特許第5969498号(P5969498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969498ウェーハをメタライズするデバイスと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969498
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ウェーハをメタライズするデバイスと方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 7/12 20060101AFI20160804BHJP
   C25D 17/08 20060101ALI20160804BHJP
   C25D 21/10 20060101ALI20160804BHJP
   C25D 21/00 20060101ALI20160804BHJP
   C25D 21/08 20060101ALI20160804BHJP
   H01L 21/288 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C25D7/12
   C25D17/08 G
   C25D21/10 302
   C25D21/00 Z
   C25D21/08
   H01L21/288 M
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-543464(P2013-543464)
(86)(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公表番号】特表2014-505163(P2014-505163A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】AT2011000492
(87)【国際公開番号】WO2012079101
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2014年9月17日
(31)【優先権主張番号】A2075/2010
(32)【優先日】2010年12月15日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】513151440
【氏名又は名称】ハクシユタイナー,マルクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハクシユタイナー,マルクス
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−195622(JP,A)
【文献】 特開平09−246215(JP,A)
【文献】 特開平08−260180(JP,A)
【文献】 特開平04−028897(JP,A)
【文献】 特開2003−147538(JP,A)
【文献】 特開2009−263758(JP,A)
【文献】 特表2005−520051(JP,A)
【文献】 特表2004−530050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 7/12
C25D 17/00−17/28
C25D 21/00−21/22
H01L 21/288
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハ(11)を電解液内で電解メタライゼーションするためのデバイス(1)であり、該電解液を受ける室(27)を具備し、陽極(29)を具備し、かつメタライズされる該ウェーハ(11)を陰極として極性を持たせる接触部(15)を具備しており、
メタライズされる該ウェーハ(11)用の少なくとも1つの保持用装置(3)が提供されており、
該保持用装置(3)が
−該ウェーハ(11)用の受け入れ領域(9)を有する、電気絶縁材料製のベースプレート(5)と、
−電解液用の該室(27)を形成する凹部(23)を有する、絶縁材料製のフレーム(21)と、
−陰極として役立つ導電材料のリング(15)と、
−該フレーム(21)の該ベースプレート(5)から離れるように面する側に配置され、電解液用の該室(27)をカバーする蓋プレートと、
−該蓋プレートの該ウェーハ(11)に面する側に配置された陽極ネットワーク(29)と、
−ベースプレート(5)及びフレーム(21)を相互に対し加圧する装置(35)を備えること、を特徴とする該デバイス。
【請求項2】
ウェーハ(11)がマイクロチップウェーハ(11)である、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
メタライゼーションがマイクロチップウェーハ内のチャンネルを金属で充たすように実施される、請求項1−2のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項4】
金属が銅である請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
複数の保持用装置(3)が重なって提供され、上に配置された該保持用装置(3)の該ベースプレート(5)が、それぞれ下に配置された該保持用装置(3)の蓋プレートを形成する請求項1−4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
