(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969609
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるメッセージの柔軟な送信
(51)【国際特許分類】
H04J 11/00 20060101AFI20160804BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20160804BHJP
【FI】
H04J11/00 Z
H04W72/04 136
H04W72/04 133
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-525547(P2014-525547)
(86)(22)【出願日】2012年8月14日
(65)【公表番号】特表2014-524703(P2014-524703A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】IB2012054141
(87)【国際公開番号】WO2013024434
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年7月14日
(31)【優先権主張番号】61/523,540
(32)【優先日】2011年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/494,040
(32)【優先日】2012年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】クーラパティ、ハビッシュ
(72)【発明者】
【氏名】フレンネ、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジュン−フ
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バルデマイア、ロベルト
【審査官】
岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−219817(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/136523(WO,A2)
【文献】
国際公開第2011/049379(WO,A2)
【文献】
ZTE,Aspects on DL control signaling enhancements,3GPP R1-111521,2011年 5月13日
【文献】
Nokia et al.,On enhanced downlink control signalling for Rel-11,3GPP R1-111743,2011年 5月13日
【文献】
Intel Corporation,On Downlink Control Signalling Enhancement, 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112219,2011年 8月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04W 72/04
IEEE Xplore
CiNii
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局(502)から通信デバイス(504)へリソースブロック内で制御メッセージを送信するための方法であって、前記リソースブロックは、リソースエレメントを含む複数の領域を含み、
前記制御メッセージの第1のリファレンスシンボルに関連付けられる第1の部分を、前記複数の領域のうちの第1の領域に割り当てること(810)と、
前記制御メッセージの第2のリファレンスシンボルに関連付けられる第2の部分を、前記複数の領域のうちの第2の領域に割り当てること(820)と、
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第2の部分を符号化して(830)、第1の符号化データ及び第2の符号化データを生成することと、
前記第1の符号化データ及び前記第2の符号化データを変調して(840)、変調データを生成することと、
前記制御メッセージについてダイバーシティが達成されるように、前記変調データ並びに前記第1のリファレンスシンボル及び前記第2のリファレンスシンボルを、前記リソースブロック内で前記通信デバイスへ送信すること(850)と、
を含み、
前記第1のリファレンスシンボルは、UE固有リファレンスシンボルである、
方法。
【請求項2】
前記制御メッセージは、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及びシステム情報のうちの1つ以上に関連するコマンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに一意に関連付けられる、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記第2のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに関連付けられない、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記制御メッセージの第3のリファレンスシンボルに関連付けられる第3の部分を、前記第1の領域に割り当てることと、
前記第1のリファレンスシンボル及び前記第3のリファレンスシンボルに直交カバー符号を適用することと、
をさらに含み、
前記第1のリファレンスシンボル及び前記第3のリファレンスシンボルは、前記リソースブロックの重複する複数のリソースエレメントに割り当てられる、
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第3の部分に直交カバー符号を適用すること、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リソースブロックは、複数の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルから構成され、
