(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊技球検知手段は、遊技球が通過可能な通過孔を有するとともに、この通過孔を通過する遊技球を検知する検知部を備え、前記検知部は、前記可動部材の前記誘導側面から前記固定部材の前記ガイド側面に向かって設けられ、
前記可動部材が前記開放位置の場合に、前記検知部の前記通過孔が前記ガイド側面と前記誘導側面との間に位置して前記誘導路に連通し、前記誘導路に流入または前記誘導路を通過する遊技球を検知可能にされ、
かつ、前記可動部材が前記閉鎖位置の場合に、前記検知部が前記固定部材側に移動して遊技球を通過不可能にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機であるパチンコ遊技機においては、遊技盤の前側にて遊技球が流下する遊技領域に設けられた一部の入賞口(始動入賞口、大入賞口)に、当該入賞口への遊技球の入賞率を変更する入賞装置(電動役物)が設けられている。
一般的な入賞装置としては、所謂電動チューリップ(以下、電チューと略す)と、所謂アタッカとが知られている。
【0003】
電チューでは、チューリップの花びら状の一対の可動部材が左右に配置され、それらの間に入賞口が設けられている。一対の前記可動部材は、下端部を中心に互いに上端部が離れる方向と近づく方向とに遊技盤面に沿って回転移動可能になっている。一対の可動部材が最も近づいた場合(閉じた場合)には、一対の可動部材の上端部間に遊技球の直径より少しだけ大きな間隔が開けられ、一対の前記可動部材の上端部が最も離れた場合(開いた場合)には、これら上端部どうしの間隔が遊技球の直径の3、4倍程度(例えば、55mmを超えない長さ)の間隔になり、複数の遊技球が同時に一対の可動部材間に流下可能になっている。
【0004】
また、一対の前記可動部材が開いた状態では、開いた可動部材の上面が入賞口側に下り傾斜しており、一対の可動部材の範囲内に遊技球が流下した場合に、この遊技球を一対の可動部材の下端部の間に設けられた入賞口に案内するようになっている。なお、開いた場合の可動部材の上面は、閉じた状態で一対の可動部材において互いに対向する側面となっている。この上面(側面)は、遊技盤面に対して略直角になっている。入賞口は、遊技盤面から前方に突出して設けられるとともに上側に開放し、上から流下した遊技球を受けて遊技盤面の後方側に誘導するようになっている。この入賞口の内側に流入した遊技球を検知する遊技球検知センサが設けられている。
【0005】
アタッカは、例えば、遊技盤面に設けられ、55cmから135cmの左右幅を有する横長の矩形状の開口部である大入賞口に、この大入賞口を開閉するための可動扉を設けたものである。大入賞口の上下幅は、遊技球の直径より少しだけ広くなっており、遊技球が流入可能な幅になっている。可動扉は、大入賞口に対応する形状を有し、その下側縁部を水平な回転軸として回転可能になっており、略垂直に立って大入賞口を閉じた状態と、この状態から上端部を前側に倒すように回転させて略水平になって、大入賞口を開いた状態との間で移動可能になっている。
【0006】
この倒れて大入賞口を開放した状態の可動扉の上面(閉じていた場合の背面)は、倒れた状態で大入賞口側に下り傾斜している。すなわち、可動扉は、完全な水平の状態ではなく、先端から基端に向けて下り傾斜している。また、可動扉の左右端部には、可動扉の左右端部から遊技球が流れ落ちるのを防止するように左右の壁部が設けられている。
【0007】
単に、遊技盤面に開口を設けた場合、特に上下幅が遊技球の直径より少し長い程度の大入賞口のような開口を設けた場合には、遊技盤面を流下する遊技球がそのまま下方に流下してしまうと、遊技球が開口部に入らずに通過する可能性が高い。すなわち、開口部の前面側を遊技球が流下しても、流下した遊技球の一部しか開口部内に流入できない。
【0008】
それに対して、アタッカの可動扉が開いた状態では、第入賞口の前を通過する遊技球が可動扉の上面に受けられて大入賞口に流入させられるようになっている。
これにより、例えば、可動扉の上面に当って跳ねる一部の遊技球を除いて、大入賞口の前を流下する遊技球の多くを大入賞口に流入させることができる。
但し、アタッカの上側には、遊技釘が複数打設されて遊技球の流下方向を変えるようになっており、各遊技球は、必ずしも鉛直方向下側に流下しているわけではない。
【0009】
これらのような入賞装置は、長年に渡ってパチンコ遊技機で用いられており、パチンコ遊技機の遊技に適したものであることが実証され、遊技者にも支持されている。しかし、各種パチンコ遊技機の遊技内容や遊技の仕方の変遷に対応する入賞装置が求められている。
その一つとして、当たりの種類によって、開放の仕方を変えられる入賞装置が提案されている。
【0010】
例えば、遊技盤面の下部に遊技盤面から突出して左右に延在するとともに、向かって左に下り傾斜する大入賞口装置を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この大入賞口装置は、傾斜下側の半分に横長の箱状球貯留部を備え、この箱状貯留部の上側は、遊技球が流入可能に左右に長く開口しているとともに、この箱状貯留部の内部の下り傾斜の下端側に大入賞口が設けられている。また、大入賞口装置は、箱状貯留部の上側の開口を開閉するスライド板が前記大入賞口装置の左右幅の全体に渡ってスライド可能に設けられている。
【0011】
このスライド板は、箱状貯留部上に配置された際には、箱状貯留部の上側の開口を閉塞して大入賞口への遊技球の流入を阻止し、箱状貯留部の上側開口を開放した状態では、箱所貯留部の右側を流下する遊技球を箱状貯留部の上側開口に案内するようになっている。
【0012】
このスライド板による箱状貯留部の上側の開口の閉塞量(開放量)をスライド板のスライド量で制御することにより、大入賞口に遊技球を流入させることが可能な左右幅の範囲を任意に制御することが可能になる。すなわち、箱状貯留部の上側開口の開放されている左右幅を狭めると、スライド板と箱状貯留部とが重なる部分の幅が広くなることで、スライド板と箱状貯留部とが占める左右幅が狭くなって、遊技球を大入賞口に流入させることができる部分の左右幅が狭くなり、単位時間当たりの大入賞口への遊技球の流入数を減少させることができる。
