【文献】
Huai-Rong Shao et al.,‘Progressive Transmission of Uncompressed Video over mmW Wireless’,IEEE Consumer Communications and Networking Conference (CCNC) 2010 proceedings,2010年 1月,p.1-5.,[検索日 2015.01.06],URL,http://ieeexplore.ieee.org/xpls/abs_all.jsp?arnumber=5421614
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドロップする段階は、前記映像データが送信される無線チャネルの帯域幅に基づいて、前記ドロップされるパーティションの個数を段階的に増加させてドロップさせる段階であることを特徴とする請求項2に記載のデータ送信方法。
前記ドロップする段階は、前記複数個のパーティションの重要度レベルに基づいて、前記重要度レベルが低いパーティションからドロップさせる段階であることを特徴とする請求項2に記載のデータ送信方法。
前記無線送信機は、前記映像データのデータ伝送率を低下させるために、少なくとも1つのパーティションをドロップさせるパーティションドロップ・モジュールをさらに含み、
前記データ送信モジュールは、前記複数個のパーティションのうちドロップされたパーティションを除いて送信することを特徴とする請求項7に記載の無線送信機。
前記パーティションドロップ・モジュールは、前記映像データが送信される無線チャネルの帯域幅に基づいて、前記ドロップされるパーティションの個数を段階的に増加させてドロップさせることを特徴とする請求項8に記載の無線送信機。
前記パーティションドロップ・モジュールは、前記複数個のパーティションの重要度レベルに基づいて、前記重要度レベルが低いパーティションからドロップさせることを特徴とする請求項8に記載の無線送信機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、非圧縮映像データを構成するピクセルブロックに対して、ピクセル間の参照距離に基づいて、ピクセルドロップ(pixel dropping)を遂行することにより、映像データを伝送する過程で、データ伝送率(data rate)を低下させる方法及びその装置が提供される。
【0005】
また、ピクセルドロップが遂行された非圧縮映像データを受信し、ピクセルブロックごとにドロップされたピクセルを復元する方法及びその装置が提供される。また、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するためのデータ送信方法は、所定サイズのピクセルブロックに含まれるピクセルそれぞれの輝度成分値及び色差成分値を獲得する段階、ピクセルブロックでのピクセルの空間的な位置に基づいて、輝度成分値及び色差成分値が配置された複数個のパーティションを獲得する段階、映像データのデータ伝送率によって、複数個のパーティションを選択的に送信する段階を含む。
【0007】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、データ送信方法は、映像データのデータ伝送率を低下させるために、少なくとも1つのパーティションをドロップさせる段階をさらに含み、選択的に送信する段階は、複数個のパーティションのうちドロップされたパーティションを除いて送信する段階であることを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、ドロップする段階は、映像データが送信される無線チャネルの帯域幅に基づいて、ドロップされるパーティションの個数を段階的に増加させてドロップさせることを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、ドロップする段階は、複数個のパーティションの重要度レベル(importance level)に基づいて、重要度レベルが低いパーティションからドロップさせることを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、複数個のパーティションを獲得する段階は、輝度成分値及び色差成分値を分離し、それぞれ互いに異なるパーティションに配置することを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、ピクセルブロックは、2ラインのピクセルライン及び2行のピクセル行で配置された4個のピクセルを含むことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、映像データのカラーフォーマット(color format)は、YCbCr 4:4:4、YCbCr 4:2:2及びYCbCr 4:2:0のうちいずれか一つであることを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、複数個のパーティションの個数は、映像データのカラーフォーマットに基づいて決定されることを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するためのデータ受信方法は、一部ピクセルの輝度成分値及び色差成分値のうち少なくとも一つがドロップされた映像データを受信する段階、並びに受信された映像データに含まれたピクセルのデータ値を参照し、ドロップされた輝度成分値及び色差成分値を復元する段階を含む。
