(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピストンリングとシリンダライナの状態と相関がある潤滑油の鉄分濃度と該鉄分濃度が単位時間に変化する鉄分濃度変化率を入力とし、鉄分濃度は濃度の小さい方から、ZO、PS、PM、PL、PGとするファジィ集合Aと定義し、鉄分濃度変化率は変化率0を中心にZO、+はPS、PB、−はNS、NBとするファジィ集合Bと定義し、ファジィ推論則を用いて入力のファジィ集合A及び入力のファジィ集合Bの状態に応じた夫々の出力のファジィ集合Cのグレードを推測し、推測した夫々の出力のファジィ集合Cをグレード値で切り取ったメンバシップ関数を重ね合わせることによりその合成したメンバシップ関数の重心を算出し、得られた重心を現在の注油率に対する増減幅として注油率を増減する潤滑油の鉄分濃度と該鉄分濃度を用いたファジィ制御を行い、
同時に、
ピストンリングとシリンダライナの状態と相関があるシリンダライナ温度とシリンダライナ温度の変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様の方法で注油率を増減する制御、及び、シリンダライナの内面油膜厚さと内面油膜厚さの変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様の方法で注油率を増減する制御、の少なくとも一つを行うことを特徴とするエンジンの注油率増減制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のものは、通信衛星を介して送受信する装置が必要であるため、装置が複雑且つ高価になる問題がある。更に、特許文献1を含む従来の技術は、注油器を調節する際に人が介在するという問題があるため、経験を持ったエンジニアが注油率を設定しなければならず、経験の無い作業者がむやみに注油率を設定することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、注油率が常に最適な値に収束するように自動的に制御されるエンジンの注油率増減制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ピストンリングとシリンダライナの状態と相関がある潤滑油の鉄分濃度と該鉄分濃度が単位時間に変化する鉄分濃度変化率を入力とし、鉄分濃度は濃度の小さい方から、ZO、PS、PM、PL、PGとするファジィ集合Aと定義し、鉄分濃度変化率は変化率0を中心にZO、+はPS、PB、−はNS、NBとするファジィ集合Bと定義し、ファジィ推論則を用いて入力のファジィ集合A及び入力のファジィ集合Bの状態に応じた夫々の出力のファジィ集合Cのグレードを推測し、推測した夫々の出力のファジィ集合Cをグレード値で切り取ったメンバシップ関数を重ね合わせることによりその合成したメンバシップ関数の重心を算出し、得られた重心を現在の注油率に対する増減幅として注油率を増減する
潤滑油の鉄分濃度と該鉄分濃度を用いたファジィ制御を行い、
同時に、
ピストンリングとシリンダライナの状態と相関があるシリンダライナ温度とシリンダライナ温度の変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様の方法で注油率を増減する制御、及び、シリンダライナの内面油膜厚さと内面油膜厚さの変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様の方法で注油率を増減する制御、の少なくとも一つを行うことを特徴とするエンジンの注油率増減制御方法、に係るものである。
【0009】
本発明は、ピストンリングとシリンダライナの状態と相関がある潤滑油の鉄分濃度を検出する鉄分濃度検出装置と、
該鉄分濃度検出装置により検出される鉄分濃度が単位時間に変化する鉄分濃度変化率を演算する変化率演算部と、
前記鉄分濃度検出装置からの鉄分濃度と前記変化率演算部からの鉄分濃度変化率を入力し、ファジィ推論則を用いて鉄分濃度に関するファジィ集合A及び鉄分濃度変化率に関するファジィ集合Bの状態に応じた夫々の出力のファジィ集合Cのグレードを推測するファジィ演算部と、
該ファジィ演算部で推測した夫々の出力のファジィ集合Cをグレード値で切り取ったメンバシップ関数を重ね合わせることによりその合成したメンバシップ関数の重心を算出する重心演算部と、
該重心演算部で得た重心を現在の注油率に対する増減幅として注油器に注油率の増減を指示する注油率変更指示部とを有する
ことにより、潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いて注油率を増減するファジィ制御を行う注油率増減制御装置を備え、
