(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動信号の電圧振幅の前記独立した構成は、前記ドライバ装置の出力ノードの動作速度に対して最小限の作用しか発生させないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記入力信号及び前記パルス制御された入力信号を入力として受け取るマルチプレクサを更に備え、前記マルチプレクサは、前記信号の周波数がある特定の周波数を上回った場合には前記入力信号を選択し、前記信号の周波数が前記ある特定の周波数を下回った場合には前記パルス制御された入力信号を選択する制御信号を受け取る、請求項1に記載の装置。
前記装置は、抵抗器を有する1つ又はそれ以上の小区分を含む第1の種類のドライバ装置であり、前記抵抗器の第1の端部が前記通信チャネルと結合され、前記抵抗器の第2の端部が、トランジスタの第1の端子と結合されており、前記トランジスタの第2の端子が接地と結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記駆動信号の電圧振幅を構成するための機構が、前記ドライバ装置の出力ノードの動作速度に対して最小限の作用しか発生させないことを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
前記フィードバック回路が、前記ドライバ装置の必要とされる電圧振幅と実際の電圧振幅との間の誤差を発生させる誤差発生器を含むことを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
前記フィードバック回路が更に、前記誤差発生器の出力と結合されたデジタル−アナログコンバータと、該デジタル−アナログコンバータの出力と結合された電圧レギュレータとを含むことを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
前記パルス制御機構が、速度モード信号に基づいて前記入力ビット信号と前記変換されたパルス信号との間で選択を行うマルチプレクサを含むことを特徴とする、請求項20に記載のシステム。
前記ドライバ装置は第1のデバイスの一部であり、該第1のデバイスは受信装置を更に含み、前記受信装置は第2のデバイスの一部であり、該第2のデバイスはドライバ装置を更に含むことを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
前記第1のデバイスのドライバ装置の終端抵抗、電圧振幅、又はその両方は、前記第2のデバイスのドライバ装置の終端抵抗、電圧振幅、又はその両方と異なることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
DRAMデバイスが、電圧振幅パラメータ及び終端抵抗パラメータのうちの1つ又はそれ以上を記憶するレジスタを含むことを特徴とする、請求項27に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、一般的に、シングルエンド構成可能マルチモードドライバに関する。
【0013】
幾つかの実施形態において、方法、装置、又はシステムは、シングルエンド構成可能マルチモードドライバを提供する。幾つかの実施形態では、装置又はシステムは、例えばDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)インターフェイスを含む、高速有線インターフェイス用のドライバのような信号伝送を行うドライバを提供する。幾つかの実施形態では、ドライバは、電圧振幅特性及び終端抵抗に対して構成可能とすることができる。幾つかの実施形態では、ドライバは、マルチモードのモードであり、この場合「マルチモード」とは、複数の異なる速度での動作を意味する。
【0014】
利用することができるドライバに対する数多くの回路技術が存在する。しかしながら、既存のドライバ構造は、通常、以下の問題の1つ又はそれ以上を示す。
【0016】
(2)動作速度を2倍にすることが必要な差動構造
【0019】
(5)供給電圧と電圧振幅との間の緊密な関係
【0020】
(6)大きな減結合キャパシタを有する電圧レギュレータ要件
【0022】
幾つかの実施形態では、装置は、入力信号を受信する入力と、入力信号から発生させた駆動信号を通信チャネル上に送信する出力と、ドライバ装置の終端抵抗を構成する機構と、駆動信号の電圧振幅を構成する機構とを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、システムは、通信チャネルと、駆動信号を供給するために通信チャネルと結合されたドライバ装置と、ドライバ装置の終端抵抗を構成する機構及び駆動信号の電圧振幅を構成する機構を含む送信装置と、駆動信号を受信するために通信チャネルと結合された受信装置とを含む。
【0024】
図1は、I/Oリンクの要素の1つの実施形態を例示している。この例図では、2つのデバイスを電気的に接続する単一チャネルI/Oリンクの機能ブロックが提供される。図示のように、並列データ105がシリアライザ110によって並直列変換され、並直列変換された出力は、チャネル135を介した送信のためドライバ130によって受け取られる。シリアライザ110及びドライバ130は、位相ロックループ(PLL)回路115によって生成されるクロック信号125によりクロック制御することができ、位相ロックループ(PLL)回路115は、基準クロック信号120を用いてクロック信号125を発生させる。チャネル135を介して送信された並直列変換されたデータは、信号等化器140によって受信され、該信号等化器140は、均等化したデータ信号をクロック及びデータ復元要素145に供給する。クロック及びデータ復元要素は、復元したデータをデシリアライザ155に供給し、復元したクロック信号150を等化器140及びデシリアライザ155に供給する。デシリアライザ155は、データを直並列変換し、並列データ出力160を生成する。
【0025】
動作時には、I/Oリンク100の総電力消費量の大部分がドライバ130によって消費される。幾つかの実施形態では、ドライバ130は、電力消費量を制御するように構成することができる構成可能マルチモードドライバである。
【0026】
図2は、シングルエンド電圧モードドライバを例示している。この例図では、シングルエンドの(差動ではなく)ドライバ200は、例えば最大1Gbps(ギガビット毎秒)の速度における送信を提供することができる。この例図では、ドライバ200は、信号をチャネル(CHAN)270を介して受信器(RX)250に駆動するように動作し、ドライバ200のチャネル接続部は、第1のキャパシタ(C1)によって接地と結合され、受信器280のチャネル接続部は、第2のキャパシタ(C2)282によって接地と結合される。ドライバ200は、スイッチとして用いられる、トランジスタM11 210、M21 216、M12 220、M22 226…M1N 230、M2N 236を含み、これらのトランジスタによって制御される抵抗器R11 212からR2N 234のスイッチング可能な組み合わせを用いて終端の変更が提供される。