ベースプレート(5)及びフレーム(21)を相互に加圧する装置(35)において用いられる外側に向く突起(33)が、該ベースプレート(5)上及び該フレーム(21)上に提供され、
該加圧装置が、該ベースプレート(5)上及び該フレーム(21)上の突起(33)が契合する溝(37,39)を有するクランプ要素(35)であり、
該溝(37)がY型で2つの枝(39)に分かれ、
該クランプ要素(35)が、該要素がベースプレート(5)及びフレーム(21)の面に直角のガイドロッド(41)上で移動させられるようにガイドされ、
ベースプレート(5)及びフレーム(21)を有する複数の保持用装置が、相互に離れた位置から、相互上で停止する位置へ、移動することができ、
ベースプレート(5)とフレーム(21)を、相互の方へそして相互から離れるように動かすためのクランプ要素(35)が、該フレーム(21)及び該ベースプレート(5)の面に平行に移動させることができる、
請求項1−5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
突起(33)が楔状突起である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
保持用装置(3)又は複数の保持用装置(3)が少なくとも1つの振動発生器(43)を割り当てられる請求項1−7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
該振動発生器(43)が一定の、選択的に可変の、又はランダムに可変の周波数を有する振動を発生する振動発生器である請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
該保持用装置(3)の温度が制御され得る請求項1−9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
複数の保持用装置(3)で、電解液用の該閉じた室(27)が相互に独立して、電解液で充たされたり、空にされたり出来る請求項1−10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
該陽極ネットワークが中央に向かって益々密に織られる請求項1−11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
該ベースプレート(5)の該ウェーハ(11)から離れるよう面する面が凸にカーブしている請求項1−12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
電解液(56)保持用室内で該電解液(56)の上にガス室(60)が提供され、該ガス室(60)が不活性ガスで充たされる請求項1−13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
不活性ガスが窒素又はアルゴンである請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
導管が提供され、該導管が、該デバイスの運転時に電解液(56)を回路内に導くために少なくとも1つのポンプを割り当てられる請求項1−15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
該デバイスが、該デバイスの運転時、電解液(56)にガスを供給するための装置を割り当てられる請求項1−16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
請求項1−17のいずれか1項に記載のデバイスを使い、ウェーハを電解液内で電解メタライゼーションする方法であって、該電解液が、該メタライゼーションが行われる前に或いは該処理の間に、不活性ガスであるガスを入れられる該方法。
【請求項19】
ウェーハがマイクロチップウェーハである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1−17のいずれか1項に記載のデバイスを使い、ウェーハを電解液内で電解メタライゼーションする方法であって、該メタライゼーションの完了に続く該ウェーハの濯ぎの前に、濯ぎ用水がガスを入れられる該方法。
【請求項21】
ウェーハがマイクロチップウェーハである、請求項20に記載の方法
【請求項22】
請求項1−17のいずれか1項に記載のデバイスを使い、ウェーハを電解液内で電解メタライゼーションする方法であって、該電解液が除去され、メタライゼーションのためのデバイスが、該ウェーハの取り外しの前に更に乾燥される該方法
【請求項23】
ウェーハがマイクロチップウェーハである、請求項22に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェーハをメタライズする、請求項1の導入部分の特徴を有する、デバイスに関する。本発明はまた、ウェーハをメタライズする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術で、ウェーハ、特にマイクロチップウェーハ、の(例えば、銅を用いた)電解メタライゼーションは公知である。該公知のメタライゼーションは個々のウェーハのモードで行われ、該モードとは各方法及び処理室について、1枚のウェーハが処理、すなわちメタライズ、されることを意味する。メタライズされるウェーハ(例えば、マイクロチップウェーハ)は通常、該ウェーハの前側(front side)が底部にあるように電解液に浸される。該過程(メタライゼーション)中、電解液は層状に、該ウェーハ面に平行に、連続して流れるよう設定される。この流れ状態を確立し、保持するために、多くの注意が求められ、複雑なデバイスが必要になる。
