(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ユーザプレーン接続を介して転送される前記データの量が所定期間中に第1閾値を超える場合に、前記ハンドオーバ手続を開始するステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
前記信号品質の指示が、進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)基準信号受信品質(RSRQ)、E−UTRA基準信号受信電力(RSRP)、または前記E−UTRA RSRQと前記E−UTRA RSRPとの組合せを含む請求項5に記載の方法。
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1ユーザプレーン接続を介して転送される前記データの量が所定期間中に第1閾値を超える場合に、前記ハンドオーバ手続を開始するようにさらに構成される請求項9に記載のネットワークコントローラ。
前記信号品質の指示が、進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)基準信号受信品質(RSRQ)、E−UTRA基準信号受信電力(RSRP)、または前記E−UTRA RSRQと前記E−UTRA RSRPとの組合せを含む請求項13に記載のネットワークコントローラ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、本開示の1つまたは複数の態様の基本を理解してもらうために、そのような態様の簡単な概要を示す。この概要は、本開示のすべての考えられる特徴の包括的な概観ではなく、本開示のすべての態様の重要なまたは決定的な要素を特定するようにも、本開示の任意のまたはすべての態様の範囲を示すようにも意図されていない。この概要の唯一の目的は、後で示されるより詳細な説明の前置きとして本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡素化された形で提示することである。
【0007】
本開示の態様は、ワイヤレス通信ネットワークで動作可能なユーザ機器(UE)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または遠隔サーバ、ならびに1つの無線アクセス技術(RAT)から別のRATへのUEのハンドオーバ(以降、インターラット(inter-RAT)ハンドオーバと称する)中にパケットの破棄が防止または削減され得る方法を対象とする。
【0008】
一態様において、本開示は、ワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにネットワークコントローラ(たとえば、RNCまたはeNodeB)でデータを転送するステップと、第1のユーザプレーンの接続を介して転送されるデータがトリガ条件を満たす場合に、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するステップとを有する。
【0009】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにネットワークコントローラにおいてデータを転送するための手段と、第1のユーザプレーンの接続を介して転送されるデータがトリガ条件を満たす場合に、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するための手段とを具備する。
【0010】
本開示の別の態様は、ネットワークコントローラに、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送する手順と、第1のユーザプレーンの接続を介して転送されるデータがトリガ条件を満たす場合に、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始する手順とを実行させるためのコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを具備する。少なくとも1つのプロセッサは、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送し、第1のユーザプレーンの接続を介して転送されるデータがトリガ条件を満たす場合に、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するように構成される。
【0012】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにネットワークコントローラでデータを転送するステップと、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するステップとを有する。この態様においては、ハンドオーバ手続は、ユーザ機器とのデータ通信でユーザ機器から遠隔サーバに要求を中継して、第1のユーザプレーンの接続を介したユーザ機器へのデータの送信を停止するステップを含む。
【0013】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにネットワークコントローラでデータを転送するステップと、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するステップとを有する。この態様においては、ハンドオーバ手続は、第2の無線アクセスネットワークを介してユーザ機器と遠隔サーバとの間の第2のユーザプレーンの接続を開始するステップと、第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器によって受信された最後のパケットの後に続くパケットから、第2のユーザプレーンの接続を介してデータの送信を再開するように遠隔サーバに要求を送信するステップとを含む。
【0014】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信の方法を提供する。方法は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにネットワークコントローラでデータを転送するステップと、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するステップとを有する。この態様においては、ハンドオーバ手続は、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信する前に第2の無線アクセスネットワークでユーザ機器のための第2のユーザプレーンの接続を開始するステップと、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信して第1のユーザプレーンの接続を開放するステップとを含む。
【0015】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送するための手段と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するための手段とを具備する。この態様においては、ハンドオーバ手続を開始するための手段は、ユーザ機器とのデータ通信でユーザ機器から遠隔サーバに要求を中継して、第1のユーザプレーンの接続を介したユーザ機器へのデータの送信を停止するための手段を含む。
【0016】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送するための手段と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するための手段とを具備する。この態様においては、ハンドオーバ手続を開始するための手段は、第2の無線アクセスネットワークを介してユーザ機器と遠隔サーバとの間の第2のユーザプレーンの接続を開始するための手段と、第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器によって受信された最後のパケットの後に続くパケットから、第2のユーザプレーンの接続を介してデータの送信を再開するように遠隔サーバに要求を送信するための手段とを含む。
【0017】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送するための手段と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するための手段とを具備する。この態様においては、ハンドオーバ手続を開始するための手段は、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信する前に第2の無線アクセスネットワークでユーザ機器のための第2のユーザプレーンの接続を開始するための手段と、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信して第1のユーザプレーンの接続を開放するための手段とを含む。
【0018】
本開示の別の態様は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークコントローラに、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送する手順と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始する手順とを実行させるためのコードを記録している。この態様では、ハンドオーバ手続において、ネットワークコントローラは、ユーザ機器とのデータ通信でユーザ機器から遠隔サーバに要求を中継して、第1のユーザプレーンの接続を介したユーザ機器へのデータの送信を停止するように構成される。
【0019】