【0027】
特定の技術に優るドライバ200の利点は、一般的にこのドライバが動的電力しか消費しない点である。しかしながら、高いデータレート(レート>2Gbps等の)では、信号反射及び電源バウンスに起因して、信号インテグリティ性能が急速に悪化する可能性があり、これによって速度及びBER(ビットエラーレート)が制限される。従って、高速では、信号反射及び電源バウンスに対処するために一般的に2つの技法が用いられる。反射を軽減するために、受信器端部と送信器端部の両方において終端抵抗器を用いることができる。電源バウンス効果を軽減するために、差動回路構造が用いられる。しかしながら、これらの構造又は方法の両方が大きな電力損失を有し、このことについて以下でより詳細に説明する。
【0028】
図3は、送信側と受信側に終端抵抗が設けられたシングルエンド電圧モードドライバを例示している。この例図では、ドライバ300は、チャネル(CHAN)370を介して受信器(RX)380と結合され、ドライバ300へのチャネル接続部は、第1のキャパシタ(C1)362によって接地と結合され、受信器380のチャネル接続部は、第2のキャパシタ(C2)382によって接地と結合される。ドライバ300は、電圧VDDQと第1の抵抗器(R1)312の第1の端部との間でスイッチとして動作する第1のトランジスタ(M1)310を含み、R2 314の第2の端部はCHAN 370と結合される。ドライバ300は更に、接地と第2の抵抗器(R2)314の第1の端部との間でスイッチとして動作する第2のトランジスタ(M2)316を含み、R2 314の第2の端部は、R1 312の第2の端部及びCHAN 370と結合される。
【0029】
動作時には、ドライバ300の動的電流の使用に加えて、ドライバ300はまた、ハイ状態でVDDQ/2R(この場合、RはR1及びRtの抵抗である)とほぼ等しい静電流を引き込む。例えば、VDDQ=1.2V及び2R=100オームの場合、静電流はおよそ12mAであり、この電流は、装置内に多くのこのようなチャネルが存在する可能性があるモバイルアプリケーションにおいては極めて高い。ロー状態では、ドライバは、基本的にいかなる電流も引き込むことにはならない。
【0030】
図4は、ドライバシステム構造の要素の例図である。この例図では、電力を低減するために、低電源電圧を利用することができる。しかしながら、この電圧供給は、チップの外部のスイッチングレギュレータから生成される。動作時には、ドライバが、オンチップレギュレータから導出される低電圧振幅及びシングルエンド構造を適正に機能させることを可能にする点で問題がある。この例図では、電源は、標準のV
DDではないVs/2であり、振幅はVs/4である。従って、出力振幅は、外部電源に依存することになる。
【0031】
この例図では、スルーレート制御430は、ゲート電圧Vsrを調節することによるPMOS(P型金属酸化物半導体)デバイスの抵抗の制御を含む、インピーダンス制御420によって達成される。プリエンファシス410は、同じユニットドライバを複製し、各ドライバを通じて過去及び現在のサンプルを入力することによって達成される。
【0032】
この例図では、ドライバの出力抵抗は、ゼロとPVDDとの間にプリドライバ(PreDrvr)振幅を有することによって制御される。PVDDは、NMOS(N型金属酸化物半導体)デバイスの抵抗に基づいて(NMOSのV
gsに依存して)設定される。NMOSトランジスタは、最終段においてトライオード領域(抵抗性領域)内でしか動作しない。それとは対照的に、幾つかの実施形態では、デバイスは、トランジスタに依存してトライオードモードと電流源モードの両方で動作する。
【0033】
図5は、電圧モード差動ドライバを例示している。差動構造は、電源バウンス及びコモンモードノイズを軽減するのに用いることができる。
図5は、1つの実施可能な電圧モード差動ドライバの実施構成を例示している。この例図では、ドライバ500は、第1の差動構造510と第2の差動構造520とを含む。第1の差動構造510は、第1のチャネル(CHAN−1)570を介して受信器(RX)580と結合され、第2の差動構造520は、第2のチャネル(CHAN−2)572を介して受信器580と結合される。差動構造の各々のチャネル接続部は、第1のキャパシタ(C1)562及び564を介して接地と結合され、受信器580への2つの入力の各々は、第2のキャパシタ(C2)582及び584によって接地と結合される。差動構造の各々は、電圧VDDQと第1の抵抗器(R1)512又は522の第1の端部との間のスイッチとして第1のトランジスタ(M1)510又は520を含み、第1の抵抗器512又は522の第2の端部は、チャネル570又は572と結合される。差動構造の各々は更に、接地と第2の抵抗器(R2)514又は524の第1の端部との間のスイッチとして第2のトランジスタ(M2)516又は526を含み、第2の抵抗器514又は524の第2の端部は、チャネル570又は572と結合される。
【0034】
この構造では、電源から引き込まれた正味電流は、ビット状態に関係なく一定であり、これによって電源バウンスが軽減される。静電流は、VDDQ/4R(この場合、例えばR1=R2=Rt=Rである)によって与えられ、R=50オーム及びVDD=1.2Vにおいて6mAの電流引き込みが可能になる。
図5に例示した装置は、同等のシングルエンド構造の電力の半分しか消費しないが(同じ電圧振幅において)、ドライバは、ピン当たりの同じ帯域効率を維持するために、シングルエンド構造の速度の2倍で動作することが必要とされる。高速では、多くの用途においてチャネル要件が過度の制約条件を課す可能性がある。加えて、電圧振幅は、容易には構成又はプログラミングされず、従って、電力損をデータ速度と容易には適合させることができない。
【0035】
図6は、電流モード論理(CML)ドライバを例示している。この例図では、電流源(I)640は、第1のトランジスタ(M1)610及び第2のトランジスタ(M2)620の第1の端部と結合され、M1 610の第2の端部は、第1のチャネル(CHAN−1)670及び抵抗器(R)612の第1の端部と結合され、R612の第2の端部は接地と結合され、M2 620の第2の端部は、第2のチャネル(CHAN−2)672及び抵抗器(R)622の第1の端部と結合され、R622の第2の端部は接地と結合される。受信器(RX)680の第1の端部はCHAN−1 670及び終端抵抗器(2*Rt)682の第1の端部と結合され、RX680の第2の端部は、CHAN−2 672及び終端抵抗器682の第2の端部と結合される。
【0036】
