(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術にはいくつかの欠点がある。(a)これらのパッケージは、ワクチンなどの多くの注射可能な薬物に対して何倍もの費用がかかり、経済的に実用的ではない。(b)薬剤成分の混合が必要となる場合、一連の作業が複雑であり、間違いが起こり易い。そして(c)一方の容器から別の容器または投与装置への薬剤またはその成分の移送が、非滅菌領域で行われ、汚染の危険が生じ易い。
【0005】
米国特許第7,879,018号明細書は、注射可能な用量を混合するための複数の市販の特許取得済みキットの1つを開示している。ここでもまた、この開示の制約は、バイアルへの依存度ならびにこの種のガラス製一次容器に関連するコストおよび複雑性である。
【0006】
複数の市販品および特許が、製品を使用時まで無菌的に保存できるフィルムまたは箔から製造された可撓性パッケージを開示している。これらの製品および特許の一部はさらに、投与パッケージ内の製品に連通する吐出ポートを開示している。一部の例では、パッケージの完全性を高めるために、使用時までの間、ポートと製品との間に破断可能なバリアを存在させる。一部の例では、これらの可撓性パッケージは、異なる区画室からの物質を混合させ、投与可能な製品を生成できるようにするために、使用前に統合可能な少なくとも2つの製品区画室を備える。これらのパッケージは、時としてパウチまたは小袋と称される。パウチパッケージの1つの欠点は、パッケージの全内容物を効率的に絞り出すことが比較的困難なことである。このことは、長さおよび幅が通常、パッケージの面に対する垂直な突出よりも大幅に大きいこれらのパッケージの寸法比に起因している。この寸法比は、パウチ又は小袋のパッケージを形成する方法に固有の制約である。パウチおよび小袋は、1つまたは複数の容器を形成するために縁部に沿って封止された1つまたは複数の平坦なフィルムまたは箔(共に「ウェブ」)から形成される。パウチは、容器形成中または形成後に充填され、その後、封止されて製品を無菌包装された状態に保つ。
【0007】
手のひらで直接操作する場合、これらの比較的奥行のないパッケージの1つの制約は、吐出時に、オペレータの親指によりパッケージの2つの対向壁がすぐに接触し、その接触した時点で吐出が停止することである。パッケージから製品をさらに絞り出すために、通常はパッケージの精密な蠕動運動または折り畳みが必要になる。いくつかの形態においては、圧縮パネルを用いて可撓性パッケージを押圧し、内容物を放出させる。これらの形態においては、圧縮パネルを操作して、より小さな接触面で製品区画室を押圧し、したがって、より強い圧力を生み出せるようにすることが有益である。それゆえ、内容物区画室の面積が比較的小さく、封止領域とパッケージ表面に垂直なパッケージ寸法との比率がより小さい可撓性投与パッケージを作り出すことが有効である。
【0008】
いくつかの用途において、送達可能な薬剤は、注射前に少なくとも2つの物質の完全な混合を必要とする。一例として、使用時に高粘度の油中水(W/O)を調製する簡単な方法が必要となる。現在のところ、エマルジョンは、2つのシリンジを接続する3方止水栓または細管を介して、分離した油成分と水成分とを往復させて混合することにより手作業で調製される。この方法には若干時間がかかり、しばしば一貫性がない。より有効なエマルジョンを提供するために、但し、特に調製時間を短縮するために孔径を減少させた場合には、より強力な押出力が必要となるが、シリンジ内に多孔膜を有するコネクタが開発されている。加えて、組立および分解ステップの数が増えることにより、操作ミスや送達可能な用量の汚染の危険性が高まる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の少なくともいくつかの態様は、例えば、安価で、簡単かつ取り扱い易いカートリッジを提供することにより、従来技術の欠点および限界を克服する。ある特定の構造のカートリッジは、無菌混合およびディスペンサ、特に薬物送達注射器の充填を可能にする。
【0010】
本開示のいくつかの形態において、パッケージは、ウェブ材料の第1壁と第2壁が区画室の境界に沿って結合される少なくとも1つのウェブ材料から製造される。いくつかの形態において、ウェブ材料は、相対的に大きな容積の区画室が相対的に小さな封止面積で得られるように予め形成される。この予め形成されたパッケージにより、パッケージの全体寸法を縮小し、保存効率および搬送効率を向上することができる。
【0011】
本開示の一形態によれば、薄い可撓壁のパッケージを有するカートリッジは、少なくとも第1成分区画室と、カートリッジをディスペンサの充填ポートに接続するための嵌合体とを備える。嵌合体は、流体密態様でパッケージに取り付けられる。嵌合体は、ルアーコネクタ、ルアーロックコネクタ、圧入コネクタ、スナップ式コネクタ、スナップ、またはねじ式キャップに限定されるものではなく、手段の1つによりディスペンサの充填ポートに取り付けられてもよい。
【0012】
いくつかの形態において、少なくとも1つの空洞が、パッケージのウェブ壁の少なくとも1つに予め形成され、パッケージの少なくとも1つの製品区画室の一部分を形成する。この構造により、同一体積の製品を保存するための、区画室の封止領域(面積)と封止領域に垂直な区画室の寸法(区画室の膨らみ)との比率をより小さくすることができる。この構造はまた、同様の製品容量を有する小袋又はパウチのパッケージに必要となる面積に比べて区画室の面積をより小さくできるようにする。ウェブの成形は、例えば、熱成形、冷間成形、予熱での成形、プラグアシスト、加圧成形、真空成形、およびこれらの組み合わせを含む、特定のウェブ材料の特性に適した、当技術分野で周知の手段の1つにより行われてもよい。
【0013】
いくつかの形態において、パッケージは、例えば、ブリスタ、パウチ、小袋、ブロー成形容器または押出容器を含む、当技術分野で周知の形態の1つを用いた薄壁から構築される。いくつかの形態において、パッケージは、投与可能な製品を生成するために、対象者へ送達する前に混合する必要のある多くの物質を保存する1つ以上の区画室を有してもよい。脆弱シールを分離(例えば、破断または剥離)させ、物質の混合を可能にする、物質の少なくとも1つの閾値圧力を上回るように、区画室の少なくとも1つを圧縮することによって破壊可能である脆弱シールにより区画室を分離してもよい。パッケージはさらにディスペンサへの境界を備える。
【0014】
いくつかの形態において、製品はカートリッジから投与装置へ移送される。いくつかの形態において、カートリッジは投与装置内で交換される。いくつかの実施形態において、カートリッジは、製造段階でディスペンサに無菌状態で接続され、したがって、使用者によるカートリッジとディスペンサを一体化するステップが不要となる。この形態は、ディスペンサの充填装着工程の前またはその工程中の非滅菌状態への曝露を防ぐので、使用者によるミスの可能性または装置もしくは送達可能な製品の汚染の可能性を低減する。別の形態において、カートリッジは、使用時まで投与装置(すなわち、シリンジ、注射器など)とは別に保存される。この形態は、制御温度での冷却など、制御環境下で薬物を保存して搬送する必要がある場合や包装効率が重要である場合に有効であり得る。この形態はまた、異なる供給源および送達装置の種類を選択する物流および使用者の柔軟性を向上させるために有効であり得る。
【0015】
いくつかの形態において、投与装置は、注射器であってもよい。注射器という用語は、例えば、ペン型注射器、リザーバアセンブリ、シリンジ、無針注射器、一般の薬物送達装置、パッチ装置などのマイクロ注入ポンプまたはリザーバを含む様々な投与製品を意味する。さらに一般に、本開示のカートリッジは、例えば、点眼器、経口点滴器または耳用点滴器、スプレーディスペンサまたは泡ディスペンサ、局所塗布器、および吸入装置を含む投与装置に適用可能である。
【0016】
別の形態において、送達可能な製品の混合を促進し、その均一性を高めるために、静的混合器がカートリッジ装置と薬物送達装置との境界に配置される。静的混合器の一例は、米国特許第4,538,920号明細書に教示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの形態において、静的混合器は、壁の指定された領域を溶着し、予め形成することによって可撓壁の壁間に形成された通路のパターンとして構成される。静的混合器は、単なる細長いノズルか、またはカートリッジと送達装置との間の流通路内に収容された多孔質部材であってもよい。一形態において、静的混合器はカートリッジポート内に配置される。一形態において、カートリッジは異なる物質を保持する1つ以上の区画室を備え、内容物を送達装置に移送する前にこれらの区画室が統合される、また静的混合器は、物質が送達装置に移送されるときに物質の混合を促進する。
【0017】
いくつかの形態において、さらに物質を混合するために、混合物をカートリッジと送達装置との間で往復させてもよい。いくつかの形態において、少なくとも1つの物質をカートリッジ内に保存し、かつ少なくとも1つの物質を送達装置内に保存する、そして、それら2つの間で物質を往復させて混合する。一形態において、カートリッジは、少なくとも第1区画室と第2区画室とを備え、少なくとも1つの静的混合器が第1区画室と第2区画室との間に配置される。物質又は混合物を一方の区画室から他方の区画室へ移送することにより混合を促進してもよい。静的混合器を横切る物質の移送を容易にするために、少なくとも1つの圧縮パネルまたは圧縮パネルの配列をカートリッジで操作してもよい。
【0018】
本開示はまた、効率的なカートリッジの製造および充填を容易にする形態および方法に関する。一形態において、パッケージの区画室に流体が充填される。区画室は、流体を導入しかつ空気を排出するポートに通じる指定された通路を残して封止形成される。ガス排出のための別個の通路を組み込んでもよい。通路は、ポートに進入する流体がパッケージの壁に沿って滑るように進むよう構成してもよく、したがって、噴射を防ぎ、発泡または気泡の形成を最小限に抑え、これにより、充填率の向上を可能にする。
【0019】
別の形態において、液体物質は、充填前に凍結され固形でパッケージ内に導入される。充填工程中のパッケージの周囲の温度およびパッケージへの熱伝達は、区画室が封止されるまで凍結液が実質的に固体の状態であるように制御される。凍結液物質の用量は、充填前または充填中にその凍結した形態で検査することができる。この充填形態および方法により、充填速度および物質検査能力が向上する。一形態においては、乾燥粉末物質をカートリッジ区画室内に充填しなければならない。粉末の適切な充填を容易にするために、粉末を僅かに圧縮して、緩く凝集した錠剤を形成し、錠剤の形態でパッケージの区画室内に充填する。錠剤は、カートリッジへの充填前または充填中に検査することができる。一形態において、錠剤が区画室内に封止された後に、区画室を外部から操作して錠剤を非凝集状態とし、これにより、希釈剤との混合時の物質の溶解性を向上する。外部操作は、これらに限定されるものではないが、区画室の圧縮、例えば、超音波振動、高周波振動、音響振動を含む振動、区画室への機械的衝撃の付加、高温または低温への曝露のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0020】
本開示はさらに、高バリア性で剥離可能な不透明の壁層を含むことによりパッケージのバリア性を高める形態に関する。剥離可能な高バリア層は、遮光の利点ならびにほぼ完全な水分バリアおよび酸素バリアをもたらすアルミニウム積層体を含んでもよい。使用前にカートリッジの内容物を目視検査するために、パッケージの少なくとも一部分から高バリア層を剥離し、実質的に透明な壁を露出させる。一形態において、剥離層は、パッケージが製造されるウェブ材料の一体層である。一形態において、剥離層は、カートリッジ製造工程中に透視壁に貼り付けられる。一形態において、剥離層は平坦である。別の形態において、剥離層は、保護する物質または区画室の形状を調節するように予め形成される。一形態において、剥離層は、剥離層の封止周縁部に選択的に施され、正確に位置合わせされた接着剤コーティングを備える。一形態において、カートリッジは可撓性透明壁の筒状体であり、剥離層は筒体の周りを包むように配設される。
【0021】
本開示の別の態様は、充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジに関する。カートリッジは、第1区画室および第2区画室を有する再構成式(reconstitution)の単位用量パッケージと、嵌合体とを含む。第1区画室は有益剤の少なくとも第1成分を収容する。第2区画室は有益剤の少なくとも第2成分を収容する。嵌合体は、パッケージを充填可能なリザーバに連結するために、パッケージに配置される。
【0022】
本開示の別の態様は、充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用する無菌カートリッジに関する。カートリッジは、少なくとも第1区画室と嵌合体とを有するパッケージを含む。第1区画室は有益剤の少なくとも第1成分を収容し、パッケージは、予め形成された可撓壁により少なくとも部分的に画定される。嵌合体は、充填可能なリザーバに流体連通した状態でパッケージを連結するために、パッケージに配置される。
【0023】
本開示のさらなる態様は、充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジに関する。カートリッジは、裏当てとパッケージアセンブリとを含む。パッケージアセンブリは、少なくとも第1区画室と嵌合体とを含む。第1区画室は、有益剤の少なくとも第1成分を収容し、可撓壁により少なくとも部分的に画定される。嵌合体は、充填可能なリザーバに流体連通した状態でパッケージを連結するために、パッケージに配置される。
【0024】
本開示の別の態様は、充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジに関する。カートリッジは、少なくとも第1区画室と、嵌合体と、カプラとを有するパッケージを含む。第1区画室は、有益剤の少なくとも第1成分を収容する。嵌合体はパッケージに配置される。カプラは、充填可能なリザーバに流体連通した状態でパッケージを連結するために、嵌合体に接合される。
【0025】
さらなる態様は、充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジに関する。カートリッジは、有益剤の全てまたは有益剤の全成分を収容する単位用量パッケージを含む。カートリッジは、有益剤の全てまたは有益剤の少なくとも第1成分を収容する少なくとも第1区画室を含み、第1区画室は、可撓壁により少なくとも部分的に画定される。カートリッジはまた、充填可能なリザーバに流体連通した状態でパッケージを連結するために、パッケージに配置された嵌合体を含む。
【0026】
さらなる態様は、単一のリザーバを備える単位用量の有益剤の送達装置における投与部分を囲繞する充填済みキャップに関する。充填済みキャップは、有益剤の少なくとも第1成分を収容する少なくとも第1区画室と、第1区画室を投与部分に連通させる流体通路とを含む。
【0027】
本開示による有益剤の単位用量ディスペンサは、送達装置とカートリッジとを含む。送達装置は、充填可能な単位用量リザーバと、充填可能なリザーバに連通した少なくとも1つのポートとを有する。カートリッジは、送達装置に無菌接合され、単位用量パッケージを含む。単位用量パッケージは、少なくとも第1区画室と、嵌合体と、開封可能なシールとを含む。第1区画室は、有益剤の少なくとも第1成分を収容し、パッケージは、可撓壁により少なくとも部分的に画定される。嵌合体は、単位用量パッケージに接合され、単位用量パッケージを送達装置に連結する。開封可能なシールは、第1区画室とリザーバとの間に配置される。
【0028】
本開示の別の態様は、有益剤を投与するための充填済みシリンジに関する。充填済みシリンジは、ピストンアセンブリと、投与部分を備える充填可能なバレルと、有益剤の少なくとも第1成分を収容する少なくとも第1区画室および第1区画室内の内容物をバレルに連通する流通路を備える充填済みカートリッジとを含む。
【0029】
本開示のさらなる態様は、送達装置の投与部分のためのキャップに関する。キャップは、流体通路と、投与部分に連通するように構成された近位端と、遠位端とを備える。
【0030】