【0015】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、受信された映像データは、ピクセルブロックに含まれた輝度成分値及び色差成分値が分離されて配置された複数個のパーティションのうち少なくとも一つがドロップされたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するための一実施形態によれば、受信する段階は、映像データのカラーフォーマット、及びドロップされたパーティションに対するインデキシング情報を映像データと共に受信して復元する段階は、インデキシング情報に基づいて、ドロップされた輝度成分値及び色差成分値を復元することを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するための無線送信機は、所定サイズのピクセルブロックに含まれるピクセルそれぞれの輝度成分値及び色差成分値を獲得し、ピクセルブロックでのピクセルの空間的な位置に基づいて、輝度成分値及び色差成分値が配置された複数個のパーティションを獲得するピクセルパーティショニング・モジュール、及び映像データのデータ伝送率によって、複数個のパーティションを選択的に送信するデータ送信モジュールを含む。
【0018】
前記技術的課題を解決するための無線受信機は、一部ピクセルの輝度成分値及び色差成分値のうち少なくとも一つがドロップされた映像データを受信するデータ受信モジュール、及び受信された映像データに含まれたピクセルのデータ値を参照し、ドロップされた輝度成分値及び色差成分値を復元するデータ復元モジュールを含む。
【0019】
前記技術的課題を解決するための方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、画質の劣化なしにも、映像データを効率的に伝送することができる。また、非圧縮映像データの伝送にあたり、データ伝送率が無線チャネルの環境及び帯域幅に基づいて、段階的に調節される。
【0021】
また、ピクセルの輝度成分と色差成分とを分離して伝送し、非均等エラー訂正(UEP:unequal error protection)などを介して、効率的にデータ伝送率を調節することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明で使われる用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当業者の意図または判例、新技術の出現などによって異なりもする。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたった内容とを基に定義されなければならない。
【0024】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載した「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味して、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されたり、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合に具現される。
【0025】
以下、無線チャネルを介して送受信される映像データは、映像情報を示す複数個のピクセルを含む。WiGig(wireless gigabit alliance)標準規格によれば、無線チャネルの使用可能な帯域幅に基づいて、データ伝送率が動的に調節される非圧縮映像データのフォーマットをWSP(WiGig spatial processing)フォーマットであると命名している。非圧縮映像データのフォーマットがWSPフォーマットであるか否かに係わる情報は、伝送されるパケットのフィーチャリスト・フィールド(FeatureList field)に含まれる。WSPフォーマットは、2D(two dimensional)映像データだけではなく、3D(three dimensional)映像データにも適用される。
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によって、無線チャネル10を介して、無線送信機11から無線受信機12に映像データを伝送する無線通信システムを図示するブロック図である。伝送される映像データのフォーマットは、WSPフォーマット、またはWiGig以外の標準によって、あらかじめ設定された他のフォーマットでもある。
【0028】
無線送信機11で、映像入力モジュール13は、非圧縮映像を含むデータをさまざまな種類の有線または無線のインターフェースを介して、送信部14に提供することができる。映像入力モジュール13は、例えば、映像デコーダまたは非圧縮HD(high definition)映像記録部にもなる。
【0029】
