(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969582
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット
(51)【国際特許分類】
B26F 1/38 20060101AFI20160804BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20160804BHJP
B26F 1/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
B26F1/38 A
B26F1/44 Z
B26F1/00 A
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-247077(P2014-247077)
(22)【出願日】2014年12月5日
(62)【分割の表示】特願2012-512484(P2012-512484)の分割
【原出願日】2010年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-71223(P2015-71223A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2014年12月15日
(31)【優先権主張番号】BO2009A000335
(32)【優先日】2009年5月25日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515047482
【氏名又は名称】イ.エンメ.ア. ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ ベッティ
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−188697(JP,A)
【文献】
特開2001−105395(JP,A)
【文献】
特表平06−506398(JP,A)
【文献】
特開平08−052696(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0020270(US,A1)
【文献】
特開2008−200805(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/021224(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/00
B26F 1/38
B26F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料用の、ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット(1)であって:
第1シャフト(2a)を有し、第1軸線(X2)を形成するとともに、少なくとも一つの突出する圧縮・切込み・切断輪郭形状部(3)を備えるモータ駆動ローラ(2)であって、前記第1軸線(X2)を中心にして回転するようにされたモータ駆動ローラ(2)と;
第2シャフト(4a)を有し、前記第1軸線(X2)に平行な第2軸線(X4)を形成する被駆動逆転ローラ(4)であって、前記第2のシャフト(4a)はその第1端に隣接する第1端部と、その反対側の第2端に隣接する第2端部とを有しており、該被駆動逆転ローラ(4)は、少なくとも一つの当接する逆輪郭形状部(5)を備えるとともに、前記第2シャフト(4a)が回転されると、前記第2軸線(X4)を中心にして回転駆動される、逆輪郭形状部(5)を含む被駆動逆転ローラ(4)と;
前記モータ駆動ローラ(2)と前記逆転ローラ(4)との間で、運動を同期した様態で直接に伝達するとともに、前記第2シャフト(4a)及び前記逆輪郭形状部(5)を含む前記逆転ローラ(4)を前記第2軸線(X4)を中心にして回転させる運動学的手段(6)であって、前記ローラ(2)を支持する前記第1シャフト(2a)に及び前記逆転ローラ(4)を支持する前記第2シャフト(4a)に接続されている運動学的手段(6)と;を具備しており、前記第2シャフト(4a)が回転されたとき、前記逆輪郭形状部(5)が前記第2シャフト(4a)とともに回転するように前記逆輪郭形状部(5)と前記第2シャフト(4a)が係合されており、
該ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット(1)は、さらに、
前記逆転ローラ(4)に結合された第1及び第2のスラスト要素(20)であって、前記ローラ(2)に結合された支持要素(21)に接触するようにされた第1及び第2のスラスト要素(20)と;
前記スラスト要素(20)を押して前記支持要素(21)に接触させるようにされた第1及び第2のプッシャ要素(7)であって、前記第2シャフト(4a)の前記第1端部及び前記第2端部をそれぞれ押して前記第2シャフト(4a)を前記第1シャフト(2a)の方へ相応に押しやるように働く第1及び第2のプッシャ要素(7)と;を具備しており、
