特許第5969509号(P5969509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969509
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】診断情報のロギング
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20160804BHJP
【FI】
   H04L12/70 100A
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-552529(P2013-552529)
(86)(22)【出願日】2012年1月9日
(65)【公表番号】特表2014-507898(P2014-507898A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】US2012020577
(87)【国際公開番号】WO2012106066
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】61/437,924
(32)【優先日】2011年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ウィリアム クック
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−141655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロギング速度を含む格納されたロギングパラメータのセットを有する第1のモードに従って、ルータにおいて第1の診断情報をロギングするステップと、
前記ルータの動作上の問題を検出するステップと、
前記動作上の問題の検出に応じ格納されたロギングパラメータのセットを有する第2のモードに従って第2の診断情報をロギングするステップであって、前記第2のモードの第2のロギング速度は前記第1のモードの前記第1のロギング速度より大きく、格納されたロギングパラメータの少なくとも1つのセットは動作上の問題に応じて自動的に変更される、前記ステップと、
前記ロギングされた第2の診断情報に基づき前記動作上の問題を補修するステップと、
を含み、
前記第1のモードは、前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記補修するステップは、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数のうちの少なくとも1つを変更するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記第2の診断情報は前記第1の診断情報とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の診断情報は、ファイアウォールログ、LAN(ローカルエリアネットワーク)DHCP(ダイナミックホストコンフィギュレーションプロトコル)トランザクション、インターフェース設定ログ、または、IGMP(インターネットゲートウェイ管理プロトコル)ログ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の診断情報は、ファイアウォールログ、LAN DHCPトランザクション、インターフェース設定ログ、またはIGMPログのうちの少なくとも1つを含まない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
格納されたロギングパラメータのセットを有する第1のモードに従ってルータにおいて第1の診断情報をロギングするように、かつ、前記ルータ内の動作上の問題を検出するように構成されるコントローラと、
前記動作上の問題の指標を送信するように、かつ、格納されたロギングパラメータのセットを有する第2のモードに従って前記ルータにおいて第2の診断情報をロギングする命令をリモートで受信するように構成される通信インターフェースと、
を備え、
前記コントローラは、前記命令の受信に応じ前記第2のモードに従って前記第2の診断情報をロギングするようにさらに構成され、前記第2の診断情報が前記第1の診断情報よりも多量のデータから成り、前記コントローラは、格納されたロギングパラメータの少なくとも1つのセットを前記動作上の問題に応じて変更し、
前記コントローラは、前記通信インターフェースを介してリモートで受信された補修命令に従って前記ルータを補修するようにさらに構成され、
前記第1のモードは、前記コントローラによる前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記コントローラによる前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記コントローラは、前記補修命令に基づき、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数のうちの少なくとも1つを変更するようにさらに構成される、装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1のモードに従って前記第1の診断情報をロギングするロギング速度よりも大きいロギング速度で、前記第2のモードに従って前記第2の診断情報をロギングするようにさらに構成される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第2の診断情報を送信することを前記通信インターフェースに指示するようにさらに構成される、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の診断情報は前記第1の診断情報とは異なり、前記動作上の問題が、前記ルータのフリーズ、または、前記フリーズに応じて実行されるリブートのうちの少なくとも1つである、請求項に記載の装置。
【請求項9】
ルータにおける動作上の問題の指標をリモートで受信するように構成される通信インターフェースと、
ロギングモードを第1のモードから第2のモードに切り替えることを前記ルータに指示する命令を、前記ルータに送信することを前記通信インターフェースに指示するように構成され、各モードが格納されたロギングパラメータのセットを有するコントローラと、を備え、
第1の診断情報が、前記第1のモードに従って前記ルータにおいてロギングされ、第2の診断情報が、前記第2のモードに従って前記ルータにおいてロギングされ、前記第2の診断情報は、前記第1の診断情報よりも多量のデータから成り、前記コントローラは、格納されたロギングパラメータの少なくとも1つのセットを前記動作上の問題に応じて変更し、
前記第1のモードは、前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記コントローラは、前記第2の診断情報に基づき、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数のうちの少なくとも1つを変更することを前記ルータに指示する補修命令を送信するようにさらに構成される、システム。