送信部14は、無線チャネル10を介して、映像データを無線受信機12内の受信部15に伝達するために、ミリメートル波(mmWave)無線技術を使用することができる。480pのようなさらに低い映像フォーマットのために、UWB(ultra wide band)、または802.11nのような他の無線技術が使用される。
【0030】
無線受信機12の受信部15は、受信された情報を、他の1つの有線または無線のインターフェースを介して、映像再生モジュール16に提供することができる。映像再生モジュール16は、例えば、HDTV(high-definition television)、モニタ、プロジェクタなどにもなる。
【0031】
無線送信機11に含まれるピクセルパーティショニング・モジュール110は、映像データを伝送するために、ピクセルの輝度成分値及び色差成分値を複数個のパーティションに配置することができる。ピクセルの輝度成分及び色差成分が配置された複数個のパーティションを獲得する過程を、ピクセル・パーティショニング(pixel partitioning)過程という。
【0032】
映像データに含まれた複数個のピクセルは、それぞれ明度を示す輝度(Luma)成分、及び彩度を示す色差(Chroma)成分のうち少なくとも一つを含む。YCbCrのカラーフォーマット(color format)を有する映像データにおいて、輝度成分は、「Y」、色差成分は、「Cb」及び「Cr」と表現される。本発明の他の実施形態によれば、YCbCrカラーフォーマット以外にも、YCoCgカラーフォーマットを有する映像データが考慮される。YCoCgカラーフォーマットにおいて、色差成分は、「Co」及び「Cg」と表現される。
【0033】
映像データのカラーフォーマットに係わる情報は、伝送されるパケットのコンポーネントコンフィギュレーション・フィールド(ComponentConfiguration field)に含まれる。コンポーネントコンフィギュレーション・フィールドは、YCbCrカラーフォーマットの場合、0b01を、YCoCgカラーフォーマットの場合、0b10を含んでもよい。
【0034】
ピクセルパーティショニング・モジュール110は、それぞれのピクセルに含まれる輝度成分値及び彩度成分値を獲得し、互いに異なる複数個のパーティションに配置する。ピクセルブロックに含まれる輝度成分値及び彩度成分値を、複数個のパーティションに分配する詳細な過程については、
図6ないし
図8で説明する。
【0035】
パーティションドロップ・モジュール120は、映像データのデータ伝送率を調節するために、映像データに含まれる複数個のパーティションに係わるデータ値のうち、選択された少なくとも1つのパーティションのデータをドロップ(drop)させることができる。送信部14に含まれるパーティションドロップ・モジュール120は、伝送される映像データのデータ伝送率(data rate)が、無線チャネル10の環境または帯域幅に比べて十分に低くなければ、段階的に(progressively)パーティションをドロップさせてデータ伝送率を低くすることができる。
【0036】
無線送信機11は、データ伝送率が調節された映像データを、無線チャネル10を介して、無線受信機12に伝送するデータ送信モジュール130をさらに含んでもよい。
【0037】
無線受信機12に含まれる受信部15は、無線送信機11と対応するように、無線通信のためのデータ受信モジュール140、及びデータ伝送率が調節される前の映像データを復元するために、パーティションドロップ・モジュール120の作業を逆行的に(regressively)遂行するデータ復元モジュール150を含んでもよい。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態による無線チャネル10を含む無線通信システムにおいて、データ伝送率を調節して映像データを伝送する実施形態をさらに詳細に図示した図面である。
【0039】
無線送信機11の映像入力モジュール13は、映像ストリームを、送信部14内のMAC(media access control)階層14Mで続けてストリーミングするアプリケーション&PAL(protocol adaptation layer)階層を含んでもよい。MAC階層14Mは、映像ストリームをMACパケットにパケット化し、無線チャネル10を介して無線受信機12に伝送するために、パケットをPHY(physical)階層14Pに伝送することができる。
【0040】
無線受信機12で、受信部15内のPHY階層15Pは、パケットを受信し、パケットをMAC階層15Mに提供することができる。MAC階層15Mは、パケットをデパケット化(depacketizing)した後、映像再生モジュール16に映像情報を提供することができる。映像再生モジュール16は、アプリケーション&PAL階層を含んでもよい。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、無線送信機11のMAC階層14Mでは、ピクセル・パーティショニングのためのピクセルブロック(pixel block)の大きさ及び形態に基づいて、映像入力モジュール13によって提供された映像ストリームから、映像パケットを生成する。NxMと表現されるピクセルブロックは、Nラインのピクセルライン(pixel line)と、M行のピクセル行(pixel column)とを有する隣接した映像ピクセルの集合を意味することができる。
【0042】
