特許第5969719号(P5969719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5969719
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】身体移動機
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/12 20060101AFI20160804BHJP
   A61G 5/14 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   A61G7/12
   A61G5/14 702
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-19694(P2016-19694)
(22)【出願日】2016年2月4日
【審査請求日】2016年2月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391014527
【氏名又は名称】中島 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】中島 秀夫
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−249647(JP,A)
【文献】 特開2011−036471(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3148993(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/12
A61G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井裏の梁と梁とに前端部と後端部とを載せて架け渡す箱船の上を床蓋で覆い、その箱船の船底板の下面に大筒を固定し、その大筒の下端と下端にネジ止めする縁枠とで天井板を挟み留め、その箱船の前面板と後面板とのそれぞれに受け板を固着し、それぞれの受け板に甲板を載せて架け渡し、その甲板に固定する第1ブレーキ付きギアモータの出力軸の先にカップリングとベアリングユニットと巻取りドラムとベアリングユニットとを順次に取り付けし、巻取りドラムの真下に位置する甲板と船底板とのそれぞれにベアリングを取り付け、それらベアリングの内径内にパイプシャフトを差し通して固定し、そのパイプシャフトの下端部に不等辺角管の旋回支点部を固着し、巻取りドラムに巻いたロープはパイプシャフトの内径内に下げ、下げたロープを不等辺角管内の旋回支点部と先端部とに固定する外輪溝付きリングそれぞれに架け回して先端部から下げたロープに吊り下げホルダーを付け、その吊り下げホルダーに掛ける装着帯を装着する被介護者が廊下の第1ワイドスイッチを操作し第1ブレーキ付きギアモータを作動させて自身を吊り上げてつま先立ちにし、そこで廊下の第2ワイドスイッチの操作で船底板上に固定する第2ブレーキ付きギアモータの上向き出力軸に直立固定するシャフトの外径に固定する小歯車は回転し、その小歯車とかみ合せる外周に歯を付けた大歯車が回転し、その回転で不等辺角管の先端からロープで吊り下がる被介護者は便所内の便器まで旋回移動し、そこで被介護者は便所内の壁の第2ワイドスイッチの操作で旋回移動を止め、さらに第1ワイドスイッチの操作で便器に着座できるようにした身体移動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
便所の天井裏の建築構造体に躯体を固定する事で躯体は大きな強度と安定性とを有し、その躯体に取り付け又は取り外しができる身体移動機は同居する家族の日常生活の邪魔にならない。
【背景技術】
【0002】
現在、簡易トイレの使用後の局部は被介護者自身又は介護者が拭く必要があり、その不完全な拭く作業が精神的にも体力的にも重労働であり室内にも簡易トイレの臭いが染み付く、現代社会では便所に取り付けできる身体移動機は存在せず、被介護者自身が温風乾燥機能付きのウオシュレットのトイレを使用する為に廊下の車椅子から便所内の便器へ移動できる身体移動機が国内では設置された事がなく、その為介護家族は老人ホームを探す又は介護離職する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2009−159298
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