【請求項10】
前記第2の診断情報は、前記第1の診断情報が前記第1のモードに従って前記ルータにおいてロギングされるロギング速度よりも大きいロギング速度で、前記第2のモードに従って前記ルータにおいてロギングされる、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記第2の診断情報に基づき、前記第2の診断情報が前記第2のモードに従ってロギングされるロギング速度、または、前記第1の診断情報が前記第1のモードに従ってロギングされるロギング速度のうちの少なくとも1つを変更することを前記ルータに指示する命令を、前記補修命令に加えるようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の診断情報が、前記第1の診断情報とは異なり、前記動作上の問題が、前記ルータのフリーズ、または、前記フリーズに応じて実行されるリブートのうちの少なくとも1つである、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年1月31日に提出された米国仮出願第61/437,924号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して診断情報のロギングに関し、特に、ルータおよび類似のコンピュータ機器のためのロギングのシステム、方法および機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ルータは、診断情報の蓄積と保持を可能にする様々なロギング方法を実装している。例えば、メインフラッシュメモリから分離される、物理的に分離された不揮発性のRAM(random access memory)が、そのようなルータにおいてロギング用に維持されている。分離されたメモリは、この場合、メイン不揮発性RAMの消耗を防ぐために使用される。他の方法では単に、フラッシュメモリが製品の寿命まで消耗されないことを想定しているだけである。しかし、ルータにおける問題によって誘発され得るような、過量のロギングのために、予測寿命が不正確なものになり、電子機器のメモリの不具合が時期尚早に引き起こされることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態は方法を対象とする。該方法によると、第1の診断情報が、第1のロギング速度を有する第1のモードに従ってルータにおいてロギングされる。加えて、ルータ内の動作上の問題が検出される。さらに、動作上の問題の検出に応答して、第2の診断情報が、第1のモードの第1のロギング速度より大きい第2のロギング速度を有する第2のモードに従ってロギングされる。
【0005】
代替実施形態は、通信インターフェースとコントローラとを含む装置を対象とする。コントローラは、第1の診断情報を第1のモードに従ってルータにおいてロギングするべく、かつ、ルータ内の動作上の問題を検出するべく構成される。加えて、通信インターフェースは、動作上の問題の指標を送信するべく、かつ、第2の診断情報を第2のモードに従ってルータにおいてロギングする命令をリモートで受信するべく構成される。コントローラは、第2の診断情報を、命令の受信に応答して第2のモードに従ってロギングするべくさらに構成される。ここで、第2の診断情報は、第1の診断情報よりも多量のデータから成る。
【0006】
別の実施形態は、通信インターフェースとコントローラとを含むシステムを対象とする。通信インターフェースは、ルータにおける動作上の問題の指標をリモートで受信するべく構成される。さらに、コントローラは、ロギングモードを第1のモードから第2のモードに切り替えるようルータに指示する命令を、ルータに送信するよう通信インターフェースに指示するべく構成される。第1の診断情報は、第1のモードに従ってルータにおいてロギングされ、第2の診断情報は、第2のモードに従ってルータにおいてロギングされる。第2の診断情報は、第1の診断情報よりも多量のデータから成る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の教示内容は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて検討することにより、容易に理解することができる。
図1】本原理に従う、ロギングシステムの例示の実施形態の高レベルのブロック/フロー図である。
図2】本原理に従う、ブロードバンドホームルータの例示の実施形態の高レベルのブロック/フロー図である。
図3】本原理に従う、ロギング方法の例示の実施形態の高レベルのフロー図である。
図4】本原理に従う、代替のロギング方法の例示の実施形態の高レベルのフロー図である。
図5】本原理に従う、代替のロギング方法の別の例示の実施形態の高レベルのフロー図である。 図面が、本原理の概念を例示する目的のものであり、必ずしも、本原理を例示するための唯一の可能な構成ではない。理解を容易にするために、可能である場合は、同一の参照符号が使用され、図面に共通する同一の要素を指定する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本原理は、診断情報をロギングするための方法、システム、および装置を対象とする。本原理の例示の態様に従って、複数のロギングモードを採用して、ログの記憶に使用されるメモリの耐用年数に及ぼす影響を最小限にし、かつ、システムの補修を可能にするという点においてログの有効性を維持するような方法で、診断情報をロギングすることができる。特に、フリーズや予期せぬリブートなど、システムの特定の問題の検出に応じて、ロギングを、より包括的なモードに切り替えることができる。1つの特徴によると、ロギングモードを変更して、より関連性のある、または異なる情報がロギングされるようにすることが可能である。あるいは、または、加えて、ロギングモードを変更して、ロギング速度を増加させる、および/または、最大書込み回数を問題の検出に応じて変更するようにすることが可能である。有利には、ベンダの技術サポート側で、システムまたはシステムのユーザにより問題が検出されたという指標を受け取るのに応答して、ロギングモードの変更をリモートで指示することができる。この特徴により、ベンダはシステム設定の独自の制御を保有することができ、かつ、それにより確実に、システムの寿命がユーザによって時期尚早に短くされるようなことがなくなる。例えば、ロギングモードのリモート設定を監視することが可能であり、システムモデルと比較して、ベンダによりユーザに提供されるシステムの仕様に応じた少なくとも最短の耐用年数を、システムが確実に有することが可能にされる。
【0009】
種々の構成が、本明細書において明示的には記載されず、または示されないが、本原理を具現化し、その精神および範囲に含まれるということを、当業者が考案可能であろうことは理解すべきである。
【0010】
本明細書に列挙される全ての例および条件付き言語では、従来技術のさらなる促進に対して発明者によって提供される本原理および概念を読者が理解する助けとなる教育の目的であることが意図され、また、そのような特定的に列挙される例および条件への制限ではないと解釈されるべきである。
