特許第5969592号(P5969592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5969592サブフレームの制御領域を調整して無線通信システムにおけるチャネル間の干渉を低減する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969592
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】サブフレームの制御領域を調整して無線通信システムにおけるチャネル間の干渉を低減する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20160804BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20160804BHJP
   H04W 52/24 20090101ALI20160804BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   H04W72/04 132
   H04W72/08
   H04W52/24
   H04J11/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-505157(P2014-505157)
(86)(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公表番号】特表2014-515230(P2014-515230A)
(43)【公表日】2014年6月26日
(86)【国際出願番号】US2012030675
(87)【国際公開番号】WO2012141882
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2013年10月29日
(31)【優先権主張番号】13/086,203
(32)【優先日】2011年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315005381
【氏名又は名称】グーグル テクノロジー ホールディングズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラブ、ロバート ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ニンバルカー、アジット
(72)【発明者】
【氏名】ノリー、ラビキラン
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート、ケネス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】クチボトラ、ラビ
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−511583(JP,A)
【文献】 特表2009−532965(JP,A)
【文献】 特開2009−218638(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/035171(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0329384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する互いに逆方向の第1及び第2のチャネルの少なくとも一方で伝送されるサブフレームの伝送帯域幅を構成する方法であって、
ユーザ装置とネットワーク装置との間でサブフレームを前記第1のチャネルで通信することであって、前記サブフレームは、複数のリソース・ブロックを含む第1の伝送帯域幅構成を有し、少なくとも1つのリソース・ブロックの少なくとも1つのリソース・エレメントは、制御領域として構成され、前記制御領域は、後続のサブフレームをスケジューリングする際に使用されるインジケータを含むことと;
前記後続のサブフレームにおいて副搬送波を割り当てるために使用される前記後続のサブフレーム向けの第2の伝送帯域幅構成の伝送帯域幅を、前記ユーザ装置が、前記インジケータから決定し、前記後続のサブフレームの前記第1の伝送帯域幅構成は前記第2の伝送帯域幅構成に調整され、それによって、前記後続のサブフレームにおいて引き起こされる前記第1及び第2のチャネル間の干渉の少なくとも一部を回避するように、前記第1のチャネルで伝送される前記後続のサブフレームの前記第2の伝送帯域幅構成と前記第2のチャネルで伝送されるサブフレームの伝送帯域幅構成との間に有効なガードバンドを生成することと;
前記第2の伝送帯域幅構成を使用して前記後続のサブフレームで通信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記サブフレームで通信することは、前記ユーザ装置において前記サブフレームを受信することを含み、
前記後続のサブフレームを通信することは、前記後続のサブフレームにおいて受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワーク装置と前記ユーザ装置との間で伝達される前記サブフレームの第1の伝送帯域幅構成において干渉が引き起こされることを判定することであって、前記干渉は、前記サブフレームにおいて前記ネットワーク装置と前記ユーザ装置との間で伝達される第2の伝送帯域幅構成に基づく通信によって引き起こされることと;
前記第1の伝送帯域幅構成の制御領域において少なくとも1つの副搬送波の電力レベルを調整して、前記第2の伝送帯域幅構成に基づく前記通信によって引き起こされる干渉を回避することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法はさらに、前記第2の伝送帯域幅構成の制御領域において少なくとも1つの副搬送波の電力レベルを調整して、前記第1の伝送帯域幅構成において、前記第2の伝送帯域幅構成によって引き起こされる前記干渉を回避することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記副搬送波のうち前記少なくとも1つは、前記第2の伝送帯域幅構成に近接する前記第1の伝送帯域幅構成の縁部にある、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
複数のサブフレームのうち少なくとも1つのサブフレームにおいてメッセージを受信することであって、前記複数のサブフレームはそれぞれ、前記第1の伝送帯域幅構成および前記第2の伝送帯域幅構成のうちの一方を有し、前記メッセージは、複数の後続サブフレームにおいて前記第1の伝送帯域幅構成および前記第2の伝送帯域幅構成のうち少なくとも一方における制御領域での伝送帯域幅を示すことと;
前記メッセージによって示された前記伝送帯域幅の前記制御領域を有する前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つを受信することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、前記複数の後続サブフレームにおける制御領域の帯域幅パターンを示し、
前記制御領域の帯域幅パターンは、複数の前記サブフレームのそれぞれにおける制御領域帯域幅を示すインジケータを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
隣接する互いに逆方向の第1及び第2のチャネルの少なくとも一方で伝送されるサブフレームの伝送帯域幅を構成するための装置であって、
前記第1のチャネルにおいて、第1の伝送帯域幅構成および第2の伝送帯域幅構成を使用するサブフレーム上のデータを送信するための送受信機であって、少なくとも前記第1の伝送帯域幅構成は、複数のリソース・ブロックを含み、少なくとも1つのリソース・ブロックのうち少なくとも1つのリソース・エレメントは、制御領域として構成されることと;
前記送受信機に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記第1の伝送帯域幅構成上のサブフレームの前記制御領域において送信されるインジケータを設定し、前記インジケータは、後続のサブフレームにおいて副搬送波を割り当てるのに使用される前記後続のサブフレーム向けの第2の伝送帯域幅構成を設定し、前記後続のサブフレームの前記第1の伝送帯域幅構成は前記第2の伝送帯域幅構成に調整され、それによって、前記後続のサブフレームにおいて引き起こされる前記第1及び第2のチャネル間の干渉の少なくとも一部を回避するように、前記第1のチャネルで伝送される前記後続のサブフレームの前記第2の伝送帯域幅構成と前記第2のチャネルで伝送されるサブフレームの伝送帯域幅構成との間に有効なガードバンドを生成することと
を備える、装置。
【請求項9】
隣接する互いに逆方向の第1及び第2のチャネルの少なくとも一方で伝送されるサブフレームの伝送帯域幅を構成するための装置であって、
前記第1のチャネルにおいて、第1の伝送帯域幅構成および第2の伝送帯域幅構成を使用するサブフレーム上のデータを受信するための送受信機であって、少なくとも前記第1の伝送帯域幅構成は、複数のリソース・ブロックを含み、少なくとも1つのリソース・ブロックのうち少なくとも1つのリソース・エレメントは、制御領域として構成されることと;
前記送受信機に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記第1の伝送帯域幅構成上のサブフレームの前記制御領域において受信されたインジケータを復号化し、前記インジケータは、後続のサブフレームにおいて副搬送波を受信するのに使用される前記後続のサブフレーム向けの第2の伝送帯域幅構成を設定し、前記後続のサブフレームの前記第1の伝送帯域幅構成は前記第2の伝送帯域幅構成に調整され、それによって、前記後続のサブフレームにおいて引き起こされる前記第1及び第2のチャネル間の干渉の少なくとも一部を回避するように、前記第1のチャネルで伝送される前記後続のサブフレームの前記第2の伝送帯域幅構成と前記第2のチャネルで伝送されるサブフレームの伝送帯域幅構成との間に有効なガードバンドを生成することと
を備える、装置。
【請求項10】
少なくとも前記第1の伝送帯域幅構成は、複数の副搬送波を含み、前記副搬送波のうち少なくとも1つは、制御領域において構成され、
前記プロセッサは、前記サブフレームの第1の伝送帯域幅構成上で、前記サブフレームの前記第2の伝送帯域幅構成によって干渉が引き起こされると判定し、前記第1の伝送帯域幅構成の前記制御領域における前記副搬送波のうち少なくとも1つの電力レベルを調整して、前記第2の伝送帯域幅構成に基づく通信によって引き起こされる前記干渉を回避するように構成される、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、無線通信に関し、より詳細には、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間のガードバンドすなわち分離領域として知られている周波数分離が比較的狭いときに、アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルで動作している受信機の感度低下を軽減することに関する。
【背景技術】
【0002】
ロング・ターム・エボリューションなど3Gおよび4Gの原理に基づく無線通信システムでは、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルはガードバンドによって分離されている。これらチャネルに配置された受信機への、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルでの伝送に起因する干渉が軽減されて、許容可能なレベルになるよう、または受信機動作が著しく劣化するのを回避するのに必要となるレベルを下回るよう、ガードバンドは十分に大きくなるように設計される(たとえば、>2×チャネル帯域幅)。あるチャネル上の受信機は、近くの送信機から別のチャネルへの時間と周波数における干渉電力がその干渉を排除する受信機の能力を超えると、感度が低下する。受信機は、受信機機能を損なわないよう十分低いレベルにある干渉を排除することができる。したがって、受信機は、制御信号およびパケット伝送を適切に復号化する能力を有する。キャリア・アグリゲーションを用いる場合、無線搬送波は、アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネル用に使用できる追加の周波数スペクトルにアクセスすることができる。アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルのいずれかとして追加の周波数スペクトルを使用することによって、ガードバンドを削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/262692号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この削減により、アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルにおいて信号を伝送している間に干渉が増大する可能性がある。少なくとも、地理的ならびにRFの位置および周波数に関して、同時に、かつ近くでまたは近接して、伝送用に使用されるアップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルに隣接した対応するチャネルで動作している受信機にアップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルでの伝送が発生する状況では、干渉により、隣接チャネルで動作しているユーザ装置およびネットワーク装置の受信機の感度が低下することがあり、その結果、制御チャネルまたは共用(データ)チャネルで信号を復号化することが困難である。割り当てられた既存の伝送帯域幅構成、および様々な無線アクセス技術向けのチャネルとして使用される追加構成のスペクトル効率を上げるために、感度低下を招く干渉を軽減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