本開示による例示的な方法は、有益剤の充填済みパッケージを形成する方法に関する。この方法は、第1面と第2面との間に少なくとも第1成分区画室の境界を形成するように接合された第1面および第2面を有するウェビングを準備するステップと、境界の少なくとも一部分に沿って脆弱シールを形成するステップと、永久シールが脆弱シールの少なくとも一部と重なり、永久シールと実質的に同一のシール性を有する重なり部分を作り出すように永久シールを形成するステップと、第1成分区画室に充填するステップとを含む。
【0031】
本開示による別の例示的な方法は、有益剤の充填済みパッケージを形成する方法に関する。この方法は、有益剤用のガス充填区画室を形成するステップと、封止可能な第1流路を介してガス充填区画室に連通する充填ポートを有する充填区画室を形成するステップと、封止可能な第2流路を介してガス充填区画室に連通する排気ポートを有する排気区画室を形成するステップとを含む。この方法はまた、有益剤の少なくとも第1成分の供給源を流体密態様で充填ポートに結合するステップと、排気ポートを通してガスを排出する一方で、供給源から充填流路を介してガス充填区画室に充填するステップと、封止可能な第1流路および充填流路を封止するステップとを含む。
【0032】
本開示によるさらなる方法は、組み立てられた送達装置を受け取るステップと、有益剤の少なくとも第1成分が予め充填された、充填済みの無菌封止されたカートリッジを受け取るステップと、送達装置と無菌封止されたカートリッジとを一体化するステップとを含む、有益剤用の単位用量の送達装置を製造する方法に関する。
【0033】
別の例示的な方法は、液状の有益剤の単位用量をパッケージに充填することに関する。この方法は、有益剤の計量された単位用量を型内で凍結させて凍結用量を作り出すステップと、半完成の区画室内に凍結用量を入れるステップと、区画室を封止するステップとを含む。
【0034】
別の例示的な方法は、流動性固形物の形態である有益剤の少なくとも第1成分の計量された用量をパッケージに充填することに関する。この方法は、第1成分の用量を計量するステップと、計量された用量を十分に圧縮して単一体を形成するステップと、単一体を半完成のパッケージ内に入れるステップと、パッケージを封止するステップと、パッケージの壁を通してエネルギーを単一用量に向け、単一用量を粒状物に変えるステップとを含む。
【0035】
本発明の用途は、薬物送達に限定されるものではなく、この薬物送達は、本明細書において例示として提供されている。本明細書に記載の教示は、例えば、接着剤分配、薬液投与などの他の分野における投与装置に適用することができる。本開示は、これを実現するための様々な構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1a】
図1aは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図1b】
図1bは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図1c】
図1cは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図1d】
図1dは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図1e】
図1eは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図1f】
図1fは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結された注射器カートリッジアセンブリを図示する。
【
図2a】
図2aは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結されたシリンジアセンブリを図示する。
【
図2b】
図2bは、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがキャップに連結されたシリンジアセンブリを図示する。
【
図3a】
図3aは、様々な構造に使用できる、パッケージがピストンのステムに連結され、かつステムから軸方向に延在する、充填済みシリンジアセンブリを図示する。
【
図3b】
図3bは、様々な構造に使用できる、パッケージがピストンのステムに連結され、かつステムから軸方向に延在する、充填済みシリンジアセンブリを図示する。
【
図4】
図4は、様々な構造に使用できる、ブリスタパッケージがステムに連結され、かつステムから横方向に延在する、シリンジアセンブリを図示する。
【
図5a】
図5aは、ばね駆動式無針自動注射器内の充填済みカートリッジを図示する。
【
図5b】
図5bは、ばね駆動式無針自動注射器内の充填済みカートリッジを図示する。
【
図6】
図6は、点火駆動式無針自動注射器内の充填済みカートリッジを図示する。
【
図7】
図7は、押出筒から製造されたカートリッジを図示する。
【
図8】
図8は、無針自動注射器に装着された、押出筒から製造されたカートリッジを図示する。
【
図9a】
図9aは、シリンジに取り付けられた、押出筒から製造されたカートリッジを図示する。
【
図9b】
図9bは、シリンジに取り付けられた、押出筒から製造され、剥離可能な保護箔を有するカートリッジを図示する。
【
図10a】
図10aは、成形壁の剥離可能部分、および吐出ポートの周囲に無菌区画室を形成する延長壁部分を備えたカートリッジ、ならびに複数の操作ステップを図示する。
【
図10b】
図10bは、成形壁の剥離可能部分、および吐出ポートの周囲に無菌区画室を形成する延長壁部分を備えたカートリッジ、ならびに複数の操作ステップを図示する。
【
図10c】
図10cは、成形壁の剥離可能部分、および吐出ポートの周囲に無菌区画室を形成する延長壁部分を備えたカートリッジ、ならびに複数の操作ステップを図示する。
【
図10d】
図10dは、成形壁の剥離可能部分、および吐出ポートの周囲に無菌区画室を形成する延長壁部分を備えたカートリッジ、ならびに複数の操作ステップを図示する。
【
図10e】
図10eは、成形壁の剥離可能部分、および吐出ポートの周囲に無菌区画室を形成する延長壁部分を備えたカートリッジ、ならびに複数の操作ステップを図示する。
【
図11】
図11は、平坦壁の剥離可能部分を備えたカートリッジを図示する。
【
図12】
図12は、カートリッジの壁の外面に取り付けられたフランジ付き吐出ポートを備えたカートリッジを図示する。
【
図13】
図13は、シリンジと針に連通する弁付きカプラに連結されたカートリッジを図示する。
【
図14】
図14は、シリンジバレルの遠位端に連結されたカートリッジを図示する。
【
図15】
図15は、有益剤の凍結乾燥に対応した半完成カートリッジを図示する。
【
図16】
図16は、カートリッジ内に保存された2つの成分の混合を容易にする静的混合器を吐出ポートに備えたカートリッジを図示する。
【
図17】
図17は、カートリッジ内に収容された第1成分とシリンジ内に収容された第2成分とを混合するためのシステムを図示する。
【
図18】
図18は、カートリッジ内に収容された第1成分と第2成分とを混合するシステムを図示する。
【
図19】
図19は、ブリスタ型カートリッジに一体に形成された静的混合器を図示する。
【
図21a】
図21aは、シリンジ内に収容された物質をカートリッジ内に収容された物質と混合するための静的混合器を備えるシリンジを図示する。
【
図21b】
図21bは、シリンジ内に収容された物質をカートリッジ内に収容された物質と混合するための静的混合器を備えるシリンジを図示する。
【
図21c】
図21cは、シリンジ内に収容された物質をカートリッジ内に収容された物質と混合するための静的混合器を備えるシリンジを図示する。
【
図21d】
図21dは、シリンジ内に収容された物質をカートリッジ内に収容された物質と混合するための静的混合器を備えるシリンジを図示する。
【
図21e】
図21eは、シリンジ内に収容された物質をカートリッジ内に収容された物質と混合するための静的混合器を備えるシリンジを図示する。
【
図22a】
図22aは、嵌合体を介して固定針シリンジに連通するカートリッジを図示する。
【
図22b】
図22bは、嵌合体を介して固定針シリンジに連通するカートリッジを図示する。
【
図23a】
図23aは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図23b】
図23bは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図23c】
図23cは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図23d】
図23dは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図23e】
図23eは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図23f】
図23fは、カートリッジおよびカプラを介して取り付け可能な固定針シリンジを図示する。
【
図25a】
図25aは、注射針を収容するカプラを備えるカートリッジを図示する。
【
図25b】
図25bは、注射針を収容するカプラを備えるカートリッジを図示する。
【
図25c】
図25cは、注射針を収容するカプラを備えるカートリッジを図示する。
【
図26】
図26は、皮内(ID)注射アダプタを備えたシリンジに用いられるカートリッジを図示する。
【
図27a】
図27aは、IDシリンジに連結されたカートリッジを図示する。
【
図27b】
図27bは、IDシリンジに連結されたカートリッジを図示する。
【
図28】
図28は、IDシリンジに連結されたカートリッジの別の形態を図示する。
【
図29a】
図29aは、ID針の形態を備えるカートリッジの別の形態を図示する。
【
図29b】
図29bは、ID針の形態を備えるカートリッジの別の形態を図示する。
【
図30】
図30は、ID針の形態を備えるカートリッジの別の形態を図示する。
【
図31a】
図31aは、針安全無効化機構を備えるカートリッジを図示する。
【
図31b】
図31bは、針安全無効化機構を備えるカートリッジを図示する。
【
図32】
図32は、移動可能な針を備えたカートリッジを図示する。
【
図34】
図34は、カートリッジの充填済みパッケージを保護する裏当ておよび壁を備えたカートリッジを図示する。
【
図25d】
図25dは、充填済みキャップの2つのサブアセンブリを示している。
【
図25e】
図25eは、カートリッジのキャップ部分の分解図を示している。
【
図3a】
図3aの符号39は、嵌合体を示している。
【
図3b】
図3bの符号39は、嵌合体を示している。
【
図15】
図15の第2区画室は、空の状態で密封され、図に記載のように、充填装置152を介して充填可能である。
【
図20g】
図20gは、脆弱シールと部分的に重なる永久シールのパターン402を示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1aは、注射器11とカートリッジ10の形態を示す。この図は、
図1bの断面図の切断線を提供する。
図1bは、注射器アセンブリ11とカートリッジ10の断面図を図示する。注射器11は、バレル状の本体13と、本体に配置され本体の軸線に沿って前進した空状態と後退した充填状態との間で移動可能であるピストン14とを備える。ピストン14はさらに、本体とピストンとの間に流体密封を実現し、ピストンの前方で流体用量を受容する区画室を画定するOリングシール14’を備える。区画室は、ピストンを本体13内の最前方位置まで前進させた空の状態で示されている。本体の前部にあるジェットノズル17は、注射器11に流体用量を充填するため、また流体用量を無針ジェット注射方式で対象者に皮下送達するためのポートを提供する。
【0038】
カートリッジ10は、2つの空洞を設けるように形成された第1薄壁18’と、第1封止区画室15および第2封止区画室16を画定するように第1薄壁18’に対して封止する第2薄壁18”とを備える。嵌合体12は、第1壁18’と第2壁18”との間でパッケージに取り付けられる。嵌合体12は、注射器本体13の前部に係合するように構成される。第1脆弱シール部19’は、第1区画室15と第2区画室16とを分離し、所定の閾値力により剥離可能である。第2脆弱シール部19”は、第2区画室16と嵌合体12とを分離し、所定の閾値力により剥離可能である。薄壁18’および18”は、押出ウェブ、ブローウェブ、成形ウェブ、多層ウェブ、積層ウェブ、塗布処理したウェブ、アルミニウム層などの金属化層を含むウェブ、アルミナまたはシリカなどの金属酸化物層を含むウェブ、環状オレフィン重合体(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含む高バリア層を含むウェブを含む、フィルムまたは箔(共に「ウェブ」または「ウェブ材料」と称される)の一種から製造されてもよい。ウェブ材料の内側接着剤層は、オレフィンアイオノマー、エチレン酢酸ビニル(EVA)または他の材料から製造されてもよい。
【0039】
区画室の周囲における外周シールの指定された領域の剥離力が他の領域よりも低くなるように、制御された剥離力を有する接着剤層をウェブに組み込み、これにより、第1壁18’と第2壁18”との間のシール領域に閾値剥離力を加えたときに破断させる領域を限定することが有効であり得る。1つのそのような接着剤層は、130℃のシール温度で剥離性のシールおよび170℃のシール温度で永久的非剥離性のシールを作り出すアイオノマーブレンドの銘柄EZ Peel登録商標(ウィスコンシン州NeenahのBemis社)であり、したがって、2段階の溶着工程を異なる温度で実施することによりシール性を良好に制御することができる。
【0040】
第1壁18’と第2壁18”との間に所望の封止力パターンを実現する別の手法は、異なる剥離強度を有する少なくとも2つの接着剤タイプの選択的な接着剤パターンでウェブの内層を作ることである。嵌合体12をウェブの内層に対して良好な接着性を有するオレフィン重合体から製造してもよい。いくつかの形態において、嵌合体は、第1壁18’または第2壁18”の一方の外側に取り付けられ、ウェブ内の貫通孔は、カートリッジ10の内容物と嵌合体12とを連通する。この形態において、嵌合体の材料は、ウェブ外層の材料への取り付けに適合した材料であるべきである。カートリッジ区画室15,16は、様々な物質を収容することができる。一実施形態において、第1区画室15は希釈剤を収容し、かつ第2区画室は乾燥形態の有益剤を収容し、そして、投与可能な製品用量を形成するために、2つの区画室の内容物を混合する必要がある。一実施形態において、第1区画室15は生理食塩水または注射用水などの希釈剤を収容し、第2区画室は乾燥粉末形態のワクチンを収容する。
【0041】
第1区画室15および第2区画室16の内容物は、液体、ゲル、ペースト、スラリー、固体、顆粒、ペレット、流動性粉末、圧縮粉、ケーキ、凍結乾燥ケーキ、または当技術分野で周知の他の形態を含む様々な形態であってよい。第1区画室が流動性材料を収容する場合、第1区画室15を押圧して内容物を加圧し、それによって第1脆弱シール19’に力を加えてシールを剥離することにより、第1脆弱シール19’を分離させることができ、区画室15と区画室16との間に結合された区画室を作り出して、2つの区画室の内容物の混合を可能にする。結合された区画室を押圧して区画室の内容物を加圧し、それによって第2脆弱シール19”に剥離力を生じさせることにより、第2脆弱シール19”を破断することができる。
【0042】
図1cは、注射器11に取り付けられたカートリッジ10を示す。嵌合体12は、注射器本体13の前端に係合しており、好ましくは、嵌合体領域内に無菌ゾーンを形成する。嵌合体12の通路と注射器ノズル17とは流体連通している。非経口で皮下に薬物を送達する用途に関しては、送達可能な物質に接触する装置の領域全ておよび対象者の体に接触することになる領域を、使用時まで滅菌状態に維持する必要がある。
図1cの形態において、注射器11とカートリッジ10との無菌係合により、その領域に対する滅菌性が維持される。バレル13内側の滅菌性は、本体13後端の第2シール、本体13およびピストン14の後部分の局所的上包み、または装置全体に対する滅菌上包みにより維持してもよい。加えて注射器本体13の前部領域および嵌合体12に無菌カバーが必要になるが、同様の解決策が
図1bの形態に適用できる。
【0043】
嵌合体12の滅菌性は、ポート領域を保護するリードまたはキャップにより達成してもよい。箔リードがポート周囲の垂直壁の周縁部に熱シールされてもよい。一実施形態において、カートリッジ10は滅菌上包み内で保存される。物質の少なくとも1つが乾燥形態である、いくつかの実施形態において、水分がウェブ18,18’壁を越えて乾燥区画室に移動することを防ぐために、滅菌上包み内に乾燥剤カプセル、乾燥剤ペレット、または乾燥剤ゲルなどの乾燥剤を含むことが有効であり得る。一実施形態において、乾燥物質をウェブ中に組み込んでもよい(この形態は、時としてスカベンジャフィルム(scavenger film)と称される)。注射器とは別にカートリッジを包装することにより、製剤の管理された状態での保存および搬送を向上させる。