制御メッセージを前記OFDMシンボルのサブセットに割り当てて第3の領域を形成すること、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リソースブロック内で制御メッセージを送信するための、通信ネットワーク内で動作可能な基地局デバイス(502)であって、前記リソースブロックは、リソースエレメントを含む複数の領域を含み、
前記制御メッセージの第1のリファレンスシンボルに関連付けられる第1の部分を、前記複数の領域のうちの第1の領域に割り当て、
前記制御メッセージの第2のリファレンスシンボルに関連付けられる第2の部分を、前記複数の領域のうちの第2の領域に割り当て、
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第2の部分を符号化して、第1の符号化データ及び第2の符号化データを生成し、
前記第1の符号化データ及び前記第2の符号化データを変調して、変調データを生成する、
ように構成されるプロセッサ(708)と、
前記制御メッセージについてダイバーシティが達成されるように、前記変調データ並びに前記第1のリファレンスシンボル及び前記第2のリファレンスシンボルを、前記リソースブロック内で前記通信ネットワーク内の通信デバイスへ送信するように構成される送信器(704)と、
を備え、
前記第1のリファレンスシンボルは、UE固有リファレンスシンボルである、
デバイス。
【請求項9】
前記制御メッセージは、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及びシステム情報のうちの1つ以上に関連するコマンドを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに一意に関連付けられる、請求項8〜9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに関連付けられない、請求項8〜10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記制御メッセージの第3のリファレンスシンボルに関連付けられる第3の部分を、前記複数の領域のうちの前記第1の領域に割り当て、
前記第1のリファレンスシンボル及び前記第3のリファレンスシンボルに直交カバー符号を適用する、
ようにさらに構成され、
前記第1のリファレンスシンボル及び前記第3のリファレンスシンボルは、前記リソースブロックの重複する複数のリソースエレメントに割り当てられる、
請求項8〜11のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第3の部分に直交カバー符号を適用する
ようにさらに構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記リソースブロックは、複数の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルから構成され、前記プロセッサは、
制御メッセージを前記OFDMシンボルのサブセットに割り当てて第3の領域を形成する、
ようにさらに構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項15】
リソースエレメントを含む複数の領域を含むリソースブロック内の制御メッセージを復調するための方法であって、
通信デバイスにおいて、通信ネットワークの基地局からの前記制御メッセージを受信すること(1010)と、前記制御メッセージの第1の部分は前記複数の領域のうちの第1の領域に割り当てられ第1のリファレンスシンボルに関連付けられており、前記制御メッセージの第2の部分は前記複数の領域のうちの第2の領域に割り当てられ第2のリファレンスシンボルに関連付けられていることと、それにより、前記制御メッセージについてダイバーシティが達成されることと、
前記第1のリファレンスシンボルを用いて、前記通信ネットワークの第1のチャネルを推定すること(1020)と、
前記第2のリファレンスシンボルを用いて、前記通信ネットワークの第2のチャネルを推定すること(1030)と、
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つを復調すること(1040)と、
を含み、
前記第1のリファレンスシンボルは、UE固有リファレンスシンボルである、
方法。
【請求項16】
前記制御メッセージは、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及びシステム情報のうちの1つ以上に関連するコマンドを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに一意に関連付けられる、請求項15〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
リソースエレメントを含む複数の領域を含むリソースブロック内の制御メッセージを受信する、通信ネットワーク内で動作可能な通信デバイスであって、
前記制御メッセージを受信するように構成されるアンテナ(602)と、
前記アンテナに結合され、前記アンテナから前記制御メッセージを受信するように構成されるプロセッサ(606)と、
を備え、
前記制御メッセージの第1の部分は前記複数の領域のうちの第1の領域に割り当てられ第1のリファレンスシンボルに関連付けられており、前記制御メッセージの第2の部分は前記複数の領域のうちの第2の領域に割り当てられ第2のリファレンスシンボルに関連付けられており、それにより、前記制御メッセージについてダイバーシティが達成され、
前記プロセッサは、
前記第1のリファレンスシンボルを用いて、前記通信ネットワークの第1のチャネルを推定し、
前記第2のリファレンスシンボルを用いて、前記通信ネットワークの第2のチャネルを推定し、
前記制御メッセージの前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つを復調する、
ようにさらに構成され、
前記第1のリファレンスシンボルは、UE固有リファレンスシンボルである、
デバイス。
【請求項19】