前記第1シャフト(2a)と前記第2シャフト(4a)との間に配置された少なくとも第1の回転要素(10,11)であって、前記逆転ローラ(4)の回転が直接伝達の前記運動学的手段(6)によってのみ駆動されることを可能にするようにされた回転要素(10,11)をさらに具備しており、前記第2シャフト(4a)の前記第1端部及び前記第2端部の各々が、少なくとも二つの異なる軸方向部分を有しており、前記第1のプッシャ要素(7)及び前記第1のスラスト要素(20)が、前記第2シャフト(4a)の前記第1端部の異なる軸方向部分に配置されるか又は向けられており、及び前記第2のプッシャ要素(7)及び前記第2のスラスト要素(20)が、前記第2シャフト(4a)の前記第2端部の異なる軸方向部分に配置されるか又は向けられていることを特徴とする、ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット(1)。
【請求項2】
前記第1の回転要素(10,11)が、前記逆転ローラ(4)の前記第2シャフト(4a)上に配置されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記スラスト要素(20)が、前記第1の回転要素(10,11)に結合された少なくとも一つのスラストリング(8,9)を具備する、請求項1に記載のユニット。
【請求項4】
前記少なくとも一つのスラストリング(8,9)の各々が、前記逆転ローラ(4)に対して自由に回転するとともに、前記逆転ローラ(4)が前記運動学的手段(6)を用いて前記ローラ(2)によって駆動されるように、前記少なくとも一つのスラストリング(8,9)の各々が、前記第1の回転要素(10,11)の外側部分(10a,11a)と前記支持要素(21)との間に配置されて前記外側部分(10a,11a)と前記支持要素(21)に回転可能に接触する、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記第1の回転要素(10,11)が、その内側部分(10b,11b)において、前記逆転ローラ(4)の前記第2シャフト(4a)に結合されており、即ち前記第1の回転要素(10,11)の前記内側部分(10b,11b)が前記逆転ローラ(4)に一体である、請求項3に記載のユニット。
【請求項6】
前記スラスト要素(20)及び前記支持要素(21)において前記ローラ(2)が回転トルクを逆転ローラ(4)に伝達しないように、前記第1の回転要素が、前記ローラ(2)と前記逆転ローラ(4)との間に配置された転がり軸受(10,11)を具備する、請求項1に記載のユニット。
【請求項7】
前記少なくとも一つのスラストリング(8,9)の各々が金属から作られている、請求項3に記載のユニット。
【請求項8】
二つの回転要素であって、各々が転がり軸受(10,11)を具備する二つの回転要素を具備し、前記二つの回転要素が前記逆転ローラ(4)のそれぞれの端部に配置されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項9】
前記逆転ローラ(4)のそれぞれの端部に配置されたそれぞれの転がり軸受(10,11)に取付けられた少なくとも二つのスラストリング(8,9)であって、前記ローラ(2)の少なくとも二つの支持要素(21)にわずかに接触する少なくとも二つのスラストリング(8,9)を具備する、請求項3に記載のユニット。
【請求項10】
前記包装材料が、浸出製品を含むフィルタ紙の複数の紙匹からなる、請求項1に記載のユニット。
【請求項11】
各々のプッシャ要素(7)がシュー(14)を押し、前記シュー(14)の内側に、前記逆転ローラ(4)の回転を可能にする軸受け(15)がある、請求項1に記載のユニット。
【請求項12】
前記第1及び第2のプッシャ要素(7)は、それぞれ、前記第2シャフト(4a)の前記第1および第2端部に隣接して取り付けられている、請求項1に記載のユニット。
【請求項13】
前記第2シャフト(4a)は、前記第1シャフト(2a)と前記プッシャ要素(7)との間に位置決めされている、請求項12に記載のユニット。
【請求項14】
各々のプッシャ要素(7)は、ネジ(7a)を具備しており、前記ネジ(7a)は、前記シュー(14)を押すために締め付けられることができるように結合されている、請求項11に記載のユニット。
【請求項15】
第2の回転要素(10,11)を更に具備する請求項1に記載のユニットであって、前記第2シャフト(4a)の前記第1及び第2端部の各々は内側端部と外側端部とを有しており、前記第1及び第2のプッシャ要素(7)の各々は、前記外側端部のそれぞれの一つを押すように配置されており、前記第1及び第2の回転要素(10,11)の各々は、前記内側端部のそれぞれの一つに配置されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項16】
前記第1のプッシャ要素(7)は、前記第1のスラスト要素(20)よりも末端に配置されており、前記第2のプッシャ要素(7)は、前記第2のスラスト要素(20)よりも末端に配置されている、請求項1に記載のユニット。