【0011】
また、本明細書において原理、態様、および本原理の実施形態を列挙する全ての文、ならびに、それらの特定の例では、構造的および機能的双方の等価物を包含することが意図される。加えて、そのような等価物には、現在既知である等価物のみならず未来に開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同一の機能を実行する、開発される任意の要素が含まれることが意図される。
【0012】
従って、例えば、本明細書において提示されるブロック図が、本原理を具現化する例示の電気回路の概念的な図を表すことが、当業者には理解されるであろう。同様に理解されるであろうが、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コードなどが、種々のプロセスを表現し、該プロセスが実質的にはコンピュータ可読媒体内において表現され、かつ、コンピュータまたはプロセッサにより、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されるかどうかにかかわらず、実行されることが可能である。
【0013】
図面に示される種々の要素の機能は、専用のハードウェア、および、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアを介して提供することができる。プロセッサにより提供されると、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、または、複数の個々のプロセッサであっていずれかが共有可能であるプロセッサ、によって提供することができる。さらに、用語「プロセッサ」または「コントローラ」を明示的に使用することは、ソフトウェアの実行が可能なハードウェアのみに排他的に言及するものと解釈されるべきではなく、デジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)ハードウェアならびに、ソフトウェアを格納するための、「ROM(read−only memory)」、「RAM(random access memory)」、および不揮発性記憶装置などのコンピュータ可読記憶媒体も、黙示的に含まれるが、これらに制限されない。
【0014】
従来および/またはカスタムの他のハードウェア、を含むこともできる。同様に、図面に示される任意のスイッチは概念的なものに過ぎない。それらの機能は、プログラム論理の演算、専用論理、プログラム制御と専用論理との対話を介して、または手動によっても実行することが可能であり、特定の技術が、実装者によって文脈からより具体的に理解されるものとして選択可能である。
【0015】
本願の請求項において、特定の機能を実行するための手段として表される任意の要素には、その機能を実行する方法が包含されることが意図され、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組み合わせ、または、b)任意の形式の、従ってファームウェア、マイクロコードなどを含むソフトウェアであって、そのソフトウェアを実行してその機能を実行するための適切な電気回路と組み合わされるもの、が含まれる。そのような請求項により定義されるような本原理は、種々の列挙される手段により提供される機能性が、請求項が求める様式で組み合わせられかつまとめられる、という事実において存在する。従って、それらの機能性を提供可能である任意の手段は、本明細書に示されるものと等価であると見なされる。
【0016】
本明細書において本原理の「一実施形態」または「実施形態」、およびその他の変形を参照することは、その実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造、特性などが本原理の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、「一実施形態において」または「実施形態において」という文言、および任意の他の変形が、本明細書を通して種々の場所に現れる場合、必ずしも全てが同一の実施形態に言及しているとは限らない。
【0017】
理解すべきこととして、「/」、「および/または」および「少なくとも1つ」のいずれかを使用することには、例えば、「A/B」、「Aおよび/またはB」および「AおよびBの内の少なくとも1つ」という場合、第1に挙げた選択肢(A)のみの選択、または、第2に挙げた選択肢(B)のみの選択、または、両選択肢(AおよびB)の選択、が包含されることが意図される。さらなる一例として、「A、B、および/またはC」および「A、B、およびCの内の少なくとも1つ」という場合、そのような文言には、第1に挙げた選択肢(A)のみの選択、または、第2に挙げた選択肢(B)のみの選択、または、第3に挙げた選択肢(C)のみの選択、または、第1および第2に挙げた選択肢(AおよびB)のみの選択、または、第1および第3に挙げた選択肢(AおよびC)のみの選択、または、第2および第3に挙げた選択肢(BおよびC)のみの選択、または、3つ全ての選択肢(AおよびBおよびC)の選択、が包含されることが意図される。このことは、本技術および従来技術の通常の技術を有する者にとっては容易に明らかであるように、挙げられる多数の項目に対して拡大可能である。
【0018】
上記で示したように、事象のロギングは、ブロードバンドホームルータ(BHR)などの特定の設備には非常に重要である。何故なら、ロギングが、機器の過去および現在の状態を記録し、かつ、消費者が機器について抱える可能性のある任意の問題のトラブルシューティングに役立つからである。ロギングを利用して事象を記録することで、不具合の原因および適切な操作を判定することが可能になり、ハッキングの脅威を特定することができる。情報のログが揮発性メモリのみに記録され、機器が動作上の問題でリブートすると、ロギング情報は、記録することが最も重要であるときに一度に失われ得る。その結果、メインフラッシュメモリがそのような情報の記録のために使用されてきた。
【0019】
ロギングは、標準コンピュータについては容易であるが、現代の家庭用電子機器の設計、BHRなど、の状況では困難である。主として難しいのは、フラッシュメモリへの予想される書込み数の予測であるが、この数は有限であり、現在、100,000より少なく、恐らく10,000程度と低いと考えられる。従来、この条件は通常、追加のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)技術により解決されてきたものであり、10,000,000回の書込み容量が基準である。しかし、コスト抑制のために、不揮発性メモリのフラッシュメモリのみがロギング目的で使用される。典型的なロギングシステムでの使用の書込み回数で分析が行われて、電子機器自体が廃番になる前にフラッシュメモリが不具合を発生するという場合に遭遇する可能性があることが分かった。それ故、全てのロギング情報を不揮発性RAMに書き込むことにより、製品の寿命を時期尚早に終わらせてしまう可能性がある。よって、全ロギング機能性を完全に満たすのではなく、条件付き不揮発性ロギングのシステム/方法を使用することができる。