【0003】
該公知の手順の1つの欠点は、長い処理時間(多量の分数乃至時間)のために、該メタライゼーションが非常にコスト高になることであり、何故ならば各処理過程及び処理室では、それぞれ1枚のウェーハしか進められ得ないからである。金属で充たされねばならぬマイクロチップウェーハの表面上の構造体が大きい程、処理時間は長い。
【0004】
マイクロチップが垂直に益々集積される(相互の接触が行われねばならぬ重なった複数マイクロチップ層)ことが期待される事実を考えると、仕上がりマイクロチップで、垂直導電体路として使われる、幅広で深いチャンネル(シリコン貫通電極として公知の)を、導電性金属、例えば銅、で充たすことが求められる。これらのチャンネルは数マイクロメートルの幅と、100マイクロメートル以上の深さと、を有する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、バッチ運転で、ウェーハ、特にマイクロチップウェーハのメタライゼーションが良好な成功率で可能となる、当初に述べた一般的種類のデバイスを提供する目的に基づいている。
【0006】
この目的は請求項1の特徴を有するデバイスにより達成される。
【0007】
本発明のデバイスの好ましく、有利な改良は従属請求項の主題である。
【0008】
本発明のデバイスの1つの利点はメタライズされるウェーハ、特にマイクロチップウェーハ、当たりに要するスペースが少ないことである。例えば、特に、本発明のデバイスを用いると、各ウェーハ用にシールされた電解液容積が存在するのが、その場合であるが、各ウェーハ用にほんの少しの電解液しか要しない。
【0009】
複数のウェーハ(マイクロチップウェーハ)の同時メタライゼーション用に、少なくとも1つ、好ましくは複数の保持用装置を有する、本発明のデバイスは、上方を指す該ウェーハの前側(front side)を有した儘、“オープンバッチ”として、すなわち開いた電解液室を備える電解槽内に浸され、その後該デバイスは(スペースを節約するため)少なくとも部分的に一緒に動かされるか、或いは該保持用装置は全体的に閉じられる(“クローズドバッチ”)。
【0010】
本発明のデバイスの場合、開始から個々のウェーハ用の該保持装置を閉じ、そして供給
ライン及び放出ラインを経由した電解液で、該室の各々に、保持装置内で電解液が供給されるように充たすことも可能である。
【0011】
もし、本発明のデバイスが“クローズドバッチ”として使われるなら、各ウェーハ用の電解液用に利用可能な室は、ウェーハ、フレームそして上部蓋プレートにより規定されるが、該上部蓋プレートはことによると更に先の保持用装置のベースプレートとなることもある。
【0012】
本発明の文脈で、本発明のデバイスが、偏心器の助けで振動するようセットされる特徴が付けられてもよく、結果は電解液の振動体となる。その周波数は一定に、選択的に可変に、或いはランダムに可変に、セットされてもよい。
【0013】
もし本発明のデバイスがウェーハの前側が上方を指して電解槽内に浸されるなら、電解液が該保持用装置間で槽から流れ出て、ガスが逃げられるよう、個々の保持用装置はなお集めて加圧されないことが好ましい。本発明のデバイスが電解液内に位置付けられるや否や、ウェーハ用の該保持用装置は、もし“クローズドバッチ”が使われるなら、部分的に、又は全部が集めて加圧されてもよい。
【0014】
もし、本発明のデバイスの場合に、作業が“クローズドバッチ”で行われるなら、電解液の本体が閉じられているために、結果的にメタライゼーション処理時、金属イオンが濃縮されることになる。これは適当な処理制御により補償されてもよい。
【0015】
本発明のデバイスは、必要な最小スペースで、バッチ処理で、大きなマイクロチップ構造体の電解メタライゼーションを可能にする処理管理を許容する。この方法で、コストが節約される。
【0016】
本発明の更に進んだ詳細と特徴は好ましい例示用実施例の下記説明から集められ得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のデバイスの保持用装置の分解組立図解を示す。
図2】保持用装置の一部分を断面図で示す。
図3】(上部蓋プレート無しの)保持用装置を斜視図で示す。
図4】下方から見た陽極ネットワークを有するベースプレートを示す。
図5】クランプ要素を斜視図で示す。
図6】“開いた”複数の保持用装置を有する本発明のデバイスを示す。
図7】閉じた保持用装置を有する図6のデバイスを示す。
図8】上部蓋プレートの代わりに、カバーを有する本発明のもう1つの実施例の断面図を示す。
【実施例1】
【0018】
本発明のデバイス1は1つ以上の、図に示す例示用実施例では4つの、保持用装置3を有する。
【0019】
特に図1及び2により示される該保持用装置3の各々は下記部品を有する:
電気絶縁材料製ベースプレート5と、該プレートの上側7には円形凹み(凹部)9が提供されており、該凹み内には、処理されるべきウェーハ11、特にマイクロチップウェーハ、が、該ウェーハの前側13、すなわち、電解液内の電解メタライゼーションにより、金属、例えば銅、で充たされるべきチャンネルが配置される側、が上方を指すように、挿入され得る。