電流モード論理ドライバは、電流によって振幅を修正する柔軟性を与えることができ、従って、このようなドライバが一般的に用いられる。しかしながら、ドライバ600等のCMLドライバは、出力の状態とは関係なく静電流を引き込む。この理由から、CMLドライバは、一般的に、データがバーストで送信される用途には適さない。
【0037】
図7は、シングルエンド電流モードドライバを例示している。この例図では、トランジスタ(M1)710の第1の端部は電圧源V
DDと結合され、M1 710の第2の端部は、チャネル(CHAN)770及び抵抗器(R)712の第1の端部と結合され、R712の第2の端部は接地と結合される。受信器(RX)780の第1の端部は、CHAN770及び終端抵抗器(Rt)782の第1の端部と結合され、Rt782の第2の端部は接地と結合される。しかしながら、ドライバ700等のシングルエンド電流モードドライバは、一般的に、同様の電圧振幅において
図6に例示したドライバ600等の差動ドライバの2倍の電流を消費し、従って、著しい制限がある。
【0038】
幾つかの実施形態では、ドライバは、従来のドライバと比較して動作の改善を可能にする要素を含む。幾つかの実施形態では、ドライバは、電力消費量を低減し、ピン当たりの改善された帯域効率を与える要素を含み、これによってドライバの有効振幅(又は電流)が低減され、ドライバで利用可能な電流のうちのより多くの部分が、取り付けられた負荷に提供される。
【0039】
図8Aは、構成可能シングルエンドドライバ構造の1つの実施形態を例示している。この例図では、ドライバ800(本明細書ではI型ドライバと呼ぶ場合がある)は、終端抵抗(Rt)882を含む受信器装置とチャネル(CHAN)870を介して結合される。ドライバ800は、電圧V
DDと第1の抵抗器(R1)812の第1の端部との間でスイッチとして機能する第1のトランジスタ(M1)を含み、R1 812の第2の端部は、CHAN870の送信器側と結合される。ドライバ800は更に、接地と第2の抵抗器(R2)814との間でスイッチとして機能する第2のトランジスタ(M2)816を含み、R2 814の第2の端部はCHAN870と結合される。幾つかの実施形態では、ドライバは更に、接地と第3の抵抗器(R3)824との間でスイッチとして機能する第3のトランジスタ(M3)826を含み、R3 824の第2の端部はCHAN870と結合される。
【0040】
幾つかの実施形態では、トランジスタM1 810及びM3 826はスイッチとして動作し、これによってM1/R1の直列接続部とM3/R3の直列接続部との間の電圧分割を利用して、ドライバ出力における電圧振幅を設定することができる。電源とは無関係に設定できる(抵抗値を調節することによって)電圧振幅を与えることによって、特定のインターフェイスに適するように出力電圧、従って電力損を最小限に抑えることができる。幾つかの実施形態では、
図8Aに提示した構造は、バイアス電圧を必要とせずに動作し、起動時間が重要な用途において利用することができる。幾つかの実施形態では、ドライバ800は、シングルエンド電流モードドライバと比較して改善された電力損効率を与えるのに用いることができる。
【0041】
図8Aには、本明細書でストリングとも呼ばれるドライバ回路の枝路を、単線のストリングとして例示しているが、このようなストリングの各々は、複数の並列ストリングを表すものとすることができる。幾つかの実施形態では、トランジスタ及び抵抗器からなる複数のストリングによって、ドライバ装置800のプログラマビリティ及び構成可能性を与えることができ、ドライバ800は、正しい出力インピーダンス又は電流能力を提供するストリングのみを含む。幾つかの実施形態では、複数のストリングを利用して、システム内のPVT(プロセス、電圧、温度)の変化を追跡することができる。例えば、
図8Aでは、M1 810及びR1 812は、数多くのこのようなストリングの等価物を表している。幾つかの実施形態では、ドライバ800に対して選択されるストリング数は、ドライバに必要とされる構成可能性に依存する。更に、M3 826/R3 824ストリング及びM2 816/R2 814ストリングについても同じことが当てはまる。幾つかの実施形態では、この概念は、
図8Bから
図12に例示したような他の回路構造内に含まれるストリングについても当てはまる。
【0042】
幾つかの実施形態では、ドライバ800は、大きなVt(閾値電圧)のトランジスタを用いて動作することができ、従って、ドライバの構造をDRAM型のプロセスに適するものにする。I型ドライバ800は、ドライバインピーダンス(Z0)と出力電圧振幅(Vdriverout)とを独立して適合させる自由度を与える。これらのパラメータは、M1及びM3が理想的なスイッチであるように単純化された場合、次式で表すことができる。
Z0=R1//R3 [1]
Vdriverout=(R3//Rt)/(R3//Rt+R1) [2]
ここで//は並列の抵抗器を表し、Rtはチャネルの特性インピーダンスと一致すると仮定する。
【0043】
幾つかの実施形態では、必要とされるZ0とVdriveroutと電力損とを同時に満たすように、R1及びR3に調節を加えることができ、これによって回路構造を様々な用途に適合させることが可能になる。
【0044】
図8Bは、電流源を有する構成可能シングルエンドドライバ構造の1つの実施形態を例示している。この例図では、ドライバ801(I型ドライバの別の変化形である)は、
図8Aに関して上記で説明した要素に加えて、構成可能電流源820(ここでは電流源トランジスタM4が電流源である)を更に含み、電流源は、CHAN870の送信器側と結合される。電流源820は電流源トランジスタM4として例示されており、この図には電流源のミラー要素は例示されていない。幾つかの実施形態では、電流源820は、必要に応じて追加の出力電流を供給することができる。幾つかの実施形態では、ドライバ801の電流源820は、必要な電流を供給するようプログラミング可能である。
【0045】
幾つかの実施形態では、ドライバ801における高電圧は、第1のトランジスタ810、第2のトランジスタ816、及び電流源トランジスタ820をオンにスイッチングし、第3のトランジスタ826をオフにスイッチングすることによって得ることができ、ここで高電圧値は、R1 812とR3 824との比及び電流源820からの電流によって定義される。幾つかの実施形態では、ドライバ801における低電圧は、第1のトランジスタ810、第2のトランジスタ814、及び電流源トランジスタ820をオフにスイッチングし、第3のトランジスタ826をオンにスイッチングすることによって得ることができる。幾つかの実施形態では、高電圧状態における終端の値は、R1及びR3の等価並列抵抗によって設定され、それに対して低電圧状態における終端は、R2によって設定される。
【0046】
幾つかの実施形態では、