同じ参照番号が、別々の図全体を通して同一または機能的に同様の要素を指し、以下の詳細な説明とともに、本明細書に組み込まれ、またその一部分を形成する添付図面は、様々な実施形態をさらに例示し、全て本発明による様々な原理および利点を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明のいくつかの実施形態に従って使用される無線通信システムの一例である。
図2】本発明のいくつかの実施形態に従って使用されるユーザ端末の概略ブロック図を示す。
図3】従来技術で知られている周波数分割2重通信のブロック図を示す。
図4A】感度低下が生じることのある送受信機のブロック図を示す。
図4B】本発明のいくつかの実施形態に従って使用される、感度低下が生じる可能性のある周波数分割2重通信のブロック図を示す。
図5】サブフレームをスケジューリングして、本発明のいくつかの実施形態に従って使用される伝送帯域幅構成での感度低下を軽減するフローチャートを示す。
図6】本発明のいくつかの実施形態に従って使用される伝送帯域幅構成でのブラインド復号化のフローチャートを示す。
図7】サブフレームをスケジューリングして、本発明のいくつかの実施形態に従って使用される伝送帯域幅構成での感度低下を軽減するフローチャートを示す。
図8】本発明のいくつかの実施形態に従って使用される2つの異なる伝送帯域幅構成上で伝送されるTDD搬送波のアップリンク/ダウンリンク構成のブロック図を示す。
図9】サブフレームをスケジューリングして、本発明のいくつかの実施形態に従って使用される伝送帯域幅構成での感度低下を軽減するフローチャートを示す。
図10】サブフレームをスケジューリングして、本発明のいくつかの実施形態に従って使用される伝送帯域幅構成での感度低下を軽減するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
各図における各要素は、説明を簡単かつ明瞭にするように例示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが当業者には理解されよう。たとえば、図における各要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態をよりよく理解する手助けとなるよう、他の要素に対して誇張されていることもある。
【0008】
本発明による実施形態を詳細に説明する前に、各実施形態が主に、無線通信ネットワークにおけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間での感度低下の軽減に関する、方法のステップおよび装置の構成要素の組合せにあることに留意されたい。したがって、装置の構成要素および方法のステップを、必要に応じて図面内で通常のシンボルによって示してきたが、これらの図面では、本明細書での説明の利益を享受する当業者には容易に明らかになる詳細な開示を曖昧にしないよう、本発明の各実施形態を理解するのに関連する特定の詳細のみを示している。
【0009】
この文書では、第1や第2など、頂部や底部などの関係語は、もっぱら、ある構成要素または動作を、別の構成要素または動作と区別するために使用してもよく、このような構成要素または動作の間の実際のこうしたいかなる関係または順序をも、必ずしも必要とするものではなく、また意味するものでもない。用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」またはそれらの他のいかなる変化形も、非排他的な包含を含むものであり、したがって、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない、またはこうしたプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有ではない他の要素を含んでもよい。「ある...を含む(comprises...a)」が先行する要素は、さらに制約を受けることなく、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置にさらなる同一要素が存在することを妨げるものではない。
【0010】
本明細書に記載の本発明の各実施形態は、1つまたは複数の従来のプロセッサを制御して、ある種の非プロセッサ回路とともに、本明細書に記載のアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間の感度低下を軽減するための各機能のうちのいくつか、そのほとんど、またはその全てを実施する、1つまたは複数の従来のプロセッサおよび独自の内蔵プログラム命令から構成されてもよいことが理解されよう。非プロセッサ回路には、無線受信機、無線送信機、信号ドライバ、クロック回路、電源回路、およびユーザ入力装置が含まれ得るが、それだけには限定されない。したがって、これらの機能は、感度低下を軽減するための方法のステップと解釈してもよい。あるいは、いくつかまたは全ての機能は、内蔵プログラム命令を含まないステートマシンによって、または、各機能もしくは複数機能のある部分のいくつかの組合せをカスタム論理回路として実施する、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実施することもできる。もちろん、2つの手法の組合せを使用することもできる。したがって、これらの機能のための方法および手段を本明細書に説明してきた。さらに、たとえば利用可能な時間、現在の技術、および経済問題などに動機づけられた、場合によると著しい努力ならびに多くの設計選択にもかかわらず、本明細書で開示される概念および原理によって導かれるとき、実験を最小限にして、こうしたソフトウェアの命令およびプログラム、ならびにICをもたらすことが、当業者には容易に実現可能になることが予想される。
【0011】
搬送波(またはチャネル)は、(たとえば、LTEでは1.4、3、5、10、15、または20MHz)のチャネル帯域幅、および、このチャネル帯域幅より狭い占有または割当てチャネル帯域幅(MHz)を有する。割当て可能なチャネル帯域幅は、LTEでのチャネル帯域幅の90%であり、残りの10%はガードバンド用に使用される。チャネル帯域幅は、システム帯域幅とも呼ばれる。割当て可能なチャネル帯域幅は、伝送帯域幅構成とも表され、LTEにおいてリソース・ブロック(RB)について与えられる所与のサブフレームでの利用可能(割当て可能)な周波数リソースについて与えられる。LTEリリース8では、伝送帯域幅が6、15、25、50、75、または100個のRBである、6つの異なる伝送帯域幅構成が存在する。割当て可能なリソースのセットを、1つまたは複数のUEにサブセットで割り当てることができる。LTEでは、各RBは12波の隣接した副搬送波からなり、時間的には、RBブロックのペア(同じ周波数、ただし互いに異なる隣接した時間(シンボル)間隔を占有する2つのリソース・ブロック)が1msのサブフレーム全体に及ぶ場合に使用されるサイクリック・プレフィックス長に応じてサブフレームの6つまたは7つのOFDMシンボルに及ぶ。用語「周波数スパン」は、「伝送帯域幅構成」の帯域幅または周波数範囲と同等であり、前に説明したとおり、「伝送帯域幅構成」の帯域幅は、伝送帯域幅と呼ぶこともできる。アップリンク・スケジューリング許可またはダウンリンク・スケジューリング割当て(ダウンリンク・スケジューリング許可とも呼ばれる)を介して伝送帯域幅構成リソースから取得して割り当てられるリソースのセットの周波数範囲(または帯域幅)は、「アクティブ伝送帯域幅」と表される。
【0012】
アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間のガードバンドが削減されることによって引き起こされる干渉問題および感度低下問題に取り組むために、周波数上でそのチャネルについて割当て可能なリソースを含む別個の帯域幅(伝送帯域幅と表される)を各伝送帯域幅構成が有する場合の、サブフレームにおける様々な伝送帯域幅構成のスケジューリングおよび受信に際して使用できる数多くの方法が開発されている。さらに、サブフレーム内の様々な伝送帯域幅構成についてスケジューリングされた差を判定または検出するための様々な方法が開発されている。スケジューリングの方法においては、ユーザ装置とネットワーク装置の間でサブフレームが伝達され、このサブフレームは第1の伝送帯域幅構成を有する。ダウンリンクについての伝送帯域幅構成は、サブフレームの第1のn個のOFDMシンボルから形成される制御領域、および、サブフレームの残りのOFDMシンボルによって形成される複数のリソース・ブロックを含む。別の実施形態では、伝送帯域幅構成は複数のリソース・ブロックを含み、各リソース・ブロックのうち少なくとも1つが、制御領域として構成される。
【0013】
一実施形態では、制御領域内での制御チャネルは、制御領域内の少なくとも1つのリソース・エレメントからなる。別の実施形態では、制御領域内の制御チャネルは、少なくとも1つのリソース・グループからなり、このグループは制御領域内のある数のリソース・エレメントからなる。制御領域は、後続のサブフレームをスケジューリングするのに使用されるインジケータを含む。この方法はまた、インジケータを使用して、後続のサブフレーム用の第2の伝送帯域幅構成を決定する。指示された第2の伝送帯域幅構成の周波数スパンとも呼ばれる伝送帯域幅は、割り当てることのできる副搬送波を後続のサブフレーム内に含む。後続のサブフレームでの通信は、第2の伝送帯域幅構成についてのインジケータからの伝送帯域幅を使用する。
【0014】
一実施形態では、この方法の通信することは、ユーザ装置が、制御領域内にインジケータを含むサブフレームにおいて受信し、インジケータが設定した伝送帯域幅を有する第2の伝送帯域幅構成を有する後続のサブフレームにおいて受信することを含む。後続のサブフレームが、1つまたは複数のリソース・エレメント(副搬送波)または後続のサブフレーム内の1組のリソース・エレメント・グループを抑制し、それにより、第2の伝送帯域幅構成における割当て可能なリソース・エレメント・グループおよび副搬送波の数を削減するよう、インジケータを構成することができる。抑制されたリソース・エレメント・グループの数は、サブフレームの制御領域内で見つかるアップリンク・リソース割当てから決定することができる。さらに、受信された制御領域は、サブフレーム内のアップリンク・リソース割当てを使用して1組の制御チャネル要素を決定することと、制御チャネル要素について制御領域を検出することとを含むことができる。
【0015】
様々な周波数スパンを検出する方法も開示される。この方法では、サブフレームがユーザ装置とネットワーク装置の間の無線通信の一部分である場合には、このサブフレームが受信される。制御領域において1つまたは複数の制御チャネルを形成する制御チャネル要素の第1のセットは、第1の伝送帯域幅構成の第1の伝送帯域幅を使用して監視される。制御領域において1つまたは複数の制御チャネルを形成する制御チャネル要素の第2のセットは、第2の伝送帯域幅構成における第2の伝送帯域幅を使用して監視される。制御チャネル要素の監視される第1の組または第2の組のうちの一方において、制御領域帯域幅が検出される。一実施形態では、制御チャネル要素の第1または第2のセットに基づく制御チャネル(たとえば、LTEでのパケット・ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Packet Downlink Control Channel))が検出される。別の実施形態では、制御チャネル要素の監視される第1のセットまたは第2のセットの一方において、伝送帯域幅構成(したがって、その伝送帯域幅)が検出される。制御候補の第1のセットまたは制御チャネル候補の第2のセットのうちの一方の検出された制御チャネル用に使用される伝送帯域幅から、サブフレーム伝送帯域幅が決定される。
【0016】
サブフレームでのシステム帯域幅を決定するための方法を開示する。この実施形態では、PDCCH候補第1のセット(すなわち、ユーザ装置に知られている制御領域での制御リソースの複数の既定のセットであって、PDCCHをユーザ装置に伝送するためにサービング・セルが各組を使用してもしなくてもよい)が、第1の制御領域帯域幅を想定するサブフレームにおいて監視され、PDCCH候補の第2のセットが、第2の制御領域帯域幅を想定するサブフレームにおいて監視される。PDCCH候補の第1のセットまたは第2のセットのいずれかにおけるPDCCHが検出される(すなわち、首尾よく復号化される)。このPDCCHが検出されるPDCCH候補のセットに基づいて、サブフレームでのシステム帯域幅が決定される。一実施形態では、このPDCCHが検出されるPDCCH候補のセットに基づいて、サブフレームでの制御領域のシステム帯域幅が決定される。別の実施形態では、このPDCCHが検出されるPDCCH候補のセットに基づいて、サブフレームについての伝送帯域幅構成が決定される。
【0017】
感度低下を回避するためのスケジューリングの他の方法を開示する。この方法は、ネットワーク装置が、サブフレームの第1の伝送帯域幅構成で発生する、ユーザ装置の受信機内での干渉を決定することを含む。干渉は、サブフレームでの第2の伝送帯域幅構成に基づく通信によって引き起こされることがある。この方法はまた、第1の伝送帯域幅構成における制御チャネルでの少なくとも1つの副搬送波の電力レベルを低減して、第2の伝送帯域幅構成に基づく通信によって引き起こされる干渉を回避することなど、調整することを含む。一実施形態では、干渉は後続のサブフレームにおいて発生することになるという判定がサブフレームにおいてなされる。さらに、この方法は、サブフレームにおける第2の伝送帯域幅構成の制御領域での少なくとも1つの副搬送波の電力レベルを調整することを含むことができる。
【0018】
感度低下を回避するためのスケジューリングのさらに別の方法を開示する。この方法は、第1のタイプの無線アクセス技術を使用して、ユーザ装置とネットワーク装置の間の無線通信の一部分として、第1のサブフレームでの第1の制御チャネルまたは制御領域を受信することを含む。第1の制御チャネルまたは制御領域、およびサブフレームは、第1の伝送帯域幅構成を有し、この制御チャネルまたは制御領域は、第2のタイプの無線アクセス技術を使用する、第2のサブフレームにおけるスケジューリング・リソースについての許可を含む。この方法はまた、第2のタイプの無線アクセス技術を使用して、ユーザ装置とネットワーク装置の間で伝送される第2のサブフレームでの第2の制御チャネルまたは制御領域を受信することを含み、サブフレームでの第2の制御チャネルまたは制御領域は、第1の伝送帯域幅構成での許可に従って構成される第2の周波数スパンを有する。
