【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、センサ素子を組み込むためのハウジングを備える測定プローブを提供する。
測定プローブは、媒体をガイドするためのガイド装置における開口に挿入可能である。測
定プローブのハウジングは、装置内へのハウジングの挿入方向に直交する断面で見て湾曲
した外周ラインを有する。
【0006】
例えば本発明による測定プローブにより、媒体の温度、好適にはガス状又は液状媒体の
温度を取得する。この場合、媒体は、好適には、シャフト又は管として構成することので
きるガイド装置を貫流する。測定プローブは、挿入方向にガイド装置内に挿入する。この
挿入方向とは、媒体の流動方向に直交する方向とするのが好適である。
【0007】
センサ素子は、少なくとも部分的に測定プローブのハウジングにより包囲される。特に
ハウジングは遮蔽要素を有する構成とすることができ、この遮蔽要素により、媒体がセン
サ素子に対して直接に流れ込むのを防止する。この目的のために、ハウジングは特に壁領
域を有することができ、この壁領域は、媒体の流動方向に媒体とセンサ素子との間に配置
し、これにより遮蔽要素の投影面が流動方向にセンサ素子を覆う構成とする。このことは
特に、遮蔽要素、例えばハウジング壁の一部を、挿入方向に直交して媒体とセンサ素子と
の間に配置することを意味する。例えばセンサ素子は、側面全体をハウジングにより包囲
することもできる。
【0008】
好適には、ハウジングは、媒体の流動挙動を可能な限り変化させないよう構成する。例
えば装置内の媒体は、この媒体がハウジング内に流入する前だけでなく流入した後も層流
を示すようにする。好適には、ハウジングの外周ラインを湾曲させることにより、媒体の
流動挙動における変化を可能な限り小さくできる。
【0009】
一実施形態において、ハウジングは、媒体をハウジング内にガイドするための少なくと
も1個の流入開口を有する。ハウジングが少なくとも1個の遮蔽要素を有するよう構成し
た場合、少なくとも1個の流入開口における投影面は、流動方向にセンサ素子を覆うこと
はなく、従って媒体がセンサ素子に直接流れ込むことはない。例えばハウジングは、複数
個の開口を有し、これら開口は、遮蔽要素を少なくとも部分的に包囲する。
【0010】
好適には、ハウジングは、媒体がハウジング内に流入した後にセンサ素子に向けてガイ
ドされるよう構成する。このために、例えば転向手段を設ける。転向手段は、例えば円錐
状のハウジング部分により構成することができ、このようなハウジング部分は、挿入方向
にセンサ素子に整列させ、かつ先端部がセンサ素子を指向するよう構成する。この場合、
先端部には面取り加工を施してもよい。さらに、円錐状のハウジング部分は、挿入方向に
平行な平面に対して、整列する、又は曲げた又は湾曲した側面を有する構成とする。転向
手段により、上述した遮蔽要素であって、媒体がセンサ素子に直接流れ込むのを防止する
遮蔽要素を設けた場合においても、媒体はセンサ素子に向けてガイド可能である。さらに
、少なくとも1個の転向手段により、媒体であって、ガイド装置内に挿入したハウジング
における全長の少なくとも一部に、又はハウジングの全長にわたって流入する媒体がセン
サ素子に向けてガイドされ、これにより積分測定が可能となる。これにより、媒体におけ
る関連パラメータの直接測定を行うことができ、パラメータ変動を迅速に把握することが
できるようになる。これに加えて、ハウジングは、気流を集束させるための手段を有する
こともでき、従ってセンサ素子により、パラメータの平均値を把握することができる。例
えば集束手段を、同時に転向手段として構成してもよい。
【0011】
好適には、ハウジングはさらに、少なくとも1個の流出開口を有し、この流出開口を通
過して媒体が再びハウジングから流出できる。すなわちハウジングは、媒体の少なくとも
一部により、貫流されるよう構成する。