前記制御メッセージは、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及びシステム情報のうちの1つ以上に関連するコマンドを含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1のリファレンスシンボルは、前記通信デバイスに一意に関連付けられる、請求項18〜19のいずれかのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信ネットワークに関し、より具体的には、無線通信ネットワークにおいてデータを送信するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP LTE(Long Term Evolution)は、モバイルフォンのネットワーク技術についての標準である。LTEは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の拡張のセットであり、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルの双方の上で高いデータレートに到達することのできる、高速パケットベース通信を実現するための技術である。LTEにおいて、ノードB(NB)及び拡張ノードB(eNB)といった基地局から移動局(例えば、ユーザ機器(UE))へ送信信号が送信される。これら送信信号は、周波数において信号を複数の並列的なサブキャリアへと分割する直交周波数分割多重(OFDM)を用いて送信される。
【0003】
図1に示したように、LTEにおける送信の基本的な単位はリソースブロック(RB)100であり、リソースブロック100は最も一般的な構成において12個のサブキャリア104と7個のOFDMシンボル108(即ち、1スロット)とからなる。OFDMシンボル108は、サイクリックプレフィクス106を含み得る。1つのサブキャリア及び1つのOFDMシンボルの単位を、リソースエレメント(RE)102という。よって、RBは、例えば、12×7の構成において84個のREから構成され得る。
【0004】
LTEの無線サブフレームは、周波数における複数のリソースブロックと時間における2つのスロットとから構成され、RBの数はシステムの帯域幅を左右する。例えば、
図3に示したようなサブフレーム内の時間において隣接する2つのRBは、RBペア300と呼ばれ得る。時間領域では、LTEのダウンリンク送信信号は10msの無線フレームへ体系化され、各無線フレームは長さT
sub-frame=1msである10個の等しいサイズのサブフレームから構成され得る。
【0005】
例えば、
図5に例示したようなLTE通信ネットワークは、複数の構成において配備され得る。ある構成では、eNBなどの基地局502及びユーザ機器504が通信する。ダウンリンクにおいて、即ちeNBからUE504への送信信号を搬送するリンクにおいてeNB502により信号が送信される場合、サブフレームは、複数のアンテナから送信され得る。当該信号は、1つ以上のアンテナを有するUE504において受信され得る。無線チャネルは、複数のアンテナポートからの送信信号を歪める。
【0006】
各チャネルの複数のパス及び条件に起因して、ダウンリンク上の送信信号を復調するために、UE504は、ダウンリンク上でやはり送信されるリファレンスシンボル(RS)に依拠する。リファレンスシンボルは、予め定義されるシンボルを搬送する1つ以上のREとして理解され得る。それらリファレンスシンボル及び時間周波数グリッドにおけるそれら位置は、既知であり、さもなければUEによって判定される。よって、RSを用いて、それらシンボル上の特定の無線チャネルの影響を測定することにより、チャネル推定を決定することができる。
【0007】
LTE標準によれば、eNBからの送信信号は、アンテナというよりむしろ“アンテナポート”から送信される。アンテナポートは、さらにリファレンスシンボルRSに関連付けることのできる仮想的なアンテナとして理解され得る。よって、UEがアンテナポートから受信アンテナへのチャネルを測定する際、送信のためにどの物理アンテナエレメントが使用されたかは、当該UEにとって重要ではない。アンテナポート上での送信信号は、単一の物理アンテナエレメントから発せられるかもしれず、又は複数のアンテナエレメントからの信号の結合であるかもしれない。
【0008】
ある例において、送信プリコーディングの使用が、特定の受信UEへ送信エネルギーを向かわせるために利用され得る。これは、利用可能な全てのアンテナエレメントを、アンテナエレメントごとに適用される異なる位相重み及び/又は振幅重みで、同じメッセージを送信するために使用することにより、達成され得る。各アンテナポートに関連付けられるリファレンスシンボルもまた、データと同一のプリコーディング重みで同じプリコーディング演算を経験するため、その送信は単一の仮想アンテナ/単一のアンテナポートを使用し、UEは単一のRSを用いてチャネル推定を実行するのみでよい。
【0009】
LTEでは、いくつもの幅広いタイプのRSが存在する。RSの第1のタイプは、全てのUEにより使用可能なものであり、よって、広いセルエリアカバレッジを有する。このタイプのRSの1つの例は、チャネル推定を含む様々な目的でUEにより使用される共通リファレンスシンボル(CRS:common reference symbol)である。現在のところ、これらCRSは、ユーザへ送信中のデータがあるか否かに関わらず、送信サブフレーム内のある予め定義されるRE群を占めるように定義されている。例えば、
図2に示したように、サブフレーム200は、制御領域、制御シグナリング、及びリファレンスシンボル202を含み得る。リファレンスシンボル202は、通信ネットワークにおいてUEにより使用されるCRSであり得る。
【0010】
第2のタイプのRSは、具体的なあるUE又はUEのセットのみによる使用を意図される、UE固有リファレンスシンボルである。現在のところ、これらUE固有RSは、あるUEへデータが送信される場合にのみ送信される。特定のUE又はUEのセットのためにプリコーディングが行われる場合、当該RSは、セルの全ての部分には到達せず、むしろセルの対象UE(即ち、意図されるデータの受け手)が位置する部分にのみ到達する。