国が介護保険で9割の費用を適用できる身体移動機を設置する時に増改築や設置手間が発生する製品は介護保険の適用が受けられない為、国内で使用される身体移動リフトは便所等の狭い便所に置く事ができない形状になり過去に便所で使用された前例がない、その為在宅介護をする家族と被介護者とは精神的にも体力的にも負担が大きく、その為老人ホーム等の申請者が増えて老人ホームへの入居の順番を待つ被介護家族は52万世帯を超え、さらに介護の為に離職する人もいると報道されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、便所や寝台等の天井裏の梁と梁とに前端部と後端部とを載せて架け渡す箱船の上を上階の床蓋で覆い、箱船の船底板の下面に大筒を固定し、大筒の下端の内径を塞ぐ天井蓋と大筒の下端とで天井板を挟み留めた。
【0006】
その後老衰で身体移動機を必要とした場合、箱船の上に被せた床蓋を外し、さらに大筒の下端に固定する天井蓋を外して縁枠に取替えし、この縁枠と大筒の下端との間に天井板を挟み留めた。
【0007】
箱船の前面板と後面板とのそれぞれに水平に固着する受け板に甲板を架け渡して固定し、この甲板に固定する第1ブレーキ付きギアモータの出力軸の先にカップリングとベアリングユニットと巻取りドラムとベアリングユニットとを順次に取り付けた。
【0008】
巻取りドラムの真下に位置する甲板とその真下に位置する船底板との双方それぞれにベアリングを取り付けし、それらベアリングそれぞれの内径内にパイプシャフトを差し入れて固定し、このパイプシャフトの下端部に不等辺角管の端部を固着し、その不等辺角管の両端部それぞれに外輪溝付きリングを固定した。
【0009】
巻取りドラムに巻いたロープをパイプシャフトの内径内に下げ、下げたロープをパイプシャフトの内径心に近い不等辺角管内の外輪溝付きリングの溝に架け回し、そのロープを不等辺角管内の先端部の外輪溝付きリングの溝に架け回して下げ、下げたロープの下端に吊り下げホルダーを付け、その吊り下げホルダーに掛ける装着帯を着用する被介護者が廊下の壁に付けた第1ワイドスイッチを操作し作動する第一ブレーキ付きギアモータが巻取りドラムで吊り上げる被介護者を車椅子からつま先立ちの状態にした。
【0010】
甲板と船底板との空間に位置するパイプシャフトの外径に嵌めたパイプの上端に外周に大歯車を固着し、その大歯車にかみ合わせる小歯車は船底板上に固定する第2ブレーキ付きギアモータの上向き出力軸の先に直立させるシャフトに固定し、つま先立ちの被介護者が廊下の第2ワイドスイッチの操作で小歯車を回転させ、回転する小歯車にかみ合せる大歯車を外径に固定するパイプシャフトが回転する事で不等辺角管の先端部から吊り下がる被介護者は狭い廊下から便所内の便器の位置まで旋回移動し、そこで便所内の壁に付けた第2ワイドスイッチを押して旋回移動を停止させ、そこで第1ワイドスイッチの操作で便器に着座できるようにした身体移動機。
【発明の効果】
【0011】
住宅を構成する天井裏の骨組みに身体移動機を取り付け取り外しを容易にする躯体を固定するので家族の日常生活に邪魔にならない、簡易トイレ等で室内に染付く臭いや不完全なふき取りによる局部の肌荒れやオシメ等の介護手間等を減少させて被介護者と介護家族との日常生活をすごしやすくした。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】箱船と大筒との取り付け断面図。
図2】箱船と大筒との斜視図。
図3】箱船に取り付けた身体移動機の正面の断面図。
図4】箱船に取り付けた身体移動機の横断面図。
図5】便所周りの配置図。
図6】狭い廊下から便所内に半周移動した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る身体移動機を説明する、新築住宅の便所や寝台等の身体移動箇所のピンポイントで天井T裏の梁Kと梁Kとに前端部と後端部とを載せて架け渡す箱船Aの上を床蓋Cで覆い、その箱船Aの船底板ASの下面に大筒BをボルトABで固定し、その大筒Bの下端BKとその下端BKにボルトTBで固定する天井蓋BFFとの間に天井板Tを入れて挟み留めた。
【0014】
その後老衰などで身体移動機を必要とした場合、箱船Aの上に被せた床蓋Cを外し、さらに大筒Bの下端BKに固定する天井蓋BFFを外して縁枠BFに取替えし、この縁枠BFと大筒Bの下端BKとの間に天井板Tを入れて挟み留めた。
【0015】
箱船Aの前面板AMと後面板AUとの前後それぞれに受け板ATを水平に固着し、それら前後それぞれの受け棚ATに甲板AAを掛け渡してボルトAABで固定し、その甲板AAに固定する第1ブレーキ付きギアモータ1Mの出力軸1MSの先にカップリングMCとベアリングユニットYと巻取りドラムDとベアリングユニットYとを順次に取り付けた。
【0016】