図8Aに関して上記で説明したように、R1 812、R2 814、及びR3 824の等価抵抗は、例示しているユニットの複数の並列ストリングを用いることから導出することができ、従って、並列ストリングのうちの1つ又はそれ以上を有効にすることによって、R1、R2、及びR3を効果的に変更することができる。1つの実施例では、M1 810及びR1 812からなるストリングは、抵抗及びトランジスタからなる複数の並列ストリングの等価物とすることができ、この場合、
図8Bは、複数のストリングの等価表現を提示している。このことはまた、M2 816及びR2 814を含むストリング並びにM3 826及びR3 824を含むストリング等、例示している他のストリングにも当てはまる。幾つかの実施形態では、複数のストリングのうちの1つ又はそれ以上の有効化を利用して、終端抵抗に対するプログラマビリティを与えることができる。
【0047】
図9は、構成可能シングルエンド電圧モードドライバの1つの実施形態を例示している。この例図では、ドライバ900(本明細書ではII型ドライバと呼ぶ場合がある)は電圧モードドライバである。幾つかの実施形態では、ドライバ900の第1のトランジスタ(M1)910は、トランジスタ942の端子と結合されたソースフォロワとして機能し、トランジスタ942の第2の端子はバイアス電圧Vbias1と結合され、第2のトランジスタ(M2)916はスイッチとして機能し、M2 916のゲートは、電圧V
inを受けるインバータ944と結合される。例示するように、M1 910の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M1 910の第2の端子は、第1の可変抵抗器(R1)912の第1の端部及びブリーダ電流源(lb)940と結合される。R1 912の第2の端部は、チャネル(CHAN)970及び第2の可変抵抗器(R2)914の第1の端部と結合される。R2 914の第2の端部はM2 916の第1の端子と結合され、M2 916の第2の端子は接地と結合される。CHAN970の受信器端部と結合されるのは、終端抵抗を表す第3の可変抵抗器(R3)982である。
【0048】
この構造では、M1 910への入力は、出力がハイである時にVbias1にバイアスされ、オフ状態で接地に引かれる。幾つかの実施形態では、Vbias1の値を調整することによって、ドライバ900の出力振幅を最小必要値に制御することができ、従って、対応する電力損を低減することができる。例えば、R3 982において300mVの振幅が必要とされる場合には、M1 910によって6mAの電流が供給され、これは、典型的なシングルエンド方式(この例では1.2VのVDDにおいて電流は12mAになる)の電流及び結果として生じる電力消費量の半分である。このシステムでは、ドライバ900の出力インピーダンスは、R1と、M1 910のソースにおいて見られる小さい/大きな信号インピーダンスとの合計である。幾つかの実施形態では、小さい/大きな信号インピーダンスにおける変動の作用は、M1 910のソースインピーダンスに対して大きなR1 912の値を利用することによって軽減することができる。幾つかの実施形態では、ブリーダ電流源lb 940は、M1のバイアス点を調節する点で追加の柔軟性を与える。幾つかの実施形態では、lb電流は、総電流のうちの一部分であり、ゼロ状態ではM2及びR2のみが接地に導通し、従って、ドライバ900は、実質的にいかなる静電流も有さない。
【0049】
図10は、構成可能シングルエンド電圧モードドライバの1つの実施形態を例示している。
図10は、II型電圧モードドライバの修正形態1000を例示している。幾つかの実施形態では、第1のトランジスタ(バイアス電圧Vbias1を受けるM1)1010の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M1 1010の第2の端子は、第1の可変抵抗器(R1)1012の第1の端部及びブリーダ電流源(lb)1040と結合される。第2のトランジスタ(入力信号Vinを受けるM2)の第1の端子は、第2の可変抵抗器(R2)1014の第1の端部と結合される。R1 1012の第2の端部は第3のトランジスタ(入力信号Vinを受けるM3)1042の第1の端子と結合され、M3 1042の第2の端子は、チャネル(CHAN)の第1の端部及びR2 1014の第1の端部と結合される。CHAN1070の第2の端部と結合されるのは、第3の可変抵抗器(R3)1082である。
【0050】
この実施構成では、スイッチM3 1042はM1 1010と直列である。幾つかの実施形態では、例示しているII型ドライバの機能は、I型ドライバの機能を含むことができる。幾つかの実施形態では、
図10に例示した構造は、受信器側に終端抵抗を含まないドライバにも好適となるであろう。この状況では、ブリーダ電流源lb 1040を利用して、トランジスタM1 1010が、適切なオーバードライブ電圧によって常に作動状態にあるのを確実にすることができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、ドライバ1000の電圧振幅及び終端抵抗は、第1の可変抵抗器1012及び第2の可変抵抗器1014の抵抗調節によって構成可能である。幾つかの実施形態では、電圧振幅は更に、バイアス電圧Vbias1によって定義される。幾つかの実施形態では、トランジスタM3 1042及びM2 1016は、相補的に動作する。例えば、M3がオンであるときには、M2は理想的にはオフであり、その逆もまた同様である。
【0052】
図11は、構成可能シングルエンド混在モードドライバの1つの実施形態の例図である。この例図では、「III型」電圧モード電流モード混在ドライバが提供される。幾つかの実施形態では、ドライバ1100は、電圧V
DDと結合された第1の端子と、第1の可変抵抗器(R1)1122の第1の端部、第2の可変抵抗器(R2)1114の第1の端部、及びチャネル(CHAN)1170の第1の送信器端部と結合された第2の端子と、を有する第1のトランジスタ(M1)1110を含む。幾つかの実施形態では、R2 1114の第2の端部は、第2のトランジスタ(M2)1116の第1の端子と結合され、M2 1116の第2の端子は接地と結合される。幾つかの実施形態では、第3のトランジスタ(M3)1120は、V
DDと結合された第1の端子と、R1 1122の第2の端部及びブリーダ電流源(lb)1140と結合された第2の端子とを含み、M3 1120のゲートは、インバータ1142と結合される。
【0053】