図3は、複数個のピクセル21の二次元的な非圧縮映像フレーム20の例示を図示している。複数個のピクセル21は、図面上で、シンボル(symbol)「O」によって表現される。
【0043】
本実施形態で、2x2ピクセルブロック22は、複数個のピクセル24を4つのピクセル・パーティション23(それぞれ、パーティション0、パーティション1、パーティション2、パーティション3)にマッピングさせるのに使用される。ピクセル・パーティション23は、送信部14のMAC階層14Mでパケットに挿入され、送信部PHY階層14Pを経て、無線チャネル10を介して、無線受信機12に伝送される。受信部15の受信部PHY階層15Pで受信されたパケットは、MAC階層15Mでデパケット化される。
【0044】
ピクセルブロック22の大きさは、無線受信機12のメモリバッファの容量、映像データのフォーマット及びコンテンツの種類によって決定される。例えば、チップ(chip)内のバッファ容量の制限によって、2列(row)の映像データがバッファリングされるならば、最大ピクセルブロック・サイズは、2xM(M=1,2,3,…)にもなる。例えば、ピクセルブロック22は、4個のピクセル24を含む2x2サイズを有することができる。
【0045】
また、コンテンツの種類、映像の解像度及びフォーマットが、ピクセルブロック22のサイズ選択に影響を及ぼすことがある。一実施形態によれば、ピクセルブロック22の大きさに係わる情報は、無線チャネル10を介して伝送される映像データのBlockModeフィールドに保存される。
【0046】
一般的に、全体映像で、小さい部分を占めるピクセルブロック内のピクセルは、相対的に類似した値を有する可能性が大きい。また、類似した値を有するピクセルを処理するためのピクセルブロックの大きさは、映像の解像度に比例する。1920x1080のような高解像度映像では、8x8ピクセルブロック内のピクセルが、非常に類似した値を有するとうことが一般的である。しかし、800x600のようなさらに低い解像度を有する映像では、一般的に、4x4ピクセルブロック内のピクセルが類似した値を有し、8x8は、ピクセルブロックの大きさとして、大きすぎる。ピクセルブロックに含まれるピクセルは、空間的に関連性を有する。
【0047】
ピクセルブロックの大きさは、無線受信機のメモリバッファの容量、映像データのフォーマット及びコンテンツの種類によって決定される。一実施形態によって、2x2サイズを有するピクセルブロックの場合、ピクセルブロックは、2行のピクセル行と2ラインのピクセルラインとで配置された4個のピクセルを含む。
【0048】
ピクセルブロックの大きさに係わる情報は、無線チャネルを介して伝送される映像データのBlockModeフィールドに含まれる。すなわち、2x2サイズであるピクセルブロックについて、映像データのBlockModeフィールドは、「2」のインデキシング情報を含んでもよい。または、映像データの解像度に基づいて、ピクセルブロックの大きさが既設定である。かような場合、ピクセルブロックの大きさ情報は、別途に伝送されず、送信側及び受信側で、解像度などに基づいて決定される。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、実際に割り当てられた無線チャネル10の帯域幅が、映像入力モジュール13から伝送される映像ストリームに要求されるデータ伝送率を受容することができるのであれば、ピクセル・パーティショニング過程を介して獲得された全てのパーティションのデータ値が伝送される。しかし、無線チャネル10の帯域幅が、要求されるデータ伝送率を受容することができなければ、データ伝送率を低くするために、段階的なレート調節(progressive rate adaptation)が行われる。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態による無線送信機11(
図1)での段階的なデータ伝送率調節方法のフローチャートを図示している。
図4に図示されたフローチャートでは、
図1及び
図2に図示された無線送信機11、映像入力モジュール13、送信部14、ピクセルパーティショニング・モジュール110、パーティションドロップ・モジュール120及びデータ送信モジュール130で、時系列的に処理される段階によって構成される。
【0051】
図5では、本発明の一実施形態による無線受信機12(
図1)で受信した映像データを復元する方法のフローチャートを図示する。
図5に図示されたフローチャートでも同様に、
図1及び
図2に図示された無線受信機12、受信部15、データ受信モジュール140、データ復元モジュール150及び映像再生モジュール16で、時系列的に処理される段階によって構成される。従って、以下で省略された内容であるとしても、
図1及び
図2で図示された構成について、以上で記述された内容は、
図4及び
図5に図示されたフローチャートにも適用されるということが分かる。
【0052】
図4の段階410で、無線送信機11は、ピクセルブロックの輝度成分値及び色差成分値を獲得する。すなわち、無線送信機11は、ピクセルブロックに含まれるそれぞれのピクセルに対して、輝度成分値及び色差成分値を獲得する。
【0053】