【0019】
一実施形態では、第1の無線アクセス技術を使用する第1の周波数スパンの制御領域内のインジケータを使用して、第2の無線アクセス技術を使用する第2の伝送帯域幅構成の伝送帯域幅を含むパラメータを調整する。別の実施形態では、第1の無線アクセス技術を使用する第1の周波数スパンの制御チャネルまたは制御領域内のインジケータを使用して、第2の無線アクセス技術の第2の伝送帯域幅構成の選択を含むパラメータを調整する。別の実施形態では、第1のタイプの無線アクセス技術を使用して第1のサブフレーム内の第2の制御チャネルを受信することであって、第2の制御チャネルは、第1のタイプの無線アクセス技術を使用して第1のサブフレーム内のスケジューリング・リソースについての第2のスケジューリング許可を含むこと。一実施形態では、第2のサブフレーム内の第3の制御チャネルを受信することであって、第3の制御チャネルがスケジューリング許可に従って構成されること。
【0020】
さらに別の方法を開示する。この方法では、メッセージが受信され、このメッセージは、一連のサブフレームについての制御領域帯域幅パターンを指示する。次いで、受信した信号に基づいて、一連のサブフレームにおいて制御信号が受信され、少なくとも2つのサブフレームの制御領域帯域幅が互いに異なる。
【0021】
図1では、マルチキャリアの無線通信システム100が、時間スパンおよび/または周波数スパンにおいてユーザ装置にサービス提供するための、地理的領域にまたがって分散されたネットワークを形成するベース・インフラストラクチャ・ユニットなど、1つまたは複数の固定ネットワーク装置を備える。ネットワーク装置110は、アクセス・ポイント、アクセス端末、ベース、基地局、ノードB、eNode−B、中継ノード、インフラストラクチャ・ノードと呼んでもよく、または当技術分野で使用される他の専門用語で呼んでもよい。1つまたは複数のベース・ユニットがそれぞれ、ユーザ装置102からのアップリンク伝送112を受信するための1つまたは複数の受信機と、ユーザ装置102へのダウンリンク伝送114を送信するための1つまたは複数の送信機とを備える。議論している送信機と受信機は、まとめて送受信機として把握することもできる。ベース・ユニットは一般に、既知のまた標準化された無線アクセス技術のうちの1つに従って動作する、無線アクセス・ネットワークの一部分である。ネットワークは、1つまたは複数の対応するベース・ユニットに通信可能なように結合された、1つまたは複数のコントローラ120を備える。無線アクセス・ネットワークは一般に、1つまたは複数の基幹ネットワーク130、140に通信可能なように結合されており、この基幹ネットワークは、ネットワークの中でとりわけインターネットおよび公衆交換電話網のような他のネットワーク130に結合してもよい。アクセス・ネットワークおよび基幹ネットワークの上記その他の要素は図示していないが、一般に当業者にはよく知られている。コントローラ120および他のネットワーク・ノード(図示せず)は、制御の規格および要求条件に従ってシステム100が動作し実行するために必要な構成要素を提供する。
【0022】
図1では、1つまたは複数のベース・ユニット110が、対応するサービスエリア内、たとえば無線通信リンクを介したセルまたはセル・セクタ内で、複数のユーザ装置または遠隔ユニット102にサービス提供する。ユーザ装置は、固定ユニットでも移動端末でもよい。ユーザ装置または遠隔ユニットは、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、加入者設備、ユーザ端末、中継器と呼んでもよく、または当技術分野で使用される他の専門用語で呼んでもよい。ユーザ装置は、1つまたは複数の送信機、および、1つまたは複数の受信機も備える。図1では、ネットワーク装置110が、ダウンリンク通信信号を送信して、ダウンリンク・チャネル114上の時間領域および/または周波数領域および/または空間領域および/または符号領域において、遠隔ユニット102にサービス提供する。遠隔ユニット102は、アップリンク・チャネル112上のアップリンク通信信号を介して、ベース・ユニット110と直接通信する。場合によっては、遠隔ユニットは、中間の中継ノードを介して、ベース・ユニットと間接的に通信してもよい。
【0023】
一実装形態では、無線通信システムは、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA:High−Speed Downlink Packet Access)、3GPPユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、および広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)を含む3G高速パケット・アクセス(HSPA:High−Speed Packet Access)プロトコルに準拠しており、これらは通常、符号分割多元接続技術に基づいている。あるいは、無線通信は、EUTRAすなわちリリース8(Rel−8)3GPP LTE、リリース10LTE、またはそれ以降の世代とも呼ばれるLTEプロトコルに準拠してもよく、ベース・ユニットは、直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)変調方式を使用してダウンリンク・チャネル上で送信し、ユーザ端末は、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA:single carrier frequency division multiple access)方式、または離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT−SOFDM:discrete Fourier Translform spread OFDM)を使用してアップリンク・チャネル上で送信する。しかし、より一般には、無線通信システムは、他の何らかのオープンな、または知的所有権下にある通信プロトコル、たとえば、数あるプロトコルの中でIEEE802.16eまたはIEEE802.16m規格に基づくWiMAXを実装してもよい。この開示は、いかなる特定の無線通信システムのアーキテクチャまたはプロトコルの実装をも限定するものではない。
【0024】
図2では、UE200は、システム・バス(図示せず)を介して、メモリ220、送受信機230、およびユーザ・インターフェース(UI)240に通信可能なように結合されたコントローラ/プロセッサ210を備える。同様の構成部品が、ネットワーク装置110の一部分として使用される。UEは、たとえば、3GPP LTE Rel−8、Rel−10、または上記それ以降の世代のプロトコルを動作させる、無線通信システムのプロトコルに準拠する。図2では、コントローラ/プロセッサ210は、プログラム済みの任意のプロセッサとして実装されてもよい。しかし、本明細書に記載の機能はまた、汎用もしくは特殊目的のコンピュータ、プログラム済みのマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ、周辺集積回路素子、特定用途向け集積回路(ASIC:application−specific integrated circuit)もしくは他の集積回路、個別素子回路などのハードウェア/電子論理回路、プログラマブル・ロジック・アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイなどのプログラマブル・ロジック・デバイスなどで実装されてもよい。UEはまた、無線ローカル・エリア・ネットワーク(すなわち、WLANまたはWiFi)、ブルートゥースなど他の無線技術に対応していてもよい。
【0025】
図2では、メモリ220は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、キャッシュ、ハード・ドライブ、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ファームウェア、または他の記憶装置など、1つまたは複数の磁気メモリもしくは光メモリを含む、揮発性および不揮発性のデータ記憶装置を備えてもよい。メモリは、特定のデータに素早くアクセスするためのキャッシュを有してもよい。データは、メモリまたは別々のデータベースに記憶されてもよい。メモリは、ベースバンド・プロセッサを含んでもよいASICに埋め込まれてもよい。このようなメモリは、オンチップ・メモリと呼ばれることがある。あるいは、メモリは、アプリケーション・プロセッサまたはグラフィックス・プロセッサなど、装置内の他のプロセッサと共用されてもよく、この場合、メモリは、オフチップ・メモリと呼ばれてもよい。送受信機230は、データを送信および受信することにより、実装されている無線通信プロトコルに従って、ユーザ端末および基地局に通信することができる。UI240は、キーボード、マウス、ペン操作のタッチ・スクリーンもしくはモニタ、音声認識装置、または入力を受け付ける他の任意の装置を含んでもよい、1つまたは複数の入力装置に接続される。UIはまた、モニタ、プリンタ、ディスク・ドライブ、スピーカ、もしくはデータを出力するために設けられた他の任意の装置など、1つまたは複数の出力装置に接続してもよい。理解できるように、ネットワーク装置110には、メモリ220および送受信機230に通信可能なように結合されて、HSPA、LTEなどに従った既知の方式でユーザ装置102、200とともに動作するコントローラ・プロセッサ210が同等に設けられている。
【0026】
LTEリリース8によれば、ネットワーク装置110など、たとえばノードBまたは拡張ノードB(eNB:enhanced Node B)であるベース・ユニットから、遠隔ユニット102などの無線通信装置(ユーザ装置(user equipment)、すなわち「UE」)へのダウンリンク通信では、直交周波数分割多重化(OFDM)を利用する。OFDMを使用する際、直交する副搬送波がデジタル・ストリームで変調され、このデジタル・ストリームは、1組のOFDMシンボルを形成するための、データ、制御情報、または他の情報を含んでもよい。直交副搬送波は、隣接した周波数帯でも、隣接していない周波数帯でもよく、ダウンリンクのデータ変調は、4相位相シフト・キーイング(QPSK:quadrature phase shift−keying)、16進直交振幅変調(16QAM:16−ary quadrature amplitude modulation)、または64QAMを使用して実行してもよい。
【0027】
14個のOFDMシンボルが構成されて、1ミリ秒(1ms)のダウンリンク・サブフレームになり、これは、ノーマル・サイクリック・プレフィックス(CP:normal Cyclic Prefix)の場合(拡張CPの場合は12個のOFDMシンボル)でのベース・ユニットからの送信用である。サブフレーム内では、サービス・ベース・ユニットからのデータが、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)上でそのUEに送信され、制御情報が物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)上で信号伝達される。TDDでは、搬送波上のサブフレームをダウンリンク・サブフレーム、アップリンク・サブフレーム、または特別なサブフレームとして構成してもよく、これらのサブフレームは、ダウンリンク部分、アップリンク部分、およびダウンリンク部分とアップリンク部分の間のガード期間を含んでもよい。
【0028】
PDCCHでの制御情報は、様々な既定のダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)フォーマットのスケジューリング・メッセージを使用して送信される。これらのスケジューリング・メッセージは、PDSCHにおいてダウンリンク・データ伝送を復号化し、または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)上でアップリンク・データを送信するのに必要となる、ダウンリンク制御情報(たとえば、変調および符号化方式、トランスポート・ブロックのサイズおよび位置、プリコーディング情報、ハイブリッドARQ(HARQ)情報、UE識別子など)を、UEに通知する。この制御情報は、チャネル符号化(通常は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC:cyclic−redundancy check)符号、および誤り訂正のための畳込み符号化)によって保護され、結果として得られる符号化ビットは、ダウンリンク・サブフレームの時間/周波数リソース上にマッピングされる。
【0029】
伝送のための最も小さい時間/周波数リソース単位はリソース・エレメント(RE:resource element)と表され、これは、1つの副搬送波(最小周波数単位)毎のOFDMの1つのシンボル(最小時間単位)である。4つのRE(または、4つのREプラス2つの基準信号RE)のグループは、リソース・エレメント・グループ(REG:resource element group)と呼ばれる。一実装形態では、9つのREGで、制御チャネル・エレメント(CCE:Control Channel Element)を作ることができる。符号化されたPDCCHビットは通常、1、2、4、または8つのCCE上にマッピングされ、これらはアグリゲーション・レベル1、2、4、および8と呼ばれる。
【0030】
UEは、有限数の許容可能な構成を使用してダウンリンク伝送を復号化することにより、様々な仮定(すなわち、アグリゲーション・レベル、DCIフォーマットなどへの仮定)を検索する。このプロセスは「ブラインド復号化」と呼ばれる。たとえば、UEは、その特定のUEについて可能になるCCE開始位置を使用して、ブラインド復号化を実行する。このUE固有の検索空間は通常、無線リンクの初期セットアップの間に構成され、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)メッセージを使用して修正することができる。同様に、同じeNBがサービス提供している全てのUEについて有効であり、ページング、ランダム・アクセス・レスポンス、またはそれ以外のような、ブロードキャスト・ダウンリンク情報をスケジューリングするのに使用してもよい、共通の検索空間も定義される。