【0020】
上記で述べたように、ロギングシステムの目的は、問題の法的分析を行うことを可能にすること、および、この情報を使用して問題を正すことを可能にすることである。もちろん、上記で示したように、問題によりリブートが起こり、ログが揮発性メモリに格納される場合、ログは失われ得る。一方で、通常の動作時にフリーズ/リブートが起こる回数は、比較的少ない回数にすることができ、ロギング(および、付随するフラッシュメモリへの書込み)のほとんどが廃棄される。従って、例えば、リブートを引き起こす問題点など、状況によって正当化される場合にのみログが不揮発性RAMに書き込まれる、というスキームを実装することにより、機器は、問題点の診断において支援する能力を維持することができ、一方で長寿命を維持する。
【0021】
本明細書において以下で説明されるように、新しいロギングのスキームは、本明細書において「持続的ロギング」と称され、BHR自体などの電子機器に存在する条件のセットに基づき、利用可能である。本原理の一態様に従って、ロギング情報が、補修/デバッグの目的でのみ電子機器の不揮発性メモリに格納され、それにより、メモリへの書込み回数を大いに減らすことができる。ロギングシステムは、電子メモリが使用されるときに、特に有効である。
【0022】
一例示態様によると、通常の条件下では、電子機器(例えば、BHR)は最少量の情報を記録し、機器自身をわずかにN1分ごとに1回の書込みに制限する。実際の時間は、動作上の要因に基づき決定することができる。これは、「レベル1」条件として指定され、この場合の最小限の情報は、最も最近のリブート時以降に集められた関連情報に対応する。そのような情報は、DHCP(dynamic host control protocol)またはPPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)に従って接続性の問題点に関連付けることが可能であり、それほど頻繁には集められない。
【0023】
次に、「レベル2」条件では、N2分ごとに書込みが許可され、ここでN2はN1より小さく、機器に以下のログの内1つまたは複数、すなわち、ファイアウォールログ、LAN(ローカルエリアネットワーク)DHCPトランザクション、インターフェース設定ログ、IGMP(Internet Gateway Management Protocol(インターネットグループ管理プロトコル))ログ、ならびに、必要に応じて、または管理者が指定する他のログ、の内1つまたは複数を生成するよう指示することができる。
【0024】
「N1」および「N2」を設定するために考慮することができる動作上の要因には、メモリが利用可能な書込み回数、1秒あたりの書込み予想回数、および製品の動作寿命を含むことができる。「N1」の範囲について、1時間に1回で十分であろうと予測され、一方、「N2」は1秒に1回と高くすることができる。しかし、値は動作上の要因に基づき変動してよい。
【0025】
レベル1およびレベル2のフラグ、ならびに、N1およびN2は、機器において、例えば、TR−069(CPE(Customer Premises Equipment(カスタマ構内設備))WAN(ワイドエリアネットワーク)管理プロトコル)ベンダ拡張を使用して、リモートで設定可能であるとすることができる。この特性により、フリーズ/リブートの結果として顧客が機器について苦労している事象において持続的ロギングの量を技術サポート担当者により増やすことが可能となる。加えて、最大ロギング値、M1およびM2、を設定して、持続的ロギングが、デバッグ/補修のプロセスが不注意で作動させたままにされる場合、フラッシュ空間を圧倒することがないようにすることができる。例えば、M1は、1時間当たり1キロバイトに設定可能であり、M2は1時間当たり1メガバイトもの速度に設定可能である。
【0026】
別の例示の態様によると、ルータに問題があり、フリーズ/リブートが問題点ではないという場合は、メインメモリに格納されたログを、最初に閲覧するようにすることができる。
【0027】
ここで、詳細に図面を参照するが、図面においては同様の参照番号がいくつかの図を通して類似または同一の要素を識別し、最初に図1が参照されて、本原理の実施形態のシステム/装置100が例示として描かれる。上述の本原理の態様が、本明細書に記載されるシステム、装置、および方法の実施形態において実装可能であることは理解すべきである。システム100には、技術サポートシステム101およびルータシステム121を含むことができ、これらは、インターネットなどの、有線または無線とすることができ、または、有線および無線の構成要素の両方を含むことができる、ワイドエリアネットワーク110を介して通信する。本明細書において本原理の特徴がルータシステム121に関して記載されるが、代替実施形態によると、システム121は、任意の他の適切なコンピュータシステムとすることができることは留意すべきである。ルータシステム121には、コントローラ122、通信インターフェース126、ネットワークインターフェース128、および、記憶媒体124を含むことができる。次に、技術サポートシステム101は、コントローラ102、通信インターフェース106、補修モジュール108、および記憶媒体104を含むことができる。システム100の種々の要素の機能について、本明細書において以下でさらに詳細に、特定の装置および方法の実施形態に関して説明される。
【0028】
図1の参照を続けながら図2を参照すると、ルータシステム121のより具体的な実装200が例示として描かれる。システム200は、ブロードバンドホームルータであり、コントローラ要素202を含むことができ、コントローラ要素202には、中央処理装置(CPU)、イーサネット(登録商標)スイッチ、ネットワークプロセッサ(NPU)、および記憶媒体を備えることができる。ここで、コントローラ要素202は、コントローラ122および記憶媒体124の一例の実装である。システム200は、通信インターフェース204、およびネットワークインターフェース206をさらに含むことができ、これらは、それぞれ通信インターフェース126およびネットワークインターフェース128の例示の実装である。通信インターフェース204は、同軸ポート208を含むことができ、同軸ポート208を介してネットワーク110への接続を行うことができる。加えて、通信インターフェース204には、LAN周波数およびWAN周波数双方のマルチプレクサ/デマルチプレクサ210、および、LANトラフィック(約1125MHzから約1525MHz(シングルチャネル))およびWANトラフィック(約975MHzから約1025MHz、8チャネル)それぞれのMoCA(Multimedia over Coax Alliance)のスイッチ212および214を含むことができる。さらに、ネットワークインターフェース206を採用して、ユーザのホームネットワークへの接続が可能であり、かつ、Wi−Fiインターフェース216、システムバス218、RJ−45LANインターフェース220、およびRJ−45WANインターフェース222を含むことができる。