【0012】
ハウジングの外周部は、例えば流入開口及び流出開口により途切れるものとする。ハウ
ジングが「ほぼ曲げた」という表現は、湾曲した外周ラインにおけるこのような部分的な
途切れを含む。好適には、ハウジングの外周ラインは、ハウジングの一領域であって、流
入開口又は流出開口により途切れを示さない一領域において湾曲形状に構成する。
【0013】
例えば流入開口は、媒体が正面から流入する側のハウジングに設け、流出開口は、流入
開口に対向する側のハウジングに設ける。ハウジングはこの場合、好適には、媒体がハウ
ジングに流出入する側において湾曲した表面を有する。
【0014】
一実施形態において、ハウジングの外周ラインは、ほぼ楕円形に構成する。例えば楕円
形の外周ラインは長軸を有し、長軸は短軸よりも長い。
【0015】
この実施形態において、ハウジングは、挿入方向が延在する平面に対して対称的に構成
することができる。ハウジングをこのような対称的な構成とすることにより、測定プロー
ブは、挿入方向周りにおいて2つの異なる回転方位で挿入可能となる。すなわち、測定プ
ローブは、外周部を楕円形とした場合、例えば2つの異なる挿入方位で、長軸が媒体の流
動方向に対して平行となるよう装置内に挿入することができる。
【0016】
好適な一実施形態において、ハウジングは、ほぼ円形の外周ラインを有する。
【0017】
好適には、ハウジングは、挿入方向周りに回転対称的に構成する。この実施形態におい
て、測定プローブは、任意の回転方位で挿入方向に装置内に挿入することができる。この
ことは、特に容易な挿入を可能とする。
【0018】
一実施形態において、1個又は複数個の流入開口を形成することにより、ハウジング内
への媒体のガイドが、挿入方向周りにおいて任意の回転方位で挿入した測定プローブでで
きるようになる。
【0019】
この場合、好適には、流出開口も同様に形成する。このことにより、挿入方向周りにお
いて、測定プローブが任意の方位で信頼性良く測定データを測定することが可能となる。
【0020】
さらに測定プローブは、測定プローブを装置に機械的に連結するためのホルダを備える
ことができる。好適には、ホルダはハウジングに配置し、ハウジングの一部を構成するこ
ともできる。
【0021】
好適には、ホルダはストッパを有し、このストッパは挿入方向に直交する方向に見て環
状とする。ストッパを配置することにより、測定プローブを開口内に過度に挿入すること
を回避できる。
【0022】
好適には、ストッパは、ハウジングの挿入方向に直交する断面で見て湾曲した外周ライ
ンを有する。例えばハウジングの外周ラインは、楕円形又は円形とする。
【0023】
ストッパには、環状のシールを配置することができる。このシールは、好適には、測定
プローブを挿入する装置の開口をシールするために機能する。
【0024】
例えばシールは、ハウジング上に取り付ける。好適には、シールは、ハウジングを少な
くとも挿入方向に直交する平面において完全に包囲する。好適には、シールはこの場合、
形状密着してハウジングに当接する。好適には、ハウジングは、シールを設ける領域にお
いて湾曲した外周ラインを有する。この場合、シール及びハウジングの形状密着性は、特
に良好に実現される。さらに、シールの機械的負荷は、ハウジングであって、湾曲した当
接面、すなわちシールが当接する面を有するハウジングにおいて最小限とすることができ
る。特に有利には、当接面は角や突部を設けずに構成する。
【0025】
さらに本発明は、上述した測定プローブと、媒体をガイドするためのガイド装置とを備
える測定プローブ装置に関する。ガイド装置は、測定プローブを挿入するための開口を有
する。好適には、この開口は、ハウジングの外周ラインに対して補完し合う形状に構成す
る。
【0026】
以下、上述した本発明の主題及びその有利な実施形態を、概略的かつ縮尺どおりでない
図面につき説明する。