【0013】
これにより大入賞口装置の開放時間が同じであっても、箱状貯留部の上側開口のスライド板により開放される左右幅を変えることによって、遊技球の入賞率を変更することが可能になる。
【0014】
また、大入賞口ユニットとして、遊技盤面に対して前後にスライド移動するスライド開閉部材を備え、スライド開閉部材は、遊技盤面のスライド開閉部材が前後にスライド移動するための開口(大入賞口)を閉塞するスライド板と、スライド板の下部から後側に延在して遊技球を受ける棚板部と、棚板部で受けた遊技球を回収する回収口とを備えているものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0015】
この大入賞口ユニットでは、スライド開閉部材が通常時は、そのスライド板が大入賞口を閉塞する閉塞位置にあり、大当たり遊技状態で大入賞口を開放する場合には、スライド開閉部材が前方の開放位置にスライド移動する。開放位置では、スライド開閉部材のスライド板が遊技盤面から遊技球の直径より少し長い距離だけ前側に位置し、スライド板と遊技盤面との間から棚板部上に遊技球が流下可能になる。
【0016】
また、スライド板は、中央が高く左右端部が低い五角形状の形状を有し、閉塞位置より前側で開放位置より後側の位置で、大入賞口に遊技球が入賞できない中間位置にある場合に、スライド板上に流下する遊技球を止めてしまうことなく左右に流下させることが可能になっている。
【0017】
大入賞口ユニットは、大当たり遊技状態において、賞球が多く大当たり遊技状態となっている期間が長い場合と、賞球が少なく大当たり遊技状態となっている期間が短い場合に使用される。なお、上述の期間が長い場合と短い場合とで、ラウンド数を同じにするようになっている。大当たり遊技状態になっている期間が長い場合には、スライド開閉部材が開位置と閉位置との間を移動する開閉動作を行う。
【0018】
また、大当たり遊技状態になっている期間が短い場合には、開放している時間を短くするだけでなく、開閉を繰り返す際に、開位置と閉位置とを往復移動させるのではなく、開位置と中間位置との間で移動させる(最後は閉位置に移動)ようにすることで、開閉動作を迅速化し、大当たり遊技状態になっている期間を短くしている。
【0019】
これにより、所謂2ランド当たりに代えて、例えば、15ラウンド当たりなのに、極めて大当たり遊技状態になっている期間が短い大当たり遊技状態を実施することができる。
これにより、全て15ラウンド大当たりとすることにより、大当たり発生時に15ラウンドランプまたは2ラウンドランプの点灯を行う必要がなくなる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の第1実施形態の遊技機の入賞装置について図面を参照して説明する。
図1および
図2に示すように、入賞装置(アタッカ:特別可変入賞装置)20は、パチンコ遊技機の前側の図示しないガラス板(透明板)との間に遊技領域2が形成される遊技盤1に設けられる。
この遊技盤1の盤面(前面)上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、当たり抽選手段として機能する主制御装置で行われる抽選の各種大当りおよびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
【0043】
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
【0044】
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に特図を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲームと、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲームとがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、互いに独立して並列的に行われるものとしてもよいし、排他的に一方のゲーム中は他方のゲームが行われないようにしてもよい。
【0045】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口5aが設けられている。
また、第1始動入賞口5aの下側に第2始動入賞口5bを備えた所謂電チューと呼ばれる普通可変入賞装置5が設けられている。
この普通可変入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片5c,5cを備え、第2始動入賞口5bに遊技球が入賞し難い可動片5c,5cが閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片5c,5cが開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。
【0046】
第1始動入賞口5aには、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサが設けられており、第1始動球検知センサは、主制御装置に、遊技球が第1始動入賞口5aに入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口5bには、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサが設けられており、第2始動球検知センサは、主制御装置に、遊技球が第2始動入賞口5bに入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。
【0047】
第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bの右側方に、第1大入賞口(
図2に図示)21を有するアタッカとしての入賞装置20が設けられている。この入賞装置20の詳細については後に説明する。
【0048】