幾つかの実施形態では、M1 1110は、オン状態の間にスイッチング電流源として機能する。更にM3への入力は、供給電圧が基準電圧(VREF)に調整されたインバータ1142によって振幅調整され、これによって、ドライバ1100の出力における電圧振幅が制御される。幾つかの実施形態では、M3の足が十分な振幅及び終端制御を提供する場合には、M1 1110はドライバ回路から取り除くことができる。幾つかの実施形態では、M1 1110は、理想的ではないチャネル効果を補償するのに遷移中に必要とされる電流を供給するディエンファシスタップとして利用することができる。幾つかの実施形態では、適切なディエンファシスタップを有する追加の数のストリング(M1 1110等の)を含めることによって、タップの数を拡大することができる(この図にはこのような追加の数のストリングを例示していない)。幾つかの実施形態では、振幅が接地を基準とせず、V
DDを基準とするように例示した構造を逆にすることができる。
【0054】
図12は、構成可能シングルエンド混在モードドライバの1つの実施形態を例示している。この例図では、II型とIII型の混在モードドライバ1200の修正形態の1つの実施形態が提供される。幾つかの実施形態では、ドライバ1200は、第1の可変抵抗器(R1)1212の第1の端部と結合された第1の端子を有する第1のトランジスタ(M1)1211(バイアス電圧Vbias1を受ける)を含む。R1 1212の第2の端部は、チャネル(CHAN)1270の送信器端部及び第2の調節可能抵抗器(R2)1214の第1の端部と結合される。R2 1214の第2の端部は第2のトランジスタ(M2)1216の第1の端子と結合され、M2 1216の第2の端子は接地と結合される。M1 1211の第2の端子は、第3のトランジスタ(M3)1210の第1の端子と結合され、M3 1210の第2の端子は、電圧V
DDと結合される。第4のトランジスタ(M4)1220(電圧Vbias2を受ける)は、電圧V
DDと結合された第1の端子と、第5のトランジスタ(M5)1221の第1の端子と結合された第2の端子とを含み、M5 1221の第2の端子はCHAN1270の第1の端部と結合される。CHAN1270の第2の端部は、調節可能終端抵抗(R3)1282と結合される。幾つかの実施形態では、M4 1220は電流源として動作し、M1 1211はソースフォロワとして動作し、M3 1210及びM5 1221はスイッチとして動作する。
【0055】
幾つかの実施形態では、
図8Aから
図12に例示したドライバのうちの1つのようなドライバは、以下の利点をもたらすことができる。
【0056】
(1)ドライバによって供給される全ての電流(漏れ電流以外)が負荷に供給され、これによって電力損が低減される。
【0057】
(2)システム要件に基づいて、電力損を低減するように電圧振幅を構成又はプログラミングすることができる。
【0058】
(3)システム要件に基づいて、終端抵抗を構成又はプログラミングすることができる。
【0059】
(4)電圧振幅を供給電圧の値から減結合することができる。
【0060】
(5)特にDRAMプロセスにおいて、大きな閾値電圧を有するトランジスタを用いてドライバを実装することができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、
図8Aから
図12に提示したドライバ回路に関する特定の追加の課題は、以下の事柄に関する。
【0063】
(2)PVT(処理、電圧、温度)変動に伴うバイアス電圧の追跡
【0065】
図13は、構成可能ドライバに対するバイアス電圧を発生させるフィードバック回路の1つの実施形態の例図である。幾つかの実施形態では、バイアス電圧発生器1300は、バイアス電圧を制御するために、出力における実際のドライバ電圧(Vdriverout)と必要とされる電圧振幅(Vswing)との比較を可能にする。幾つかの実施形態では、発生器回路1300は、Vdriveout及びVswingを比較入力として受け取る誤差/基準発生器1344を含む。幾つかの実施形態では、誤差/基準発生器は更に、基準発生器の出力の制御において柔軟性を与える特定のプログラミング可能ビットの入力を受け取る。発生器回路1300では、VdriveoutとVswingとの間の誤差電圧は、増幅器1340への第1の入力としてVref値を発生させるデジタル−アナログコンバータ1342に供給され、増幅器の出力は、キャパシタC1320の第1の端子及びトランジスタ(M8)1310のゲートに結合され、M8の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M8 1310の第2の端子は、ドライバにおけるバイアス入力Vbias1への出力ノードと結合され、ノードは、増幅器1340の第2の入力及び抵抗器Rbg1314の第1の端部に結合され、Rbgの第2の端部は接地と結合される。幾つかの実施形態では、電圧は、電源電圧V
DDを基準とすることができ、これに加えて接地電位も基準とする。
【0066】
幾つかの実施形態では、特定のバイアス電圧(Vbias1)におけるドライバのDC電圧振幅を導出する方法又は装置を提供することができる。第1の実施構成では、実際のドライバを用いてVdriveroutを導出し、それに対して第2の実施構成では、複製ドライバ回路がその代わりに用いられる。特定のリンク実施構成に応じて、2つの方式の何れかを採用することができる。
【0067】
図14Aは、構成可能ドライバ回路を用いてバイアス電圧における電圧振幅を導出する装置の1つの実施形態の例図である。幾つかの実施形態では、バイアス電圧入力Vbias1は、ドライバ1400の第1のトランジスタ(M1)1410のゲートに供給され、M1の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M1の第2の端子は、第1の抵抗器(R1)1412の第1の端部及びブリーダ電流源(lb)1430と結合される。R1 1412の第2の端部はトランジスタ(M3)1416の第1の端子と結合され、M3のゲートはV
DDと結合され、M3の第2の端子は、出力Vdriveroutへのノード及びチャネル(CHAN)1440の第1の端部と結合される。CHAN1440の第2の端部は抵抗(R3)1442と結合される。このような回路では、出力の電圧振幅は、入力バイアス電圧Vbias1との関連で評価することができる。
【0068】
図14Bは、構成可能ドライバ回路の複製物を用いてバイアス電圧における電圧振幅を導出する装置の1つの実施形態の例図である。幾つかの実施形態では、バイアス電圧入力Vbias1は、ドライバ複製回路1450の第1のトランジスタ(M1)1460のゲートに供給され、M1の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M1の第2の端子は、第1の抵抗器(R1)1462の第1の端部及びブリーダ電流源1480と結合される。R1 1462の第2の端部はトランジスタ(M3)1466の第1の端子と結合され、M3のゲートはV
DDと結合され、M3の第2の端子は、Vdriveroutへのノード及び抵抗(R3)1492に結合される。