本開示の別の態様は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークコントローラに、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送する手順と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始する手順とを実行させるためのコードを記録している。この態様では、ハンドオーバ手続において、ネットワークコントローラは、第2の無線アクセスネットワークを介してユーザ機器と遠隔サーバとの間の第2のユーザプレーンの接続を開始し、第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器によって受信された最後のパケットの後に続くパケットから、第2のユーザプレーンの接続を介してデータの送信を再開するように遠隔サーバに要求を送信するように構成される。
【0020】
本開示の別の態様は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークコントローラに、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送する手順と、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始する手順とを実行させるためのコードを記録している。この態様では、ハンドオーバ手続において、ネットワークコントローラは、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信する前に第2の無線アクセスネットワークでユーザ機器のための第2のユーザプレーンの接続を開始し、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信して第1のユーザプレーンの接続を開放するように構成される。
【0021】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを具備する。少なくとも1つのプロセッサは、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送し、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するように構成される。ハンドオーバ手続において、少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器とのデータ通信でユーザ機器から遠隔サーバに要求を中継して、第1のユーザプレーンの接続を介したユーザ機器へのデータの送信を停止するように構成される。
【0022】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを具備する。少なくとも1つのプロセッサは、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送し、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するように構成される。ハンドオーバ手続において、少なくとも1つのプロセッサは、第2の無線アクセスネットワークを介してユーザ機器と遠隔サーバとの間の第2のユーザプレーンの接続を開始し、第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器によって受信された最後のパケットの後に続くパケットから、第2のユーザプレーンの接続を介してデータの送信を再開するように遠隔サーバに要求を送信するように構成される。
【0023】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを具備する。少なくとも1つのプロセッサは、第1の無線アクセスネットワークの第1のユーザプレーンの接続を介してユーザ機器のためにデータを転送し、ユーザ機器を第2の無線アクセスネットワークの第2のユーザプレーンの接続に移行させるハンドオーバ手続を開始するように構成される。ハンドオーバ手続において、少なくとも1つのプロセッサは、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信する前に第2の無線アクセスネットワークでユーザ機器のための第2のユーザプレーンの接続を開始し、ユーザ機器にハンドオーバコマンドを送信して第1のユーザプレーンの接続を開放するように構成される。
【0024】
本発明のこれらのおよびその他の態様は、以下の詳細な説明を精査することによって、完全に理解されるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面と合わせて以下で説明される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施され得るすべての構成を示すように意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供することを目的とする具体的詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的詳細なしに実施され得ることは当業者に明らかであろう。いくつかの場合、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、よく知られた構造および構成要素がブロック図の形態で示される。
【0027】
本開示の様々な態様によれば、ユーザ機器(UE)は、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。たとえば、UEは、UMTS/HSPAネットワークおよびロングタームエボリューション(LTE)ネットワークにアクセスするためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む可能性がある。しかしながら、ユーザデータがUEと遠隔の端末またはネットワークエンティティとの間で転送されている間にUEが異なるRAT間を(たとえば、UMTS/HSPAからLTEに)移動(すなわち、ハンドオーバ)するとき、パケットが、無線ネットワークコントローラ(RNC)などのネットワークノードのうちの1つで破棄される可能性がある。破棄されたパケットは、パケットに基づくアプリケーションの性能に影響を与え、ユーザエクスペリエンスを損なう可能性がある。本明細書において説明される様々な例示的な例においては、UEに基づくおよび/またはネットワークに基づく技術が、UEがUMTS/HSPAネットワークからLTEネットワークに移動させられるときのハンドオーバの性能を改善するために利用される。しかしながら、説明される技術は、その他の種類のインターラットハンドオーバ(たとえば、WiMAXからLTE、EV-DOからHSPA、LTEからHSPAなど)にも適用可能である可能性がある。
【0028】
本開示の様々な態様によれば、インターラットハンドオーバ(たとえば、HSPAからLTEへ)は、たとえば、転送されるデータに基づくなど、様々なイベントまたは条件(たとえば、ある期間のデータ量トリガ(data volume trigger))によってトリガされる可能性がある。データ量トリガに加えて、その他の種類のトリガが使用され得る。たとえば、インターラットハンドオーバは、ネットワークのカバレッジ/品質のうちの1つが特定の閾値を超える場合にトリガされる可能性がある。しかしながら、別の実装においてインターラットハンドオーバをトリガするためのその他の例が使用される可能性があることに留意されたい。
【0029】
本開示の様々な態様によれば、インターラットハンドオーバに対する潜在的な拡張が、パケットの破棄を避けることと、実装に固有のUEに基づく手法および/またはモビリティの変更手法(change of mobility approach)によるパケットの破棄後すぐに復旧することとを含む。これらの拡張は、以下でより詳細に説明される。本開示全体を通じて示される様々な概念は、広範な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装され得る。
【0030】
図1は、本開示の例による、UTRANおよびeUTRANを含む電気通信システム100を概念的に示すブロック図である。ここで
図1を参照すると、電気通信システム100は、ユーザ機器(UE)101へのUMTS/HSPAとロングタームエボリューション(LTE)との両方のネットワークアクセスを含む可能性がある。一例において、電気通信システム100は、進化型パケットコア(EPC)、UTRAN102、およびeUTRAN110を有する。UTRAN102に関して利用可能ないくつかのオプションの中で、この例においては、示されるUTRAN102は、電話、映像、データ、メッセージング、放送、および/またはその他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを可能にするためにWCDMA無線インターフェースを採用する可能性がある。UTRAN102は、RNC104などのそれぞれの無線ネットワークコントローラ(RNC)によってそれぞれが制御される複数の無線ネットワークサブシステム(RNS)を含む可能性がある。明瞭化のために、RNC104のみが
図1に示される。RNC104は、とりわけ、RNS内の無線リソースの割り振り、再構成、および開放を担う装置である。RNC104は、直接的な物理接続、仮想ネットワーク、または任意の好適な転送ネットワークを使用する同様のものなどの様々な種類のインターフェースを通じてUTRAN102内のその他のRNC(図示せず)に相互接続される可能性がある。
【0031】