前記注油率増減制御装置は、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いて注油率を増減するファジィ制御に加えて、
ピストンリングとシリンダライナの状態と相関があるシリンダライナ温度とシリンダライナ温度の変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様に注油率を増減する制御、及び、ピストンリングとシリンダライナの状態と相関があるシリンダライナの内面油膜厚さと内面油膜厚さの変化率を用いて、前記潤滑油の鉄分濃度と鉄分濃度変化率を用いたファジィ制御と同様に注油率を増減する制御、の少なくとも1つを行う
ことを特徴とするエンジンの注油率増減制御装置、に係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、鉄分濃度と鉄分濃度変化率に基づいて、ファジィ推論則を用いて鉄分濃度に関するファジィ集合A及び鉄分濃度変化率に関するファジィ集合Bの状態に応じた出力のファジィ集合Cのグレードを推測し、ファジィ集合Cのメンバシップ関数の重心を算出し、得られた重心を現在の注油率に対する増減幅として注油器による注油率を増減するようにしたので、注油率が常に最適な値に収束するように自動的に制御できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の注油率増減制御装置を適用したエンジンの一例を示す全体構成図である。
【
図2】鉄分濃度検出装置の一例を示す断面図である。
【
図3】本発明の注油率増減制御装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の注油率増減制御装置のフローチャートである。
【
図5】入力のファジィ集合Aを定義する線図である。
【
図6】入力のファジィ集合Bを定義する線図である。
【
図7】出力のファジィ集合Cを定義する線図である。
【
図8】出力のファジィ集合Cのメンバシップ関数から重心を算出する状態を示す線図である。
【
図9】制御例1の入力のファジィ集合Aを定義する線図である。
【
図10】制御例1の入力のファジィ集合Bを定義する線図である。
【
図11】制御例1の出力のファジィ集合Cを定義する線図である。
【
図12】制御例1の入力のファジィ集合Aのグレードを示す線図である。
【
図13】制御例1の入力のファジィ集合Bのグレードを示す線図である。
【
図14】制御例1のファジィ集合AがPSでファジィ集合BがZOならば出力のファジィ集合CはZOとなることを示す線図である。
【
図15】制御例1のファジィ集合AがPSでファジィ集合BがPSならば出力のファジィ集合CはPSとなることを示す線図である。
【
図16】制御例1のファジィ集合Cのグレード値で切り取られたメンバシップ関数を合成して重心を算出する状態を示す線図である。
【
図17】制御例2の入力のファジィ集合Aのグレードを示す線図である。
【
図18】制御例2の入力のファジィ集合Bのグレードを示す線図である。
【
図19】制御例2のファジィ集合AがPMでファジィ集合BがNSならば出力のファジィ集合CはNSとなることを示す線図である。
【
図20】制御例2のファジィ集合AがPLでファジィ集合BがNSならば出力のファジィ集合CはZOとなることを示す線図である。
【
図21】制御例2のファジィ集合Cのグレード値で切り取られたメンバシップ関数を合成して重心を算出する状態を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0013】
図1は本発明の注油率増減制御装置を適用したエンジンの一例を示すもので、
図1中、1はピストン、2はピストンリング、3はシリンダライナ、4はクランクシャフト5に連結されてピストンピン6を介しピストン1を昇降させるコンロッドである。尚、エンジンは
図1に示した構造以外のものであってもよい。前記シリンダライナ3には、注油口7が設けてあり、該注油口7には注油器8が接続されている。該注油器8にはモータ9で駆動される駆動流体ポンプ10が電磁弁11を介して接続されており、電磁弁11を切り換えることにより駆動流体ポンプ10からの油圧等の駆動流体によって注油器8のプランジャ12を作動し、潤滑油タンク13の潤滑油を所定量だけ前記注油口7からピストン1とシリンダライナ3との間に注油するようになっている。尚、所定量の潤滑油を注油口7に供給するようにした注油器8は
図1の構造以外のものであってもよい。
【0014】