【0069】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧を発生させるフィードバック機構を
図13及び
図14Aに例示した回路の要素等の電圧振幅を導出する機構と組み合わせることができ、出力振幅を特定の指定Vswing値に制御するフィードバック構造を与えるように組み合わせることができる。
【0070】
図15は、構成可能ドライバにおけるインピーダンスの検出及び調節のための装置の1つの実施形態を例示している。
図8A〜
図12に例示したドライバのようなドライバでは、効果的な動作のために、インピーダンスの検出及び調節が極めて重要である。
図15は、出力インピーダンス(抵抗)の正確な調節を与える機構の1つの実施形態を例示している。幾つかの実施形態では、バイアス電圧入力Vbias1は、ドライバ1500の第1のトランジスタ(M1)1510のゲートに供給され、M1の第1の端子は電圧V
DDと結合され、M1の第2の端子は、第1の可変抵抗器(R1)1512の第1の端部及びブリーダ電流源(lb)1540と結合される。R1 1512の第2の端部はトランジスタ(M3)1516の第1の端子と結合され、M3のゲートはV
DDと結合され、M3の第2の端子は、Voutへのノードと結合される。幾つかの実施形態では、Voutノードは、アナログ−デジタル検出器1504の形態である電圧検出器と、可変終端抵抗(R3)1582と、トランジスタ1572と結合されたトランジスタ1570を含む電流ミラー回路に結合され、トランジスタ1572は、電流源(I)1560からの電流を受ける。
【0071】
幾つかの実施形態では、
図15の電圧検出器は、インピーダンス調節の較正プロセスを助けることができる低周波数のアナログ−デジタルコンバータである。幾つかの実施形態では、較正手順は、Vbias1、lb、及びR1に対して正しい較正済み値を設定し、これによって正しい振幅電圧及びインピーダンスを同時に得るように連携して行うことができる。
【0072】
図16は、特定のドライバのインピーダンス特性の例図である。この例図では、ドライバのインピーダンス特性1600は、ドライバのトランジスタ及び抵抗器によって与えられるインピーダンスの線形抵抗に依存して変化し、増大する線形抵抗が、直線状(50オーム)の線1650により近い関係を与え、トランジスタの作用と共に非線形性が増大することを示している。図示のように、ブリーダ電流源lbを用いて微調整を行うことができる。
【0073】
例えば、
図15に例示したドライバ1500における高い線形性のためには、抵抗R1 1512は、M1のインピーダンスよりもかなり大きくなければならず、その逆もまた同様である。必要とされるインピーダンスを与えるためにR1 1512だけに依存することにより、M1 1510において高い電力損が生じる。幾つかの実施形態では、R1とM1との間の適切なインピーダンス分割が求められている。幾つかの実施形態では、ドライバの電流特性は、図に示しているもの等の振幅要件によって設定される。幾つかの実施形態では、ブリーダ電流源lb 1540は、トランジスタM1のインピーダンスの調整において更なる柔軟性を与え、このドライバ設計において更なる自由度を与える。
【0074】
図17は、ドライバの1つの実施形態における速度と電力のトレードオフ関係の例図である。動作周波数と電力損のグラフに示すように、終端抵抗1720を有さないドライバは、周波数が増大するにつれて益々高い電力損が必要となる。しかしながら、終端抵抗1740を有するドライバは、周波数に関係なくほぼ少量の電力損しか必要としない。幾つかの実施形態では、I型、II型、及びIII型のドライバとして上記に提示したドライバ(又はこのような型の混成形)は、一般的に、ハイ状態で電力を消費し、ロー状態で電力を消費しない(漏れ電流を除き)。
【0075】
しかしながら、低速では、終端を有するCMOSベースのドライバは、終端なしの同等物よりも低速で多くの電力を消費する傾向があるので、このようなドライバは低速動作において導電性が低くなる可能性がある点で問題がある。
【0076】
図18Aは、ドライバ用のパルス制御機構の1つの実施形態の例図である。幾つかの実施形態では、低速における電力損問題を軽減するために、低速動作に対するパルス制御機構が設けられる。幾つかの実施形態では、ドライバ800は、パルス制御機構1850と結合される。この例図では、ドライバ800は、
図8に関して上記で説明したI型ドライバである。幾つかの実施形態では、パルス制御機構1850は、低速データ(ある特定の閾値を下回る周波数で送信されるデータ等)を受け取り、低速データは、遅延要素1852及びNANDゲート1856の第1の入力に入力される。遅延要素1852によって生成された遅延データ信号は、インバータ1854によって受け取られ、該インバータ1854は、NANDゲート要素1858に対し第2の入力を供給する。幾つかの実施形態では、パルス制御機構1850は、速度モード信号を受け取り且つ変動のない高速データ入力又はパルス制御機構1850によるパルス制御を受けた低速データ入力の何れかを受け取るマルチプレクサ1858を含む。
【0077】
幾つかの実施形態では、パルス制御機構1850は、ハイ遷移が検出されるように動作し、ある特定の遅延(この機構の遅延要素1852、他の要素の特性に基づく)を用いて出力がローに引き下げられ、受信器がハイビットを検出するのに十分なパルスを供給する。全入力ビット信号よりもかなり小さい幅のパルス(入力ビット信号よりも短いデューティサイクル)を有することによって、終端がある場合の低速において電力損を大幅に低減することができる。高速動作時には、マルチプレクサ1858は、高速データにおけるハイ状態とロー状態の両方において全幅の均等なパルスを供給するバイパス経路を提供する。幾つかの実施形態では、パルス制御機構を用いる目的で、ハイ状態動作中の電流ドレイン及び受信器の感度に基づいて低速データレートと高速データレートとの間の遷移点を決定することができる。
【0078】
図18Bは、ドライバのパルス制御機構の1つの実施形態によって発生した信号の例図である。全幅のビット信号を供給する低速データ1860は、ドライバによる過度の電力損を生じる可能性がある。
図18Aに例示したパルス制御機構1850等のパルス制御機構は、全幅のビット信号の前に信号パルスをローに戻すように動作し、これによって、例示した低速出力データ1870を利用してドライバ回路内の電力消費量を削減できるようにする。
【0079】
表1は、上記で説明し
図8〜
図12に例示したI型、II型、及びIII型のドライバ技術を含む、ドライバ回路技術における特定の性能特性を比較している。分析の目的で、以下のことを仮定する。V
DD=1.2V、電源インピーダンス及び終端インピーダンスがシングルエンドの50オーム、動的電力は考慮しない、及び差動構造に対する振幅要件は、シングルエンド構造と同じであると見なし、このことは、これらが2倍のデータレートで作動する必要があることに起因する。