RNSによってカバーされる地理的領域は、無線トランシーバ装置が各セルにサービスを提供するようにしていくつかのセルに分割される可能性がある。無線トランシーバ装置は、UMTSの応用においては、通常、NodeBと称されるが、当業者によって、基地局(BS)、ベーストランシーバステーション(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかのその他の好適な用語で呼ばれる可能性もある。明確化のために、1つのNodeB106がUTRAN102内に示されているが、各RNSは任意の数のワイヤレスNodeBを含む可能性がある。NodeB106は、任意の数のモバイル装置(たとえば、UE101)に、コアネットワークへのワイヤレスアクセスポイントを提供する。モバイル装置の例は、セルラー電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレイヤ(たとえば、MP3プレイヤ)、カメラ、ゲームコンソール、または任意のその他の同様の機能的デバイスを含む。モバイル装置は、UMTSおよびLTEの応用においては、通常、ユーザ機器(UE)と称されるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかのその他の好適な用語で呼ばれる可能性もある。UE101は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)(図示せず)をさらに含む可能性がある。例示を目的として、NodeB106と通信する1つのUE101が示される。順方向リンクとも称されるダウンリンク(DL)は、NodeB106からUE101への通信リンクを指し、逆方向リンクとも称されるアップリンク(UL)は、UE101からNodeB106への通信リンクを指す。
【0032】
電気通信システム100は、パケットデータサービスを提供するためのサービングGPRSサポートノード(SGSN)109を含み得る。SGSN109は、EPC108へのUTRAN102のためのパケットに基づく接続を提供する。
【0033】
示されるように、進化型パケットコア(EPC)108は、UTRAN102および進化型UTRAN(eUTRAN)110などの1つまたは複数の無線アクセスネットワークとインターフェースをとることができる。しかしながら、当業者が認めるであろうように、本開示全体を通じて示される様々な概念は、UMTSおよびLTEネットワーク以外の種類のコアネットワークにUEがアクセスすることができるようにするためにその他の好適な無線アクセスネットワークに実装される可能性がある。eUTRAN110は、eNodeB(eNB)112およびその他のeNB(図示せず)を含み得る。eNB112は、UE101にユーザプレーンプロトコルおよび制御プレーンプロトコルの終端を提供する。eNB112は、X2インターフェース(すなわち、バックホール)を介してその他のeNBに接続され得る。eNB112は、当業者によって、基地局、ベーストランシーバステーション、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、または何らかのその他の好適な用語で呼ばれる可能性もある。eNB112は、UE101に、EPC108へのアクセスポイントを提供する。
【0034】
EPC108は、モビリティ管理エンティティ(MME)114、その他のMME(図示せず)、サービングゲートウェイ(S-GW)116、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)118を含む。MME114は、UE101とEPC108との間のシグナリングを処理する制御ノードである。概して、MME114は、ベアラおよび接続の管理を行う。すべてのユーザIPパケットは、S-GW116を通じて転送され、S-GW116自体はP-GW118に接続される。P-GW118は、UEのIPアドレスの割り当ておよびその他の機能を提供する。P-GW118は、オペレータのIPサービス120に接続される。オペレータのIPサービスは、1つまたは複数の遠隔サーバによって提供される可能性がある。「オペレータのIPサービス」および「遠隔サーバ」という用語は、本明細書においては交換可能なように使用される可能性がある。オペレータのIPサービス120は、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、およびPSストリーミングサービス(PSS)を含み得る。一例において、IPサービス120は、TCPサーバを含む。電気通信ネットワーク100は、ホームロケーションレジスタ(HLR)などの機能を包含するレジスタを表し、たとえば、サービスの属性、データレートなどに関するユーザに固有の情報を含むホーム加入者サーバ(HSS)122を含み得る。S-GW116およびP-GW118は、eUTRAN110内のモビリティ管理と、UTRAN102とに関連するタスクを処理する。
図1に示されるように、SGSN109は、ゲートウェイ116および118に動作可能なように接続され、したがって、UTRANネットワークのゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)の機能を処理する。
【0035】
図2は、本開示の例による、UE101に関するハードウェアの実装を示す概念図である。当技術分野で広く知られているUE101の構成要素は、明瞭化し、分かりやすくするために図示されていない。
図2に示されるように、概して、UE101は、通信インターフェース204および記憶媒体206に接続されるか、または通信インターフェース204および記憶媒体206と電気的に導通するように配置された処理回路202を含む。
【0036】
処理回路202は、データを取得、処理、および/または送信し、データアクセスおよびストレージを制御し、命令を発し、その他の所望の動作を制御するように構成される。処理回路202は、少なくとも1つの例において、適切な媒体によって与えられる所望のプログラミングを実施するように適合された回路を含み得る。たとえば、処理回路202は、1つもしくは複数のプロセッサ、1つもしくは複数のコントローラ、および/または実行可能なプログラミングを実行するように構成されたその他の構造として実装される可能性がある。処理回路202の例は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブルロジックコンポーネント、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、または本明細書で説明された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せを含み得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、および任意の通常のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械を含み得る。処理回路202は、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、いくつかのマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ASICとマイクロプロセッサ、または任意のその他の数の様々な構成などのコンピューティングコンポーネントの組合せとして実装される可能性もある。処理回路202のこれらの例は例示のためのものであり、本開示の範囲内のその他の好適な構成も考えられる。
【0037】
処理回路202は、記憶媒体206に記憶される可能性があるプログラミングの実行を含む処理のために適合される。本明細書において使用されるとき、「プログラミング」という用語は、ソフトウェアと呼ばれるか、ファームウェアと呼ばれるか、ミドルウェアと呼ばれるか、マイクロコードと呼ばれるか、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、またはそれ以外の名称で呼ばれるかに関わらず、命令、命令セット、データ、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プロシージャ、関数などを限定なしに含むように広く解釈されなければならない。
【0038】
通信インターフェース204は、UE101のワイヤレス通信を容易にするように構成される。たとえば、通信インターフェース204は、1つまたは複数のネットワークノードに関して双方向の情報の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含み得る。通信インターフェース204は、1つまたは複数のアンテナ(図示せず)に接続される可能性があり、少なくとも1つの受信機回路208(たとえば、1つもしくは複数の受信機チェーン)および/または少なくとも1つの送信機回路210(たとえば、1つもしくは複数の送信機チェーン)を含むワイヤレストランシーバ回路を含む。
【0039】
記憶媒体206は、プロセッサが実行可能なコードもしくは命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア)などのプログラミング、電子的なデータ、データベース、またはその他のデジタル情報を記憶するための1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能、機械読み取り可能、および/またはプロセッサ読み取り可能なデバイスを表す可能性がある。記憶媒体206は、プログラミングを実行するときに処理回路202によって操作されるデータを記憶するためにやはり使用され得る。記憶媒体206は、可搬型または固定式記憶デバイスと、光記憶デバイスと、プログラミングを記憶する、含む、および/または運ぶことができる様々なその他の媒体とを含む、汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体である可能性がある。限定ではなく例として、記憶媒体206は、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ)、光記憶媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取外し可能なディスク、および/またはプログラミングを記憶するためのその他の媒体、ならびにそれらの任意の組合せなどのコンピュータ読み取り可能、機械読み取り可能、および/またはプロセッサ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0040】
