好ましい一実施態様では、中心チューブ402は係留区画420の遠位端に固定される。中心チューブ402は一部が外側チューブ404を通って軸方向に引き出され、そのことによって係留区画420の脚部が膨らんで治療する血管の壁と接触する。
【0043】
係留区画420は、孔またはポートを介して外面に通じた少なくとも1つの個別の管腔をそれぞれの“脚部”の中にさらに備えることができる。この構成では、治療剤は、個別の管腔を通じ、係留区画420の脚部が血管の壁と接触する地点に直接届けることができる。この実施態様の別の1つの側面では、係留区画420の脚部は、外周に複数の溝を有するチューブ状構造体の構成にされる。溝は、治療剤を血管の壁に直接届けることができる。外側チューブ404は、その外側チューブ404が血管の壁と接触する地点に治療剤を届けるのに十分な空孔率および/または透過率を持つ材料を含むことができる。すると標的とする組織により少量の治療剤が効果的に届けられて、薬が下流を洗浄して循環系に入ることが阻止される。
【0044】
最初に
図5を参照すると、さまざまな実施態様では、医用装置500は、中心チューブ502と、外側チューブ504と、外側ジャケット510を備えている。外側チューブ504は、中心チューブ502を同心で取り囲んで環状管腔508を作り出している。外側ジャケット510は外側チューブ504の外面を同心で取り囲んでいる。中心チューブは、中心部の管腔506をさらに備えている。
【0045】
さまざまな実施態様では、外側チューブ504は、長軸に沿って延びる複数の溝512をさらに備えている。溝512は、外側チューブ504の外面に位置させることができる。この構成では、外側チューブ504と外側ジャケット510の長軸に沿って複数のチャネルが延びている。例示した医用装置200に関してすでに述べたように、溝512は、例えば外側チューブ504の外面に溝を切り込むことによって形成すること、または外面の表面のリフロー操作によって形成すること、または外面の押し出し中に作り出すことができる。
【0046】
さまざまな実施態様では、チャネルが有効な薬または薬剤の供給源と流体で通じているようにできる。例示した医用装置200に関してすでに述べたように、ジャケット510の微細構造と、チャネルの位置および構成により、治療する血管に有効な薬または薬剤を流入させる速度を制御することができる。
【0047】
図6Aと
図6Bを参照すると、さまざまな実施態様では、医用装置600は、中心チューブ602と、外側チューブ604と、外側ジャケット610を備えている。外側チューブ604は、中心チューブ602を同心で取り囲んで環状管腔608を作り出している。ジャケット610は、外側チューブ604を同心で取り囲んでいる。この実施態様の1つの側面によれば、中心チューブ602は外側チューブ604および外側ジャケット610よりも長くてもよいため、外側チューブ604および外側ジャケット610の遠位端から突起する。
【0048】
さまざまな実施態様では、外側チューブ604は、長軸に沿って延びる複数の溝をさらに備えている。これらの溝は、外側チューブ604の外面に位置させることができる。この構成では、外側チューブ604と外側ジャケット610の長軸に沿って複数のチャネルが延びている。これらのチャネルは、有効な薬または薬剤の供給源と流体で通じている。例示した医用装置200に関してすでに述べたように、ジャケット610の微細構造と、チャネルの位置および構成により、治療する血管に有効な薬または薬剤を流入させる速度を制御することができる。
【0049】
さまざまな実施態様では、医用装置600は、中心チューブ602の遠位端に取り付けた遠位先端部616をさらに備えている。遠位先端部616は、開口部606を備えることができ、末端にある1つの先端部材である。さまざまな実施態様では、遠位先端部616は、楔、または“アヒルのくちばし”、または扁平部材の形状である。しかし処理した血液が開口部606を通って出ていくことのできる任意の形状の遠位先端部616が、本発明の範囲に含まれる。
【0050】
この構成では、
図6Bに示してあるように、遠位先端部616は、医用装置600の操作中に外側チューブ604から突起する。操作中、処理すべき血液は、環状管腔608を通って医用装置600に流入する。血液は体外で処理され、処理された血液は開口部606を通って遠位先端部616から出て、血管に戻る。
図6Aに示してあるように医用装置600を操作していないときには、遠位先端部616を引っ込めて外側チューブ604の遠位端の内側に位置させることで、環状管腔608を密封できる。処理された血液が戻る通路を提供するとともに、医用装置を操作していないときには環状管腔608を密封できる任意の形状と構成の遠位先端部616が、本発明の範囲に含まれる。それに加え、血液が血管から外に出る通路を提供する任意の形状の管腔(例えば環状チャネル、または1つ以上のチャネル)が、本発明の範囲に含まれる。
【0051】