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)ゲート(始動通過口:スルーチャッカ)7が設けられている。また、普図ゲート7には、普図ゲート7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサが設けられ、通過球検知センサは遊技球を検知すると主制御装置に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置は、普通可変入賞装置5を開状態とする当たりと、普通可変入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲームをLED表示装置である普図表示装置8で表示することにより報知される。
【0049】
普図ゲームが当たりになった場合に、普通可変入賞装置5が開放し、第2始動入賞口5bへの遊技球の入賞率が高まり、第2変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサがそれぞれ設けられている。
【0050】
また、遊技盤1には、大当たり遊技状態(特別遊技状態)の際の大当たりの種類に基づくラウンド数、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの保留数、普図の変動表示ゲームの普図保留数(開放保留数)等を表示するとともに、普図表示装置8を備えた状態表示装置9が設けられている。
【0051】
また、遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面側に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘11(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0052】
第1実施形態に係る入賞装置20は、アタッカとして大入賞口(回収口)21に遊技球が入賞できない閉塞状態と、大入賞口21に遊技球が入賞可能にされるとともに、遊技領域2を流下する遊技球の一部を大入賞口21に案内して大入賞口21への遊技球の入賞率を高める開放状態との間で変動するように設けられている。
【0053】
入賞装置20は、
図1〜
図5に示すように、前面にベース板22を有するベース部23(
図3から
図5に図示)と、ベース部23に固定されている固定部材30と、ベース部23に一方向に沿って往復自在に設けられ、大入賞口21を開閉する可動部材50とを備えている。
【0054】
ベース部23は、遊技盤1の入賞装置20の設置位置に設けられた開口部に挿入されて遊技盤1に固定される部分である。このベース部23のベース板22は、その前面が遊技盤1の盤面と面一(同一平面)になるように配置されており、遊技盤1の盤面と同じ平面内にベース板22の前面が配置され、このベース板22の前面は、遊技盤1の盤面の一部として機能する。
大入賞口21は、遊技盤1の盤面の一部を構成するベース板22の前面に、遊技盤1の盤面に沿って設けられている。すなわち、大入賞口21は、遊技盤1の一部としてのベース板22に設けられた開口部であり、ベース板22を前面から裏面に貫通する大入賞口21は、遊技盤1の盤面の一部であるベース板22の前面から後方に向かって遊技球を流入可能にする構造になっている。
【0055】
固定部材30は、
図1から
図3および
図5に示すように、遊技盤1の盤面とその前のガラス板との間の遊技領域2の周囲を囲んで遊技領域2の範囲を確定するガイドレール24の右下方位置の内周面に沿って配置されている。また、固定部材30は、遊技盤1の盤面(ベース板22の前面)から前側に突出して設けられ、ガラス板の背面の近傍まで突出した状態となっている。また、固定部材30は、周囲の側壁部分と、その上側(前側)を覆う光透過性の天板部分T1からなり、その内部は中空になっている。
【0056】
また、ガイドレール24の一部である部分ガイドレール31がガイドレール24側の側壁を兼ねている。なお、部分ガイドレール31を含むガイドレール24を固定部材30(入賞装置20)と別体としてもよい。
【0057】
固定部材30の周囲を囲む側壁は、上述のガイドレール24の右下方部分の一部を構成する部分ガイドレール31と、入賞装置20が開放状態となった場合に、遊技球を大入賞口21に誘導する後述の誘導路81の下側の底面を構成し、遊技球を大入賞口21に案内するガイド側面32を備えるガイド側壁部33と、部分ガイドレール31より上側のガイドレール24に沿って流下する遊技球をガイド側面32側に導くように部分ガイドレール31の内周面とガイド側面32との間にこれらに連続して一体に設けられた導入側面35を備える導入側壁部36と、ガイド側壁部33に沿って大入賞口21の前に至る遊技球を大入賞口21側に流入させる流入用側面37を備える流入用側壁部38とを備える。
また、部分ガイドレール31の下部側と、流入用側壁部38との間には、これらの間をつなぐ下部側壁部39が設けられている。なお、流入用側面37は、後述の可動部材50または固定部材30とは別に、ベース板22に設けるようにしてもよい。
【0058】
以上のことから固定部材30の側面は、上側から部分ガイドレール31の上端部の内周面に連続する導入側面35と、この導入側面35から大入賞口21の前側に至るガイド側面32と、ガイド側面32の下端部にガイド側面32に直交するように連続して設けられた流入用側面37とを備えるものである。なお、流入用側面37から部分ガイドレール31の内周面までの間には、途中で鋭角に屈曲する下部側壁部39の側面が配置されるが、この下部側壁部39の側面には遊技球が接触しないようになっている。
【0059】
また、固定部材30の内部のベース板22の前面側には、複数のLED40が実装されたLED基板41が配置されている。LED40は、例えば、異なる発光色のLED40が用いられるか、例えば、3色LED等の複数色を発光できるLED40が用いられることが好ましい。これにより、各LED40の点灯および消灯の組み合わせや、各LED40の発光色の組み合わせ等により、天板部分T1を介して発光色が変化する演出を行うことができる。
【0060】
可動部材50は、
図1から