14は制御器であり、該制御器14は前記モータ9に駆動信号9aを送って前記モータ9を所定の回転数で駆動するようになっており、更に、前記制御器14には、前記クランクシャフト5の回転角を検出する検出器15からの角度信号15aが入力されており、制御器14は、前記角度信号15aに基づいて、前記注油口7の位置にピストン1が移動してきたときにピストン1とシリンダライナ3との間に注油を行うように前記電磁弁11を切り換える指令信号11aを出力しており、指令信号11aによって電磁弁11が切り換えられることにより、ピストン1の移動にタイミングを合わせた注油が行われるようになっている。シリンダライナ3への注油は、ピストン1が所定のストローク数作動するごとに電磁弁11を切り換えて注油するようにしており、従って、前記電磁弁11を切り換える頻度を変えることによって注油量(注油率)を制御することができる。
【0015】
前記注油口7からシリンダライナ3に注油された潤滑油は、シリンダライナ3の下部から排油管16を介して図示しない排油タンク等に戻される。
【0016】
本発明では、前記排油管16の途中に、排油中の鉄分の濃度を検出する鉄分濃度検出装置17を設け、該鉄分濃度検出装置17で検出した鉄分濃度信号17aを前記制御器14に入力している。
【0017】
前記鉄分濃度検出装置17としては、磁性体粉を含む潤滑油から磁性体粉の濃度を計測する構成を備えたものを用いることができる。
図2の鉄分濃度検出装置17は、前記排油管16の途中に、潤滑油の溜め部18を形成する開閉弁19と、該開閉弁19を回避するように配置される分岐流路20とを備えており、分岐流路20は、溜め部18の上流側に形成される分岐口21と、開閉弁19の下流側に形成される合流口22とを有し、溜め部18から溢れ出した潤滑油が下流側へ流れるようになっている。前記溜め部18の側部には、溜め部18に開口23を有する筒状の例えば非磁性材からなる導入管24と、該導入管24の内部を摺動する例えば非磁性材からなるピストン25と、ピストン25を駆動させる駆動手段(図示せず)が備えてある。前記導入管24の外周部にはコイルからなる検出体26が設けてあり、該検出体26を制御して鉄分濃度を検出する検出器27による鉄分濃度信号17aが前記制御器14に入力されている。前記検出器27としては、例えば、コイルによる検出体26に磁場を発生させる磁場印可手段と、超電導量子干渉素子による磁気センサを備え、磁化された磁性成分の磁場のみを検出することにより鉄分濃度を検出するようにしたものを用いることができる。
【0018】
前記開閉弁19を閉じて溜め部18に一定量の潤滑油を溜めた後、ピストン25を実線位置に引き込むことにより溜め部18の潤滑油を導入管24内の検出体26内側に導入した後、前記検出器27による鉄分濃度の計測を行う。検出器27は、磁性成分の磁場と鉄分の濃度との相関関係を用いた鉄分濃度の検出を行い、得られた鉄分濃度と、前記ピストン25を
図2の破線で示す如く押し出してピストン25が検出体26によって覆われた状態(鉄分がない状態)での前記検出器27による鉄分濃度の検出値との差から、鉄分濃度が検出される。検出器27で検出された鉄分濃度信号17aは前記制御器14に入力される。尚、前記鉄分濃度検出装置17は鉄分濃度の検出ができれば
図2の構造以外のものであってもよい。
【0019】
一方、前記制御器14には、
図3に示すエンジンの注油率増減制御装置28が設けてあり、該注油率増減制御装置28に備えたファジィ演算部29に、前記検出器27で検出した鉄分濃度信号17aが入力されると共に、前記鉄分濃度信号17aを入力して鉄分濃度が単位時間で変化する鉄分濃度変化率を演算する変化率演算部30からの鉄分濃度変化率信号30aが入力されている。前記変化率演算部30は前記注油率増減制御装置28の外部に備えた場合について示したが、変化率演算部30を前記注油率増減制御装置28の内部に備えるようにしてもよい。
【0020】
前記ファジィ演算部29は、ファジィ推論則を用いて鉄分濃度に関するファジィ集合A及び鉄分濃度変化率に関するファジィ集合Bの状態に応じた出力のファジィ集合Cのグレードを推測するようになっている。
【0021】
更に、前記ファジィ演算部29によって推測された出力のファジィ集合Cは重心演算部31に入力されており、該重心演算部31では、前記ファジィ演算部29で推測した夫々の出力のファジィ集合Cをグレード値で切り取ったメンバシップ関数を重ね合わせ、その合成したメンバシップ関数の重心を算出するようにしている。そして、前記重心演算部31によって得られた重心を現在の注油率に対する増減幅として注油率変更指示部32によって前記注油器8による注油率の変更を指示するようにしている。
【0022】
又、
図1の制御器14には、前記シリンダライナ3の温度を検出する温度計33からの温度信号33aが入力されている。又、図示しないが、シリンダライナ3の内面油膜厚さを検出する油膜厚さ検出器からの油膜厚さ信号を入力することができる。
