(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969504
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】電気接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F03B 13/18 20060101AFI20160804BHJP
H02N 1/08 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
F03B13/18
H02N1/08
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-549901(P2013-549901)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公表番号】特表2014-505200(P2014-505200A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】IB2011003012
(87)【国際公開番号】WO2012101474
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】61/435,639
(32)【優先日】2011年1月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/447,953
(32)【優先日】2011年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/511,842
(32)【優先日】2011年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/298,010
(32)【優先日】2011年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505275837
【氏名又は名称】シングル・ブイ・ムアリングス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SINGLE BUOY MOORINGS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メナルド,フィリップ−アルベール−クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フルモン,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,フィリップ・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ワテ,アンブロワーズ・ア
【審査官】
新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−085915(JP,A)
【文献】
特開平04−287398(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0019498(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/18
H02N 1/08
H01R 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続アセンブリであって、
空洞(76)を形成する壁と、
前記空洞の中に存在し、これを満たすある量(84)の電気伝導性液体と、
固体の電気伝導性材料の第1および第2の導体(34,80,90)とを含み、前記第1および第2の導体は互いと直接に接触しておらず、そのため電流は前記第1の導体と前記第2の導体との間を直接に流れることができないが、前記第1および第2の導体は各々前記電気伝導性液体と低抵抗(10オーム以下)接触しており、
前記第1の導体(34,80,232)は前記空洞(76,225)の中に存在し、
前記第2の導体(90,245)は、前記空洞から離間したチャンバ(247)の中に存在し、前記アセンブリは、
前記空洞と前記チャンバとを接続する管(242)を含み、前記電気伝導性液体は、前記管、前記チャンバ、および前記空洞を満たす、電気接続アセンブリ。
【請求項2】
電気接続アセンブリであって、
空洞(76)を形成する壁と、
前記空洞の中に存在し、これを満たすある量(84)の電気伝導性液体と、
固体の電気伝導性材料の第1および第2の導体(34,80,90)とを含み、前記第1および第2の導体は互いと直接に接触しておらず、そのため電流は前記第1の導体と前記第2の導体との間を直接に流れることができないが、前記第1および第2の導体は各々前記電気伝導性液体と低抵抗(10オーム以下)接触しており、
前記電気伝導性液体に圧力を加えるための手段を含む、電気接続アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
ある種類の装置は、繰返す海の波動などの繰返す行ったり来たりする動きの現象から電気エネルギを得る。動きは、エラストマーシートの繰返される伸張および緩和、ならびにシートの対向面に存在する電極の対応する近づくまたは遠ざかる動きを生じさせる。電極は電荷を含有するため、電極がともに近づいたり離れたりするように動くと、電極間の電圧が変化し、装置を発電に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