記憶媒体206は、処理回路202が記憶媒体206から情報を読むことができ、記憶媒体206に情報を書き込むことができるように処理回路202に接続され得る。つまり、記憶媒体206は、記憶媒体206が処理回路202と一体である例、ならびに/または記憶媒体206が処理回路202と分かれている(たとえば、UE101内に存在する、UE101の外部にある、および/もしくは複数のエンティティに分散される)例を含め、記憶媒体206が少なくとも処理回路202によってアクセス可能であるように処理回路202に接続され得る。
【0041】
記憶媒体206によって記憶されるプログラミングは、処理回路202によって実行されるとき、処理回路202に、本明細書に記載の様々な機能および/またはプロセスのステップのうちの1つまたは複数を実行させる。たとえば、記憶媒体206は、インターラットハンドオーバを処理するために処理回路202(たとえば、ハンドオーバ回路216)によって実行され得るハンドオーバルーチン212を含む可能性がある。したがって、本開示の1つまたは複数の態様によれば、処理回路202は、本明細書に記載のUE(たとえば、UE101)のうちのいずれかまたはすべてのためのプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンのうちのいずれかまたはすべてを(記憶媒体206と連携して)実行するように適合される。本明細書において使用されるとき、処理回路202に関連する「適合される」という用語は、処理回路202が、本明細書に記載の様々な特徴による特定のプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンを実行するように構成されること、使用されること、実装されること、および/またはプログラムされることのうちの1つまたは複数を指す可能性がある。
【0042】
図3は、本開示の例による、RNC104のハードウェアの実装を示す概念図である。当技術分野で広く知られているRNC104の構成要素は、明瞭化し、分かりやすくするために図示されていない。示されるように、RNC104は、通信インターフェース304および記憶媒体306に接続されるか、または通信インターフェース304および記憶媒体306と電気的に導通するように配置された処理回路302を含む。処理回路302は、データを取得、処理、および/または送信し、データアクセスおよびストレージを制御し、命令を発し、その他の所望の動作を制御するように構成される。処理回路302は、少なくとも1つの例において、記憶媒体306に記憶される媒体を含む適切な媒体によって提供されるプログラミングの実行および実装を含む処理のために適合された回路を含み得る。処理回路302に関する例および実装は、
図2を参照して上で説明された処理回路202の様々な例および実装のいずれかを含む可能性がある。
図2の処理回路202を参照して説明された処理回路の例を含む処理回路302の例は例示のためのものであり、本開示の範囲内のその他の好適な構成も考えられる。
【0043】
通信インターフェース304は、RNC104の有線および/または無線通信を容易にするように構成される。たとえば、通信インターフェース304は、1つまたは複数のUEおよび1つまたは複数のその他のネットワークノードに関して双方向の情報の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含み得る。通信インターフェース304は、1つまたは複数のアンテナ(図示せず)に接続される可能性があり、少なくとも1つの受信機回路308(たとえば、1つもしくは複数の受信機チェーン)および/または少なくとも1つの送信機回路310(たとえば、1つもしくは複数の送信機チェーン)を含むワイヤレストランシーバ回路を含む。
【0044】
記憶媒体306は、プロセッサが実行可能なコードもしくは命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア)などのプログラミング、電子的なデータ、データベース、またはその他のデジタル情報を記憶するための1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能、機械読み取り可能、および/またはプロセッサ読み取り可能なデバイスを表す可能性がある。記憶媒体306は、プログラミングを実行するときに処理回路302によって操作されるデータを記憶するためにやはり使用され得る。記憶媒体306は、可搬型または固定式記憶デバイスと、光記憶デバイスと、プログラミングを記憶する、含む、および/または運ぶことができる様々なその他の媒体とを含む、汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体である可能性がある。記憶媒体306の例は、
図2を参照して上で説明された記憶媒体206の説明に含まれる例のいずれかを含む可能性がある。
【0045】
記憶媒体306は、処理回路302が記憶媒体306から情報を読むことができ、記憶媒体306に情報を書き込むことができるように処理回路302に接続され得る。つまり、記憶媒体306は、記憶媒体306が処理回路302と一体である例、ならびに/または記憶媒体306が処理回路302と分かれている(たとえば、RNC104内に存在する、RNC104の外部にある、および/もしくは複数のエンティティに分散される)例を含め、記憶媒体306が少なくとも処理回路302によってアクセス可能であるように処理回路302に接続され得る。
【0046】
記憶媒体306によって記憶されるプログラミングは、処理回路302によって実行されるとき、処理回路302に、本明細書に記載の様々な機能および/またはプロセスのステップのうちの1つまたは複数を実行させる。たとえば、記憶媒体306は、インターラットルーチン312を含む可能性があり、処理回路302は、インターラットルーチン312に従って様々な機能を実行するように適合されるハンドオーバ回路314を含む可能性がある。インターラットルーチン312の様々な機能は、以降でより詳細に説明される。したがって、本開示の1つまたは複数の態様によれば、処理回路302は、本明細書に記載のRNC104のいずれかまたはすべてのためのプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンのうちのいずれかまたはすべてを(記憶媒体306と連携して)実行するように適合される。本明細書において使用されるとき、処理回路302に関連する「適合される」という用語は、処理回路302が、本明細書に記載の様々な特徴による特定のプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンを実行するように構成されること、使用されること、実装されること、および/またはプログラムされることのうちの1つまたは複数を指す可能性がある。
【0047】
図4は、本開示の例による、eNB112のハードウェアの実装を示す概念図である。当技術分野で広く知られているeNB112の構成要素は、明瞭化し、分かりやすくするために図示されていない。示されるように、eNB112は、通信インターフェース404および記憶媒体406に接続されるか、または通信インターフェース404および記憶媒体406と電気的に導通するように配置された処理回路402を含む。処理回路402は、データを取得、処理、および/または送信し、データアクセスおよびストレージを制御し、命令を発し、その他の所望の動作を制御するように構成される。処理回路402は、少なくとも1つの例において、記憶媒体406に記憶される媒体を含む適切な媒体によって提供されるプログラミングの実行および実装を含む処理のために適合された回路を含み得る。処理回路402に関する例および実装は、
図2を参照して上で説明された処理回路202の様々な例および実装のいずれかを含む可能性がある。
図2の処理回路202を参照して説明された処理回路の例を含む処理回路402の例は例示のためのものであり、本開示の範囲内のその他の好適な構成も考えられる。
【0048】
通信インターフェース404は、eNB112の有線および/または無線通信を容易にするように構成される。たとえば、通信インターフェース404は、1つまたは複数のUEおよび1つまたは複数のその他のネットワークノードに関して双方向の情報の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含み得る。通信インターフェース404は、1つまたは複数のアンテナ(図示せず)に接続される可能性があり、少なくとも1つの受信機回路408(たとえば、1つもしくは複数の受信機チェーン)および/または少なくとも1つの送信機回路410(たとえば、1つもしくは複数の送信機チェーン)を含むワイヤレストランシーバ回路を含む。
【0049】
記憶媒体406は、プロセッサが実行可能なコードもしくは命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア)などのプログラミング、電子的なデータ、データベース、またはその他のデジタル情報を記憶するための1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能、機械読み取り可能、および/またはプロセッサ読み取り可能なデバイスを表す可能性がある。記憶媒体406は、プログラミングを実行するときに処理回路402によって操作されるデータを記憶するためにやはり使用され得る。記憶媒体406は、可搬型または固定式記憶デバイスと、光記憶デバイスと、プログラミングを記憶する、含む、および/または運ぶことができる様々なその他の媒体とを含む、汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体である可能性がある。記憶媒体406の例は、
図2を参照して上で説明された記憶媒体206の説明に含まれる例のいずれかを含み得る。