図1bの形態における本体13前端の滅菌性は、密着キャップ、ノズル17領域周囲の熱シール箔を含む様々な方法で、また滅菌上包みで注射器全体を包装することにより達成することができる。それゆえ、
図1cの形態は、製品の滅菌性を維持するために講じる必要がある対策を軽減するのに有効であり得る。
【0044】
ここで
図1dを参照すると、脆弱シール(
図1cの19’および19”)を破断させた後の
図1cの構成が示されており、結合された区画室16’が、嵌合体12の通路に流体連通するように形成されている。
【0045】
図1eは、ピストンを本体12から後退させ、結合された区画室16’からの流体を注射器11内に流入させたときの先の
図1dの構成を示す。
【0046】
図1fは、ピストン14が完全に後退した状態にある先の
図1eの構成を示す。結合された区画室16’が完全に空になり、区画室の内容物が注射器12に完全に移送される。カートリッジ11が取り外され、この時点で注射器12には、送達可能な製品用量が装填されており、すぐに使用できる状態である。形態が予め滅菌される場合、注射器の前部は、嵌合体12が取り外されるこの時点まで滅菌状態で維持されている。この形態は、注射器充填ステップの前でさえ、注射器の適用面が非滅菌領域に曝され、対象者への汚染の危険性を高める市販の形態と比較して有効であり得る。
【0047】
本形態は、ジェット注射器カートリッジの無菌充填形態を示している。本開示のさらなる形態において、同様の形態が、例えば、筋肉内、皮下、または皮内注射器、ならびにそれらのカートリッジ、局所塗布器、ならびにそれらのカートリッジおよびリザーバ、注入ポンプ、マイクロ注入ポンプ、注入器、マイクロ注入器、パッチ送達装置、ならびにそれらのカートリッジおよびリザーバ、輸液バックおよび輸液ボトルを含む輸液容器、経口投与用、点眼用、または耳用ディスペンサならびにそれらのカートリッジおよびリザーバ、接着剤ディスペンサ、ならびに他のディスペンサ、様々な使用形態および目的の送達装置ならびに塗布器を含む、当技術分野で周知の他のカートリッジ、ディスペンサ、または薬物送達装置に充填するために提供される。
【0048】
図2は、充填済み混合カートリッジ10と通常のシリンジ20の形態を図示する。この図は、
図2bの断面図の切断線を提供する。
図2bを参照すると、カートリッジ10が、ルアーロック雌コネクタで終端し、シリンジ20のルアーロック雄コネクタに結合され、カートリッジ10とシリンジ20との間に流体密接続を形成する嵌合体を備えている。
図1の注射器と同じ方式で、カートリッジ10からシリンジ20に流体を移送してもよい。シリンジ先端は、カートリッジ10が取り外される使用時まで変わらずに無菌環境にある。この形態は、充填ステップより前にシリンジ先端または針の先端が非滅菌領域に曝され、それによって対象者への汚染の危険性が高くなる市販品と比較して有効であり得る。一形態において、ルアー結合を介してカートリッジとシリンジとを一体化する場合、カートリッジは、使用時までシリンジとは別に保存される。シリンジ20およびカートリッジ10の滅菌性を維持するために、
図1bの形態に関して上述したものと同様の形態および対策が考えられる。
【0049】
図3を参照すると、カートリッジがピストン31の後端に連結された別の形態が提供されている。ピストン31は、カートリッジポート9とシリンジ本体とに連通するピストンの軸線に沿った流体通路32を備える。プランジャ34は、ピストン31を後退させると、プランジャ34がバレル33と摩擦することにより、若干ピストン31から離れるように変位し、それによって、カートリッジの内容物がバレル33内に移動できるようにする流体経路35(矢印を参照)を開放するように、ピストン31の前端に配設される。キャップ37は、シリンジの投与先端36の周囲の無菌空間を維持する。
図3bは、ピストン31を完全な後退位置まで後退させた後、ピストン31を前進させた
図3aの形態を図示する。カートリッジ10は、その内容物が完全に使い果たされた状態である。ピストン31を前進させると、プランジャ34がピストン31ヘッドにより近い位置に戻され、それによってバレル33の内容物がシリンジポート36にしか進むことができないように通路32を封止する。
【0050】
投与先端または投与先端に連結された針が、充填工程より前に非滅菌領域に曝される市販のシリンジと異なり、この構造では、使用の直前に、充填工程の後初めて、キャップが先端36から取り外される。カートリッジは、例えば、ルアーコネクタ、バーブコネクタ、圧入コネクタ、隔壁装置、連結筒、または互いの接着を含む当技術分野で周知の様々な手段によりシリンジに結合されてもよい。一形態において、カートリッジは、ピストン内の空き空間内に配置される。
【0051】
ここで
図4を参照すると、カートリッジ10が、ピストン43の後端に接続され、ピストン43から横方向に延在する形態が図示されている。弁44は、カートリッジ10からバレル40への流体の移動を可能にする流体通路42の後端に配置されるが、流体が反対方向に流れるのを防止し、これにより、ピストンを前進させると、全用量が投与先端45にのみ流れる。一形態において、ピストン44はまた、カートリッジ10が空になった後に、流通路42内への空気の流入を可能にし、これにより流体を通路からバレルに前進させる。一実施形態において、専用の無菌区画室は、カートリッジの有益剤が空になった後に、流体通路42内への水又は空気の流入を可能にし、残留した有益剤を通路から押し流す。一形態において、前記水または空気の区画室は、カートリッジ10アセンブリの一部である。
【0052】
図5aは、注射器本体52内の圧力室51内に配置されたカートリッジ10を備えるジェット注射器を図示する。カートリッジ10は、注射器本体の前端に連結された無針ジェットノズル17を備える。ピストン53は、本体52内に配置され、係止機構(図示せず)により使用前位置に係止され、圧力室51の容積を減じるように前方に付勢される。一形態において、カートリッジ10は使用前に1つより多い区画室を備え、カートリッジ10を取り外し、
図1に述べたのと同様の手順に従うことにより、それらが手動で混合され、その後、本体52内にカートリッジ10を戻す。
【0053】
図5bは、ピストン53がディテント機構から解放されて、ばね54により前方に押し出され、圧力室51を加圧し、それによって、カートリッジの壁を崩壊させ、ノズル17を通してカートリッジの壁にカートリッジ10の内容物を絞り出させた後の注射器50を示す。ノズル17は、使用時まで無菌キャップまたは接着箔により保護されてもよい。
【0054】
図6は、手動スイッチ62で点火モジュール(pyrotechnic module)61を作動させると、点火モジュール61により発生する加圧ガスによりピストンが前方に付勢されることを除いて、
図5の形態と同様の形態を示す。
【0055】
図7は、筒部71全体にわたって筒部71に沿った多くの位置72で挟圧され熱シール72されて、有益剤を含む少なくとも1つの区画室を形成する筒部71から製造されたカートリッジ70を示す。カートリッジ70の一構造において、挟圧位置72のシールは、閾値圧力または閾値力の存在下で剥離するように作られた脆弱シールである。筒部71は、押出、射出成形、ブロー成形または当技術分野で周知の他の製造方法により製造されてもよい。一形態において、筒部71は、内層が熱シール材であり、少なくとも第2層が、筒壁全体にわたって特定のガスまたは水分の移動を低減する向上したバリア性を提供する多数の層を備える。一形態において、この筒は共押出される。一形態において、筒壁の少なくとも1つの第1層は、プラスチック、金属、または金属酸化物のロール状シートから製造され、少なくとも1つの第2層は、ロール状の第1層の上に押出される。
【0056】
図8は、前端がジェットノズル17に取り付けられた筒部からカートリッジ80が製造されることを除いて、
図5に提示した形態と同様の無針ジェット注射器の形態を示す。
【0057】
図9aは、2点99’および99”’で挟圧され封止されて、区画室を形成する筒部90からカートリッジ90が製造されることを除いて、
図3に提示した形態と同様のシリンジおよびカートリッジアセンブリを示す。シール99’は、カートリッジを圧縮し、内容物を加圧すると破断して、雌ルアーロックコネクタ92が端部に取り付けられたカートリッジとシリンジとの間の流体連通を可能にする脆弱シールである。いくつかの形態において、筒部、カートリッジ90は、使用時までシリンジとは別に保存してもよい。上に
図1〜
図3で述べたものと同様の方式および対策で、製品および装置の滅菌性を達成してもよい。筒壁は、単層または多層を有してもよく、高バリア性PCTFE層、アルミニウム層、COC層、および剥離可能な接着剤層を有してもよい。
【0058】
図9bは、第1シール99’および第2シール99”が第1区画室95を画定し、第1物質を保持する第2シール99”および第3シール99”’が、第2物質を保持する第2区画室94を画定する筒体から製造されたカートリッジのさらなる形態を示す。第2シール99”は、第1物質と第2物質との融合を可能にするために、第1区画室95と第2区画室94のいずれかまたは両方の加圧時に破断可能である。第1シールは、カートリッジとシリンジ97との間に流体連通を確立するように破断可能である。カートリッジはさらに、カートリッジ周囲と第1区画室95との間のバリア性を高める、第1挟圧シール部99’および第2挟圧シール部99”にわたって互いに封止された剥離可能なバリアシェル96’および96”を備える。この形態は、筒体93のバリア性が、水分、酸素または光の透過から第1区画室95を保護するのに不十分である場合に特に有効であり得る。
【0059】
筒体の材料は、好ましくは、内容物の目視検査を可能にするために透明であってもよいが、これにより通常はバリア性の一部が損なわれる。剥離シェルは、カートリッジ内容物の目視検査を妨げる高バリア性アルミニウム層を含んでもよく、したがって、検査のためにシェルを剥離する必要性がある。第1タブ98’および第2タブ98”は、指でのシェルの剥離を容易にするために、それぞれ第1剥離シェル96’および第2剥離シェル96”に対する延長部として設けられる。剥離シェルは、第1区画室95の形状を調節するように予め形成されてもよい。第2区画室94に対するバリアシェルを形成するために、剥離シェル96’および96”の少なくとも1つを延長してもよい。カートリッジの内容に関するデータ、取扱説明、警告などを示す、絵、文章、バーコードまたは他の光学機械読み取り可能なデータ表示を含む印刷可能な、または他の方法で印字可能な表面を提供するために、剥離シェルの少なくとも1つを延長することができる。剥離シェルは、単一もしくは多層のフィルムまたは箔(共に「ウェブ」)から製造されてもよく、剥離可能なシールを形成するために、感圧接着剤、静電接着剤または感温接着剤を含んでもよい。
【0060】
図10aは、第2区画室16が剥離層105を備える別の好ましい形態100を示す。様々な用途で、例えば、2つ以上の区画室の内容物を混ぜ合わせた後の統合した区画室または1つもしくは複数の区画室の内容物を目視(もしくは光学的計測により)検査することが望ましい用途において、パッケージの少なくとも一部分を透明材料から製造することが望ましい。しかしながら、典型的には、透明材料は、不透明である箔よりも水蒸気透過率(MVTR)が高く、(複数の)区画室とパッケージ周囲との間により低いバリアを提供する。製品の中には、相対湿度レベルが2%または3%より高い状態で有効性が損なわれる乾燥ワクチンなどの、水分に極めて敏感なものもある。さらに、ワクチン粉末の目視検査は、使用前に製品に異物が混入されていないことを確認し、混合後にワクチン粉末が希釈剤に完全に溶解しているかを検査するために重要である。
【0061】
本開示の一形態において、カートリッジは、カートリッジの周囲に乾燥環境を維持する、乾燥剤を含む上包み内で保存される。一形態において、上包み材料は、乾燥剤物質がウェブ材料の組成物中に埋め込まれた「スカベンジャフィルム」として業界で知られている種類のものである。
図10aにおいて、パッケージ100の粉末区画室は、高バリア性の剥離可能な成形層104を備えており、この成形層104は、不透明であるかまたは光透過性が抑制されている。いくつかの形態において、剥離層が、光からのバリアを提供してもよい。高バリア性の透明材料は通常、低バリア性の透明材料よりもコストがかかる。いくつかの形態において、製造コストを低減するために、パッケージのより大きな成形壁18’が低バリア性材料から製造される一方で、局所的剥離層104は、Aclar(Honeywell社)を含むフィルムなどの高バリア性の透明材料から製造される。剥離層104が、成形壁18’には欠けている他の所望の特性を付与されてもよい。剥離層104は、成形壁18’が作られた原材料の組成物の一部であってもよい。剥離層104を第1壁18’の別個のウェブから製造してもよく、1つの製造構成において、2つのウェブが一緒に形成される。いくつかの形態において、壁108’が熱成形フィルムであり、剥離層104が冷間成形された箔である場合、成形工程に冷間成形と熱成形とを組み合わせたステップが含まれてもよい。
【0062】
いくつかの形態において、剥離層104の空洞105は、成形壁18’とは別に形成され、後に、封止態様でパッケージに取り付けられる。剥離層104のパッケージへの取り付けは、接着剤、膠、感圧接着剤、熱ステーク溶着(heat stake welding)、超音波溶着などを含む当技術分野で周知の手段の1つにより達成されてもよい。一形態において、剥離層104は、ダイカット接着剤シートを介して第1壁18’に封止される。ダイカット接着剤は、第1壁18’に付着させることができ、次の段階で、剥離層104が第1壁に取り付けられる。代替的に、ダイカット接着剤は、剥離層104に付着させることができ、次の段階で、第1壁18’が剥離層に取り付けられる。剥離層104は、アルミニウム積層またはアルミニウムコーティングを有してもよい。
【0063】
この形態100はさらに、使用時まで無菌筐体内で吐出ポートを保持する吐出ポート区画室103を備える。吐出ポート区画室103は、パッケージ100のウェブ材料の延長部101内に形成される。引き裂き用ノッチ102により、吐出ポートを露出させるための延長部分101の取り外しが容易になる。
図10bは、剥離層104が除去された後に、透明壁18’を通して第2区画室の内容物の目視検査を可能にする形態100を示す。加えて、延長部101が取り外されて、雌ルアーロックコネクタ形状の吐出ポート12を露出させる。いくつかの手順では、吐出ポートの露出を最小限に抑え、汚染の危険性を低減するために、延長部101を取り外す前に区画室15と16とを統合することが望ましい。パッケージ100の第2壁18”は、好ましくは、積層されたアルミニウム箔、SiOx積層体、AlOx積層体などの高バリア性材料または当技術分野で周知の他の材料から製造される。
【0064】
いくつかの形態において、第2区画室16は、第1区画室15と第2区画室16との間の第1バリア19’を破断して2つの区画室を統合させ、第2区画室16(または統合した区画室(15+16))間の第2バリア19”を破断するように押圧される。第2区画室16の予め形成された構造は、所望の順序およびタイミングで、バリア19’および19”のそれぞれの破断を制御できるようにする。区画室16の深型形状は、区画室16の遠位端106が押圧されると、第1壁18’のこの遠位端領域106における緊張、ならびに遠位端領域106に近接する第1壁18’と第2壁18”とのシールが弛緩し、一方で、押圧ゾーン106に対向する第1壁18’の近位領域109、ならびにその近位領域109に近接する第1壁18’と第2壁18”との間のシールが緊張する、その結果、第2バリア19”は無傷のままであるが、第1バリア19’の破断が生じるようになっている。
【0065】
次のステップで、統合した区画室(図示せず)の近位領域が加圧されて、第2脆弱シール19’に緊張を過度に生じさせ、第2脆弱シールを破断させて、統合した区画室と吐出ポートとの間の流体連通を確立する。無菌吐出ポート区画室103に加えて、またはその代替として、(雄ルアーロックキャップなどの)栓体、溶着された箔部分、(ゴム栓などの栓)、または当技術分野で周知の他の手段によりポートを無菌封止してもよい。他の封止機構が内容物を無菌的に保護し、内容物の漏出を防止するのであれば、第2脆弱シールを省略してもよい。