一実施形態によれば、段階410で、ピクセルブロックに含まれるピクセルは、映像データのカラーフォーマットによって、輝度成分値及び色差成分値のうち少なくとも一つを含んでもよい。言い替えれば、2x2サイズのピクセルブロックに含まれる4個のピクセルが有する輝度成分値及び色差成分値は、映像データのカラーフォーマットによって決定される。
【0054】
例えば、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットの映像データの場合、ピクセルブロックには、4個の輝度成分値及び8個の色差成分値が含まれる。すなわち、4個のピクセルそれぞれが、輝度成分値であるY値、色差成分値であるCb値及びCr値をいずれも含む。一方、YCbCr 4:2:0カラーフォーマットの映像データの場合、ピクセルブロックには、4個の輝度成分値及び2個の色差成分値だけが含まれる。すなわち、4個のピクセルそれぞれが、輝度成分値であるY値を含むのは、4:4:4カラーフォーマットと同一であるが、色差成分値は、1個のCb値及び1個のCr値だけが含まれる。
【0055】
段階420で、無線送信機11は、獲得した輝度成分値及び色差成分値が配置された複数個のパーティションを獲得する。すなわち、ピクセル・パーティショニング過程が遂行される。ピクセル・パーティショニング過程で、ピクセルブロック内でそれぞれのピクセルの空間的位置に基づいて、輝度成分値及び色差成分値が配置される。
【0056】
例えば、輝度成分値のうち、最初のピクセルラインの輝度成分値が、最初のパーティションに、2番目のピクセルラインの輝度成分値が2番目のパーティションに配置され、4個の色差成分値は、それぞれの位置に基づいて、互いに異なる4個のパーティションに配置される。このように、輝度成分値及び色差成分値は、分離され、それぞれ互いに異なる複数個のパーティションに配置される。
【0057】
複数個のパーティションの個数は、段階410で説明したように、映像データのカラーフォーマットによって決定される。例えば、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットについては、6個のパーティションが獲得される。他のカラーフォーマットに係わる実施形態については、
図6ないし
図8で詳細に説明する。
【0058】
複数個のパーティションは、それぞれ重要度レベル(importance level)に係わる情報を含んでもよい。重要度レベルは、パーティションがドロップされる過程で、ドロップ順序を決定するのに利用される。パーティションごとに有する重要度レベルについては、
図6ないし
図8を介して、それぞれのカラーフォーマットごとに詳細に説明する。
【0059】
段階430で、無線チャネルの帯域幅が、映像データを伝送するに十分であるか否かを決定する。十分であるならば、段階460に進み、十分ではなければ、段階440に進む。
【0060】
段階440で、無線送信機11は、少なくとも1つのパーティションをドロップさせる。無線チャネルの帯域幅が映像データを伝送するに十分ではない場合、無線送信機11は、データ伝送率を低くするために、複数個のパーティションのうち、少なくとも一つをドロップさせる。ドロップされるパーティションの順序は、前述の重要度レベルに基づいて決定される。すなわち、低い順序の重要度レベルを有するパーティションからドロップされる。
【0061】
段階450で、無線送信機11は、少なくとも1つのパーティションがドロップされた映像データを伝送するためのデータ伝送率が、帯域幅に比べて十分に低いか否かを決定する。データ伝送率が十分に低ければ、段階460に進み、十分に低くなければ、段階440に進む。すなわち、データ伝送率が十分に低ければ、段階的にパーティションドロップ過程をさらに遂行する。
【0062】
段階460で、ピクセル・パーティショニング過程が遂行された映像データをパケット化し、無線チャネルを介して、無線受信機に伝送する。段階460で、映像データのカラーフォーマット、ピクセルブロックの大きさ及びドロップされたパーティションに係わる情報を階層的に分類し、その結果をインデキシングし、インデキシング情報を映像データパケットと共に伝送することができる。
【0063】
図4で説明したさまざまな段階において、段階420ないし段階440は、無線送信機11のアプリケーション及びPAL階層13、またはオーディオビデオ制御(AVC:audio video control)階層で遂行される。パケット化のような特定作業も、無線送信機11のMAC階層14Mと関連する。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態による無線受信機12で、映像データを受信し、パーティションを復元する方法のフローチャートを図示する。
【0065】
段階510で、無線受信機12は、無線チャネルを介して伝送されるデータパケットを受信する。受信されたパケットは、デパケット化される。
【0066】
段階520で、無線受信機12は、無線送信機11でパーティションドロップ過程などを介してドロップされたパーティションがあるか否かを確認する。そのとき、