【0029】
図1への参照を続けながら図3を参照すると、本原理に従うロギング方法の例示の実施形態が例示として描かれる。方法300は、選択的なステップ301にて開始可能であり、ここにおいて、ルータシステム121の1つまたは複数のモードのロギングパラメータを設定することができる。例えば、ルータシステムは、上述の「レベル1」のロギングを実装するロギングモード1を含むことができ、また、さらに上述の「レベル2」のロギングを実装するロギングモード2を含むことができる。モード1および2各々のそれぞれのロギングパラメータは、それぞれのロギング速度、最大書込み回数、およびロギングされる情報のタイプを含むことができる。ここで、ロギングパラメータは、ルータシステム201の初期化中にユーザによる設定または変更が可能であり、システム201のベンダまたは製造者による記憶媒体124内への事前の格納が可能であり、および/または、システム201のベンダまたは製造者によるシステム101からのネットワーク110を介したリモートでの設定または変更が可能である。
【0030】
ステップ302にて、システム221のコントローラ122は、モード1のロギングパラメータに従ってロギングを行うことができる。例えば、上記で触れたように、通常の動作中、コントローラ122は、モード1のロギングパラメータによって指定されるように、接続性に関する最少量の診断情報をロギングすることができ、該情報は記憶媒体124に格納可能であり、かつ、コントローラ122による参照が可能である。第1のモードに従ってロギング可能な指定情報は、最も最近のリブート時間、DHCP情報、および/または、PPPoE情報を含むことができる。
【0031】
加えて、コントローラ122は、モード1のロギングパラメータにより指定されるロギング速度に従って、診断情報をロギングすることが可能である。例えば、上記で示したように、動作の第1のモードにおいて、コントローラ122は、診断情報を記憶媒体124内にN1分ごとに1回ロギングまたは書込みするべく構成可能である。さらに、コントローラ122はまた、第1のモードのロギングパラメータにより指定される最大書込み回数によって制限されることが可能である。例えば、上記で示したように、ロギングパラメータは、最大ロギング値M1を指定可能であり、M1は、最後のブートアップ以降、コントローラ122が第1のモードでロギングする目的で行うことが可能な、最大書込み回数を示すことができる。
【0032】
ステップ304にて、コントローラ122は、ルータシステム121の動作上の問題を検出することができる。例えば、上記で示したように、コントローラ122は、フリーズまたは予期せぬリブートを検出することができ、該リブートはフリーズに対応してユーザが開始したものである可能性がある。あるいは、リブートは、プログラミングバグが原因でルータが行うものであってもよい。一例の実装によると、動作上の問題は、リブート間の時間を判定および査定することにより検出することができる。この時間が低い場合、例えば、1時間ごとである場合、これは明らかに問題であることを意味するものであり、モード2のロギングが開始される。同様に、WANの接続が一度に1時間以上維持されない場合、これもやはり問題であることを示し、モード2のロギングが起動される。
【0033】
ステップ306にて、コントローラ122は、ステップ304の動作上の問題の検出に応答してモード2のロギングパラメータを選択することができる。この選択は、上記で示したように、モード2のフラグを設定することにより実装可能である。モード1のロギングパラメータと同様に、モード2のロギングパラメータは、ロギング速度および/または最大書込み回数を指定することができ、これに従ってコントローラ122が診断情報のロギングを行う。例えば、上記で示したように、コントローラ122は、診断情報をN2分ごとに1回、記憶媒体124内にロギングまたは書込みするべく構成可能であり、および/または、最大ロギング値M2により制限可能であって、M2は、最後のブートアップ以降、コントローラ122が第2のモードでロギングする目的で行うことが可能な、最大書込み回数を示すことができる。さらに、モード2のロギング速度および最大書込み回数は、それぞれモード1のロギング速度および最大書込み回数より大きくすることができる。よって、コントローラ122は、モード2での動作時は、モード1に従ってロギングされる診断情報より多い量の診断情報をロギングすることができる。加えて、モード2のロギングパラメータは、モード1に従ってロギングされる診断情報に加えて、および/または、モード1に従ってロギングされる診断情報とは異なる、診断情報のロギングを指定することができる。例えば、上記で示したように、モード2の診断情報は、ファイアウォールログ、LAN DHCPトランザクション、インターフェース設定ログ、およびIGMPログの内の任意の1つまたは複数を含むことができる。さらに、モード1のロギングパラメータは、これらのタイプの情報の内の任意の1つまたは複数をロギングする指定を含まないようにすることができる。従って、コントローラ122は、モード1でロギングされる診断情報よりも包括的なモード2の診断情報をロギングすることが可能であり、コントローラ122が検出された動作上の問題の補修の判定をよりよく行うことができるようにする。
【0034】
ステップ308にて、コントローラ122は、ステップ306に関して上述したモード2のロギングパラメータに従って診断情報をロギングすることができる。例えば、コントローラ122は、モード2のロギングパラメータにより指定されるようなロギング速度および/または最大書込み回数に従って、診断情報をロギングすることができる。加えて、コントローラ122は、モード1に従ってロギングされる診断情報とは異なる、および/または、モード1に従ってロギングされる診断情報よりも包括的な、モード2に従った診断情報をロギングすることができる。
【0035】
ステップ310にて、コントローラ122は、ルータシステム121を補修することができ、かつ、モード1に従ってロギングされる診断情報、および/または、モード2に従ってロギングされる診断情報に基づき、ステップ304にて識別される動作上の問題に対処することができる。例えば、コントローラ122は、標準のデバッグまたはトラブルシューティングツールを採用して、補修ルーチンを判定してそのルーチンをルータシステム121に適用することができる。一例の実装において、コントローラ122は、MoCAログを調べて、同軸接続上にMoCAの不具合の原因となる干渉するシステムが存在するかどうかを判定することができる。ここで、コントローラ122は、そのようなシステムのシャットダウンを指示することができ、または、そのようなシステムをシャットダウンすべきことをユーザに通知することができる。別の例では、コントローラ122は、DCHPログを調べることにより、イーサネットケーブルがWANポートに誤ってインストールされたことを判定することができ、誤ったインストールをユーザに通知することができる。