【0031】
特定のUEは、監視すべき各PDCCH候補に対応するCCEを特定しなければならない(すなわち、各サブフレーム制御領域においてブラインド復号化する)。各PDCCHのCRCは通常、ベース・ユニットがスケジューリングしようとしているユーザ装置に対応する識別子によって、(たとえば、排他的論理和演算を使用して)マスキングされる。識別子は、サービス提供しているベース・ユニットによってUEに割り当てられる。この識別子は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)として知られている。セルRNTI(C−RNTI:cell RNTI)、半永続スケジューリングRNTI(SPS−RNTI:semi−persistent scheduling RNTI)、一時セルRNTI(TC−RNTI:temporary cell RNTI)など、LTEにはいくつかのタイプのRNTIがある。UEは、PDCCHを復号化するとき、PDCCH復号化が首尾よくおこなわれるよう、マスクの形での適切なRNTIをPDCCH CRCに加えなければならない。UEは、特定のDCIフォーマット・タイプのPDCCHを首尾よく復号化すると、復号化されたPDCCHからの制御情報を使用して、たとえば、対応するスケジューリングされたダウンリンク・データ伝送のためのリソース割当て、ハイブリッドARQ情報、および電力制御情報を決定する。ダウンリンクHSPAでは、UE識別子はH−RNTIと呼ばれる。
【0032】
PDCCH信号伝達に加えて、ダウンリンク・サブフレームの制御領域はまた、ハイブリッドARQ肯定応答、基準信号、および物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)を送信するのに使用される、物理ハイブリッドARQインジケータ・チャネル(PHICH:Physical Control Format Indicator CHannel)を含む。LTEリリース8においては、各eNB〜UEのダウンリンクは、制御信号における各サブフレームの初めに1つ、2つ、または3つのOFDMシンボルを有する。この制御領域でのOFDMシンボルの数は、各サブフレームを変化させることができ、PCFICHを介してその同じサブフレームで信号伝達される。場合によっては、PCFICHの値は、上位層の信号方式を介して信号伝達してもよく、また固定してもよい。
【0033】
サブフレーム内の残りのOFDMシンボル全てが、通常はサブフレームのデータ領域と考えられ、これらのシンボルがPDSCHをもたらす。PDSCH伝送は、1つまたは複数のリソース・ブロック(RB:resource block)にマッピングすることができる。通常、RBは1組の副搬送波および1組のOFDMシンボルである。たとえば、RBは、12波の副搬送波(副搬送波は15kHzで分離している)および7つのOFDMシンボルを含んでもよく、いくつかのリソース・エレメントが、パイロット信号などを運ぶために割り当てられている。UEに対するPDSCH割当ては、通常、RBの対においてスケジューリングされ、各RBの対は、単一のサブフレームにまたがって及び、単一のRB識別子を使用して索引付けされる。
【0034】
マルチキャリア・ネットワークでの無線通信装置は一般に、少なくとも2つのコンポーネント・キャリアを含む複数の搬送波をサポートし、各コンポーネント・キャリアが、構成された帯域幅と関連している。たとえば、第1のコンポーネント・キャリアが第1の伝送帯域幅構成に関連し、第2のコンポーネント・キャリアが第2の伝送帯域幅構成に関連してもよい。コンポーネント・キャリアは、FDDの場合はダウンリンク・コンポーネント・キャリアもしくはアップリンク・コンポーネント・キャリアでもよく、または、TDDの場合はダウンリンク通信とアップリンク通信の両方をサポートする。ダウンリンク・コンポーネント・キャリアおよびアップリンク・コンポーネント・キャリアは、同じまたは互いに異なる伝送帯域幅を有してもよい。
【0035】
一実施形態では、第1のコンポーネント・キャリアの第1の伝送帯域幅構成は、第2のコンポーネント・キャリアの第2の伝送帯域幅構成とは等しくない。たとえば、第1の伝送帯域幅構成は75個のRBでよく、第2の伝送帯域幅構成は25個のRBでよく、伝送帯域幅構成全体では100個のRBになる。
【0036】
別の実施形態では、第1のコンポーネント・キャリアの第1の伝送帯域幅構成は、第2のコンポーネント・キャリアの第2の伝送帯域幅構成と等しい。たとえば、第1および第2の伝送帯域幅構成はそれぞれ、各50個のRBを有し、伝送帯域幅構成全体では100個のRBになる。別の実施形態では、第1のコンポーネント・キャリアの第1のシステム帯域幅は、第2のコンポーネント・キャリアの第2のシステム帯域幅とは等しくない。たとえば、第1のシステム帯域幅は15MHzでよく、第2のシステム帯域幅は5MHzでよく、システム全体の帯域幅は20MHzになる。別の実施形態では、第1のコンポーネント・キャリアの第1のシステム帯域幅は、第2のコンポーネント・キャリアの第2のシステム帯域幅と等しい。たとえば、第1および第2のシステム帯域幅がそれぞれ10MHzであり、システム帯域幅全体では20MHzになる。
【0037】
図3には、ユーザ装置102と基地局すなわちeNode B110などのネットワーク装置との間での信号の伝送用に使用される、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114の従来技術の実施形態300が示してある。当業者には理解できるように、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114は、少なくともHSPAおよびLTEで知られているFCCの低域700MHzのブロックBおよびCを使用する3GPPバンド17などの帯域において対になっている。一実施形態では、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114は、そのチャネルの伝送帯域幅構成において5MHzまたは10MHzのシステム帯域幅を有する。アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114は、周波数スパンにおいて分離されており、垂直方向すなわちy軸で表されている。周波数スパンでの分離は、ガードバンド302として分かる。従来技術では、割り当てられたガードバンド302は、同じサブフレームでのアップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル114の間の干渉を防止するのに十分に広かった。
【0038】
周波数領域に加えて、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルは、時間領域で信号を送信する。時間領域での信号は、サブフレーム304として知られている時間ブロックにおいて、ユーザ装置102とネットワーク装置110の間で伝送される。各周波数スパンでのサブフレームが分割されて、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)306、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)308、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)310、および物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)312を含む様々な領域になる。PDCCH306、PUCCH308、PDSCH310、およびPUSCH312は、周波数領域にまで及び、周波数分割2重(FDD:Frequency Division Duplex)通信を可能にする。同じチャネルPDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCHを、時分割2重(TDD:Time Division Duplex)通信に使用してもよいことも理解される。PDCCH、PUCCH、PDSCH、およびPUSCHとは別の、プロトコルの一部分であるいくつかのチャネルまたは信号が存在してもよいが、これらについては、この明細書では詳細には論じないことに留意されたい。このような他のチャネル(PCFICH、PHICHなど)および信号は、アップリンク信号およびダウンリンク信号内に存在できることが当業者には知られている。
【0039】
図4Aは、ユーザ装置401、403のブロック図であり、干渉および感度低下が発生する可能性がある。ユーザ装置401、403は、適応性のある帯域幅を変化させることができるので、RF性能に影響を及ぼす重要な機構を実現する。図に示すように、送受信機ブロックは、干渉の一因となるスプリアス性能を示している。受信干渉は、送信機が同じ場所にあること(たとえば、互いに近接する1つまたは複数のUE内で同時に動作する多重無線アクセス技術)に起因する可能性があり、または複数のチャネルによる可能性もある。したがって、スプリアス放射は、同じ位置にある最も近い受信周波数に入り込む。あるいは、UE(またはeNB)での受信機の感度低下は、自己干渉(すなわち、UE(またはeNB)内での他の何らかの構成要素による動作(たとえば、他の信号の送信))によって発生する可能性がある。したがって、送信スプリアス放射が2重受信チャネル上で発生し、同じプラットフォーム上で動作する関連した送信機からの自己感度低下を招く。
【0040】
図4Bには、伝送帯域幅構成を有する追加の搬送波、バンドZ402が設けられた一実施形態が示してある。追加の周波数スパンは、より多くのユーザにサービス提供し、既存のユーザにより速いデータ速度を提供するのに有用な、または一般にはカバレージ・エリア内でのサービスを強化するのに有用な追加のスペクトルが無線通信に利用可能であることを意味する。伝送帯域幅構成402は、図4Bを見ると分かるように、図3からのアップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114に使用される周波数スパン間で割り当てることができる。したがって、伝送帯域幅構成402は、アップリンク・チャネル112に近接しているか、それに最も近い。伝送帯域幅構成402は、ダウンリンク・チャネル114に近接しているか、それに最も近くすることができる。したがって、伝送帯域幅構成402は、前のガードバンド302内、またはダウンリンク・チャネルとアップリンク・チャネルの間の分離領域内に割り当てられ、その結果、伝送帯域幅構成402は、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114との干渉を引き起こす可能性がある。アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114は、伝送帯域幅構成402への干渉を引き起こす可能性もある。一実施形態では、伝送帯域幅構成402をダウンリンク・チャネル404として使用することができ、ダウンリンク・チャネル404をダウンリンク・チャネル114およびアップリンク・チャネル112のうちの一方または両方と統合することが可能である。
【0041】
図3と同様に、伝送帯域幅構成の様々な周波数スパンでのサブフレーム406において、ユーザ装置102とネットワーク装置110の間で時間領域での信号が送受信される。サブフレーム406では、サブフレーム406用の伝送帯域幅構成が分割されて、PDCCH408、PUCCH410、PDSCH412、およびPUSCH414になる。PDCCH408、PUCCH410、PDSCH412、およびPUSCH414は、伝送帯域幅構成にまで及び、周波数分割2重(FDD)通信を可能にする。同じチャネルを使用して、TDD通信を可能にしてもよい。理解されるように、PDCCHおよびPUCCHには所与の数の副搬送波が設けられ、その結果、PDCCHおよびPUCCHは、サブフレーム406用の制御領域の役割を果たす。制御領域は、ユーザ装置とネットワーク装置の間の通信用の制御情報を提供することができる。さらに、他のタイプのチャネル(図示せず)を設けることもできる。
【0042】
伝送帯域幅構成402をガードバンド302または分離領域に挿入することにより、利用可能な周波数スペクトルが狭くなり、その結果、アップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル404の間に存在するガードバンド416が狭くなる。さらに、ガードバンド416が狭くなると、特定のユーザ装置102において、アップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル404の間の干渉が発生し易くなる。この状況では、チャネル112および404によって引き起こされる干渉は、自己干渉である。干渉は、様々なユーザ装置と様々なネットワーク装置の間で発生することもあり、基地局対基地局の干渉も含む。たとえば、あるユーザ装置が周波数スパン402上でデータを受信しており、近くまたは同じ位置にあるユーザ装置が、アップリンク・チャネル112の伝送帯域幅構成上で送信していてもよい。ユーザ装置102とネットワーク装置(たとえば、eNode B110)との間の伝送が、同時にまたは少なくともオーバラップする期間でスケジューリングされているとき、アップリンクとダウンリンクの両方において伝送の感度低下が発生することがある。感度低下は、干渉およびガードバンド416が狭くなることから生じる。
【0043】
干渉は、ダウンリンク・チャネル404内の副搬送波が、アップリンク・チャネル112内の副搬送波に近接することによって生じる可能性があるが、それというのも、分離の帯域幅416が狭くなることによって、2つのチャネルを分離する帯域幅が減少したからである。干渉は、アップリンク・チャネル112に近接しておらず、それから離れているダウンリンク・チャネル404内の副搬送波によって、アップリンク・チャネル112上で引き起こされる可能性もある。したがって、ダウンリンク・チャネル404の構成およびダウンリンク・チャネル内でのリソースの割当てによって、アップリンク・チャネル112での干渉および感度低下が引き起こされる可能性がある。アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404での副搬送波を検査して、チャネル間の干渉および感度低下の原因を突き止める決定をおこなうことができる。