図4の段階460で伝送したインデキシング情報を獲得して確認することができる。例えば、インデキシング情報として「Dropping Index=0」が受信された場合、映像データのカラーフォーマットは、YCbCr 4:4:4であり、パーティション5がドロップされたということが分かる。また、パーティション5に,色差成分値であるCb11及びCr11値が含まれ、ドロップされたデータを復元するときに参照する色差成分値であるCb10及びCr10に係わる情報も、確認することができる。段階520で、無線受信機12がインデキシング情報を獲得し、ドロップされたパーティションがあるか否かを確認する過程については、追ってさらに詳細に説明する。
【0067】
少なくとも1つのドロップされたパーティションが存在する場合、段階530に進み、存在しなければ、段階540に進む。
【0068】
段階530で、無線受信機12は、受信された映像データに含まれた輝度成分値及び色差成分値を参照し、ドロップされたデータを復元する。かような復元過程は、パーティションドロップ過程の反対順序で進められる逆行的な過程である。また、無線受信機12は、映像データのカラーフォーマット、及びドロップされたパーティションに係わる情報を基に、ドロップされたデータを復元することができる。すなわち、無線受信機12は、映像データに含まれたインデキシング情報を参照し、ドロップされた輝度成分値及び色差成分値を復元することができる。カラーフォーマット及びドロップされたパーティションによるそれぞれの復元過程は、
図6ないし
図8で詳細に説明する。
【0069】
段階540で、無線受信機12は、受信したデータ及び復元されたデータを利用して、全体映像データを再構成する。再構成された映像データは、映像再生モジュールに伝送されて再生される。
【0070】
図5のさまざまな段階において、段階530及び段階540は、無線受信機12内のアプリケーション&PAL階層16(または、AVC階層)で行われる。段階510のデパケッタイジングは、無線受信機12のMAC階層15Mに含まれたデパケッタイジング・モジュールによって行われる。
【0071】
以下では、
図6ないし
図8を参照し、それぞれのカラーフォーマットによるピクセル・パーティショニング過程、パーティションを重要度レベルによってドロップする過程、及びドロップされたデータを復元する過程について詳細に説明する。
【0072】
図6は、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットを有する映像データに係わるピクセル・パーティショニング過程を図示している。YCbCr 4:4:4カラーフォーマットを有する映像データにおいて、2x2サイズのピクセルブロックは、2行のピクセル行(pixel column)と、2ラインのピクセルライン(pixel line)とで配置された4個のピクセルを含む。4個のピクセルを含むピクセルブロックは、4個の輝度成分値(Y)及び8個の色差成分値(Cb,Cr)を含む。
【0073】
YCbCr 4:4:4カラーフォーマットにおいて、輝度成分値及び色差成分値は、6個のパーティションに分配され、それぞれのパーティションを、パーティション0、パーティション1、パーティション2、パーティション3、パーティション4及びパーティション5とする。
【0074】
図6(a)で、ピクセルブロックに含まれる4個のピクセルそれぞれは、輝度成分値及び色差成分値をいずれも含む。すなわち、「ピクセル行0」及び「ピクセルライン0」に対応する「ピクセル00」は、輝度成分値であるY00、並びに色差成分値であるCb00及びCr00をいずれも含む。ピクセル行0及びピクセルライン1に対応するピクセル01も、同様に輝度成分値Y01、及び色差成分値Cb01,Cr01をいずれも含む。ピクセル行1に対応するピクセル10及びピクセル11も、輝度成分値及び色差成分値をいずれも含む。以下で、輝度成分は、実線601で表示され、色差成分は、点線602及び鎖線603で表示される。輝度成分及び色差成分を図示する方法は、
図7及び
図8についても同一である。
【0075】
図6(b)を参照して、ピクセル・パーティショニング過程について詳細に説明する。パーティション0には、ピクセルライン0に対応するピクセル00及びピクセル01の輝度成分値が配置される。すなわち、Y00及びY01が配置される。パーティション1には、ピクセルライン0及びピクセル行0に対応するピクセル00の色差成分値が配置される。すなわち、Cb00及びCr00が配置される。次に、パーティション2には、Y10及びY11が配置され、パーティション3には、Cb10及びCr10が配置される。次に、パーティション4には、Cb01及びCr10が配置され、パーティション5には、Cb11及びCr11が配置される。言い替えれば、ピクセル24の輝度成分値及び色差成分値は、互いに分離され、複数個のパーティションにそれぞれ配置される。
【0076】
YCbCr 4:4:4カラーフォーマットにおいて、6個のパーティションのうち、パーティション0及びパーティション1は、最も高い重要度レベルを有する。パーティション0及びパーティション1において、パーティション2が2番目に高い重要度レベルを有し、パーティション3が3番目の重要度レベルを有する。次に、パーティション4とパーティション5は、最も低い4番目の重要度レベルを有する。
【0077】