【0050】
記憶媒体406は、処理回路402が記憶媒体406から情報を読むことができ、記憶媒体406に情報を書き込むことができるように処理回路402に接続され得る。つまり、記憶媒体406は、記憶媒体406が処理回路402と一体である例、ならびに/または記憶媒体406が処理回路402と分かれている(たとえば、eNB112内に存在する、eNB112の外部にある、および/もしくは複数のエンティティに分散される)例を含め、記憶媒体406が少なくとも処理回路402によってアクセス可能であるように処理回路402に接続され得る。
【0051】
記憶媒体406によって記憶されるプログラミングは、処理回路402によって実行されるとき、処理回路402に、本明細書に記載の様々な機能および/またはプロセスのステップのうちの1つまたは複数を実行させる。たとえば、記憶媒体406は、インターラットルーチン412を含む可能性があり、処理回路402は、インターラットルーチン412に従って様々な機能を実行するように適合されるハンドオーバ回路414を含む可能性がある。インターラットルーチン412の様々な機能は、以降でより詳細に説明される。したがって、本開示の1つまたは複数の態様によれば、処理回路402は、本明細書に記載のeNB112のいずれかまたはすべてのためのプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンのうちのいずれかまたはすべてを(記憶媒体406と連携して)実行するように適合される。本明細書において使用されるとき、処理回路402に関連する「適合される」という用語は、処理回路402が、本明細書に記載の様々な特徴による特定のプロセス、関数、ステップ、および/またはルーチンを実行するように構成されること、使用されること、実装されること、および/またはプログラムされることのうちの1つまたは複数を指す可能性がある。
【0052】
図5は、本開示に従って利用され得る複数のRAT(たとえば、UTRANおよびeUTRAN)をサポートする無線アクセスネットワーク(RAN)500の例を概念的に示す図である。RAN500は、セル502、504、および506を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、それらのセルラー領域の各々は、1つまたは複数のセクタを含む可能性がある。セルは、(たとえば、カバーエリアによって)地理的に定義される可能性があり、および/または周波数、スクランブリング符号などによって定義される可能性がある。つまり、示された地理的に定義されたセル502、504、および506が、各々、複数のセルにさらに分割される可能性がある。
【0053】
セクタに分割されるセルにおいて、セル内の複数のセクタは、各アンテナがセルの一部の中のUEとの通信を担うようにしてアンテナのグループによって形成される可能性がある。たとえば、セル502においては、アンテナのグループ512、514、および516が、各々異なるセクタに対応する可能性がある。セル504においては、アンテナのグループ518、520、および522が、各々異なるセクタに対応する可能性がある。セル506においては、アンテナのグループ524、526、および528が、各々異なるセクタに対応する可能性がある。
【0054】
セル502、504、および506は、各セル502、504、または506の1つまたは複数のセクタと通信する可能性があるいくつかのUEを含み得る。たとえば、UE530および532が、NodeB/eNB542と通信する可能性があり、UE534および536が、NodeB/eNB544と通信する可能性があり、UE538および540が、NodeB/eNB546と通信する可能性がある。ここで、各NodeB/eNB542、544、および546は、それぞれのセル502、504、および506内のすべてのUE530、532、534、536、538、および540にEPC108(
図1参照)へのアクセスポイントを提供するように構成され得る。様々な例において、NodeB/eNB542、544、および546の各々は、NodeB106、eNB112、またはそれらの両方を含む可能性がある。一部の例において、同じセルのNodeBおよびeNBは、同じ位置にあるか、または異なる位置にある可能性がある。つまり、NodeBのカバーエリア(たとえば、504a)と、対応するeNBのカバーエリア(たとえば、504b)とは、互いに重なるか、互いに部分的に重なるか、または重ならない可能性がある。したがって、RAN500は、HSPA規格およびLTE規格などの複数の無線アクセスネットワークをサポートする可能性がある。
【0055】
最近は、多くの既存のネットワークが、UMTSとLTEとの両方をサポートするように改善されてきた。したがって、複数のRATをサポートするように構成されたUE101は、継続中の通信の途中で1つのRATから別のRATに移動する(インターラットハンドオーバを行う)可能性がある。しかしながら、UE101が1つのRATから別のRATに移動するとき、データパケットが、ネットワークノードのうちの1つまたは複数(たとえば、RNC104)で破棄される可能性がある。これは、TCPに基づくアプリケーションなどの特定のアプリケーションに影響を与える可能性がある。本開示の態様は、UE101が1つのRATから別のRATに、例として、HSPAからLTEに移動させられるときに、TCPおよびその他のデータアプリケーションの性能を向上させ得るUEに基づき、ネットワークに基づく技術を説明する。
【0056】
ワイヤレス電気通信システムにおいて、通信プロトコルアーキテクチャは、特定のアプリケーションに応じて様々な形態をとる可能性がある。たとえば、3GPP UMTSネットワークにおいて、シグナリングプロトコルスタックは、非アクセス層(NAS)とアクセス層(AS)とに分けられる。NASは、UE101とコアネットワークとの間のシグナリングのための上位レイヤを提供し、回線交換プロトコルおよびパケット交換プロトコルを含み得る。ASは、UTRAN/eUTRANとUE101との間のシグナリングのための下位レイヤを提供し、ユーザプレーンおよび制御プレーンを含み得る。ここで、(本明細書においてはデータプレーンとも称される)ユーザプレーンは、ユーザトラフィックを運び、一方、制御プレーンは、制御情報(すなわち、シグナリング)を運ぶ。
【0057】
図6は、UMTSネットワークで動作する無線プロトコルアーキテクチャの例を示す図である。
図6を参照すると、3つのレイヤ、すなわち、レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3を有するASが示されている。レイヤ1は、最下層のレイヤであり、様々な物理レイヤの信号処理機能を実装する。レイヤ1は、本明細書においては物理レイヤ606と称される。レイヤ2 608と称されるデータリンクレイヤは、物理レイヤ606の上にあり、物理レイヤ606上のUE101とNodeB106との間のリンクに対して責任を負う。
【0058】
レイヤ3においては、RRCレイヤ616が、UE101とNodeB106との間の制御プレーンのシグナリングを処理する。RRCレイヤ616は、上位レイヤのメッセージのルーティング、ブロードキャストおよびページング機能の処理、無線ベアラの確立および構成などのためのいくつかの機能エンティティを含む。
【0059】
示された無線インターフェースにおいて、L2レイヤ608は、サブレイヤに分割される。制御プレーンにおいて、L2レイヤ608は、2つのサブレイヤ、すなわち、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ610および無線リンク制御(RLC)サブレイヤ612を含む。ユーザプレーンにおいて、L2レイヤ608は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ614をさらに含む。図示されていないが、UE101は、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端されるネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端(たとえば、遠端(far end)UE、サーバなど)で終端されるアプリケーションレイヤとを含む、L2レイヤ608の上のいくつかの上位レイヤを有する可能性がある。
【0060】
PDCPサブレイヤ614は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ614は、無線送信のオーバーヘッドを削減するための上位レイヤのデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットを暗号化することによるセキュリティ、およびNodeB間のUEのハンドオーバのサポートも提供する。
【0061】
概して、RLCサブレイヤ612は、(肯定応答および再送信プロセスが誤り訂正のために使用され得る)確認応答モード(AM:acknowledged mode)、非確認応答モード(UM:unacknowledged mode)、およびデータ転送のための透過モードをサポートし、上位レイヤのデータパケットのセグメント分割および再組立てと、MACレイヤのハイブリッド自動再送要求(HARQ)が原因で順序が狂った受信を補償するためのデータパケットの並べ替えとを行う。確認応答モードにおいて、RNCおよびUEなどのRLCピアエンティティは、とりわけ、RLC Data PDU、RLC Status PDU、およびRLC Reset PDUを含む様々なRLCプロトコルデータユニット(PDU)を交換することができる。本開示において、「パケット」という用語は、RLCピアエンティティの間で交換される任意のRLC PDUを指す可能性がある。
【0062】
MACサブレイヤ610は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ610は、1つのセルの様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)をUEの間に割り当てる役割も担う。MACサブレイヤ610は、HARQ動作も担う。