【0044】
アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルでのリソース・エレメントまたは副搬送波からなるリソースの割当ては、副搬送波(またはリソース・エレメント)が干渉を引き起こすことを理解することによって変更することができる。これらの要因が、有効なガードバンド418を形成するチャネルでの帯域幅の割当てに際して考慮すべき事柄である。一実施形態では、互いに近接するようアップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404の縁部に存在する、リソース・エレメントまたは副搬送波からなるリソースの割当てにより、ガードバンド416が狭くなる状況においてチャネル間の干渉が引き起こされる可能性があることが理解される。
【0045】
図4Bには、アップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル404の間に発生する感度低下を軽減する一実施形態が示してある。図に示すように、ダウンリンク・チャネル404およびアップリンク・チャネル112のうちの一方または両方の伝送帯域幅を調整することによって、有効なガードバンド418がもたらされる。以下に示す詳細から理解されるように、アップリンクまたはダウンリンクのチャネルの調整された伝送帯域幅は、各チャネルの伝送帯域幅構成内の割当て可能なリソース・エレメントの一部分と考えることができる。
【0046】
一実施形態では、ダウンリンク・チャネル404およびアップリンク・チャネル112用に設けられた10MHzのチャネル帯域幅を、たとえば5MHzに削減することができ、ここで、有効なガードバンド418が可能な限り広くなるよう、有効な5MHzの帯域をチャネルの縁部に設けてもよい。より一般には、周波数スパン112内のアップリンク伝送用に副搬送波を割り当てるのに使用される伝送帯域幅構成の一部分は、伝送帯域幅構成402への干渉を軽減するように修正される。ダウンリンク・チャネル404とアップリンク・チャネル112のうちの一方または両方において使用される副搬送波を割り当てるのに利用可能な伝送帯域幅の削減または修正は、必要性および測定された感度低下、ならびに各チャネル間の干渉のレベルに応じて変更できることが当業者には理解される。それにもかかわらず、各チャネルの副搬送波を割り当てるのに使用される伝送帯域幅は、各チャネルにおいて有効な伝送が実現できる値に維持しなければならない。有効なガードバンド418は、チャネル404とチャネル112の間での感度低下を軽減するために、様々なソースからの帯域幅を含む。見ると分かるように、有効なガードバンド418は、削減された帯域幅416、ならびにダウンリンク・チャネル404からの帯域幅420、ならびにアップリンク・チャネル112からの帯域幅422を含む。
【0047】
アップリンク・チャネル112の伝送帯域幅は、ダウンリンク・チャネルの制御領域で提供されるインジケータによって決定することができる。一実施形態では、このインジケータは、アップリンク・スケジューリング許可、ダウンリンク・スケジューリング許可、またはビットマップの一部分とすることができる。ビットマップの場合では、周波数スパンの帯域幅を、専用の無線リソース制御(RRC)信号方式(すなわち、専用の信号チャネル)を使用して1つのUEに直接送ることができ、または、システム情報ブロック(SIB:system information block)またはマスタ情報ブロック(MIB:master information block)の一部分であるセル固有のRRC信号方式(ブロードキャスト制御)を使用して多くのUEに送ることができる。アップリンクおよびダウンリンクのスケジューリング許可を使用することは、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成内でそれぞれ伝送帯域幅を設定する際の迅速で動的な方式であるが、それというのも、そのタイプの信号方式の相対的に希に生じる性質を考慮すると通常は変動が遅い(たとえば、数十または数百のサブフレーム)上位層の信号方式(たとえば、RRC)と比較して、インジケータを含むスケジューリング許可をサブフレーム毎に送信することができるからである。RRCスケジューリングを使用することは、所与の周波数スパンにおいて1つまたは複数のユーザ装置について伝送帯域幅を設定する際の、低速で、場合によっては調整される方法、または半静的な方法であることを示す。RRCスケジューリング・パラメータに従って他の方法で変更されない限り、帯域幅設定は一定に維持されるので、スケジューリングは半静的である。
【0048】
PDCCH408において、ユーザ装置102によってインジケータが受信される。一実施形態では、所与のサブフレームn 424でのアップリンク伝送をスケジューリングするためのアップリンク・スケジューリング許可が、サブフレームn−4 426など、前のサブフレームで受信される。サブフレーム424と前のサブフレーム426とのタイミング関係は、TDDシステムでは互いに異なり可変でもよいことが理解される。TDDシステムでは、アップリンク・スケジューリング許可がサブフレームn−kで受信される。ここで、kの値はTDDのアップリンク/ダウンリンク構成、および実際の値nに依存する。
【0049】
前のサブフレームでのPDCCH408は、アップリンク伝送用に使用される伝送帯域幅構成を有する隣接チャネルへの干渉を最小限に抑えるために、一般にチャネルの好ましい部分を専有する、第1の伝送帯域幅構成を使用する。PDCCH408によって使用される伝送帯域幅構成は、大きさが最小値(たとえば、LTEの場合では6RB)から最大値(たとえば、LTEの場合では100RB)までの範囲になる可能性がある。アップリンク・チャネル112の伝送帯域幅構成も、最小値(たとえば、LTEの場合では6RB)から最大値(たとえば、LTEの場合では100RB)までの範囲になる可能性がある。
【0050】
アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404上で同時に送信することで感度低下が起きることになる例では、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルのうちの少なくとも一方に副搬送波を割り当てるのに使用される伝送帯域幅が削減されて、有効なガードバンド418をもたらすことになる。有効なガードバンド418をもたらすのに使用される帯域幅は、アップリンク・チャネル112における前のサブフレームn−4 426での受信されたアップリンク・スケジューリング許可、および、ダウンリンク・スケジューリング許可でのダウンリンク・チャネル404用の周波数スパンの割当てに基づいて、サブフレームの制御領域から決定される。削減された伝送帯域幅を使用するアップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404により、時間的に同時に発生するかまたはオーバラップする、有効なガードバンド418がもたらされる。
【0051】
図4Bには、ダウンリンクでのサブフレーム424の伝送帯域幅構成が、ダウンリンク・チャネル404において選択することができる伝送帯域幅構成よりも小さい(削減された帯域幅または部分的な帯域幅を有する)様子が示してある。ダウンリンク上のサブフレーム426は、制御領域428を含む。制御領域428内の副搬送波のうち少なくとも1つが、インジケータを有するスケジューリング許可を含み、このスケジューリング許可は、アップリンク・スケジューリング許可またはダウンリンク・スケジューリング許可のうちの一方とすることができる。制御領域428は、アップリンク・スケジューリング許可、ダウンリンク・スケジューリング許可の両方、またはビットマップを含むことができ、このビットマップは、副搬送波を割り当てるのに使用できる、後続のサブフレームの伝送帯域幅構成を指示するのに使用される。一実施形態では、サブフレームn−4 426からの制御領域428におけるアップリンク・スケジューリング許可は、後続のサブフレームn 424におけるアップリンク・チャネルの伝送帯域幅構成のスケジューリングに対応する。
【0052】
ユーザ装置102は、サブフレーム426で受信された、インジケータを含むことができるスケジューリング許可からのサブフレーム424についての伝送帯域幅構成を決定する。一実施形態では、ユーザ装置102は、アップリンク・スケジューリング許可またはダウンリンク・スケジューリング許可を復号化することによって、サブフレーム424についての伝送帯域幅構成を決定する。
【0053】
既に述べたように、アップリンク・スケジューリング許可にインジケータを含めることができる。さらに、サブフレーム426内のインジケータは、アップリンク・チャネル112の特性を修正する(すなわち、インジケータは、アップリンク・チャネルの伝送帯域幅特性を修正する)。サブフレームn−4 426のアップリンク・スケジューリング許可は、サブフレームn 424におけるリソース・エレメントを割り当てるのに使用されるアップリンク・チャネル112の伝送帯域幅を決定するデータを含むことができる。一実施形態では、サブフレーム424が、ガードバンド416を増大させて有効なガードバンド418にする帯域幅422を含むよう、アップリンク・チャネル112上でのサブフレーム424の伝送帯域幅421を削減することができる。一実施形態では、サブフレーム426におけるダウンリンク・スケジューリング許可は、リソース・エレメントを割り当てるのに使用されるサブフレーム424のダウンリンク・チャネル404の伝送帯域幅423を決定するためのインジケータを含むことができる。サブフレーム424が、ガードバンド416を増大させて有効なガードバンド418にする帯域幅420を含むよう、ダウンリンク・チャネル上でのサブフレーム424の伝送帯域幅423を削減することができる。
【0054】
サブフレームを割り当てるために割り振られる、サブフレームにおけるダウンリンク・チャネルの割当て可能な帯域幅は、サブフレームにおけるダウンリンク伝送帯域幅構成と呼んでもよい。ダウンリンク伝送帯域幅構成は、サブフレームの制御領域帯域幅(すなわち、UEが構成され、またはスケジューリング化されて制御情報を受信するための帯域幅)でもよい。ダウンリンク・システム帯域幅(すなわちダウンリンク・チャネル帯域幅)はまた、UE観点からのサブフレーム内の割当て可能なリソース・ブロックの最大数を指す。
【0055】
たとえば、ダウンリンク・システム帯域幅が5MHzである場合、サブフレーム内での割当て可能なリソース・ブロックの最大総数(すなわち、LTEでのRBにおいて与えられる伝送帯域幅構成の周波数範囲)は、ほんの25であるが(それというのも、5MHzのシステム帯域幅の90%(すなわち、4.5MHz)のみがRBとして割当て可能であり、残りはガードバンド用に使用され、さもなければ、5MHzで27個のRBが存在可能であり、これは97.2%の割当て可能な帯域幅に相当する)、10MHzのダウンリンク・システム帯域幅を有するサブフレーム内での割当て可能なリソース・ブロックの最大総数は、90%の割当て可能な帯域幅において50個であり、99%の割当て可能な帯域幅において55個である。チャネル帯域幅(システム帯域幅)のうち割当て可能な帯域幅の割合が固定であり、実現可能なチャネル帯域幅とともに推測的に知られている場合、システム帯域幅または伝送帯域幅構成は、検出された制御情報を用いてリソース割当てフィールの大きさから直接または間接に推測してもよい。ダウンリンク・システム帯域幅(所与の占有領域の指定されたガードバンドを考慮に入れた後)またはダウンリンク伝送帯域幅構成(明確なガードバンドがない)のいずれかを使用して、UEがサブフレーム内のネットワークからの、何らかの信号の伝送を予測できる帯域幅を指してもよい。たとえば、UEは、チャネル状態情報/参照信号(CSI−RS)、または基地局からのセル固有の基準信号(CRS)など、セル固有の参照信号を予想してもよい。
【0056】
したがって、システム帯域幅(指定ガードバンドを考慮に入れた後)または伝送帯域幅構成を、ネットワークからの標準に従う信号をUEが予想するUE固有の帯域幅と解釈することもでき、この帯域幅は動的に可変でもよい。あるいは、システム帯域幅(ガードバンドを考慮に入れた後)または伝送帯域幅構成はまた、UEが、CSI測定、RSRP、RSRQ、RSSI、RLMなどの無線リソース管理(RRM)測定などの測定を実行することを予想されている帯域幅を指してもよい。理解できるように、サブフレーム内のアップリンク・システム帯域幅またはアップリンク伝送帯域幅構成に同様の原理を使用することができる。
【0057】
アップリンク・スケジューリング許可、ダウンリンク・スケジューリング許可、およびビットマップの一部分としてインジケータを使用することにより、副搬送波を割り当てるために使用されるアップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成が割り当てられる。したがって、アップリンク・チャネル112の帯域幅421およびダウンリンク・チャネル404の帯域幅423によって、有効なガードバンド418を提供する帯域幅420および422がもたらされる。すなわち、帯域幅420および422は、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404からの部分的な周波数スパンであり、したがって、サブフレーム424内の、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネル112、404それぞれについての伝送帯域幅構成421、423は、帯域幅がより狭く、または削減されている。したがって、後続のサブフレームn内の周波数スパンの帯域幅は、サブフレームn−4における周波数スパンよりも狭くすることができる。
【0058】