【請求項17】
各々のプッシャ要素は、長手方向寸法を有するとともに、本体部から延びる第1端部を有しており、各々のプッシャ要素(7)の前記第1端部と前記本体部は前記長手方向寸法を横切る幅を有しており、前記第1端部の幅は前記本体部の幅よりも小さく、各々のシュー(14)は、それぞれのプッシャ要素(7)の前記第1端部が係合するラジアル座を有する、請求項11に記載のユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に浸出製品を収容するポッド(pod)を作るための機械装置に用いられ得るローラ型の圧縮・切込み・切断ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述の機械装置では、ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット、つまり包装材料をそれぞれ圧縮する、又は切り込む、又は切断するようにされたローラ型のプレッサー又はナイフを具備するステーションがしばしば用いられる。
【0003】
例えば、前記ユニットは、所定分量の製品を収容する閉鎖された一連のポッドを有する連続したフィルタ紙の複数の紙匹が、二つの回転ローラの間を通過するときに切断されることを可能にする。前記二つの回転ローラは、ポッドの所望の形状を実質的に複写したそれぞれの輪郭形状部を有する。
【0004】
これらのユニットは:
事実上のカッター即ちナイフを形成するそれぞれの刃を備える一つ(以上)の突出する輪郭形状部を備えるモータ駆動ローラと;
前記ローラに平行な軸線を有する被駆動逆転ローラであって、一つ(以上)の当接する逆輪郭形状部を備える被駆動逆転ローラと;
モータ駆動ローラと被駆動逆転ローラとの間で運動を直接に伝達する、典型的には歯車である運動学的手段と;
作業圧力をフィルタ紙の紙匹に加えるように、ローラと逆転ローラとの間の較正された接触を可能にするために逆転ローラに作用する調節式のプッシャ要素と;を具備する。
【0005】
基本的には、ローラ及び逆転ローラは、それらの回転軸線が平行であって、それらが反対方向に回転するように歯車直接伝達システムによって同期した様態で回転するように作られている。
【0006】
逆転ローラは、(正確に調節できるスラスト値で)ローラとの接触にもちこまれて作業圧力を加える。
【0007】
スラスト調節は、必須であって、輪郭形状部の刃の早すぎる摩耗を回避するために極めて正確でなければならない。その問題は、力を均分するための正確なゾーンなしでは、逆転ローラが接触するローラの表面に対する逆転ローラのスラストに起因して集中力が生み出され、前記集中力はサイズに差があり、また特に切込み・切断輪郭形状部において前記集中力はローラと逆転ローラとの間の接触母線に沿って分布するので、発生する。
【0008】
刃に対する過大な荷重を避けるために、ローラ及び逆転ローラの端部に、スラスト要素及び支持要素(例えばスラストリング及び支持リング)が、それぞれのローラ及び逆転ローラに一体にそれぞれ作られ、またローラに対する逆転ローラのスラストの大部分が均分され得る正確な接触点を形成するようにされており、その結果、作業接触ゾーンに対する荷重を軽減し、スラスト要素及び支持要素はこのように最適な様態で作動する。
【0009】
作業圧力は、スラストリング及び支持リングが互いとの接触にもちこまれたとき、前記輪郭形状部が逆転ローラとの接触の際に弾性変形して作業圧力を生み出すように突出する輪郭形状部を作ることによって通常は得られる。
【0010】
しかしながら、この切断ユニットは、ローラ及び逆転ローラに位置決めされたこれら二種のリングの正確な存在及び構造に起因する欠点を有する。
【0011】
この構成によると、ローラと逆転ローラとの間で運動の二重の伝達、即ち一つは上述された運動学的手段により、一つは摩擦車のように作用するスラストリングと支持リングによる二重の伝達が存在することが注目された。後者は、加工誤差(直径の許容誤差、偏芯、その他)に起因して、運動学的手段に属する歯車のピッチ円の対応する直径に正確に等しくすることはできず、スラストリングと支持リングとの間の接触線においてかじりが発生する。
【0012】
二つのローラの表面速度のこの差が、直接の結果として、応力と摩擦を生み出し、前記応力と摩擦は、歯車伝達システムにとって不要でありまた有害であり、歯に対する摩耗又は損傷を増す可能性を有する。
【0013】
加えて、この問題は、加工の不正確さ又は許容誤差によって生じるローラの直径とスラストリングの直径との間の起こり得る小さな差に起因して、組み立てられたばかりの新しいユニットに対しても生じ得ることが注目されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2005/021224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、ローラ型の切込み・切断ユニットを提供することによってこれらの欠点を克服することであり、前記ローラ型の切込み・切断ユニットは、ローラと逆転ローラとの間の正確なスラストを可能にして、ローラの構造アーキテクチャと、前記ローラ間での同期した様態の正確で信頼度の高い運動の伝達とをほぼ不変のままで維持するように構築されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、本発明は、添付された一つ以上の請求項に記載された技術的特徴を備えるローラ型の圧縮・切込み・切断ユニットによって前記目的を達成する。