【0063】
図7は、LTEネットワークで動作可能な無線プロトコルアーキテクチャの例を示す図である。
図7を参照すると、3つのレイヤ、すなわち、レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3を有する、UE101とeNB112との間の通信のための無線プロトコルアーキテクチャが示されている。レイヤ1は、最下層のレイヤであり、様々な物理レイヤの信号処理機能を実装する。レイヤ1は、本明細書においては物理レイヤ706と称される。レイヤ2(L2レイヤ)708は、物理レイヤ706の上にあり、物理レイヤ706上のUE101とeNB112との間のリンクに対して責任を負う。ユーザプレーンにおいて、L2レイヤ708は、ネットワーク側のeNB112で終端される媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ710、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ712、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ714を含む。図示されていないが、UE101は、ネットワーク側のP-GW118(
図1参照)で終端されるネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端(たとえば、遠端UE、サーバなど)で終端されるアプリケーションレイヤとを含む、L2レイヤ708の上のいくつかの上位レイヤを有する可能性がある。
【0064】
PDCPサブレイヤ714は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ714は、無線送信のオーバーヘッドを削減するための上位レイヤのデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットを暗号化することによるセキュリティ、およびeNB間のUEのハンドオーバのサポートも提供する。RLCサブレイヤ712は、上位レイヤのデータパケットのセグメント分けおよび再組立てと、失われたデータパケットの再送信と、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)が原因で順序が狂った受信を補償するためのデータパケットの並べ替えとを行う。MACサブレイヤ710は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ710は、1つのセルの様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)をUEの間に割り当てる役割も担う。MACサブレイヤ710は、HARQ動作も担う。
【0065】
制御プレーンにおいて、UE101およびeNB112の無線プロトコルアーキテクチャは、制御プレーンのヘッダ圧縮機能が存在しないことを除いて、物理レイヤ706およびL2レイヤ708に関して実質的に同じである。制御プレーンは、レイヤ3の無線リソース制御(RRC)サブレイヤ716をさらに含む。RRCサブレイヤ716は、無線リソース(すなわち、無線ベアラ)を取得すること、およびeNBとUEとの間のRRCシグナリングを使用して下位レイヤを構成することを担う。
【0066】
以降、本開示の様々な態様が、UE101が複数のRATをサポートするためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る以下の非限定的な例で説明される。例として、その例に限定されずに、UE101は、HSPA規格とLTE規格との両方をサポートするためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。UE101がHSPAからLTEに移動するとき、パケットが、ネットワークノードのうちの1つ(たとえば、RNC104)で破棄される可能性がある。したがって、本開示の態様によれば、UEに基づき、ネットワークに基づく技術が、UE101がHSPAからLTEに移動させられるときにデータアプリケーション(たとえば、TCPアプリケーション)の性能を高めるために使用される。以下で説明される技術は、その他の種類のインターラットハンドオーバ(たとえば、WiMAXからLTE、EV-DOからHSPA、LTEからHSPAなど)にも適用可能である可能性がある。
【0067】
本開示の一態様において、インターラットハンドオーバ(たとえば、HSPAからLTEへ)は、たとえば、データ量トリガに基づくなどして様々なイベントによってトリガされる可能性がある。
図8は、HSPAからLTEへのインターラットハンドオーバを処理するためのプロセス800を示す流れ図である。本開示の一部の態様によれば、単なる例として、ハンドオーバルーチン212を含むUE101、インターラットルーチン312を含むRNC104、およびインターラットルーチン412を含むeNodeB112は、
図8に示される手順を実行するように動作させられる可能性がある。
【0068】
プロセス800を参照すると、ステップ802において、UE101が、最初に、UTRAN102にキャンプオンさせられる。ステップ804において、UE101が、HSPAを使用してデータを転送している(たとえば、遠隔サーバまたはアプリケーションサーバからデータをダウンロードしている)。たとえば、UE101は、HSPAによるTCP接続を使用して遠隔サーバまたはアプリケーションサーバからファイルをダウンロードしている可能性がある。ステップ806において、特定のハンドオーバまたはトリガ条件が満たされる場合、UE101が、UTRAN102からeUTRAN110に移動させられる。一態様において、RNC104のインターラットルーチン312は、ハンドオーバ条件を監視するための好適な機能を含み得る。たとえば、UE101がある期間内に閾値(たとえば、所定の閾値)を超える量のデータをダウンロードしており、UTRANにキャンプオンさせられている場合、ステップ808において、UE101をUTRANからeUTRANに移動させるためにインターラットハンドオーバがトリガされる可能性がある。
【0069】
一態様において、インターラットルーチン312は、eNodeB112へのハンドオーバを開始するためにUE101にコマンドを送信するための好適な機能を含み得る。コマンドを受信すると、UE101、ハンドオーバルーチン212に従って、ユーザプレーンのデータの送信を中断し、eUTRAN110に移動し、ターゲット(ハンドオーバ先)eNodeB112への好適なアクセス手順を実行する。UE101がeNodeB112にアクセスすることができるようになったとき、UEのハンドオーバルーチン212は、eNodeB112に通知するメッセージを送信するための好適な機能を含む可能性がある。UE101からメッセージを受信すると、eNodeB112のインターラットルーチン412は、インターラットハンドオーバを完了するための好適な機能を含む可能性がある。
【0070】
一例において、閾値は、約500Kbyteまたはその他の好適な値である可能性がある。期間は、約15秒またはその他の好適な期間になるように選択される可能性がある。これはインターラットハンドオーバをトリガするための1つの条件であるに過ぎず、その他の好適なトリガがその他の実装において使用され得ることに留意されたい。様々な例においては、ダウンリンクのトリガに加えて、アップリンクのトラフィック量測定(TVM: traffic volume measurement)トリガが使用される可能性がある。さらにその他の例においては、ダウンリンクのTVMトリガとアップリンクのTVMトリガとの組合せが使用される可能性がある。
【0071】
データ量トリガに加えて、本開示の別の態様によれば、その他の種類のハンドオーバトリガが使用される可能性がある。(たとえば、圧縮モード(CM: compressed mode)の測定、または一緒に配置されたUMTSセルの推定された信号強度などのその他の実装に基づく技術に基づいて)LTEのカバレッジ/品質が特定の閾値よりも良好である場合、インターラットハンドオーバが、UE101をUTRANからeUTRANに移動させるためにトリガされ得る。たとえば、信号品質は、進化型UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)基準信号受信品質(RSRQ: reference signal received quality)、E-UTRA基準信号受信電力(RSRP: reference signal received power)、またはそれらの組合せである可能性がある。ステップ808において、UE101が、特定の条件の下でUTRANに戻る可能性がある。たとえば、eUTRANのカバレッジ/品質が特定の閾値未満である可能性があるか、ある期間にUE101によって転送されるデータの量が特定の閾値未満であるか、またはその他の好適な条件、トリガ、もしくはそれらの組合せが考慮され得る。
【0072】
上で検討された閾値などの閾値が、小さなウェブページおよび/またはファイルのダウンロード(たとえば、ソーシャルメディアの更新、インスタントメッセージング(IM)セッション、モバイルウェブページのダウンロードなど)がUTRANによって処理されることを可能にするように選択され得る。そして、UE101は、たとえば、中程度以上の大きさのファイルのダウンロードおよび重いストリーミング(たとえば、オーディオおよび/またはビデオストリーミング)のためにのみeUTRANに移動(ハンドオーバ)させられる可能性がある。
【0073】