【0024】
図1に示す制御器14は、検出器15からの角度信号15aに基づいて、ピストン1の移動にタイミングを合わせて電磁弁11を切り換え、前記注油口7の位置にピストン1が移動してきたときにシリンダライナ3に注油を行う。従って、前記電磁弁11を切り換えて注油口7に潤滑油を供給する頻度を変えることにより注油量(注油率)を制御できる。
【0025】
ここで、鉄分濃度計測装置17からの鉄分濃度信号17aが定常状態よりも増加した場合には、
図3の注油率増減制御装置28により給油率を増加する制御を行い、又、鉄分濃度信号17aが定常状態よりも低下した場合には、前記注油率増減制御装置28により給油率を減少する制御を行う。
【0026】
即ち、
図3、
図4に示すように、前記鉄分濃度検出装置17で検出した鉄分濃度信号17aと、変化率演算部30からの鉄分濃度変化率信号30aが入力されたファジィ演算部29では、ファジィ推論則を用いて鉄分濃度に関するファジィ集合A及び鉄分濃度変化率に関するファジィ集合Bの状態に応じた出力のファジィ集合Cのグレードを推測する。
【0027】
更に、前記ファジィ演算部29によって推測された出力のファジィ集合Cは重心演算部31に入力され、該重心演算部31によって、出力のファジィ集合Cのメンバシップ関数μ(x)の重心を算出する。そして、前記重心演算部31によって得られた重心を現在の注油率に対する増減幅として注油率変更指示部32により前記注油器8による注油率の変更を指示する。
【0028】
上記実施例によれば、注油率が常に最適な注油率に収束されるように自動的に制御することができる。
【0029】
又、前記鉄分濃度検出装置17により検出される鉄分濃度に基づいた注油率のファジィ制御に加えて、ピストンリングとシリンダライナの状態と相関があるシリンダライナ温度、或いはシリンダライナ内面油膜厚さの少なくとも一方について、前記鉄分濃度に基づいて注油率をファジィ制御するのと同様の方法で制御することにより、注油率を最適な値に導く確率を高めることができる。
【0030】
以下に、本発明によるファジィ制御について説明する。
【0031】
1)ファジィ集合の定義
鉄分濃度と鉄分濃度の変化率を夫々入力のファジィ集合とし、注油率の増減(率)を出力とする。即ち、入力のファジィ集合A(鉄分濃度絶対値:ppm)及び入力のファジィ集合B(単位時間あたりの鉄分濃度変化率:ppm/hr)から出力のファジィ集合C(注油率増減:%)を以下のようにして求める。
【0032】
図5は入力のファジィ集合A(鉄分濃度絶対値:ppm)を示し、
図6は入力のファジィ集合B(時間あたりの鉄分濃度変化率:ppm/hr)を示し、
図7は出力のファジィ集合C(注油率増減:%)を示す。
【0033】
尚、
図5〜
図7において、縦軸は各信号の値に関するグレードで0〜1とする。各集合のメンバシップ関数をファジィ集合Aでは濃度の小さい方からZO(鉄分濃度が低い(略ゼロ))、PS(鉄分濃度がやや低い)、PM(鉄分濃度が正常)、PL(鉄分濃度がやや高い)、PG(鉄分濃度が高い)と定義し、ファジィ集合Bでは変化率0を中心にZO、+はPS、PB、−はNS、NBとする。ファジィ集合Cはファジィ集合Bと同様に定義する。
図5〜
図7における各メンバシップ関数をある程度自由に定義することにより、集合の形態を変更することができる。
【0034】
2)ファジィ推論則の定義
入力のファジィ集合A及びBの状態に応じた出力のファジィ集合Cの動作を推測する。
【0035】
表1に示すように、例えば絶対値がPMで、変化率がPSならば出力はPSというような条件式を全パターン作成してテーブル化する。
【表1】
【0036】
3)推論結果の算出
入力のファジィ集合A及びBのグレードに対して、推論則によって決定された出力のファジィ集合Cを照らし合わせてグレードを推測し、出力のファジィ集合Cのメンバシップ関数の重心を、重心法を用いて算出する。重心法とは、ファジィ推論則によって決められた出力のファジィ集合Cについて、
図8のメンバシップ関数μ(x)の重心Gを下式(1)によって算出する方法である。下式(1)によって求めた重心Gの値が、出力結果となる。
【数1】
【0038】
[制御例1]
入力のファジィ集合A(鉄分濃度絶対値:ppm)における各ファジィ集合のメンバシップ関数を次のとおり定義する。
メンバシップ関数ZO
ZO1b……………20
ZO0b……………35
メンバシップ関数PS
PS0s……………25
PS1s……………40
PS0b……………65
PS0b……………80
メンバシップ関数PM
PM0s……………70
PM1s……………85