【0017】
本発明によるローラ型の圧縮・切込み・切断ユニットは、例えば浸出製品を含むフィルタ紙の複数の紙匹のような包装材料の切断に有利に適用される。
【0018】
本発明の技術的特徴は、上述の目的を参照して、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、またその利点は、非限定的で好適な実施形態を図解する添付図面を参照して以下に続く詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明によるローラ型の切込み・切断ユニットの正面図であって、一部の部品が他のものより良好に示されるように断面で示されている正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して説明すると、全体として符号1で付番された本発明によるローラ型ユニットは、連続するフィルタ紙の複数の紙匹の切込み又は切断に用いられる。
【0021】
これらの紙匹(添付図面には示されない)上に一連の閉じたポッドが形成されており、その各々は浸出製品の一定量を収容している。
【0022】
添付図面が示すように、ローラ型切込み・切断ユニット1は:
一以上の並んで配置された(例えば添付図では二つが視認される)圧縮・切込み・切断輪郭形状部3(この場合には長円形である)であって、それらから突出するそれぞれの刃を有する一以上の圧縮・切込み・切断輪郭形状部3を備える、第1軸線X2を形成するモータ駆動ローラ2と;
第2シャフト4aに装着された被駆動逆転ローラ4であって、一以上の(例えば添付図では二つが視認される)それぞれの当接する逆輪郭形状部5を備え、モータ駆動ローラ2の軸線X2に平行な軸線X4を形成する逆転ローラ4と;
モータ駆動ローラ2と逆転ローラ4との間で、同期した様態で運動を直接に伝達する運動学的手段6であって、ローラ2を支持する第1シャフト2a及び逆転ローラ4を支持する第2シャフト4aに接続されている運動学的手段6と;
逆転ローラ4の両端部に結合されているスラスト要素20であって、ローラ2の両端部に結合されている支持要素21に接触するようにされたスラスト要素20と;
スラスト要素20を押して支持要素21に接触させるようにされた、有利には調節式のプッシャ要素7と;
ローラ2と逆転ローラ4との間に配置された、有利には回転型の少なくとも一つの要素であって、
図1に示される実施形態では、実質的に同一の二つの回転要素10,11と;を基本的に具備する。
【0023】
モータ駆動ローラ2は、ブロックとして模式的に描かれた駆動ユニット6mによって第1軸線X2回りに回転するように作られている。第1シャフト2aは、駆動歯車6aを装着されており、前記駆動歯車6aは、逆転ローラ4のシャフト4aに取付けられた被動歯車6bと噛み合っている。
【0024】
プッシャ要素7は、逆転ローラ4の両端部において、第2シャフト4aの両端部に取付けられており、また締め付けられ及び緩められ得るように支持フレーム13に対して結合されている一対のネジ7aと、逆転ローラ4をローラ2に対して支持するための押しシュー14とを具備している。
【0025】
シュー14の内側に軸受15があり、それが逆転ローラ4の回転を可能にする。
【0026】
従って、ネジ7aを締め付けるか又は緩めることにより、ローラ2の方へ向かう半径方向のスラストが逆転ローラ4上に生み出されて、駆動歯車6aの歯部と被動歯車6bの歯部との間の遊びを利用する。
【0027】
有利には、
図1の実施形態では、スラスト要素20はスラストリング8,9を具備しており、前記スラストリング8,9は、逆転ローラ4のそれぞれの端部に位置決めされてそれぞれの回転要素10,11に取付けられており、従って支持要素21にわずかに触れており、前記支持要素21は、
図1の実施形態では、ローラ2と一体に形成された支持リング22,23として図示されている。
【0028】
図示されない代替の実施形態では、スラスト要素20は直接的に回転要素10,11であってよく、またスラストリング8,9は省略され得る。
【0029】
必要に応じて、スラストリング8,9はそれぞれの回転要素10,11をさらに固くするのに役立つ。
【0030】
図1に示されるスラストリングを備える実施形態では、各々の回転要素10,11はそれぞれのスラストリング8,9と逆転ローラ4との間に配置されている。これは、支持リング22,23と接触しているそれぞれのスラストリング8,9の回転が、逆転ローラ4の回転から切り離されることを可能にする。