しかしながら、どれだけ新しいハンドオーバ手続が通信システムに実装されているかによって、UE101がUTRANからeUTRANに、またはその逆に移動させられるとき、UTRANのRNC104でバッファリングされたパケットは、(a)リダイレクトが使用されるか、または(b)パケット交換ハンドオーバ(PSHO)が使用されるかのどちらかであり、インターラットデータフォワーディングがサポートされない場合、破棄される可能性がある。これは、TCPウィンドウが短くされることにつながり、LTEのTCPウィンドウの増大のレートを下げる可能性がある。したがって、アプリケーションの性能の低下が、UE101のユーザによって知覚される可能性がある。本開示の様々な態様によれば、インターラットハンドオーバ(たとえば、UTRANからeUTRANへのハンドオーバ)に対する拡張が提供される。これらの拡張は、UEに基づき、ネットワークに基づく技術を含む。UEに基づく技術を使用して、「実装に固有の」UEの手順が、(a) RNC104におけるパケットの破棄を防止するか、または(b) RNC104におけるパケットの破棄を許すが、LTE側でより早く復旧するために使用され得る。ネットワークに基づく技術を使用して、RNC104におけるパケットの破棄が、モビリティ手順の変更によって防止され得る。以下の例は、これらの技術のより詳細な説明を与える。
【0074】
図9は、パケットの破棄を防止または削減しながらUE101をUTRANからeUTRANに移動させる例示的な手順を示す流れ
図900である。例として、
図9によって示される手順が、
図8のブロック808によって実施される可能性がある。
図9を参照すると、ステップ902において、RNC104が、上述のトリガ条件またはその他の好適な条件のうちの1つまたは複数に基づいてUE101がUTRANからeUTRANに移動させられるべきであると判定する。たとえば、UE101が、HSPAによって遠隔サーバ120にデータを転送している。次に、ステップ904において、UE101が、UE101へのデータの送信を停止するように遠隔サーバに要求するために遠隔サーバに停止メッセージを送信する。本開示の一態様においては、UE101のハンドオーバルーチン212が、遠隔サーバ120に停止メッセージを送信するための好適な機能を含む可能性がある。一例において、UE101は、UTRANを通じてTCPサーバとデータ通信をする可能性があり、ハンドオーバを開始する前にTCPサーバに停止メッセージ(たとえば、0個のメッセージに等しい受信ウィンドウサイズ、以降、「receive window = 0」)を送信する可能性がある。ステップ906において、停止メッセージに応じて、遠隔サーバが、UE101にそれ以上のパケットの送信を停止する。ステップ908において、ハンドオーバが、UE101をUTRANからeUTRANに移動させ始める可能性がある。たとえば、UE101のルーチン212が、ハンドオーバ手続を実行するための好適な機能を含む可能性がある。
【0075】
しかしながら、遠隔サーバは停止メッセージが受信される前にいくつかのさらなるパケットを送信した可能性があるので、データパスにまだパケットが存在する可能性がある。たとえば、いくつかのパケットが、RNC104、またはUE101と遠隔サーバ120との間のその他のネットワークノードにある可能性がある。したがって、停止メッセージ(たとえば、「receive window = 0」)は、UE101によって十分に前に送信される。一部の例において、適切なトリガが、インターラットハンドオーバの十分に前に遠隔サーバ120に「receive window = 0」メッセージを送信するために使用され得る。本開示の一部の態様によれば、好適なトリガは、HSPAもしくはLTEにおけるモビリティイベント(mobility event)、またはモビリティイベントにつながるイベントである可能性がある。
【0076】
図10は、パケットがハンドオーバ中に破棄されることを許容されるときのインターラットハンドオーバ後のeUTRAN側での高速な復旧の手順を示す流れ
図1000である。
図9の手順とは異なり、UE101は、ハンドオーバを開始する前に遠隔サーバに停止メッセージを送信しない可能性がある。例として、
図10に示される手順が、
図8のブロック808で実施される可能性がある。
図10を参照すると、ステップ1002において、UE101が、たとえば、ブロック806を参照して説明されたように、上述のトリガ条件またはその他の好適な条件のうちの1つまたは複数に基づいてUTRANからeUTRANに移動させられることになる。この時、UE101が、HSPAによって遠隔サーバ120にデータを転送している。したがって、パケットが、UE101がUTRANからeUTRANに移動させられるときにネットワークノードのうちの1つまたは複数で破棄される可能性がある。ステップ1004において、UE101は、UTRANからeUTRANに移動させられた(たとえば、ブロック808を参照して説明されたようにインターラットルーチン312をRNC104が実行することによって開始された)後、eUTRAN上で遠隔サーバ120との新たなデータ接続(たとえば、TCP接続)を開始する。ここで、UTRANからeUTRANへのUE101のハンドオーバは、当技術分野で広く知られている手順によって実現され得る。
【0077】
一例において、UE101は、ファイル転送アプリケーション(たとえば、ファイル転送プロトコル(FTP)を使用するファイル転送アプリケーション)を使用して遠隔サーバ120にファイルを転送するように構成され得る。そのようなファイル転送アプリケーションは、ファイルの一部だけを取得するコマンドをサポートする。ステップ1006において、例として、UE101は、eUTRAN上で遠隔サーバ120との新たなTCP接続を開始した後、UE101がハンドオーバ前にHSPA上の前のTCP接続で既にダウンロードしたところから始まるデータを送信するように遠隔サーバ120に要求する可能性がある。ステップ1008において、遠隔サーバ120は、要求されたところから始まるデータ転送を再開する。
図10に示された技術は、よく使用されるアプリケーション(ファイル転送、ストリーミングなど)の一部またはすべてのために使用されるとき、ハンドオーバの性能が高められる可能性があるので、かなり多くの場合に対応する可能性が高い。一部の例において、この技術は、UEのオペレーティングシステム(OS)またはその好適な修正形態との何らかのインタラクションをともなう可能性がある。
【0078】
本開示の別の態様によれば、モビリティ手順は、インターラットハンドオーバ中にRNC104においてパケットを破棄することを防止するように修正される可能性がある。
図11は、関連技術による、UE101をUTRANからeUTRANに移動させる一部のモビリティ手順を示す図である。たとえば、手順のさらなる詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている3GPP Technical Specification 23.401V11.3.0 (2012-09), Release 11, Sections 5.5.2.2.2 to 5.5.2.2.3(非特許文献1)で定義されている。
【0079】
図11を参照すると、ソース(ハンドオーバ元)RNC104が、
図8を参照して説明されたトリガ条件のうちの1つまたは複数に基づいてUTRANからeUTRANへのインターラットハンドオーバを開始することを決定する。この時点で、アップリンクのユーザデータおよび/またはダウンリンクのユーザデータの両方は、以下、すなわち、UE101とソースRNC104との間のベアラ1102、ソースRNC104と、ソースSGSN109と、サービングゲートウェイ(S-GW)116と、PDSNゲートウェイ(P-GW)118との間のGPRSトンネリングプロトコル(GTP)トンネル1104を介して送信される可能性がある。
【0080】
準備フェーズにおいて、ソースRNC104は、ターゲットeNB112、ターゲットMME114、およびS-GW116のリソースを確立するようにコアネットワークに要求するためにソースSGSN109にRelocation Requiredメッセージを送信する。準備フェーズ中、ソースRNC104は、ダウンリンクおよび/またはアップリンクのユーザプレーンのPDUを受信し続ける。実行フェーズにおいて、ソースSGSN109は、ソースRNC104にメッセージRelocation Command1106を送信する。ソースRNC104は、メッセージHO from UTRAN Command 1108によって、ターゲットeNB112にハンドオーバするようにUE101に命じる。UEへのアクセスネットワークに固有のメッセージは、ターゲットeNB112が準備フェーズで設定した無線アスペクトパラメータ(radio aspect parameter)を含む透過コンテナを含む。
【0081】
Relocation Commandメッセージを含むHO from UTRAN Commandメッセージ1108を受信すると、UE101は、ユーザプレーンデータのアップリンクの送信を中断し、eUTRAN110に移動し、ターゲットeNB112への好適なアクセス手順を実行する。UE101は、ターゲットeNB112にアクセスすることができるようになったとき、ターゲットeNB112にメッセージHO to eUTRAN Complete 1110を送信する。UE101がターゲットeNB112に正常にアクセスしたとき、ターゲットeNB112は、メッセージHandover Notify(TAI + ECGI)1112を送信することによってターゲットMME114に知らせる。そのとき、ターゲットMME114は、UE101がハンドオーバ先側に到達したことを知り、Forward Relocation Complete Notificationメッセージ1114を送信することによってソースSGSN109に知らせる。また、ソースSGSN109は、ターゲットMME114に肯定応答メッセージ1116を送信する。このとき、ターゲットMME114は、ターゲットMME114がUE101が確立したすべてのベアラに対する責任を負うことをS-GW116に知らせることによってインターラットハンドオーバ手続を完了する。これは、メッセージModify Bearer Request1118で実行される。