図4に示すように、固定部材30のガイド側面32側に設けられたものである。可動部材50は、固定部材30と同様に、遊技盤1の盤面(ベース板22の前面)から前側に突出して設けられ、ガラス板の背面の近傍まで突出した状態となっている。可動部材50は、周囲の側壁部分と、その上側(前側)を覆う光透過性の天板部分T2とから構成されている。
【0061】
可動部材50の周囲を囲む側壁は、固定部材30のガイド側面32に対向して配置される誘導側面51を有する誘導側壁部52と、固定部材30の流入用側面37に対向するスライド側面53を有するスライド側壁部54とを備える。また、可動部材50は、スライド側面53の左側に、固定部材30の下部側壁部39の部分ガイドレール31の方向に沿った側面に対向する対向面55を有する対向側壁部56と、固定部材30の反対側で可変表示装置3側を向く円弧状の外周側面57を有する外周側壁部58とを備える。
【0062】
また、可動部材50は、天板部分T2から一対の板状の支柱部59が、ベース板22に形成された一対のスリット26を貫通している。支柱部59は、ベース板22に直交して配置されている。また、スリット26は、固定部材30の流入用側面37および可動部材50のスライド側面53に平行に形成されている。支柱部59は、スリット26の長手方向(矢印X方向:
図3参照)に沿って移動自在となっているとともに、これら一対の支柱部59を備える可動部材50が支柱部59と一体にスリット26の長手方向(矢印X方向)に移動自在となっている。
【0063】
支柱部59のベース板22を貫通して、ベース板22の裏面側に突出した先端部には、スライド板60が固定されている。
【0064】
スライド板60は、支柱部59と一体にスリット26の長さ方向に移動自在にされている。また、
図4に示すように、スライド板60の上述の移動方向に沿う左右の側縁部は、ベース板22の裏面に固定された一対の案内支持部61により、スリット26の長さ方向に沿って移動自在に支持されている。すなわち、スライド板60は、ベース板22の裏面の案内支持部61により、上述のスリット26の長手方向に沿って移動するように移動方向が規制されている。
【0065】
また、スライド板60の裏面には、矢印X方向と平行なスリット26の長手方向(流入用側面およびスライド側面)に沿った方向に延在するラックギヤ62が、設けられている.また、ベース板22を備えるベース部23には、可動部材駆動手段としての電動のモータ63が固定されている。
【0066】
このモータ63は、例えば、減速機と一体に構成されるアクチュエータであり、モータ63の回転軸との間に減速機を介した駆動軸64を備える。この駆動軸64には、ピニオンギヤ65が取り付けられている。このピニオンギヤ65は、ラックギヤ62に噛み合っており、モータ63でピニオンギヤ65を回転することにより、ラックギヤ62を有する可動部材50を移動させることができる。上述の移動方向としてのスリット26の長手方向(矢印X方向)は、固定部材30に対して可動部材50が離れる方向と、近づく方向である。また、この移動方向に沿う可動部材50の移動は、可動部材50が回収口としての大入賞口21を閉塞する閉塞位置と、大入賞口21を開放する開放位置との移動となっている。
【0067】
ここで、可動部材50が固定部材30に最も近づいた状態では、固定部材30のガイド側面32に、
図1に示すように、可動部材50の誘導側面51が略当接した状態であり、誘導側面51とガイド側面32との間に後述のように形成される誘導路81を遊技球が通れない状態になる。また、
図1および
図2に示すように、点50Y1と、点50Z1とが略当接した状態では、可動部材50の外側面50Y2と導入側面35が連なる下り傾斜面が形成され、遊技球の滞留が発生しない状態となる。
なお、可動部材50の可動前(閉塞位置)および可動後(開放位置)において、外側面50Y2に沿うまたは衝突して流下する遊技球について、遊技盤1の盤面に設けられる所定の入賞口(球検知部)へと誘導しない、または誘導され難くしてアウト口12へと向かうようにすることで、可動部材50の移動変化に応じて入賞率が変化しないまたは変化し難いような盤面構成(本実施形態では、遊技領域2内のガイドレール24に沿った右下配置)としている。
【0068】
また、大入賞口21の前面が可動部材50で覆われ、大入賞口21が閉塞した状態になる。
この状態は、可動部材50が大入賞口21への遊技球の流入を不可能にしている閉塞位置である。
【0069】
この状態で、モータ63を正転させると、固定部材30から可動部材50が離れる方向に移動する。この際の移動方向は、ここでは、流入用側面37およびそれに対向するスライド側面53に平行で、かつ、遊技盤1の盤面(ベース板22の前面)に平行な方向となっている。すなわち、流入用側面37にスライド側面53を沿わせた状態で、遊技盤1の盤面上を可動部材50が移動することになる。
【0070】
固定部材30に対して可動部材50が設定された距離だけ離れた場合に、固定部材30のガイド側面32と、可動部材50の誘導側面51との間には、遊技球の直径より少しだけ広い間隔があけられるようになっている。この状態の可動部材50が大入賞口21を開放した開放位置にある状態になる。このモータ63により可動部材50の移動は、可動部材制御手段としての主制御装置により行われる。
【0071】
このガイド側面32と、誘導側面51との間の間隔が大入賞口21に遊技球を誘導する誘導路81となっている。この誘導路81は、導入側面35から流下して、誘導側面51の上端部に当って、誘導側面51の上端部とガイド側面32の上端部との間の入口位置82に入り込んだ遊技球を誘導路81の終端側の端部のベース板22の前面(遊技盤1の盤面)に開口する大入賞口21に誘導して流入させるようになっている。
大入賞口21と、ガイド側面32および誘導側面51との間の誘導路81とは、前後に重なった状態である。ここで、例えば、遊技盤1の盤面に設けられた開口の前を遊技球を流下させた場合に、遊技球の多くは、開口から盤面の後方側に流入せずに、盤面の開口の前を通過してしまう恐れがある。
【0072】