他の例示の態様によると、補修には、記憶媒体124に格納されるモード1および/またはモード2のロギングパラメータを変更することを含むことができる。例えば、補修には、ロギング速度(例えば、N1および/またはN2)、最大書込み回数(M1および/またはM2)、および、モード1および/またはモード2のロギングされる情報のタイプ、の内の任意の1つまたは複数を変更することを含むことができる。加えて、コントローラ122は、ステップ304で検出または識別された動作上の問題を含む、過去に検出された特定の動作上の問題の診断および補修を特定的に対象とする情報を取得するためのロギングパラメータを作成することができる。例えば、MoCAシステムが、モード1のログに従って適切に働いていないとする。モード2のログなら、MoCAシステムがどのように動作しているかについて、より多くのパラメータを記録することができる。例えば、モード2のログは、現在の信号対雑音、および、ノード間の最大ビットレートなどのMoCAの性能測定基準を含むことができる。しかし、モード2の任意のロギング速度および最大書込み回数が、モード1のロギング速度および最大書込み回数よりも大きくなければならないことは理解すべきである。
【0036】
ステップ312にて、コントローラ122は、補修の完了に応答して記憶媒体124に格納されるモード1のロギングパラメータを選択することができる。例えば、コントローラ122は、ステップ302で採用されたロギングパラメータに戻ることができ、または、ステップ310で変更されたモード1の任意のロギングパラメータを選択することができる。上記で示したように、この選択は、モード1のフラグを設定することにより実装可能である。
【0037】
ステップ314にて、コントローラ122は、ステップ312で選択されたモード1のロギングパラメータに従ってロギングを行うことができる。
【0038】
ここで、図1および3の参照を続けながら図4を参照すると、本原理に従う代替のロギング方法400の例示の実施形態が、例示として描かれる。理解すべきことは、方法400が、ルータシステム121により実行可能であり、かつ、本明細書において以下でさらに詳細に説明される方法500と同時実行可能であり、または、方法500を補間可能であることである。方法400は、選択的なステップ401にて開始可能であり、ここにおいて、ルータシステム121の1つまたは複数モードのロギングパラメータを設定することができる。例えば、ルータシステムは、上述のロギングモード1を含むことができ、またさらに、上述のロギングモード2を含むことができる。例えば、モード1および2各々のそれぞれのロギングパラメータは、それぞれのロギング速度、最大書込み回数、およびロギングされる情報のタイプを含むことができる。ここで、ロギングパラメータは、ルータシステム201の初期化中にコントローラ102によりリモートで設定または変更が可能であり、システム201のベンダまたは製造者による記憶媒体124内への事前の格納が可能であり、および/または、システム201のベンダまたは製造者によるシステム101からのネットワーク110を介したリモートでの設定または変更が可能である。
【0039】
ステップ402にて、コントローラ122は、モード1のロギングパラメータに従ってロギングを行うことができる。例えば、コントローラ122は、方法300のステップ302に関して上述したように、モード1のロギングパラメータに従って診断情報のロギングを行うことができる。
【0040】
ステップ404にて、コントローラ122は、ルータシステム121の動作上の問題を検出することができる。例えば、コントローラ122は、ステップ304に関して上述したように、動作上の問題を検出することができる。
【0041】
ステップ406にて、コントローラ122は、検出された動作上の問題の指標または識別をネットワーク110により技術サポートシステム101に送信するよう通信インターフェース126に指示することができる。
【0042】
ステップ408にて、コントローラ122は、通信インターフェース126を通してリモートで命令を受信し、ロギングモードをモード1からモード2に切替えることができる。命令は、ネットワーク110を介して技術サポートシステム101から受信可能である。ここで、技術サポートシステム101は、命令を送信して診断情報と見なされるべきロギングモードを切替えることができ、これがコントローラ122により技術サポートシステム101に送信されて、動作上の問題を解決するには不十分なモード1に従ってロギングされる。モード設定を技術サポートシステム101を通してリモートで制御することの1つの利点は、技術サポートシステム101を操作するベンダまたは製造者が、ルータシステム121がモード2に従ってロギングを行うインスタンスの回数を制限できることである。よって、技術サポートシステム101は、ルータシステム121が過剰な量の書込みを行うことを防ぐことができ、それにより、ルータシステムが確実に最小の耐用年数に達するようにする。技術サポートシステムは、ルータシステム121が診断情報のロギングを行うモードを監視して、ルータシステム121が初期化された以降にルータシステム121が行った書込みの回数を定期的に予測することができる。技術サポートシステム101は、予測を耐用年数モデルと比較することができ、ルータシステム121の判定された耐用年数の終了に近づくと、モード2のロギングの適用を最小限にすることができる。
【0043】
ステップ410にて、コントローラ122は、モード2のロギングパラメータに従って診断情報をロギングすることができる。例えば、コントローラ122は、ステップ308に関して上述したように、モード2のロギングパラメータに従って診断情報をロギングすることができる。
【0044】
ステップ412にて、コントローラ122は、ステップ410でモード2に従って生成されたログをネットワーク110を介して技術サポートシステム101に送信するように、通信インターフェース126に指示することができる。
【0045】
ステップ414にて、コントローラ122は、補修命令を、通信インターフェース126を通じてネットワーク110を介して技術サポートシステム101から受信することができる。補修命令は、ステップ310に関して上述した補修ルーチンの指標または識別を含むことができる。補修命令はまた、ステップ310に関して上述した、記憶媒体124に格納されるモード1および/またはモード2のロギングパラメータの変更についての指標または指定を含むこともできる。
【0046】
ステップ416にて、コントローラ122は、ステップ414でルータシステム121において受信された補修命令を実装することができる。例えば、コントローラ122は、ステップ310に関して上述した補修ルーチンを実行することができる。加えて、コントローラは、ステップ414で受信した命令で指し示されるかまたは指定されるロギングパラメータの任意の変更を行うことができる。コントローラ122と技術サポートシステム101との間の複数の通信が、補修を実装すること、および、ステップ404で識別された問題に対処することを求められるのに伴い、方法はステップ414および416を繰り返してループすることが可能であることに留意されたい。例えば、コントローラ122は、命令を実装することができ、かつ、実装の任意の結果を技術サポートシステム101に送信することができる。加えて、技術サポートシステム101は、その結果に基づき新しい補修命令を生成してルータシステム121に送信することができる。