【0082】
S-GW116は、メッセージModify Bearer Response1120によってターゲットMME114へのユーザプレーンの切り替えを認める。この段階で、ユーザプレーンのパスが、UE101と、ターゲットeNB112と、S-GW116と、P-GW118との間のすべてのベアラに関して確立される。S-GW116が変わらない場合、S-GW116は、ターゲットeNB112において並べ替え機能をサポートするために、パスを切り替えた後直ちに古いパスで1つまたは複数の「エンドマーカ(end marker)」パケットを送信する。上述のハンドオーバ手続は、UEがUTRANからeUTRANに移動させられるときの関連するステップの一部を示す。当業者は、ハンドオーバ手続が、当技術分野で広く知られており、明瞭化し、分かりやすくするために省略されているその他の好適なステップまたはプロセスを含むことを理解するであろう。
【0083】
図12は、本開示のいくつかの態様による、UE101をUTRANからeUTRANに移動させるモビリティ手順を示す図である。しかしながら、
図12に示されるモビリティ手順は、その他のインターラットハンドオーバで適用され得る可能性がある。
図12を参照すると、ソースRNC104が、
図8を参照して説明されたトリガ条件のうちの1つまたは複数に基づいてUTRANからeUTRANへのインターラットハンドオーバを開始することを決定する。この時点で、アップリンクのユーザデータおよび/またはダウンリンクのユーザデータの両方は、以下、すなわち、UE101とソースRNC104との間のベアラ1202、ソースRNC104と、ソースSGSN109と、S-GW116と、P-GW118との間のGPRSトンネリングプロトコル(GTP)トンネル1204を介して送信される可能性がある。
【0084】
準備フェーズにおいて、ソースRNC104は、ターゲットeNB112、ターゲットMME114、およびS-GW116のリソースを確立するようにコアネットワークに要求するためにソースSGSN109にRelocation Requiredメッセージを送信する。準備フェーズ中、ソースRNC104は、ダウンリンクおよび/またはアップリンクのユーザプレーンのPDUを受信し続ける。実行フェーズにおいて、ソースSGSN109は、ソースRNC104にメッセージRelocation Command1206を送信することができる。ソースRNC104は、たとえば、メッセージHO from UTRAN Commandによって、ターゲットeNB112にハンドオーバするようにUE101に命じる。しかしながら、ソースRNC104は、メッセージHO from UTRAN CommandをUE101に送信する前に、バッファを消去にするために好適な期間待つ。一例において、期間は、数百ミリ秒である可能性がある。関連技術とは異なり、P-GW118は、UE101がUTRANからeUTRANにハンドオーバするように求められる前に(つまり、HO from UTRAN Commandを受信する前に)eUTRANへのパケットのフォワーディングを開始する可能性がある。
【0085】
一例において、ソースRNC104は、好適なデータ接続を介してターゲットeNB112に好適なメッセージ(たとえば、pre-HOメッセージ)1208を送信する可能性がある。pre-HOメッセージ1208に応答して、ターゲットeNB112は、メッセージHandover Notify(TAI + ECGI)1210を送信することによってターゲットMME114に知らせる。次いで、ターゲットMME114は、Forward Relocation Complete Notificationメッセージ1212を送信することによってソースSGSN109に知らせる。また、ソースSGSN109は、ターゲットMME114に肯定応答メッセージ1214を送信する。このとき、ターゲットMME114は、ターゲットMME114がUE101が確立したすべてのベアラに対する責任を負うことをS-GW116に知らせることによってインターラットハンドオーバ手続をコマースする(commerce)。これは、メッセージModify Bearer Request1216で実行される。
【0086】
S-GW116は、メッセージModify Bearer Response1218によってターゲットMME114へのユーザプレーンの切り替えを認める。この段階で、P-GW118は、UE101がソースRNC104からメッセージHO from UTRAN Command1220を受信する前にeUTRAN側(たとえば、eNB112)へのパケットのフォワーディングを開始する可能性がある。その後、UE101は、ターゲットeNB112にアクセスすることができるようになったとき、ターゲットeNB112にメッセージHO to eUTRAN Complete1222を送信する。したがって、UE101がUTRANからeUTRANに移動させられる前にデータがeUTRANを使用して送信され得るので、UTRANからeUTRANへのハンドオーバ中にパケットを破棄することが防止され得る。上述のハンドオーバ手続は、本開示のいくつかの態様による、UE101がUTRANからeUTRANに移動させられるときの関連するハンドオーバのステップの一部を示す。当技術分野で広く知られているその他のステップまたはプロセスは、明瞭化し、分かりやすくするために省略されている。さらに、
図12に示されたハンドオーバ手続は、その他のインターラットハンドオーバで適用され得る可能性があり、本開示は、それらに限定されない。
【0087】
図12に示されたハンドオーバ手続は、UE101に送信されたメッセージHO from UTRAN Command1220およびユーザプレーンをターゲットeNB112に切り替えるためのその他のメッセージの順序の変更を要求する。したがって、ユーザプレーンのデータ接続は、関連技術の切り替え(たとえば、
図11)よりも前にソースRNC104からターゲットeNB112に切り替えられ得る。当業者が容易に理解するであろうように、本開示の全体を通じて示される様々な態様は、その他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格に拡張され得る。
【0088】
ワイヤレス電気通信システムのいくつかの態様が、UTRAN/eUTRANシステムを参照して示された。当業者が容易に理解するであろうように、本開示の全体を通じて示される様々な態様は、その他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格に拡張され得る。
【0089】
例として、様々な態様は、TD-SCDMAおよびTD-CDMAなどのその他のUMTSシステムに拡張され得る。様々な態様は、(FDD、TDD、または両方のモードの)ロングタームエボリューション(LTE)、(FDD、TDD、または両方のモードの)LTE-Advanced(LTE-A)、CDMA2000、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE802.20、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/またはその他の好適なシステムを採用するシステムにやはり拡張され得る。採用される実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の用途と、システムに課された全体的な設計の制約と応じて決まる。
【0090】
開示された方法のステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスを示すものであることを理解されたい。設計の選択に基づいて、方法のステップの特定の順序または階層は再編成される可能性があることが理解される。添付の特許請求の範囲の方法の発明の請求項は、様々なステップの要素を見本の順序で示すものであり、それらの請求項に特に記載されていない限り、示された特定の順序または階層に限定されるように意図されていない。
【0091】
以上の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正が当業者には容易に明らかとなり、本明細書において定義された包括的な原理は、別の態様に適用可能である。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されるように意図されておらず、特許請求の範囲の言い回しに一致する全範囲が与えられるべきである。単数形で要素に言及することは、特にそのように記載されていない限り「唯1つ」を意味するように意図されておらず、むしろ「1つまたは複数」を意味するように意図されている。特に別途記載されていない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。項目の一覧のうちの「少なくとも1つ」を指す語句は、単一の構成要素を含むそれらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、ならびにa、b、およびcを包含するように意図される。当業者に知られているか、または後で知られるようになる、本開示の全体を通して説明された様々な態様の要素のすべての構造的なおよび機能的な均等物は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるように意図される。さらに、本明細書において開示されたいかなる内容も、そのような開示が特許請求の範囲に明確に述べられているかどうかに関わらず一般公衆に開放されるように意図されていない。特許請求の範囲の要素は、当該要素が「〜のための手段」という語句を使用して明示的に述べられない限り、または方法の発明の請求項の場合には当該要素が「〜のためのステップ」という語句を使用して述べられない限り、合衆国法典第35巻(米国特許法)第112条第6項の規定の下で解釈されてはならない。