【0066】
図10c〜
図10eは、オペレータの親指での直接操作により、脆弱シール19’および19”の制御された、順番に行われる破断を達成するために、カートリッジ100を操作する1つの方法を示す。カートリッジ100は、オペレータの手のひらの人差し指と中指の上にある。
図10cでは、第2区画室16の遠位部分106が、親指で押圧されている。その結果、第1区画室16の近位領域107における壁18’が緊張して、第1脆弱部19’に剥離力を加える。同時に、第2区画室16の遠位領域106を親指で押圧することで、第1壁18’のその遠位領域を緊張させないようにし、これにより、第2脆弱部19”にかかる剥離力が除去されるかまたは最小限に抑えられる。結果として、
図10dに示すように、第2脆弱シール19”が無傷のままであるが、第1区画室および第2区画室が統合した区画室16’となり、投与可能な製品を吐出ポートに連通する前に2つの区画室の物質を混合できるようにする。
図10dの構造により、吐出ポートが、まだ吐出ポート区画室104内に封止されており、統合した区画室16’がまだ吐出ポートに連通していないので、汚染の危険に曝されることなく、例えば、物質を適切に混合させるために、カートリッジを片側に寄せる(put aside)ことが可能である。
【0067】
図10eでは、吐出ポート区画室が剥ぎ取られており、ポート12はシリンジ108に係合している。統合した区画室16’の近位端107を親指で押圧し、統合した区画室の遠位端106の壁を緊張させて、第2脆弱シール19”に剥離力を加え、第2脆弱シール19”を破断させて、吐出ポート12を介してシリンジ108と統合した区画室16’との間に流体連通を確立する。他の形態において、区画室の押圧は、平板またはローラなどの圧縮体により行われる。本開示は、注射器およびカートリッジが緊密に封止された態様でしっかりと固定されて初めて、カートリッジと注射器との間の流体連通が確立され、注射可能な製品の非滅菌領域への曝露を抑制し、製品の流出する危険性を低減する、注射器に充填するための薬物カートリッジを好適に教示している。典型的にバイアルおよびアンプルに関しては、典型的には隔壁シールを貫通するスパイクにより、注射器とカートリッジとが一体化している間に流体連通が確立される。
【0068】
図11は、パッケージの第2壁18”が剥離層111を備え、強化された水分バリアを区画室内の物質に提供する形態を示す。成形壁18’は、好ましくは、水分およびガスに対する高いバリアを提供する冷間成形されたアルミニウム積層体から製造される。タブ112により第2壁18”の剥離がより容易になる。いくつかの形態において、剥離層111は、溶着または接着などの当技術分野で周知の手段の1つにより第2壁18”に取り付けられる。一形態において、剥離層111は、感圧接着剤付きのラベルである。いくつかの形態において、感圧接着剤は、ラベルの特定領域には感圧接着剤の付着がないように、ラベル上に選択的に配置される。
【0069】
剥離層は、好ましくは、剥離されるまでの間、水分およびガスに対する高いバリアを提供するアルミニウム層を備える。いくつかの形態において、剥離層は、第2壁18”を構成するウェブの多層材料組成物の一部である。いくつかの形態において、剥離層は、第2壁18”全体から除去される。いくつかの形態において、切り目の付けられたまたはダイカットされたパターンが、除去される剥離層111の領域を画定する。いくつかの形態において、第1壁18’および第2壁18”の分割部分は、切り目が付けられるかまたはダイカットされ、剥離層111の除去を容易にするタブまたは折取りタブ(break−off tub)を提供する。カートリッジ110は、注射器、薬物送達装置、これらのまたは他のシステムのリザーバに簡単に取り付けられてもよく、または使用前に取り外される蓋を備えてもよい。剥離層11は、印刷された(または他の方法で印字された)情報を含み、その情報を表示するラベルとして、カートリッジ110から剥離された後に、人、装置、カートリッジ110の内容物を受容する(シリンジなどの)薬剤送達装置、または文書に貼り付けられてもよい。
【0070】
本開示によるカートリッジの形態に他のラベルを貼り付けることができ、ラベルは、印刷されたまたは他の方法で印字された情報を含み、剥離性または非剥離性であり、さらに人、装置、または書面など他の物に貼り付け得ることが理解される。いくつかの形態において、カートリッジの情報を含む部分は、文書に、患者または装置に貼り付けられるなど、他の場所にこの情報を含めるかまたは表示するために、カートリッジの他の部分から引き裂き可能かまたは他の方法で分離可能であってもよい。
【0071】
図12は、吐出ポートがフランジ121を介して第2壁18”の外面に取り付けられる形態を示す。フランジは、パッケージの内容物を吐出ポートに連通する、壁18”の開口(図示せず)と一直線になる導管(図示せず)を備える。ポート12は、熱溶着または接着を含む当技術分野で周知の手段の1つにより壁18”に取り付けられる。カートリッジ120は、注射器、薬物送達装置、これらのまたは他のシステムのリザーバに簡単に取り付けられてもよく、または使用前に取り外される蓋を備えてもよい。
【0072】
図13は、カートリッジ133が、シリンジ131と(ここで図示されている、針シールド132により覆われた)針との間に配置されたマニホールド134に連結された形態を示す。マニホールドは、カートリッジ133をアクティブ化した後に、シリンジのピストンを後退させると、カートリッジ133の内容物をシリンジ131内に吸引し、ピストンを前進させると、シリンジ131の内容物を針に送達する弁装置を備える。いくつかの形態において、用量吸引形態から用量注射形態に切り替わったときに、マニホールドの操作により、カートリッジをマニホールド134から係合解除する。米国特許第7,879,018号明細書は、これを実現するための多数のマニホールド装置を教示しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
この
図13の形態は、使用前にピストンが内方位置にあり、製品の包装効率に有効な影響を及ぼす、充填済みシリンジの独特の形態を開示している。針安全機構および注射器無効化(syringe disabling)機構をこの形態に組み込むことができる。米国特許出願公開第2009/0221962号明細書は、格納式注射器およびプランジャを教示している。シリンジは、バレルと、針が装着されたまたは装着可能な格納式針台と、プランジャであって、初期圧縮されたばねと、格納式針台に係合する手段と、一体に形成されたプランジャシールと、プランジャとの係合時に針台を後退させる速度の制御を容易にする取り外し可能な制御手段とを備えるプランジャとを備える。シリンジに充填するためにプランジャが引っ張られるときに、針台が不慮により後退することを防ぐために、針台は保持手段によりバレル内に保持される。保持手段は、バレルと一体に形成されるかまたはバレルに装着されるキャップ上に存在する複数の留め具を備える。また、エジェクタ手段も提供されており、それによって、プランジャを押し込むことにより、針を保持手段から解放するようにエジェクタ手段を促すことができ、それによってばねの復元に伴う針台の後退を可能にする。本開示の一形態において、カートリッジは、米国特許出願公開第2009/0221962号明細書に教示されているような格納式針台を備えたシリンジに連結される。
【0074】
図14は、シリンジ131に接続された弁付きポート141を備えるカートリッジ133を示す。カートリッジ133から投与可能な製品をシリンジバレルに充填するステップのために、ルアーキャップ142が所定の位置に保持される。弁付きポート141は、カートリッジ131の区画室を統合して統合した区画室と吐出ポート141との間のバリアを破裂させた後に、シリンジのピストンを後退させると、投与可能な製品がカートリッジ133からシリンジバレルへ流れ、ピストンを前進させると、投与可能な製品がシリンジ先端へ付勢され、カートリッジに戻らないようになっている。一形態において、弁付きポートは、カートリッジ133からの流体の流出を可能にするとともにカートリッジ133内への逆流を防止する逆止弁を備える。一形態において、弁付きポートは、例えば、回転、軸方向運動、またはこれらの組み合わせによる手動操作により開放状態と閉鎖状態とに切り替わる。
【0075】
いくつかの形態において、カートリッジは、手動操作中かまたは手動操作後に取り外し可能である。米国特許第7,879,018号明細書は、これを実現するための多数のマニホールド装置を教示しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの形態において、シリンジ131は、シリンジのピストンを後退させると、流れがシリンジの先端を通って流れることができず、ピストンを前進させると、流れがシリンジのバレルから流出できるように弁調整される。いくつかの形態において、シリンジの弁は逆止弁である。いくつかの形態において、シリンジの弁は手動操作される。いくつかの形態において、シリンジの弁およびカートリッジの弁付きポート142は、遮断するようカートリッジ弁付きポート142を作動させることで、開放するようシリンジの弁を作動させ、その逆も同様になるように機械的に連結される。
図14の形態は、投与先端がカートリッジを受けることができない形式である場合、例えば、投与先端が固定針、格納式針、または他の安全機構を有する場合に特に有効であり得る。
【0076】
米国特許出願公開第2011/0015572号明細書は、格納式注射器、プランジャおよび解放可能な針保持アセンブリを教示している。格納式注射器は、典型的にはガラス製バレルを有し、使用前に流体内容物が予め充填されている。解放可能な針保持システムは、格納式針、針シール、保持部材、および保持部材から格納式針を解放するように作動可能なエジェクタ部材を備える。保持部材は、シリンジバレルの内壁の相補的なつがい面に取り付けるためのつがい面を有する。プランジャは、プランジャ外装部、制御部材に破断可能に接続されたプランジャロッド、ばね、および格納式針に係合することが可能な単一のプランジャシールを備え、プランジャロッド、プランジャ外装部および制御部材が協働して、ばねを初期圧縮された状態に解放可能に維持する。シリンジの流体内容物を送達後に、プランジャが、エジェクタ部材を圧迫して保持部材から格納式針を解放させる。プランジャの押し込み終了時のばねの復元は、単一のプランジャシールとの係合時の格納式針の後退を容易にする。二重ロックシステムにより、針を格納した後のシリンジの再使用を防止する。本開示の一形態において、カートリッジ133は、
図14の弁付きポート141の構成を介して、米国特許出願公開第2011/0015572号明細書に教示されているような安全注射器のバレルに連結される。
【0077】
ここで
図15を参照すると、いくつかの形態において、物質を区画室15内で直接凍結乾燥(フリーズドライ)することが望ましい。第1壁18’は、予め形成された平坦な第2壁18”に溶着される。第1区画室15は、終端部が開口しており、この区画室の封止された最終寸法よりも長い。区画室15は、液体物質の充填を十分に可能にする。そして、凍結乾燥工程が完了し、第1区画室15の底面に乾燥ケーキを残すまでの間、カートリッジを凍結乾燥機内に入れる。次に、区画室が封止されて凍結乾燥した用量を無菌的に収容する。第2区画室16は、凍結乾燥工程の前またはその工程の後に充填され封止されてもよい。
【0078】
図16を参照すると、第1物質を保持する第1区画室15と、第2物質を保持する第2区画室16とを備えるカートリッジ160のさらなる形態が示されており、それらの区画室は、第1物質と第2物質とが融合できるように破断可能な脆弱シール19’により分離される。第2区画室16は、カートリッジとシリンジまたは注射器などの投与装置との間の流体連通を可能にするように破断可能な第2脆弱シール19”により雌ルアーロック嵌合体12から分離される。嵌合体12は、流体通路161と、流体通路161に配置された静的混合器162とを備える。この形態は、融合した第1物質と第2物質がカートリッジ160から投与装置へ移送されるときに、静的混合器がより均一な製品を生成するためにこれらの物質の混合を促進するような形態である。静的混合器の一例は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,538,920号明細書に教示されている。静的混合器での混合作用を繰り返すために、混合物をさらに送達装置とカートリッジとの間で往復させてもよい。いくつかの形態において、静的混合器は、壁の指定された領域を溶着して予め形成することによって可撓性パッケージの壁間に形成された通路のパターンとして構成される。静的混合器は、単なる細長いノズルか、またはカートリッジと送達装置との間の流通路内に収容された多孔質部材であってもよい。
【0079】
図17は、カートリッジ170が第1物質を収容し、かつ脆弱シール19”により雌ルアーロック嵌合体12から分離された区画室171を備える好ましい実施形態を示す。嵌合体は、流体通路161と流体通路161に配置された静的混合器162とを備える。第2物質174を収容するシリンジ173が、カートリッジ170に取り付けられる。脆弱シール19”は、第1物質と第2物質とが融合できるように破断可能である。シリンジピストンを引くことにより、第1物質が、区画室171からシリンジ内に吸引され、シリンジ内の第2物質と融合する。混合物の少なくとも一部をカートリッジ170内におよびカートリッジ170から移送し、材料が静的混合器162を通って流れるときにより均一な混合物を作り出すために、シリンジピストンを前後に操作してもよい。一形態において、区画室171は、第1物質と第2物質の全量を受容するように十分に膨張可能である。いくつかの形態において、カートリッジ171は、第1区画室をシリンジと統合する前または統合した後に、第1区画室171と統合される1つ以上の区画室を備えてもよい。
図16または
図17の形態と同様の形態においては、本開示の先の形態のいずれかで静的混合を実行し得ることが当業者には明らかであろう。特に、
図3および
図4に戻って参照すると、静的混合器をシリンジのステムまたはプランジャ内に配置してもよい。
【0080】
図18は、第1物質を収容する第1区画室15と、第2物質を収容する第2区画室16と、第1区画室15と第2区画室16との間に配置されるとともに、脆弱シール181により第1区画室15から分離されかつ脆弱シール182により第2区画室16から分離された静的混合器184とを備える、カートリッジ180の別の形態を示す。上壁183が破線183’に示す通りに再構成され、第1物質と第2物質が静的混合器184を介して連通できるように、第1物質と第2物質とが混合される位置で第1脆弱シール181および第2脆弱シール182を破断する。第1区画室15の第1凹所185と第2区画室の凹所186が他の区画室から物質を受容するために膨張可能であるので、第1区画室15および第2区画室16は完全には膨らまない。したがって、第1区画室15および第2区画室16を交互に圧縮し、静的混合器184を通して第1物質と第2物質との混合物を移送することにより、第1物質と第2物質との良好な混合を達成してもよい。静的混合器184は、ここでは多孔質体として示されており、代替的には、当技術分野で周知の他の静的混合器である。
【0081】
第3脆弱シール19”は、混合物と嵌合体12との間の連通を確立するように破断可能である。この形態はさらに、カートリッジ180を支持する裏当て187と、第1圧縮パネル188’および第2圧縮パネル188”を備えるロッカであって、第1パネル188’による第1区画室15および圧縮パネル188”による第2区画室16の押圧を交互に行うために、裏当て187に対して回転するように移動可能なロッカとを備える。ロッカおよび裏当ての配置は、区画室15および16をより効率的にかつ順序良く圧縮し、静的混合器184を横切るように内容物を移送することにより、混合工程の効率的な実施を容易にする。嵌合体12を通して投与装置に混合物を移送する準備が整った時点で、第1区画室15が空となる位置に第1圧縮パネル188’が静止していてもよく、これにより、混合物の実質的に全てが第2区画室16から嵌合体12に絞り出される。ロッカは、ヒンジまたはリビングヒンジを介して裏当て187に連結されてもよく、また手動でまたは装置を用いて作動させてもよい。
【0082】
図19は、第1物質を収容する第1区画室15と、第2物質を収容する第2区画室16と、それらの物質を第1区画室15と第2区画室16との間で往復させるときに第1物質と第2物質との混合を促進する静的混合器を形成する、予め形成された相互に交差する流路の列とを備えたカートリッジ190の別の形態を示す。