さまざまな実施態様では、遠位先端部616は、比較的柔らかい生体適合性材料(例えばシリコーン)を含んでいる。そのような実施態様では、中心チューブ602は、より堅固な生体適合性材料(例えばポリウレタン)を含むことができる。別の実施態様で用いられているよりも堅固な材料をこの構成では許容できる。なぜなら中心チューブ602は、医用装置600を操作中のときにしか露出せず、チューブの端部は比較的柔らかい遠位先端部616だからである。したがって中心チューブ602が不注意から血管の壁と接触する可能性が少なく、組織が意図に反して傷つく可能性も少ない。しかし中心チューブ602は、生体適合性であって十分な構造を提供する任意の材料を含むことができる。その中には、例えば他の実施態様に関して述べた材料が含まれる。
【0052】
図7を参照すると、医用装置700は、単一の管腔706を含んでいて外側チューブ710の遠位端を超えて延びる中心チューブ702を備えることができる。さまざまな実施態様では、中心チューブ702で外側チューブ710の遠位端を超えて延びている部分は、形状と構成を変えることができる。例えば中心チューブ702のその露出部は、“ブタのしっぽ”の構成にすることができる。この実施態様では、“ブタのしっぽ”は、中心チューブ702の遠位端を、遠位領域において、隣接する組織と接触させるのに十分な直径の螺旋にすることによって作られる。この構成では、中心チューブ702の露出部の“ブタのしっぽ”の形状は、治療する血管の側壁と接触することによって医用装置700をその血管の中心に位置させる。この位置は、医用装置700と治療する血管の壁の不用意な接触を減らすのに役立つため、組織に対する損傷が最少になり、血管狭窄のリスクが減る。
【0053】
さまざまな実施態様では、本発明の医用装置は、第2のチューブをさらに備えている。
図8に示してあるように、第2のチューブ803は、中心チューブ802の外側に沿った螺旋の構成にすることができる。この構成では、第2のチューブ803は、第2の管腔808を有する。
【0054】
第2のチューブ803は、例えば生体適合性材料を含むことができる。そのような材料として、オレフィンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、延伸させていないポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン・コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ジカルボン酸ナフタレン誘導体(例えばポリナフタル酸エチレン、ポリナフタル酸ブチレン、ポリナフタル酸トリメチレン、ナフタル酸取トリメチレンジオール)、ポリウレタン、ポリ尿素、シリコーンゴム、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルデヒド、天然ゴム、ポリエステル・コポリマー、スチレン-ブタジエン・コポリマー、ポリエーテル(例えば全体または一部がハロゲン化されたポリエーテル)、コポリマーや、これらの組み合わせが挙げられる。また、ポリエステル(例えばポリテレフタル酸エチレン(PET)ポリエステル)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリ酢酸メチル、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然の絹も使用できる。
【0055】
実施態様の1つの側面では、第2のチューブ803は、医用装置800の構造支持体を提供することができる。中心チューブ802と第2のチューブ803は、可撓性材料(例えばePTFE)を含むことができる。その材料により、医用装置800を使用していないときに中心チューブ802と第2のチューブ803をつぶした状態にすることが可能になる。医用装置800の操作中は、処理されて血管に戻る血液が第2のチューブ803を膨らませて中心チューブ802の構造支持体を提供する。医用装置800を操作していないときには、中心チューブ802は、治療する血管内で血流の中に浮かぶことになる。この構成により、医用装置800が治療する血管の壁と接触する力および/または衝撃が小さくなるため、組織の損傷が少なくなり、血管狭窄のリスクが低下する。
【0056】
図9を参照すると、医用装置900は、中心チューブ902を取り囲む第2のチューブ903を備えている。さまざまな実施態様では、中心チューブ902と第2のチューブ903は、さまざまな構成にすることができる。例えば中心チューブ902と第2のチューブ903は、医用装置900の操作中は膨らんだ状態にし、医用装置900を操作していないときにはつぶれた状態にすることができる。この明細書では、“膨らんだ”は、膨張していること、たたまれていないこと、直径および/または体積が増加していることを意味する。“つぶれた”は、圧縮されていること、閉じられていること、たたまれていること、直径および/または体積が小さくなっていることを意味する。
【0057】