この実施形態では、固定部材30のガイド側面32の終端側には、ガイド側面32に対して略直角な流入用側面37が形成され、誘導路81を流下する遊技球が、大入賞口21の前を通って大入賞口21の前を通り越すのを阻止している。誘導路81を通って流入用側面37に当った遊技球は、ベース板22の盤面に対して、僅かに大入賞口21側に傾いて配置された流入用側面37で停止した状態、または、跳ねてから停止した状態となり、大入賞口21の前を通過できずに、大入賞口21に流入することになる。
【0073】
また、ベース板22の裏面側のベース部23内には、大入賞口21に流入する遊技球が下方に誘導される構成となっているとともに、大入賞口21の裏面側の下側に大入賞口21に流入した遊技球を検知する遊技球検知手段としての遊技球センサ25が設けられている。
この遊技球センサ25は、例えば、非接触で遊技球を検知可能な近接センサであり、矩形板状のケーシングに遊技球が通過可能な通過孔が設けられており、通過孔を通過する遊技球を検知するようになっている。
また、遊技球センサは、大入賞口21に遊技球が入賞したことを示す信号(大入賞信号)を主制御装置に出力するようになっている。大入賞信号が入力された主制御装置では、大入賞信号に基づいて、遊技球払出装置を制御する払出制御装置に対して、賞球としての遊技球を払い出すためのコマンドを出力するとともに、可動部材50が開放位置となってからの大入賞信号の入力数をカウントし、このカウントされた値が、所定時間が経過する前に、所定数に達した場合に、可動部材50を閉塞位置に移動させる。また、大入賞信号のカウント値が所定数に達する前に、所定時間が経過した場合も、可動部材50を閉塞位置に移動する。
【0074】
また、遊技球を右打ちして、遊技領域2の上部の左側から遊技領域2に流入する遊技球がガイドレール24に沿って時計周りに移動する場合に、ガイドレール24の右側に至った比較的多くの遊技球は、導入側面35に案内されて上述の誘導路81の入口位置82に達する。この入口位置82に到達した遊技球は、球詰まりしないかぎり大入賞口21に入賞(流入)することが確定した状態になる。
【0075】
このことから、入賞装置20は、可動部材50が開放位置にある場合に、遊技球を右打ちすると、遊技領域2内に発射された遊技球のうちの比較的多くの遊技球が大入賞口21に入賞するようになっている。
また、可動部材50の内部にも、ベース板22に略平行にLED40が実装されたLED基板71がベース板22に略平行になるように設けられている。なお、LED基板71は、図示しないフレキシブルな配線により遊技機本体側に接続されている。
【0076】
このような入賞装置20は、図示しない主制御装置により制御されており、上述の変動表示ゲームが大当たりとなった際に、例えば、15ラウンド等の所定ラウンド数だけ可動部材50を閉塞位置から開放位置とした後に再び閉塞位置に戻すようにモータ63が制御される。なお、入賞装置20は、各ラウンドにおいて、可動部材50を開放位置にしてから所定時間が経過した場合、または、所定数(例えば、9個や10個)の遊技球が入賞した場合に可動部材50を閉位置に戻すようになっている。
【0077】
可動部材50を閉塞位置から開放位置に移動した際には、遊技者が遊技球発射勢を強めて(例えば、最大の発射勢で)右打ちした場合に、ガイドレール24に沿って時計周りに移動する遊技球が、固定部材30の上端部のガイドレール24側の導入側面35に至ることになる。
【0078】
この導入側面35に至って遊技球は、固定部材30から所定距離(遊技球の直径より少しだけ長い距離)離れた可動部材50の誘導側面51の上端部に当ることになる。なお、可動部材50が閉塞位置にある場合に、誘導側面51の上端と、導入側面35の下端(ガイド側面32の上端)とは、略同じ高さ位置にある。しかし、閉塞位置にある可動部材50が固定部材30に対して左斜め上に移動することにより、開放位置に至るので、上述のように、導入側面35の下端より、誘導側面51の上端の方が高くなっている。
【0079】
したがって、導入側面35に沿って流下する遊技球は、可動部材50の誘導側面51の上端部に当ることになる。この際に遊技球が跳ねなければ、遊技球は、誘導側面51とガイド側面32との間に出現した誘導路81の入口位置82から誘導路81に流入することになる。誘導路81は、開放位置の可動部材50と固定部材30との間に遊技者に視認可能に出現しているので、遊技者は、誘導路81を流下する遊技球を見ることができる。
【0080】
誘導路81を流下する遊技球は、誘導路81の終端側で開放された大入賞口21に流入することになり、遊技者は、誘導路81の入口位置82から誘導路81を通って大入賞口21に至る遊技球を見ることができる。
【0081】
また、発射された遊技球が連続して誘導路81に流入する可能性があり、遊技者は、複数の遊技球が並んで誘導路81を流下するのを見ることも可能である。
また、誘導路81を長くするには、
図1および
図2に示すように、入賞装置20を大きくする必要がある。また、入賞装置20は、誘導路の外側を構成する部分が必要であり、誘導路81の右下側に固定部材30が配置され、誘導路81の左上側に可動部材50が配置される。
【0082】
これら可動部材50および固定部材30を大きくすることにより、入賞装置20全体を大きくして、入賞装置20を遊技者に印象付けることができる。したがって、例えば、誘導路81の長さは、遊技球の直径の5倍以上となっていることが好ましく、10倍以上になっていることがより好ましく、さらに20倍以上となっていてもよい。誘導路81を長くすることにより、可動部材50が遊技盤1の盤面に開口として形成された大入賞口21の前面を覆うとともに、上述の誘導路81の上側を構成するようになっていることから、可動部材50が広い面積を有するものになる。
【0083】
さらに、この実施形態では、流入用側面37の誘導路81の反対側となる方向に形成される非誘導路81b側にも可動部材50および固定部材30を拡げた状態となっており、これによって、可動部材50および固定部材30の面積が広くなっている。なお、本発明において、下部側壁部39および対向側壁部56を設けない、または小さくするコンパクト設計となる構成としてもよい。
【0084】
また、可動部材50および固定部材30は、遊技球を大入賞口21に誘導する誘導側面51、ガイド側面32を備えるために、遊技盤1の盤面からその前側のガラス板の近くまでの高さを必要とする。これらのことから、可動部材50は、大きな体積を有するものになり、その外観が遊技者にインパクトを与えるものになる。