図5には、サブフレーム424において有効なガードバンド418をもたらす様子を説明する、フローチャート500が示してある。図5に説明される方法は、アップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル404の間に、後続のサブフレーム424で感度低下を引き起こすことになる干渉の可能性があるか、それとも干渉が生じることになるか、サブフレームn−4 426の制御領域を構成している間に判定すること502によって開始する。干渉は、基地局110、コントローラ120、またはネットワーク内に配置された関連するスケジューリング構成要素もしくは制御構成要素によって決定することができる。ユーザ装置102を使用して干渉を決定することもできる。
【0059】
サブフレーム内で干渉が発生することになると判定されることに応答して、ネットワーク装置は、伝送帯域幅構成を調整する(504)ことができ、この伝送帯域幅構成を使用して、サブフレーム424におけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルのうちの一方または両方について副搬送波の割当てを決定する。理解されるように、伝送帯域幅構成を設定することは、副搬送波、リソース・ブロック、リソース・エレメント・ブロック、サブチャネル、リソース・エレメント・グループ、およびチャネル内の他の割当て可能なリソースのいずれが、チャネル112、404においてスケジューリングされ、または割り当てられるのに利用可能なのかを指定することと同等である。チャネルの制御領域408、410、およびデータ領域412、414内の様々な領域を抑制または回避することができ、したがって、干渉および感度低下を軽減するよう伝送帯域幅構成を設定することができる。リソース・エレメント・グループは、それらグループへの電力を低減させることにより、それらリソース・エレメント・グループにデータを割り当てないことにより、または他の知られている方法によって抑制することができる。
【0060】
これらの伝送帯域幅構成は、サブフレーム426におけるアップリンクおよびダウンリンクのスケジューリング許可に基づいて伝達することができる。指示された伝送帯域幅構成は、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルで利用される伝送帯域幅構成と異なっていてもよい。副搬送波を割り当てるのに使用されるアップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成は別々に設定されるので、有効なガードバンド418の帯域幅はまた、アップリンクまたはダウンリンクでの周波数スパンの帯域幅が狭いほど、有効なガードバンドの帯域幅が広くなるよう逆に設定される。
【0061】
したがって、アップリンク・チャネル112またはダウンリンク・チャネル404のうちの少なくとも1つにおいて、サブフレーム426を使用してサブフレーム424の伝送帯域幅構成を設定する。サブフレーム426は所与の伝送帯域幅構成を有しており、この構成を適切な規格に設定することができる。伝送帯域幅構成は複数のリソース・ブロックを含み、各リソース・ブロックのうち少なくとも1つが、制御領域408として構成される。一実施形態では、伝送帯域幅構成は、複数のリソース・ブロック対を含み、ここで、リソース・ブロック対の第1のリソース・ブロックのうち1、2、または3個の第1のOFDMシンボルが制御領域408として構成される。さらに、他のリソース・ブロックのうち少なくとも1つが、データ領域412として構成される。
【0062】
制御領域は、後続のサブフレーム424の伝送帯域幅構成の伝送帯域幅をスケジューリングするのに使用できるインジケータを含む。このインジケータは、アップリンク・スケジューリング許可、またはダウンリンク・スケジューリング許可の一部分とすることができる。サブフレーム426は、伝送帯域幅を調整するためのインジケータを含み、ネットワーク装置110とユーザ装置102の間で伝達される(506)。ユーザ装置102がこのインジケータを受信すると、サブフレーム426用に使用される伝送帯域幅構成に対して修正または調整してもよい、後続のサブフレームの伝送帯域幅構成424を決定して(508)、これらサブフレームにおける実現可能な副搬送波割当てを決定することができる。ユーザ装置が制御領域内の制御チャネルを復号化すると、インジケータが復号化されて、実現可能な副搬送波割当てを決定する、後続のサブフレーム424の伝送帯域幅構成がユーザ装置に通知される。インジケータは、アップリンク・スケジューリング許可とダウンリンク・スケジューリング許可のうちの一方または両方とすることができるので、ユーザ装置102は、ネットワーク装置110との通信用に使用されるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの両方についての伝送帯域幅構成を復号化する。
【0063】
一実施形態では、後続のサブフレーム424が、ネットワーク装置110からユーザ装置102に伝達される。サブフレーム424における干渉は、前のサブフレーム426で予想され、また予定されていたので、ネットワーク装置110は、サブフレーム424用に設定されたダウンリンク伝送帯域幅構成を使用して、ダウンリンク・チャネル404上でデータを送信し、ユーザ装置102は、サブフレーム424用に設定されたダウンリンク伝送帯域幅構成を使用して、ダウンリンク・チャネル404上でデータを受信する。同様に、ユーザ装置102は、サブフレーム424用のアップリンク伝送帯域幅構成を使用して、アップリンク・チャネル112上でデータを送信し、ネットワーク装置110は、サブフレーム424用に設定されたアップリンク伝送帯域幅構成を使用して、アップリンク・チャネル112上でデータを受信する。理解できるように、伝送帯域幅構成は、制御領域408とデータ領域412の両方について別々に設定することができる。伝送帯域幅構成はまた、アップリンク・データ領域414およびアップリンク制御領域410について別々に設定することができる。
【0064】
リソース・エレメント・グループおよびリソース・ブロックの抑制されたセットに副搬送波を割り当てることができないよう、ダウンリンク・チャネル402の制御領域における1組のリソース・エレメント・グループを抑制し、アップリンク・チャネル112の制御領域における1つまたは複数のリソース・ブロックを制御することによって、帯域幅420および422をもたらすことができる。抑制されたリソース・エレメント・グループは、感度低下が発生すると判定されて、割当て中にこうした領域を回避できるような伝送帯域幅構成の領域に対応することができる。リソース・エレメント・グループは、所与のリソース・エレメント・グループへの電力を調整し、これら所与のリソース・エレメント・グループへのデータの割当てを制限することにより、また他の知られた方法によって抑制することができる。さらに、伝送帯域幅構成において抑制され、または割り当てられないリソース・エレメント・グループのセットは、サブフレームn 424におけるサブフレームn−4 426でのアップリンク・リソース割当てから決定される。後続のサブフレームn 424の制御領域が受信されると、サブフレームn−4からの少なくともアップリンク・リソース割当てに基づく1組の制御チャネル・エレメントを決定することができ、制御チャネル・エレメントの受信されたセットを使用して、チャネルの制御領域を検出することができる。
【0065】
上記に鑑み、ネットワーク装置およびユーザ装置が使用するチャネルにおける干渉は、サブフレーム内のチャネルの属性を調整することにより、所与のサブフレームについて軽減される。伝送帯域幅構成などこれらの属性は、アップリンクおよびダウンリンクのスケジューリング許可を受信すること、ならびにサブフレームの制御領域において提供できる他の対応するリソース割当て情報に基づくことができる。さらに、調整された属性は、所与のサブフレームにおけるアップリンクおよびダウンリンクの伝送帯域幅構成の2重通信間隔に影響を及ぼすことがある。他の伝送帯域幅構成の周波数スパンのPDCCHを使用することにより、またはダウンリンク・チャネル114および404とアップリンク・チャネル112との間の搬送波をまたいだスケジューリングにおいて、アップリンク・チャネル112など伝送帯域幅構成の周波数スパンにおいて、より小さい、またより大きい制御領域をもたらすことが可能である。これらの様々な制御領域は、制御領域内のインジケータから、または以下に述べるように、ユーザ装置によって周波数スパンをブラインド復号化することによって検出することができる。一実施形態では、ネットワーク装置は、リソース・ブロックの数、または制御領域および/もしくはサブフレームの様々な周波数スパン用のサブフレームのデータ領域用にスケジューリングされ、割り当てられ、もしくは構成されたリソース・エレメント・グループ(REG)の数を調整することによって、制御領域を変更することができる。リソース・ブロックまたはREGのスケジューリングは、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間に存在する既知の感度低下および干渉パターンに基づいて調整することができる。
【0066】
サブフレームn−4での許可に従って、サブフレームnにおいてユーザ装置がスケジューリングされる状況では、このユーザ装置は、少なくともサブフレームnにおいて、その制御チャネル検索空間を修正または削減してもよい。これは、サブフレームnにおいて送信と受信の事象が同時に発生する結果とすることができ、以下に述べるようにブラインド検出を使用することなく実行することもでき、明確な指示を受信することから実行することもできる。ネットワーク装置は、サブフレームn−4において許可を送るので、ユーザ装置が、制御領域において削減された帯域幅を使用することになり、その結果ネットワーク装置とユーザ装置が同期することも知っている。誤りまたはCRCエラーによってユーザ装置がスケジューリングされた許可を受信し損なった場合、このユーザ装置は、制御チャネルの検索空間の固定された所定の仮定、または構成された仮定を使用して、単にデフォルトの受信することに戻ってもよい。
【0067】
図6には、サブフレーム424の割り当てられた帯域幅を検出し決定する方法、またはブラインド復号化の原理を使用する有効なガードバンド418の使用法のフローチャート600が示してある。副搬送波を割り当てるのに利用可能な伝送帯域幅構成が、アップリンクもしくはダウンリンクのスケジューリング許可、またはビットマップの一部分として提供される場合の図5に関して説明された方法とは対照的に、ブラインド復号化を使用して説明される方法は、受信される様々な伝送帯域幅構成を使用してサブフレームを監視することにより、アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルのうちの一方の帯域幅を決定する。正確な復号化、または所与のサブフレームにおける周波数スパンについて帯域幅を割り当てるサブフレームの制御領域でのインジケータの実際の使用はどうであれ、説明するブラインド復号化を実行することができる。
【0068】
図6に説明される方法は、サブフレーム424において感度低下をもたらすことになる干渉が、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間に生じることになると判定すること(602)によって開始する。干渉を判定することに応答して、ネットワーク装置は、伝送帯域幅構成を調整し(604)、ここで、サブフレーム424においてアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルのうちの一方または両方に割り当てるのにリソース・エレメントが利用可能である。アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成を調整する(別々に設定する)必要があるという判定は、サブフレームn−4 426など、サブフレームn 424の前の任意のサブフレームにおいて生じる可能性がある。一実施形態では、サブフレーム424の伝送帯域幅構成の割り振られた周波数スパンから帯域幅が削減されるように、サブフレーム424が伝送帯域幅構成を調整した。理解されるように、サブフレーム424における調整は、アップリンク・チャネル112とダウンリンク・チャネル404のうちの一方または両方について判定することができる。一実施形態では、伝送帯域幅構成の割り振られた帯域幅は10MHzとすることができ、これを削減して伝送帯域幅5MHzにして、そこに副搬送波を割り当てることができる。
【0069】
サブフレーム424の伝送帯域幅構成を調整する決定がネットワークによってなされた後、ネットワーク装置110は、調整された制御領域428を有するサブフレーム424をダウンリンク・チャネル404上でユーザ装置102に送信する(606)。サブフレーム424での伝送は、ユーザ装置102によって受信される(608)。制御規格によって理解できるように、受信サブフレーム424の伝送帯域幅構成は、標準のアップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成の割り振られた帯域幅(たとえば、10MHz)であると予想されるが、ダウンリンク・チャネル404によって引き起こされる感度低下を回避するために、受信された使用中の伝送帯域幅構成を監視することにより、受信されたダウンリンク・チャネルのサブフレーム424の調整された伝送帯域幅構成が決定される。
【0070】
上記の通り、ユーザ装置は、ダウンリンク・チャネル404上でサブフレーム424を受信する。ユーザ装置は、サブフレーム424の第1の伝送帯域幅構成を使用して、制御チャネル候補の第1のセットを監視する(610)。さらに、ユーザ装置は、サブフレーム424の第2の伝送帯域幅構成を使用して、制御チャネル候補の第2のセットを監視する(612)。一実施形態では、受信された伝送帯域幅構成において制御チャネル候補を監視することは、第1の伝送帯域幅構成を使用して制御領域428を復調することを含む。さらに、受信された伝送帯域幅構成の制御チャネルは、第2の伝送帯域幅構成を使用して、受信した帯域幅を復調することによって監視される。規格によって設定される事前構成された値、および第2の伝送帯域幅構成の値は、調整することができ、またはネットワーク装置が感度低下を回避するために使用する削減された帯域幅を有するので、第1の伝送帯域幅構成はチャネルの割り振られた帯域幅とすることができる。第2の帯域幅はまた、規格によってサポートされた1組の構成された帯域幅からのものでもよく、ユーザ装置に明瞭に信号伝達してもしなくてもよいことに留意されたい。