銅線などは電気を搬送して電極を充電し、装置が発電する電力を運び去る。しかしながら、エラストマーシート上の電極などの一部が繰返し伸びるおよび緩む一方でステンレス鋼導体などの他の一部が電極とともに動かなければ、電極およびステンレス鋼導体を一定の低電圧の電気的係合に保つことは困難である。また、ステンレス鋼導体の形状が繰返し変化すると、その結果疲労破壊が生じる可能性がある。エラストマーシート上の電極などの繰返し伸張可能な一部とステンレス鋼導体などの変形不可能な導体との間に確実な電気的接続を設けた電気接続アセンブリに価値があるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
発明の1つの実施形態に従うと、繰返し伸びるおよび緩むまたは行ったり来たりして動く第1の部分を、伸びるおよび緩むことがないまたは第1の部分とともに動かない剛性の第2の部分に電気的に接続する電気接続アセンブリを提供する。1つの例では、第1の部分は、繰返し伸びるおよび緩むエラストマー材料のシートに結合される一方で、第2の部分は、銅またはステンレス鋼から作られるものなどの変形不可能な硬いケーブル導体である。
【0004】
出願人は、エラストマーシートの表面に対して存在する電極によって形成される空洞壁を含む空洞を形成し、空洞の中にステンレス鋼のケーブルを置き、電解質などの電気伝導性流体を空洞の中に置く。エラストマー材料のシートが撓むと、空洞壁が撓み、導電性流体が空洞の中で動くが、空洞の壁およびステンレス鋼ケーブルの両者と接したままである。
【0005】
発明の新規の特徴を特に添付の請求項で述べる。添付の図面と関連して読むと、以下の説明から発明が最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】波のエネルギを電気に変換するシステムの側面立面図である。
【
図2】
図1の線2−2に沿って取った断面図である。
【
図4】伸張可能な電極を硬い非移動導体に接続する接続アセンブリを示す、
図1のシステムの管の部分等角断面図である。
【
図6】
図5と同様であるが、管が拡張した図である。
【
図7】
図1と同様であるが、管の異なる電極に接続する2つの接続アセンブリを有する管の断面図である。
【
図8】
図4と同様であるが、弾性管の外側の周りに延在する2つのコネクタを有する接続アセンブリの部分等角断面図である。
【
図10】発明の別の実施形態のシステムインターフェイスの断面等角図である。
【
図16】
図15のシステムから変形したシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
好ましい実施形態の説明
図1は、海12の波の作用から発電するシステム10を示す。システムは、電気活性ポリマーなどのエラストマー(弾性)または伸張可能材料の管14を含む。
図2に示すように、管は軸16を有して主に円筒形であり、これは14Eのように広がりまたは伸び、14Cまで縮む。水の量20は図示する特定の管を完全に満たし、浮揚性のために外側に何らかの発泡体を用いることができる。
図3は、管の壁が、エラストマー材料の(端が合流した管の形態の)シート30と、シートの対向する面に対して存在する第1および第2のまたは内側および外側の電極32、34と、電極の上に存在する保護層40、42とを含む。各電極の上には電荷が存在する。好ましくは、各々がシート30と、電極32、34と、保護層40、42とから作られる複数の層が存在する。1枚の非常に長い丸まったシート30からそのような複数層配置を形成して、その表面に電極を有する弾性材料の小型の円筒を形成することができる。
【0008】
図1では、波52の峰50は大きく距離Dを空けて管の端の上方に存在する一方で、54では、わずかな距離しかあけずに波が管の中間部上方に存在する。海の波による、管の壁の外側の海水の振動圧力は、管の内側の海水に対して、管の壁にわたって局所化された圧力勾配を作り出す。管の壁は高い弾性を有するので、それらは圧力勾配に応答して広がることができ、こうして管の中で波の膨らみ(bulge wave)を誘発する。
【0009】
図4−
図6は、電気接続アセンブリ70を有する、
図1の管14の部分を示す。接続アセンブリは、それらの間に空洞76を形成する上側および下側壁72、74(
図5)を含む。上側壁は好ましくは上向きに撓むループを形成する。下側壁74は、電極の一部となり、管の中に延在するエラストマーシート30の外側に存在する電気伝導性膜80(
図5)を含む。別の電極32はシート30の内側に存在する。ステンレス鋼導体82は空洞の中に突出する。空洞は、エラストマーシートの外側に存在する電極34と電気的に接続したままであり、一部の相対的な動きが限られているにも拘わらずステンレス鋼導体82と接触したままである電解質、ゲル、または液体金属を備えることができるある量の電気伝導性流体84を保持する。導電性シール80は、電荷の移動を許しつつ電極34を保護し、電極の一部と考えられ得る。導電性シールは電極に係るいずれの化学反応も防止し、短絡を防止する。電気伝導性流体は液体金属などの液体の形態にある。
【0010】
管14の直径が拡大または縮小すると、接続アセンブリ70は、
図5の構成と
図6の構成との間など、構成を変える。特定の上側壁72は、曲がることができる可撓性のある固体(流動不能)材料から形成され、必ずしもエラストマー材料から形成されるわけではない(エラストマー材料は50,000psi以下のヤング弾性率を有する)。(出願人は、「硬い」材料を、少なくとも500,000psiのヤング率を有するものとして規定する)。エラストマーシート30が形成する管の壁は、伸びるおよび緩むようにエラストマー材料から形成されなければならない。
図6では、空洞76の幅は
図5の幅から約20%増加している。
【0011】
ステンレス鋼導体82との導電性流体またはゲル84の接触面積を増大するため、出願人は、空洞の中に存在するステンレス鋼導体82の部分90(