【0085】
また、入賞装置20を大きなものとすることにより、可動部材50および固定部材30を中空とし、底面側(ベース板22の前面側)から明かりを照射できるように、LED基板41,71を可動部材50および固定部材30に内蔵させることで、大きな面積(体積)の天板部分T1,T2を備える入賞装置を用いて照明による演出を効果的に行うことができる。
【0086】
また、大きな可動部材50を動かして大入賞口21を開閉させることにより、例えば、従来のアタッカのように、従来の大入賞口の開口と略同じ大きさの扉が開閉する場合よりも、入賞装置20の開閉動作が印象的なものになる。
【0087】
なお、この入賞装置20では、可動部材50が開放位置から閉塞位置に移動開始した際に、可動部材50の誘導側面51と、固定部材30のガイド側面32との間に遊技球を挟み込んで、可動部材50が閉塞位置に移動できなくなる虞がある。
そこで、例えば、可動部材50が開放位置から閉塞位置に移動開始する際に、誘導路81の入口位置82側における誘導側面51とガイド側面32との間隔が、それより終端側の誘導側面51とガイド側面32との間の間隔より狭くする構成としてもよい。
【0088】
この場合に、可動部材50が閉塞位置に移動開始した際に、短時間で誘導路81への遊技球の流入が不可になる。例えば、可動部材50の閉塞位置において、誘導側面51の入口位置82に相当する上流側を部分的に、ガイド側面32よりもガイドレール24側に向かわせるとともに、遊技球の直径よりもやや大きい長さ分だけ突出させる突出部面となるようにする。
【0089】
その際に、ガイド側面32における固定部材30側は、その突出部面を出没収容可能な溝空間を設ける。
また、可動部材50の閉塞位置において、誘導側面51における突出部面よりも下流の終端側面とガイド側面32との間を遊技球の直径よりもやや大きくするクランク状の状態となるようにする。
【0090】
この場合において、誘導側面51は大入賞口(回収口)21を前から覆う位置にないが、可動部材50が閉塞位置にある際には、遊技球の大入賞口21への進入を誘導側面51における突出部面によって阻止するために、この突出部面により入口位置82を塞ぐようにしている為、大入賞口21を覆う位置にあるとみなす。
可動部材50の開放位置において、誘導側面51における突出部面とガイド側面32との間を遊技球の直径よりもやや大きい状態となるようにし、入口位置82から誘導路81へ流入して来た遊技球を大入賞口21へ進入可能とさせる遊技球の誘導路81への導入部となるようにするとよい。
【0091】
これにより、可動部材50が固定部材30から離れて開放位置となっている状態では、可動部材50の突出部面(誘導側面51の先端部分)と、固定部材30のガイド側面32との間の間隔が遊技球の直径以上となっており、遊技球が入口位置82から誘導路81へ流入可能になる。次に、可動部材50が閉塞位置に移動開始した際には、移動開始後短時間で、入口位置82において、可動部材50の突出部面と、固定部材30のガイド側面32との間の間隔が遊技球の直径以下となり、遊技球が入口位置82から誘導路81に流入できなくなる。この状態で誘導路81において、未だ可動部材50の誘導側面51(突出部面より後側の終端側面)と固定部材30のガイド側面32との間の間隔は、遊技球の直径以上となっており、誘導側面51とガイド側面32との間の誘導路81に既に進入している遊技球は、そのまま大入賞口21に流入する。したがって、可動部材50が開放位置から閉塞位置に移動する際に、誘導側面51とガイド側面32との間に遊技球が挟まれるのを防止できる。
【0092】
また、ガイド側面32と誘導側面51とにおける入口位置82側の間が遊技球の直径より小さく、誘導路81の入口位置82より終端側の部分において、ガイド側面32と誘導側面51との間が遊技球の直径より大きい状態で、可動部材50の移動を一時的に停止し、誘導路81を通過中の遊技球が全て大入賞口21に流入する時間が経過した後に、可動部材50の移動を再開し、可動部材50を閉塞位置まで移動するものとしてもよい。
【0093】
次に、第2実施形態について説明する。
図6に示す、第2実施形態の入賞装置20aは、第1実施形態における遊技球センサ25の配置を変更したものである。第2実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるため、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分について言及し、第1実施形態と同様の構成については、
図3と同様の符号を付して説明を省略する。なお、
図6においては、LED40を有するLED基板41、71の図示を省略している。
【0094】
なお、第1実施形態では、誘導路81の入口位置82に達した遊技球は、基本的に大入賞口21に流入することが確定した状態となっている。また、第1実施形態では、大入賞口21に流下した遊技球を検知するようにベース板22の裏面の大入賞口21の下側に遊技球センサ25が配置されている。
【0095】
ここで、入賞装置20は、上述のように所定数の遊技球が入賞した場合、すなわち、可動部材50が開放位置になってから、所定数の遊技球が遊技球センサ25で検知された場合に、可動部材50が閉となる。しかし、入賞装置20では、連続して遊技球が誘導路81に流入する場合があり、所定数目となる遊技球が遊技球センサ25で検知された際に、複数の遊技球が誘導路81に存在する場合が比較的頻繁に発生する可能性がる。
【0096】
この場合に、1ラウンドの可動部材50の開閉中に所定数より多くの遊技球が入賞してしまう可能性が高くなってしまう。
すなわち、大当たり遊技状態における各ラウンドの入賞装置20の開閉動作中の遊技球の入賞数が所定数以上になる確率が高く、大当たり遊技状態における各ラウンド毎の遊技球を入賞可能にする所定数の設定に対して、実際に入賞装置20に入賞する遊技球数が多くなりすぎる可能性がある。
【0097】
そこで、第2実施形態では、遊技球が到達した場合に、大入賞口21に遊技球が流入することが確定する誘導路81の上述の入口位置82に、遊技球センサ25aを設けるものとしている。