【0020】
該ウェーハ11を陰極として極性を持たせるために、タグ17経由で電源に接続され得て陰極として役立つ導電材料のリング15が該ウェーハ11のエッジ領域に置かれる。陰極として極性を持たせる効果を有する電源の負極に、該ウェーハ11を接続するために、陰極として役立つリング15内に、環状シール19、特にOリング、が挿入される。
【0021】
ベースプレート5、ウェーハ11、リング15(陰極)及びシール用リング19を有する、説明した装置の上には、電気絶縁材製のフレーム21が置かれ、該フレーム内には横方向で電解液のための室27の境界を定める凹部23が提供される。該フレーム21は、例えば20mm以内の高さを有する。
【0022】
該フレームの凹部23を有する絶縁材料のフレーム21上では、凹部23の周りに例えばOリングのような環状シール25、が置かれる。該シール25はまた、フレーム21の環状溝内で受けられてもよい(図2参照)。
【0023】
該保持用装置3を完成するために、上部蓋プレートが該フレーム21上のシール25上に置かれ、該上部蓋プレートは、ことによると更に先の保持用装置3のベースプレート5であってもよい。
【0024】
図2が示す様に、該ウェーハ11の電解メタライゼーション用の電解液で充たされた室27は、該フレーム21、ウェーハ11及び該上部蓋プレートにより規定され、該上部蓋プレートは、特に、もう1つの保持用装置3のベースプレートであってもよい。
【0025】
該保持用装置3をそれぞれの所要温度に保つ(該温度を制御する)ために、該保持用装置3は加熱/冷却用装置(示されてない)を割り当てられてもよい。
【0026】
示された例示用実施例(図2参照)には、更に先の保持用装置3のベースプレート5であってもよい上部蓋プレートが該蓋プレートの下側で陽極ネットワーク29(図4参照)を担う特徴部が設けられ、該陽極ネットワークは、該蓋プレート(ベースプレート5)の下側の該陽極ネットワーク29を電源の正極に接続することが出来るタグ31を備えている。
【0027】
ウェーハ11の外側エッジから該ウェーハ11の中央までの電圧降下を補償するために、該陽極ネットワーク29を有するベースプレート5の下側は凸であってもよい。加えて、又は代わりに、該陽極ネットワーク29を形成する導体の密度が該陽極ネットワーク29の中央に向かって増加してもよい。かくして該陽極ネットワーク29は該中央に向かってより高密度に織られる。
【0028】
示された例示用実施例では、本発明のデバイス1で、複数の保持用装置3を重ねて提供する考慮が行われて来た。従って、図(図6及び7)で示す例示用実施例が、その場合であるように、保持用装置3の上部蓋プレートが、次のより上の保持用装置3の(陽極ネットワーク29を有する)ベースプレート5により形成されることが好ましい。
【0029】
ベースプレートとフレームを相互に液体密閉の仕方で結合するよう、両者が絶縁材料から成るベースプレート(“陽極プレート”)5及びフレーム(“陰極フレーム”)21を相互に対し加圧するために、外方に突出する突起(トング)33が、ベースプレート5及びフレーム21の横のエッジに提供され、該突起は両側の方へ楔形でテーパを付けられ、かつ該突起にはクランプ要素35が割り当てられている。該クランプ要素35は、該要素のベースプレート5及びフレーム21に面する側に、溝37を有し、該溝は2つの枝39にY形で分岐する(図5参照)。
【0030】
開いた位置では、溝37の枝39内にベースプレート5とフレーム21のトング33は提供されるので、ベースプレート5はフレーム21から離れ隔てられる。クランプ要素35をベースプレート5及びフレーム21の面に平行な面内で移動させることにより、本発明の保持用装置3の前記構成部分(ベースプレート5及びフレーム21)は相互に対し加圧され得る。保持用装置3のベースプレート5及びフレーム21のこの使用位置は図2及び図3で示される。個々の保持用装置3を一緒になるよう動かすために、クランプ要素35がガイドロッド41に沿って移動させる、すなわち相互に近付ける、デバイスは図解されてない。
【0031】
図5は拡大スケールでのクランプ要素35と、Y型で2つの枝39に分かれる溝37と、を示す。
【0032】
図6では、複数の保持用装置3を有する本発明のデバイス1が開いた状態(“オープンバッチ”)で示されており、最も高い保持用装置3上には、何等“上部”蓋プレートはない。クランプ要素35は、該要素が、保持用装置3の面に直角に配向されたガイドロッド41上で移動させられるよう、ガイドされるが、そこではクランプ要素35を介してそれぞれの保持用装置3を開き又は閉じるために、示されてない動作手段により、該ガイドロッド41は該ガイドロッドの長手方向長さに対し横断的に、すなわち保持用装置3の面に平行な方向に移動させられる。
【0033】
各保持用装置3内では、ベースプレート5とフレーム21の間に、処理される(メタライズされる)べきウェーハ(マイクロチップウェーハ)11が、例えばウェーハ11用に通例である取り扱いデバイス(グリッパー)の助けを借りて挿入され、該挿入は、前記ウェーハが下部ベースプレート(陽極プレート)5内のホルダー9内で該ウェーハの前側が上になるよう横たわる仕方で行われる。原理的に、もし該デバイス1が図6の位置(“オープンバッチ”)を取るならば、メタライゼーションを行うことは可能であり、そこでは個々の保持用装置3内に提供された全ウェーハ11の処理用に共通の電解液が提供される。