【0011】
LTEにおいて、UE固有RSは、ユーザデータの受信のためにUEに割り当てられたRBの一部として含まれる。LTEにおけるUE固有RSの例示的な使用が、
図3のRBペア内に示されており、そこにはUE固有RS R
7及びR
9が含まれる。
【0012】
さらに、LTEネットワークにおいてUEへの無線リンク上で送信されるメッセージは、大まかに制御メッセージ又はデータメッセージに分類され得る。制御メッセージは、システムの適切な動作と共に、システム内の各UEの適切な動作を支援するために使用される。制御メッセージは、例えば、送信電力又はRB内の他の追加的なシグナリングといった、制御機能へのコマンドを含み得る。制御メッセージの例は、限定ではないものの、制御領域サイズの設定情報を搬送するPCFICH(physical control format indicator channel)、例えばスケジューリング情報及び電力制御メッセージを搬送するPDCCH(physical downlink control channel)、前回のアップリンク送信への応答としてACK/NACKを搬送するPHICH(physical HARQ indicator channel)、及びシステム情報を搬送するPBCH(physical broadcast channel)を含む。
【0013】
LTEリリース10では、制御メッセージは、CRSを用いて復調される。設定に依存してサブフレーム内の1番目から4番目までのOFDMシンボルが、例えば
図2に示したように、制御情報のために予約されている。PDCCHタイプの制御メッセージは、制御チャネルエレメント(CCE)と呼ばれる単位の集合(multiples)において送信され、各CCEは36個のREを含む。
【0014】
現在のところ、データメッセージは、UE固有RSを搬送するRBにおいて、ユーザへ送信され得る。これらRSは、UEによってデータメッセージを復調するために使用され得る。UE固有のRSの使用は、マルチアンテナeNBに、複数のアンテナから送信される信号のプリコーディングを用いて送信を最適化することを可能とし、それによりUEにおいて受信信号がより強くなり、その結果、送信のデータレートを増加させることができる。
【0015】
同様に、LTEのリリース10は、リレーノードへ制御情報を送信するための、R−PDCCHと呼ばれる制御チャネルをも定義する。R−PDCCHを受信するリレーノードは、リンク性能を改善するために、リレーノード(RN)固有リファレンス信号を使用することができる。UE固有RSに基づく送信を用いたUEへの汎用的な制御メッセージの送信を可能とすることにより、R−PDCCHについて使用されるものと同じ送信の原理の採用が検討されている。
【0016】
既存のLTEシステムに伴う問題は、共通制御信号を、UE固有RSを用いて復調し得るようなやり方で、よってUE固有RSによって受けられる恩恵を実現可能なやり方で送信するための、有効な手法が存在しないことである。例えば、送信されるデータが無い場合にそれらをターンオフする、電力効率及び干渉低減を改善することのできる能力、使用されるRSの数を制御メッセージの送信のために使用されるリソースの数と共にスケーリングすることを可能とする能力、などである。
【0017】
UE固有RSの送信を用いる場合に、単一のCCE又はPHICHといった小規模な制御チャネルメッセージについてどのようにダイバーシティを達成するかに関する、さらなる問題が存在する。
【0018】
また、異なるUEについて相違し得る帯域幅での複数のUEへの制御メッセージの送信を可能とする手法も、現在のところ存在しない。
【0019】
従って、基地局からUEへのリファレンスシンボルを用いる送信技法を改善するための方法及びデバイスについてのニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の特定の実施形態は、無線通信ネットワーク内で、1つ以上のリファレンスシンボルに関連付けられる複数の領域を含むリソースブロックを用いてデータを送信し及び受信するためのデバイス及び方法を対象とする。
【0021】
開示されるデバイス及び方法のある観点によれば、基地局と1つ以上の通信デバイスとの間でリソースブロック(RB)内で情報が送信される。データ又は制御チャネル送信のために使用される各リソースブロック(RB)において、複数の重複しないリソースエレメント(RE)の領域が定義される。各領域は、1つ又は複数の一意なリファレンスシンボル(RS)に関連付けられる。ユーザ機器(UE)は、当該情報を復調する際、RBの特定の領域内で受信を行い、当該領域に関連付けられるRSを使用する。RSの情報を用いて、例えば、通信ネットワークのチャネルが推定され、又は関連付けられる領域内に含まれるデータが復調され及び復号され得る。
【0022】
1つの特定の観点において、基地局から通信デバイスへリソースブロック内でデータを送信するための方法が提供される。送信されるリソースブロックは、リソースエレメント群からなる複数の領域を含む。当該方法は、上記データの第1のリファレンスシンボルに関連付けられる第1の部分を、上記リソースブロックの第1の領域に割り当てることと、上記データの第2のリファレンスシンボルに関連付けられる第2の部分を、上記リソースブロック第2の領域に割り当てることと、を含む。当該方法は、データの上記第1の部分を符号化して第1の符号化データを生成し、及び当該データの上記第2の部分を符号化して第2の符号化データを生成すること、をさらに含む。符号化データは変調データを生成するために変調され、変調データは、上記リファレンスシンボルと共に、上記リソースブロック内で上記通信デバイスへ送信される。
【0023】