遊技球センサ25aは、可動部材50に設けられている。遊技球センサ25aは、可動部材50の誘導側面51から固定部材30のガイド側面32に向かって延出して設けられている。
【0098】
可動部材50の誘導側面51の上述の入口位置82またはその近傍にスリット51aが設けられ、このスリット51aから遊技球センサ25a(遊技球検知手段)がガイド側面32に向かって延出して設けられている。遊技球センサ25aの誘導側面51から延出する部分(検知部)には、遊技球が通過可能な通過孔25bが設けられ、この通過孔25bを遊技球が通過した場合に、遊技球が遊技球センサ25aに検知され、遊技球センサ25aから主制御装置に大入賞信号が出力されるようになっている。
なお、遊技球センサ25aの延出方向は、
図3中の矢印Xと平行な方向としている。
【0099】
また、固定部材30のガイド側面32の遊技球センサ25aに対応する位置には、遊技球センサ25aに対応した形状のスリット32aが設けられ、可動部材50の移動に伴い、遊技球センサ25aがスリット32a内を移動可能になっている。
【0100】
可動部材50が開放位置にある場合には、誘導側面51から突出する遊技球センサ25aの先端部が、ガイド側面32のスリット32aに挿入された状態になっている。この際に遊技球センサ25aの通過孔25bは、ガイド側面32と誘導側面51との間に配置され、誘導路81に通過孔25bが連通した状態になっている。この状態で誘導路81の入口位置に遊技球が流入する際に、遊技球が通過孔25bを通過して、遊技球センサ25aに検知される。
【0101】
また、可動部材50が閉塞位置にある場合には、遊技球センサ25aの誘導側面51から延出する部分のほとんどがスリット32aから固定部材30内に入り込んだ状態になる。
このような入賞装置20bにおいては、可動部材50が開放位置にある場合に、大入賞口21に至ることが確定する誘導路81の入口位置82で遊技球が遊技球センサ25aに検知されるので、大入賞口21に流入する遊技球の数と、遊技球センサ25aで検知される遊技球の数は、一致することになる。
【0102】
また、遊技球センサ25aで所定数の遊技球を検知した場合に、直ぐに可動部材50を移動開始することで、入口位置82における誘導側面51と、ガイド側面32との間の間隔を遊技球の直径以下とすることで、誘導路81への遊技球の流入を所定数の遊技球が検知されてから迅速に阻止することが可能になる。
【0103】
これにより、1ラウンド中に所定数の遊技球が遊技球センサ25aで検知された後に、遊技球が誘導路81に侵入するのを抑制することができ、1ラウンド毎に所定数より多くの遊技球が大入賞口21に入賞するのを抑制し、大当たり遊技状態中に入賞する遊技球数が多くなり過ぎてしまうのを防止できる。
【0104】
なお、第1実施形態の場合と同様に、可動部材50を開放位置から閉塞位置に移動する際に、誘導側面51とガイド側面32との間に遊技球を挟まないような構成となっていることが好ましい。
【0105】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図7に示すように、第3実施形態の入賞装置20bは、第1実施形態の入賞装置20の誘導路81の入口位置82に遊技球の誘導路81への流入を阻止する阻止位置と、遊技球の誘導路81への流入を許容する許容位置との間で移動可能な阻止部材42を設けるとともに、この阻止部材42に関連する構成を設けたものである。第3実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるため、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分について言及し、第1実施形態と同様の構成については、
図3と同様の符号を付して説明を省略する。なお、
図7においては、LED40を有するLED基板41、71の図示を省略している。
【0106】
上述のように、入賞装置20bにおいては、入賞装置20bの閉塞条件として、所定数の遊技球が入賞した後に、複数の遊技球が入賞してしまう可能性があるとともに、可動部材50を閉塞する際に、ガイド側面32と誘導側面51との間に遊技球を挟み込んでしまう恐れがある。
【0107】
第3実施例では、誘導路81の上述の入口位置82に設けられた阻止部材42が、阻止駆動手段としてのソレノイド43により、可動部材50が開放位置にある場合に、誘導路81への遊技球の流入を阻止する阻止位置と、誘導路81への遊技球の流入を許容する許容位置との間で移動自在になっている。
【0108】
阻止部材42は、例えば、固定部材30のガイド側面32に設けられ、ガイド側面32に没する状態(許容位置)と、ガイド側面32から突出する状態(阻止位置)との間を移動可能になっている。
【0109】
この実施形態では、ガイド側面32の入口位置側の端部が他の部分と別部材とされ、この別部材が阻止部材42とされている。この阻止部材42は、ガイド側面32に沿った状態(許容位置)と、ガイド側面32に対して略直交する状態(阻止位置)との間で移動自在となっている。許容位置では、阻止部材42の斜め上を向く面がガイド側面32の一部になって、誘導路81への遊技球の流入を許容している。
【0110】
また、阻止位置では、阻止部材42がガイド側面32から誘導側面51に向かって延出した状態になり、誘導路81の入口位置82を塞いで、誘導路81への遊技球の流入を阻止するようになっている。
【0111】
また、阻止部材42は、主制御装置に制御されるソレノイド43により開閉動作するようになっており、上述の入賞装置20bの閉塞条件として、入賞装置20bが開放してから所定時間の経過もしくは所定数の遊技球の入賞があった場合に、阻止部材42を許容位置から阻止位置にソレノイド43により移動させ、遊技球の誘導路81への侵入を阻止する。これにより、閉塞条件成立時から可動部材50が移動開始するまでの間に、誘導路81に遊技球が流入するのを防止できる。
【0112】
また、阻止部材42を阻止位置に移動してから、可動部材50を閉塞位置側に移動することで、可動部材50が移動開始する前に誘導路81にある遊技球を大入賞口に入賞させて、遊技球がガイド側面32と誘導側面51に挟まれるのを防止することができる。