【0031】
回転要素10,11の各々は、逆転ローラ4の第2シャフト4aに同軸に位置決めされている。
【0032】
位置決めの観点から、各スラストリング8,9は、それが、モータ駆動ローラ2によって駆動される逆転ローラ4に対して回転できるように、それぞれの回転要素10,11の外側部分10a、11aと支持リング22,23との間に配置されて回転接触する。
【0033】
さらに、回転要素10,11の内側部分10b,11bが第2シャフト4aに結合されている。
【0034】
回転要素10,11の内側部分10b,11bは第2ローラ4のシャフト4aと共に回転する。
【0035】
有利には、各々の回転要素は、それぞれのスラストリング8,9に接触する外輪と、第2シャフト4aに取付けられて拘束された内輪とを備える軸受10,11(この場合には、一例として玉軸受)を具備しており、逆転ローラ4の回転速度をスラストリング8,9の回転速度から独立して保つように、前記スラストリング8,9の回転はモータ駆動ローラ2の支持リング22,23によって摩擦によって駆動される。
【0036】
リング8,9は金属から有利に作られて、回転要素10,11により高い剛性を与えている。
【0037】
従って、逆転ローラとスラストリングとの間に配置された軸受の存在のおかげで、いわば「摩擦車伝達システム」が生み出される。
【0038】
実際に、前述の構成から導かれるシステムは、一つの駆動ユニット(モータ駆動ローラ2)及び二つの独立した被駆動ユニット、即ち逆転ローラ4と回転要素の外側部分10a、11a(又はもし存在するならスラストリング)とを提供し、前記逆転ローラ4の回転は運動学的な直接伝達手段によって駆動され、前記外側部分の回転はローラ2の支持リング22,23によって摩擦手段で駆動される。
【0039】
このようにデザインされたシステムは、モータ駆動ローラ2及び逆転ローラ4が一対の歯車のおかげで同期されることを可能にする一方で、回転要素の外側部分10a、11a(又はもし存在するならスラストリング8,9)は、それらの僅かな摩擦接触又は摩擦点のおかげでローラ2によって駆動されるが、それらの回転は逆転ローラ4の回転から独立している。換言すると、スラスト要素及び支持要素においてローラ2と逆転ローラ4との間に配置された軸受のおかげで、ローラ2は回転トルクを逆転ローラ4に伝達しない。
【0040】
それらが、逆転ローラ4の回転とは独立して回転できるので、回転要素の外側部分10a、11a(又はもし存在するならスラストリング8,9)及びローラ2は、それぞれの摩擦ゾーンのおかげで、それぞれの同一の表面速度で回転する。
【0041】
したがって、前述の作動状態は、スラスト要素と支持要素との間の潜在的な速度差が歯車伝達システムに影響を及ぼすことを防止する。
【0042】
さらに、回転要素(又はもし存在するならスラストリング)が、ほぼかじりの発生なしにローラを軸にして回転するので、回転要素(又はもし存在するならスラストリング)の外側部分に結び付いた摩耗がどんな場合でも極めて限定される。簡単に言えば、ローラ2によって回転要素に伝達される角度回転は、回転要素によって採用される任意の速度に関して、逆転ローラ4の回転に影響を及ぼさず、前記ローラ4は、第2シャフト4aに接続された歯車伝達システムによってだけ相変わらず駆動される。
【0043】
今説明された圧縮・切込み・切断ユニットは、発明概念の範囲から逸脱することなく幾つかのやり方で変更されてよい。
【0044】
例えば、運動学的直接伝達手段は、
図1を参照して説明された駆動歯車及び被動歯車ではない要素を具備してよい。例えば、伝達手段はベルトタイプの伝達手段、又は独立した駆動ユニットを備えるタイプの伝達手段であってよい。
【0045】
ローラと逆転ローラを接続する回転要素に関しては、示された玉軸受が、通常の又は与圧された、ホイール軸受、ころ軸受、及び/又は針状ころ軸受に置き換えられてよい。また、回転要素はブッシング又は他のスライド要素に置き換えられてもよい。
【0046】
さらに、代替の実施形態では、スラストリングは省略されることが可能であり、その結果回転要素がローラと直接的に接触する。外輪及び内輪を有する軸受又はホイールが用いられるなら、外輪はローラに直接に接触する一方で、内輪は逆転ローラ(又は逆転ローラを支持するシャフト)に結合されるだろう。
【0047】
代替の実施形態において、プッシャ要素が、弾性要素、又は空気圧もしくは油圧アクチュエータを具備してよい。
【0048】
本発明による切込み・切断ユニットは、一般的に包装及びラッピング製品用の紙、厚紙、及びプラスチック材料の圧縮、切込み、又は切断に有利に用いられ得る。
【符号の説明】
【0049】
1 ローラ型の圧縮・切込み・切断ユニット
2 モータ駆動ローラ
2a 第1シャフト
3 圧縮・切込み・切断輪郭形状部
4 被駆動逆転ローラ
4a 第2シャフト
5 逆輪郭形状部
6 運動学的手段
7 プッシャ要素
8 スラストリング
9 スラストリング
10 回転要素
11 回転要素
20 スラスト要素
21 支持要素
X2 第1軸線
X4 第2軸線