例えば第2のチューブ903は、医用装置900の遠位端から中心チューブ902の近位端まで延びる膨張可能なスリーブを備えることができる。医用装置900の操作中は、第2のチューブ903は膨張して膨らんだ状態になり、中心チューブ902の構造支持体を提供する。これら実施態様の1つの側面では、第2のチューブ903は膨らんで血管の内壁と接触する直径になる。医用装置900を操作していないときには、第2のチューブ903はしぼんでつぶれた状態になり、血管の内壁と接触しない。第2のチューブ903を膨らませたりつぶしたりすることで、そのチューブの外面に形成されるバイオフィルムおよび/または生物付着物を減らすことができる。
【0058】
さまざまな実施態様では、第2のチューブ903は、孔の開いた材料(例えばePTFE)を含むことができる。この構成では、処理された血液が第2のチューブ903の壁を通過して治療する血管に戻る。さまざまな実施態様の1つの側面では、治療剤も第2のチューブ903を通過して治療する血管の中に入る。Changらのアメリカ合衆国特許出願公開2004/0024448(参考としてその全体がこの明細書に組み込まれている)に教示されているように、弾性化合物を組み込むことによって第2のチューブ903にも弾性を持たせることができる。
【0059】
図10Aと
図10Bを参照すると、医用装置1000は、中心チューブ1002と第2のチューブ1003を備えている。さまざまな実施態様では、第2のチューブ1003は、患者の血管系に埋め込むことのできるスリーブである。
図10Aに示してあるように、中心チューブ1002は第2のチューブ1003の中に挿入されて患者の血管系を治療し、治療が終わると除去することができる。
【0060】
さまざまな実施態様では、第2のチューブ1003は、医用装置1000の操作中は膨らんだ状態にし、医用装置1000を操作していないときにはつぶれた状態にすることができる。例えば第2のチューブ1003は、医用装置1000の遠位端から中心チューブ1002の近位端まで延びるつぶすことのできるスリーブを備えることができる。医用装置1000の操作中は、中心チューブ1002が第2のチューブ1003の中に挿入されているため、その第2のチューブ1003は開いて膨らんだ状態になる。医用装置1000を操作していないときには、中心チューブ1002が第2のチューブ1003から除去されるため、第2のチューブ1003はつぶれることができる。
【0061】
第2のチューブ1003は、例えば極めて可撓性のある生体適合性ポリマー材料(例えばePTFE)を含むことができる。
図10Bに示してあるように、第2のチューブ1003は十分に可撓性であるため、中心チューブ1002がないときに治療する血管の中でつぶれて自ら密封される。こうなることで、患者を治療していないときに血液が第2のチューブ1003に戻ることが阻止される。
【0062】
別の実施態様では、第2のチューブ1003は、係留区画をさらに備えることができる。これら実施態様の1つの側面では、係留区画は、“中国の提灯”の形状にすることができる。この構成では、係留区画の脚部を、中心チューブ1102に実質的に平行なつぶれた状態から、“中国の提灯”の形状になって血管の壁と接触する膨らんだ状態へと展開することができる。係留区画の脚部は、患者を治療しているときに治療する血管の壁と接触して医用装置1000を中心に安定させることができる。治療する血管内で医用装置1000を中心に安定させる任意の形状または構成の係留区画が、本発明の範囲に含まれる。
【0063】
図11を参照すると、例示した医用装置1100は、中心チューブ1102を収容するカテーテル本体1101を備えている。医用装置1100は、ポート開口部1107を有するポート1105と、第2のチューブ1103をさらに備えている。ポート1105は患者の皮膚に設置され、第2のチューブ1103は、ポート1105の硬膜下の部分と治療する血管1111の間に設置される。この構成では、ポート開口部1107は、第2のチューブ1103を介して治療する血管1111と流体で通じている。
【0064】
カテーテル本体1101は、ポート1105とポート開口部1107に取り付けることができる。その後、ポート開口部1107を通じて中心チューブ1102を第2のチューブ1103の中に挿入することができる。中心チューブ1102は、第2のチューブ1103の中を前進させて治療する血管1111の中に入れる。中心チューブ1102が治療する血管1111の中で所定の位置に来ると、治療を開始することができる。治療が終わると、治療する血管1111と第2のチューブ1103から中心チューブ1102を除去し、清掃するか廃棄する。その後、ポート開口部1107を密封して患者の血管系から流体が漏れないようにする。
【0065】
図12を参照すると、例示した医用装置1200は、中心チューブ1202と、ジャケット1210と、支持ワイヤ通路1213と、支持ワイヤ1214を備えている。この構成では、支持ワイヤ通路1213はジャケット1210と一体化していて、ジャケット1210に螺旋形の溝を備えることができる。