【0083】
ここで
図20a〜
図20eを参照すると、1つの可能なカートリッジ製造工程が記載されている。一形態において、製造工程は、成形充填封止システムに基づき実現される。
【0084】
図20aは、有益剤の成分を保存するパッケージの予め形成された可撓壁18’であって、第1成分を受容する第1空洞15と、第2成分を受容する第2空洞16と、それらの空洞の間の第1連続領域19’と、嵌合体を受容する嵌合体用の空洞と、第2区画室16と嵌合体用空洞203との間の第2連続領域19”とを備える可撓壁を示す。第1区画室は、粉末、圧縮粉または凝集粉、顆粒、ペレット、固体、錠剤、カプセル、スラリー、ペースト、高粘度流体、エマルジョン、およびこれらの組み合わせなどの非流動性材料または低流動性材料を受容するように作られる。第1物質は、充填する必要のある材料の種類に合った適切な充填システムにより、第1区画室に充填される。第2区画室16には、水または他の低粘度の流体を充填することもできるが、表面張力または流体の他の特性により流出を引き起こす可能性があるので、空洞16を完全に満たすことは困難であるかもしれない。
【0085】
別の課題は、液体充填が、多くの要因(その1つは、液体が空洞16に充填されるときに、発泡または気泡の形成を防ぐことである)のために比較的時間のかかる製造工程であることである。一形態において、この課題は、好ましくは第2区画室16の形状を有する型内で流体のアリコートを凍結させ、それから、当技術分野で周知の手段の1つによりアリコートを固形物として扱い空洞内に導入することにより解決される。充填システムは、第2空洞16が封止されるまで、凍結液アリコートが実質的に固形のままであるように、凍結液アリコートへの熱伝達が抑制されるように設計され、封止後、凍結液を解凍することができる。充填工程中の凍結アリコートへの熱伝達は、この工程の間の温度を実質的に低く制御し、かつ適切な熱伝達係数を用いてパッケージへの接触材料を選択することにより抑制されてもよい。第2空洞16に導入する前に、重量および他の特性ならびにパラメータに関して凍結液アリコートを検査してもよい。
【0086】
一形態において、(同一、同様または異なる組成を有し得る)1つ以上の凍結アリコートが、第2区画室16に充填される。これらのアリコートは、実質的に第2区画室16の形状を共同で形成する相補的な形状を有してもよい。一形態において、アリコートは、空洞16内またはパッケージの相互の(reciprocal)平坦壁18”(図示せず)上で直接凍結される。別の形態において、第2物質は、第2区画室16に実質的に完全に充填することが困難であり得る緩い粉末または他の形態の分散性乾燥物質である。緩い粉末の充填は、製造速度の制限要因となり、アリコート充填用量の適切な検査が困難になる場合もある。一形態において、粉末の充填を容易にするために、粉末が若干圧縮されて、緩く凝集した錠剤、または単一体を形成し、当技術分野で周知の錠剤充填方法の1つにより、その形態でパッケージの区画室内に充填される。所定の圧縮率で凝集度合いを達成するために、専用の製法が必要となる可能性がある。錠剤は、第2区画室16の充填工程前または充填工程中に検査してもよい。
【0087】
一形態において、錠剤が区画室内に封止された後に、区画室を外部から操作して錠剤を非凝集状態とし、これにより、希釈剤との混合時の物質の溶解性(または分散性)を向上させる。外部操作は、これらに限定されるものではないが、区画室の圧縮、超音波振動、高周波振動、音響振動を含む振動、区画室への機械的衝撃の付加、高温または低温への曝露のうちの少なくとも1つにより、パッケージの壁を通してエネルギーを単一体に向けることを含んでもよい。一形態において、単一体は、空洞16内またはパッケージの相互の平坦壁18”(図示せず)上に直接形成される。第1区画室15は、空洞15を実質的に満たすために低粘度の流体を効率的に充填するための別の形態を提供する。第1充填ウェル201’および第2充填ウェル201”は、第1壁18’に予め形成され、第1予備形成充填流路202’および第2予備形成充填流路202”は、第1および第2充填ウェルを第1区画室15に接続する。
図20aは、1つのカートリッジの細部を含むように形成されたウェブの一部分を示す。通常の製造の実施において、複数のカートリッジのための細部の配列を第1ウェブ18’の大きな広がりに形成し、次の成形および充填ステップで同時に処理し得ることが当業者には理解されよう。
【0088】
図20bは、カートリッジ200の製造工程の次のステップを示す。(この図ではカートリッジ200の裏側にある)第2区画室16が満たされ、蓋ウェブ18”で密封された後、ウェブ18”は、第1壁18’の連続面全体に封止される。一形態において、第1ウェブ18’および/または第2ウェブ18’の内層は、制御可能な剥離(接着)力を有する接着剤を備え、低いシール温度(例えば、375°F)により剥離性の接着(「脆弱シール」)が生じ、高いシール温度(例えば、450°F)により永久的非剥離性の接着が生じる。一形態において、この図に示す第1封止ステップにおいて、ウェブ18’の連続面の実質的に全てが、第2ウェブ18”に接着されて、第2区画室16を完全に包囲し、かつ充填流路202’および202”を除いて、第2区画室15を実質的に包囲する脆弱シールを形成する。ここで、第2ウェブ18”が第1ウェブ18’に取り付けられた状態で、充填区画室および排気区画室が形成され、2つのウェブ間に形成された流路を介して第1区画室15に連通する。
【0089】
第1充填孔204’および第2充填孔204”は、第2ウェブ18”を第1壁18’に導入する前に、打ち抜き、ダイカット、およびレーザ切断などの当技術分野で周知の手段の1つにより、第2ウェブ18”に予め形成されてもよい。一形態において、第2充填孔204”が充填中の第1区画室15からのガスの排出を可能にする一方で、第1区画室には第1充填孔204’を通して第1物質が充填される。第1区画室への物質の導入を容易にするために、充填工程の間、充填源を充填孔204’および204”の少なくとも1つに連結することができ、排気区画室を通してガスを引き出す。一形態において、充填カプラは、第1充填流路202’内に達するように湾曲した針またはチューブである。
【0090】
一形態において、充填カプラは、充填孔204’に導入されると緊密に嵌合して液体密封するように、充填孔204’よりも直径の大きい筒状先端を有する。一形態において、充填孔204’および204”は予め形成されず、(中空針などの)充填を行う鋭利な物体が流体密態様で第2壁18”を穿刺して、充填ウェル201’および201”内に入る。この最後の形態は、充填ラインの異なる部分または異なるラインで実行できる成分の導入より先に、パッケージが密封されるので特に有益である。封止ステップと充填ステップとの間で、パッケージを重ねてもよい。一形態において、カートリッジに対する充填カプラの封止を容易にするために、ゴムシールまたは半剛性のシールが、充填源への境界を形成する充填ウェル201’および201”の少なくとも1つ内に配置される。一形態において、流路の横断面は、物質の表面張力に起因した第1区画室15からの充填物質の漏出を防止するために十分に小さい。
【0091】
一形態において、逆止弁は、第1区画室15内への物質の流れを制御するために、第1充填ウェル201’および第2充填ウェル201”の少なくとも1つ内に配置される。充填中にガスの流出を可能にし、物質が第1区画室15から出て行くのを防止するために、半透過体を充填ポート201および充填流路202の1つ内に配置してもよい。一形態において、充填中に第1空洞15から流出する流れが監視され、流出する流体がガスから充填物質に切り替わると充填が中断される。第1充填流路204’は、第1区画室に進入する物質が、第2壁18”上を滑るように進み、これにより充填された用量の不所望な気泡または発泡を生じさせ得る噴射を防止するように作られる。第1区画室15の壁上での充填物質の滑動を容易にするために、専用の流れ偏向器を充填流路202または充填ウェル201内に配置してもよい。
【0092】
図20cは、カートリッジ200の製造の次のステップを示す。第2溶着ステップにおいて、流路(202’)および(202”)を押圧して溶着し、第1区画室15内の第1物質を完全に封止する。シール温度は、流路(202’)および(202”)の破断を防ぐために、脆弱シール溶着温度よりも高くてもよい。一形態において、封止ステップはさらに、カートリッジ200の周縁部に適用され、脆弱シールとして先に封止された領域の少なくとも一部に永久シール性を付与する。流路の溶着および封止を容易にするために、封止可能な挿入物を流路内に配置してもよい。
【0093】
ここで
図20dを参照すると、カートリッジは、打ち抜き、定規鋼切断(ruler steel cutting)、レーザ切断などを含む当技術分野で周知の手段の1つにより、ウェブの縁部から切り取られる。
【0094】
上記の製造ステップの順序を、その全体または一部を特定の設計、適用、および製造設備に最適となるように変更し得ることが当業者には理解されよう。
【0095】
嵌合体12は、例えば、熱ステーク溶着、インパルス溶着、振動溶着、超音波溶着、RF溶着、および光線溶着を含む当技術分野で周知の嵌合体を溶着する手段の1つにより、脆弱シール溶着ステップの前もしくはそのステップ中に、永久シール溶着ステップの前もしくはそのステップ中に、またはその次のステップで第1壁18’と第2壁18”の間に溶着される。
【0096】
図21aは、物質を混合するための静的混合器を備えるシリンジ210の立体分解図を示す。一形態において、第1物質はシリンジ210内に収容され、第2物質はカートリッジ(図示せず)からシリンジへ移送される。そして、そのシリンジ内において、第2物質が第1物質と混合される。別の形態において、少なくとも第1物質と第2物質は、別々にまたは予め混合されて、1つまたは複数のカートリッジ(または物質の別の供給源)からシリンジへ移送され、そのシリンジ内で、物質または混合物に混合工程が適用される。いくつかの形態において、カートリッジは、
図2,3,4,13または14の形態と同様の方式でシリンジ210に連結される。プランジャ214は、流体密態様でシリンジバレル212内に移動可能に配置される。ピストン213は、流体密態様でプランジャ214の環状孔内に移動可能に同軸に配置される。ピストンはさらに、ピストン213の遠位端から横方向に延在する静的混合板(または静的混合器)217を備える。プランジャ214の環状孔内の局所的な軸方向溝215は、ピストン213の横方向に突出する係止歯216を受容するように作られる。
【0097】
図21bは、第1物質218を収容する混合シリンジ210の断面図を示す。
【0098】
図21cは、ピストンをバレル212の近位端側に後退させた混合シリンジ210の断面図を示す。静的混合器は、ピストンと共にプランジャを押し出し、混合物218’を形成するために第2物質がバレル212内に進入できるようにする。第2物質の供給源は図示していないが、上記のように、本開示で提供する形態の1つにおけるシリンジ210に連結されたカートリッジであってもよい。第2物質がルアー先端からシリンジ210に進入していない場合、ルアー先端は、ピストン後退の際に先端から流れが発生しないようにキャップ、蓋、弁または別の手段により封止されていることが分かる。
【0099】
図21dは、ピストン213を往復させて、混合物218’を静的混合器217の隙間を通って流れるようにわきにそらし、混合物218’の混合を促進して均一な製品を生成する混合ステップを示す。係止歯216は、ピストンがプランジャ214に対して自在に移動可能であるように軸方向溝215(図示せず)と一直線になっている。プランジャは、バレルに沿って自在に摺動し、バレル212とプランジャ214との間の密閉容積内におよび密閉容積の外へ移動するピストンのステムを補う。一形態において、ピストンは、混合をさらに促進するために回転可能である。一形態において、静的混合板は、多孔質材などの当技術分野で周知の別の静的混合器に置き換えられる。一形態において、ピストンは、制御式電動アクチュエータなどの装置により操作される。シリンジ先端およびシリンジへの他のポートには、好ましくは、混合物218’の流出またはバレル212内への材料の導入を防ぐために混合工程中に栓が付けられる。
【0100】
図21eは、ピストンを後退させ、その結果、係止歯216が軸方向溝215(図示せず)に進入し、かつ係止歯215がプランジャ214の径方向溝219に係合するようにピストンを回転させ、その回転させた位置において、プランジャ214とピストン213とが強固に係合し、一体となって移動可能であるときのシリンジ210を示す。一形態において、バレルおよびプランジャは、ピストン213の回転によるプランジャの回転を防止するために非軸対称の筒状外形を備える。一形態において、プランジャ214は、ピストン213との係合を容易にするために硬質の芯を備える。シリンジ210の先端に栓が付いていない場合、ピストン213およびプランジャ214をシリンジ210の遠位端側に前進させることにより、混合物218’が投与される。
【0101】
図22a、および
図22bの部分断面図は、固定針シリンジに連結されたカートリッジを図示する。カートリッジ10は、破断可能なバリア19’により分離された第1物質区画室15と第2物質区画室16とを備える。カートリッジ10はさらに、カートリッジ10の内容物を固定針シリンジ221に連通させるための嵌合体222を備える。嵌合体222の近位端224は、カートリッジ10の第1壁18’と第2壁18”との間に封止され、第1壁18’と第2壁18”とを直接封止することにより形成された破断可能なバリア19”により第2区画室16から分離される。嵌合体222の遠位端223は、流体密態様でシリンジ221の先端を取り外し可能に受容するように作られ、嵌合体222の近位端224は、針225の先端を受容し、その先端を保護するように作られる。嵌合体222内の通路226は、針とカートリッジ10の内容物との間を連通する。カートリッジ10は、針225に対する無菌の針保護具を提供する。
【0102】
一形態において、元々の針保護具(図示せず)は、シリンジから取り外され、カートリッジ10に置き換えられる。カートリッジ10の内容物は、第2バリア19”を破断させた後にシリンジ221に移送される。いくつかの形態において、カートリッジ10は、製造工程中にシリンジに装着される。一形態において、カートリッジ10は、1つの区画室のみを有する。一形態において、カートリッジは、カートリッジ10の内容物をシリンジ221に移送する前に統合される少なくとも2つの区画室を有する。一形態において、シリンジ221は、注射終了時に、針刺しから保護する位置まで針225の少なくとも一部分を後退させる安全機構を備える。一形態において、シリンジ221は、内容物の注射が完了した後に、針先端を少なくとも部分的に保護する針刺し防止安全機構を備える。
【0103】
典型的に充填可能シリンジに関しては、シリンジが充填工程に送られて分解され、内容物が充填された後に完全に組み立てられる。
図22aおよび
図22bの形態は、(a)シリンジ221を供給し、組み立てて、完成させ、(b)カートリッジ10に所望の内容物を充填して、カートリッジ10を封止し、(c)カートリッジ10を組み立てる有効な製造方法を提供する。この工程を無菌環境で完了してもよいし、または製品を最終滅菌してもよい。したがって、この手法により、実際のシリンジ部品の組立を必要としない充填済みシリンジアセンブリの製造が可能となる。加えて、内容物の情報を提供する特別なシリンジのラベルまたはパッケージを必要とし、カートリッジにこの情報の印字およびラベル付けがなされてもよい。ラベル、すなわち、カートリッジ10のラベルの一部分は、カートリッジ10が取り外された後に、製品の識別を維持するためにシリンジに貼り替え可能である。
【0104】
図22aおよび
図22bは、2つの統合可能な物質区画室を備えたカートリッジ10を図示しているが、カートリッジ10が単に1つの区画室又は2つ以上の区画室を含み得ることが当業者には明らかであろう。シリンジ221と嵌合体222との間の接続は、流体密な滑り嵌めとして示されているが、他の嵌合機構が、封止、組立、または分解を容易にするために組み込まれてもよく、例えば、ねじ、螺旋状ランプ、ルアー嵌合、ルアーロック嵌合、Oリング、ゴムシール部材、インターロック機構、スナップ機構、流体密で取り外し可能な接続を容易にする当技術分野で周知の他の機構、またはこれらの組み合わせを含む。嵌合体222の遠位端224は、針225の周囲に緊密に嵌合し、カートリッジ10の内容物が嵌合体222と針225との間の空間に達するのを防止し、かつ空気がその領域から針内に入るのを防止する流体密封を実現することができる。少なくとも部分的に弾性材料から嵌合体を製造してもよい。嵌合体222が、カートリッジ10をシリンジに対して異なる向きで収容するように設計されていてもよく、また一形態において、カートリッジ10とシリンジ221は、少なくとも一部が重なってもよいし、または並置されてもよいことが当業者には明らかであろう。シリンジ225のピストンおよびバレルは、内容物接触面が、使用時まで滅菌上包みを必要とすることなく滅菌状態のままであるように、ピストンおよびバレルの近位端が無菌膜229により封止されてもよい。