【0047】
ステップ418にて、コントローラ122は、補修の完了に応答してモード1のロギングパラメータを選択することができる。例えば、上述のステップ312と同様に、コントローラ122は、ステップ402で採用されたロギングパラメータに戻ることができ、または、ステップ416で変更されたモード1の任意のロギングパラメータを選択することができる。上記で示したように、この選択は、モード1のフラグを設定することにより実装可能である。加えて、代替実施形態において、この選択は、技術サポートシステム101から受信した命令により指示することができる。
【0048】
ステップ420にて、コントローラ122は、ステップ418で選択されたモード1のロギングパラメータに従ってロギングを行うことができる。
【0049】
ここで図1、3および4への参照を続けながら図5を参照すると、本原理に従う、代替のロギング方法500の例示の実施形態が、例示として描かれる。理解すべきことは、方法500が、技術サポートシステム101により実行可能であり、かつ、上記で述べたように、方法400と同時に実行可能であり、または、方法400を補間可能であることである。
【0050】
方法500は、選択的なステップ501にて開始可能であり、コントローラ102は、例えば、ステップ401に関して上述したように、初期化中にルータシステム121のモード1および/またはモード2のロギングパラメータをリモートで設定可能である。
【0051】
ステップ502にて、コントローラ102は、通信インターフェース106を通じてネットワーク110を介してルータシステム121から動作上の問題の指標または識別を受信することができる。例えば、コントローラ102は、方法400のステップ406で送信された動作上の問題の指標または識別を受信することができる。
【0052】
ステップ504にて、コントローラ102は、ロギングモードをモード1からモード2に切替える命令をネットワーク110を介してルータシステム121にリモートで送信するよう通信インターフェース106に指示することができる。例えば、コントローラ102は、上述のステップ408に従ってルータシステム121が受信する命令の送信を指示することができる。ステップ408に関して上述したように、モード設定のリモート制御は、ルータシステム121が過量の書込みを行うことを防ぐことができ、かつ、ルータシステムが確実に最小の耐用年数に達するようにすることができる。さらに、技術サポートシステム101のコントローラ102は、ルータシステム121が診断情報のロギングを行うモードを監視して、ルータシステム121が初期化された以降にルータシステム121が行った書込みの回数を定期的に予測することができる。さらに、コントローラ102は、予測を記憶媒体104に格納された耐用年数モデルと比較することができ、ステップ408に関して上述したように、システム121におけるモード2のロギングの使用を最小限にして、ルータシステム121の耐用年数を延長させることができる。
【0053】
ステップ506にて、コントローラ102は、モード2に従って生成されたログをルータシステム121から通信インターフェース106を通じてネットワーク110を介して受信することができる。例えば、コントローラ102は、ステップ412でルータシステム121によって送信されたログを受信することができる。
【0054】
ステップ508にて、コントローラ102は、モード1に従ってルータシステム121によりロギングされる診断情報、および/または、モード2に従ってルータシステム121によりロギングされる診断情報に基づき、ステップ502により識別または指し示される動作上の問題に対処する補修命令を判定するよう補修モジュール108に指示することができる。例えば、補修モジュール108は、標準のデバッグまたはトラブルシューティングツールを採用して、方法300のステップ310に関して上述したように、補修ルーチンを判定することができる。他の例示の態様によると、コントローラ102は、記憶媒体124に格納されるモード1および/またはモード2のロギングパラメータを変更する命令を、補修命令に加えることができる。例えば、その変更は、ステップ310に関して上述したものと同じ変更とすることができる。ステップ310でロギングパラメータのカスタマイズに関して上記で示したように、コントローラ102は、過去に検出された特定の動作上の問題の診断および補修を特定的に対象とする情報を取得するためのロギングパラメータを作成することができる。そのような問題は、ステップ502で識別または指し示された問題を含むことができる。
【0055】
ステップ510にて、コントローラ102は、補修命令をルータシステム121にリモートで送信するよう通信インターフェース106に指示することができる。ステップ414および416に関して上述したように、方法500は、コントローラ101とルータシステム121との間の複数の通信が、補修を実装すること、および、ステップ502で識別された問題に対処することを求められるのに伴い、ステップ508および510を繰り返してループすることができる。
【0056】
選択的なステップ512にて、コントローラ102は、補修の完了に応答してモード1に従ってロギングを行う命令を、ネットワーク110を介してルータシステム121にリモートで送信するよう通信インターフェース106に指示することができる。あるいは、ルータシステム121は、補修の完了に応答して、コントローラ102からの指示無しで自動的に、ステップ418を実行するべく構成可能である。
【0057】
上述したように、本明細書に記載される本原理の態様により、いくつかの利点および利益が提供される。特に、コンピュータ機器の特定の動作上の特性に対して作成される異なるロギングモードを使用することで、ログを生成させる書込みを減少させ、それにより、機器の耐用年数を延長させることができる。さらに、機器のベンダまたは製造者がロギングモードをリモート設定することで、確実に、強化ロギングモードの使用を制限し、かつ、機器を最少耐用年数仕様に合わせることができる。
【0058】
診断情報をロギングするためのシステム、方法、および装置についての好適な実施形態が記載されたが(例示することが意図されるのであり、制限することが意図されるのではない)、当業者により上記の教示に照らして修正および変更を成すことが可能であることに留意されたい。従って、理解すべきことは、開示される本発明の特定の実施形態において変更が可能であり、その変更が添付の付記により概説されるような発明の範囲内にあることである。前述の内容が本発明の種々の実施形態を対象とする一方、本発明の他のさらなる実施形態をその基本的な範囲から逸脱することなく考案することが可能である。
本発明は以下の態様を含む。
(付記1)