【0071】
図6に戻ると、制御チャネル候補の第1のセットと制御チャネル候補の第2のセットのうちの一方から、ダウンリンク・チャネルの制御チャネル428が検出される(614)。制御チャネル候補の第1のセットまたは第2のセットのうちの一方において、制御チャネルが検出される。説明の通り、制御チャネル候補を復調して制御チャネルを検出することによって、これを実現することができる。サブフレーム424における副搬送波の割当てを決定するために使用されている伝送帯域幅構成は、検出された制御チャネル用に使用される伝送帯域幅構成から決定される(616)。すなわち、ダウンリンク・チャネル404のデータ・チャネル412における伝送帯域幅構成での副搬送波の割当てを決定するのに使用される伝送帯域幅構成は、ダウンリンク制御チャネルにおける制御チャネル428において検出された伝送帯域幅に対応することができる。制御チャネル候補を監視することによって伝送帯域幅構成を検出することに加えて、ユーザ装置は、伝送帯域幅構成を指示するメッセージを受信してもよい。このメッセージを制御チャネル候補とともに使用して、副搬送波の割当てを決定するのに使用される伝送帯域幅構成を決定することができる。
【0072】
ダウンリンク・チャネル404とアップリンク・チャネル112の間に感度低下がないとき、各チャネル用の決定された伝送帯域幅構成は、10MHzの割り振られたチャネル(またはシステム)帯域幅に対応する。しかし、感度低下が予想されるとき、各チャネルにおいて伝送帯域幅構成用に使用される決定された帯域幅は、5MHzのチャネル帯域幅(対応するチャネル伝送帯域幅構成は25個のRBを有する)、またはこの帯域幅における他の何らかの修正もしくは削減された値にまで削減してもよい。10MHz(50個のRB)および5MHz(25個のRB)のこれら既知のチャネル帯域幅の値、または50個のRBおよび25個のRBの伝送帯域幅構成は、制御チャネル候補の第1のセットおよび第2のセットを監視する際に使用することができる。
【0073】
理解されるように、図6に説明する方法は、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの両方に基づくことができる。したがって、一実施形態には、第1の帯域幅からの、監視されて復調された制御チャネル候補、または第2の帯域幅からの、監視されて復調された制御領域が使用されて、伝送帯域幅を決定することが含まれる。たとえば、第1および第2の制御チャネル候補の伝送帯域幅と複数の様々な既知の帯域幅とを比較することによって(すなわち、どちらが、上位層の通信を介して構成された1組の値なのか、それとも規格で指定された1組の値なのか)、これを実行することができる。使用されている例では、この比較することは、たとえば、周波数スパンの帯域幅と10MHz帯域幅および5MHz帯域幅とを比較することができる。
【0074】
別の実施形態では、伝送帯域幅構成は、サブフレームを形成する割り当てられた副搬送波の縁部を検査することによって決定することができる。伝送帯域幅構成の帯域幅がチャネル帯域幅(たとえば10MHz)のうち割当て可能な帯域幅(たとえば9MHz)全体にまで及ぶ場合、データはこの周波数スパンにわたって割り当てられることになる。(たとえば5MHz)のチャネル帯域幅に対応する、帯域幅が削減された(たとえば25個のRB)伝送帯域幅構成の場合、データは、チャネル帯域幅の周波数スパン全体よりも狭い範囲で帯域幅421、423に割り当てられる。したがって、周波数スパン420、422には割り当てられたデータがない。データ割当てをスケジューリングする制御信号情報エレメント内の、リソース割当てフィールドのサイズまたは解釈を変更することによって、これを実現することができる。たとえば、副搬送波を割り当てるのに使用される伝送帯域幅構成の削減された周波数スパン(すなわち帯域幅)が5MHzである場合、サブフレーム内で割当て可能なリソース・ブロックの最大総数は25個だけになることもあるが、周波数スパンが10MHzのサブフレームでの割当て可能なリソース・ブロックの最大総数は50個である。
【0075】
一実施形態では、データが、サブフレーム424の副搬送波にどのように割り当てられるのかを検査することによって、伝送帯域幅構成を決定することができる。データは、副搬送波を割り当てるのに利用可能なチャネルの伝送帯域幅に従って、サブフレームの帯域幅にわたって割り当てられる。したがって、サブフレーム内の割り当てられた副搬送波の境界または縁部の周波数を決定することによって、帯域幅を決定することができる。縁部が、伝送帯域幅構成の割り振られた帯域幅に及ぶ場合、この帯域幅は10MHzであることが知られている。そうでない場合、サブフレームの縁部での副搬送波の伝送帯域幅を使用して、帯域幅を計算することができる。他の代替実施形態では、既知のパターンに従って副搬送波を割り当てることによって、感度低下を回避することができる。チャネル112、404において既知のパターンの副搬送波を復調することによって、調整された伝送帯域幅を決定することができる。前述の例に鑑み、狭い帯域幅の搬送波は、周波数スパンにおける広い帯域幅の中で構成することができ、ユーザ装置によってブラインド検出することができる。
【0076】
図7には、有効なガードバンド418を検出し、決定し、確立する他の方法のフローチャート700が示してある。図7に説明される方法は、サブフレーム424において感度低下をもたらすことになる干渉が、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間に生じることになると判定すること(702)によって開始する。干渉を決定することに応答して、ネットワーク装置は、サブフレーム424におけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルのうちの一方または両方の伝送帯域幅構成を調整し(704)、ここで、ネットワーク装置は、副搬送波をユーザ装置に割り当て、アップリンク上で副搬送波を受信することになる。アップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルの帯域幅を調整する必要があるという判定は、サブフレームn−4 426など、サブフレームn 424の前の任意のサブフレームにおいて生じる可能性がある。一実施形態では、サブフレーム424は、サブフレーム424の最大割当て伝送帯域幅構成から、削減された伝送帯域幅構成(25個のRB)を有する。一実施形態では、割り振られた周波数スパンは、10MHzとすることができ、これを削減して5MHzの帯域幅にする。
【0077】
サブフレーム424の伝送帯域幅構成を調整する決定がネットワークによってなされた後、ネットワーク装置110は、サブフレーム424のダウンリンク・チャネル404における制御領域428の少なくとも1つの副搬送波の電力を調整する(706)。チャネル112と404の間で発生することがある感度低下を軽減するために、ネットワーク装置は、ダウンリンク・チャネル404の伝送帯域幅構成を形成する複数の副搬送波での電力を低減させる。一実施形態では、電力が削減された副搬送波は、アップリンク・チャネル112の周波数スパンに近接した、または伝送帯域幅構成の縁部における副搬送波である。これにより、各チャネル間のガードバンド416が増大し、有効なガードバンド418になる。ネットワーク装置110はまた、サブフレーム424のアップリンク・チャネル112における制御領域の少なくとも1つの副搬送波の電力を調整することができる(708)。チャネル112と404の間に発生することがある感度低下を軽減するために、ネットワーク装置は、ダウンリンク・チャネル404の周波数スパンに近接する、アップリンク・チャネル112の周波数スパンの複数の副搬送波での電力の削減を要求する。
【0078】
別の実施形態では、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波の間の干渉の起因に関して判定することができる。干渉は、チャネルの一方にある副搬送波に近接するチャネルのもう一方にある副搬送波だけによって引き起こされない場合がある。干渉は、チャネル内の副搬送波のうち任意の副搬送波によって引き起こされる可能性がある。干渉を引き起こしている副搬送波の判定に基づいて、ネットワーク装置は、識別された副搬送波の電力を調整し、その結果、これらの副搬送波が干渉に寄与しないようにすることができる。
【0079】
指定された副搬送波において電力を削減する調整により、ダウンリンク・チャネル404において電力が削減されるとともにガードバンド416が増大することが可能になり、有効なガードバンド418がもたらされる。理解できるように、他の周波数スパンにおける副搬送波に近接する、所与の周波数スパンにおける複数の副搬送波での電力レベルを削減することにより、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルの帯域幅を10MHzから、たとえば5MHzに削減して有効なガードバンドをもたらすことができる。所与の副搬送波での電力を削減することに加えて、ネットワーク装置およびユーザ装置は、所与の帯域幅において、ある一定の副搬送波のみにデータを割り当てることができる。別の実施形態では、他のネットワーク装置に起因するネットワーク装置の干渉は、ダウンリンク・チャネルにおける指定された副搬送波の電力レベルを修正することによって対処することもできる。
【0080】
説明したように、要求に応じてアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルのうちの一方または両方での電力レベルを最小限にまで削減して、ネットワーク装置110とユーザ装置102のうちの1つとの間の通信におけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間での感度低下を軽減することができる。インジケータをアップリンク・スケジューリング許可に使用して、あるサブフレームでのユーザ装置の電力状態を修正することができる。サブフレームn−4 426のダウンリンク・スケジューリング許可においてインジケータを使用することができ、その結果、ダウンリンク・チャネルn 424の受信された伝送帯域幅構成を、ユーザ装置があらかじめ知る。サブフレームn−4 426のアップリンク・スケジューリング許可においてインジケータを使用することができ、その結果、アップリンク・チャネルn 424上で使用され、そのサブフレームにおいてネットワーク装置が受信すると予想される伝送帯域幅構成を、ユーザ装置があらかじめ知る。電力状態の修正が長引くのは、タイミングが早すぎること、またはネットワーク装置が複数のダウンリンク・サブフレームをユーザ装置にスケジューリングすることをネットワーク装置が知っていることに起因することもある。したがって、アップリンク電力状態は2つ以上のサブフレームにおいて修正された状態にとどまる。さらに、ユーザ装置でのダウンリンクおよびアップリンクが所与のサブフレームに対してスケジューリングされるかどうかに応じて、2つの異なる開ループ電力レベル間で切替えが存在することがある。アップリンクにおいて2つの開ループ電力レベル間で明確に切り替えるために、許可においてインジケータまたは単一ビットでも使用することができる。性能損失をほんのわずかに抑えつつ、特定のサブフレームにおいてアップリンク電力レベルを低減させることができる。
【0081】
前述の通り、サブフレームにおける周波数スパン内のサブフレームの電力レベルを調整することができる。一実施形態では、リソース・エレメントが副搬送波の一部分である場合のリソース・エレメント当たりのエネルギーを使用して、これを実現することができる。
【0082】
図8は、FDD対(たとえば、ダウンリンク・チャネル114とアップリンク・チャネル112)のブロック図であり、FDD搬送波は2つの異なる伝送帯域幅構成において伝送され、ここで、一方の帯域幅構成をアップリンク・チャネル112用に使用し、もう一方の帯域幅構成をダウンリンク・チャネル114用に使用する。さらに、少なくとも追加の伝送帯域幅構成を、追加のダウンリンク・チャネル404に設けることができる。図示した実施形態では、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルのそれぞれにおいて、無線アクセス技術が異なってもよい。たとえば、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル114は、HSPAなど第1のタイプの無線アクセス技術を使用する周波数対とすることができ、ダウンリンク・チャネル404は、LTEなど第2のタイプの無線アクセス技術を使用することができる。アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404の構成は、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルのそれぞれに使用される無線アクセス技術がどうであれチャネル間の干渉および感度低下を引き起こす可能性のある、削減されたガードバンド416が存在するというものである。
【0083】
上記の説明と同様に、各チャネル112、114、404は、一連のサブフレーム802、804を時間領域において含み、ここで、各チャネル112、404でのサブフレームは、様々な伝送帯域幅構成を使用して、ネットワーク装置110とユーザ装置102の間で副搬送波を送受信する。サブフレームn−4 802における制御領域806を使用して、サブフレームn 804でのデータの伝送をスケジューリングすることができ、制御領域でのインジケータを使用して、サブフレームn 804の伝送帯域幅構成の伝送帯域幅を設定することができ、ここでチャネル112および404において副搬送波を割り当てることになり、その結果、有効なガードバンド418がサブフレームn 804において構成される。伝送帯域幅構成のそれぞれが互いに異なる無線アクセス技術を使用するので、ある無線アクセス技術においてインジケータまたは許可を使用して、伝送帯域幅および互いに異なる無線アクセス技術で使用される伝送帯域幅構成用の他のパラメータを構成することができる。