【0105】
図23a、および
図23bにおける
図23aの拡大部分断面図を参照すると、カートリッジおよび固定針シリンジの別の好ましい形態が図示されている。固定針アダプタ237は、針225の周囲に軸方向に配置され、流体密態様でシリンジ221の先端に接続される。アダプタ237は、物理的損傷から針を保護し、また針刺し事故からオペレータおよび対象者を保護する。針225の遠位端はさらに、アダプタ237内かつ針225の周囲に同軸に移動可能に配置された芯出しグライダ(centering glider)238により支持される。カートリッジ10の嵌合体232は、カートリッジの壁に取り付けられた近位部234と、シリンジアダプタ237に軸方向に挿入できる細長円筒形状を有する遠位端233とを備える。この形態であれば、カートリッジ10が組み込まれるまで、針237が保護された状態のままである。
【0106】
図23c、および
図23dにおける
図23cの拡大部分断面図は、シリンジアセンブリ231とカートリッジ10のアセンブリとが係合しているときの
図23aおよび
図23bの形態を図示している。嵌合体232の遠位端233が、アダプタ237内に挿入され、芯出し部材225を押して進み、嵌合体の通路236を貫通する針の遠位端の大部分を露出させ、シリンジ221とカートリッジ10との間に流体連通を確立する。流体密封は、針225と嵌合体237との間の締り嵌めにより実現することができる。針225とのシール性を高めるために、嵌合体237を少なくとも部分的に弾性材料から製造してもよい。嵌合体237はさらに、遠位端233または通路236に沿った他の部分を封止し、嵌合体237と針225との間のシール性をさらに高め、かつ嵌合体がカートリッジに10に組み付けられるまで、通路236の清浄度をさらに維持する部材を含んでもよい。
【0107】
カートリッジ10の内容物は、シリンジ221内に吸引される。針225と嵌合体237との間のシールの代替として、(a)芯出し部材238とアダプタ237、(b)芯出し部材238と針225、(c)シリンジ221の先端とアダプタ237、および(d)嵌合体232とアダプタとの間に、シールを確立することができる。いくつかの形態において、カートリッジ10内の2つ以上の物質区画室は、内容物がシリンジ221に移送される前に統合され混合される。いくつかの形態において、シリンジ221内の物質が移送されて、カートリッジ10内の物質と融合し、その後、融合した製品が吸引される。例えば、カートリッジ10が乾燥物質を収容し、シリンジ221が希釈剤を収容してもよい。希釈剤がカートリッジ10に移送されて、粉末を溶解させ、融合した製品がシリンジに戻されるか、対象者に投与されるか、または別の装置に移送される。一形態において、シリンジには物質が予め充填されており、カートリッジ10の内容物がシリンジ221に移送されて、内容物とシリンジ221内の物質との融合を可能にする。
【0108】
図23e、および
図23fにおける
図23eの拡大部分断面図は、カートリッジが取り外されたときの
図23cおよび
図23dの形態を図示している。アダプタ237はカートリッジ10に留まり、ここでシリンジ221の注射準備が整うため、針を露出させる。一形態において、機械的インターロックにより、アダプタ237がカートリッジ10に確実に留まるようにする。そのような機械的係合は、ねじ、螺旋状ランプ、スナップ、締り嵌めまたは当技術分野で周知の他の係合および非係合機構を含んでもよい。一形態において、アダプタ237は、継続して針225を保護しかつ針225から保護するために、カートリッジ10が取り外されるとシリンジ221に留まり、オペレータにより注射の前に取り外される。
【0109】
図24は、ゴム製の隔壁241が針の先端に配置され、かつばね242が芯出し部材220および隔壁241をアダプタ237の遠位端側に付勢することを除き、
図23の形態と同様の別の形態を図示する。針は、隔壁241によって無菌封止される。カートリッジ10とシリンジ221との間で材料を移送するために、嵌合体232の遠位端233がアダプタ237内に差し込まれ、隔壁および芯出し部材を後方に変位させ、針225の先端を嵌合体232内の通路226に露出させる。カートリッジ10が取り外されるときに、ばね242により、隔壁が元に戻って針225の先端を覆い、使用時まで機械的損傷および汚染から針225を保護する。アダプタ237は、シリンジ221の使用前に、ばね242、芯出し部材220、および隔壁241と共に取り外される。
【0110】
図25aは、嵌合体257を介して連結されたカプラ250およびパッケージを備える充填済みカートリッジを図示する。カプラアセンブリは、ルアーロックハブ255とハブに取り付けられたステンレス鋼製のカニューレ254とを備える針アセンブリ253を備える。針アセンブリ(または針)253は、カプラ251内に形成された針キャップ内に収容される。カプラはさらに、針253をパッケージ10に連通させる流体通路258を備える。カプラ251内に配置されたゴム鞘252は、針ハブ255とカプラとの間に無菌シールを形成する。ゴム鞘252の先端は、流体通路258の流体密な蓋を形成し、この蓋は、針253とパッケージとの間に流体連通を確立するために、カニューレ254により穿刺される。針ハブ255のルアー端部256は、密封箔、蓋または当技術分野で周知の他の手段の形態の取り外し可能な無菌蓋で封止される。パッケージ10は、第1成分を収容する第1区画室と第2成分を収容する第2区画室16とを隔離する破断可能な第1バリア19’を備え、破断可能なバリアが破断すると、第1成分および第2成分が融合される。別の構造において、パッケージ10は、有益剤の1成分を含む。さらに別の実施形態において、パッケージは少なくとも、破断可能なバリアにより第2または第1区画室から隔離された第3成分を含む第3区画室を備える。破断可能な第2バリア19”は、第2区画室16とカプラ251内の通路258に通じる嵌合体257との間の蓋を提供する。
【0111】
図25bは、破断可能な第1および第2バリアが開封された後の
図25aの形態であって、第1成分と第2成分との融合を可能にし、カプラ251を介する混合物16’の針253との流体連通を確立した形態を図示する。この形態は、針253の雌ルアーコネクタをシリンジ259の雄ルアーに係合することにより、標準的なルアーシリンジ259に装着できる簡単な充填済みカートリッジを提供する。そして、シリンジのピストンを後退させることにより、シリンジ内に製品16’を取り込むことができ、その後、
図25cに示すように、カプラが取り外されて、注射のために針253を露出させる。一構造において、シリンジは、既に部分的に充填されたシリンジ内に製品16’を吸引するか、または、まずシリンジからパッケージ10へ前記第3成分を吐出し、次にシリンジまたは異なる送達装置に混合物を引き戻すことにより、製品16’と融合する第3成分を収容してもよい。カプラ251はさらに、パッケージ10の一部に対する裏当てを提供する。
【0112】
図26は、シリンジ260に連通するように適合されたパッケージ10を備え、皮内(ID)注射アダプタ(IDアダプタ)を備え、容易に針262を皮膚に浅く挿入できるようにする前方突出スキッド(forward protruding skid)264を備える単位用量の無菌再構成式の充填済みカートリッジを図示する。米国特許出願公開第2010/0137831号明細書および米国特許出願公開第2011/0224609号明細書は、皮内注射を容易にするためのアダプタの同様の形態を教示しており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。IDアダプタは、IDシリンジを形成する、シリンジ261の一体部分またはシリンジ上の留め具であってもよい。パッケージ10の嵌合体265をシリンジ260の針ハブ266に容易に導入できるようにするために、凹所267がスキッド264内に形成される。
【0113】
図27aは、カートリッジ10とシリンジ260が直線的な配置で位置付けられるIDシリンジに装着されたカートリッジ10を図示する。この図により、
図27bの断面図の向きが分かる。
図27bは、無菌接続を形成する針ハブ266に圧入された嵌合体265を図示する。ゴム栓は、通路272の蓋を提供し、かつ針262により刺通されてシリンジとパッケージ10との間に流体連通を確立する。
【0114】
図28は、パッケージ10が、シリンジ軸線と一直線になるのではなく、シリンジバレルに平行に位置付けられるように、嵌合体281が作られることを除いて、
図10の形態と同様の形態を図示する。
【0115】
図29aおよび29bは、皮内針アセンブリ291とパッケージ10とを連通させるカプラ293を備えるカートリッジ構造を図示する。カプラは、カニューレ292と、遠位端に前方突出スキッドおよび近位端297にルアーコネクタを備える針ハブ291とを備える針アセンブリを収容する。カプラ293は、針292およびスキッド領域を滅菌状態に維持する、封止領域299内の針ハブ291に係合した無菌キャップとして使用される。ルアーキャップ298は、滅菌上包みの必要なく滅菌状態のままである一体的に封止されたカートリッジを形成する針ハブ291のルアーコネクタ297を無菌封止する。パッケージ10とカプラとは、嵌合体296を介して接続される。嵌合体は、好ましくはパッケージ10の壁に熱溶着され、熱溶着、接着、または緊密な機械的嵌合を含む当技術分野で周知の方法の1つによりカプラに接続される。第1区画室15と第2区画室16との間の破断可能なシール19は、カプラ293から区画室を隔離する蓋を提供する。
【0116】
図29bは、ルアーキャップ298がルアーシリンジ250に置き換えられた
図29aの形態であって、破断可能なシールが開封されて、第1区画室15および第2区画室16内の成分の融合を可能にし、通路295を介して針との流体連通を確立した形態を図示する。ゴム蓋294は、カプラ内の成分のデッドスペースを通路295の微小な容積に限定し、これにより、製品15’の無駄を抑制する。この図は、シリンジバレル内の製品15’を受容するために、シリンジのピストンが後退しているところを示している。カプラが取り外されて、注射のために針およびIDアダプタを露出させる。カプラ293は、パッケージ10の区画室の押圧を容易にする、パッケージ10に対する裏当てを提供する。
【0117】
図30は、IDアダプタ291が針ハブに301に装着されることを除いて、
図29のカートリッジ形態290と同様のカートリッジ形態300を図示する。針ハブ301、IDアダプタ291、カプラ293。
【0118】
図31aは、針ハブがIDアダプタ313内に移動可能に配置され、注射位置と安全廃棄位置との間で移動可能であることを除いて、
図30の形態300とほぼ同様の形態を有するカートリッジ310を示す。ラッチ機構315は注射位置を保持する。針ハブ313を安全廃棄位置に付勢するために、領域312内にばねを配置してもよい。
図31bは、針ハブを解除するためにラッチが操作されたときの形態310を図示する。針アセンブリを後退させて、針先端を閉じ込め部316に移動させ、針刺しの危険性を低減する。一形態において、針ハブは、この位置で永久的にロックされて、針の繰り返し使用を防止する。
【0119】
図32は、針アセンブリが、カプラ内に移動可能に配置され、針先端292が栓294を穿刺しないかあるいは栓を部分的にのみ穿刺している第1位置と、針先端が栓を穿刺して、流体通路295との流体連通を確立する第2位置との間で移動可能であることを除いて、
図29の形態290と同様のカートリッジ形態320を示す。
【0120】
図33a〜
図33cは、薬剤を送達するための固定針334を備えた通常のピストンとバレルのシリンジ構成を備える充填済みシリンジ259を図示する。シリンジキャップ331は無菌係合した状態でシリンジに連通する。キャップ331はパッケージ10に係合しており、取り外し可能なカートリッジ330を形成する。キャップ331の本体は、パッケージの嵌合体と針との間のカプラとして機能する。
図33dおよび
図33eは、保存中におよびシリンジのバレルに用量を充填する際にアクティブ化された後のキャップの拡大断面図を示す。キャップは、針334により穿刺されるゴム栓335を備える。
【0121】
同様の構造が、カテーテル付きシリンジ、軟性の保護鞘付き針、筋肉内(IM)針、皮下(SQ)針、皮内(ID)針、極微針、安全針、格納式針、灌注針などを含む、当技術分野で周知の他の針装置と共に作動することが当業者には明らかであろう。
【0122】
シリンジはさらに、このシリンジアセンブリが滅菌上包みの必要なく滅菌状態を維持するように、バレルの無菌蓋333を備える。
【0123】
図37は、パッケージ10を保護するために垂直に突出する保護壁341が追加された、
図33の形態と同様の形態を図示する。追加の壁、壁341に連結された反転カバー、摺動可能なカバーなどを用いてパッケージをさらに取り囲むことにより、パッケージの保護を高め得ることが当業者には明らかであろう。
【0124】
本開示の形態のパッケージは、所望の情報を人または装置に伝達するために、印刷、バーコード、RFIDタグ、エンボス、刻印を含むいかなるマーキングを表示してもよい。必要に応じて十分な印字表面を提供するために、パッケージを延長してもよい。
【0125】
パッケージの少なくとも1つの区画室の押圧を容易にして、破断可能なバリアの破断を促すか、またはパッケージからの投与可能な製品の絞り出しを促すために、圧縮パネルをパッケージに連結してもよい。
【0126】
上記の形態および方法は、他の注射器、または
図1に教示したジェット注射器カートリッジなどのディスペンサタイプもしくは本文書で論じた他の形態に適用可能である。一形態において、格納式針機構、格納式針コネクタ機構、または他の針安全機構、および再使用不可機構は、本明細書に記載の混合シリンジ機構に組み込まれる。
【0127】
本開示のカートリッジ形態は、所望の使用形態を容易に実現するために、複数の形態の送達装置または塗布器と組み合わされてもよい。カートリッジの内容物を効率的に絞り出せる容易にするために、圧縮パネルまたはローラが組み込まれてもよい。
【0128】
本発明の用途は、ここで例示により提供したシリンジおよびジェット注射器の用途に限定されるものではなく、本明細書に記載の教示は、マイクロポンプリザーバの無菌充填、筋肉内自動注射器、皮内自動注射器などの他の用途に適用することができる。
[発明の例]
[例1]
充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジであって、
再構成式の単位用量のパッケージを備え、該パッケージが、前記有益剤の少なくとも第1成分を収容する第1区画室と、前記有益剤の少なくとも第2成分を収容する少なくとも第2区画室と、前記パッケージを前記充填可能なリザーバに連結するために前記パッケージに配置された嵌合体とを備える、カートリッジ。
[例2]
前記カートリッジが、針、コネクタ、およびノズルのうちの1つを備える、前記送達装置の送達部分に連通するように適合される、例1に記載のカートリッジ。
[例3]
前記送達部分が針を備え、前記嵌合体が、流体のデッドスペースを最小限に抑えるために前記針の周囲を封止する、例1に記載のカートリッジ。
[例4]
前記第1区画室と前記嵌合体との間に破断可能なバリアをさらに備える、例1に記載のカートリッジ。
[例5]
前記第1区画室が、破断可能なバリアにより前記第2区画室から隔離される、例1に記載のカートリッジ。
[例6]
前記パッケージの少なくとも一部分が可撓壁を備える、例1に記載のカートリッジ。
[例7]
前記可撓壁の少なくとも一部分が箔を備える、例6に記載のカートリッジ。
[例8]
前記可撓壁の少なくとも一部分が、前記第1区画室および前記第2区画室の少なくとも一部分を画定するように予め形成される、例6に記載のカートリッジ。
[例9]
前記可撓壁の少なくとも一部分が、剥離可能な箔層を備える、例6に記載のカートリッジ。
[例10]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部分が予め形成される、例9に記載のカートリッジ。
[例11]