パーティションごとに対応する重要度レベルは、データ伝送率を低くするために、段階的にパーティションをドロップさせる過程で利用される。例えば、無線チャネルの帯域幅が、パーティション0ないしパーティション5をいずれも伝送するのに不足である場合、無線送信機11は、最も低い重要度レベルを有するパーティション4及びパーティション5をドロップさせることができる。データ伝送率をさらに低めなければならない必要性があると判断されれば、3番目の重要度レベルを有するパーティション3をドロップさせ、次に、パーティション2を段階的にドロップさせる。段階的にデータ伝送率を調節することにより、無線送信機11は、複数個のパーティションを選択的に含む映像データを送信することができる。
【0078】
YCbCr 4:4:4カラーフォーマットを有する映像データで、パーティション4,5がドロップされれば、映像データのデータ伝送率がYCbCr 4:2:2カラーフォーマットと同一になり、パーティション3,4,5がドロップされれば、YCbCr 4:2:0カラーフォーマットとデータ伝送率が同一になる。
【0079】
次に、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットの映像データについて、データを復元する過程について説明すれば、パーティション5がドロップされた場合、パーティション5に含まれた色差成分値であるCb11及びCr11は、ドロップされた色差成分値と空間的に近接したピクセルの色差成分値であるCb10及びCr10を参照して復元される。すなわち、ドロップされたパーティション5に含まれた色差成分値は、パーティション5より高い重要度レベルを有するパーティションに含まれた色差成分値を参照して復元される。
【0080】
次に、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットの映像データで、パーティション4及びパーティション5がドロップされた場合、パーティション4に含まれたCb01及びCr01の色差成分値は、パーティション1に含まれたCb00及びCr00を参照して復元される。パーティション5に含まれたCb11及びCr11については、前述の内容の通りである。次に、パーティション3,4,5がドロップされた場合、受信された映像データに含まれた色差成分値は、パーティション1に含まれたCb00及びCr00値が唯一であるので、ドロップされた色差成分値は、パーティション1のCb00及びCr00値を参照していずれも復元される。
【0081】
パーティション2,3,4,5がドロップされた場合、色差成分値は、パーティション1に含まれたCb00及びCr00を参照して復元され、輝度成分値であるY10及びY11は、パーティション0に含まれた輝度成分値であるY00及びY01を参照して復元される。
【0082】
図7(a)では、YCbCr 4:2:2カラーフォーマットを有する映像データに係わる実施形態を図示している。YCbCr 4:2:2カラーフォーマットの映像データで、ピクセル行0に対応する2個のピクセルであるピクセル00及びピクセル10は、輝度成分値及び色差成分値をいずれも含む。一方、ピクセル行1に対応する2個のピクセルであるピクセル01及びピクセル11は、輝度成分値のみを含む。また、YCbCr 4:2:2カラーフォーマットにおいて、輝度成分値及び色差成分値は、4個のパーティションにそれぞれ分離されて配置される。
【0083】
YCbCr 4:2:2カラーフォーマットの映像データに係わるピクセル・パーティショニング過程について、
図7(b)を参照して説明すれば、ピクセルライン0に対応するピクセル00及びピクセル01の輝度成分値が、パーティション0に配置される。すなわち、Y00及びY01が、パーティション0に配置される。パーティション1には、ピクセルライン0及びピクセル行0に対応するピクセル00の色差成分値が配置される。すなわち、Cb00及びCr00が、パーティション1に配置される。パーティション2には、ピクセルライン1に対応するピクセル10及びピクセル11の輝度成分値であるY10及びY11が配置される。パーティション3には、ピクセルライン1及びピクセル行0に対応するピクセル10の色差成分値であるCb10及びCr10が配置される。
【0084】
YCbCr 4:2:2カラーフォーマットで、パーティション0とパーティション1とが第1の重要度レベルを有し、次に、パーティション2が2番目に高い重要度レベルを有する。次に、パーティション3は、最も低い重要度レベルを有する。従って、パーティションドロップ過程において、パーティション3がまず最初にドロップされ、データ伝送率が十分ではなければ、パーティション2がさらにドロップされる。
【0085】
次に、受信側で、データを復元する過程について説明すれば、パーティション3がドロップされた場合、パーティション3に含まれた色差成分値は、色差成分値を含む唯一のパーティションであるパーティション1を参照して復元される。すなわち、Cb10及びCr10は、それぞれCb00及びCr00を参照して復元される。
【0086】
パーティション2及びパーティション3がドロップされた場合、色差成分値は、パーティション3に含まれたCb00及びCr00を参照して復元され、輝度成分値は、パーティション0に含まれた輝度成分値であるY00及びY01を参照してそれぞれ復元される。
【0087】