本発明の特定の実施形態は、リソースブロック内でデータを送信するための、通信ネットワーク内で動作可能な基地局デバイスを提供し、上記リソースブロックは、リソースエレメント群からなる複数の領域を含む。当該基地局は、上記データの第1のリファレンスシンボルに関連付けられる第1の部分を、上記リソースブロックの第1の領域に割り当てるように構成されるプロセッサを含む。当該プロセッサは、上記データの第2のリファレンスシンボルに関連付けられる第2の部分を、上記リソースブロックの第2の領域に割り当てるようにさらに構成される。当該プロセッサは、データの上記第1の部分及び上記第2の部分を符号化して、符号化データを生成するようにさらに構成される。そして、当該符号化データは上記プロセッサにより変調され送信器により送信される。当該送信器は、変調された上記データを、上記第1のリファレンスシンボル及び上記第2のリファレンスシンボルと共に、上記リソースブロック内で送信するように構成される。
【0024】
他の観点において、本発明の特定の実施形態は、リソースエレメント群を含む複数の領域を含むリソースブロック内のデータを復調するための方法を提供する。当該方法は、通信デバイスにおいて、通信ネットワークの基地局からの上記データを受信することを含み、上記データの第1の部分は上記リソースブロックの第1の領域に割り当てられ第1のリファレンスシンボルに関連付けられており、上記データの第2の部分は上記リソースブロックの第2の領域に割り当てられ第2のリファレンスシンボルに関連付けられている。当該方法は、上記第1のリファレンスシンボルを用いて、上記通信ネットワークの第1のチャネルを推定することと、上記第2のリファレンスシンボルを用いて、上記通信ネットワークの第2のチャネルを推定することと、をも含む。最後に、当該方法は、上記第1の部分及び上記第2の部分のうちの少なくとも1つを復調すること、を含む。
【0025】
本発明の特定の実施形態は、リソースエレメント群からなる複数の領域を含むリソースブロック内のデータを受信する、通信ネットワーク内で動作可能な通信デバイスを提供する。当該データは、基地局から受信される。特定の観点によれば、上記データの第1の部分は上記リソースブロックの第1の領域に割り当てられ第1のリファレンスシンボルに関連付けられており、上記データの第2の部分は上記リソースブロックの第2の領域に割り当てられ第2のリファレンスシンボルに関連付けられている。当該通信デバイスは、上記データを受信するように構成される1つ以上のアンテナと、上記アンテナに結合されるプロセッサと、を含む。当該プロセッサは、上記第1のリファレンスシンボルを用いて上記通信ネットワークの第1のチャネルを推定し、さらに、上記第2のリファレンスシンボルを用いて上記通信ネットワークの第2のチャネルを推定する、ように構成される。当該プロセッサは、データの上記第1の部分又は上記第2の部分のうちの少なくとも1つを復調するようにも構成される。
【0026】
実施形態の上述した及び他の観点が、添付図面を参照しながら以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここに取り入れられて明細書の一部をなす添付図面は、本開示の様々な実施形態を例示し、その説明と共に、当該開示の原理を説明するため及びここで開示される実施形態を当業者が活用することを可能とするためにさらに供される。図面において、同様の参照番号は、同一の又は機能的に同様のエレメントを指し示す。
【0028】
【
図2】例示的なダウンリンクサブフレームを示している。
【
図3】UE固有リファレンスシンボルを伴うリソースブロックペアを示している。
【
図4】本発明の例示的な実施形態に係る複数の領域を伴うリソースブロックを示している。
【
図6】本発明の例示的な実施形態に係るUE通信デバイスのブロック図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態に係る基地局のブロック図である。
【
図8】本発明の例示的な実施形態に係るデータを送信するための処理を例示するフローチャートである。
【
図9】本発明の例示的な実施形態に係る、複数の領域と、関連付けられるリファレンスシンボルとを伴うリソースブロックを示している。
【
図10】本発明の例示的な実施形態に係るデータを復調するための処理を例示するフローチャートである。
【
図11】本発明の例示的な実施形態に係る、複数の領域と、関連付けられるリファレンスシンボルとを伴う例示的なリソースブロックを示している。
【
図12】本発明の例示的な実施形態に係る、4つの領域と、関連付けられるリファレンスシンボルとを伴う例示的なリソースブロックを示している。
【
図13】本発明の例示的な実施形態に係る、複数の領域と、関連付けられるリファレンスシンボルとを伴う例示的なリソースブロックを示している。
【
図14】本発明の例示的な実施形態に係る、小規模メッセージの送信用の複数の領域と、関連付けられるリファレンスシンボルとを伴う例示的なリソースブロックを示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
開示されるデバイス及び方法の例示的な実施形態において、基地局と1つ以上の通信デバイスとの間で、リソースブロック内でデータが送信される。
【0030】
図5は、例としての無線ネットワーク500を示している。図示したように、無線ネットワーク500は、少なくとも1つの基地局502と、ネットワーク506を介して相互接続される少なくとも1つの無線ユーザ機器(UE)通信デバイス504とを含む。無線UE通信デバイスの例は、携帯電話、PDA(personal digital assistants)、電子書籍リーダ、ポータブル電子タブレット、PC(personal computer)及びラップトップコンピュータを含む。
【0031】
図6は、例示的なUE通信デバイス504のブロック図である。
図6に示したように、UE通信デバイス504は、1つ以上のアンテナを含むアンテナアレイ602と、1つ以上のマイクロプロセッサ及び/又はASIC(application specific integrated circuit)若しくはFPGA(field-programmable gate arrays)などの1つ以上の回路を含み得るデータ処理システム606と、1つ以上の不揮発性記憶デバイス及び/又は1つ以上の揮発性記憶デバイス(例えば、RAM(random access memory))を含み得るデータ記憶又はメモリシステム608と、を含み得る。アンテナアレイ602は、アンテナアレイ602を介して信号を送受信するように構成される送受信器604に接続される。
【0032】