第1のロギング速度を有する第1のモードに従って、ルータにおいて第1の診断情報をロギングするステップと、
前記ルータの動作上の問題を検出するステップと、
前記動作上の問題の検出に応答して、第2の診断情報を第2のモードに従ってロギングするステップであって、前記第2のモードの第2のロギング速度は前記第1のモードの第1のロギング速度より大きい、ステップと、
を含む、方法。
(付記2)
前記動作上の問題は、前記ルータのフリーズ、または、前記フリーズに応答して実行されるリブートの内の少なくとも1つである、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記第2の診断情報は前記第1の診断情報とは異なる、付記1に記載の方法。
(付記4)
前記第2の診断情報は、ファイアウォールログ、LAN(ローカルエリアネットワーク)DHCP(ダイナミックコンフィギュレーションプロトコル)トランザクション、インターフェース設定ログ、または、IGMP(インターネットゲートウェイ管理プロトコル)ログ、の内の少なくとも1つを含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記第1の診断情報は、ファイアウォールログ、LAN DHCPトランザクション、インターフェース設定ログ、またはIGMPログの内の少なくとも1つを含まない、付記4に記載の方法。
(付記6)
前記ロギングされた第2の診断情報に基づき前記動作上の問題を補修するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
(付記7)
前記補修するステップは、前記ロギングされた第2の診断情報に基づき前記第1のロギング速度または前記第2のロギング速度の内の少なくとも1つを変更するステップをさらに含む、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記第1のモードは、前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記補修するステップは、前記ロギングされた第2の診断情報に基づき、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数の内の少なくとも1つを変更するステップをさらに含む、付記6に記載の方法。
(付記9)
第1のモードに従ってルータにおいて第1の診断情報をロギングするように、かつ、前記ルータ内の動作上の問題を検出するように構成されるコントローラと、
前記動作上の問題の指標を送信するように、かつ、第2のモードに従って前記ルータにおいて第2の診断情報をロギングする命令をリモートで受信するように構成される通信インターフェースと、
を備え、
前記コントローラは、前記命令の受信に応答して前記第2のモードに従って前記第2の診断情報をロギングするように構成され、前記第2の診断情報が前記第1の診断情報よりも多量のデータから成る、装置。
(付記10)
前記コントローラは、前記第1のモードに従って前記第1の診断情報をロギングするロギング速度よりも大きいロギング速度で、前記第2のモードに従って前記第2の診断情報をロギングするようにさらに構成される、付記9に記載の装置。
(付記11)
前記コントローラは、前記第2の診断情報を送信することを前記通信インターフェースに指示するようにさらに構成され、前記コントローラは、前記通信インターフェースを介してリモートで受信された補修命令に従って前記ルータを補修するようにさらに構成される、付記9に記載の装置。
(付記12)
前記コントローラは、前記補修命令に基づいて、前記第2の診断情報が前記第2のモードに従ってロギングされるロギング速度、または、前記第1の診断情報が前記第1のモードに従ってロギングされるロギング速度の内の少なくとも1つを変更するようにさらに構成される、付記11に記載の装置。
(付記13)
前記第1のモードは、前記コントローラによる前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記コントローラによる前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記コントローラは、前記補修命令に基づき、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数の内の少なくとも1つを変更するようにさらに構成される、付記11に記載の装置。
(付記14)
前記第2の診断情報は前記第1の診断情報とは異なり、前記動作上の問題が、前記ルータのフリーズ、または、前記フリーズに応答して実行されるリブートの内の少なくとも1つである、付記9に記載の装置。
(付記15)
ルータにおける動作上の問題の指標をリモートで受信するように構成される通信インターフェースと、
ロギングモードを第1のモードから第2のモードに切り替えることを前記ルータに指示する命令を、前記ルータに送信することを前記通信インターフェースに指示するように構成されるコントローラと、を備え、
第1の診断情報が、前記第1のモードに従って前記ルータにおいてロギングされ、第2の診断情報が、前記第2のモードに従って前記ルータにおいてロギングされ、前記第2の診断情報は、前記第1の診断情報よりも多量のデータから成る、システム。
(付記16)
前記第2の診断情報は、前記第1の診断情報が前記第1のモードに従って前記ルータにおいてロギングされるロギング速度よりも大きいロギング速度で、前記第2のモードに従って前記ルータにおいてロギングされる、付記15に記載のシステム。
(付記17)
前記通信インターフェースは、前記第2の診断情報を前記ルータからリモートで受信するように構成され、
前記システムは、前記第2の診断情報に基づき補修命令を判定するように、かつ、前記補修命令を前記ルータにリモートで送信することを前記通信インターフェースに指示するように構成される補修モジュールをさらに備える、付記15に記載のシステム。
(付記18)
前記コントローラは、前記第2の診断情報に基づき、前記第2の診断情報が前記第2のモードに従ってロギングされるロギング速度、または、前記第1の診断情報が前記第1のモードに従ってロギングされるロギング速度の内の少なくとも1つを変更することを前記ルータに指示する命令を、前記補修命令に加えるようにさらに構成される、付記17に記載のシステム。
(付記19)
前記第1のモードは、前記第1の診断情報のロギングを制限する第1の最大書込み回数を含み、前記第2のモードは、前記第2の診断情報のロギングを制限する第2の最大書込み回数を含み、前記コントローラは、前記第2の診断情報に基づき、前記第1の最大書込み回数または前記第2の最大書込み回数の内の少なくとも1つを変更することを前記ルータに指示する命令を、前記補修命令に加えるようにさらに構成される、付記17に記載のシステム。
(付記20)
前記第2の診断情報が、前記第1の診断情報とは異なり、前記動作上の問題が、前記ルータのフリーズ、または、前記フリーズに応答して実行されるリブートの内の少なくとも1つである、付記15に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5