図4)を平らにすることをより好む。元々円筒形であったステンレス鋼導体については、出願人は、その元の幅の2倍よりも大きな幅を有するように、これを平らにする。導体82は空洞の長さに沿って延在する。導体にステンレス鋼を用いる代わりに、他の硬質のまたは硬い導体を用いることができる。すなわち、繰返される曲げから容易に疲労破壊を被るとしても、高い導電性の電気的導体を用いることができる。空洞76を満たすのに、電解質、室温で流動性のある金属合金、導電性微細粒子を有する流体、液体金属、およびガリンスタンなどの共晶合金を含むさまざまな導電性流体またはゲル84を用いることができる。すべてのそのような流体およびゲルを、本明細書中では、流動可能材料もしくは流体または液体と称することがある。低抵抗(10オーム未満)接続は、各々液体を係合する要素間の液体を通じてなされる。
【0012】
図7は、エラストマー材料の管100と、管上の離間した場所に2つの空洞102、104を形成する1対の可撓性の(しかし必ずしも弾性でない)壁とを図示する。各々の空洞は壁の中のループ106、108の下に存在する。ループ106は、
図5と同様のループ端105、107を有する。一方の空洞102を用いて外側電極34(
図5)との接触を確立する一方で、他方の空洞104を用いて内側電極82との接触を確立する。各々が空洞のうち1つの中の導電性液体120、122の1つと電気的接触を確立する1対の伸張不能剛性導体114,116を設ける。
【0013】
図8は、1対の電気伝導性エラストマーリング132、134がエラストマー材料の管140に搭載される別のシステム130を図示する。一方のリング132は管の外側または外部電極(34、
図3)に接続され、他方のリングは管上の内部電極(32)に接続される。両者の接続は対応の空洞の中の導電性流体を通してなされる。
図9は、外部電極142が波型の薄いシートであり得ることを示す。別の代替策は、弾性シートの表面領域に導電性粒子を含浸させ得ることである。
【0014】
図10−
図12は、管154の外側表面上に電極152を含む電気的インターフェイスを有するシステム150を図示する。システムは、電極152を係合する、導電性流体などの導電性流動可能媒体162(
図12)を満たした空洞160を形成する。システムは、圧力下で導電性流体162を含有する袋(pouch)170(
図11)を含む。袋は、導電性流体で満たされる可撓性管172を通して空洞160に接続される。硬質の導体は、流体との直接接触により、袋および/または袋中の導電性流体に接続する。
図11は、袋の中に存在し、流体と直接に接触するケーブル導体の平らにされた端174を示す。流体に圧力を加えるための手段は、流体に圧力を加えて流体が袋および空洞160を完全に満たすのを確実にする、弾力性のある袋または袋の中の拡張可能な気嚢(envelope)180を含むことができる。
【0015】
図13−
図15は、導電性流体222を用いてエラストマー部と剛性部との間に低抵抗電気接続を確立する別の接続アセンブリ220を図示する。エラストマー材料の1対のシート224、226は各々円筒形状であり、内側筒224は外側筒226と同心に存在する。エラストマー材料の複数の層230(
図15)が筒224、226の間に存在し、複数の電極232、234が層230の間に存在する。
【0016】
接続アセンブリ220は、軸方向に対向する端225、227を有する。交互の第1の電極232は、取付具236によって、空洞225中に存在する電気伝導性流体222に接続される。導電性流体222は管242の中に存在し、チャンバ247の中に存在するマウント245を有する、ステンレス鋼から作られるものなどの導電性ワイヤ244と直接に接触して存在する。非導電性シリコーンなどの弾性シール246が取付具236を封止する。好ましい実施形態では、取付具236は、導電性流体222を通さない導電性エラストマー材料から形成されるが、導電性流体へおよび導電性流体から電流を搬送する。交互の第2の電極234は、接続アセンブリの第2の端227にある取付具などを通して接続される第2の軸方向端を有する。
【0017】
図16は、
図15のアセンブリから変形される接続アセンブリ250を示す。アセンブリ250は、導電性液体256で満たした空洞254を形成する、エラストマーのかつ電気伝導性の第1のシール252を含む。第1の電極232は、導電性シール252の一部260を、当該一部へのはんだ付け、クランプなどによって係合する。第2の電気伝導性エラストマーシール270は、導電性液体を含有する空洞272を有する。第2のシールは第2の電極234に接する。電極は伸びた(または圧縮された)弾性材料の層280の間に存在する。層280、電極232、234、およびシール252、270は、枠282の中に、枠と圧縮嵌合した状態で存在する。層の伸び(または圧縮)が増減されると、電極232、234は近づいてまたは離れて動き、隣接する電極同士の間の電圧を変化させる。これにより、より高電圧の電極から負荷を通したより低電圧の電極の中への電流の流れによって発電が可能になる。
【0018】
このように、発明は、ステンレス鋼または他の硬質の材料の1つなどの剛性の導体がエラストマー材料のシートの表面上に存在する薄い拡張可能/収縮可能電極に電気的に接続される電気接続アセンブリを備える。アセンブリは、繰返し形状を変え、そうしてその幅および/または高さがその最小幅および高さの少なくとも120%に拡大することができかつ形状を変えることができる空洞を形成する壁を含む。ある量の電気伝導性液体が空洞の中に存在し、形状の変化にも拘わらず、剛性の導体および電極の両方との電気的接触を維持する。
【0019】
発明の特定の実施形態を本明細書中で説明しかつ図示したが、当業者には修正例および変形が容易に想到され得ることが認められ、その結果、そのような修正例および均等物を包含するように請求項が解釈されることが意図される。