データ処理システム606がマイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータ読取可能なプログラムコードが、限定ではないものの、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、DVD)及びメモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ)などといったコンピュータ読取可能な媒体に記憶され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ読取可能なプログラムコードは、プロセッサにより実行された場合に、データ処理システム606に、以下に説明するステップ群(例えば、
図10に示したフローチャートを参照しながら以下に説明されるステップ群)を実行させるように構成される。他の実施形態において、UE通信デバイス504は、コードを必要とすることなく、上述したステップ群を実行するように構成される。即ち、例えば、データ処理システム606は、1つ以上のASICから構成されてもよい。よって、上述した特徴は、ハードウェアで及び/又はソフトウェアで実装され得る。例えば、特定の実施形態において、UE通信デバイス504の上述した機能コンポーネントは、コンピュータ命令を実行するデータ処理システム606によって、コンピュータ命令には非依存に動作するデータ処理システム606によって、又はハードウェア及び/若しくはソフトウェアの任意の適切な組合せによって、実装されてよい。
【0033】
図7は、例示的な基地局502のブロック図を示している。
図7に示したように、基地局502は、1つ以上のマイクロプロセッサ並びに/又はASIC(application specific integrated circuit)及びFPGA(field-programmable gate arrays)などの1つ以上の回路を含み得るデータ処理システム708と、ネットワークインタフェース706と、1つ以上の不揮発性記憶デバイス及び/又は1つ以上の揮発性記憶デバイス(例えば、RAM(random access memory))を含み得るデータ記憶システム710と、を含み得る。ネットワークインタフェース706は、アンテナアレイ702を介して信号を送受信するように構成される送受信器704に接続される。本発明の特定の実施形態によれば、当該アンテナアレイは、1つ以上のアンテナポートを含むように構成され得る。例えば、アンテナアレイ702は、LTE仕様のポート0及びポート1に対応する第1のアンテナポート0及び第2のアンテナポート1を含み得る。開示されるデバイス及び方法の例示的な実施形態では、基地局502は、ノードB又は拡張ノードBである。
【0034】
データ処理システム708がマイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータ読取可能なプログラムコードが、限定ではないものの、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、DVD)及びメモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ)などといったコンピュータ読取可能な媒体に記憶され得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ読取可能なプログラムコードは、プロセッサにより実行された場合に、データ処理システム708に、以下に説明するステップ群(例えば、
図8に示したフローチャートを参照しながら以下に説明されるステップ群)を実行させるように構成される。他の実施形態において、基地局502は、コードを必要とすることなく、上述したステップ群を実行するように構成される。即ち、例えば、データ処理システム708は、単に1つ以上のASICから構成されてもよい。よって、上述した特徴は、ハードウェアで及び/又はソフトウェアで実装され得る。例えば、特定の実施形態において、当該基地局の上述した機能コンポーネントは、コンピュータ命令を実行するデータ処理システム708によって、コンピュータ命令には非依存に動作するデータ処理システム708によって、又はハードウェア及び/若しくはソフトウェアの任意の適切な組合せによって、実装されてよい。
【0035】
本発明の特定の実施形態によれば、基地局502と1つ以上の通信デバイス504との間で、リソースブロック内でデータが送信され得る。ある観点において、データ又は制御チャネル送信のために使用される各RB内に、複数の重複しない(non-overlapping)リソースエレメント(RE)の領域が定義される。各領域は、少なくとも1つの一意のリファレンスシンボル(RS)に関連付けられる。
【0036】
ユーザ機器504は、RBの特定の領域内で受信する情報を復調する際、当該領域に関連付けられるRS及び/又はアンテナポートを使用する。RS及び/又はアンテナポートの情報を用いて、例えば、通信ネットワークのチャネルが推定され、又は関連付けられる当該領域内に含まれるデータが復調され得る。
【0037】
図4は、2つの時間周波数領域402、404から構成される例示的なリソースブロックを示しており、各領域は自身に関連付けられるリファレンスシンボルを有する。第1の領域402は、第1のリファレンス信号領域406に位置するリソースエレメント内で送信される第1のリファレンスシンボルに関連付けられる。第2の領域404は、第2のリファレンス信号領域408に位置するリソースエレメント内で送信される第2のリファレンスシンボルに関連付けられる。各領域は、例えば、CCE、PHICH若しくはPBCH、又はそうしたメッセージエレメントの断片(fractions)といった制御情報を送信するために使用され得る。
【0038】
さて、
図8を参照すると、基地局502から通信デバイス504へリソースブロック400内でデータを送信するための処理を例示するフローチャート800が示されている。リソースブロック400は、
図4に例示した領域402及び404といった複数のデータ領域を含む。
【0039】