図8(a)では、YCbCr 4:2:0カラーフォーマットの映像データに係わる実施形態について説明する。YCbCr 4:2:0カラーフォーマットにおいて、ピクセルブロックに含まれる4個のピクセルのうち、ピクセルライン0及びピクセル行0に対応するピクセル00のみが輝度成分値及び色差成分値をいずれも有する。すなわち、ピクセル00は、Y00、Cb00及びCr00をいずれも含む。残りの3個のピクセルは、輝度成分値であるY01、Y10及びY11のみを含む。
【0088】
図8(b)で、YCbCr 4:2:0カラーフォーマットの映像データに係わるピクセル・パーティショニング過程について説明すれば、ピクセルライン0に対応する2個のピクセルであるピクセル00及びピクセル01の輝度成分値であるY00及びY01が、最も高い重要度レベルを有するパーティション0に配置される。次に、パーティション0と同一の重要度レベルを有するパーティション1には、ピクセル00の色差成分値であるCb00及びCr00が配置される。次に、2番目に高い重要度レベルを有するパーティション2には、ピクセルライン1に対応する2個のピクセルであるピクセル10、ピクセル11の輝度成分値であるY10及びY11が配置される。YCbCr 4:2:0カラーフォーマットの映像データを伝送する過程で、パーティションがドロップされる場合、最も低い重要度レベルを有するパーティション2がドロップされる。映像データの輝度成分値と色差成分値とがいずれもドロップされることはないので、最も高い重要度レベルを有するパーティション0及びパーティション1は、ドロップされない。
【0089】
次に、YCbCr 4:2:0カラーフォーマットの映像データに係わる復元過程について説明すれば、パーティション2がドロップされた場合、ドロップされた輝度成分値であるY10及びY11は、輝度成分値を含むパーティション0のY00及びY01を参照して復元される。すなわち、Y10及びY11がドロップされれば、空間的に近接した輝度成分値であるY00及びY01をそれぞれ参照して復元される。
【0090】
図6ないし
図8と係わって以上で説明した内容によって、映像データのカラーフォーマット、ドロップされるパーティション及びデータ値、復元時に参照するデータ値に係わる情報が階層的に分類される。すなわち、以下の表1のように、それぞれのカラーフォーマットについてドロップされるパーティション、及びドロップされるデータ値が分類され、それぞれのドロップされたデータ値が復元されるために参照するデータ値に係わる情報も、共に分類される。
【0091】
【表1】
前記表1を例として挙げて説明すれば、YCbCr 4:4:4カラーフォーマットの映像データについて、Y10及びY11を含むパーティション2がドロップされた場合、無線送信機は、かようなドロップされた輝度成分値であるY10、Y11を示すインデキシング情報として「Dropping Index=3」を伝送することができる。
【0092】
かようなインデキシング情報を基に、無線受信機12では、ドロップされたパーティションが、パーティション2、パーティション3、パーティション4及びパーティション5であるということが分かり、ドロップされた輝度成分を復元するために、輝度成分値であるY00、Y01を参照することができる。
【0093】
前述の切符1は、1つの一実施形態に過ぎず、ドロップされるパーティション及び映像データのカラーフォーマットに係わるインデキシング情報であるDropping Indexは、ピクセルブロックの大きさ、映像データのカラーフォーマット、及び他の付加情報などの組み合わせによって多様に設定される。
【0094】
本発明の一実施形態によるデータ復元過程において、0次補間法(0−th order interpolation)、二重線形補間法(bilinear interpolation)及びバイキュービック補間法(bicubic interpolation)のようなさまざまな方法が活用される。
【0095】
一方、前述の方法は、コンピュータで実行されるプログラムとして作成可能であり、コンピュータ可読媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されもする。また、前述の方法で使用されたデータ構造は、コンピュータ可読媒体にさまざまな手段を介して記録される。本発明の多様な方法を遂行するための実行可能なコンピュータコードを含む保存デバイスについて説明するために使用されるプログラム保存デバイスは、搬送波(carrier waves)や信号のように、一時的な対象は、含まれるものであると理解されてはならない。前記コンピュータ可読媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD(compact disc)−ROM、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
【0096】
本発明の実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなくして、説明的観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明ではなくして、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明の範囲に含まれるものであると解釈されなければならない。