前記第1区画室と前記第2区画室との間の流体通路をさらに備える、例1に記載のカートリッジ。
[例12]
前記流体通路内に配置された静的混合器をさらに備える、例11に記載のカートリッジ。
[例13]
前記パッケージと前記送達装置との間の流体通路と、前記流体通路内に配置された静的混合器とをさらに備える、例1に記載のカートリッジ。
[例14]
前記パッケージが、前記嵌合体の取り外し可能な無菌蓋の少なくとも一部分を形成する可撓壁を含む、例1に記載のカートリッジ。
[例15]
充填区画室と、流体通路と、第1パッケージ壁および第2パッケージ壁とをさらに備え、前記充填区画室が、前記流体充填通路を介して前記第1区画室に流体連通している、例1に記載のカートリッジ。
[例16]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間に位置する、例15に記載のカートリッジ。
[例17]
前記流体通路が、充填中または充填後の前記充填区画室への逆流を防止するように封止可能である、例15に記載のカートリッジ。
[例18]
前記流体通路を封止するために、前記パッケージの前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間に熱シールをさらに備える、例15に記載のカートリッジ。
[例19]
前記充填区画室および前記充填通路の少なくとも1つ内に配置された遮断弁をさらに備える、例15に記載のカートリッジ。
[例20]
前記充填区画室が、前記パッケージの前記第1パッケージ壁および前記第2パッケージ壁の少なくとも1つに形成されたウェルにより少なくとも部分的に画定される、例15に記載のカートリッジ。
[例21]
流体密封シールを通じて前記充填区画室に連通するように構成された充填システムをさらに備える、例15に記載のカートリッジ。
[例22]
前記充填通路が、噴射を防止するために流体用量の前記パッケージの流体を前記第1区画室の前記第1パッケージ壁に沿って案内するように形成される、例15に記載のカートリッジ。
[例23]
流体排出通路を介して前記第1区画室に連通したガス排出室をさらに備え、前記流体排出通路が、充填後の前記第1区画室からの流れを防止するように封止可能である、例15に記載のカートリッジ。
[例24]
前記パッケージの少なくとも一部分が管状構造を備える、例1に記載のカートリッジ。
[例25]
開放されるまで前記第1区画室を前記嵌合体から隔離する蓋をさらに備える、例1に記載のカートリッジ。
[例26]
充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用する無菌カートリッジであって、
パッケージを備え、該パッケージが、前記有益剤の少なくとも1成分を収容する少なくとも第1区画室であって、前記パッケージが予め形成された可撓壁により少なくとも部分的に画定される、第1区画室と、前記充填リザーバに流体連通した状態で前記パッケージを連結するために前記パッケージに配置された嵌合体とを備える、カートリッジ。
[例27]
前記パッケージが、前記有益剤の第1成分を収容する前記第1区画室と、前記有益剤の第2成分を収容する第2区画室であって、破断可能なバリアにより前記第1区画室から隔離される第2区画室とを含む、例26に記載のカートリッジ。
[例28]
前記可撓壁の少なくとも一部分が、箔またはフィルムを備える、例26に記載のカートリッジ。
[例29]
前記可撓壁の少なくとも一部分が、剥離可能な箔層を備える、例26に記載のカートリッジ。
[例30]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部分が、予め形成される、例29に記載のカートリッジ。
[例31]
前記第1区画室と前記第2区画室との間に延在する流体通路をさらに備える、例26に記載のカートリッジ。
[例32]
前記流体通路内に配置された静的混合器をさらに備える、例31に記載のカートリッジ。
[例33]
前記パッケージと前記送達装置との間に位置する流体通路と、前記流体通路内に配置された静的混合器とをさらに備える、例26に記載のカートリッジ。
[例34]
前記パッケージが、前記嵌合体の無菌蓋の少なくとも一部分を形成するように延在する可撓壁を含む、例26に記載のカートリッジ。
[例35]
充填区画室と、流体充填通路と、第1パッケージ壁および第2パッケージ壁とをさらに備え、前記充填区画室が、前記流体充填通路を介して前記第1区画室に流体連通している、例26に記載のカートリッジ。
[例36]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間に位置する、例35に記載のカートリッジ。
[例37]
前記流体通路が、充填中または充填後の前記充填区画室への逆流を防止するように封止可能である、例35に記載のカートリッジ。
[例38]
前記流体充填通路が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間を熱シールすることにより封止される、例35に記載のカートリッジ。
[例39]
前記充填区画室および前記流体充填通路のうちの少なくとも1つ内に配置された遮断弁をさらに備える、例35に記載のカートリッジ。
[例40]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁および前記第2パッケージ壁の少なくとも1つに形成されたウェルにより少なくとも部分的に画定される、例35に記載のカートリッジ。
[例41]
流体密封シールを通じて前記充填区画室に連通するように構成された充填システムをさらに備える、例35に記載のカートリッジ。
[例42]
前記流体充填通路が、噴射を防止するために前記パッケージにより保持された流体を第1パッケージ壁に沿って案内する、例35に記載のカートリッジ。
[例43]
充填後の前記第1区画室からの流れを防止するように封止可能な流体排出通路を介して前記第1区画室に連通したガス排出室をさらに備える、例35に記載のカートリッジ。
[例44]
開放されるまで前記第1区画室を前記嵌合体から隔離する蓋をさらに備える、例26に記載のパッケージ。
[例45]
充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジであって、
裏当てと、
パッケージアセンブリとを備え、
該パッケージアセンブリが、前記有益剤の少なくとも1成分を収容し可撓壁により少なくとも部分的に画定された少なくとも第1区画室と、前記充填可能なリザーバに流体連通した状態で前記パッケージを連結するために前記パッケージに配置された嵌合体とを備える、カートリッジ。
[例46]
前記カートリッジと前記送達装置とが、前記裏当てを介して結合される、例45に記載のカートリッジ。
[例47]
前記裏当てが、前記カートリッジと前記送達装置とを相互接続する流体通路を備える、例45に記載のカートリッジ。
[例48]
前記流体通路が無菌封止される、例47に記載のカートリッジ。
[例49]
前記流体通路が、開放されるまで前記パッケージの区画室を前記リザーバから隔離する蓋を備える、例47に記載のカートリッジ。
[例50]
前記第1区画室と前記嵌合体との間に破断可能なバリアをさらに備える、例45に記載のカートリッジ。
[例51]
前記パッケージアセンブリが、前記有益剤の少なくとも第2成分を収容する少なくとも第2区画室を備え、前記第2区画室が、破断可能なバリアにより前記第1区画室から分離される、例45に記載のカートリッジ。
[例52]
前記可撓壁の少なくとも一部分が箔を備える、例45に記載のカートリッジ。
[例53]
前記可撓壁が、前記第1区画室の少なくとも一部分を画定するように予め形成される、例52に記載のカートリッジ。
[例54]
前記可撓壁の少なくとも一部分が、剥離可能な箔層を備える、例45に記載のカートリッジ。
[例55]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部分が、予め形成される、例54に記載のカートリッジ。
[例56]
前記第1区画室と前記第2区画室との間に位置付けられた流体通路をさらに備える、例45に記載のカートリッジ。
[例57]
前記流体通路内に配置された静的混合器をさらに備える、例56に記載のカートリッジ。
[例58]
前記パッケージアセンブリと前記送達装置との間に位置付けられた流体通路内に配置された静的混合器をさらに備える、例54に記載のカートリッジ。
[例59]
前記可撓壁が、前記嵌合体の無菌蓋の少なくとも一部分を形成するように延在する、例45に記載のカートリッジ。
[例60]
充填区画室と、流体充填通路と、第1パッケージ壁および第2パッケージ壁とをさらに備え、前記充填区画室が、前記流体充填通路を介して前記第1区画室に流体連通した状態で配設される、例45に記載のカートリッジ。
[例61]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間に位置する、例60に記載のカートリッジ。
[例62]
前記流体通路が、充填後の前記充填区画室への逆流を防止するように封止可能である、例60に記載のカートリッジ。
[例63]
前記流体通路が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間を熱シールすることにより封止される、例60に記載のカートリッジ。
[例64]
前記充填区画室および前記充填通路の少なくとも1つ内に配置された遮断弁をさらに備える、例15に記載のカートリッジ。
[例65]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁および前記第2パッケージ壁の少なくとも1つに形成されたウェルにより少なくとも部分的に画定される、例15に記載のカートリッジ。
[例66]
流体密封シールを通じて前記充填区画室に連通するように構成された充填システムをさらに備える、例60に記載のカートリッジ。
[例67]
前記流体充填通路が、噴射を防止するために前記パッケージにより保持された流体を第1パッケージ壁に沿って案内する、例60に記載のカートリッジ。
[例68]
流体排出通路を介して前記第1区画室に連通したガス排出室をさらに備え、前記流体排出通路が、充填後の前記第1区画室からの流れを防止するように封止可能である、例60に記載のカートリッジ。
[例69]
前記送達装置が、医療用注射器、固定針注射器、安全注射器、格納式針注射器、自動無効化注射器、自動注射器、ジェット注射器、皮内注射器、皮下注射器、筋肉内注射器、注入器、注入ポンプ、徐放性送達システム、およびパッチポンプからなる群より選択される、例45に記載のカートリッジ。
[例70]
充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジであって、
パッケージを備え、該パッケージが、前記有益剤の少なくとも1成分を収容する少なくとも第1区画室と、パッケージに配置された嵌合体と、前記充填可能なリザーバに流体連通した状態で前記パッケージを連結するために前記嵌合体に結合されたカプラとを備える、カートリッジ。
[例71]
前記カプラが、開放されるまで前記流体連通を遮断する蓋を備える、例70に記載のカートリッジ。
[例72]
前記カプラが無菌封止される、例70に記載のカートリッジ。
[例73]
前記カプラが、前記送達装置に連結可能な注射針を備える、例70に記載のカートリッジ。
[例74]
前記カプラが、前記流体連通を遮断する膜であって、前記注射針の先端で穿刺可能な膜を備える、例73に記載のカートリッジ。
[例75]
前記注射針は、前記膜が穿刺されない第1位置から前記膜が穿刺される第2位置まで移動可能である、例74に記載のカートリッジ。
[例76]
前記カプラが、投与装置に連通するように構成される、例70に記載のカートリッジ。
[例77]
前記カプラが、前記パッケージ内への流れおよび前パッケージからの流れを制御する弁を備える、例70に記載のカートリッジ。
[例78]
前記弁が、前記嵌合体と前記カプラとの間の相対運動により作動する、例77に記載のカートリッジ。
[例79]
前記パッケージの少なくとも一部分は、前記リザーバに前記有益剤が少なくとも部分的に充填された後に、前記カプラから分離可能である、例70に記載のカートリッジ。
[例80]
前記カプラが、針刺し防止装置および再使用防止装置からなる群からの安全装置を備え、前記カートリッジの一部分が前記送達装置から取り外されるときに、前記安全装置が前記送達装置に結合される、例70に記載のカートリッジ。
[例81]
前記パッケージのための裏当てをさらに備える、例70に記載のカートリッジ。
[例82]
前記カプラが、前記送達装置のキャップとして構成される、例70に記載のカートリッジ。
[例83]
前記送達装置が、医療用注射器、固定針注射器、安全注射器、格納式針注射器、自動無効化注射器、自動注射器、ジェット注射器、皮内注射器、皮下注射器、筋肉内注射器、注入器、注入ポンプ、徐放性送達システム、およびパッチポンプからなる群より選択される、例70に記載のカートリッジ。
[例84]
前記カプラが、シリンジピストンの少なくとも一部分を備える、例70に記載のカートリッジ。
[例85]
前記カプラが、シリンジバレルの少なくとも一部分を備える、例70に記載のカートリッジ。
[例86]
前記カプラと嵌合体とが、圧入、熱溶着、および接合のうちの少なくとも1つにより結合される、例70に記載のカートリッジ。
[例87]
前記カプラが、針を備える送達装置のシリンジに連通し、前記パッケージが前記シリンジに接合されるときに、前記嵌合体に結合されるように構成される、例70に記載のカートリッジ。
[例88]
前記送達装置は、前記パッケージと前記シリンジとが結合されるときに取り外し可能である針保護具を含む、例87に記載のカプラ。
[例89]
前記送達装置は、前記パッケージとシリンジとが結合されるまで保持される、前記針用の無菌蓋を含む、例87に記載のカプラ。
[例90]
前記カプラが、該カプラ内の中心に前記を位置決めするように構成される、例87に記載のカプラ。
[例91]
前記カプラの内部ボア内に配置された栓をさらに備え、前記カプラが前記針の遠位先端と前記針の近位端との間で軸方向に移動可能である、例87に記載のカプラ。
[例92]
前記カプラは、前記カートリッジが前記シリンジから取り外されるときに、前記嵌合体に結合された状態のままである、例87に記載のカートリッジ。
[例93]
前記パッケージと前記リザーバとの間の流体連通のための流体通路をさらに備え、前記流体通路が、注射針により穿刺可能な膜により終端される、例70に記載のカプラ。
[例94]
前記パッケージが、前記第1区画室の少なくとも一部分を画定するように予め形成された少なくとも1つの可撓壁を含む、例70に記載のカートリッジ。
[例95]
前記パッケージが、剥離可能な箔層部分を有する少なくとも1つの可撓壁を含む、例70に記載のカートリッジ。
[例96]
前記剥離可能な箔層の少なくとも一部が予め形成される、例95に記載のカートリッジ。
[例97]
前記パッケージの前記第1区画室と前記第2区画室との間に位置する流体通路をさらに備える、例70に記載のカートリッジ。
[例98]
前記流体通路内に配置された静的混合器をさらに備える、例28に記載のカートリッジ。
[例99]
前記パッケージと前記送達装置との間に位置付けられた流体通路と、前記流体通路内に配置された静的混合器とをさらに備える、例70に記載のカートリッジ。
[例100]
前記パッケージが、前記嵌合体の無菌蓋の少なくとも一部分を形成するように延在する可撓壁をさらに備える、例70に記載のカートリッジ。
[例101]
充填区画室と、流体充填通路と、第1パッケージ壁および第2パッケージ壁とをさらに備え、前記充填区画室が、前記流体充填通路を介して前記第1区画室に流体連通した状態で配設される、例70に記載のカートリッジ。
[例102]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間に位置付けられる、例101に記載のカートリッジ。
[例103]
前記流体通路が、充填後の前記充填区画室への逆流を防止するように封止可能である、例101に記載のカートリッジ。
[例104]
前記流体通路が、前記第1パッケージ壁と前記第2パッケージ壁との間を熱シールすることにより封止される、例101に記載のカートリッジ。
[例105]
前記充填区画室および前記流体充填通路のうちの少なくとも1つ内に配置された遮断弁をさらに備える、例101に記載のカートリッジ。
[例106]
前記充填区画室が、前記第1パッケージ壁および前記第2パッケージ壁の少なくとも1つに形成されたウェルにより少なくとも部分的に画定される、例101に記載のカートリッジ。
[例107]
流体密封シールを通じて前記充填区画室に連通するように構成された充填システムをさらに備える、例101に記載のカートリッジ。