処理810の1つ目のステップにおいて、データの第1の部分が第1の領域402に割り当てられる。このデータは、第1のリファレンスシンボル406に関連付けられる。当該データは、例えば、制御メッセージであってよい。本実施形態の観点によれば、当該制御メッセージは、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及び/又はシステム情報に関連するコマンドを含み得る。さらに、第1のリファレンスシンボル406は、UE固有リファレンスシンボルであってよい。
【0040】
ステップ820において、データの第2の部分がリソースブロック400の第2の領域404に割り当てられる。このデータは、第2のリファレンスシンボル408に関連付けられる。当該データは、第1のデータもそうであるように、例えば、制御メッセージであってよく、電力制御、スケジューリング情報、ACK/NACK応答及び/又はシステム情報に関連するコマンドを含み得る。
【0041】
ステップ830において、データの第1の部分が符号化され、第1の符号化データが生成される。同様に、データの第2の部分が符号化され、第2の符号化データが生成される。そして、符号化データは、ステップ840において変調され、変調データが生成される。
【0042】
ステップ850において、第1のリファレンスシンボル及び第2のリファレンスシンボルを伴う変調データが、通信デバイス504へリソースブロック内で送信される。
【0043】
本発明の特定の実施形態によれば、
図7に示したデバイスのような基地局502は、通信ネットワークにおいて動作可能であり、
図8のフローチャートにおいて詳述した通りにリソースブロック内でデータを送信するように共に構成される、送受信器704及びデータ処理リソース708を含む。
【0044】
図10を参照すると、通信デバイス504によってリソースブロック内で受信されるデータを復調するための処理を例示するフローチャート1000が示されている。
【0045】
ステップ1010において、通信デバイス504は、通信ネットワークの基地局502からデータを受信する。当該基地局は、例えば、
図7に示したようなeNBの通りであってよい。
【0046】
上記データの第1の部分は、
図4に例示したリソースブロック400のような受信されるリソースブロックの第1の領域に割り当てられている。上記データの第2の部分は、リソースブロック400の第2の領域に割り当てられている。これら領域の各々は、それぞれ第1のリファレンスシンボル及び第2のリファレンスシンボルに関連付けられている。
【0047】
ステップ1020において、当該通信デバイスは、第1のリファレンスシンボルを用いて、通信ネットワークのチャネルを推定する。同様に、ステップ1030において、当該通信デバイスは、第2のアンテナポートを用いて、通信ネットワークのチャネルを推定する。
【0048】
ステップ1040において、第1のデータ及び第2のデータのうちの少なくとも1つが復調される。当該ステップは、さらに、復調されるデータについての逆レートマッチング及び復号を実行することを含んでもよい。
【0049】
本発明の特定の実施形態によれば、
図6に示したデバイスのようなUE通信デバイス504は、
図10のフローチャートにおいて詳述した通りにリソースブロック内で受信されたデータを復調するように共に構成される、アンテナアレイ602、送受信器604及びデータ処理リソース606を含む。
【0050】
本発明の特定の実施形態によれば、制御チャネルの送信のために使用されるRBにおいて、複数の直交する時間−周波数及び符号リソースが定義され得る。ここではリソースとして言及される区画(partition)が、RB内のリソースエレメントのサブセットに加えてカバー符号(cover code)から構成される領域として定義され得る。カバー符号は、例えば、直交カバー符号のセットから選択され得る。本発明の特定の実施形態によれば、各リソースは1つ以上の一意なリファレンスシンボルに関連付けられ、関連付けられるリファレンスシンボルを搬送するリソースエレメントもまた、同じリソースブロック又はRBペア内で送信される。UEは、送信されるRBの所与のリソース内の情報を復調する際、処理用に当該リソースに関連付けられたRSを用いることができる。例えば、RSは、正確なチャネル推定のために使用されることができる。さらに、RB内の各リソースは、1つ以上のUEに独立的に割り当てられることができる。
【0051】
ある観点において、各リソース内で、制御情報は、(限定ではないものの)例えばPDCCH、PHICH又はPBCHに属するCCEを含んで送信される。リソースがCCE全体にフィットするには小さすぎる場合、これらメッセージの断片を第1のリソース内で送信し、他の断片を他のリソース内で、例えば同じサブフレーム内の別の場所で送信することができる。他のリソースは、他のリファレンスシンボルに関連付けられ得る。
【0052】
図9及び
図11〜
図13は、リファレンスシンボルへの領域の関連付けと共に、リソースブロックの複数の領域への例示的な区画化を示している。本開示における実施形態を例示するために、RBの使用は、サブフレーム内の両スロットにデータが例えばマッピングされる場合に、RBペアへ直接的に拡張されてよい。本発明の特定の実施形態によれば、リソースの区画化を、周波数分割多重(FDM)と共に、時間分割多重(TDM)及び符号分割多重(CDM)に基づいて実行することができる。
【0053】
図9は、LTEにおいて現在定義されているような、最大4個の送信ポートについてのリファレンスシンボル位置を伴う例示的なRBを示している。リファレンスシンボルを搬送するリソースエレメントは、R
7及びR
9によって表記されている。R
7によって表記されるREは、アンテナポート7のためのRSを含み、又は代替的に、アンテナポート7及び8のためのRSを双方のポートが使用される場合に含み得る。2つのポートのためのRSは、複数の重複するリソースエレメント内で直交カバー符号(OCC:orthogonal cover code)を用いて互いの上に重畳され得る。例えば、
図9に示した隣接シンボル902の各ペアにおいて、ポート7のために送信されるRSは{+1、+1}であってよく、ポート8のためのものは{+1,−1}であってよい。本発明の特定の実施形態によれば、アンテナポート9及び10のためのRSは、同様に、