【0084】
たとえば、チャネル404におけるサブフレームn−4 802の制御領域806に割り当てられたHSPAインジケータを使用して、伝送帯域幅を決定し、または、LTEに従って動作しているチャネル112または404におけるサブフレームn 804の他のパラメータ(たとえば、変調および符号化方法、リソース割当て、リダンダンシー・バージョン、新規データインジケータなどのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマット・コンテンツ)を設定することができる。さらに、チャネル404におけるサブフレームn−4 804での制御領域に割り当てられたLTEインジケータを使用して、帯域幅を決定することができ、または、HSPAに従って動作しているチャネル112におけるサブフレームn 804の他のパラメータを設定することができる。HSPAインジケータまたはLTEインジケータは、アップリンク・スケジューリング許可、ダウンリンク・スケジューリング許可、ビットマップ、または、サブフレーム804の制御領域もしくはデータ領域内のパラメータを設定するのに使用される他の指定のうちの1つとすることができる。
【0085】
スケジューリング許可は、たとえば、許可の内容が、第1のタイプのRAT、第2のタイプのRAT、または両方のタイプのRATに対応するかどうか指示するフィールドを含むことができる。たとえば、スケジューリング許可の中に明確なRATインジケータ機能(RIF:RAT Indicator Function)を含むことによって、これを実現してもよい。スケジューリング許可の説明が表1に示してあり、ここで、計57ビットの許可は、2ビットのRIF、および許可を介してスケジューリングされた潜在的な各RATタイプについての55ビットまでの許可を含む。
【0086】
【表1】
【0087】
RIFフィールドが0ビットの場合、許可はデフォルトでベースライン・ケースとなり、クロスRATスケジューリングが可能にはならない。RIFフィールドが1ビットの場合、フィールド値=0であれば、許可は第1のタイプのRAT(たとえばHSPA)に対応し、フィールド値=1であれば、許可は第2のタイプのRAT(たとえばLTE)に対応してもよい。
【0088】
HSPAおよびLTEの搬送波上のリソースを同時に割り当てるハイブリッド許可を作成することも可能であることに留意されたい。たとえば、RIFフィールドが1ビットの場合、フィールド値=0であれば、許可は、第1のタイプのRAT(たとえばHSPA)のみでの許可に対応してもよく、フィールド値=1であれば、許可は、第1のタイプのRATと第2のタイプのRATの両方(たとえば、HSPAおよびLTE)でのリソースをスケジューリングするフィールドを含んでもよい。表2に示す例では、RIFが1ビットの場合、かつ許可がLTEダウンリンク許可に対応する場合、この許可は以下のように解釈してもよい。特別な情報は、トランスポート・ブロックの第2または第3の伝送向けに任意選択として使用される追加情報でもよい。任意選択のパディング・ビットは、その名前が示すように、HSPAおよびLTEの許可における許可サイズを調節するのに使用してもよい埋込み用のビットである。プリコーディング・ベクトル、マルチ入力/マルチ出力(MIMO:Multiple−Input Multiple−Output)情報などの他のフィールドも存在してよいことに留意されたい。
【0089】
【表2】
【0090】
表3に示す例では、許可がHSPA許可に対応する場合、この許可は以下のように解釈してもよい。特別な情報は、トランスポート・ブロックの第2または第3の伝送向けに任意選択として使用される追加情報でもよい。任意選択のパディング・ビットは、その名前が示すように、たとえば、HSPAおよびLTEの許可における許可サイズを調節するのに使用してもよい埋込み用のビットである。プリコーディング・ベクトル、マルチ入力/マルチ出力(MIMO)情報などの他のフィールドも存在してよいことに留意されたい。
【0091】
【表3】
【0092】
したがって、インジケータは、リソースが第1のタイプのRATまたは第2のタイプのRAT上に、またはそれらRAT用に割り当てられているかどうか指示することができる。別の実施形態では、UEは、ビットマップを信号伝達する上位層を介して、このビットマップが、第1のRATが能動状態にあるときの1組のサブフレーム、および第2のRATが能動状態にあるときの1組のサブフレームを指示しているかどうかを受信してもよい。第1のRATは、第1の伝送帯域幅構成において能動状態とすることができ、第2のRATは、第2の伝送帯域幅構成において能動状態とすることができる。通常、第1のRATのサブフレーム持続時間および第2のRATのサブフレームは、必ずしも調節されているとは限らず、または等しい持続時間であるとは限らない。たとえば、LTEのRATは、サブフレーム持続時間が1msでもよく、HSPAのサブフレームは、2msの持続時間または10msの持続時間でもよい。
【0093】
場合によっては、ビットマップを使用して、各RATについて送信時間間隔(TTI:transmit time interval)を信号伝達してもよい。ビットマップをサブフレームのUEへのインジケータとして使用してもよく、ここで、UEは、第1のRATの受信から、第2のRATのある一定のチャネルのキャンセルを実施することができる。たとえば、HSPAのRATのある一定のサブフレームまたはTTIが空白またはほぼ空白(C−PICHのみなど非常に少ないHSPA信号しかロードされない)場合、その情報をLTE UEが使用して、HSPA信号によって引き起こされるLTE受信機への干渉を考慮に入れ、最小限に抑え、または打ち消すよう、その受信機を適合させてもよい。
【0094】
さらに別の方法を開示する。この方法では、メッセージが受信され、このメッセージは、一連のサブフレームについての制御領域帯域幅パターンを指示する。次いで、受信した信号に基づいて、一連のサブフレームにおいて制御信号が受信され、少なくとも2つのサブフレームの制御領域帯域幅が互いに異なる。
【0095】
図9に移ると、様々な無線アクセス技術を使用してサブフレームをスケジューリングする方法を説明する、フローチャート900が示してある。図9に説明される方法は、後続のサブフレーム804において感度低下をもたらすことになる干渉が、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間に生じることになると判定すること(902)によって開始する。干渉を判定することに応答して、ネットワーク装置は、各チャネルのうちの1つにおけるサブフレーム804についてパラメータを調整することができる(904)。たとえば、ネットワーク装置は、サブフレーム804におけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルのうちの一方または両方の伝送帯域幅を調整することができ、ここで調整された伝送帯域幅は、制御領域およびデータ領域に副搬送波が割り当てられることになる伝送帯域幅構成内の帯域幅である。図8に関する議論に鑑み、ネットワーク装置110は、LTEなどの第1のアクセス技術を使用するサブフレーム802の制御領域806でのインジケータを第1のチャネルで使用して、第2のチャネルにおいてHSPAなどの第2の無線アクセス技術を使用するサブフレーム804をスケジューリングすることができる。ネットワーク装置は、無線アクセス技術としてたとえばLTEを使用して、ユーザ装置にインジケータを送信する(906)。別の実施形態では、HSPAなど第1の無線アクセス技術が、LTEなど第2の無線アクセス技術と異なるとき、説明する原理を実行することができる。
【0096】
理解できるように、ユーザ装置102は、LTEとHSPAの送受信機を有するデュアル・モード装置とすることができる。ユーザ装置において、チャネルの伝送帯域幅構成における所与の伝送帯域幅を有するダウンリンク・チャネルにおいて、第1のサブフレームの制御領域が受信される(908)。ダウンリンク・チャネルは、LTE送受信機を使用して受信され、アップリンク・チャネルで使用するための副搬送波のリソース割当てのインジケータを含む。リソース割当てのインジケータは、サブフレーム804におけるダウンリンク・チャネル上にどのようにリソースを割り当てるのか、ならびに無線アクセス技術としてHSPAを使用するサブフレーム804におけるアップリンク・チャネルにどのようにリソースを割り当てるのかをユーザ装置に示す。ユーザ装置は、互いに異なる所与の伝送帯域幅を有する第2のチャネル上で、サブフレーム804における第2の制御領域を送信する(910)。様々な無線アクセス技術を利用するために、第1のタイプの無線アクセス技術を使用するサブフレーム804をスケジューリングするのに使用される、アップリンク制御許可、ダウンリンク制御許可、またはビットマップの一部分とすることができるインジケータが、第2の周波数スパンの制御領域において送信される。
【0097】
一代替実施形態では、第1の無線アクセス技術を使用する第1の伝送帯域幅構成のサブフレーム802で見つかる許可を使用して、第2の無線アクセス技術を使用する第2の伝送帯域幅構成におけるサブフレーム804での伝送帯域幅などのパラメータをスケジューリングする。第1の無線アクセス技術を使用するインジケータを使用して、第2の無線アクセス技術を使用するチャネルのパラメータを調整することにより、サブフレーム804におけるアップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間での感度低下を軽減することができる。
【0098】
図10には、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404として使用される伝送帯域幅構成の伝送帯域幅を割り当てる、他の方法1000が示してある。上記の説明から理解できるように、感度低下を軽減するための伝送帯域幅の割当ては、様々な伝送帯域幅向けの伝送帯域幅をサブフレーム毎に修正できるよう、動的に実行することができる。したがって、各サブフレーム用の各伝送帯域幅構成は、互いに異なる伝送帯域幅を有することができる。一代替実施形態では、伝送帯域幅構成用の伝送帯域幅は、複数のサブフレームについて半静的または半永続とすることができる。
【0099】
図10に説明される方法は、複数のサブフレームのうちの少なくとも1つにおいて感度低下をもたらすことになる干渉が、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルの間に生じることになると判定すること(1002)によって開始する。干渉を判定することに応答して、ネットワーク装置は、複数の後続サブフレーム804についてパラメータを調整することができる(1004)。一実施形態では、調整は、アップリンク・チャネル112もしくはダウンリンク・チャネル404のうちの一方または両方の伝送帯域幅構成の伝送帯域幅向けとすることができる。一実施形態では、複数の後続サブフレーム向けに調整を実行し、その結果、これら複数の後続サブフレームのそれぞれが、チャネルにおける伝送帯域幅構成の同じ伝送帯域幅を使用することができるようになる。伝送帯域幅への適合が確定した後、アップリンク・チャネル112およびダウンリンク・チャネル404のうちの少なくとも一方における調整された伝送帯域幅をユーザ装置に通知するメッセージを、ネットワーク装置110からユーザ装置102に送信することができる。理解されるように、このメッセージは、複数の後続サブフレームにおけるアップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルでの伝送帯域幅を設定する。このメッセージは、ユーザ装置によって受信され(1008)、複数のサブフレームにおける伝送帯域幅を設定する。一実施形態では、調整された帯域幅は、サブフレーム804の制御領域、またはサブフレーム804の制御領域とデータ領域向けとすることができる。
【0100】
メッセージは、アップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルの伝送帯域幅構成において副搬送波を割り当てるのに使用される伝送帯域幅を指定するための少なくとも1ビットを含むことができる。このビットは、サブフレーム804における制御領域の無線リソース構成を示すことができる。理解されるように、無線リソース構成は、複数の後続サブフレームにおけるアップリンク・チャネルまたはダウンリンク・チャネルの制御領域についての帯域幅パターンを設定することができる。すなわち、メッセージは、伝送帯域幅についてのブロック許可を提供することができる。半静的または半永続な方法として、ネットワーク装置とユーザ装置の間のレイヤ2またはレイヤ3の通信の一部分としてメッセージを提供できることも理解できる。
【0101】
様々な周波数スパンをまたがるサブフレームのスケジュールをスケジューリングし、検出することの上記説明は、特に断りのない限りは単一搬送波に関連してなされてきた。説明した原理は、キャリア・アグリゲーションにおいても、クロス・キャリア・スケジューリングにおいても適用可能であることが理解される。
【0102】
前述の明細書において、本発明の具体的な実施形態を説明してきた。しかし、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を加えることができることが、当業者には理解される。したがって、詳細な説明および各図は、限定的な意味ではなく例示的なものとして考えるべきであり、こうした全ての修正形態は、本発明の範囲内に含まれるものである。利益、利点、問題の解決策、および、任意の利益、利点、解決策をもたらし、またはより明白なものにするいずれの任意の要素も、特許請求の範囲のいずれかまたはその全ての、重要で、必要で、もしくは本質的な特徴または要素と見なすべきではない。本発明はもっぱら、本明細書の係属中になされた任意の補正、および発行された特許請求の範囲の全ての均等物を含む、添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
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図10