[例108]
前記流体充填通路が、噴射を防止するために前記パッケージにより保持された流体を第1パッケージ壁に沿って案内する、例101に記載のカートリッジ。
[例109]
流体排出通路を介して前記第1区画室に連通したガス排出室をさらに備え、前記流体排出通路が、充填後の前記第1区画室からの流れを防止するように封止可能である、例101に記載のカートリッジ。
[例110]
充填可能なリザーバを有する有益剤の送達装置と共に使用するカートリッジであって、
前記有益剤の全てまたは前記有益剤の全成分を収容する単位用量のパッケージを備え、該パッケージが、前記有益剤の全てまたは前記有益剤の少なくとも1成分を収容し可撓壁により少なくとも部分的に画定された少なくとも第1区画室と、前記充填可能なリザーバに流体連通した状態で前記パッケージを連結するために前記パッケージに配置された嵌合体とを備える、カートリッジ。
[例111]
単一リザーバを備える単位用量の有益剤の送達装置における投与部分を囲繞する充填済みキャップであって、
前記有益剤の少なくとも1成分を収容する少なくとも第1区画室と、
前記第1区画室を前記投与部分に連通する流体通路とを備える、充填済みキャップ。
[例112]
前記第1区画室が壁を含み、前記壁の少なくとも一部分が可撓性材料を備える、例112に記載の充填キャップ。
[例113]
前記可撓性材料がウェビングを含む、例113に記載の充填済みキャップ。
[例114]
前記第1区画室が前記有益剤の第1成分を収容し、当該充填済みキャップが、前記有益剤の第2成分を収容する第2区画室と、前記第1区画室と前記第2区画室とを分離する開放可能な栓とを備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例115]
前記投与部分が、針、カテーテル、コネクタ、ルアーコネクタ、ノズル、ジェット注射器ノズル、ディスペンサ、極微針、ID針、IM針、およびSQ針のうちの1つを備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例116]
蓋が開放されるまで前記区画室と前記投与部分とを分離する前記蓋をさらに備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例117]
流体通路をさらに備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例118]
前記流体通路を閉塞する膜をさらに備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例119]
前記投与部分が、前記膜を穿刺して前記流体通路との流体連通を確立するように移動可能な針を備える、例118に記載の充填済みキャップ。
[例120]
前記投与部分が、前記膜を穿刺して前記流体通路との流体連通を確立するように構成された針を備える、例118に記載の充填済みキャップ。
[例121]
前記第1区画室のための裏当てをさらに備える、例112に記載の充填済みキャップ。
[例122]
前記第1区画室が、嵌合体を備えるパッケージ内に形成される、例112に記載の充填済みキャップ。
[例123]
前記パッケージの少なくとも一部分がウェビングを備える、例122に記載の充填済みキャップ。
[例124]
有益剤の単位用量ディスペンサであって、
充填可能な単位用量のリザーバと、前記充填可能なリザーバに流体連通した少なくとも1つのポートとを有する送達装置と、
前記送達装置に無菌結合され単位用量パッケージを備えるカートリッジであって、該カートリッジが、
前記有益剤の少なくとも1成分を収容する少なくとも第1区画室であって、前記パッケージが可撓壁により少なくとも部分的に画定される、第1区画室と、
前記単位用量パッケージに結合され、かつ前記単位用量パッケージを前記送達装置に連結する嵌合体と、
前記第1区画室と前記リザーバとの間に配置された開封可能なシールとを備える、ディスペンサ。
[例125]
前記リザーバが、使用前に実質的に空の状態である、例124に記載のディスペンサ。
[例126]
前記リザーバが、前記有益剤の少なくとも1成分を収容する、例124に記載のディスペンサ。
[例127]
有益剤を投与するための充填済みシリンジであって、
ピストンアセンブリと、
投与部分を備える充填可能なバレルと、
充填済みカートリッジであって、前記有益剤の少なくとも第1成分を収容する少なくとも第1区画室と、前記第1区画室の内容物を前記バレルに連通する流通路とを備える、充填済みカートリッジとを備える、充填済みシリンジ。
[例128]
前記投与部分が、針、IM針、極微針、ID針、SQ針、安全針、格納式針、ノズル、ジェット注射ノズル、ディスペンサ、および塗布器のうちの1つを備える、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例129]
前記投与部分を封止するキャップをさらに備え、前記カートリッジが前記キャップと一体化される、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例130]
前記投与部分を介して前記バレルに連通する流通路をさらに備える、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例131]
前記バレルが、前記有益剤の少なくとも第2成分を収容する、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例132]
開放されるまで前記第1区画室を前記バレルから分離する蓋をさらに備える、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例133]
前記充填済みシリンジが、手動操作用に構成される、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例134]
前記充填済みシリンジが、自動注射器、シリンジポンプ、制御アクチュエータ、メカニカルラムまたは圧力のうちの少なくとも1つにより作動するように構成される、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例135]
前記バレルの近位端が、無菌封止される、例127に記載の充填済みシリンジ。
[例136]
送達装置の投与部分用のキャップであって、前記キャップが、流体通路と、前記投与部分に連通するように構成された近位端と、遠位端とを備える、キャップ。
[例137]
充填済みパッケージに連通する前記流体通路の前記遠位端に位置付けられたアダプタをさらに備える、例136に記載のキャップ。
[例138]
前記アダプタが、前記充填済みパッケージの嵌合体に連通するように構成される、例137に記載のキャップ。
[例139]
前記流体通路内に配置され、開放されるまで前記流体通路の前記遠位端と前記近位端とを分離するように構成された蓋をさらに備える、例136に記載のキャップ。
[例140]
前記キャップが、前記投与部分を封止するように構成される、例136に記載のキャップ。
[例141]
前記キャップが、前記投与部分に機械的保護を与えるように構成される、例136に記載のキャップ。
[例142]
充填済みパッケージを支持する裏当てをさらに備える、例136に記載のキャップ。
[例143]
有益剤の充填済みパッケージを形成する方法であって、
第1面と第2面との間に少なくとも第1成分区画室の境界を形成するように互いに結合された前記第1面および前記第2面を有するウェビングを準備するステップと、
前記境界の少なくとも一部分に沿って脆弱シールを形成するステップと、
永久シールが前記脆弱シールの少なくとも一部と重なり、前記永久シールと実質的に同一のシール性を有する重なり部分を作り出すように前記永久シールを形成するステップと、
前記第1成分区画室を充填するステップとを含む、方法。
[例144]
前記脆弱シールが、前記境界全体にわたって形成される、例143に記載の方法。
[例145]
前記脆弱シールを形成する前に、前記第1成分区画室に前記有益剤の少なくとも第1成分を充填するステップをさらに含む、例143に記載の方法。
[例146]
前記脆弱シールを形成した後でかつ前記永久シールを形成する前に、前記第1成分区画室に前記有益剤の少なくとも第1成分が充填される、例143に記載の方法。
[例147]
前記第1成分区画室への充填アクセスを形成するステップをさらに含み、前記永久シールが前記充填アクセスを封止する、例146に記載の方法。
[例148]
前記脆弱シールが第1剥離強度特性を示し、かつ前記永久シールが第2剥離強度特性を示し、前記第1剥離強度特性および第2剥離強度特性が、前記脆弱シールおよび前記永久シールを形成するために用いられるシール設備のシール設定により得られる、例143に記載の方法。
[例149]
前記脆弱シールが第1剥離強度特性を示し、かつ前記永久シールが第2剥離強度特性を示し、前記第1剥離強度特性が前記ウェビングの局所的シール性に起因する、例143に記載の方法。
[例150]
前記第2シールが、前記脆弱シールの大部分と重なる、例143に記載の方法。
[例151]
前記境界が少なくとも第2区画室を画定し、前記永久シールが形成された後に、脆弱シール部が、前記第1区画室と前記第2区画室との間に残存する、例143に記載の方法。
[例152]
有益剤の充填済みパッケージを形成する方法であって、
前記有益剤用のガス充填区画室を形成するステップと、
封止可能な第1流路を介して前記ガス充填区画室に連通する充填ポートを有する充填区画室を形成するステップと、
封止可能な第2流路を介して前記ガス充填区画室に連通するポートを有する排気区画室を形成するステップと、
前記有益剤の少なくとも第1成分の供給源を流体密態様で前記充填ポートに結合するステップと、
排気ポートを通してガスを排出する一方で、前記供給源から充填流路を介して前記ガス充填区画室に充填するステップと、
前記封止可能な第1流路および前記充填流路を封止するステップとを含む、方法。
[例153]
前記充填済みパッケージの縁を切り取り、前記複数のポートを除去するステップをさらに含む、例152に記載の方法。
[例154]
前記充填済みパッケージの少なくとも一部分がウェビングを備える、例152に記載の方法。
[例155]
前記ウェビングが、前記ガス充填区画室の容積を画定するように予め形成される、例154に記載の方法。
[例156]
前記ガス充填区画室の容積をさらに正確に画定するために、前記充填済みパッケージが、充填中に空洞内に収容される、例155に記載の方法。
[例157]
前記空洞に真空が適用される、例156に記載の方法。
[例158]
充填中、前記充填済みパッケージは、排気流路が前記充填流路よりも高くなるように位置付けられる、例157に記載の方法。
[例159]
前記充填ポートがウェルを備える、例152に記載の方法。
[例160]
前記第1成分の供給源との境界が、前記充填ポート内に配置される、例152に記載の方法。
[例161]
前記境界に弁を備える、例160に記載の方法。
[例162]
前記区画室および前記複数の流路が、前記封止ステップの前に環境から密封される、例152に記載の方法。
[例163]
前記充填ステップの前に、前記第1成分の供給源を受容するように前記充填ポートの前記壁が穿刺される、例162に記載の方法。
[例164]
前記第1成分の前記供給源が、穿刺要素で終端する毛細管を備える、例163に記載の方法。
[例165]
前記毛細管が前記充填ポートのウェブ壁を穿刺し、前記ウェブ壁が前記毛細管との流体密封を形成する、例164に記載の方法。
[例166]
複数の前記充填済みパッケージを重ねるステップと、重ねられた前記充填済みパッケージを前記充填機に搬送するステップとをさらに含む、例162に記載の方法。
[例167]
第1流路および前記充填流路の少なくとも1つが、封止可能な挿入物を備える、例152に記載の方法。
[例168]
前記充填流路は、噴射、発泡、または気泡を防止するために、前記充填ステップ中に、前記第1成分が前記区画室の壁に沿って流れるように作られる、例152に記載の方法。
[例169]
前記排気流路内の前記成分の存在を検出するセンサを設けるステップと、前記区画室が満たされていることを前記センサで表示するステップとをさらに備える、例152に記載の方法。
[例170]
前記第1成分の前記供給源が、定量ポンプを備える、例152に記載の方法。
[例171]
前記第1成分の前記供給源が、非定量ポンプ装置を備える、例170に記載の方法。
[例172]
前記排気ポートを通して排出されたガスを受容するための排気ラインをさらに備える、例152に記載の方法。
[例173]
前記排気ポートに真空を適用するステップをさらに含む、例152に記載の方法。
[例174]
前記第1成分が、粉末、ペレット、顆粒、錠剤、凝集体、球体、微小球体からなる群からの固形物を含む、例152に記載の方法。
[例175]
前記充填ステップ中に、前記第1成分が、ガス流と共に前記区画室に搬送される、例174に記載の方法。
[例176]
前記排気流路の少なくとも1つの開口の大きさにより、前記第1成分が前記排気ポートに達するのを防止する、例175に記載の方法。
[例177]
前記充填済みパッケージが、成形充填封止ラインで製造される、例175に記載の方法。
[例178]
複数の前記充填済みパッケージが、単一のウェブ部材から製造される、例152に記載の方法。
[例179]
前記第1成分の前記供給源が、真空を利用して前記充填ポートに取り付けられる、例152に記載の方法。
[例180]
有益剤用の単位用量の送達装置を製造する方法であって、
組み立てられた送達装置を受け取るステップと、前記有益剤の少なくとも第1成分が充填された、充填済みの無菌封止されたカートリッジを受け取るステップと、前記送達装置と前記無菌封止されたカートリッジとを一体化するステップとを含む、方法。
[例181]
前記送達装置が、バレルに予め組み付けられたピストンを備えるシリンジである、例180に記載の方法。
[例182]
前記送達装置およびカートリッジが予め滅菌され、当該方法が、前記送達装置と前記カートリッジとを無菌的に一体化するステップをさらに含む、例180に記載の方法。
[例183]
一体化した後に前記送達装置を最終滅菌するステップをさらに含む、例180に記載の方法。
[例184]
液状の有益剤の単位用量をパッケージに充填する方法であって、
前記有益剤の計量された単位用量を型内で凍結させて、凍結用量を作り出すステップと、
半完成の区画室内に凍結用量を入れるステップと、
前記区画室を封止するステップとを含む、方法。
[例185]
前記パッケージがブリスタパックを備え、前記凍結用量が予め形成された空洞内に入れられる、例184に記載の方法。
[例186]
前記区画室内に前記凍結用量を入れる前に、少なくとも1つの制御された特性について前記凍結用量を検査するステップをさらに含む、例184に記載の方法。
[例187]
前記パッケージを少なくとも第1ウェブ材料から製造するステップと、前記ウェブ材料上で前記単位用量を凍結させるステップとをさらに含む、例184に記載の方法。
[例188]
前記区画室を封止した後に前記凍結用量を解凍するステップをさらに含む、例184に記載の方法。
[例189]
前記区画室を封止する前に、解凍を防止できる温度に前記凍結用量を曝すステップをさらに備える、例184に記載の方法。
[例190]
流動性固形物の形態をなす有益剤の少なくとも第1成分の計量された用量をパッケージに充填する方法であって、
前記第1成分の用量を計量するステップと、
前記計量された用量を十分に圧縮して単一体を形成するステップと、
前記単一体を半完成のパッケージ内に入れるステップと、
前記パッケージを封止するステップと、
前記パッケージの壁を通してエネルギーを前記単一用量へ向けて前記単一用量を粒状物に変えるステップとを含む、方法。
[例191]
前記パッケージ内に入れる前に、少なくとも1つの制御された特性について前記単一体を検査するステップをさらに含む、例190に記載の方法。
[例192]
前記パッケージが少なくとも第1ウェブから少なくとも部分的に製造され、当該方法が、前記ウェブ上で前記を圧縮するステップをさらに含む、例190に記載の方法。
[例193]
成形充填封止ラインで前記パッケージを形成するステップをさらに含む、例190に記載の方法。
[例194]
前記パッケージの少なくとも一部分がウェブ材料を備え、当該方法が、前記パッケージの可撓壁を通して前記単一体を押圧することにより、前記エネルギーを向けるステップをさらに含む、例190に記載の方法。
[例195]
機械的振動、超音波振動、音響振動およびRF振動のうちの少なくとも1つにより前記エネルギーを前記単一用量へ向ける、例190に記載の方法。