図12Aに示してあるように、支持ワイヤ1214は、支持ワイヤ通路1213の中に挿入されて、中心チューブ1202の形状と構造の支持体を提供することができる。支持ワイヤ1214は、金属材料(例えばステンレス鋼やニチノール製スタイレット)を含むことができる。支持ワイヤ1214が中心チューブ1202とジャケット1210の望ましい形状を維持するのに十分な強度を有するよう、十分な支持を提供する任意の材料が、本発明の範囲に含まれる。
【0066】
支持ワイヤ1214が支持ワイヤ通路1213に挿入されると、患者の血管系を治療することができる。治療が終わると支持ワイヤ1214を支持ワイヤ通路1213から除去できるため、中心チューブ1202は弛緩した状態を取ることができる。
【0067】
中心チューブ1202は、比較的可撓性のある材料(例えばePTFE)を含むことができる。比較的可撓性のあるこの材料によって中心チューブ1202は治療する血管内で血流の中に浮かぶことができるため、不注意による血管の壁との接触が最少になり、組織が傷つく可能性が減少する。中心チューブ1202は、支持ワイヤ1214を除去した後にその中心チューブ1202が弛緩した状態を取ることのできる任意の生体適合性材料を含むことができる。
【0068】
図13を参照すると、医用装置1300は、カテーテル用チューブ1302とドッキング・ステーション1315を備えている。この構成では、カテーテル用チューブ1302はドッキング・ステーション1315の内側に位置する。処理する血液はポンピングによってドッキング・ステーション1315の中に入る。治療中、戻る血流の圧力によってカテーテル用チューブ1302がポートを通ってドッキング・ステーション1315から入れ子式に出ていき、治療する血管の中に入る。治療が終わると、カテーテル用チューブ1302をドッキング・ステーション1315の中に引っ込めることができる。別の一実施態様では、中心チューブ1303にドッキング・ステーション1315の中を通過させてカテーテル用チューブ1302の中に挿入し、広げること、および/または膨らませること、および/または伸ばすこと、および/または治療中にカテーテル用チューブ1302のための支持体を提供することができる。別の一実施態様では、治療後、中心チューブ1303をカテーテル用チューブ1302から除去し、そのカテーテル用チューブ1302をドッキング・ステーション1315の中に引っ込めることができる。治療と治療の間には、カテーテル用チューブ1302のかなりの部分および/または遠位端をドッキング・ステーション1315の中に残しておくことができる。
【0069】
さまざまな実施態様では、
図1に示した実施態様のように、中心チューブ102の近位部に複数の単一管腔延長チューブ106、108、110を備えることができる。それに加え、それぞれの延長チューブは、コネクタ用ハブ112、114、116を備えることができる。コネクタ用ハブ112、114、116は、近位延長チューブの近位端と、体液交換装置の脚部または別の装置(例えば注射器)との間を選択的に密封できる構成にできる。一実施態様では、コネクタ用ハブ112、114、116は、適合するフレアレス管継手に接続することができる。別の一実施態様では、コネクタ用ハブ112、114、116は、ルアー・タイプの部品を備えている。コネクタ用ハブ112、114、116が体液交換装置とうまく流体で通じた状態を維持できる任意の取り付け手段が、本発明の範囲に含まれる。
【0070】
さまざまな実施態様では、さまざまな図面に示した実施態様のように、中心チューブ、ジャケット、さまざまな管腔は、使い捨てにできる。そのような使い捨て可能な実施態様は、1回の治療が終わった後に廃棄することができる。別の実施態様では、医用装置のさまざまな構成部品を消毒して再利用することができる。例えばさまざまな実施態様では、消毒サイクルの一環として、医用装置に超音波エネルギーを当てることができる。しかし医用装置を十分に消毒して再利用の準備を整える任意の技術が、本発明の範囲に含まれる。
【0071】
さまざまな実施態様では、本発明の医用装置は、患者の血管系の中に位置しているときに清掃および/または消毒することができる。例えば患者の体内にある医用装置に超音波エネルギーを当てることができる。その結果として生じる振動により、患者の体内にある部分の医用装置に蓄積した生物付着物(例えばバイオフィルム)を減らすこと、または除去することができる。
【0072】
本発明の多数の特徴と利点をこれまでの説明の中に提示してきた。その中には、好ましい実施態様と代わりの実施態様に加え、本発明の構造と機能の詳細が含まれる。開示内容は説明だけを目的としているため、すべてを提示することは想定していない。当業者にとって、特に構造、材料、要素、部品、形状、サイズ、部分の配置に関し、本発明の原理の範囲内で添付の請求項を表現している用語の広くて一般的な意味によって示される範囲において、さまざまな改変をなすことが可能であることは明らかであろう。これらのさまざまな改変が添付の請求項の精神と範囲を逸脱しない限り、その改変は請求項に含まれる。本発明は、上記の実施態様と以下の請求項に加え、上記の特徴と以下の請求項にある特徴の組み合わせが異なる実施態様にも関する。そのため本発明は、以下の請求項にある従属した特徴の別の可能な任意の組み合わせを含む他の実施態様にも関する。