PM1b……………110
PN0b……………125
メンバシップ関数PL
PL0s……………115
PL1s……………130
PL1b……………155
PL0b……………170
メンバシップ関数PG
PG0s……………160
PG1s……………175
この様に定義すると、入力のファジィ集合Aは
図9のようになる。
【0039】
入力のファジィ集合B(単位時間である1時間あたりの鉄分濃度変化率:ppm/hr)における各ファジィ集合のメンバシップ関数を次のとおり定義する。
メンバシップ関数NB
NB1b……………80
NB0b……………65
メンバシップ関数NS
NS0s……………75
NS1s……………60
NS1b……………35
NS0b……………20
メンバシップ関数ZO
ZO0s……………30
ZO1s……………15
ZO1b……………10
ZO0b……………25
メンバシップ関数PS
PS0s……………15
PS1s……………30
PS1b……………55
PS0b……………70
メンバシップ関数PB
PB0s……………60
PB1s……………75
この様に定義すると、入力のファジィ集合Bは
図10のようになる。
【0040】
出力のファジィ集合C(注油率増減:%)における各ファジィ集合のメンバシップ関数を次のとおり定義する。
メンバシップ関数NB
NB1b……………40
NB0b……………32.5
メンバシップ関数NS
NS0s……………37.5
NS1s……………30
NS1b……………17.5
NS0b……………10
メンバシップ関数ZO
ZO0s……………15
ZO1s……………7.5
ZO1b……………5
ZO0b……………12.5
メンバシップ関数PS
PS0s……………7.5
PS1s……………15
PS1b……………27.5
PS0b……………35
メンバシップ関数PB
PB0s……………30
PB1s……………37.5
この様に定義すると、出力のファジィ集合Cは
図11のようになる。
【0041】
ここで現在の鉄分濃度検出装置17の検出器27からの入力値が35ppm、単位時間を1時間とした場合の1時間前の鉄分濃度値が15ppmの場合を考える。
【0042】
このとき、ファジィ集合Aの入力値は35(ppm)でファジィ集合Bの入力値は+20(ppm/hr)であるので、この値を各集合のメンバシップ関数に代入すると、
・ファジィ集合Aにおいて入力値35の時は、
図12に示す如くPSのグレード0.67
・ファジィ集合Bにおいて入力値+20の時は、
図13に示す如くZOとPSのグレード0.33
となる。
【0043】
上記ファジィ推論則より、
・ファジィ集合AがPSでファジィ集合BがZOならば
図14の如くファジィ集合CはZO
・ファジィ集合AがPSでファジィ集合BがPSならば
図15の如くファジィ集合CはPS
となる。
【0044】
上記より導き出されたファジィ集合Cのグレード値で切り取られたメンバシップ関数を重ね合わせて
図16に示すように合成し、その合成したファジィ集合(ハッチング部)μ(x)の重心Gを式(2)により式2のように算出する。
【数2】
得られたG=10(%)から、現状の注油率に対して+10%の注油率に変更する。
【0045】
[制御例2]
各ファジィ集合のメンバシップ関数は制御例1と同じである。
【0046】
現在の鉄分濃度検出装置17の検出器27からの入力値が122.5ppm、単位時間を1時間とした場合の1時間前の鉄分濃度値が162.5ppmの場合を考える。
【0047】
このとき、ファジィ集合Aの入力値は122.5(ppm)でファジィ集合Bの入力値は−40(ppm/hr)であるので、この値を各集合のメンバシップ関数に代入すると、
・ファジィ集合Aにおいて入力値122.5の時は、
図17の如くPMのグレード0.17、PLのグレード0.5
・ファジィ集合Bにおいて入力値−40の時は、
図18の如くNSのグレード1.10
となる。
【0048】
上記ファジィ推論則より、
・ファジィ集合AがPMでファジィ集合BがNSならば
図19の如くファジィ集合CはNS
・ファジィ集合AがPLでファジィ集合BがNSならば
図20の如くファジィ集合CはZO
となる。
【0049】
制御例1と同様に、導き出された出力のファジィ集合Cのグレード値で切り取られたメンバシップ関数を重ね合わせ、
図21に示す如くその合成したファジィ集合(ハッチング部)μ(x)の重心Gを下記式(3)のように算出する。
【数3】
得られたG=−7.09(%)から、現状の注油率に対して−7.09%の注油率に変更する。
【0050】
尚、本発明のエンジンの注油率増減制御方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。