【0080】
表1に示すように、I型、II型、及びIII型のドライバの実施形態は、ハイエンドドライバにおいて一般的に考慮されるパラメータ間の等しい又はより優れた性能指標を提供することができる。加えて、従来のドライバと比較して、プリドライバにおける電力損は、ドライバの実施形態の更なる節電をもたらす。
表1:異なるドライバ間の性能比較
【0081】
図19は、デバイス間のインターフェイス用のドライバ装置の1つの実施形態を例示している。幾つかの実施形態では、システム1910等の第1のデバイスは、メモリ1960等の第2のデバイスとチャネル1950(第1のデバイスと第2のデバイスとの間の1つ又はそれ以上のチャネルを表すものとすることができる)を介して結合される。幾つかの実施形態では、システムはシステムオンチップ(SOC)であり、メモリはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)である。幾つかの実施形態では、システム1910及びメモリ1960の片方又は両方が構成可能マルチモードドライバを含む。この例図では、システム1910は、チャネル1950を介して受信器装置1970と結合された構成可能マルチモードドライバ装置1915を含み、メモリ1960は、チャネル1950を介して受信器装置1920と結合された構成可能マルチモードドライバ1965を含む。幾つかの実施形態では、ドライバ装置1915、ドライバ装置1965、又はその両方が、
図8から
図12に例示したドライバ装置である。
【0082】
この例図では、システム1910のドライバ装置1915は、特定の終端抵抗(R
TERM)1917を含むことができ、また、特定の電圧振幅(V
SWING)1916を与えることができ、受信器装置1920は、特定の終端抵抗1921を含むことができる。更にメモリ1960のドライバ装置1965は、特定の終端抵抗1967及び電圧振幅1966を含むことができ、受信器装置1970は、特定の終端抵抗1971を含むことができる。各ドライバ及び受信器装置は終端抵抗を有するように例示したが、このような終端のうちの1つ又はそれ以上は、小さな抵抗又はゼロ抵抗とすることができる。幾つかの実施形態では、電圧振幅及び終端抵抗等の、デバイス1910及び1960におけるドライバ及び受信器のパラメータは、実施構成に応じてデバイス間で対称又は非対称の何れかとすることができる。例えば、システム1910のドライバ装置1915において設けられた終端抵抗1917は、メモリ1960のドライバ装置1965における終端抵抗1967に一致しなくてもよく、システム1910の受信器装置1920において設けられた終端抵抗1921は、メモリ1960の受信器装置1970における終端抵抗1971に一致しなくてもよい。更なる実施例では、受信器装置1920の感度は、受信器装置1970の受信器感度とは異なるものとすることができる。1つの実施例では、データがドライバ装置1965によって受信器装置1920に駆動される状態のメモリ1960からシステム1910への読み出し動作において、システム1910の受信器装置1920は有効な終端を含むことができる。しかしながら、データがドライバ装置1915によって受信器装置1970に駆動される状態のシステム1910からメモリ1960への書き込み動作では、メモリ1960側の受信器装置1970には終端がないものとすることができ、この場合、終端なしは、極めて小さい(ゼロに近い)抵抗又は極めて大きな(無限の)抵抗を示すものとすることができる。
【0083】
幾つかの実施形態では、メモリ1960が二次デバイスの場合、電圧振幅、終端、反射能力に関するデータのような、システム1910とメモリ1960との間のリンクについてのパラメータ情報は、メモリ1960のオンチップレジスタ1975内に記憶することができる。例えば、システムはコントローラ1925を含むことができ、他方、メモリはコントローラを含まない。幾つかの実施形態では、電圧振幅及び終端抵抗に関するパラメータ情報は、メモリ1960がアクセスするためにオンチップレジスタ内に記憶される。
【0084】
図19に例示するように、システム1910のドライバ装置1915及び受信器装置1920は、供給電圧(V
DD)1930を受けることができ、メモリ1960のドライバ装置1965及び受信器装置1970は、供給電圧1980を受けることができる。従来の機構では、ドライバ装置の電圧振幅は、関連の供給電圧の関数であり、この関連の供給電圧から基準電圧(V
REF)が導出される。幾つかの実施形態では、ドライバ装置1915又は1965の電圧振幅は、供給電圧ではなく共通のシステム基準電圧(V
REF)1957を基準とする。幾つかの実施形態では、基準電圧1957は、各ドライバ装置に同じ基準電圧を供給する基準電圧源1955等の外部供給源によって発生させることができる。幾つかの実施形態では、受信器装置1920及び1970が基準電圧1957を受けることもできる。
【0085】
幾つかの実施形態では、ドライバ装置1915の電圧振幅1916及びドライバ装置1965における電圧振幅1966はV
REFの関数である。例えば、ドライバ装置1915上の電圧振幅1916は、V
REFの2倍とすることができ、それに対してドライバ1965上の電圧振幅1966は、V
REFの1.5倍とすることができる。幾つかの実施形態では、電圧振幅は、V
REFの関数であり、供給V
DDには依存しない。従って、幾つかの実施形態では、電圧振幅は、一定の電圧供給とは独立して構成可能である。更に、幾つかの実施形態では、電圧振幅の構成は、出力ノードにおける動作に対して最小限の作用しか有さない。幾つかの実施形態では、受信器装置1920及び1970が基準電圧1957を利用することもできる。1つの実施例では、受信器装置1920又は1970の受信感度を、基準電圧の関数とすることができる。
【0086】
図20は、データを第1のデバイスから第2のデバイスに駆動するためのプロセスの1つの実施形態を例示している。幾つかの実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間のリンク2000において、第1のデバイスは構成可能ドライバ装置を含み、第2のデバイスは受信器装置を含む。幾つかの実施形態では、受信器装置はまた、構成可能終端抵抗を含む構成可能なものとすることができる。幾つかの実施形態では、インターフェイスについての正しいパラメータを識別するために、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信の性質に関する決定を行うことができる(2002)。幾つかの実施形態では、第1のデバイスのドライバ装置及び第2のデバイスの受信装置についての必要なパラメータが決定される(2204)。幾つかの実施形態では、第2のデバイスのドライバ装置と第1のデバイスの受信装置との逆接続についてのパラメータも決定される。幾つかの実施形態では、インターフェイスについてのパラメータは、メモリデバイスを含む、コントローラを含まないデバイスの1つ又はそれ以上のレジスタ内に記憶することができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、ドライバ装置、受信器装置、又はその両方の終端抵抗が構成される。幾つかの実施形態では、終端抵抗の構成は、ドライバインピーダンスの構成を部分的に与えることができる(2006)。