図9に示した隣接REペア904上に重畳される。
【0054】
図9は、RB内の、制御メッセージ送信のための2つの異なる領域をも示している。本実施形態において、各領域は36個のREを有し、その数はレガシーLTEキャリア上のCCE内のREの数と同じである。ドットで示された第1の領域はアンテナポート7又はアンテナポート7及び8に関連付けられ、一方でハッシングで示された第2の領域はアンテナポート9又はアンテナポート9及び10に関連付けられる。
【0055】
本発明の特定の実施形態によれば、各RBの送信において、リファレンスシンボルが必ず送信されなければならないわけではない。例えば、対応する領域が使用されなければ、リソースのためにRSは送信されなくてよい。これは、例えば、UEの割り当ての使用と、レガシーPDCCHについてCCEの観点で定義されるサーチスペース(UEが自身宛てのメッセージをサーチするためにブラインド復号を実行する場所)とを、UE固有RSに基づく制御チャネルにまで持ち込むことを可能とする。既存の方式の必要とされる変更は、CCEからREへのマッピングのみである。
【0056】
本発明の特定の実施形態において、RB又はRBペア内のリソースの、関連付けられる一意のRSを伴う複数の重複しない領域への区画化は、多様な手法で実装されてよく、例えばそれは
図11において提供されている通りである。
図11の例において、第1の領域がドットで示されアンテナポート7又はアンテナポート7及び8に関連付けられている一方、第2の領域はハッシングで示されポート9又はポート9及び10に関連付けられている
【0057】
図12に示したさらなる例は、4つの領域に区画化されたRBを伴う、2つの可能な構成を示している。この例によれば、情報のためにカバー符号は必要とされない。よって、ドットで示した領域はアンテナポート7に関連付けられ、黒いブロックで示した領域はアンテナポート8に関連付けられ、ハッシングで示した領域はアンテナポート9に関連付けられ、白いブロックで示した領域はアンテナポート10に関連付けられる。前に説明したように、アンテナポート8及び10のためのRSは、ポート7及び9によりそれぞれ使用されるものと同じREにおいて、直交カバー符号を用いて送信されてもよい。
【0058】
リソースとリファレンスシンボルとの間の追加的な関連付けを生成するために、符号分割多重化(CDM)が区画化のスキームに取り入れられてもよい。例えば、{+1,+1}及び{+1,−1}といった2つのカバー符号が、例えば
図9及び
図11においてドットで示した領域などの領域に適用され得る。この例では、カバー符号{+1,+1}を伴うドットで示した領域はアンテナポート7に関連付けられ、カバー符号{+1,−1}を伴うドットで示した領域はアンテナポート8に関連付けられ得る。同様に、
図9及び
図11に示したカバー符号{+1,+1}を用いるハッシングで示した領域はアンテナポート9に関連付けられる一方、カバー符号{+1,−1}を伴うハッシングで示した領域はアンテナポート10に関連付けられ得る。このアプローチは、
図12に示した4領域の区画化及びRSの関連付けを用いる実装に対する代替案を提供することができる。
【0059】
ある実施形態によれば、周波数ダイバーシティを領域での送信に組み込むために、複数のRBが領域の区画化とRSの関連付けとを定義するために併せて使用されてもよい。例えば、
図13に示したように、2つのRB内のリソースエレメントを用いて、4つの領域とその関連付けられるリファレンスシンボル及びアンテナポートが定義される。この実施形態では、2つのRBは周波数での分離を有する。ドットで示した領域は、アンテナポート7に関連付けられる。ハッシングで示した領域は、アンテナポート9に関連付けられる。黒いブロックで示した領域は、アンテナポート8に関連付けられる。白いブロックで示した領域は、アンテナポート10に関連付けられる。
【0060】
本発明のある実施形態によれば、制御メッセージといったメッセージが小規模である場合、当該メッセージは分割されて複数の領域にわたって分配され、周波数ダイバーシティを提供するように、各領域は十分に大きい周波数間隔で隔離されて、RB内で送信される。例示的な小規模の制御メッセージは、単一のCCEを伴うPDCCH、又はPHICHを含み得る。
【0061】
上で議論したように、RB内の異なる直交リソースを、異なるPDCCHによって利用することができる。PHICHもまた、他のPDCCHと無線リソースを共有することができる。この例が
図14に示されており、UE1は単一のCCEで構成されるPDCCHを受信し、UE2はPHICHを受信する。
【0062】
説明した解決策を、RB内の全てのサブキャリアが上述した教示に従って利用され得るような、新たなキャリアタイプに適用することができる。しかしながら、既存のLTEシステムの仕様に後方互換的なキャリアでは、例えば設定に依存してサブフレーム内の最初の1番目から4番目のOFDMシンボルが、制御情報のために予約され得る。これは、例えば、
図2に示した割当てにおいて示されている。セル内のレガシーUEのサポートを可能とするために、上述した実施形態を、レガシーの制御領域に割り当てられていない無線リソースに適用することができる。例えば、
図14に示したように、説明した解決策は、サブフレームの第1スロット内の(レガシー動作のための最初の3つの後の)最後の4つのOFDMシンボルに適用される。
【0063】
多様な実施形態を上で説明したが、それらは例としてのみ提示されており、限定として提示されてはいないことが理解されるべきである。よって、本開示の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきでない。さらに、全ての可能なバリエーションにおける上述したエレメントのいかなる組合せも、ここで示され又はそうではなく文脈と明確に矛盾しない限り、本開示により包含される。
【0064】
さらに、上で説明し図中に例示した処理は一連のステップとして示されているが、これは単に例示のためにされたものである。従って、何らかのステップが追加され、何らかのステップが省略され、ステップの順序が再構成され、及びいくつかのステップが並列的に実行されてもよいと想定される。