【0034】
図6及び7はまた、保持用装置3が、図6に示す相互に隔てられた位置(オープンバッチ)から、図7に示す相互上に静止する位置(クローズドバッチ)へ移動させられるが、該クランプ要素35がこの動きを妨害する又は邪魔することなく、該移動させられるよう、連続する(隣接する)保持用装置3のトング33及びクランプ要素35が相互に対しオフセットして配置されることを示す。
【0035】
本発明の文脈では、図7に示す様に、本発明のデバイス1の保持用装置3が、ガイドロッド41に沿って該クランプ要素35を移動させることにより相互に近づけられるので、各保持用装置3のフレーム21が次のより上の保持用装置3のベースプレート5と接触する(シール用リング25によりシールされる)特徴が有利にもたらされる。かくして、それぞれのより上の保持用装置3のベースプレート5は次のより下の保持用装置3の蓋プレートを同時に形成する(“クローズドバッチ”)。この場合、各保持用装置3では、電解液で充たされた、図2に示す室27は隔離されるので、電気分解によるマイクロチップウ
ェーハ11のメタライゼーション用に、予め決められた容積の電解液が利用可能である。室が電解液を受けるよう提供される該保持用装置3の室27は、供給ライン及び放出ラインを経由して、相互に独立に電解液で充たされ/電解液を空にされ得る。これは本明細書の導入部で概説した利点に帰着する。ガイドロッド41に沿ってクランプ要素35を移動させることにより、相互の上に配置された複数の保持用装置3を相互に対し加圧する(図7の位置)デバイスは図解されてない。
【0036】
特に、相互に対し近接して位置する図7の保持用装置3を有する本発明のデバイス1が使われる時(“クローズドバッチ”)、電気分解を、従ってウェーハのメタライゼーションを助けるために、該デバイス1は、該電気分解が行われる間、全体として、振動するようセットされてもよい。示された例示用実施例(図6及び7)では、この目的で、偏心を有するモーター43がガイドロッド41の少なくとも1つに結合されるので、電解液の振動体が生じる。その周波数は一定にするか、選択的に可変とするか、或いはランダムに可変とする、ようセットされてもよい。
【0037】
図8に示す実施例では、カバー及びベース部分を有する個別モジュールが各ウェーハ用に提供される。図8に示す実施例では、カバーは上に配置される該ウェーハ保持器と同時には存在しない。かくして、図8に示す実施例は順に重なって配置される個別反応器を構成するので、バッチモード運転が可能である。
【0038】
図8で示す実施例の形成の詳細は下記の様である:
ベース部分50上に、ウェーハ11が横たわり、該ウェーハの前側は上を指している。ベース部分50とフレーム部分51の間に接触部52が配置され、該接触部はウェーハ11のエッジと導電的に接触する。フレーム部分51のウェーハ11に面する側で、特にOリングの形のシール54が環状溝53内に受けられる。
【0039】
加えて、該フレーム部分51内に少なくとも1つの道管55が提供され、該道管を通して電解液56が、該ウェーハ11を受ける室内へ、そして該室外へ導かれる。
【0040】
フレーム部分51上に、上部カバー(カバープレート)57、格子状の陽極59が座しているが、特にパーフォレートされたプレート又は格子状の形の陽極59はカバープレート57とフレーム部分51の間に配置され、環状シール(Oリング)58により保持される。
【0041】
図8に示す実施例では、ウェーハ11上の該室内には非常に多くの電解液が入れられるので、該陽極59は該電解液内に沈み、すなわち該電解液レベル61は陽極59の上にある。ベース部分とカバーの間の空間内で電解液レベル61の上には、ガス室60が提供され、該室は不活性ガス、例えば、窒素、又はアルゴン又はその処理条件で不活性である他のガスで充たされる。
【0042】
本発明のデバイス、特に図8のデバイスは、処理中電解液が循環して汲まれることを可能にする。
【0043】
原理的には、反応器の充填の前、或いは、もし電解液が処理中循環して汲まれるなら、該処理中でも、該反応器の外部で、電解液に不活性ガスであるガスを入れる可能性がある。
【0044】
図8と連携して既に示した様に、該電解液の上のガス室は、不活性ガスで充たされるので、処理時に該不活性ガスが存在する。
【0045】
該ウェーハ11の処理の終了に続いて加えられる濯ぎ用水は、該水が使われる前に不活性ガスでガス入れされてもよい。
【0046】
本方法の完了に続いて、更に下記の過程シーケンスが適用される。
−吸引、又は該ガス室内の不活性ガスの圧力を増すことによる押し出し、による処理室からの電解液の排出、
−処理室及び中に含まれたウェーハの不活性ガスを用いた乾燥、
−該乾燥に続く該ウェーハの取り外し、
−該処理室の外部の水を用いたウェーハの濯ぎ、
−該処理室外部でのウェーハの最終の(再開した)乾燥。
【0047】
要約すると、本発明の例示用実施例は下記の様に説明されてもよい:
電解液内でウェーハ11、特にマイクロチップウェーハをメタライズするデバイス1は、複数の保持用装置3を備えており、各保持用装置3は電解液用の室27を有し、該室は、他の保持用装置3内の電解液用の保持室27から分離されており、そして各ウェーハ11は陰極として役立つリング15と、陽極としての陽極ネットワーク29と、を割り当てられている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8