【0113】
なお、上記例では、阻止部材42を回転移動させたが、例えば、固定部材30のガイド側面32から阻止部材42を直線移動により出没自在に設けてもよい。すなわち、ガイド側面32側から誘導側面51側に向かって直線的に阻止部材42を出没させる構成としてもよい。なお、出没方向は、遊技盤1の盤面と直交する方向でもよい。また、出没位置も入口位置82よりもやや上流側など適宜に設計可能である。
また阻止部材42を駆動する阻止駆動手段をソレノイド43ではなくモータに代えてもよく、阻止駆動手段として各種アクチュエータを使用可能である。
【0114】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図8に示すように、第4実施形態の入賞装置20cは、第1実施形態の固定部材30のガイド側面32に、開閉自在なアウト口としての開口部45を設け、この開口部45に開口部45を開閉する開閉扉46を設けたものである。第4実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるため、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分について言及し、第1実施形態と同様の構成については、
図3と同様の符号を付して説明を省略する。なお、
図8においては、LED40を有するLED基板41、71の図示を省略している。
【0115】
開口部45は、ガイド側壁部33のガイド側面32の略全面に渡って設けられている。この開口部45に流入した遊技球は、固定部材30内に流入するとともに、固定部材30内に設けられた排出口49から遊技盤1の裏面側に排出される。すなわち、開口部45に流入する遊技球は、遊技領域2の外に排出されることになり、開口部45はアウト口として機能することになる。
【0116】
開閉扉46は、その外面(固定部材30の外側を向く面)が、固定部材30のガイド側面32を構成するようになっており、可動部材50が開放位置にある場合に、開閉扉46がガイド側面32を備えるガイド側壁部33として機能するようになっている。
【0117】
また、開閉扉46は、可動部材50に固定されており、可動部材50が開放位置にある場合には、開口部45を閉じる閉位置に配置され、可動部材50が閉塞位置にある場合には、開口部45を開放する開位置に配置される。
【0118】
また、開閉扉46は、閉位置にある場合に、その外面が上述のようにガイド側面32の略全てを構成するとともに、この開閉扉46がガイド側面32を有するガイド側壁部33の略全てを構成するが、可動部材50とのリンク機構によって、可動部材50と一体に移動するようにされている。
【0119】
したがって、開閉扉46と可動部材50の誘導側面51を構成する誘導側壁部52との間には、遊技球の直径より少しだけ広い間隔があけられるとともに、その間隔が可動部材50がどの位置にあっても維持される。
【0120】
ベース板22には、遊技盤1の盤面(ベース面)よりも後方側に向かって窪む溝状の一対の開閉用スリット28が形成され、この開閉用スリット28の部分に、可動部材50の誘導側壁部52の下端部と、開閉扉46の下端部とを繋ぐ連結部材48が開閉用スリット28の長さ方向に沿って移動自在に設けられており、可動部材50と開閉扉46とが一体に移動可能になっている。なお、開閉用スリット28の長手方向は、矢印X(
図3に図示)の方向と平行となるようにしている。
【0121】
これにより、可動部材50の誘導側面51と、固定部材30のガイド側面32との間に遊技球が挟まれることがない。
すなわち、可動部材50が開放位置にある場合に、開閉扉46は、アウト口となるガイド側面32の開口部45を閉塞し、開閉扉46の外面がガイド側面32になっている。この状態で可動部材50が開放位置から閉塞位置に移動すると、開閉扉46は、ガイド側面32の開口部45内に入り込み、開口部45を開放した状態になる。
【0122】
この際に、誘導側面51とガイド側面32との間に、遊技球が有る場合に、遊技球は、可動部材50と開閉扉46との移動に対応して固定部材30内に移動させられることになる。なお、可動部材50が開放位置から閉塞位置に移動開始すると、大入賞口21の一部が閉塞されて、大入賞口21に遊技球が入賞できない状態となる。
【0123】
そのため、誘導路81に有った遊技球は、開閉扉46とともに、固定部材30内に移動することになる。ベース板22の固定部材30内で最も低い位置には、上述のように固定部材30内に移動した遊技球を遊技盤1裏面側に排出するための排出口49が設けられている。これにより、固定部材30内に入り込んだ遊技球は、下方に流下して、排出口49から排出される。
【0124】
この入賞装置20cによれば、上述のように、可動部材50と固定部材30との間に遊技球が挟まれるのを防止できるとともに、例えば、所定数の遊技球が大入賞口21に入賞した際に、誘導路81にある遊技球が大入賞口21に流入してしまうのを抑制することができる。
【0125】
なお、開閉扉46を可動部材50に連結することにより、可動部材50と一体に移動するようにしたが、例えば、バネ等の付勢手段により、開閉扉を閉位置に保持し、可動部材が開放位置から閉塞位置に移動する際に、誘導路81にある遊技球または可動部材50の一部が、可動部材50の誘導側面51に押され、開閉扉を押して、開閉扉が付勢手段の付勢力に抗して開となる構成としてもよい。この際に、開閉扉は、上述のように直線移動するのではなく、回転移動するものとしてもよい。
また、開閉扉を開閉するアクチュエータを設け、主制御装置により、入賞装置20cの閉塞条件が成立した際に、開閉扉を開放するとともに、可動部材50を開放位置から閉塞位置に移動開始するものとしてもよい。
また、可動部材50が開放位置にある場合の誘導路81の道幅は、遊技球の直径より大きく、かつ、直径の2倍未満であってもよいが、これに限定されるものではなく、例えば、誘導路81の道幅が直径の2倍以上の大きさ等の任意の設計であってもよい。
【0126】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。