巻取りドラムDの真下に位置する甲板AAに固着させる外輪AAWとその真下に位置する船底板ASに固着させる外輪ASWとのそれぞれの内径内に嵌め入れたベアリングそれぞれの内径内に下からパイプシャフトPを挿し通し、そのパイプシャフトPの外径に固定するパイプPPとPPPとでパイプシャフトPを箱船Aに固定し、そのパイプシャフトPの下端PKに不等辺角管Fの端部を旋回支点として固着し、その不等辺角管Fの両端部それぞれには外輪溝付きリング1Gと2Gとを固定した。
【0017】
巻取りドラムDに巻いたロープRはパイプシャフトPの内径内に下がり、下がるロープRをパイプシャフトPの旋回心に近い不等辺角管F内の外輪溝付きリング1Gの溝に架け回し、回したロープRを不等辺角管F内の先端部の外輪溝付きリング2Gに架け回して下げ、下げたロープRの下端に吊り下げホルダーRHを取り付け、その吊り下げホルダーRHに掛ける装着帯Zを着用する被介護者が廊下の第1ワイドスイッチNを操作する事で第1ブレーキ付きギアモータ1Mが巻取りドラムDを回転させて被介護者自身を吊り上げて車椅子Wからつま先立ちの状態にした。
【0018】
甲板AAと船底板ASとの空間に位置するパイプシャフトPの外径に嵌めてボルトPPBで固定するパイプPPの上端に外周の240度に歯を付けた大歯車PPHを固着し、その大歯車PPHにかみ合わせる小歯車SHは船底板AS上に固定する第2ブレーキ付きギアモータ2Mの上に向けた出力軸2MSの先に直立させるシャフトSに固定させ、廊下の壁の第2ワイドスイッチJをつま先立ちの被介護者が操作する事で第2ブレーキ付きギアモータ2Mに固定する小歯車SHは回転し、回転する小歯車SHとかみ合う大歯車PPHを外径に固定するパイプシャフトPとそのパイプシャフトPの下端PKに旋回支点端部を固定する不等辺角管Fの先端から下がるロープRは旋回し、そのロープRから吊り下がる被介護者は便器Vまでつま先立ちで旋回移動し、そこで被介護者は便所内の壁に付けた第2ワイドスイッチJの停止ボタンを押して旋回移動を止め、そこで第1ワイドスイッチNを操作し第1ブレーキ付きギアモータ1Mで便器Vに着座するようにした身体移動機。
【符号の説明】
【0019】
K 梁
KK 構造用合板
T 天井板
Q 廊下の壁
QB 便所の壁
A 箱船
AM 箱船の前面板
AU 箱船の後面板
AS 箱船の船底板
ASW 船底板に固着させた外輪
AT 箱船の前面板と後面板とのそれぞれに水平に固着させた受け棚
C 箱船に被せた床蓋
B 大筒
BK 大筒の下端
AB 船底板と大筒とを固定するボルト
BFF 天井蓋
BF 縁枠
TB 大筒の下端に縁枠や天井蓋等を取り付けるボルト
1M 第1ブレーキ付きギアモータ
1MS 第1ブレーキ付きギアモータの出力軸
MC カップリング
Y ベアリングユニット
D 巻取りドラム
AA 甲板
AAB 受け棚に甲板を固定するボルト
P パイプシャフト
PK パイプシャフトの下端部
PP パイプシャフトの外径に固定するパイプ
PPB パイプシャフトの外径に固定するパイプの固定に使用するボルト
PPH 便所のパイプシャフトに取り付ける場合で外周の240度の範囲に歯を付けた大歯車
PHH 寝台の天井裏内の躯体内に配置するパイプシャフトに取り付ける場合の大歯車
F 不等辺角管
1G 不等辺角管内の旋回支点部に固定する外輪溝付きリング
2G 不等辺角管内の先端部に固定する外輪溝付きリング
2M 船底板上に固定する第2ブレーキ付きギアモータ
2MS 第2ブレーキ付きギアモータの上向きの出力軸
S 第2ブレーキ付きギアモータの出力軸に直立に固定したシャフト
SB シャフトの上端部の甲板に付けたベアリング
SBW シャフト上端部のベアリングの外輪
R ロープ
RH 吊り下げホルダー
Z 装着帯(実願2015−5964)
V 便器
W 車椅子
QD 幅広の引き戸
N 第1ブレーキ付きギアモータの第1ワイドスイッチ
J 第2ブレーキ付きギアモータの第2ワイドスイッチ
【要約】
【課題】国内では便所に身体移動機が設置された事がない。
【解決手段】箱船と大筒とを上下に重ねた躯体を便所の天井裏の建築構造体に組み入れ、その箱船の前面板と後面板との双方に固着した受け板それぞれに甲板を載せて固定し、その甲板に載せた第1ブレーキ付きギアモータの出力軸の先にカップリングとベアリングユニットと巻取りドラムとベアリングユニットとを順次に取り付けし、さらに下端に不等辺角管を固着させたパイプシャフトを躯体に固定し、巻取りドラムのロープを不等辺角管の両端部に固定する外輪溝付きリングそれぞれに架け回して先端部から下げ、下げたロープで吊り下げる被介護者を2台の電動モータで廊下の車椅子から便所内の便器まで旋回移動し立ち座りも自在にした身体移動機。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6