【0088】
幾つかの実施形態では、第1のデバイスのドライバ装置の電圧振幅が構成される(2208)。幾つかの実施形態では、電圧振幅の構成は、第1のデバイスに対する電源電圧には依存せず、ドライバ装置の電力消費を調節するように動作することができる。
【0089】
幾つかの実施形態では、ドライバ装置に対してバイアス電圧が供給される(2010)。幾つかの実施形態では、バイアス電圧の設定は、例えば
図13に例示した装置を含めることができる。幾つかの実施形態では、バイアス点は、ドライバ装置の構成可能電流源の調節を通じて調節することができる(2012)。
【0090】
幾つかの実施形態では、ドライバ装置への信号の印加は、ドライバ装置への入力信号の周波数を決定する段階を更に含み、周波数が閾値を下回る場合には、入力信号の幅よりも短い幅を有するパルスに入力信号を変更する(2014)。入力信号のパルス制御は、例えば、
図18Aに例示したパルス制御機構1850を含むことができる。
【0091】
上記の説明では、本発明の完全な理解をもたらすために、説明の目的で数多くの特定の詳細内容が記載されている。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細内容の一部がなくとも本発明を実施できることは理解されるであろう。場合によっては、公知の構造及びデバイスはブロック図の形式で示されている。例示した構成要素の間には、中間構造が存在してもよい。本明細書で説明又は例示した構成要素は、例示又は説明していない追加の入力又は出力を有することができる。例示の要素又は構成要素はまた、いずれかのフィールドの順序変更又はフィールドサイズの修正を含む、異なる配列又は順序で構成することができる。
【0092】
本発明は様々なプロセスを含むことができる。本発明のプロセスは、ハードウェア構成要素によって実施することができ、或いは、コンピュータ読み取り可能命令において具現化することができ、これらの命令を用いて、プログラミングされた汎用又は専用のプロセッサもしくは論理回路にこれらのプロセスを実施させることができる。或いは、プロセスは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実施することができる。
【0093】
本発明の一部分は、コンピュータプログラム製品として提供することができ、該コンピュータプログラム製品は、本発明によるプロセスを実施するようにコンピュータ(又は他の電子デバイス)をプログラミングするのに用いることができるコンピュータプログラム命令を記憶させたコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むことができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、限定ではないが、フロッピーディスケット、光ディスク、CD−ROM(コンパクトディスク読み取り専用メモリ)、及び光磁気ディスク、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EPROM(消去可能プログラミング可能読み取り専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラミング可能読み取り専用メモリ)、磁気カード又は光カード、フラッシュメモリ、或いは電子命令を記憶するのに適する他の種類の媒体/コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。更に、本発明はまた、コンピュータプログラム製品としてダウンロードすることができ、この場合、プログラムは、遠隔コンピュータから要求中のコンピュータに転送することができる。
【0094】
幾つかの方法のうちの多くのものをそれらの最も基本的な形態で説明したが、本発明の基本範囲から逸脱することなく、これらの方法のうちの何れかにプロセスを追加するか、又は何れかからプロセスを削除することができ、説明したメッセージのうちの何れかに情報を追加するか、又は何れかから情報を除去することができる。当業者であれば、多くの更なる修正及び改作を行うことができる点は理解されるであろう。特定の実施形態は、本発明を限定するものではなく、例示するために提示したものである。
【0095】
要素「A」が要素「B」に結合され、又は要素「B」と結合されると述べた場合、要素Aを要素Bに直接的に結合することができ、又は例えば、要素Cを通じて間接的に結合することができる。本明細書において、構成要素、特徴、構造、プロセス、又は特性Aが、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性Bを「引き起こす」と述べる場合、「A」が、「B」の少なくとも部分的原因ではあるが、「B」を引き起こすことに寄与する少なくとも1つの他の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性が存在する可能性もあることを意味する。本明細書において、構成要素、特徴、構造、プロセス、又は特性を「含めてもよい」、「含まれる可能性がある」、又は「含めることができる」と示す場合、その特定の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性を含めることが必須ではない。本明細書において、数詞を伴わない要素を示す場合は、記載の要素が1つだけしか存在しないことを意味するわけではない。
【0096】
実施形態は、本発明の実施構成又は実施例である。本明細書における「実施形態」、「一実施形態」、「幾つかの実施形態」、又は「他の実施形態」への言及は、これらの実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも幾つかの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態に含まれるわけではないことを意味する。「実施形態」、「一実施形態」、又は「幾つかの実施形態」の様々な出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。本発明の例示的な実施形態の上記の説明では、開示を効率化し、様々な本発明の態様のうちの1つ又はそれ以上の理解を助ける目的で、本発明の様々な特徴を場合によって本発明の単一の実施形態、図、又は説明の中にまとめていることを理解されたい。